JP5377109B2 - 光学フィルムとそれを備える画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも可視光領域において、波長が短くなるほど複屈折が小さくなる波長分散性(逆波長分散性)を示す光学フィルムと、この光学フィルムを備える画像表示装置とに関する。
高分子の配向により生じる複屈折を利用した光学部材が、画像表示分野において幅広く使用されている。このような光学部材の一つに、色調の補償、視野角の補償などを目的として画像表示装置に組み込まれる位相差板(位相差フィルム)がある。例えば、反射型の液晶表示装置(LCD)では、複屈折により生じた位相差に基づく光路長差(リターデーション)が波長の1/4である位相差板(λ/4板)が使用される。有機ELディスプレイ(OLED)では、外光の反射防止を目的として、偏光板とλ/4板とを組み合わせた反射防止板が用いられることがある(特許文献1を参照)。これら複屈折性を示す光学部材は、今後のさらなる用途拡大が期待される。
従来、光学部材には、トリアセチルセルロース(TAC)に代表されるセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィンが主に用いられてきたが、これら一般的な高分子は、光の波長が短くなるほど複屈折が大きくなる(即ち、位相差が増大する)波長分散性を示す。表示特性に優れる画像表示装置とするためには、これとは逆に、光の波長が短くなるほど複屈折が小さくなる(即ち、位相差が減少する)波長分散性を示す光学部材が望まれる。本明細書では、少なくとも可視光領域において光の波長が短くなるほど複屈折が小さくなる波長分散性を、当業者の慣用の呼び名に従い、また、一般的な高分子ならびに当該高分子により形成された光学部材が示す波長分散性とは逆であることに基づいて、「逆波長分散性」と呼ぶ。
これまで、逆波長分散性を有する複屈折部材を得るために、位相差あるいは波長分散性が異なる2種の複屈折部材を積層したり、特定の光学特性を有する微粒子を部材に添加したりすることがなされている(例えば、微粒子の添加について、特許文献2を参照)。しかし、2種の複屈折部材を積層して逆波長分散性を実現するためには、双方の部材を所定の角度で精密に裁断し、さらに両者を所定の角度で精密に積層することが求められるため、製造工程が複雑となって、複屈折部材のコスト性、生産性に大きな課題が生じる。一方、微粒子を添加する方法では、製造工程が複雑となり、複屈折部材のコスト性、生産性に大きな課題が残る。
これらの技術とは別に、特許文献3には、正の固有複屈折を有するポリマーと、負の固有複屈折を有するポリマーとをブレンドして得た、逆波長分散性を有する位相差板が開示されている。当該文献には、正の固有複屈折を有するポリマーとしてノルボルネン系樹脂が、負の固有複屈折を有するポリマーとしてスチレン系ポリマーが例示されている。
また、特許文献4には、正の固有複屈折を有する分子鎖と、負の固有複屈折を有する分子鎖とを有する共重合体を含む組成物を用いて形成された、逆波長分散性を有する位相差板が開示されている。当該文献には、正の固有複屈折を有する分子鎖としてノルボルネン鎖が、負の固有複屈折を有する分子鎖としてスチレン鎖などのスチレン系の分子鎖が例示されている。
特開2007−273275号公報 特開2005−156864号公報 特開2001−337222号公報 特開2001−235622号公報
本発明は、可とう性に優れた逆波長分散性を示す新規な光学フィルムの提供を目的とする。
本発明の光学フィルムは、共役ジエン単量体を重合して構築される共役ジエン単量体構造単位を必須成分として有する弾性有機微粒子(G)を含む、下記一般式(1)、(2)若しくは(3)に示される分子構造または複素芳香族基を有する樹脂(A)からなる層を有する、少なくとも可視光領域において、波長が短くなるほど複屈折が小さくなる波長分散性を示す。
Figure 0005377109
Figure 0005377109
Figure 0005377109
前記一般式(1)において、nは1〜4の範囲の自然数、RおよびRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基である。
本発明の光学フィルムは、前記樹脂(A)がアクリル樹脂またはシクロオレフィン樹脂である。
本発明の光学フィルムは、前記樹脂(A)が、前記一般式(1)に示される分子構造を有する。
本発明の光学フィルムは、前記樹脂(A)が、下記一般式(4)、(5)若しくは(6)に示される単位または複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する重合体(B−1)を含む。
Figure 0005377109
前記一般式(4)において、nは1〜4の範囲の自然数、RおよびRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表わす。
Figure 0005377109
Figure 0005377109
本発明の光学フィルムは、前記重合体(B−1)が、前記一般式(4)に示される単位または複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する。
本発明の光学フィルムは、前記一般式(4)に示される単位が、N−ビニル−2−ピロリドン単位、N−ビニル−ε−カプロラクタム単位、N−ビニル−2−ピペリドン単位、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン単位、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン単位およびN−ビニル−ω−ヘプタラクタム単位から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の光学フィルムは、前記α,β−不飽和単量体単位が、ビニルカルバゾール単位、ビニルピリジン単位、ビニルイミダゾール単位、およびビニルチオフェン単位から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の光学フィルムは、前記重合体(B−1)の固有複屈折が負であり、前記樹脂(A)が、正の固有複屈折を有する重合体(B−2)をさらに含む。
本発明の光学フィルムは、前記重合体(B−2)が、主鎖に環構造を有する。
本発明の光学フィルムは、前記重合体(B−2)が、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体である。
本発明の光学フィルムは、前記環構造が、ラクトン環構造およびグルタルイミド構造から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の光学フィルムは、前記重合体(B−1)が、当該重合体に負の固有複屈折を与える作用を有する構成単位として、前記一般式(4)、(5)若しくは(6)に示される単位または複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を有するとともに、当該重合体に正の固有複屈折を与える作用を有する構成単位をさらに有する。
本発明の光学フィルムは、前記重合体(B−1)に正の固有複屈折を与える作用を有する構成単位が、(メタ)アクリル酸エステル単位、および(メタ)アクリル酸エステル単位の誘導体である環構造から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の光学フィルムは、前記弾性有機微粒子(G)が共役ジエン単量体構造単位を50質量%以上含む軟質重合体層を有する。
本発明の光学フィルムは、前記共役ジエン単量体構造単位が、ブタジエン及び/又はイソプレンを重合して構築される共役ジエン単量体構造単位である。
本発明の光学フィルムは、前記弾性有機微粒子(G)が、多層構造を有している。
本発明はまた、上記の光学フィルムを備える画像表示装置である。
本発明によれば、可とう性に優れた逆波長分散性を示す光学フィルムが提供され、LCD、OLEDなどの画像表示装置、即ち本発明の画像表示装置、は、さらなる小型化、軽量化などの要求に対する対応性に優れる。
図1は、本発明の光学部材の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の光学部材の別の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の光学部材のまた別の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の光学部材のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。
本明細書における「樹脂」は「重合体」よりも広い概念である。樹脂は、例えば1種または2種以上の重合体からなってもよいし、必要に応じて、重合体以外の材料、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、フィラーなどの添加剤、相溶化剤、安定化剤などを含んでいてもよい。
[樹脂(A)]
樹脂(A)の構成は、共役ジエン単量体を重合して構築される共役ジエン単量体構造単位を必須成分として有する弾性有機微粒子(G)を含み、上記一般式(1)、(2)若しくは(3)に示される分子構造または複素芳香族基を有する限り特に限定されない。一般式(1)、(2)、(3)に示される分子構造および複素芳香族基を分子構造Xとすると、例えば、樹脂(A)は、分子構造Xが結合した構成単位(繰り返し単位)を有する重合体を含む。
樹脂(A)は、例えばアクリル樹脂またはシクロオレフィン樹脂である。アクリル樹脂およびシクロオレフィン樹脂は、高い透明性および機械的特性を有しており、このような樹脂(A)からなる層を有する光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置に用いる光学フィルムとして好適である。
アクリル樹脂は、アクリル重合体を50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上含む樹脂である。シクロオレフィン樹脂は、シクロオレフィン重合体を50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上含む樹脂である。
光学フィルムの一種に、偏光板における偏光子を保護するためのフィルム(偏光子保護フィルム)がある。樹脂(A)が一般式(1)に示される分子構造を有する場合、当該樹脂からなる層を有する本発明の光学フィルムは、偏光子保護フィルムとして好適である。
偏光子保護フィルムは、偏光子の片面または両面に接合された状態で使用される。偏光子は、典型的には、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素または二色性染料などの二色性物質により染色して形成されるが、染色に水溶液を使用するため、偏光子に接合される偏光子保護フィルムは、本来、水透過性を有することが好ましい。偏光子と偏光子保護フィルムとの接合に水系の接着剤が使用されることも、水透過性を有する偏光子保護フィルムが好ましい理由の一つである。例えば、シクロオレフィン重合体からなるフィルムは、当該重合体の疎水性が強いために水透過性をほとんど示さず、偏光子保護フィルムとして必ずしも適しているとはいえない。これに対して、一般式(1)に示される分子構造は高い親水性を有する。このため、樹脂(A)における当該構造の含有率など、具体的な光学フィルムの構成にもよるが、当該構造を有する樹脂(A)からなる層を有する本発明の光学フィルムは、高い水透過性を示し、偏光子保護フィルムとして好適となる。
樹脂(A)は、2種以上の分子構造Xを有していてもよい。
分子構造Xが結合した構成単位を有する重合体の一例は、上記一般式(4)、(5)若しくは(6)に示される単位または複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する重合体(B−1)である。換言すれば、樹脂(A)は、一般式(4)、(5)もしくは(6)に示される単位または複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する重合体(B−1)を含んでいてもよい。
以下、一般式(4)、(5)、(6)に示される単位および複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を、構成単位Yと呼ぶ。また、複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を、単に、不飽和単量体単位と記載する。
構成単位Yのうち一般式(4)、(5)、(6)に示される単位は、各々、一般式(1)、(2)、(3)に示される分子構造に、重合性基であるビニル基またはメチレン基が結合した単量体の重合により形成される構成単位である。また、不飽和単量体単位は、典型的には、複素芳香族基に重合性基であるビニル基またはメチレン基が結合した単量体の重合により形成される構成単位である。
構成単位Yは、重合体(B−1)に負の固有複屈折を与える作用を有する。構成単位Yが有するこの作用により、本発明の光学フィルムは逆波長分散性を示す。
重合体に負(あるいは正)の固有複屈折を与える作用を有する構成単位とは、当該単位のホモポリマーを形成したときに、形成したホモポリマーの固有複屈折が負(あるいは正)となる構成単位をいう。重合体自体の固有複屈折の正負は、当該単位によって生じる複屈折と、重合体が有するその他の構成単位によって生じる複屈折との兼ね合いにより決定される。
重合体の固有複屈折の正負は、重合体の分子鎖が一軸配向した層(例えば、シートあるいはフィルム)において、当該層の主面に垂直に入射した光のうち、当該層における分子鎖が配向する方向(配向軸)に平行な振動成分に対する層の屈折率n1から、配向軸に垂直な振動成分に対する層の屈折率n2を引いた値「n1−n2」に基づいて判断できる。固有複屈折の値は、各々の重合体について、その分子構造に基づく計算により求めることができる。
樹脂の固有複屈折の正負は、当該樹脂に含まれる各重合体によって生じる複屈折の兼ね合いにより決定される。
重合体(B−1)は、一般式(4)または(5)に示される単位もしくは不飽和単量体単位を有することが好ましく、一般式(4)に示される単位または不飽和単量体単位を有することがより好ましい。
一般式(4)に示される単位は、一般式(1)に示されるラクタム構造に、重合性基であるビニル基が結合した単量体(ビニルラクタム)の重合により形成される。一般式(4)に示される単位は、例えばN−ビニル−2−ピロリドン単位、N−ビニル−ε−カプロラクタム単位、N−ビニル−2−ピペリドン単位、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン単位、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン単位およびN−ビニル−ω−ヘプタラクタム単位から選ばれる少なくとも1種である。
一般式(5)に示される単位は、ビニルアントラセン単位である。当該単位は、一般式(2)に示されるアントラセン構造に、重合性基であるビニル基が結合した単量体(ビニルアントラセン)の重合により形成される。なお、一般式(5)に示す環上の水素原子の一部が、後述の一般式(8)における有機残基として例示した基によって置換されていてもよい。
一般式(6)に示される単位は、ジベンゾフルベン単位である。当該単位は、一般式(3)に示されるフルオレン構造に、重合性基であるメチレン基が結合した単量体(ジベンゾフルベン)の重合により形成される。なお、一般式(6)に示す環上の水素原子の一部が、後述の一般式(8)における有機残基として例示した基によって置換されていてもよい。
不飽和単量体単位は特に限定されず、例えば、当該単位が有する複素芳香族基は特に限定されない。複素芳香族基におけるヘテロ原子は、典型的には酸素原子、硫黄原子または窒素原子であるが、重合体(B−1)における複屈折の波長分散性を増大させる作用に優れることから、窒素原子が好ましい。重合体(B−1)における複屈折の波長分散性が増大すると、構成によっては強い逆波長分散性が得られるなど、本発明の光学フィルムにおける逆波長分散性の制御の自由度が向上する。
複素芳香族基は、例えばカルバゾール基、ピリジン基、イミダゾール基およびチオフェン基から選ばれる少なくとも1種である。
不飽和単量体単位は、例えばビニルカルバゾール単位、ビニルピリジン単位、ビニルイミダゾール単位およびビニルチオフェン単位から選ばれる少なくとも1種である。
ビニルカルバゾール単位を、以下の一般式(7)に示す。なお、一般式(7)に示す環上の水素原子の一部が、後述の一般式(8)における有機残基として例示した基によって置換されていてもよい。
Figure 0005377109
重合体(B−1)における複屈折の波長分散性を増大させる作用に特に優れることから、不飽和単量体単位は、ビニルカルバゾール単位およびビニルピリジン単位から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ビニルカルバゾール単位がより好ましい。
重合体(B−1)は2種以上の構成単位Yを有してもよく、逆波長分散性を示す光学フィルムが得られる限り、構成単位Y以外の構成単位を有してもよい。
樹脂(A)が重合体(B−1)を含むとき、逆波長分散性を示す光学フィルムが得られる限り、樹脂(A)は重合体(B−1)以外の重合体を含んでもよい。
分子構造Xが結合した構成単位を有する重合体の別の一例は、少なくとも一部の分子構造あるいは官能基が、分子構造Xによって変性された構成単位を有する重合体である。
当該重合体は、例えば、水酸基またはアセチル基が分子構造Xによって変性された繰り返し単位を有する、トリアセチルセルロース(TAC)などのセルロース誘導体である。分子構造Xの結合により、セルロース誘導体の繰り返し単位の少なくとも一部が、当該誘導体に負の固有複屈折を与える作用を有するようになる。分子構造Xによる変性に基づくこの作用により、本発明の光学フィルムは逆波長分散性を示す。
樹脂(A)は、正の固有複屈折を有する重合体(B−2)をさらに含んでいてもよく、重合体(B−2)は、正の固有複屈折を有する限り特に限定されない。
重合体(B−2)は、主鎖に環構造を有することが好ましい。主鎖に環構造を有することにより、重合体(B−2)および当該重合体を含む樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が上昇し、高い耐熱性を有する光学フィルムとなる。このような高耐熱性の光学フィルムは、例えば画像表示装置において、光源などの発熱部に近接して配置できる。また、後加工(例えばコーティングなどの表面処理)時の加工温度を高くできるため、光学フィルムの生産性が高くなる。
主鎖に環構造を有する重合体(B−2)ならびに当該重合体を含む樹脂(A)のTgは、例えば110℃以上である。環構造の種類、重合体(B−2)における環構造の含有率および樹脂(A)における重合体(B−2)の含有率によっては、当該Tgは、115℃以上、120℃以上、さらには130℃以上となる。Tgは、JIS K7121に準拠して求めることができる。
主鎖に環構造を有する重合体(B−2)は特に限定されず、例えばシクロオレフィン重合体およびセルロース誘導体から選ばれる少なくとも1種である。
重合体(B−2)は、(メタ)アクリル重合体であってもよく、この場合、光学特性ならびに機械的強度、成形加工性および表面強度などの諸特性が向上した光学フィルムとなる。
(メタ)アクリル重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単位を、全構成単位の50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上有する重合体である。(メタ)アクリル重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単位の誘導体である環構造を含んでいてもよく、この場合、(メタ)アクリル酸エステル単位および環構造の合計が全構成単位の50モル%以上であれば、(メタ)アクリル重合体となる。
重合体(B−2)が(メタ)アクリル重合体である場合、本発明の光学フィルムにおける逆波長分散性の制御の自由度が向上する。構成単位Yを主鎖に有する重合体(B−1)が示す複屈折の波長分散性は、(メタ)アクリル重合体である重合体(B−2)が示す複屈折の波長分散性に比べて、かなり大きい。このように、複屈折の波長分散性が大きく異なる重合体(B−1)および(B−2)を組み合わせることで、逆波長分散性の制御の自由度が向上する。
重合体(B−2)は、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体であってもよい。上述したように、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体とすることにより、重合体(B−2)および当該重合体を含む樹脂(A)のTgが上昇し、高い耐熱性を有する光学フィルムとなる。
(メタ)アクリル重合体が主鎖に有する環構造は、例えば、エステル基、イミド基または酸無水物基を有する環構造である。
より具体的な環構造の例は、ラクトン環構造、グルタルイミド構造、無水グルタル酸構造、N−置換マレイミド構造および無水マレイン酸構造から選ばれる少なくとも1種である。これらの環構造を主鎖に有する重合体(B−2)は、配向によって大きな正の固有複屈折を示すため、重合体(B−1)との組み合わせにより、逆波長分散性の制御の自由度がより向上する。
環構造は、ラクトン環構造およびグルタルイミド構造から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ラクトン環構造がより好ましい。ラクトン環構造またはグルタルイミド構造、特にラクトン環構造、を主鎖に有する重合体(B−2)は、複屈折の波長分散性が非常に小さい。このため、重合体(B−1)との組み合わせにより、逆波長分散性の制御の自由度がさらに向上する。
重合体(B−2)が有していてもよい具体的なラクトン環構造は特に限定されないが、例えば、以下の一般式(8)により示される構造である。
Figure 0005377109
一般式(8)において、R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜20の範囲の有機残基である。当該有機残基は酸素原子を含んでもよい。
有機残基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数が1〜20の範囲のアルキル基;エテニル基、プロペニル基などの炭素数が1〜20の範囲の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数が1〜20の範囲の芳香族炭化水素基;上記アルキル基、上記不飽和脂肪族炭化水素基および上記芳香族炭化水素基において、水素原子の一つ以上が水酸基、カルボキシル基、エーテル基およびエステル基から選ばれる少なくとも1種の基により置換された基;である。
一般式(8)に示すラクトン環構造は、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)とを含む単量体群を共重合した後、得られた共重合体における隣り合ったMMA単位とMHMA単位とを脱アルコール環化縮合させて形成できる。このとき、Rは水素原子、RおよびRはメチル基である。
以下の一般式(9)に、グルタルイミド構造および無水グルタル酸構造を示す。
Figure 0005377109
一般式(9)におけるRおよびRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、X1は、酸素原子または窒素原子である。Xが酸素原子のときRは存在せず、Xが窒素原子のとき、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
が窒素原子のとき、一般式(9)に示される環構造はグルタルイミド構造となる。グルタルイミド構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体をメチルアミンなどのイミド化剤によりイミド化して形成できる。
が酸素原子のとき、一般式(9)に示される環構造は無水グルタル酸構造となる。無水グルタル酸構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体を、分子内で脱アルコール環化縮合させて形成できる。
以下の一般式(10)に、N−置換マレイミド構造および無水マレイン酸構造を示す。
Figure 0005377109
一般式(10)におけるRおよびR10は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、Xは、酸素原子または窒素原子である。Xが酸素原子のときR11は存在せず、Xが窒素原子のとき、R11は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
が窒素原子のとき、一般式(10)に示される環構造はN−置換マレイミド構造となる。N−置換マレイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂は、例えば、N−置換マレイミドと(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して形成できる。
が酸素原子のとき、一般式(10)に示される環構造は無水マレイン酸構造となる。無水マレイン酸構造を主鎖に有するアクリル樹脂は、例えば、無水マレイン酸と(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して形成できる。
重合体(B−2)が主鎖に環構造を有する場合、重合体(B−2)における環構造の含有率は特に限定されないが、通常5〜90質量%であり、20〜90質量%が好ましい。当該含有率は、30〜90質量%、35〜90質量%、40〜80質量%および45〜75質量%になるほど、さらに好ましい。環構造の含有率は、特開2001−151814号公報に記載の方法により求めることができる。
重合体(B−2)は、固有複屈折が正である限り、任意の構成単位を有していてもよい。例えば重合体(B−2)が構成単位Yを有していてもよく、この場合、重合体(B−1)と(B−2)との相溶性が向上し、透明性に優れる光学フィルムとなる。
重合体(B−2)は公知の方法により製造できる。
一例として、主鎖にラクトン環構造を有する重合体は、分子鎖内に水酸基とエステル基とを有する重合体(a)を任意の触媒存在下で加熱し、脱アルコールを伴うラクトン環化縮合反応を進行させて、得ることができる。
重合体(a)は、例えば、以下の一般式(11)に示される単量体を含む単量体群の重合により形成できる。
Figure 0005377109
一般式(11)において、R12およびR13は、互いに独立して、水素原子または一般式(8)における有機残基として例示した基である。
一般式(11)に示される単量体の具体的な例は、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ノルマルブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸t−ブチルである。なかでも、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルが好ましく、高い透明性および耐熱性を有する光学フィルム1が得られることから、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルが特に好ましい。
なお、これらの単量体の重合により形成された構成単位は、ラクトン環を形成することにより、当該単位を有する重合体に対して正の固有複屈折を与える作用を有する。
重合体(a)の形成に用いる単量体群は、一般式(11)に示される単量体を2種以上含んでもよい。
重合体(a)の形成に用いる単量体群は、一般式(11)に示される単量体以外の単量体を含んでもよい。このような単量体は、一般式(11)に示される単量体と共重合可能な単量体である限り特に限定されず、例えば、一般式(11)に示される単量体以外の(メタ)アクリル酸エステル類である。
上記(メタ)アクリル酸エステル類は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの(メタ)アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;である。なかでも、高い透明性および耐熱性を有する光学フィルムが得られることから、メタクリル酸メチルが好ましい。
重合体(a)の形成に用いる単量体群は、これら(メタ)アクリル酸エステルを2種以上含んでもよい。
重合体(a)の形成に用いる単量体群は、その他、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどの単量体を、1種または2種以上含んでもよい。
構成単位Yを有する重合体(B−2)は、上述した(メタ)アクリル酸エステル単量体と、重合により構成単位Yとなる単量体とを含む単量体群を重合して形成できる。単量体群が含む(メタ)アクリル酸エステルの種類を選択し、形成した重合体を環化縮合させることによって、構成単位Yを有するとともに、主鎖に環構造を有する重合体(B−2)としてもよい。
重合体(B−1)は、構成単位Yを有するとともに、負の固有複屈折を有する限り特に限定されない。
構成単位Yは、当該単位を主鎖に有する重合体(B−1)における複屈折の波長分散性を大きく増加させる作用を有する。このため、重合体(B−1)と(B−2)との組み合わせによって、逆波長分散性の制御の自由度が向上する。重合体(B−2)が(メタ)アクリル重合体、特に複屈折の波長分散性が非常に小さいラクトン環構造またはグルタルイミド構造を主鎖に有する(メタ)アクリル重合体である場合、本発明の光学フィルムの逆波長分散性の制御の自由度がさらに高くなる。
なお、特開2001−337222号公報に例示されている樹脂の組み合わせでは、両樹脂における複屈折の波長分散性の差はそれほど大きくないため、本発明の光学フィルムのような効果を得ることができない。
構成単位Yが重合体(B−1)における複屈折の波長分散性を大きく増加させる作用を有することから、重合体(B−1)の全構成単位に占める構成単位Yの割合が低い場合にも、重合体(B−1)は大きな複屈折の波長分散性を示す。
構成単位Yが、重合体における複屈折の波長分散性を大きく増加させる理由について、本発明者らは、波長域300〜450nmにおける構成単位Yの吸収スペクトルの状態が大きく寄与していると推察する。
複屈折は、重合体の屈折率特性、具体的には屈折率の異方性、により生じる。重合体の屈折率特性は、当該重合体を構成する構成単位の屈折率特性により支配される。例えば、重合体が2種以上の構成単位を有する場合、各々の構成単位が有する屈折率特性の兼ね合いによって、重合体の屈折率特性が決定される。
ここで、ある波長域の光に対する構成単位の屈折率特性の変化は、当該波長域の光に対する構成単位の吸収スペクトルの変化と相関があると考えられる。具体的に言えば、ある波長域における構成単位の吸収スペクトルの変化が大きい場合、当該波長域における構成単位の屈折率特性の変化が大きくなり、当該構成単位における複屈折の波長分散性が増大する。このことは、屈折率nと当該屈折率を示す物質の比誘電率εeとの関係を示す式n=εe(この式は、マックスウェルの電磁方程式から導出された電磁波の波動方程式を基に得られる)、比誘電率εeと電気感受率χとの関係式(εe=1+χ)、ならびに電気感受率χが式χ=P/εE(P:分極、E:電場、ε:真空誘電率)で表され、分極Pが単位体積あたりの双極子モーメントで定義され、双極子モーメントの2乗が振動子強度(オシレータストレングス)に比例し、振動子強度がモル吸光係数の和である積分吸収係数に比例することから導かれる。
ところで、逆波長分散性は、少なくとも可視光域(およそ380〜750nmの波長域)において、光の波長が短くなるほど複屈折が小さくなる特性である。即ち、構成単位における複屈折の波長分散性が大きいとは、可視光域における当該構成単位の屈折率特性の変化が大きいことに対応する。
重合体の構成単位は、一般に、紫外域に吸収ピークを有する。可視光域から十分に離れた所に吸収ピークを有する場合、可視光域では当該ピークの影響を受けることなく、構成単位の吸収スペクトルはほぼ一定となるはずである。即ち、この場合、可視光域における構成単位の屈折率特性がほぼ一定となり、当該単位を含む重合体の屈折率特性の変化が小さくなって、複屈折の波長分散性が小さくなる。一方、可視光域に近い所あるいは可視光域であっても非常に短波長の領域に吸収ピークを有する場合、可視光域に当該ピークの裾野が入り込むため、構成単位の吸収スペクトルは可視光域で大きく変化する。即ち、この場合、可視光域における構成単位の屈折率特性が大きく変化し、当該単位を含む重合体の屈折率特性の変化が大きくなって、複屈折の波長分散性が大きくなる。
300〜450nmの波長域における構成単位の吸収スペクトルの状態は、このような、可視光域における構成単位の屈折率特性の変化に強く影響する。具体的には、450nm以上の可視光域に吸収スペクトルの最大ピークが存在しない必要があるが、300〜450nmの波長域におけるモル吸光係数の最大値がある程度以上の値であれば、このような吸収スペクトルを有する構成単位は、当該単位を含む重合体の複屈折の波長分散性を大きく増加させると考えられる。
波長域300〜450nmにおける構成単位の吸収スペクトルの最大値は、当該構成単位からなる重合体の紫外−可視吸収スペクトルを紫外可視分光光度計を用いて測定するか、あるいは当該構成単位もしくは重合によって当該構成単位となる単量体に対して、分子軌道法を用いた予測計算を行うことによって、求めることができる。
重合によってビニルカルバゾール単位、ビニルアントラセン単位およびジベンゾフルベン単位となる各単量体(ビニルカルバゾール、ビニルアントラセン、ジベンゾフルベン)に対して、分子軌道法を用いたモル吸光係数の予測計算を行ったところ、いずれの単量体についても450nm以上の可視光域に吸収スペクトルのピークが存在せず、波長域300〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値は全て3000(mol/cm)以上であった。また、重合体の複屈折の波長分散性をほとんど増加させない構成単位であるスチレンに対して同様の計算を行ったところ、波長域300〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値は100(mol/cm)以下であった。
なお、予測計算は、以下の手順で行った。最初に、対象となる単量体について、Accelrys Software Inc.製のソフトウェアであるMaterials studioのビルダーを用いてモデル化合物を作成し、密度凡関数分子軌道計算ソフトウェアDMol3を用いて最安定構造を探索した。最安定構造を探索するにあたっては、計算条件として、GGA/BLPYをファンクショナルに規定した。次に、得られた最安定構造を用いて、紫外−可視吸収スペクトルの計算を半経験分子軌道計算ソフトウェアによって行った。スペクトルの計算は、ソフトウェアにAccelrys Software Inc.製VAMPを用い、ハミルトニアンにZINDO/INDO/1を指定して行った。
構成単位Yによって重合体の複屈折の波長分散性が大きく増加する理由に関する上記説明は、同様の分子構造を有する分子構造Xについても、あてはめることができると考えられる。
芳香環は、当該環を含む重合体の光弾性係数を上昇させる。従って、光学特性に優れる光学フィルム、特に画像表示装置に好適な光学フィルム、を得るためには、当該フィルムにおける芳香環の含有量をできるだけ小さくすることが望まれる。構成単位Yの種類によっては、その分子構造内に芳香環を有する。しかし、構成単位Yを有する重合体(B−1)では、当該重合体における構成単位Yの含有率が小さい場合にも大きな波長分散性が得られることから、重合体(B−1)における芳香環の含有量を抑えながら、逆波長分散性の制御の自由度が高い光学フィルムが得られる。即ち、構成単位Y(分子構造X)を含む本発明の光学フィルムは、複屈折に関する優れた光学特性を有しながら光弾性係数の上昇が抑制されており、当該フィルムは画像表示装置への使用に好適である。
また、一般式(4)に示される構成単位Yは芳香環を含まないため、当該構成単位Yを有する重合体(B−1)とすることにより、光学フィルムにおける光弾性係数の上昇をより抑制できる。
重合体(B−1)は、固有複屈折が負である限り、構成単位Y以外の構成単位を含んでもよい。即ち、重合体(B−1)は、重合により構成単位Yとなる単量体と、その他の単量体との共重合体であってもよい。このとき、重合体(B−1)における構成単位Yの含有率は、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。
例えば重合体(B−1)は、構成単位Yと(メタ)アクリル酸エステル単位とを構成単位として有してもよい。この場合、(メタ)アクリル重合体である重合体(B−2)との相溶性が向上し、透明性に優れる光学フィルムとなる。
重合体(B−1)は、上述した環構造を主鎖に有してもよい。この場合、より耐熱性に優れる光学フィルムとなる。
具体的な例として、重合体(B−1)は以下の単量体の重合により形成された構成単位を有してもよい:アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、アクリル酸アルキルエステル(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸カルバゾイルエチル)、メタクリル酸アルキルエステル(例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸カルバゾイルエチル)、アクリル酸アミノアルキルエステル(例えばアクリル酸ジエチルアミノエチル)、メタクリル酸アミノアルキルエステル、アクリル酸とグリコールとのモノエステル、メタクリル酸とグリコールとのモノエステル(例えばメタクリル酸ヒドロキシエチル)、アクリル酸のアルカリ金属塩、メタクリル酸のアルカリ金属塩、アクリル酸のアンモニウム塩、メタクリル酸のアンモニウム塩、アクリル酸アミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体、メタクリル酸アミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体、アクリル酸ジエチルアミノエチルとメチルサルフェートとの第4級アンモニウム化合物、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩、ビニルスルホン酸のアンモニウム塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸塩、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸塩、酢酸ビニル、ビニルステアレート、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、グリコールジアクリレート、グリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリコールジアリルエーテル。
重合体(B−1)は、構成単位Yの種類によっては(より具体的には、式(4)に示される構成単位の種類によっては)水溶性となることがある。
重合体(B−1)が非水溶性である場合、その質量平均分子量は、例えば5万〜150万であり、8万〜120万が好ましく、10万〜90万がより好ましい。
重合体(B−1)が水溶性である場合、その分子量の指標となるK値は、例えば10〜120であり、25〜95が好ましく、30〜85がより好ましい。K値は、フィケンチャー法により測定した値である。
重合体(B−1)の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造できる。例えば、重合により構成単位Yとなる単量体を含む単量体群を、公知の方法により重合すればよい。
重合により構成単位Yとなる単量体は、例えば、以下の式(12)〜(15)に示す単量体である。
Figure 0005377109
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式(12)に示す単量体はビニルラクタムであり、nは1〜4の範囲の自然数、RおよびRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基である。
式(13)に示す単量体はビニルアントラセン、式(14)に示す単量体はジベンゾフルベン、式(15)に示す単量体はビニルカルバゾールである。式(12)、(13)、(15)に示す単量体は、分子構造Xに、重合性基であるビニル基が結合している。式(14)に示す単量体は、分子構造Xに、重合性基であるメチレン基が結合している。
重合体(B−1)の重合時には、重合開始剤として、過酸化水素と金属塩との混合物、アゾ化合物および有機過酸化物から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
アゾ化合物は、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)である。重合開始剤として2種以上のアゾ化合物を用いてもよい。
これらのアゾ化合物のうち、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩が好ましい。
有機過酸化物は、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,1’−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチレンシクロヘキサン、1,3−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルヒドロペルオキシドである。重合開始剤として2種以上の有機過酸化物を用いてもよい。
これらの有機過酸化物のうち、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートが好ましく、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートが特に好ましい。
重合体(B−1)の重合系における重合開始剤の濃度は、重合する単量体の種類、濃度に応じて調整すればよく特に限定されないが、例えば、単量体100質量部に対して0.001質量部〜3質量部であり、0.005質量部〜2質量部が好ましい。
重合系には、必要に応じ、連鎖移動剤、pH調整剤、緩衝材などを添加できる。
重合溶媒は特に限定されず、例えば、芳香族系溶媒(トルエン、キシレン、ベンゾニトリルなど)、ケトン系溶媒(アセトン、2−ブタノン、MIBKなど)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)およびこれらの混合溶媒である。水溶性の重合体(B−1)を重合する場合には、水、低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジエチレングリコールなど)、アセトニトリルおよびこれらの混合溶媒を重合溶媒として用いてもよい。
重合温度は、重合する単量体の種類に応じて調整すればよく特に限定されないが、例えば40℃〜200℃であり、50℃〜150℃が好ましく、60℃〜120℃がより好ましい。
樹脂(A)中における重合体(B−1)と重合体(B−2)との混合比は、各重合体の固有複屈折の絶対値、あるいは光学フィルムとして望まれる逆波長分散性の程度などに応じて異なるために一概に述べることができないが、例えば質量比にして、(B−1):(B−2)=1:99〜99:1の範囲であり、(B−1):(B−2)=10:90〜90:10の範囲が好ましく、(B−1):(B−2)=20:80〜80:20の範囲がより好ましい。この範囲において逆波長分散性の制御の自由度を向上でき、用途に応じた良好な逆波長分散性を有する光学フィルムとすることができる。
樹脂(A)は、2種以上の重合体(B−1)あるいは2種以上の重合体(B−2)を含んでもよい。
重合体(B−2)が(メタ)アクリル重合体である場合、樹脂(A)における(メタ)アクリル重合体の含有率の合計は、50質量%以上であることが好ましい。
樹脂(A)は、逆波長分散性を示す光学フィルムが得られる限り、重合体(B−1)、(B−2)以外の任意の重合体を含んでもよい。
構成単位Yは、その種類によっては非常に強い吸湿性を示す。このため樹脂(A)は、重合体(B−1)が有する構成単位Yの種類、重合体(B−1)における構成単位Yの含有率、および樹脂(A)における重合体(B−1)の含有率によっては、単独で層を形成しづらいことがある。この場合、樹脂(A)は、構成単位Yを有する重合体(B−1)のバインダーとなる重合体(バインダー重合体)を含んでもよい。なお、バインダー重合体は、固有複屈折が0に近い、即ち、延伸によってほとんど複屈折を示さない重合体が好ましく、この場合、光学フィルムの光学特性の制御が容易となる。
樹脂(A)がバインダー重合体を含む場合、樹脂(A)における重合体(B−1)とバインダー重合体との混合比は、例えば質量比にして、(B−1):バインダー重合体=10:90〜70:30の範囲であり、(B−1):バインダー重合体=20:80〜60:40の範囲が好ましい。
樹脂(A)に含まれる重合体の含有率ならびに重合体における構成単位の含有率は、公知の手法、例えば1H核磁気共鳴(1H−NMR)または赤外線分光分析(IR)により求めることができる。
重合体(B−1)は、当該重合体に負の固有複屈折を与える作用を有する構成単位として構成単位Yを有するとともに、当該重合体に正の固有複屈折を与える作用を有する構成単位Zをさらに有していてもよい。構成単位Zを有する重合体(B−1)を以下、重合体(B−3)と記載する。
重合体(B−3)に配向が加えられると、構成単位YおよびZの各々に由来して生じた複屈折が互いに打ち消しあう。ここで、複屈折が打ち消しあう程度が波長によって異なるために、複屈折、例えば位相差、の逆波長分散性が生じる。
重合体(B−3)は、構成単位YおよびZを有する限り特に限定されない。
構成単位Zは、重合体(B−3)に正の固有複屈折を与える作用を有する限り特に限定されない。構成単位Zは、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単位、(メタ)アクリル酸エステル単位の誘導体である環構造、およびシクロオレフィン単位から選ばれる少なくとも1種である。構成単位Zは、(メタ)アクリル酸エステル単位および当該単位の誘導体である環構造から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、この場合、本発明の光学フィルムにおける逆波長分散性の制御の自由度が向上する。
構成単位Yは、重合体(B−3)における複屈折の波長分散性を増大させる強い作用を有する。これに対して、(メタ)アクリル酸エステル単位および当該単位の誘導体である環構造は、重合体(B−3)における複屈折の波長分散性を増大させる作用はそれほど強くない。このように、重合体(B−3)の波長分散性を増大させる程度が異なる構成単位を組み合わせることにより、逆波長分散性の制御の自由度が向上する。
なお、特開2001−235622号公報に開示されている分子鎖の組み合わせでは、両者の波長分散性の差はそれほど大きくないため、構成単位Yを有する重合体(B−3)を用いた本発明の光学フィルムのような効果を得ることができない。
環構造は、例えば、重合体(B−2)で例示した環構造である。この例示した環構造を、以下、単に「環構造」という。
重合体(B−3)における(メタ)アクリル酸エステル単位および環構造の含有率の合計が50質量%以上である場合、重合体(B−3)は(メタ)アクリル重合体となる。このとき、光学特性ならびに機械的強度、成形加工性および表面硬度などの諸特性に優れる光学フィルムとなる。
重合体(B−3)は、構成単位Zとして、(メタ)アクリル酸エステル単位および環構造の双方を有することが好ましい。即ち、重合体(B−3)は、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体であることが好ましい。環構造を含む構成単位は、当該単位を有する重合体(B−3)に対して、その配向時に大きな正の固有複屈折を与える作用を有する。このため、構成単位Yとの組み合わせによって、光学フィルムにおける逆波長分散性の制御の自由度が向上する。
また、重合体(B−3)が主鎖に環構造を有することにより、重合体(B−3)および当該重合体を含む樹脂(A)のTgが上昇し、高耐熱性の光学フィルムとなる。
主鎖に環構造を有する重合体(B−3)および当該重合体を含む樹脂(A)のTgは、例えば110℃以上である。環構造の種類、重合体(B−3)における環構造の含有率ならびに樹脂(A)における重合体(B−3)の含有率によっては、当該Tgは、115℃以上、120℃以上、さらには130℃以上となる。
主鎖に環構造を有する重合体(B−3)における環構造は、ラクトン環構造およびグルタルイミド構造から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ラクトン環構造がより好ましい。これらの環構造は、重合体(B−3)に正の固有複屈折を与える作用を有するが、その波長分散性が非常に小さい。このため、構成単位Yとの組み合わせによって、光学フィルムにおける逆波長分散性の制御の自由度がさらに向上する。
構成単位Yは特に限定されないが、式(4)に示される単位または不飽和単量体単位が好ましい。換言すれば、重合体(B−3)が、当該重合体に負の固有複屈折を与える作用を有する構成単位として、式(4)に示される単位または不飽和単量体単位を有することが好ましい。
重合体(B−3)は、構成単位YおよびZが主鎖にランダムに配置されたランダム共重合体であってもよいし、構成単位Yからなるブロックと構成単位Zからなるブロックとが存在するブロック共重合体であってもよい。また、構成単位YおよびZから選ばれる一方の構成単位(例えば構成単位Y)を有する主鎖に、他方の構成単位(例えば構成単位Z)を有する側鎖が結合したグラフト共重合体であってもよい。
重合体(B−3)は、2種以上の構成単位Yを有してもよい。
重合体(B−3)は、2種以上の構成単位Zを有してもよい。
重合体(B−3)は、逆波長分散性を示す光学フィルムが得られる限り、構成単位YおよびZ以外の任意の構成単位を有してもよい。
重合体(B−3)は、公知の方法により製造できる。
重合体(B−3)における構成単位YおよびZの含有率の比は、重合体(B−3)の固有複屈折に対して各構成単位が作用する程度、あるいは光学フィルムとして望まれる逆波長分散性の程度などに応じて異なるために一概に述べることができないが、例えば質量比にして、構成単位Y:構成単位Z=1:99〜38:62の範囲である。この範囲において、逆波長分散性の制御の自由度を向上でき、用途に応じた良好な波長分散性を有する光学フィルムが得られる。
樹脂(A)における重合体(B−3)の含有率は特に限定されないが、本発明の効果が確実に得られることから、通常50質量%以上であり、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
樹脂(A)は、2種以上の重合体(B−3)を含んでもよい。
樹脂(A)分子構造Xにより変性された構成単位を有する重合体(B−4)を含んでもよい。
重合体(B−4)は公知の手法により形成できる。例えば、変性の対象である構成単位と結合可能な結合基を分子構造Xに結合させた化合物を、当該構成単位を有する重合体と反応させればよい。重合体がTACなどのセルロース誘導体である場合、当該結合基は、例えば水酸基である。分子構造Xが式(1)に示される構造である場合、上記化合物は、例えば5−オキソピロリジン−2−カルボン酸の酸塩化物である。酸塩化物の形成には、塩化チオニルを使用できる。
[弾性有機微粒子(G)]
上記弾性有機微粒子(G)(以下、単に「有機微粒子」と記する場合がある)は、共役ジエン単量体を重合して構築される共役ジエン単量体構造単位を必須成分とするものである。
樹脂(A)における弾性有機微粒子(G)の含有割合は、5〜50質量%の範囲内であることが好ましく、10〜40質量%の範囲内であることがより好ましく、15〜30質量%の範囲内であることがさらに好ましい。弾性有機微粒子の含有割合が5質量%未満であると、所望の可とう性が得られない場合がある。また、弾性有機微粒子の含有割合が50質量%を超えると、弾性有機微粒子の凝集等によって透明性が低下したり、異物の副生が多くなり、光学フィルムとして使用できなくなったりする場合がある。
弾性有機微粒子(G)は共役ジエン単量体構造単位を50質量%以上含む軟質重合体層を有することが好ましい。軟質重合体層とは、層を構成する単量体組成物を重合した場合に得られる重合体のガラス転移温度(以下、単に「軟質重合体層のガラス転移温度」と記す)が20℃未満となる層である。尚、上記軟質重合体層のガラス転移温度は、重合体のガラス転移温度を求める下記のFOX式により計算したものである(式中、wiは単量体iの質量割合、Tgiは単量体iの単独重合体のガラス転移温度(℃)である)。
1/(Tg+273)=Σ〔wi/(Tgi+273)〕
尚、単量体の単独重合体のTgは「POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION」(J.BRANDRUP、E.H.IMMERGUT著、1989年、John Wiley & Sons,Inc.発行、ページ:VI/209〜VI/277)を引用した。また、「POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION」にガラス転移温度が複数記載されている場合は、最も低い値を用いる。
「POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION」に記載されていない単量体については、ガラス転移温度計算ソフト(製品名:「MATERIALS STUDIO」、:バージョン:4.0.0.0、Accelrys Software Inc.製、モジュール:Synthia、条件:重合平均分子量10万で計算)を用いてコンピューターにより求めた値を用いる。但し、上記ソフトを用いても計算できない場合には、該単量体を単量対組成物から除いて、軟質重合体層のガラス転移温度を計算する。
ガラス転移温度の一例を以下に示す。
1,3−ブタジエン:−109℃
イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン):−73℃
クロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン):−40℃
軟質重合体層のガラス転移温度は、より好ましくは−140〜−40℃の範囲内であり、さらに好ましくは−130〜−55℃の範囲内であり、特に好ましくは−125〜−70℃の範囲内である。軟質重合体層のガラス転移温度が−40℃未満であることにより、少量の添加で可とう性を向上させることができる。
弾性有機微粒子(G)における軟質重合体層の割合は、20〜80質量%の範囲であることが好ましく、30〜70質量%の範囲であることがより好ましく、40〜60質量%の範囲であることが特に好ましい。
上記軟質重合体層は、共役ジエン単量体を含む単量体組成物を重合することによって得ることができる。共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン(以下、単に「ブタジエン」と記する場合がある)、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、ミルセン等が挙げられ、これらは1種類のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。共役ジエン単量体としては、ブタジエン、イソプレンがより好ましい。
上記単量体組成物における共役ジエン単量体以外の成分としては、得られる軟質重合体層の低温側のガラス転移温度が−40℃未満であれば特に制限されないが、ジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーン成分;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン成分;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の二トリル成分;ウレタン成分;エチレン成分;プロピレン成分;イソブテン成分、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアルキル酸エステル成分等が挙げられる。
また、上記単量体以外の成分として、多官能架橋性単量体及び多官能グラフト単量体を含んでいてもよく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、アリルマレエート、アリルフマレート、ジアリルフマレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。これらは単独若しくは2種類以上を併用して用いることができる。
上記単量体組成物における共役ジエン単量体の含有割合は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。即ち、弾性有機微粒子(G)の軟質重合体層における共役ジエン単量体構造単位が、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。
弾性有機微粒子(G)における軟質重合体層以外の構造としては、ガラス転移温度が20℃以上であれば特に限定はされない。中でも、少なくともアクリロニトリル(以下、「AN」と記する場合がある)とスチレン(以下、「St」と略する場合がある)とからなる単量対組成物を重合して構築される構造、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステルを主成分とする単量体組成物を重合して構築される構造が、樹脂(A)中での相溶性が高い点で好ましい。樹脂(A)が後述する主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体(B−2)を含む場合には、相溶性の点で、少なくともANとStとからなる単量体組成物を重合して構築される構造が好ましい。
弾性有機微粒子(G)が、上記軟質重合体層以外の構造を有していることにより、樹脂(A)中での弾性有機微粒子(G)の分散性が改善され、フィルムの透明性が向上し、また、弾性有機微粒子の凝集等によって生じる異物の副生をより抑制することができる。これにより、光学フィルム成形時における濾過工程を短時間で行うことができる。
弾性有機微粒子(G)は、多層構造を有していることがより好ましく、具体的にはコア部とシェル部とを有するいわゆるコア・シェル構造を有する弾性有機微粒子であることがより好ましい。尚、多層構造は何層であっても特にかまわないが、合成の容易さの点で、2層若しくは3層がより好ましい。
コア・シェル構造を有する弾性有機微粒子(G)は、中心の部分(コア)に共役ジエン単量体構造単位を必須成分とする構造を有し、中心の部分を囲む部分(シェル)には、樹脂(A)中での相溶性が高い構造を有することが好ましい。また、シェル部も2層以上であってもかまわないが、最外層は樹脂(A)中での相溶性が高い構造を有することが好ましい。
これより、弾性有機微粒子(G)は樹脂(A)中でより均一に分散することができ、弾性有機微粒子の凝集等によって生じる異物の副生をより抑制することができる。これにより、光学フィルム成形時における濾過工程をより短時間で行うことができる。このようなコア部が上記軟質重合体層であるコア・シェル構造を有する弾性有機微粒子(G)は、例えば、弾性有機微粒子(G)の重合時に反応せずに残った反応性官能基(二重結合)をグラフト交叉点として、上述した軟質重合体層以外の構造と成り得る単量体(組成物)をグラフト重合させることにより得ることができる。
上記シェル部としては、樹脂(A)中での相溶性が高い構造であれば特には限定されない。樹脂(A)中での相溶性が高い構造を有するシェル部を構成する構造としては、例えば、樹脂(A)が後述する主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体(B−2)を含む場合には、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(以下、MHMAと記す)とメタクリル酸メチル(以下、MMAと記す)とからなる単量体組成物を重合して構築される構造(以下、MHMA/MMA構造と記す)、メタクリル酸シクロヘキシル(以下、CHMAと記す)とMMAとからなる単量体組成物を重合して構築される構造(以下、CHMA/MMA構造と記す)、メタクリル酸ベンジル(以下、BzMAと記す)とMMAとからなる単量体組成物を重合して構築される構造(以下、BzMA/MMA構造と記す)、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(以下、HEMAと記す)とMMAとからなる単量体組成物を重合して構築される構造(以下、HEMA/MMA構造と記す)、ANとStとからなる単量体組成物を重合して構築される構造(以下、AN/St構造と記す)等が挙げられる。
シェル部がMHMA/MMA構造である場合、MHMAとMMAとの割合は、5:95〜50:50の範囲内であることが好ましく、10:90〜40:60の範囲内であることがより好ましい。上記範囲内であれば、樹脂(A)中での相溶性は良好であり、弾性有機微粒子(G)は樹脂(A)中に均一に分散することができる。また、上記MHMA/MMA構造を有するシェルの場合、ラクトン環構造を含んでいることが好ましい。ラクトン環構造は、上記シェルを形成した後、ラクトン化することにより導入することができる。
上記シェルがCHMA/MMA構造である場合、CHMAとMMAとの割合は、5:95〜50:50の範囲内であることが好ましく、10:90〜40:60の範囲内であることがより好ましい。上記範囲内であれば、樹脂(A)中での相溶性は良好であり、弾性有機微粒子(G)は樹脂(A)中に均一に分散することができる。
上記シェルがBzMA/MMA構造である場合、BzMAとMMAとの割合は、10:90〜60:40の範囲内であることが好ましく、20:80〜50:50の範囲内であることがより好ましい。上記範囲内であれば、樹脂(A)中での相溶性は良好であり、弾性有機微粒子(G)は樹脂(A)中に均一に分散することができる。
上記シェルがHEMA/MMA構造である場合、HEMAとMMAとの割合は、2:98〜50:50の範囲内であることが好ましく、5:95〜40:60の範囲内であることがより好ましい。上記範囲内であれば、樹脂(A)中での相溶性は良好であり、弾性有機微粒子(G)は樹脂(A)中に均一に分散することができる。
上記シェルがAN/St構造である場合、ANとStとの割合は、5:95〜50:50の範囲内であることが好ましく、10:90〜40:60の範囲内であることがより好ましい。上記範囲内であれば、樹脂(A)中での相溶性は良好であり、弾性有機微粒子(G)は樹脂(A)中に均一に分散することができる。
中でも、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体(B−2)が後述するラクトン環含有重合体である場合、正の複屈折性(正の位相差)を示すことから、正の複屈折性を小さくさせ難い点で、CHMA/MMA構造、BzMA/MMA構造、MHMA/MMA構造を有するシェルが、さらに、MHMA/MMA構造を有するシェルの場合、ラクトン環構造を含んでいることが好ましい。
コア部とシェル部との割合は、質量比で、コア:シェルが20:80〜80:20の範囲内が好ましく、40:60〜60:40の範囲内であることがより好ましい。コア部分が20質量%未満では、得られる弾性有機微粒子(G)から形成したフィルムの耐折曲げ性が悪化する傾向があり、80質量%を超えると、フィルムの硬度及び成形性が低下する傾向がある。
上記シェル部は、架橋構造を有していても有していなくてもよいが、シェル部は架橋構造を有していないものがより好ましい。
弾性有機微粒子(G)の平均粒子径は、0.01〜1μmの範囲内であることが好ましく、0.03〜0.5μmの範囲内であることがより好ましく、0.05〜0.3μmの範囲内であることがさらに好ましい。上記平均粒子径が0.01μm未満では、フィルムを作製した場合、十分な可とう性が得られない傾向があり、上記平均粒子径が1μmを超えると、フィルム製造時における濾過処理工程においてフィルタに弾性有機微粒子が詰まりやすくなる傾向がある。尚、弾性有機微粒子(G)の粒子径は、市販の粒度分布測定装置、例えば、NICOMP社製粒度分布測定装置:Submicron Particle Sizer NICOMP380等を用いて測定することができる。
弾性有機微粒子(G)の製造方法は特には限定されず、従来公知の乳化重合法、乳化−懸濁重合法、懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法により、上述した単量体組成物を1段若しくは多段で重合させることにより、弾性有機微粒子(G)を製造することができる。これらの中では、乳化重合法がより好ましい。
乳化重合により弾性有機微粒子(G)を製造する場合、乳化重合後の重合液を塩析や再沈により弾性有機微粒子(G)を凝集させた後、濾過、洗浄を行う。洗浄後、弾性有機微粒子(G)を乾燥し、樹脂(A)を構成する重合体(B−1)と公知の手法により混合することによって光学フィルムの原料となる樹脂(A)を製造することができる。例えば、樹脂(A)を構成する各成分をオムニミキサーなどの混合機でプレブレンドした後、得られた混合物を混練機から押出混練してもよい。押出混練に用いる混練機は特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、あるいは加圧ニーダーなどの公知の混練機を用いることができる。また、洗浄後、弾性有機微粒子(G)を乾燥せずに、得られる弾性有機微粒子(G)のケーキをMIBK(メチルイソブチルケトン)等の有機溶剤に再分散させ、その再分散液に重合体(B−1)を溶解、若しくは再分散液と重合体(B−1)溶液(重合体(B−1)を有機溶剤で溶解させた溶液)とを混合し、その後、水及び/又は有機溶剤を脱揮することによっても光学フィルムの原料となる樹脂(A)を製造することができる。
弾性有機微粒子(G)の重合時における重合開始剤としては、従来公知の有機系過酸化物、無機系過酸化物、アゾ化合物等の開始剤を使用することができる。具体的には、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、パーオキシマレイン酸t−ブチルエステル、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物や、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオナミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性開始剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記重合開始剤は、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート、アスコルビン酸、ヒドロキシアセトン酸、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄とエチレンジアミン四酢酸2ナトリウムの錯体等の還元剤と組み合わせた通常のレドックス型開始剤として使用してもよい。
上記有機系過酸化物は、重合系にそのまま添加する方法、単量体に混合して添加する方法、乳化剤水溶液に分散させて添加する方法等、公知の添加法で添加することができるが、透明性の点から、単量体に混合して添加する方法あるいは乳化剤水溶液に分散させて添加する方法が好ましい。
また、有機系過酸化物は、重合安定性、粒子径制御の点から、2価の鉄塩等の無機系還元剤及び/又はホルムアルデヒドスルホキシル酸ソーダ、還元糖、アスコルビン酸等の有機系還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤として使用することが好ましい。
上記乳化重合に使用される界面活性剤にも特に限定はなく、従来公知の乳化重合用の界面活性剤を使用することができる。具体的には、例えばアルキルスルフォン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤や、アルキルフェノール類、脂肪族アルコール類とプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとの反応生成物等の非イオン性界面活性剤等が示される。これらの界面活性剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。更に要すれば、アルキルアミン塩等の陽イオン性界面活性剤を使用してもよい。
得られる弾性有機微粒子のラテックスは、通常の凝固、洗浄及び乾燥の操作により、又は、スプレー乾燥、凍結乾燥等による処理により、分離、回収することができる。
上述した弾性有機微粒子(G)は、樹脂(A)中に1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。
[光学フィルム]
以下、本発明の光学フィルムの具体例について説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明の光学フィルムの一例を示す。図1に示す光学フィルム11は1つの層21からなり、層21は、弾性有機微粒子(G)、構成単位Yを有する重合体(B−1)を含む樹脂(A)からなる。本実施形態において、樹脂(A)は、重合体(B−1)の固有複屈折は負であり、正の固有複屈折を有する重合体(B−2)をさらに含む組成物である。
樹脂(A)は、固有複屈折が負の重合体(B−1)と固有複屈折が正の重合体(B−2)とを含むが、双方の重合体に対して同一方向に配向が加えられた場合、各々の重合体の遅相軸(あるいは進相軸)が直交するために、互いの複屈折が打ち消しあう。ここで、複屈折が打ち消し合う程度が波長によって異なるために、複屈折、例えば位相差、の逆波長分散性が生じ、光学フィルム1は、単層でありながら逆波長分散性を示す。このため、薄膜化しながら望む光学特性を得ることができ、光学フィルム11を備える画像表示装置のさらなる小型化、軽量化などの実現が可能となる。また、光学フィルム11は、複数の層の積層により逆波長分散性を実現した光学フィルムに比べて、各層の接合角度の調整が不要であるため生産性が高くなる。
重合体(B−1)、(B−2)の配向に着目すると、光学フィルム1は、重合体(B−1)および(B−2)を含む樹脂(A)に配向を与えて形成した部材である。樹脂(A)に配向を与えるには、フィルムに成形した樹脂(A)を延伸すればよい。
光学フィルム11は、必要に応じ、層21以外の任意の層を有してもよい。
光学フィルム11の製造方法は特に限定されず、公知の手法に従えばよい。例えば、弾性有機微粒子(G)、重合体(B−1)および(B−2)を含む樹脂(A)をフィルムに成形し、得られたフィルムを所定の方向に延伸(典型的には一軸延伸または逐次二軸延伸)することで、樹脂(A)が含む重合体の分子鎖を配向させて層21を形成し、光学フィルム11とすればよい。
樹脂(A)は、キャスト法、溶融成形法(例えば溶融押出成形、プレス成形)などの公知の手法により、フィルムに成形できる。
(実施の形態2)
図2に、本発明の光学フィルムの別の一例を示す。図2に示す光学フィルム12は1つの層22からなり、層22は、弾性有機微粒子(G)、構成単位YおよびZを有する重合体(B−3)を含む樹脂(A)からなる。
重合体(B−3)に配向が加えられると、構成単位YおよびZの各々に由来して生じた複屈折が互いに打ち消しあう。ここで、複屈折が打ち消しあう程度が波長によって異なるために、複屈折、例えば位相差、の逆波長分散性が生じ、光学フィルム12は、単層でありながら逆波長分散性を示す。このため、薄膜化しながら望む光学特性を得ることができ、光学フィルム12を備える画像表示装置のさらなる小型化、軽量化などの実現が可能となる。また、光学フィルム12は、複数の層の積層により逆波長分散性を実現した光学フィルムに比べて、各層の接合角度の調整が不要であるため生産性が高くなる。
重合体(B−3)の配向に着目すると、光学フィルム12は、重合体(B−3)を含む樹脂(A)に配向を与えて形成した部材である。樹脂(A)に配向を与えるにはフィルムに成形した樹脂(A)を延伸すればよい。
光学フィルム12の製造方法は特に限定されず、公知の手法に従えばよい。例えば、弾性有機微粒子(G)および重合体(B−3)を含む樹脂(A)をフィルムに成形し、得られたフィルムを所定の方向に延伸(典型的には一軸延伸または逐次二軸延伸)することで、樹脂(A)が含む重合体の分子鎖を配向させて層22を形成し、光学フィルム12とすればよい。
樹脂(A)は、キャスト法、溶融成形法(例えば溶融押出成形、プレス成形)などの公知の手法により、フィルムに成形できる。
(実施の形態3)
図3に、本発明の光学フィルムの別の一例を示す。図3に示す光学フィルム13は、2つの層23、33が積層された構造を有する。層23は、構成単位Yを有する重合体(B−1)を含む樹脂(A)からなり、樹脂(A)の固有複屈折は負である。層33は、正の固有複屈折を有する樹脂(C)からなる。
光学フィルム13は、固有複屈折の符号が互いに異なる2種類の層(層23および層33)が積層された構造を有するが、このような積層構造では、入射した光に対する両層の複屈折が互いに打ち消しあう現象が生じる。ここで、複屈折が打ち消しあう程度が波長によって異なるために、光学フィルム13は逆波長分散性を示す。
また、光学フィルム13では、層23および33が各々独立して配置されており、固有複屈折の符号が互いに異なる重合体間の相容性、あるいは重合体に与える固有複屈折の符号が互いに異なる構成単位間の相溶性を考慮する必要がないため、それぞれの層がとりうる組成範囲が広い。これにより、逆波長分散性の制御の自由度をはじめとする光学的な設計の自由度が高い光学部材となる。
層23、33では、当該層に含まれる重合体の配向により複屈折が生じる。この観点からは、層23は、樹脂(A)に配向を与えて形成した層であり、層33は、樹脂(C)に配向を与えて形成した層である。樹脂(A)、(C)に配向を与えるには、フィルムに成形した樹脂(A)、(C)を延伸すればよい。
樹脂(C)は、正の固有複屈折を有する限り特に限定されず、例えば正の固有複屈折を有する重合体を含めばよい。正の固有複屈折を有する重合体の一例は、上述した重合体(B−2)である。
重合体(B−2)は(メタ)アクリル重合体であることが好ましく、この場合、光学フィルム13における逆波長分散性の制御の自由度が向上する。層23は、構成単位Yを有する重合体(B−1)を含む樹脂(A)からなるが、このような層が示す複屈折の波長分散性は、(メタ)アクリル重合体である重合体(B−2)を含む樹脂(C)からなる層33が示す複屈折の波長分散性に比べてかなり大きい。このように、複屈折の波長分散性が大きく異なる2種類の独立した層を組み合わせることで、光学フィルム13における逆波長分散性の制御の自由度が向上する。
なお、特開2001−337222号公報に例示されている樹脂の組み合わせに基づいて層23、33を形成したとしても(例えば、層23をスチレン系重合体、層33をポリノルボルネンにより形成したとしても)、それぞれの層が示す複屈折の波長分散性の差がそれほど大きくないために、(メタ)アクリル重合体である重合体(B−2)を含む樹脂(C)からなる層33と、重合体(B−1)を含む樹脂(A)からなる層23とを組み合わせたときのような効果を得ることができない。
重合体(B−2)は、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体であることが好ましい。重合体(B−2)が主鎖に環構造を有することにより、層33の固有複屈折の絶対値が大きくなる。このため、層23との組み合わせによって、光学フィルム13における逆波長分散性の制御の自由度が向上する。
また、実施の形態1で説明したように、重合体(B−2)が主鎖に環構造を有することによって、重合体(B−2)および当該重合体を含む樹脂(C)のTgが上昇し、層33および光学フィルム13の耐熱性が向上する。環構造によってTgが高くなる程度は、上述したとおりである。
環構造は、実施の形態1で説明したように、ラクトン環構造およびグルタルイミド構造から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ラクトン環構造がより好ましい。これらの環構造は、重合体(B−2)に正の固有複屈折を与える作用を有するが、その波長分散性が非常に小さい。このため、重合体(B−1)を含む層23との組み合わせにより、光学フィルム13の逆波長分散性の制御の自由度がさらに向上する。
重合体(B−2)のその他の好ましい条件は、実施の形態1において説明した重合体(B−2)の好ましい条件と同じである。
重合体(B−2)を含む樹脂(C)は、正の固有複屈折を有する限り、重合体(B−2)以外の重合体を含んでもよい。
本実施形態における重合体(B−1)は、実施の形態1において説明した重合体(B−1)と同様である。
本実施形態における樹脂(A)は、構成単位Yを有する重合体(B−1)を含み、負の固有複屈折を有する限り特に限定されず、例えば重合体(B−1)以外の重合体を含んでもよい。
なお、構成単位Yは、その種類によっては非常に強い吸湿性を示す。このため重合体(B−1)は、当該重合体が有する構成単位Yの種類、および当該重合体における構成単位Yの含有率によっては、単独で層を形成しづらいことがある。この場合、樹脂(A)は、重合体(B−1)のバインダ−となる重合体(バインダー重合体)を含んでもよい。バインダー重合体は、固有複屈折が0に近い、即ち、延伸によって複屈折を示さない重合体が好ましく、この場合、層22の光学特性の制御が容易となる。
光学フィルム13の形成方法は特に限定されない。形成方法の一例は、個別に作成した層23および層33を互いに接合する方法である。例えば、重合体(B−1)を含む樹脂(A)をフィルムとし、得られたフィルムを所定の方向に延伸(典型的には一軸延伸または逐次二軸延伸)することで、樹脂(A)が含む重合体の分子鎖を配向させて層23を形成する。これとは別に、重合体(B−2)を含む樹脂(C)をフィルムとし、得られたフィルムを所定の方向に延伸することで、樹脂(C)が含む重合体の分子鎖を配向させて層33を形成する。次に、形成した双方の層を積層して、図3に示す光学フィルム13を形成できる。層23と層33との接合は公知の手法に従えばよく、双方の層は、アクリル系接着剤などにより互いに接着してもよい。樹脂(A)、(C)は、キャスト法、溶融成形法(例えば溶融押出成形、プレス成形)などの公知の手法により、フィルムに成形できる。
形成方法の別の一例は、層23の前駆体となる延伸前のフィルム(未延伸フィルムあるいは暫定的に延伸を加えたフィルム)と、層33の前駆体となる延伸前のフィルムとの積層体を所定の方向に延伸する方法である。当該延伸によって、それぞれの前駆体に含まれる重合体(B−1)、(B−2)の分子鎖が配向し、層23と層33との積層体である光学フィルム13となる。前駆体の積層体は、例えば、樹脂(A)からなるフィルムと樹脂(C)からなるフィルムとの積層によって形成してもよいし、樹脂(A)と樹脂(C)とを共押出成形することで形成してもよい。また、層23または層33の一方の層の前駆体であるフィルムに、他方の層の前駆体となる樹脂が溶解した溶液を塗布し、塗布膜を乾燥させて形成してもよい。具体的な例として、(メタ)アクリル重合体、シクロオレフィン重合体またはセルロース誘導体からなるベースフィルム上に、構成単位Yを有する重合体(B−1)を含む溶液を塗布した後に全体を乾燥させ、得られた積層体を所定の方向に延伸する方法がある。
層23、33の積層状態(例えば、層23、33の積層パターンあるいは光学フィルム13の表面に垂直な方向から見た、層23の配向軸と層33の配向軸とがなす角度など)は特に限定されず、光学的な設計事項に合わせて適宜選択できる。なお、層23、33を、それぞれの延伸方向がほぼ一致するように積層した場合に、光学フィルム13が示す逆波長分散性が最も強くなる。
光学フィルム13が有する層23、33の数は特に限定されない。また、層23と層33とは接していてもいなくてもよい。
光学フィルム13は、必要に応じ、層23、33以外の層を有していてもよい。
(実施の形態4)
図4に、本発明の光学フィルムの別の一例を示す。図4に示す光学フィルム14は1つの層24からなり、層24は、分子構造Xにより変性された構成単位を有する重合体(B−4)を含む樹脂(A)からなる。
重合体(B−4)に配向が加えられると、分子構造Xにより変性される程度が構成単位間で異なるために、各々の構成単位に由来して生じた複屈折が互いに打ち消しあう。ここで、複屈折が打ち消しあう程度が波長によって異なるために、複屈折、例えば位相差、の波長分散性が生じる。
光学フィルム14は、必要に応じ、層24以外の層を有していてもよい。
光学フィルム14の製造方法は特に限定されず、公知の手法に従えばよい。例えば、重合体(B−4)を含む樹脂(A)をフィルムとし、得られたフィルムを所定の方向に延伸(典型的には一軸延伸または逐次二軸延伸)することで、樹脂(A)が含む重合体の分子鎖を配向させて層24を形成し、光学フィルム14とすればよい。
樹脂(A)は、キャスト法、溶融成形法(例えば溶融押出成形、プレス成形)などの公知の手法により、フィルムに成形できる。
(光学フィルムの用途)
本発明の光学フィルムは逆波長分散性を示す。即ち、本発明の光学フィルムは、少なくとも可視光領域において、波長が短くなるほど複屈折(あるいは位相差もしくはリターデーション)が小さくなる光学特性を示す。このような広帯域の光学フィルムを用いることによって、表示特性に優れる画像表示装置を構築できる。
本発明の光学フィルムは、例えば、位相差板としてもよいし、得られる位相差に基づくリターデーションを光の波長の1/4とすることで、位相差板の一種であるλ/4板としてもよい。また、本発明の光学フィルムを、偏光板などの他の光学部材と組み合わせて、反射防止板とすることもできる。
本発明の光学フィルムは偏光子保護フィルムとしてもよく、特に、上述した理由から、樹脂(A)が式(1)に示される分子構造を有する場合、偏光子保護フィルムとして好適となる。
本発明の光学フィルムは、用途に応じて、他の光学部材と組み合わせて用いてもよい。
本発明の光学フィルムの用途は特に限定されず、従来の光学部材と同様の用途(例えば、LCD、OLEDなどの画像表示装置)に使用できる。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
[質量平均分子量]
共重合体の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求めた。測定に用いた装置及び測定条件は以下の通りである。
システム:東ソー社製GPCシステム HLC−8220
カラム:TSK−GEL superHZM−M 6.0×150 2本直列
TSK−GEL superHZ−L 4.6×35 1本
リファレンスカラム:TSK−GEL superH−RC 6.0×150 2本直列
溶離液:クロロホルム 流量 0.6mL/分
カラム温度:40℃
[ガラス転移温度]
共重合体のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に準拠して求めた。具体的には、示差操作熱量計(リガク社製、DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により評価した。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
[5%質量減少温度]
樹脂の5%質量減少温度(樹脂を一定の速度で昇温したときに、その質量が5%減少した時点の温度)は、示差熱量天秤(リガク社製、TG−8120)を用いて、サンプル質量が10mg、昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下の条件で評価した。
[平均粒子径]
平均粒子径の測定には、NICOMP社製粒度分布測定装置Submicron Particle Sizer NICOMP380を用いた。
[フィルムの厚さ]
デジマチックマイクロメーター((株)ミツトヨ製)を用いて測定した。
[面内位相差Re]
延伸フィルムの面内位相差(厚さ100μmあたり)は、全自動複屈折計(王子計測機器社製、KOBRA−WR)を用いて評価した。
[耐折回数]
フィルムの耐折回数は、耐折度試験機(テスター産業社製、MIT、BE−201型)を用いて、25℃、65%RHの状態に1時間以上静置させた試料フィルムを長尺が幅手方向となるように、15mm幅に切り出した試験片を使用し、荷重50gの条件で、JISP8115に準拠して測定した。尚、測定の方向は2方向で折り曲げ、何回目で折れるかを測定した。
(製造例1)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、MHMA25質量部、MMA68質量部、ビニルカルバゾール7質量部、トルエン90質量部を仕込んだ。この反応容器に窒素ガスを導入しながら、105℃まで昇温し、還流開始したところで重合開始剤として、t−アミルパーオキシイソノナノエート(ルペロックス570、アルケマ吉富社製)0.04質量部を添加すると同時に、トルエン10質量部にt−アミルパーオキシイソノナノエート(ルペロックス570、アルケマ吉富社製)0.08質量部を溶解した溶液を3時間かけて滴下しながら、還流下、約105℃〜110℃で溶液重合を行い、さらに4時間加温し続けた。
得られた重合体溶液に、リン酸オクチル/ジオクチル混合物0.9質量部を添加し、80℃〜105℃の還流下で2時間環化縮合反応を行った。さらに、オートクレーブ中で240℃、90分間加熱した後、得られた重合体溶液を減圧下240℃で1時間乾燥し、主鎖にラクトン環構造を有する透明な重合体の固体(A−1)を得た。重合体(A−1)の質量平均分子量は14万であり、ガラス転移温度は143℃、5%質量減少温度は375℃であった。
(製造例2)
(弾性有機微粒子(G−1)の製造)
攪拌機を備えた耐圧反応容器に、脱イオン水70質量部、ピロリン酸ナトリウム0.5質量部、オレイン酸カリウム0.2質量部、硫酸第一鉄0.005質量部、デキストロース0.2質量部、p−メンタンハイドロパーオキシド0.1質量部、1,3− ブタジエン28質量部からなる反応混合物を加え、65℃に昇温し、2時間重合を行った。次に、該反応混合物にp−ハイドロパーオキシド0.2質量部を加え、1,3−ブタジエン72質量部、オレイン酸カリウム1.33質量部、脱イオン水75質量質量部を2時間で連続滴下した。重合開始から21時間反応させて、平均粒子径0.240μmのブタジエン系ゴム重合体ラテックスを得た。
冷却器と攪拌機とを備えた重合容器に、脱イオン水120部、上記ブタジエン系ゴム重合体ラテックスを固形分として50質量部、オレイン酸カリウム1.5質量部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.6質量部を投入し、重合容器内を窒素ガスで十分置換した。
続いて、内温を70℃に昇温させた後、スチレン36.5質量部、アクリロニトリル13.5質量部からなる混合モノマー溶液と、クメンハイドロキシパーオキサイド0.27質量部、脱イオン水20質量部からなる重合開始剤溶液とを別々に2時間かけて連続滴下しながら重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に昇温して2時間重合を継続させた。次に内温が40℃になるまで冷却した後に300メッシュ金網を通過させて弾性有機微粒子の乳化重合液を得た。
得られた弾性有機微粒子の乳化重合液を塩化カルシウムで塩析、凝固し、水洗、乾燥して、粉体状の弾性有機微粒子(G−1、平均粒子径:0.260μm、軟質重合体層の屈折率:1.516)を得た。
(実施例1)
製造例1で作製した重合体(A−1)および製造例2で作製した弾性有機微粒子(G−1)とを、(A−1)/(G−1)=80/20の質量比となるように二軸押出し機を用いて280℃で混練し、ペレット(B−1)を得た。
得られたペレット(B−1)をプレス成形機により250℃でプレス成形して厚さ約140μmのフィルムとした。次に、作製したフィルムを、オートグラフ(島津製作所社製)を用い延伸倍率が2倍となるように延伸温度141℃で自由端一軸延伸して、厚さ100μmの延伸フィルム(FB−1)を得た。得られた延伸フィルム(FB−1)における位相差(面内位相差Re)の波長分散性を評価した。波長分散性の評価結果を以下の表1に示す。なお、表1では、測定波長を590nmとしたときの位相差を基準(R0)として、その他の波長における位相差RとR0との比(R/R0)を併せて示す。各表に示す位相差は、フィルム厚100μmあたりに換算した値である。
Figure 0005377109
表1に示すように、延伸フィルム(FB−1)は、光の波長が短くなるほど位相差が小さくなる逆波長分散性を示した。さらに、得られた延伸フィルム(FB−1)の耐折回数を確認したところ、10回以上と十分な可とう性を示した。
(比較例1)
製造例1で作製した重合体(A−1)を、プレス成形機により250℃でプレス成形して厚さ約140μmのフィルムとした。次に、作製したフィルムを、オートグラフ(島津製作所社製)を用い延伸倍率が2倍となるように延伸温度148℃で自由端一軸延伸して、厚さ100μmの延伸フィルム(FA−1)を得た。得られた延伸フィルム(FA−1)における位相差(面内位相差Re)の波長分散性を評価した。波長分散性の評価結果を以下の表2に示す。
Figure 0005377109
表2に示すように、延伸フィルム(FA−1)は、光の波長が短くなるほど位相差が小さくなる逆波長分散性を示した。さらに、得られた延伸フィルム(FA−1)の耐折回数を確認したところ、1回と全く可とう性を示さなかった。
本発明の光学フィルムは、従来の複屈折性を有する光学フィルムと同様に、液晶表示装置(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)をはじめとする画像表示装置に広く使用できる。また、本発明の光学フィルムの使用により、画像表示装置の表示特性が向上する。
11、12、13、14 光学フィルム
21、22、23、24 第1の樹脂層
33 第2の樹脂層

Claims (9)

  1. 共役ジエン単量体を重合して構築される共役ジエン単量体構造単位を必須成分として有する弾性有機微粒子(G)を含み、下記一般式(4)、(5)若しくは(6)に示される単位または複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する重合体(B−1)を含む樹脂(A)からなる層を有し、
    (i)前記重合体(B−1)の固有複屈折が負であり、前記樹脂(A)が、正の固有複屈折を有する重合体(B−2)をさらに含み、前記重合体(B−2)が、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体である、または、
    (ii)前記重合体(B−1)が、当該重合体に負の固有複屈折を与える作用を有する構成単位として、下記一般式(4)、(5)若しくは(6)に示される単位または複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を有するとともに、当該重合体に正の固有複屈折を与える作用を有する構成単位をさらに有する重合体(B−3)であって、前記重合体(B−3)が主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル重合体である、
    少なくとも可視光領域において、波長が短くなるほど複屈折が小さくなる波長分散性を示す光学フィルム。
    (式中、nは1〜4の範囲の自然数、RおよびRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表わす。)
    Figure 0005377109
    Figure 0005377109
    Figure 0005377109
  2. 前記重合体(B−1)が、前記一般式(4)に示される単位または複素芳香族基を有するα,β−不飽和単量体単位を構成単位として有する請求項に記載の光学フィルム。
  3. 前記一般式(4)に示される単位が、N−ビニル−2−ピロリドン単位、N−ビニル−ε−カプロラクタム単位、N−ビニル−2−ピペリドン単位、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン単位、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン単位およびN−ビニル−ω−ヘプタラクタム単位から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の光学フィルム。
  4. 前記α,β−不飽和単量体単位が、ビニルカルバゾール単位、ビニルピリジン単位、ビニルイミダゾール単位、およびビニルチオフェン単位から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の光学フィルム。
  5. 前記環構造が、ラクトン環構造およびグルタルイミド構造から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の光学フィルム。
  6. 前記弾性有機微粒子(G)が共役ジエン単量体構造単位を50質量%以上含む軟質重合体層を有する請求項1からのいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 前記共役ジエン単量体構造単位が、ブタジエン及び/又はイソプレンを重合して構築される共役ジエン単量体構造単位である請求項1からのいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 前記弾性有機微粒子(G)が、多層構造を有している請求項1からのいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の光学フィルムを備える画像表示装置。
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