JP5376338B2 - 回転角検出装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1に開示される回転角検出装置は、磁気発生手段としての磁石、磁束密度検出手段としての磁束密度センサ、および、処理部としての信号処理部を備え、信号処理部で補正演算を行う。信号処理部は、予め設定された補正点に対応する所定値(電圧レベル)に基づいて、磁束密度センサの出力信号に基づいた実出力電圧を補正する。ここで、予め設定された各種補正点は、等間隔で設定されている。
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、非線形性を改善し、直線性誤差を低減する回転角検出装置を提供することにある。
ところで、実出力値に対応する正弦波曲線は、実出力値の最小値側よりも実出力値の最大値側のカーブが大きい。そのため、補正点は正弦波曲線のカーブが比較的大きい実出力値の最大値側に多く設定され、正弦波曲線の非線形性の増加する傾向が相殺される。したがって、このように補正点を設定することで実出力値に対する非線形性を改善し、直線性誤差を効果的に低減することができる。よって、回転角検出装置の補正精度を向上させることができる。
また、実出力値と補正点の所定値とが異なる場合、補正値として、実出力値に最も近い二つの補正点、および、等該二つの補正点に対応する所定補正値に基づいて算出された演算補正値を代入して、実出力値を補正する。
これにより、実出力値が補正点の間の値であっても、補正を行うことができる。
これにより、回転角検出装置内で所定補正値を更新することで、例えば、磁気発生手段と磁気検出手段との位置がずれたとしても、所定補正を適切な値にすることができる。したがって、回転角検出装置の補正精度を長期に亘り回転角検出装置のみで維持することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による回転角検出装置を図1に示す。回転角検出装置1は、検出対象としての例えばスロットルの弁軸の回転角度を検出する装置である。回転角検出装置1は、永久磁石20、および、ホール素子11とデジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPという)12とメモリ13とを含むホールIC10等を備えている。
ホール素子11は、永久磁石20に対して中心軸Oの周りを相対回転することにより生じる磁束密度の変化に応じた信号を出力する。ADC14は、ホール素子11が出力するアナログ値をデジタル値に変換し、DSP12に伝送する。以下、ADC14によって変換されたデジタル値を単に実出力値という。DSP12は、ホール素子11からの出力値に対し補正処理および回転角演算処理等を行う。また、DSP12は、処理結果をDAC15に伝送する。DAC15は、DSP12から伝送されたデジタル値をアナログ値に変換し出力する。
本実施形態の場合、予め、例えば16個の補正点を設定し、16個の補正点に対応する所定値に基づいて実出力値を補正する。メモリ13には、各補正点に対応する所定値A(0)〜A(15)および所定補正値K(0)〜K(15)が記憶されている。図3に示すように、所定値A(0)〜A(15)と所定補正値K(0)〜K(15)とはそれぞれ対応付けられている。また、所定値A(0)〜A(15)は、いずれもホール素子11の実出力値(電圧レベル)の範囲内の値である。ここで、特許請求の範囲における「所定範囲」は、ホール素子11の実出力値の範囲に相当する。
実出力値が所定値A(0)〜A(15)のうち、いずれか一個と一致する場合、実出力値と一致する所定値に対応する所定補正値を、実出力値から減算することで実出力値を補正する。例えば、実出力値がA(3)と一致する場合、図3に示すように、A(3)に対応する所定補正値がK(3)であるため、実出力値はA(3)−K(3)と補正される。
は、実出力値を間にとる二つの所定値、および、この二つの所定値に対応する所定補正値を用いて下記の式2によって一次補間を行うことで算出される。
{K(n)−K(n−1)}/{A(n)−A(n−1)}={K−K(n−1)}/{A−A(n−1)} ・・・式1
K={K(n)−K(n−1)}/{A(n)−A(n−1)}×{A−A(n−1)}+K(n−1) ・・・式2
{K(4)−K(3)}/{A(4)−A(3)}={K−K(3)}/{A−A(3)} ・・・式3
式3により下記の式4が得られる。
K=[{K(4)−K(3)}/{A(4)−A(3)}]×{A−A(3)}+K(3) ・・・式4
また、実出力値はA−Kに補正されるため、実出力値は以下の式5による計算値に補正される。
A−[{K(4)−K(3)}/{A(4)−A(3)}]×{A−A(3)}−K(3) ・・・式5
このように、DSP12は、一次補間処理によって算出された演算補正値を、実出力値から減算することで実出力値を補正し、回転角を算出する。
本実施形態では、外部のコンピュータを用いて補正点に対応する所定値および所定補正値を算出する。
まず、スロットルの回転角度毎に、ホール素子11から出力された実出力値を取得する。そして、スロットルの回転角度、および、スロットルの回転角度毎に取得した実出力値を用いてホール素子11の実出力値に対応する正弦波を取得する。
また、本実施形態では、検出対象が電子スロットルの弁軸であり、その作動角度範囲は例えば−10°〜80°である。ここで、永久磁石20とホールIC10とは、予め、回転角度が−10°である場合にホール素子11の実出力値が0となるよう、位置関係を設定する(図7(a)参照)。本実施形態の場合、回転角検出装置は、−10〜80°の範囲内で使用される。そのため、ホール素子11の出力は図4の曲線101に対応する。
所定値A(1)、および、点Z1〜Z15の縦軸の変化率を出力座標軸に割り付けて所定値A(2)〜A(15)を算出し、これらの所定値A(0)〜A(15)に対応する補正点がそれぞれ設定される。また、補正点に対応する所定値A(0)〜A(15)をメモリに書き込む。
所定補正値K(0)〜K(15)は、所定値A(0)〜A(15)に対応付けられて、メモリ13に書き込まれる。
本発明の第2実施形態の回転角検出装置について説明する。
本実施形態では、メモリ13の中に所定補正値K(0)〜K(15)を算出するプログラムが書き込まれている。第1実施形態のDSPの代わりにマイクロコンピュータを設置し、メモリに書き込まれているプログラムによって、必要な時に所定補正値を更新することができる。
第1の実施形態では、DSPが補正演算するとしているが、DSPの代わりにマイクロコンピュータを設置し、メモリに記憶された補正演算等のプログラムを読み出して、マイクロコンピュータで補正演算してもよい。
上記実施形態では、互いに隣り合う二つの補正点の所定値の差の変化率は、互いに隣り合う二つの補正点の所定値の差と、所定値A(1)との比と定義されている。これに対し、他の実施形態では、互いに隣り合う二つの補正点の所定値の差の変化率は、例えば、n個の補正点のうち、第(n+1)補正点の所定値と第n補正点の所定値との差と、第n補正点の所定値と第(n−1)補正点の所定値との差との比と定義する構成としても良い。
上記実施形態では、16個の補正点を設定し、メモリに16個の所定値が記憶されている。これに対し、他の実施形態では補正点および所定値の数を増やしても良いし、減らしても良い。
また上記実施形態では、実出力値が所定値A(0)〜A(15)のうち、いずれか一個と一致する場合、実出力値と一致する所定値に対応する所定補正値を、実出力値から減算することで実出力値を補正するとしているが、実出力値である正弦波曲線の使用範囲が負側の角度へ拡大した場合や、メモリに保存する補正値Kの符号をマイナスにする場合などでは、補正値を加算することで実出力値を補正してもよい。
上記実施形態では、補正点の変化率の最小値が0に近い値に設定されている。これに対し他の実施形態では、補正点の変化率の最小値を0に設定する構成としても良い。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
11・・・ホール素子(磁気検出手段)
12・・・DSP(処理部)
13・・・メモリ(記憶手段)
20・・・永久磁石(磁気発生手段)
Claims (4)
- 磁気発生手段と、
前記磁気発生手段に対して相対回転することにより生じる磁束密度の変化に応じた信号を出力する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段の前記信号に対応する実出力値を補正し、補正された値に基づいて前記磁気検出手段と前記磁気発生手段との相対回転角を算出して出力する処理部と、
前記処理部で使われる各種プログラムおよびデータを記憶する記憶手段と、
を備え、
前記処理部は、所定範囲内で予め設定されたn(nは自然数)個の補正点に対応する所定値、および、前記所定値に対応する所定補正値に基づいて前記実出力値を補正し、
n個の前記補正点のうち互いに隣り合う二つの前記補正点の前記所定値の差の変化率を表す曲線は、前記実出力値に対応する正弦波曲線の位相を180°ずらした正弦波曲線の一部に近似することを特徴とする回転角検出装置。 - 前記処理部は、前記実出力値に補正値を加算または減算することで前記実出力値を補正し、
前記実出力値と前記所定値とが一致する場合、前記補正値として前記所定補正値を代入して、前記実出力値を補正し、
前記実出力値と前記所定値とが異なる場合、前記補正値として、前記実出力値に最も近い二つの前記所定値、および、当該二つの所定値に対応する前記所定補正値に基づいて算出された演算補正値を代入して、前記実出力値を補正することを特徴とする請求項1に記載の回転角検出装置。 - 前記実出力値に基づき、前記所定補正値を算出する所定補正値算出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の回転角検出装置。
- 前記磁気発生手段に対して相対回転することにより生じる磁束密度の変化に応じて前記磁気検出手段が出力する実出力値は正弦波曲線であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
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