JP5327656B2 - 物理量検出装置、および物理量検出装置の検査方法 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1に開示される回転角検出装置は、磁気発生手段としての磁石、磁束密度検出手段としての磁束密度センサ、および、処理部としての信号処理部を備え、信号処理部で補正演算を行う。信号処理部は、予め設定された補正点に対応する所定値(電圧レベル)に基づいて、磁束密度センサの出力信号に基づいた実出力電圧を補正する。ここで、予め設定された各種補正点は、等間隔で設定されている。
電圧の誤差は回転角度の直線性誤差として残る。ここで、特許文献2には、出力変化率が小さい箇所より出力変化率が大きい箇所を細かく分割する補正方法が記載され、特許文献3には、磁気検出素子の出力信号に対してデジタル信号に変換し、逆正弦関数で演算処理を行う補正方法が記載されている。しかしながら、出力波形が不明な場合、特許文献2および特許文献3に記載の補正方法を適用することができない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、出力波形の形状に影響されることなく、実出力値を精度よく補正可能な物理量検出装置、および、物理量検出装置の検査方法を提供することにある。
これにより、一次誤差量に基づいて所定補正値を設定することで、最適な補正点を求めることができ、出力波形の形状に影響されることなく、実出力値を精度よく補正することができる。また、実出力値に対して一次関数補間処理を行うことで所定補正値を求めるため、計算を単純化し処理時間を短縮することができる。
これにより、実出力値の直線性誤差をより低減することができる。
これにより、常に二次誤差量の最大絶対値に対応する一次誤差量を所定補正値に設定するため、誤差量が大きい箇所から順番に所定補正値および補正点を設定することができる。よって、最適な所定補正値および補正点を設定することができる。
これにより、最大絶対値算出処理回数が増加することにより、処理時間が長くなることを抑制することができる。
これにより、出力波形の形状に影響されることなく、相対回転角度、または、相対ストローク量の実出力値を精度よく補正することができる。
これにより、不良な物理量検出装置を簡単に見つけることができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、物理量検出装置を回転角検出装置に適用したものである。本発明の第1実施形態の回転角検出装置を図1に示す。回転角検出装置1は、検出対象としての例えばスロットルの弁軸の相対回転角度を検出する装置である。ここで、相対回転角度は、特許請求の範囲における「物理量」に対応する。回転角検出装置1は、永久磁石20、および、ホール素子11とデジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPという)12とメモリ13とを含むホールIC10等を備えている。
ホール素子11は、半導体薄膜で形成されており、特許請求の範囲における「信号出力手段」に相当する。また、ホール素子11は、磁束密度の変化に対応する信号を出力する。
ホール素子11は、永久磁石20に対して中心軸Oの周りを相対回転することにより生じる磁束密度の変化に応じた信号を出力する。ADC14は、ホール素子11が出力するアナログ値をデジタル値に変換し、DSP12に伝送する。以下、ADC14によって変換されたデジタル値を単に実出力値という。DSP12は、ホール素子11からの出力値に対し補正処理および回転角演算処理等を行う。また、DSP12は、処理結果をDAC15に伝送する。DAC15は、DSP12から伝送されたデジタル値をアナログ値に変換し出力する。
DSP12による補正処理について説明する。
本実施形態の場合、予め、例えばm個の補正点を設定し、m個の補正点に対応する所定値に基づいて実出力値を補正する。メモリ13には、各補正点に対応する所定値A(1)〜A(m)および所定補正値K(1)〜K(m)が記憶されている。図3に示すように、所定値A(1)〜A(m)と所定補正値K(1)〜K(m)とはそれぞれ対応付けられている。また、所定値A(1)〜A(m)は、いずれもホール素子11の実出力値(電圧レベル)の範囲内の値である。ここで、特許請求の範囲における「所定物理量範囲」は、被検出体の回転可能な角度範囲に対応する。
実出力値が所定値A(1)〜A(m)のうち、いずれか一個と一致する場合、実出力値と一致する所定値に対応する所定補正値を、実出力値から減算することで実出力値を補正する。例えば、実出力値がA(3)と一致する場合、図3に示すように、A(3)に対応する所定補正値がK(3)であるため、実出力値はA(3)−K(3)と補正される。
{K(n)−K(n−1)}/{A(n)−A(n−1)}={K−K(n−1)}/{A−A(n−1)} ・・・式1
K={K(n)−K(n−1)}/{A(n)−A(n−1)}×{A−A(n−1)}+K(n−1) ・・・式2
{K(4)−K(3)}/{A(4)−A(3)}={K−K(3)}/{A−A(3)} ・・・式3
式3により下記の式4が得られる。
K=[{K(4)−K(3)}/{A(4)−A(3)}]×{A−A(3)}+K(3) ・・・式4
また、実出力値はA−Kに補正されるため、実出力値は以下の式5による計算値に補正される。
A−[{K(4)−K(3)}/{A(4)−A(3)}]×{A−A(3)}−K(3) ・・・式5
このように、DSP12は、一次関数補間処理によって算出された演算補正値を、実出力値から減算することで実出力値を補正し、回転角を算出する。
本実施形態では、ホールIC10の外部に設けられているコンピュータ16を用いて補正値を算出する。コンピュータ16は、図4に示す処理フローチャートに基づき、所定補正値を算出する。
S101では、目標誤差量を設定する。本実施形態の場合、例えば、目標誤差量を80に設定する。
本実施形態では、二次誤差量の絶対値が目標誤差量80より小さくなるまで、最大絶対値算出処理回数が、所定回数以上になると、回転角検出装置1の不良と判断する。ここで、例えば、最大絶対値算出処理回数が6回以上になると回転角検出装置1の不良と判断する。
また、常に二次誤差量の最大絶対値に対応する一次誤差量を所定補正値に設定するため、誤差量が大きい箇所から順番に所定補正値および補正点を設定することができる。よって、最適な所定補正値および補正点を設定することができる。
さらに、実出力値に対して一次関数補間処理を行うことで所定補正値を求めるため、計算を単純化し処理時間を短縮することができる。
上記実施形態では、物理量検出装置を回転角検出装置に適用している。これに対し、他の実施形態では、物理量検出装置をストローク量検出装置に適用することとしても良い。また、他の曲線線形の実出力値を補正する物理量検出装置に適用することとしても良い。
上記実施形態では、所定補正値を算出する所定補正値算出手段としてのコンピュータは、ホールICの外部に設けられている。これに対し、他の実施形態では、所定補正値算出手段としてのマイコン等の演算装置をホールICに設けることとしても良い。
上記実施形態では、所定補正値算出手段は実出力値の一次誤差量に対して最大絶対値算出処理を行うことで所定補正値を設定し、処理部は実出力値に対して所定補正値を用いて補正処理を行う。これに対し、他の実施形態では、所定補正値算出手段は実出力値を逆正弦関数または逆余弦関数で処理した値の一次誤差量に対して最大絶対値算出処理を行うことで所定補正値を設定し、実出力値を逆正弦関数または逆余弦関数で処理した値に対して所定補正値を用いて補正処理を行うこととしても良い。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
11・・・ホール素子(信号出力手段)
12・・・DSP(処理部)
16・・・コンピュータ(所定補正値算出手段)
30・・・ヨーク(被検出体)
Claims (4)
- 被検出体の物理量の変化に応じた信号を出力する信号出力手段と、
所定補正値を算出する所定補正値算出手段と、
予め記憶されている前記所定補正値に基づいて前記信号出力手段による実出力値に基づく値を補正し、補正された値に基づいて前記被検出体の物理量を算出して出力する処理部と、
を備え、
前記所定補正値算出手段は、
所定物理量範囲内の前記実出力値に基づく値に対して一次関数補間処理を行うことで算出される補間後実出力値と、当該補間後実出力値に対応する前記実出力値に基づく値との差である一次誤差量に基づいて前記所定補正値を設定し、
前記一次誤差量に対して一次関数補間処理を行うことで算出された補間後誤差量と、当該補間後誤差量に対応する前記一次誤差量との差である二次誤差量の最大絶対値を算出する最大絶対値算出処理を行い、前記二次誤差量の最大絶対値に対応する前記一次誤差量を前記所定補正値とし、
前記実出力値に基づく値は、前記実出力値を逆正弦関数または逆余弦関数で処理した値であることを特徴とする物理量検出装置。 - 前記所定補正値算出手段は、
前記二次誤差量が所定閾値より小さくなるまで、前記最大絶対値算出処理と、前記二次誤差量の最大絶対値に対応する前記一次誤差量を所定補正値と設定することを繰り返して行うことを特徴とする請求項1に記載の物理量検出装置。 - 前記物理量は、相対回転角度、または、相対ストローク量であることを特徴とする請求項1または2に記載の物理量検出装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の物理量検出装置の検査方法であって、
前記最大絶対値算出処理の処理回数が所定回数以上になると前記物理量検出装置の不良と判断する物理量検出装置の検査方法。
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