以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明はこの発明における最良の形態であって、特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、フルカラー画像を形成する画像形成装置の一例を示す断面図である。ここに示した画像形成装置100は、本体内に並列された4個のプロセスユニット200(Y、C、M、K)、無端状の中間転写ベルト62、2次転写ローラ65、プロセスユニット200にトナーを供給する各色のトナーボトル59などを備えている。中間転写ベルト62は、各プロセスユニット200が有する像担持体としての感光体10の上方に位置し、中間転写ベルト62の下側の走行辺が各感光体10の周面に当接している。中間転写ベルト62は、各感光体10の表面にそれぞれ形成された互いに異なる色のトナー像が重ねて転写される転写材の一例を構成するものである。各感光体10上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト62に転写する構成は、そのトナー像の色が異なるだけで、実質的に全て同一である。
図2は、本発明の一実施形態であるプロセスユニットの構成を示す概略断面図である。本発明のプロセスユニット200は、プロセスユニット枠体(以下、「枠体」と記すことがある。)210に、感光体10、クリーニング手段であるクリーニングモジュール20、帯電手段である帯電モジュール30、現像手段である現像モジュール50、潤滑剤の塗布装置70などを備える。
感光体10は、図2における時計方向に回転駆動され、このとき帯電電圧を印加された帯電手段である帯電モジュール30によって感光体10が所定の極性に帯電される。帯電後の感光体10には、図1に示した光書き込み装置40から出射する光変調されたレーザビームLが照射され、これによって感光体10に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段である現像モジュール50によって各色のトナー像として可視像化される。中間転写ベルト62を挟んで、感光体10と反対側に一次転写ローラ61が配置され、この一次転写ローラ61に転写電圧が印加されることにより、感光体10上のトナー像が、回転する中間転写ベルト62上に一次転写される。トナー像転写後の感光体10上に付着する転写残トナーはクリーニング手段であるクリーニングモジュール20によって除去される。クリーニングモジュール20の下流側には感光体10上に潤滑剤を塗布し、感光体10表面の磨耗を低減し、クリーニング性を上げる潤滑剤の塗布装置70を備える。
図1に示すように、画像形成装置100本体内の下部には、例えば転写紙より成る記録媒体を収容した給紙カセットを有する給紙装置130が配置され、所定のタイミングで中間転写ベルト62の部分と、これに対置された二次転写ローラ65との間に給送される。このとき、二次転写ローラ65には図示しない電源から所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト62上の合成トナー像が記録媒体に二次転写される。
合成トナー像を二次転写された記録媒体はさらに上方に搬送されて定着装置90を通り、このとき記録媒体上のトナー像が熱と圧力の作用により定着される。定着装置90を通過した記録媒体は、排紙ローラ対によって、画像形成装置本体100の上部の排紙部に排出される。
このようにプロセスユニット化することにより、該プロセスユニットに含まれる上記の部品又は装置に起因する故障が起こった場合、プロセスユニットの交換を行うだけで、早期に現状を回復させることができるため、サービス時間を短縮することができ、メンテナンスの面で有利である。
なお、本実施形態では、クリーニング手段、帯電手段、現像手段などの各プロセス手段をそれぞれモジュール化し、プロセスユニットを画像形成装置本体から取り外した状態において、各プロセスモジュールをモジュール単位で交換できるようにした。このため、未だ使用することのできるプロセス手段を、プロセスユニットの寿命と共に廃棄することによる資源の無駄を防ぐことができる。本実施形態によると、ユーザ又はサービスマンはプロセスユニット単位で交換することも、プロセスモジュール単位で交換することもでき、非常に使い勝手がよい。
図3は、上記帯電モジュール30の構成を示す概略図であり、(A)は外観斜視図であり、(B)は外観側面図である。帯電モジュール30は、上記感光体10に接触もしくは近接して配設される帯電ローラ31、帯電ローラ31の端部に固定される図示しないギア、帯電ローラ31が振動するのを防止するバネ材32、帯電ローラ31に接触してトナーを含む異物を除去するためのクリーニングローラ33、クリーニングローラ33の軸受37、クリーニングローラ33を帯電ローラ31に当接するよう押圧するバネ材38、帯電ローラ31と感光体10との間隙を設けるためのスペーサ部材34、帯電ローラ31の端部を支持する支持部材35、これらを収納するハウジング39からなっている。
クリーニングローラ33は帯電ローラ31に対して接近・離間する方向に変位可能となっており、クリーニングローラ33をバネ材38で押圧することによって、クリーニングローラ33と帯電ローラ31との線圧を所定の線圧に維持することができる。
帯電ローラ31のギアは、後述の駆動機構により回転駆動され、クリーニングローラ33は帯電ローラ31に連れ回るよう、回転自在に軸支されている。支持部材35は、バネ材32により、ハウジング39から離間する方向(感光体10のドラム軸に向かう方向)へ押圧され、ハウジング39に形成された規制部材により移動を規制される。この構成により、帯電モジュール30のプロセスユニット200への装着時、帯電ローラ31は、スペーサ部材34によって感光体10と適切な距離を保ち、かつ帯電ローラ31を感光体10に押圧する。また、帯電モジュール30の取り外し時には、帯電モジュール30自体での取り扱いを可能とする。また、帯電ローラ31は、駆動機構により駆動させるようにしたが、感光体10の駆動によって従動するよう構成してもよい。
図4は、帯電ローラ31の構造を示す概略図である。この帯電ローラ31は、中心に金属製芯金による軸部311、その外側に中抵抗層313と最外層に表面層314とを有する本体部312からなる構造をしている。軸部311は、例えば、直径が8〜20mmのステンレス、アルミニウムの高い剛性と導電性を有している金属製又は1×103Ω・cm以下、好ましくは1×102Ω・cm以下で高い剛性を有する導電性の樹脂等で構成される。中抵抗層313は、1×105Ω・cm〜1×109Ω・cmの体積抵抗率で、1〜2mm程度の厚さにすることが好ましい。表面層314は、1×106Ω・cm〜1×1012Ω・cmの体積抵抗率で、10μm程度の厚さが好ましい。表面層314の体積抵抗率は、中抵抗層313の電気抵抗率より高くすることが好ましい。ここで、本体部312は、中抵抗層313と表面層314との2層構造で示したが、特にこの構造に限定されるものではなく、単層でも3層であっても良い。
図4に示す帯電ローラ31と感光体10との間隙Sは、スペーサ部材34により100μm以下、特に、20〜50μmの範囲にする。これにより、帯電モジュール30の作動時における異常画像の形成を抑えることができる。この間隙Sは、プロセスユニット200と帯電モジュール30を固定するプロセスユニット枠体210に嵌合部を設けて調整してもよい。また、帯電ローラ31は摩擦係数の低い樹脂による軸受に設けるバネ材32により感光体10表面方向に押圧されている。これにより、機械的振動、芯金の偏位があっても一定の間隙を形成することができる。
図5は、本発明の特徴部であるクリーニングローラ33の構成を示す概略図であって、(A)は全体図であり、(B)は部分断面図である。クリーニングローラ33は、金属シャフト331と、金属シャフト331の外周に設けた帯電ローラの汚れを除去する清掃部材としてのクリーニング部材332と、クリーニング部材332の両端側に設けられ帯電ローラからの駆動を伝達する駆動伝達部材333を有する。ここでクリーニング部材332は、汚れ除去及び収納の機能に優れたメラミン樹脂発泡体を用いることとするが、上記機能を満たすものであれば多孔性のスポンジ等他の材質でもよい。
駆動伝達部材333は、帯電ローラに対する摩擦力が高い部材(摩擦部材)で構成されている。駆動伝達部材333の帯電ローラに対する摩擦係数は、クリーニング部材332の帯電ローラに対する摩擦係数よりも大きく設定されている。また、駆動伝達部材333は、弾力性を有する部材(弾性部材)で構成されている。本発明では耐オゾン性、耐トナー性等を考慮してウレタンゴムを使用しているが、上記機能を満たすものであれば、他のゴムや材料でもよい。
図5(B)に示すように、駆動伝達部材333は、その中央部に金属シャフト331を挿嵌するための挿嵌孔333aが形成された環状の部材である。駆動伝達部材333の外周面333bは、軸線Lに対して傾斜して形成されている。また、駆動伝達部材333の外径D1は、クリーニング部材332の外径D2よりも大きい。
図6に示すように、クリーニングローラ33が、ここでは図示されない上記バネ材38の押圧力を受けて帯電ローラ31に接触すると、クリーニング部材332は帯電ローラ31の外周面に当接し圧縮される。また、駆動伝達部材333の傾斜した外周面333bも帯電ローラ31の外周面に当接する。このとき、駆動伝達部材333の外周面333bの帯電ローラ31との当接部が、圧縮されて弾性変形する。駆動伝達部材333が圧縮されることによって、帯電ローラ31に対して広いニップ幅を形成し、帯電ローラ31に対する摩擦力を高めることができる。これにより、帯電ローラ31が回転してクリーニングローラ33が連れ回りするとき、クリーニングローラ33は帯電ローラ31に対してスリップすることなく完全等速で回転することが可能になる。
図7は、プロセスユニット200の組み立て図を示す。
図7に示すように、プロセスユニット200は、図示手前側の第1側板220を有するプロセスユニット枠体210と、図示奥側の第2側板250を備える。本発明の実施形態では、これらプロセスユニット枠体210と第2側板250を用いて、感光体10、クリーニングモジュール20等を組み付けるように構成している。以下、各部材の詳細について説明する。
像担持体としての感光体10は、両端にフランジ13,15を配設した円筒状本体部10bを有し、その円筒状本体部10bの両端からは回転軸14が突出している。
クリーニングモジュール20は、クリーニング手段であるクリーニングブレード22、これを保持する保持板21、感光体10から回収したトナーが飛散しないようハウジング26内をシールする入り口シール23、回収されたトナーを収納するハウジング26、ハウジング26内に回収されたトナーを画像形成装置100本体内まで搬送する搬送オーガ25が設けられている。なお、保持板21は、長手方向の略中間位置において、ネジ27によりハウジング26を固定している。 また、保持板21の両側には、クリーニングモジュール20をプロセスユニット枠体210及び第2側板250に対して位置決めするための位置決めガイド28として、穴部281と固定ネジ用の穴282が設けられている。なお、位置決めには、これに限定するものではなく、例えば、弾性を有する部材を穴又は窪み状にした部分に押し当てるものでもよい。また、固定には、ネジに限定するものではなく、棒状の突起にEリング等を用いてもよい。
プロセスユニット枠体210は、図示手前側の第1側板220と、図示しない帯電モジュール30を取り付ける位置決め板211と、図示しない潤滑剤の塗布装置70及び粉体潤滑剤を収容する潤滑剤収容部270と、感光体10を組み付けるときに感光体10を仮置きする仮置き部232を一体的に形成して構成されている。
第1側板220は、感光体10の回転軸14を軸支するための軸受244、クリーニングモジュール20の保持板21を当接する当接部としての第1当接面221が設けられている。また、第1側板220には、図示しない現像モジュール50を装着するためのガイド溝223、現像モジュール50を固定する固定穴225、226が設けてある。
第2側板250には、クリーニングモジュール20の保持板21を当接する当接部としての第2当接面251、感光体10の回転軸14が貫通される軸受254、後述する現像スリーブのシャフトが挿入されるシャフト支持部253、後述する供給ローラをガイドするガイド溝255が形成される。なお、上述した第1側板220の第1当接面221と、第2側板250の第2当接面251とにより、クリーニングモジュール20の保持板21の感光体10への当接角度が決定される。
図7を参照して、各部材の組み立て方法を説明する。
まず、第1側板220に設けた軸受244に感光体10の一方のシャフト14を挿入し、次いで、第2側板250の軸受254に感光体10の他方のシャフト14を挿入する。これにより、感光体10は第1側板220及び第2側板250によって支持される。次に、クリーニングモジュール20の保持板21を、第1側板220及び第2側板250のそれぞれの当接面221,251に当接させる。このとき、両方の当接面221,251に設けた図示しない位置決め用の棒状突起を、クリーニングモジュール20の両端に設けた位置決めガイド28の穴部281に挿入する。その後、クリーニングモジュール20の固定ネジ用の穴282に挿通させたネジによって、クリーニングモジュール20をプロセスユニット枠体210及び第2側板250に固定する。このようにして、各部材を少ない部品で精度の高い位置決め、ねじれ、たわみの発生の少ない取付が可能になる。
図8は、上記プロセスユニットを組み立てた状態におけるクリーニングモジュール20のクリーニングブレード22の配置状態を模式的に示す概略図である。本実施形態では、図8(A)に示すように、クリーニングブレード22を、保持板21の当接面221(又は251)に対して当接する面と同じ面に配設している。一方、図8(B)に示すように、クリーニングブレード22を、保持板21の当接面221(又は251)に対して当接する面と反対側の面に配設してもよい。但し、図8(A)に示すようにクリーニングブレード22を配設した場合は、保持板21の厚さに寸法公差が生じても、クリーニングブレード22の感光体10に対する接触状態(接触位置)は影響を受けねいため、クリーニング精度を向上させることができるメリットがある。
また、本発明の実施形態では、組付けの際に、保持板21が当接する当接部として、第1当接面221及び第2当接面251を設けているが、本発明はこの構成に限られず、クリーニングモジュール20を感光体10へ当接位置を決定できるものであれば当接部の形状には限定されないことは明白である。
また、クリーニングブレード22の材質は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等を含むエラストマーを用いる。特に、ウレタンエラストマーが、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の観点から好ましい。また、保持板21は、クリーニングブレード22を感光体10上に圧接させることによる撓りを抑えて精度良く当接させるため、その断面はL字形状とされている。また、その材質は、厚み2.0mmのSUS鋼板によりなり、強度を持たせている。なお、保持板21は、鉄板、アルミニウム板、リン青銅等の銅板を用いてもよい。また、クリーニングブレード22の保持板21への固着は、保持部21に接着剤を塗布し貼り合わせ加熱又は加圧して接着している。また、それ以外に、両面テープや接着剤による固定なども便宜採用できる。
図9は、クリーニングブレード22の感光体10への当接条件を示す概略図である。本実施形態のクリーニングブレード22の当接方式は、感光体10の回転方向に対してブレードをカウンターに当接するカウンター方式を採用するが、回転方向に対してブレードを順方向に当接するトレーリング方式であってもよい。特に、カウンター方式が好ましく、感光体10に対するクリーニング性が高い。
また、クリーニングブレード22は、硬度(JIS―A)が、60〜85°の範囲が好ましい。硬度が60°未満ではクリーニングブレード22の変形が大きくトナー等のクリーニングが困難になり、硬度が85°を越えると感光体10の摩耗が大きくなり、画像形成装置の寿命を短くする。さらに、クリーニングブレード22の当接条件のうち当接圧は、10〜60gf/cmの範囲にあることが好ましい。当接圧が10gf/cm未満では粒径が2μm未満のトナーのクリーニングが困難であり、60gf/cmを越えるとクリーニングブレード22先端がめくれたりやバウンディングが生じやすくなり、ビビリ等のクリーニング不良が生じやすくなって、クリーニング性が低下する。クリーニングブレードの弾性率は4.5〜10MPa、クリーニングブレード22の自由長は5〜12mm、クリーニングブレード22の厚さは1〜2mm、当接角度は5〜25度、食い込み量は0.1〜2.0mmが好ましい。クリーニングブレード22の当接角度は、当接位置の接線から5〜25°以下の範囲になることが好ましい。当接角度が5°未満ではトナーのすり抜けによるクリーニング不良が発生しやすく、25°を越えるとクリーニング時にブレードまくれが生じることがある。クリーニングブレード22の感光体10への食い込み量は、0.1〜2.0mmの範囲にあることが好ましい。0.1mm未満では、クリーニングブレード22と感光体10の接触する面積が小さく、トナーがすり抜けるクリーニング不良が生じ、2.0mmを越えると感光体10との摩擦力が大きくなりブレードめくれやバウンディングが生じやすくなる。また、ブレードの振動による鳴き、ビビリ等のクリーニング不良が生ずる。
図10は、感光体10の感光層の構造を示す概略図である。感光体10は、図10に示すように、円筒状のアルミニウム基板11上に感光層12を設ける。感光体10の基板11は、例えば、アルミニウム、銅、鉄等の金属又はこれらの合金を押し出し、引き抜きなどの加工して円筒状の素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した円筒状ドラムに形成されている。感光層12の構造は、電荷発生物質を主成分とする層である電荷発生層121と発生した電荷を感光体10表面又は基板11に輸送する電荷輸送層122で構成される。電荷発生層121は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。電荷発生層121には、公知の電荷発生材料を使用することが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮 合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。中でもアゾ顔料及び/又はフタロシアニン顔料が有効に用いられる。
また、電荷輸送層122は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレンを挙げることができる。また、感光層12を保護するために、保護層123が感光層12の上に設けられることもある。保護層123にはその他、耐摩耗性を向上する目的でフィラーを添加することもできる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
図11は、プロセスユニット枠体210の潤滑剤収容部270内に収容された潤滑剤の塗布装置70を示す概略断面図である。図11及び図2を参照して、潤滑剤の塗布装置70の構造を説明する。潤滑剤の塗布装置70は、感光体10の回転方向に順方向に回転駆動されて感光体10上に潤滑剤を供給する供給部材72と、感光体10に供給された潤滑剤を薄膜化する膜形成部材71と、プロセスユニット枠体210に設けられ潤滑剤を収納する潤滑剤収納部270によって構成される。
本実施例では、供給部材72は、潤滑剤を供給するためのフィルム721を有する構成となっているが、供給部材72はその構成に限らず、ブラシを金属ローラ表面に設けるなど便宜採用できる。なお、フィルム721は、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂の中から選択される。ブラシは、同様の樹脂の他、摩耗に強く、強度が高いナイロン等のポリアミド樹脂を用いることができる。また、摩擦帯電を防止するために、導電性粉末としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、黒鉛、または、銅、銀等の金属粉末の導電性粉末を含有させてもよい。具体的には電気抵抗は102〜108Ω・cmの範囲にすることが好ましい。
上記膜形成部材71は、塗布ブレード711とブレード支持部材712とからなっている。塗布ブレード711は、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂のエラストマーをブレード状にして用いる。とくに、弾性が高く、摩耗しにくいウレタン樹脂が好ましい。このブレード支持部材712は、塗布ブレード711を支持する発泡体を配設し、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂による発泡体を用いる。特に、ウレタン発泡体が好ましい。これによって、感光体10を過度に圧接することにより生ずる摩耗を抑え、かつ、潤滑剤の均一な膜を形成することができる。塗布ブレード711の感光体10への当接方式はカウンター方式でもトレーリング方式でも良い。ブレードによるめくれの発生が少なく、潤滑剤を均一に薄膜化できる。当接圧は5〜30N/m、当接角度は10〜30°の範囲にする。食い込み量等の他の条件は、ブレードの弾性率により適宜決定することができる。ただし、硬度の低い潤滑剤を薄層化するものであり、クリーニングにおけるクリーニングブレード22の当接条件と比較して当接圧等は低くする。
この塗布装置70は、潤滑剤収納部270にある潤滑剤を供給部材72のフィルム721に乗せて、感光体10に潤滑剤を供給し、感光体10に当接された塗布ブレード711で潤滑剤を薄層化して塗布する。これによって、感光体10の摩擦係数を低くすることができ、トナーの転写率を向上させて廃棄するトナー量を減少させることができる。
さらに、感光体10の表面の摩擦係数を小さくすることによって、クリーニングしにくい球形形状のトナーであってもクリーニングすることができる。また、潤滑剤の薄層形成を塗布ブレード711で行うことで、不必要な潤滑剤は塗布ブレード711でせき止められ、感光体10に薄膜を形成する量をできるだけ少なくすることで最小厚さの膜を形成することができる。また、このときに、薄層にならなかった潤滑剤は、塗布ブレード711上からこぼれて潤滑剤収納部270に戻るので、潤滑剤を長く使用することができる。
潤滑剤としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂が挙げられる。特に、感光体10の摩擦を低減する効果の大きい脂肪酸金属塩であって、脂肪酸としてステアリン酸、金属として亜鉛、又はカルシウムを用いるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが一層好ましい。
また、潤滑剤は、粉体状であって、体積平均粒径が、0.1〜3.0mmの範囲にあるものを用いる。成型した潤滑剤では、ブラシで強く摺擦して粉体状に掻き取り感光体10に供給しなければならず、ブラシの寿命が短くなり、また、駆動させるための軸、ギアの強度を高くしなければならず、製造上のコスト低減が困難である。粉体状の潤滑剤を用い、また、粉体状潤滑剤の体積平均粒径を小さくすることで、塗布ブレード711による薄層化を容易にすることができる。0.1mm未満では、薄層化されることなく塗布ブレード711をすり抜けてしまう。3.0mmを越えると、塗布ブレード711でクリーニングされてしまい、薄層化することができない。
図12は、現像モジュール50を示す概略図である。また、その断面図は図2に示される。図2に示すように、現像モジュール50内には、感光体10に近接するように配置されている現像剤担持体である現像スリーブ51、図示しないトナーボトルから補給されたトナーを収容する現像剤収納部56、現像剤収容部56から供給されたトナーを磁性キャリアと混合・攪拌する混合スクリュー53,54、現像スリ−ブ51に供給された現像剤の量を規制する規制部材55が配設されている。
符号561は、搬送時に現像剤収容部56の現像剤を外部へ漏洩するのを防止する仕切板である。搬送時、仕切板561で現像剤収容部56を封止することで現像剤の漏洩を防止し、最初の使用時に、この仕切板561を引いて取り外すことで、開封されて、現像剤収納部56から混合・攪拌スクリュー53へ現像剤を供給可能となる。
また、図12において、符号511は、現像スリーブ51を回転させる回転軸であり、符号521及び522は、プロセスユニットの組み立て時に、現像モジュール50を位置決めするためのガイドである。
現像スリーブ51では、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成してなる現像スリーブが回転駆動機構によって回転することで、内部に設けられた磁極によって現像剤が搬送されるようになっている。現像剤の搬送方向における現像領域の上流側部分に配置されている規制部材55によって、現像剤チェーン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ51上の現像剤量を規制する。
なお、現像剤は、磁性キャリアとトナーによる二成分現像剤の他、磁性一成分現像剤、非磁性一成分現像剤を適宜選択して使用することができ、この場合、現像スリーブの仕様は変えることで対応することができる。
図13は、プロセスユニット枠体210の第1側板220に対し、現像モジュール50を位置決めしたときの状態を示す図である。
現像モジュール50は、面板240を介して第1側板220に取り付けられる。また、面板240を裏側から見た状態を図14に示す。面板240は、第1側板220に設けた軸受244に嵌合可能な穴部241と、現像モジュール50の現像スリーブのシャフト511が挿入される挿入部242と、面板240をプロセスユニット枠体210の側板220に固定するネジ用の穴243が設けられている。また、面板240の挿入部242は、第1側板220に形成したのガイド溝223に挿通するように構成されている。
面板240の穴部241を第1側板220の軸受244嵌合させると共に、現像スリーブのシャフト511を面板240の挿入部242に挿入することによって、現像モジュール50(現像スリーブ)は感光体10に対して位置決めされる。このように位置決めがなされた後、現像モジュール50のガイド521,522を、対応する第1側板220の固定穴225,226に取り付け、現像モジュール50のプロセスユニット枠体210への固定が行われる。
図15は、第2側板250に、感光体10、クリーニングモジュール20、現像モジュール50を装着した状態を示す図である。感光体10の回転軸14は、第2側板250の軸受254に挿通されて位置決めされた後(図7参照)、カップリング141が回転軸14の端部に取り付けられる。カップリング141は、プロセスユニット200の装着時に、画像形成装置100本体側に設けられた駆動手段に係合し、この駆動手段によって感光体10が回転駆動される。
クリーニングモジュール20は、第2側板250の第2当接面251に保持板21が当接され、上述したとおり穴部281によりガイドされ、固定ネジ用の穴282に固定ネジを取り付けることにより固定される。また、現像モジュール50の現像スリーブのシャフト511は、第2側板250のシャフト支持部253に挿入して支持されている。また、供給ローラ54が、第2側板250のガイド溝255にガイドされて取り付けられている。
上述したとおり、第1側板220に設けられた第1当接面221と、第2側板250に設けられた第2当接面251とには、クリーニングモジュール20の保持板21を固定すべく、位置決めのための突起とネジ用の穴とが設けられる。従って、保持板21はプロセスユニットの両端側、つまりできるだけ長手方向に距離をもって支持できるので、保持板21を安定的に保持でき、保持板21に取り付けられたクリーニングブレード22と感光体10上への当接状態を精度良く取り付けることができる。また、感光体10の回転軸14を支持する第1側板220及び第2側板250の軸受244,254(図7参照)は、それぞれ第1当接面221、および第2当接面251の幅内であって、かつ、その近傍にあり、保持板21を軸受244,254に向かって固定される。従って、保持板21と感光体10の回転軸に対する距離、および角度の精度を高めることができ、結果的に、保持板21により保持されるクリーニングブレード22と感光体10との当接状態を精度よく取り付けることができる。また、上述したとおり、保持板21に強度の高い材料(本実施形態では厚さ2.0mmの鋼板)を使用することにより精度を高めることに寄与する。
また、保持板21は金属製にして剛性を大きくすることが好ましい。これによって、第1側板220と第2側板250と、プロセスユニット枠体210等の寸法のくるいから、クリーニングブレード22の保持板21を両端で固定したときに生ずるねじれ、たわみを規制することができる。さらに、本実施形態のように、保持板21を支持する第1側板220と第2側板250とは別部材とすることが好ましい。これらを別部材とすることにより、一体的にすることにより生じる成型時からのねじれ、たわみの影響を低減することができ、枠体よりも剛性が高い保持板21を基準として、第1側板220及び第2側板250の位置が決定でき、プロセスユニット自体を高精度に組み立てることができる。また、このように、剛性の高い保持板21によりクリーニングモジュール20をプロセスユニット200に取り付けた後、現像モジュール50、帯電モジュール30を取り付けるようにすれば、クリーニングモジュール20の取り付けによりねじれ、たわみの影響が低減されているため、結果的に、現像モジュール50、帯電モジュール30の取り付けを高精度に行うことができる。また、このクリーニングモジュール20をプロセスユニット枠体210に装着したときに、クリーニングブレード22と感光体10とを高い精度で当接しても、この保持板21を中心に回転する力が作用する。このため、クリーニングモジュール20の回転を抑えるために、クリーニングモジュール20をネジ等の固定部材257(図15参照)によって第2側板250に固定する。
図16は、側板の内側に設けられたギア列を示す概略図である。上述したとおり、感光体10は装置本体から回転駆動される。感光体10の回転軸に設けられた感光体ギア10aの回転は、搬送オーガギア25a,25b,25cによって図示しないクリーニングモジュール20の搬送オーガ25(図2参照)に伝達され、搬送オーガ25を回転させる。搬送オーガ25は回転駆動されることにより、クリーニングモジュール20のハウジング26内に回収された回収トナーをプロセスユニット外に搬送する(図7参照)。さらに、感光体ギア10aの回転は、供給部材72a,72b,72cによって図示しない潤滑剤の塗布装置70の供給部材72(図2参照)に伝達される。この供給部材72を回転駆動させることにより、感光体10表面に潤滑剤が供給される。さらに、感光体ギア10aの回転は、帯電部材ギア37a,37bにより伝達されて図示しない帯電モジュール30の帯電部材31(図2参照)を回転駆動することにより、感光体10表面に均一に帯電を行う。
本実施形態では、潤滑剤を供給する供給部材72の回転速度は、感光体10の回転速度よりも早く設定している。したがって、感光体10表面への潤滑剤塗布量が不足することはない。しかしながら、ギア比を調整することにより、感光体10の回転速度と供給部材の回転速度を調整し、潤滑剤塗布量を適当になるよう設定することができる。
また、この他に、プロセスユニット200には、検知手段としては、プロセスユニット200内の温湿度を検知するための温湿度センサ、感光体10の電位を検知する電位センサ、現像後の感光体10上の現像されたトナー量を検知するトナー濃度センサを設けることができる。さらに、例えば、転写前除電装置、クリーニング前除電装置を設けてもよい。
本発明によれば、図6において説明したように、クリーニングローラ33の両端側に、弾性を有し且つ摩擦係数の高い駆動伝達部材333を設けたことにより、クリーニングローラ33の帯電ローラ31に対する摩擦力が高めることができる。これにより、帯電ローラ31とクリーニングローラ33との線圧を所定の線圧に維持しつつ、クリーニングローラ33を帯電ローラ31に対してスリップすることなく完全等速で回転させることが可能である。従って、クリーニングローラ31のクリーニング性を良好な状態で維持することができ、帯電ローラの性能を長期間に亘って良好な状態で発揮させることが可能となる。また、駆動伝達部材333は小型で且つ安価な部材の使用が可能である。
さらに、上記本発明のクリーニングローラを帯電装置に設けることにより、帯電ローラの性能を長期間に亘って良好な状態で発揮させることが可能となる。また、その帯電装置をプロセスユニットや画像形成装置に搭載することによって、長期間に亘って良好な画像形成を実現できる。
また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。図1に示す本発明の実施形態では、本発明の構成を、4つの感光体を備えたいわゆるタンデム型のカラー画像形成装置に適用しているが、1つの感光体に各色のトナー画像を順次形成するいわゆるレボルバ型間のカラー画像形成装置にも適用可能である。また、本発明の構成を、感光体形成したトナー像を紙等の記録材に直接転写する直接転写方式の画像形成装置などにも適用しても、上記本発明の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。