JP6230311B2 - クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものであり、特に、これらの装置に備えられるクリーニング装置に関する。
電子写真装置の画像形成装置においては、感光ドラムの表面の現像剤像を記録材に転写した後に、感光ドラムの表面にトナーが残る場合がある。また、中間転写方式の画像形成装置においては、中間転写ベルトの表面の現像剤像を記録材に転写した後に、中間転写ベルトの表面にトナーが残る場合がある。こうした感光ドラムや中間転写ベルトに残ったトナーを除去する装置として、感光ドラムや中間転写ベルトなどの像担持体に当接するブレード(ブレード部材)を有するクリーニング装置が知られている。ブレードを像担持体に当接させる当接形態としては、像担持体の回転方向とカウンター方向に当接させる方式が一般的である。
図5は、従来のクリーニング装置の概略構成を示す断面図である。
中間転写ベルト11の表面は、ブレード201によってクリーニングされる。ブレード201は弾性体で形成され、剛体である支持部材102に固定されており、ブレード201は弾性変形して中間転写ベルト11に漸近するように当接する。ここで、ブレード201のエッジ部と中間転写ベルト11の接点における対向ローラ13の接線202と、ブレード201のエッジ部におけるブレード201の当接面の接線205のなす角を当接角βと定義する。
ブレードを像担持体に当接させ、その当接状態を保持する方法として、構成的に簡単で一般的に用いられる方法で、ブレードを固定する固定方式がある。固定方式のクリーニング装置は、支持部材102を固定することで、中間転写ベルト11に対しブレード201を所望の位置で当接している。
しかしながら、弾性体であるブレード201に歪を与え続けると、経時による永久変形(クリープ変形)が発生する。固定方式のクリーニング装置において、長期間の使用等によりブレード201のクリープ変形が進行すると、中間転写ベルト11に対するブレード201の当接圧(押圧力)が低下し、クリーニング性能が低下してしまうことが懸念される。
一方、当接圧を安定させる方法として、ブレードが揺動する揺動方式がある(特許文献1参照)。揺動方式のクリーニング装置には、支持部材102に不図示の揺動中心点と加圧手段が設けられ、揺動中心点を中心に支持部材102が矢印X3方向に揺動するように構成される。揺動方式のクリーニング装置では、支持部材102が不図示の加圧手段により矢印X2の方向に付勢され、中間転写ベルト11に対してブレード201が所望の圧力で当接する。揺動方式では長期間にわたって使用しても当接圧がほとんど変化しない。
特開2012−203247号公報
しかしながら、上記の揺動方式には以下のような問題が発生することが懸念される。以下、図5と図6を用いて説明する。図6は、当接角βと当接圧との関係においてクリーニ
ング可否領域を示すグラフであり、横軸は当接角β、縦軸は当接圧を示している。
図6において、直線Eは、当接圧不足によるトナーのすり抜け限界を示し、直線Gは、ブレード201を寝かせ過ぎた(当接角βを小さくし過ぎた)ことによるトナーのすり抜け限界を示している。また、直線Fは、ブレードの振動(連続的に発生するスリップによる)によるトナーのすり抜け限界を示している。これら直線E、F、Gで囲まれた領域がクリーニング可能領域(クリーニングウィンドウ110)であり、良好なクリーニング性能を得るため、画像形成装置ではこのクリーニングウィンドウ110内に当接角βと当接圧が設定(以下、ブレード設定)される。
揺動方式のブレードは、中間転写ベルト11と対向ローラ13を対向部材とし、当接圧が一定のまま中間転写ベルト11に当接し続けるため、長期の使用や長期の装置保管等によりクリープ変形が進行すると、矢印112で示すよう当接角βが減少していく。当接角βが減少すると、直線Gのクリーニング性の当接角限界を超え、トナーのすり抜けが発生する。これを回避するため、揺動方式のブレード設定は当接角βを大きく設定する場合があるが、直線Fの振動限界に近接することによるすり抜けのリスクがあり、当接角βを大きくするには限界がある。
すなわち、揺動方式は経時によりクリーニング性能が低下してしまうことが懸念される。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、揺動方式を用いたクリーニング装置において、ブレード部材の変形を抑えてクリーニング性能の低下を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
像担持体の移動方向に対してカウンター方向で前記像担持体の表面に当接して前記像担持体の表面上の現像剤をクリーニングするブレード部材と、
前記ブレード部材を支持する支持部材と、
前記ブレード部材の前記像担持体側の面であるブレード当接面の先端部を前記像担持体の表面に対し所定の当接圧で押し当てるために、前記支持部材を前記像担持体側に付勢する付勢部材と、
前記像担持体との当接による前記ブレード部材の変形が大きくなるのに伴い前記支持部材が所定の位置よりも前記像担持体側に近づくことを抑制するために、前記支持部材と接触していない状態から、前記支持部材と接触する状態になることで前記付勢部材の付勢力に抗して前記支持部材の移動を規制する規制部材と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、揺動方式を用いたクリーニング装置において、ブレード部材の変形を抑えてクリーニング性能の低下を抑制することが可能となる。
実施例の画像形成装置の概略構成を示す断面図 実施例のクリーニング装置の概略構成を示す断面図 実施例のクリーニング可否領域を示すグラフ 本実施例の効果について説明する図 従来のクリーニング装置の概略構成を示す断面図 従来のクリーニング可否領域を示すグラフ
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、こ
の発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。以下の説明において、図5、6に示した構成と同様の構成部分については、説明の便宜上、同一の符号を付している。
[実施例]
以下、本実施例について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。
本実施例の画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを採用した画像形成装置である。図1に示すように、画像形成装置100は画像形成装置本体(以下、装置本体)100Aを有し、この装置本体100Aの内部には、画像を形成する画像形成部71が設けられている。
(画像形成部の概略構成)
画像形成部71は、並設されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の4つのステーションを備えている。ここで、各ステーションの構成及び動作は、用いるトナー(現像剤)の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下の説明において特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために図1中符号に与えた添え字Y,M,C,Kは省略して総括的に説明する。
画像形成部71は、並設された4個の感光ドラム2を備えている。各感光ドラム2の周囲には、その回転方向の上流側から順に、1次帯電器7、現像手段としての現像装置3が配置されている。
感光ドラム2に対向した位置には、感光ドラム2の表面に形成されたトナー像が1次転写される像担持体としての中間転写ベルト(中間転写体)11が、駆動ローラ12、対向ローラ13、テンションローラ15及び従動ローラ14により張架されている。
中間転写ベルト11は、駆動モータ28により図1に示す矢印方向に回転駆動される。テンションローラ15は、テンションバネ16により一方向に付勢され、中間転写ベルト11に所定のテンションを付与している。中間転写ベルト11を挟んで各感光ドラム2の対向位置には、それぞれ1次転写ローラ4が配置されている。
中間転写ベルト11を挟んで対向ローラ13に対向する位置には、2次転写ローラ20が配置されている。
(画像形成装置の動作)
以上のように構成された画像形成装置100の画像形成動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、まずカセット30内の記録材Pは、給送ローラ31により給送された後、レジストローラ対33に搬送される。このとき、レジストローラ対33は、回転を停止しており、このレジストローラ対33のニップに記録材Pが突き当てられることにより、記録材Pの斜行が矯正される。感光ドラム2Yにおいては、まず感光ドラム2Yの表面が1次帯電器7Yによって一様にマイナス帯電され、次に露光装置1により画像露光が行われる。これにより、感光ドラム2Yの表面には画像信号のイエロー画像成分に対応した静電潜像(潜像)が形成される。
現像装置3は、感光ドラム2の表面にトナー像(トナー画像)を形成するための装置であり、感光ドラム2に当接している。上記静電潜像が、現像装置3Yによりマイナス帯電したイエロートナーを用いて現像され、イエロートナー像として可視化される。そして、このようにして得られたイエロートナー像は、1次転写バイアスが供給された1次転写ローラ4Yにより、1次転写ニップ部で中間転写ベルト11上に1次転写される。このような一連のトナー像形成動作は、他の感光ドラム2M,2C,2Kにおいても所定のタイミングをもって順次行われる。そして、各感光ドラム2上に形成された各色トナー像は、それぞれの1次転写ニップ部で中間転写ベルト11上に順次重ねて1次転写される。
このように、中間転写ベルト11上に重畳して転写された4色のトナー像は、中間転写ベルト11の回転に伴い、2次転写ニップ部Tに移動される。
さらに、レジストローラ対33で斜行を矯正された記録材Pは、中間転写ベルト11上のトナー像とタイミングをとって2次転写ニップ部Tに送り出される。
この後、2次転写バイアスが供給された2次転写ローラ20により、2次転写ニップ部Tで、中間転写ベルト11上の4色のトナー像が記録材P上へ一括して2次転写される。このようにしてトナー像が転写された記録材Pは、定着器40に搬送され、加熱、加圧されることによりトナー像が定着された後、排出ローラ対41により、排出トレイ42に排出されて積載される。
ここで、2次転写を終了した中間転写ベルト11は、対向ローラ13に対向するように設置されたクリーニング装置21によって、ベルト表面に残留した転写残トナーが除去される。このとき、除去された転写残トナーは、不図示のトナー回収容器に回収され格納される。
(クリーニング部の詳細構成)
図2(a)は、クリーニング装置21の概略構成を示す断面図である。被クリーニング部材である中間転写ベルト11の表面は、ブレード部材としてのブレード201によってクリーニングされる。ブレード201は、中間転写ベルト11の表面上に付着したトナー等の付着物をクリーニングするための部材であり、弾性体で形成されている。ブレード201は、中間転写ベルト11にカウンター方向で(中間転写ベルト11の移動方向X1と逆方向に向かうように)当接している。
また、クリーニング装置21は、加圧機構60を有している。加圧機構60は、剛体からなる支持部材(ブレード支持部材)102、バネ(加圧バネ)104、揺動中心点103を有している。支持部材102は、ブレード201を支持するための部材である。支持部材102は、バネ104の付勢方向に延びるアーム102aを有しており、アーム102aの先端に揺動中心点103が設けられている。支持部材102は、揺動中心点103を中心(回転中心、軸心、回転軸)として揺動可能(回転可能)に設けられている。
そして、バネ104は、支持部材102を付勢してブレード201を中間転写ベルト11に対して図2に示す矢印X2の方向に所望の圧(所定の当接圧)で当接させる付勢力を発揮する。ここで、バネ104は、ブレード201の中間転写ベルト11側(像担持体側)の面であるブレード当接面の先端部を中間転写ベルト11の表面に対し所定の当接圧で押し当てるために、支持部材102を中間転写ベルト11側に付勢する付勢部材に相当する。
また、クリーニング装置21は、回収したトナーを格納する不図示のトナー回収容器を有している。
本実施例の特徴的な構成として、クリーニング装置21には、支持部材102の揺動動作を規制する規制手段として規制部材106が配置されている。規制部材106は、バネ104が支持部材102を所望の圧で付勢することによる、ブレード201の変形に伴う支持部材102の動きを制限(規制)するためのものである。本実施例では、規制部材106として、支持部材102が突き当たることで支持部材102の移動を規制する、図2に示すようなストッパを用いている。しかしながら、規制部材としては、このようなストッパに限るものではない。規制部材は、支持部材102が所定の位置(所定の位置については後述する)よりも中間転写ベルト11側に近づくことを抑制するために、バネ104の付勢力に抗して支持部材102の移動を規制するためのものであればよい。
後で詳しく説明するが、図2(a)においては、支持部材102は規制部材106に接触しておらず、加圧機構60が揺動可能な状態にある。
本実施例ではブレード201はポリウレタン製であり、厚みが2mm、自由長が8mm(図2に示すL方向の長さ)、硬度はJIS−A硬度で75度のものを用いた。本実施例では、ブレード201の材質はポリウレタンとしたが、ブレード201に使用される材料は特に限定されるものではない。ブレード201には、汎用の弾性材料を用いることができ、例えばポリウレタン、シリコンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、SBR、BR、IR、NBR、CR、ACM、ANN、CSM等の各種ゴムを用いてもよい。
ここで、ブレード201と中間転写ベルト11とが摺接する摺接部(摺接面)のうち、中間転写ベルト11が移動する移動方向X1で最も上流側を最上流摺接部105とする。このとき、図2において、最上流摺接部105を通り、ブレード201の中間転写ベルト11側の面であるブレード当接面に対して接する面(仮想面)を、ブレード側仮想面Aとする。また、ブレード201の先端面(ブレードの厚み方向に略平行な端面)203を通る(含む)面をカット面Bとする。また、最上流摺接部105を通り中間転写ベルト11に接する面をベルト当接面Cとし、最上流摺接部105を通りベルト当接面Cに直交する面をベルト直交面Dとする。ここで、カット面Bとベルト当接面Cとのなす角を、角θとする。
このとき、一般的に使用されるブレード201の先端面203は、中間転写ベルト11に摺接するブレード201の摺接面に対しおおよそ垂直であるため、角θと当接角βとの間には、
角θ=90°−当接角β・・(式1)
の関係がある。
当接角βは計測誤差が大きいため、本実施例においては、当接角βの代用特性値として角θを用いて説明する。
当接角βは、上述の通りであり、ここでは、ブレード側仮想面Aとベルト当接面Cとのなす角となる。当接角βは、換言すると、最上流摺接部105(ブレード当接面の先端部)における前記ブレード当接面と中間転写ベルト11の表面とのなす角度である。
ここで、最上流摺接部105におけるブレード201のエッジ(先端、端縁)は、局所的に中間転写ベルト11の移動方向X1に巻き込まれ、湾曲している場合がある。このため、本実施例では、カット面Bは、湾曲していない平面部分で決定されるブレード201の先端面を通る面としている。
また、本実施例では、規制部材106は、揺動中心点103と最上流摺接部105の間に配置されている。規制部材106の配置位置はこれに限るものではないが、本実施例のように、揺動中心点103よりも最上流摺接部105に近いところに規制部材106を配置することで、初期状態の支持部材102と規制部材106のクリアランスをより大きくすることができる。これにより、規制部材106の配置位置やバネ104の付勢力等、製造上の精度を甘くすることができる。
(本実施例特有の揺動動作)
次に、本実施例の特徴である揺動動作の規制機構について、図2(a)、(b)及び図3を用い説明する。
図2(a)は、加圧機構60が揺動動作をする第一の状態(揺動状態)を、図2(b)はブレード201の変形に伴って加圧機構60が規制部材106に接触し揺動動作が規制されている第二の状態(揺動規制状態)を示している。
ここで、ブレード201の変形には、クリープ変形のような永久変形と、温度での硬度変化による変形や、中間転写ベルト11の回転時における中間転写ベルト11とブレード201の摩擦力による可逆な変形がある。本実施例においては、クリープ変形について説明する。
図3は、本実施例の特徴的な構成を説明するための図であり、当接角βと当接圧との関係においてクリーニング可否領域を示すグラフである。グラフの横軸は当接角、縦軸は当接圧を示している。図3において、直線Eは、図6同様、当接圧不足によるトナーのすり抜け限界を示し、直線Gは、ブレード201を寝かせ過ぎた(当接角βを小さくし過ぎた)ことによるトナーのすり抜け限界を示している。また、直線Fは、ブレードの振動(連続的に発生するスリップによる)によるトナーのすり抜け限界を示している。これら直線E、F、Gで囲まれたクリーニングウィンドウ(クリーニング可能領域)110内にブレード設定範囲111を設け、画像形成装置100はその設定範囲111に入るようブレード設定(当接角と当接圧)を調整している。
経時変化であるブレード201のクリープ変形は、ブレード201の組み付け時点から始まり、クリープ変形によりブレード設定が変化していく様子を矢印112で示している。
まず、組み付け時において、クリーニング装置21は確実に揺動状態にあるよう、十分なマージンをもってブレード設定を決めている。従って、クリーニング装置21は揺動方式のクリーニング装置として機能する。
次に、使用や保管などの経時に伴いブレード201のクリープ変形が進行することで、ブレード設定は図3において矢印112方向に移動する。ブレード設定が変化することで、支持部材102が規制部材106に接触し、図2(b)に示す揺動規制状態となる。
ブレード設定は図3において矢印112方向に移動するものの、規制部材106で規制されるため、当接角βがβ1(点線H)よりも減少することはない。このとき、支持部材102は、規制部材106によって所定の位置で規制される。このように、規制部材106は、支持部材102が所定の位置より中間転写ベルト11側に近づくことを抑制することによって、当接角βが、β1(所定の角度)よりも小さくなることを抑制するものである。ここで、β1は、クリーニングウィンドウ110内の値であり、ブレード201を所定の当接圧で中間転写ベルト11の表面に当接させた場合におけるトナーのすり抜け限界である限界角度(図3に示す直線G)よりも、大きい値に設定されている。また、図2(b)では、当接角βがβ1のときの角θがθ1で示されている。
規制部材106で支持部材102の揺動動作を規制可能となることで、クリーニング装置21は、固定方式と同等のクリーニング装置としても機能することとなり、クリーニング性能に影響する当接角の減少を抑えることが可能となる。
本実施例における、規制部材106の位置について説明する。
本実施例の構成において、初期(装置の使用開始時)の揺動状態での角θに対する、クリープ変形が進行し揺動規制状態となり更に継続使用後における角θの変化量を、変化量Q1とする。一方、規制部材が無い従来例のような場合の角θの変化量を変化量Q2とする。変化量Q1と変化量Q2の関係は、
0<変化量Q1<変化量Q2
となる。これにより、本実施例のクリーニング装置のブレードのクリープ変形での角θの変化量を、従来の揺動方式のクリーニング装置のそれより小さくできる。よって、ブレードの当接角の減少が抑制でき、ブレード設定がクリーニングウィンドウから外れることを防止できる。
ここで、揺動規制状態となった後は、固定方式の場合と同様に当接圧の低下が生じるが、本実施例においては、固定方式のクリーニング装置のような当接圧不足でのクリーニング性能の低下は抑制できる。その理由を、以下に説明する。
本実施例の構成において、初期の揺動状態での当接圧と、クリープ変形が進行し揺動規制状態となり更に継続使用後の当接圧との差分を、変化量R1とする。固定方式の当接圧
の差分を、変化量R2とする。
本実施例の構成のクリーニング装置は、初期の揺動状態において、クリープ変形が進行しても当接圧が一定に推移する。揺動規制状態となった後に固定方式と同様に当接圧の低下が生じたとしても、クリープ変形により随時当接圧が変化する固定方式のクリーニング装置と比較すると、変化量R1と変化量R2は、
0<変化量R1<変化量R2
の関係となる。これによって、固定方式のクリーニング装置のように、当接圧不足によりクリーニング性能が低下してしまうという問題を改善できる。
また、本実施例では、バネ104による加圧位置と規制部材106による規制位置とが、支持部材102を介して対向するように配置されている。換言すると、バネ104の付勢力が作用する点に対して支持部材102の真裏の位置に規制部材106が突き当たるように、規制部材106が配置されている。
規制部材106による規制位置としては、これに限るものではないが、本実施例のような配置により、バネ104による付勢力と規制部材106による規制力とが互いに打ち消しあい、支持部材102に歪みが生じるのを抑制することができる。
本実施例の効果について図4を用い説明する。
図4(a)は、図3に示すクリーニング可否領域を示すグラフに対して、各クリーニング方式におけるブレードのクリープ変形による設定の推移を追記した図である。初期状態の各クリーニング装置を摂氏60℃の高温槽で96時間放置することでクリープ変形の進行を加速し、長期にわたって通常使用した場合を想定した実験を行った。矢印112は揺動方式のブレード設定の推移を示し、矢印114は本実施例のブレード設定の推移を示し、矢印115は固定方式のブレード設定の推移を示している。
図4(b)は、ブレードのクリープ変形後に、各クリーニング装置でクリーニング試験を実施し、クリーニング不良の発生の有無を示した図である。クリーニング試験は高印字の全面ベタ画像を印字後、ベタ白を出力し、ベタ白上のトナーすり抜け痕から判断する手法をとっている。
96時間の放置を実施することで、固定方式のブレード設定では、当接圧不足のトナーのすり抜け限界(直線E)を超え、クリーニングウィンドウ110外のブレード設定となってしまった。また、規制部材を用いない従来の揺動方式では、ブレード201を寝かせ過ぎた(当接角βを小さくし過ぎた)ことによりトナーのすり抜け限界(直線G)を超え、クリーニングウィンドウ110外のブレード設定となってしまった。
一方、本実施例のブレード設定では、初期状態から揺動方式と同様に推移するものの、約50時間で点線Hの規制ラインに到達し、それ以上当接角が減少することはなかった。それ以降は概ね固定方式のクリーニング装置として振舞うため、当接圧が減少する。しかしながら、96時間経過しても、ブレード設定は十分クリーニングウィンドウ110内に存在した。
図4(b)に示すように、各クリーニング方式において、48時間後のクリーニング試験では、クリーニング不良の発生は確認されなかった。本実施例のクリーニング方式では、96時間後もクリーニング不良は発生しなかったが、固定方式と従来の揺動方式ではクリーニング不良が発生した。よって、本実施例の効果が確認された。
ここで、初期の揺動状態における規制部材106と支持部材102のクリアランスについて、角θの変化量Q1を変化量Q2の半値に設定する場合について説明する。
揺動中心点103と最上流摺接部105を結ぶ線分をIとする。線分Iの中心近傍に規制部材106を設置するものとし、規制部材が無い場合のブレード201のクリープ変形量をcl、規制部材106と支持部材102のクリアランスをcとする。このとき、図2にて揺動中心点103を頂点(対頂点)とし、クリープ変形量clを底辺とする三角形を
考えると、この三角形に対して頂点が同じで高さが半分となる三角形の底辺の半分をクリアランスcとみなすことができる。
このため、クリアランスcは、
c=cl/4・・(式2)
とすることができる。
本実施例において、96時間の放置でのクリープ変形量clは約0.6mmなので、クリアランスcは0.15mmとなる。
以上、ブレード201の変形として、クリープ変形を主体に説明してきたが、温度での変形や、中間転写ベルト11とブレード201の摩擦力による変形でも揺動状態から揺動規制状態への推移は起こり得る。
以上説明したように、本実施例では、ブレード201が揺動する揺動方式を採用し、かつ、規制部材106を設けている。このことで、ブレード201の揺動動作を規制することができるようになる。ブレード201の揺動動作を規制することで、規制部材が無い場合よりもクリープ変形が抑制され、当接角βが減少することによるクリーニング性能の低下を抑制することができる。
よって、経時によるクリーニング性能の低下を抑制することができる。
ここで、本実施例では、像担持体として中間転写ベルト11に付着したトナー等の付着物をクリーニングする形態について説明したが、これに限るものではない。すなわち、感光ドラム2に付着したトナー等の付着物をクリーニングする形態であっても、本発明を好適に適用することができる。
11…中間転写ベルト、21…クリーニング装置、102…支持部材、104…バネ、105…最上流摺接部、106…規制部材、201…ブレード

Claims (11)

  1. 像担持体の移動方向に対してカウンター方向で前記像担持体の表面に当接して前記像担持体の表面上の現像剤をクリーニングするブレード部材と、
    前記ブレード部材を支持する支持部材と、
    前記ブレード部材の前記像担持体側の面であるブレード当接面の先端部を前記像担持体の表面に対し所定の当接圧で押し当てるために、前記支持部材を前記像担持体側に付勢する付勢部材と、
    前記像担持体との当接による前記ブレード部材の変形が大きくなるのに伴い前記支持部材が所定の位置よりも前記像担持体側に近づくことを抑制するために、前記支持部材と接触していない状態から、前記支持部材と接触する状態になることで前記付勢部材の付勢力に抗して前記支持部材の移動を規制する規制部材と、
    を備えることを特徴とするクリーニング装置。
  2. 前記規制部材は、前記支持部材が前記所定の位置より前記像担持体側に近づくことを抑制することによって、前記ブレード当接面の先端部における前記ブレード当接面と前記像担持体の表面とのなす角度である当接角が、所定の角度よりも小さくなることを抑制するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
  3. 前記所定の角度は、前記ブレード部材を前記所定の当接圧で前記像担持体の表面に当接させた場合における現像剤のすり抜け限界である限界角度よりも、大きい値に設定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のクリーニング装置。
  4. 前記支持部材は揺動軸を中心に揺動可能であり、前記規制部材は、前記先端部と前記揺動軸の間に配置され、前記揺動軸よりも前記先端部に近い位置に位置することを特徴とする請求項1乃至3に記載のクリーニング装置。
  5. 前記規制部材は、前記支持部材に突き当たることで前記支持部材の移動を規制するスト
    ッパである
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  6. 前記付勢部材の付勢力が作用する点に対して前記支持部材の真裏の位置に前記ストッパが突き当たるように、前記ストッパが配置されている
    ことを特徴とする請求項に記載のクリーニング装置。
  7. 前記支持部材は、揺動中心点を中心に揺動可能に設けられており、
    前記ストッパは、前記揺動中心点と前記ブレード部材の先端部の間の位置で前記支持部材に突き当たるように配置されている
    ことを特徴とする請求項又はに記載のクリーニング装置。
  8. 前記ブレード部材は、弾性体からなり、
    前記支持部材は、剛体からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  9. 前記ブレード部材は、ポリウレタン製である
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  10. 前記像担持体と、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記像担持体は、中間転写ベルトである
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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