JP5375387B2 - 茶色ジルコニア焼結体 - Google Patents

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Description

本発明は、装飾部材、電子機器材料の外装に用いるための着色ジルコニアに関するものであり、特に鮮やかな茶色を呈し、質感(審美性)に優れ、なおかつ高密度のジルコニア焼結体を提供するものである。
ジルコニア焼結体はその高い強度からこれまで主に構造部材や粉砕メディアとして用いられているが、鏡面研磨後の表面光沢の美しさから装飾部材、電子機器材料の外装部品への応用が期待されている。こうした広がる用途に対応するためには、審美性に優れた着色ジルコニア焼結体が要望されている。
これまで茶色の着色ジルコニア焼結体としては種々の添加物を用いたものが提案されているが、必ずしも十分な審美性を有するものは得られていなかった。特にジルコニアはアルミナに比べて着色剤が均一に固溶しにくく、鮮明な色が出難いという問題があった。
これまで茶色のジルコニア焼結体としては、酸化セリウムを着色剤として用いなおかつ還元雰囲気で焼結したものが提案されている(例えば特許文献1)。しかし、還元雰囲気で焼結したものは明度が低く、色調が一定しないものであった。
また着色剤としてプラセオジウムやバナジウムを多量に用いるものが提案されている(例えば特許文献2)。しかし、これらの着色剤を多量に添加したものでは、やはり明度の低い暗い色調のものであった。
従来の茶色のジルコニア焼結体は、茶系の色を呈してはいるものの、鮮やかな茶色とは言えず、明度、色相及び彩度のバランスに優れた茶色を呈し、なおかつ真珠の様な光沢を有するジルコニア焼結体は得られていなかった。
本発明は、かかる従来の着色ジルコニアの問題を解決するものであり、特に高密度で審美性に優れた茶色の着色ジルコニアを提供するものである。
特開昭62−83366号公報 特開平3−28161号公報
従来の茶色のジルコニア焼結体は明度の低いものであり、真珠のような光沢を有する明るい茶色で高級な質感のあるジルコニア焼結体は得られていなかった。
本発明者等は、茶色に着色したジルコニア焼結体について鋭意検討を重ねた結果、安定化剤としては安定化剤自身による着色への影響のない酸化イットリウムを2〜5モル%含有し、Al−Mn−Siの複合酸化物及びZr−Si−Vの複合酸化物を併せて1重量%以下、或いは酸化鉄及び酸化チタンを1重量%以下、他の添加物としてはアルミナを0.5重量%未満において、マンセル表色系における1Y〜5Yに相当する鮮やかな茶色を呈する高密度のジルコニア焼結体が得られることを見出し、本発明を完成するに到ったものである。
以下に本発明の焼結体を詳細に説明する。
本発明の茶色ジルコニア焼結体は、マンセル表色系における明度Vが5〜7、色相Hが1Y〜5Y、彩度Cが1〜2であり、なおかつ焼結密度が6.03g/cm以上の茶色ジルコニア焼結体である。
マンセル表色系の色相HはR(赤)、Y(黄色)、G(緑)、B(青)、P(紫)の各基本色の色相とそれらの組み合わせの中間色を各10段階で表示する表色系である。マンセル表色系は、L表色系に比べて色のイメージを掴みやすい表色系であり、主にデザイン分野で用いられており、本発明の焼結体の目的に適した表色系である。
本発明の茶色ジルコニア焼結体におけるマンセル表色系の明度V値は、5未満では黒っぽい質感となる。V値は5.5以上であることが好ましい。一方、V値が7を越えると白くぼやけた質感となるため、V値は7以下が好ましい。
本発明の茶色ジルコニア焼結体は、マンセル表色系の色相Hが1Y〜5Yであり、特に1Y〜4Yの範囲が好ましい。1YよりYR(黄赤色)側では赤味が強い色調となり、5Yを超えたGY側では緑味が強い色調となる。
本発明の茶色ジルコニア焼結体は、マンセル表色系の彩度Cが1〜2である。
本発明の茶色ジルコニア焼結体は、表面光沢によって高級感を呈するため高密度であることが不可欠であり、焼結密度は6.03g/cm以上、特に6.05g/cm以上であることが好ましい。焼結密度が6.03g/cm未満では、見る角度によって光りの反射にむらが生じ、真珠調の光沢が得られない。
本発明の茶色ジルコニア焼結体は、L表色系における明度Lが50〜70、aが−1〜1、bが10〜20であることが好ましい。
本発明の茶色ジルコニア焼結体におけるL表色系における明度Lは50以上、特に55〜70であることが好ましい。明度Lが50未満では暗い質感となり、70を越えると白っぽくぼやけた質感となる。
本発明の茶色ジルコニア焼結体のL表色系におけるaは−1〜1、特に−0.5〜1、bが10〜20、特に10〜15の範囲が好ましい。
本発明の茶色ジルコニア焼結体は、安定化剤としてYを2〜5モル%、着色剤成分を0.1〜3重量%(特に0.3〜1重量%)、Alを0.5重量%未満からなるものが好ましい。
ジルコニア焼結体の安定化剤としてはイットリアの他にもセリア等が知られているが、セリアはそれ自身がジルコニアを着色して色調へ影響するため、本発明の茶色ジルコニア焼結体の安定化剤としてはイットリアを用いることが好ましい。イットリアの含有量は焼結体の強度と色調のバランスの観点から、2〜5モル%、特に2.5〜3.5モル%の範囲が好ましい。
本発明の茶色ジルコニア焼結体に用いる着色剤は特に限定はないが、特にバナジウムを含む複合酸化物やマンガンを含む複合酸化物(特にジルコニアとケイ素を含むジルコン系複合酸化物が好ましい)ではそれぞれを0.1〜1重量%(特に0.5重量%以下)用いることが好ましい。酸化鉄を用いる場合は0.05〜0.5重量%(特に0.3重量%以下)を用い、特に酸化チタン(好ましくは0.05〜1重量%、特に0.5重量%以下)と組み合わせて用いることが好ましい。
本発明の茶色ジルコニア焼結体に用いる添加物としては、色調に影響しないアルミナを0.5重量%以下、特に0.05〜0.3重量%添加することが好ましい。茶色ジルコニア焼結体において、アルミナが0.5重量%以上では、焼結体が白っぽい質感となり高級感が損なわれたものとなる。一方、アルミナを含有しない場合、大気中の常圧焼結において本発明の高密度を得ることが困難な場合があり、色調に影響しない範囲で最小限度のアルミナを添加することが好ましい。
本発明の原料として用いるジルコニア粉末は特に限定されるものではないが、加水分解によって得られる焼結性の高い粉末を用いることが好ましい。
本発明の茶色ジルコニア焼結体の製造方法は特に限定されるものではないが、上記の組成を成型(必要に応じてさらにCIP処理)し、大気中、常圧で1350〜1600℃、特に1400〜1500℃で焼結することができる。
本発明の茶色ジルコニア焼結体は従来の様に特殊なHIP焼結をしなくても高密度で高級感のある焼結体を得ることができる。
本発明の茶色ジルコニア焼結体は高級な質感を有し、ジルコニア本来の真珠調の光沢を有する着色ジルコニア焼結体である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(色相、明度、採度の測定)
本発明の焼結体のマンセル表色系における色相、明度、採度、並びにL表色系におけるL*、a*、b*は、色差計(カラーアナライザーTC−1800MK−II、東京電色社製)を用いてD65光源、10度視野角の条件において測定した。
(実施例1)
東ソー株式会社製のジルコニア粉末3YSE(酸化イットリウム3モル%、アルミナ0.25重量%)に、着色剤としてZr−Si−Vの複合酸化物(日陶産業(株)製 NM−1700)を0.4重量%、Al−Mn−Siの複合酸化物日陶産業(株)製 M−460)を0.4重量%添加し、湿式混合により粉砕、混合後、乾燥した。混合粉末をメカニカルプレス(500kgf/cm)、CIP(2t/cm)により加圧成型し、大気中、1400℃(昇温速度100℃/時)で2時間焼結させた。焼結体は表面を研磨し、マンセル表色系、及びL表色系の測定を行った。
結果を表1に示す。HIP処理等の特別の焼結条件を用いることなく、鮮やかな茶色の焼結体が得られた。
(実施例2)
着色剤に酸化チタン0.5重量%、酸化鉄(Fe)0.1重量%を用いた以外は実施例1同様の処理を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
着色剤として酸化鉄(Fe)2重量%用いた以外は実施例2同様の処理を行った。結果を表1に示す。
明度の低い、暗い色調の焼結体が得られた。
Figure 0005375387
本発明の茶色ジルコニア焼結体は、審美性に優れた焼結体であり、装飾部品、電子機器材料の外装に用いることができる。

Claims (4)

  1. マンセル表色系における明度Vが5〜7、色相Hが1Y〜5Y、彩度Cが1〜2であり、なおかつ焼結密度が6.03g/cm以上である茶色ジルコニア焼結体。
  2. 表色系における明度Lが50〜70、aが−1〜1、bが10〜20である請求項1に記載の茶色ジルコニア焼結体。
  3. 安定化剤としてYを2〜5モル%、着色剤としてバナジウムを含む複合酸化物を0.1〜1重量%、マンガンを含む複合酸化物を0.1〜1重量%、Alを0.5重量%未満含んでなる請求項1又は請求項2に記載の茶色ジルコニア焼結体。
  4. 安定化剤としてYを2〜5モル%、着色剤として酸化鉄を0.05〜0.5重量%、酸化チタンを0.05〜1重量%、Alを0.5重量%未満含んでなる請求項1又は請求項2に記載の茶色ジルコニア焼結体。
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