JP5374863B2 - 口腔用組成物及び口腔用組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
以上のことから、口腔内にフッ化物イオンを滞留させる技術が望まれていた。
[1].下記(I)、(II)、(III)又は(IV)
(I)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、水溶性カルシウム塩(B)水溶液を添加後、さらにフッ化物塩(C)水溶液を添加する
(II)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、フッ化物塩(C)水溶液を添加後、さらに水溶性カルシウム塩(B)水溶液を添加する
(III)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、水溶性カルシウム塩(B)を添加し、さらにフッ化物塩(C)を添加する
(IV)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、フッ化物塩(C)を添加し、さらに水溶性カルシウム塩(B)を添加する
から得られる複合体であって、
上記水溶性ポリリン酸塩(A)が、下記一般式(1)で表される直鎖状のポリリン酸塩及び下記一般式(2)で表される環状のポリリン酸塩から選ばれる1種以上であり、
M n+2 P n O 3n+1 (1)
(但し、MはNa又はKを示し、nは2以上の整数である。)
(MPO 3 ) m (2)
(但し、MはNa又はKを示し、mは3以上の整数である。)
複合体中のリン:カルシウム:フッ素の原子数比が、0.1〜3:0.3〜15:1で、X線結晶構造解析による、CaF 2 に帰属する回折ピークから求められる結晶子径が10nm未満、かつ熱量測定(TG−DTA測定)による450℃付近のリン酸基近傍の結晶水が脱離する際の発熱ピークを有する、予め調製された複合体を配合してなる口腔用組成物。
[2].(A)成分が、ピロリン酸カリウム又はトリポリリン酸ナトリウムであることを特徴とする[1]記載の口腔用組成物。
[3].(B)成分が、塩化カルシウムであることを特徴とする請求項[1]又は[2]記載の口腔用組成物。
[4].(C)成分が、フッ化ナトリウムであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の口腔用組成物。
[5].下記(I)、(II)、(III)及び(IV)
(I)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、水溶性カルシウム塩(B)水溶液を添加後、さらにフッ化物塩(C)水溶液を添加する
(II)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、フッ化物塩(C)水溶液を添加後、さらに水溶性カルシウム塩(B)水溶液を添加する
(III)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、水溶性カルシウム塩(B)を添加し、さらにフッ化物塩(C)を添加する
(IV)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、フッ化物塩(C)を添加し、さらに水溶性カルシウム塩(B)を添加する
から選ばれ、
上記水溶性ポリリン酸塩(A)が、下記一般式(1)で表される直鎖状のポリリン酸塩及び下記一般式(2)で表される環状のポリリン酸塩から選ばれる1種以上であり、
M n+2 P n O 3n+1 (1)
(但し、MはNa又はKを示し、nは2以上の整数である。)
(MPO 3 ) m (2)
(但し、MはNa又はKを示し、mは3以上の整数である。)
リン:カルシウム:フッ素の原子数比において、0.1〜3:0.3〜15:1で上記(A)〜(C)を添加して混合液を得る工程と、この混合液を配合する工程とを含む口腔用組成物の製造方法。
本発明の(A)成分は水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸化合物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
水溶性ポリリン酸塩としては、下記一般式(1)
Mn+2PnO3n+1 (1)
(但し、MはNa又はKを示し、nは2以上の整数である。)
で表される直鎖状のポリリン酸塩及び下記一般式(2)
(MPO3)m (2)
(但し、MはNa又はKを示し、mは3以上の整数である。)
で表される環状のポリリン酸塩が挙げられる。
本発明の(B)成分はカルシウム塩であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。カルシウム塩としては水溶性カルシウム塩が好ましく、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、ギ酸カルシウム、フマル酸カルシウム、乳酸カルシウム、酪酸カルシウム及びイソ酪酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、プロピロン酸カルシウム、吉草酸カルシウム等が挙げられる。この中でも、塩化カルシウムが好ましい。
本発明の(C)成分はフッ化物塩であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。フッ化物塩としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム等のアルカリ金属フッ化物、フルオロジルコン酸ナトリウム、フルオロジルコン酸カリウム、フルオロジルコン酸アンモニウム、フルオロジルコン酸錫等のフルオロジルコン酸塩、フッ化アンモニウム、フッ化錫、フッ化インジウム、フッ化ジルコニウム、フッ化銅、フッ化ニッケル、フッ化パラジウム、フルオロケイ酸塩、フルオロホウ酸塩、フルオロ亜錫酸塩等が挙げられる。この中でも、フッ化ナトリウムが好ましい。
本発明の複合体は、水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸(A)、カルシウム塩(B)及びフッ化物塩(C)を含有する水溶液中で形成され、複合体中のリン:カルシウム:フッ素の原子数比が、0.05〜4:0.25〜20:1である複合体である。複合体は、水中で、(A)成分、(B)成分、(C)成分、又は(A)成分、(C)成分、(B)成分の順で混合して得ることができ、例えば、下記(I)、(II)、(III)又は(IV)により得られうる複合体であって、複合体中のリン:カルシウム:フッ素の原子数比が、0.05〜4:0.25〜20:1である予め調製された複合体である。
(I)水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸化合物(A)水溶液に、カルシウム塩(B)水溶液を添加後、さらにフッ化物塩(C)水溶液を添加する。
(II)水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸化合物(A)水溶液に、フッ化物塩(C)水溶液を添加後、さらにカルシウム塩(B)水溶液を添加する。
(III)精製水に、水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸化合物(A)を添加後、カルシウム塩(B)を添加し、さらにフッ化物塩(C)を添加する。
(IV)精製水に、水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸化合物(A)を添加後、フッ化物塩(C)を添加し、さらにカルシウム塩(B)を添加する。
水溶液中の各成分の濃度は、最終濃度に合わせ適宜選定されるが、水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸(A)水溶液(以下、水溶液(A))は、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%であり、カルシウム塩(B)水溶液(以下、水溶液(B))は、0.1〜45質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜20質量%であり、フッ化物塩(C)水溶液(以下、水溶液(C))は、0.1〜4.1質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜4.0質量%である。水溶液(A)、水溶液(B)及び水溶液(C)の添加は、撹拌しながら行うことが好ましく、水溶液(A)を精製水に添加してもよい。
(A)〜(C)成分の添加は撹拌しながら行うことが好ましい。
(III)又は(IV)の場合は、精製水に(A)成分を添加後、又は(B)成分を添加後にそれぞれ調整してもよく、添加後の混合液を調整してもよいが、精製水に(A)を添加後、又は(B)を添加後にそれぞれ調整して、最終的な混合液が上記pHの範囲になるように調整することが好ましい。
(1)結晶子径
試料を、X線構造回折装置(光源Cu:Kα、40kV、20mA、発散スリット1/2deg、散乱スリット1/2deg、受光スリット0.15mm、スキャンスピード4.000°/min、2θ=2.000〜80.000°)で測定し、以下の式(Scherrerの式)より結晶子径を算出し、複合体形成の有無を評価した。
L=Kλ/(βcosθ)
L:結晶子径、K:係数0.9、β:半値幅、λ:1.54056Å、θ:回折角
(2)TG−DTA測定(発熱ピーク)
昇温スピード:5℃/min、測定範囲:25℃〜600℃
本発明の口腔用組成物は、上記予め調製された複合体を配合してなる口腔用組成物である。口腔用組成物としては、上記(A)〜(C)混合液を用いてもよいが、予め調製された(A)〜(C)混合液に、後述の口腔用組成物に通常含まれる成分を適宜配合してもよい。
下記(I)、(II)、(III)及び(IV)
(I)水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸化合物(A)水溶液に、カルシウム塩(B)水溶液を添加後、さらにフッ化物塩(C)水溶液を添加する
(II)水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸化合物(A)水溶液に、フッ化物塩(C)水溶液を添加後、さらにカルシウム塩(B)水溶液を添加する
(III)精製水に、水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸化合物(A)を添加後、カルシウム塩(B)を添加し、さらにフッ化物塩(C)を添加する
(IV)精製水に、水溶性ポリリン酸塩又はフィチン酸化合物(A)を添加後、フッ化物塩(C)を添加し、さらにカルシウム塩(B)を添加する
から選ばれ、リン:カルシウム:フッ素の原子数比において、0.05〜4:0.25〜20:1で上記(A)〜(C)成分を添加して混合液を得る工程と、この混合液を配合する工程とを含む口腔用組成物の製造方法を提供する。
表2〜6に示す(A)成分2.0%水溶液、(B)成分5.0%水溶液、(C)成分2.0%水溶液を調製した。表中の最終濃度及び混合液pHとなるように、精製水中に表中の添加順序で撹拌しながら添加し、(A)〜(C)成分の混合液を得た。なお、添加順序は表中の番号順であり、表中の「混合液の調製方法」は下記方法である。
(I)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、水溶性カルシウム塩(B)水溶液を添加後、さらにフッ化物塩(C)水溶液を添加する。
(II)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、フッ化物塩(C)水溶液を添加後、さらにカルシウム塩(B)水溶液を添加する。
(III)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、カルシウム塩(B)を添加し、さらにフッ化物塩(C)を添加する。
(IV)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、フッ化物塩(C)を添加し、さらにカルシウム塩(B)を添加する。
(1)結晶子径
調製例で得られた(A)〜(C)成分の混合液をろ過(ADVANTEC製 孔径0.1μm)し、乾燥後、X線構造回折装置((株)理学電機製 RINT2100)を用いて測定した。条件は、光源Cu:Kα、40kV、20mA、発散スリット1/2deg、散乱スリット1/2deg、受光スリット0.15mm、スキャンスピード4.000°/min、2θ=2.000〜80.000°)であり、結晶子径を算出した。
複合体が形成した場合、CaF2に帰属するd=3.1546(111)の回折ピークから求められる結晶子径が、リン酸化合物との複合化により10nm未満になる。以下の式(Scherrerの式)より結晶子径を算出し、複合体形成の有無を評価した。
L=Kλ/(βcosθ)
L:結晶子径、K:係数0.9、β:半値幅、λ:1.54056Å、θ:回折角
<評価基準>
◎:L<5nm
○:5nm≦L<10nm
△:10nm≦L<30nm
×:30nm≦L又は結晶ピークなし
調製例で得られた(A)〜(C)成分の混合液をろ過(ADVANTEC製 孔径0.1μm)し、TG−DTA測定を行った。条件は昇温スピード:5℃/min、測定範囲:25℃−600℃)で行った。複合体が形成されると、複合体中に含まれるリン酸基近傍の結晶水が脱離するため、450℃付近に脱離する際の発熱ピークが見られることから、ピークの有無を以下の基準で評価した。図1に調製例9、ピロリン酸カルシウム及びCaF2のTG−DTA測定結果を示す。
<評価基準>
○:発熱ピークあり
×:発熱ピークなし
なお、上記評価により結晶子径が「○」又は「◎」、かつTG−DTA測定が「○」のものを複合体形成有りとした。
表7〜9に示す組成の歯磨剤を下記方法で調製した。
表中に記載の調製例と同様の方法で、最終濃度となるように(A)〜(C)の混合液を予め調製した。この混合液に、水溶性成分(キシリトール、70%ソルビット液等)を添加し溶解させたA相を調製した。一方、プロピレングリコール中に、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム等を常温で溶解・分散させたB相を調製した。次に、撹拌中のA相の中にB相を添加混合しC相を調製した。C相中に、香料、無水ケイ酸、酸化チタン、酸化アルミニウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びその他の成分(ラウリル硫酸ナトリウム等)を添加し、1.5Lニーダー(石山工作所製)を用い常温で混合し、4kPaまで減圧し脱泡を行うことで、練り歯磨剤1.0kgを得た。得られた歯磨剤について、下記評価を行った。結果を表中に併記する。
唾液コートした基板上でのフッ化物イオン(F-)滞留性を評価した。
ポリエチレン板(以下、PE板と略す)(8cm×5cm)上に、ヒトの吐出唾液2mLを添加し、30分間処理した。その後、イオン交換水で洗浄を行い、ペリクル化PE板を作製した。
歯磨剤10gを吐出唾液30gに分散し歯磨分散液Aを得た。この歯磨分散液Aを2g、ペリクル化PE板に載せて30分間処理し、吐出唾液15gで洗浄を行い、処理後クエン酸バッファーでペリクル化PE板に吸着している複合体を可溶化させ、そのフッ化物イオン(F-)濃度を測定した。
フッ化物イオン(F-)濃度測定は、各試料をフッ化物イオン(F-)濃度が1000ppm以内に入るように、予めクエン酸バッファーで5倍希釈した。これを、フッ化物イオンを吸着させないように、ポリスチレン製の24穴プレートに約0.5g入れて、F-濃度測定装置(サーモエレクトロン製 Orion 9609BNWPフッ素複合電極)を使用して、室温で測定し、3分後の値をF-濃度とした。測定値から以下評価基準を用い、フッ化物イオン(F-)滞留性を評価した。
<評価基準>
◎:1ppm≦F-濃度
○:0.5ppm≦F-濃度<1ppm
△:0.1ppm≦F-濃度<0.5ppm
×:F-濃度<0.1ppm
歯磨剤中のフッ化物イオン(F-)の保存安定性について評価した。
40℃・3ヶ月間保存した歯磨剤4gを蒸留水36gに分散し、歯磨分散液Bとした。
この歯磨剤分散液Bのフッ化物イオン(F-)濃度を測定した。フッ化物イオン(F-)濃度測定は、上記(3)フッ化物イオン(F-)滞留性で記載の方法を用いた。測定値から以下評価基準に従い、フッ化物イオン(F-)保存安定性を評価した。
<評価基準>
F-濃度変化率=(1−F-濃度測定値)/F-濃度理論濃度)×100
◎:0%≦F-濃度変化率<5.0%
○:5.0%≦F-濃度変化率<10%
△:10%≦F-濃度変化率<20%
×:20%≦F-濃度
(5)フッ化物イオン(F-)滞留放出性
歯磨剤1gを人工唾液3g(CaCl2=1.5mmol/L、KH2PO4=5.0mmol/L、酢酸=100mmol/L、NaCl=100mmol/L、残部=水;pH7.0)を混合し(口腔内で4倍希釈される歯磨剤を想定)、歯磨分散液Cを得た。この歯磨分散液Cを0.2g、プライマリアコートされた100mmのスタンダードディッシュ(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社;口腔粘膜、ペリクル等の口腔内環境を想定)に注入した。これを30分間処理した後、人工唾液(滴下速度0.32mL/min)を6時間滴下し、オーバーフローで流した(落下速度0.32mL/min)。6時間後、容器に残存した溶液を回収し、そのフッ化物イオン(F-)濃度を測定した。フッ化物イオン(F-)濃度測定は、上記(3)フッ化物イオン(F-)滞留性で記載の方法を用いた。フッ化物イオン(F-)濃度と残存溶液量とから、下記式に基づき残存溶液中のフッ化物イオン(F-)量を算出した。
フッ化物イオン(F-)量(μg)=残存溶液量(g)×残存溶液のフッ化物イオン(F-)濃度(ppm)
得られたフッ化物イオン(F-)量から、以下評価基準に従い、フッ化物イオン(F-)滞留放出性を評価した。結果を表10に示す。
<評価基準>
◎:10.0μg≦フッ化物イオン(F-)量
○:5.0μg≦フッ化物イオン(F-)量<10.0μg
△:1.0μg≦フッ化物イオン(F-)量<5.0μg
×:フッ化物イオン(F-)量<1.0μg
この評価系において「○」以上の結果が得られるということは、フッ化カルシウムのようなフッ化物イオンを放出できないものではなく、かつ口腔内で適用した場合にすぐに洗い流しまう水溶性のフッ化ナトリウム等ではない複合体の形成が示唆される。
表11に示す組成の液状歯磨剤を以下の方法で調製した。
表11に示す(A)成分2.0%水溶液、(B)成分5.0%水溶液、(C)成分2.0%水溶液を調製し、それぞれpH7に調整した。精製水中にこれらの水溶液を、表中の最終濃度となるように、表中に示す調製法の添加順序と同様に撹拌しながら添加し、(A)〜(C)成分の混合液を得た。この混合液に、甘味料(サッカリンナトリウム等)、粘稠剤(グリセリン等(プロピレングリコール以外))等の水溶性物質を溶解させた後、予めプロピレングリコールに粘結剤(キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム等)、保存料(パラオキシ安息香酸ブチル等)を分散させておいた液を加え撹拌した。その後、香料、無水ケイ酸を順次加え、さらに減圧下(4kPa)で撹拌し、液状練歯磨組成物を得た。製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION社)を用いた。
得られた液状歯磨剤について、上記評価(3)及び(4)の評価を行った。結果を表中に併記する。
表12に示す組成の洗口剤を以下の方法で調製した。
表12に示す(A)成分2.0%水溶液、(B)成分5.0%水溶液、(C)成分2.0%水溶液を調製し、それぞれpH7に調整した。精製水中にこれらの水溶液を、表中の最終濃度となるように、表中に示す調製法の添加順序と同様に撹拌しながら添加し、(A)〜(C)成分の混合液を得た。さらに、この混合液に、表12に示す洗口剤成分を順に撹拌しながら添加し、複合体配合洗口剤を調製した。
得られた洗口剤について、上記評価(3)及び(4)と同様の評価を行った。なお、評価(3)については、洗口剤2gを、ペリクル化PE板に載せて30分間処理し、洗口剤を除去後、クエン酸バッファーでペリクル化PE板に吸着している複合体を可溶化させ、そのフッ化物イオン(F-)濃度を測定した。結果を表中に併記する。
表13に示す組成のガムを以下の方法で調製した。
表13に示す(A)成分2.0%水溶液、(B)成分5.0%水溶液、(C)成分2.0%水溶液を調製し、それぞれpH7に調整した。精製水中にこれらの水溶液を、表中の最終濃度となるように、表中に示す調製法の添加順序と同様に撹拌しながら添加し、(A)〜(C)成分の混合液を得た。次に、ガムベース用樹脂を主成分とし、ワックス、乳化剤、充填剤等からなるガムベースに、調製した混合液、さらに必要により所定量の甘味料(キシリトール等)、香料等の添加剤を加えた。50℃前後にてニーダーを用いて均一に混練し、次いで、板状に切断し、複合体配合ガムを調製した。
得られたガムについて、上記評価(3)及び(4)と同様に評価を行ったところ、いずれも優れたフッ化物イオン(F-)滞留性とフッ化物イオン(F-)保存安定性が認められた。
Claims (5)
- 下記(I)、(II)、(III)又は(IV)
(I)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、水溶性カルシウム塩(B)水溶液を添加後、さらにフッ化物塩(C)水溶液を添加する
(II)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、フッ化物塩(C)水溶液を添加後、さらに水溶性カルシウム塩(B)水溶液を添加する
(III)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、水溶性カルシウム塩(B)を添加し、さらにフッ化物塩(C)を添加する
(IV)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、フッ化物塩(C)を添加し、さらに水溶性カルシウム塩(B)を添加する
から得られる複合体であって、
上記水溶性ポリリン酸塩(A)が、下記一般式(1)で表される直鎖状のポリリン酸塩及び下記一般式(2)で表される環状のポリリン酸塩から選ばれる1種以上であり、
M n+2 P n O 3n+1 (1)
(但し、MはNa又はKを示し、nは2以上の整数である。)
(MPO 3 ) m (2)
(但し、MはNa又はKを示し、mは3以上の整数である。)
複合体中のリン:カルシウム:フッ素の原子数比が、0.1〜3:0.3〜15:1で、X線結晶構造解析による、CaF 2 に帰属する回折ピークから求められる結晶子径が10nm未満、かつ熱量測定(TG−DTA測定)による450℃付近のリン酸基近傍の結晶水が脱離する際の発熱ピークを有する、予め調製された複合体を配合してなる口腔用組成物。 - (A)成分が、ピロリン酸カリウム又はトリポリリン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1記載の口腔用組成物。
- (B)成分が、塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の口腔用組成物。
- (C)成分が、フッ化ナトリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の口腔用組成物。
- 下記(I)、(II)、(III)及び(IV)
(I)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、水溶性カルシウム塩(B)水溶液を添加後、さらにフッ化物塩(C)水溶液を添加する
(II)水溶性ポリリン酸塩(A)水溶液に、フッ化物塩(C)水溶液を添加後、さらに水溶性カルシウム塩(B)水溶液を添加する
(III)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、水溶性カルシウム塩(B)を添加し、さらにフッ化物塩(C)を添加する
(IV)精製水に、水溶性ポリリン酸塩(A)を添加後、フッ化物塩(C)を添加し、さらに水溶性カルシウム塩(B)を添加する
から選ばれ、
上記水溶性ポリリン酸塩(A)が、下記一般式(1)で表される直鎖状のポリリン酸塩及び下記一般式(2)で表される環状のポリリン酸塩から選ばれる1種以上であり、
M n+2 P n O 3n+1 (1)
(但し、MはNa又はKを示し、nは2以上の整数である。)
(MPO 3 ) m (2)
(但し、MはNa又はKを示し、mは3以上の整数である。)
リン:カルシウム:フッ素の原子数比において、0.1〜3:0.3〜15:1で上記(A)〜(C)を添加して混合液を得る工程と、この混合液を配合する工程とを含む口腔用組成物の製造方法。
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