JP5515318B2 - 口腔用組成物及び歯の酸蝕症防止剤 - Google Patents
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以上のことから、これらの技術による酸蝕症の効果はまだ十分とはいえず、さらなる効果の改善が望まれていた。
[1].(A)ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムから選ばれる1種以上の水溶性ケイ酸塩0.10〜1.0質量%、
(B)フッ化物イオンとして100〜5,000ppmとなる量の水溶性フッ化物、
(C)ソルビトール、グリセリン及びキシリトールから選ばれる1種以上10〜50質量%、及び
(D)炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムから選ばれる1種以上の水溶性炭酸塩0.5〜4.0質量%
を含有し、25℃におけるpHが7〜10であることを特徴とする口腔用組成物。
[2].25℃におけるpHが7.5〜10である[1]記載の口腔用組成物。
[3].(C)成分が、キシリトールである[1]又は[2]記載の口腔用組成物。
[4].(A)ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムから選ばれる1種以上の水溶性ケイ酸塩0.10〜1.0質量%、
(B)フッ化物イオンとして100〜5,000ppmとなる量の水溶性フッ化物、
(C)ソルビトール、グリセリン及びキシリトールから選ばれる1種以上10〜50質量%、及び
(D)炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムから選ばれる1種以上の水溶性炭酸塩0.5〜4.0質量%
を含有し、25℃におけるpHが7〜10であることを特徴とする歯の酸蝕症防止剤。
本発明の口腔用組成物は、(A)水溶性ケイ酸塩0.10〜1.0質量%、(B)フッ化物イオンとして100〜5,000ppmとなる量の水溶性フッ化物、(C)糖アルコール又は多価アルコール10〜50質量%、及び(D)水溶性炭酸塩0.5〜4.0質量%を含有し、25℃におけるpHが7〜10であるものである。
水溶性ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム9水和物、水ガラス等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、化合物の純度の点から、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムが好ましく、これらは和光純薬の試薬としても入手できる。なお、本発明における水溶性とは、蒸留水(25℃)に少なくとも10質量%の溶解性を示すものをいう。
水溶性フッ化物としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
糖アルコールとしては、口腔細菌によって発酵されない又はされにくい化合物が好ましい。例えば、ソルビトール、グリセリン、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、トレハロース、マンニトール、イソマルト等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、原料としての安定供給の面から、ソルビトール、グリセリン、キシリトール、エリスリトールが好ましい。さらに、糖アルコールの代わりにアルコール基を有する多価アルコールも、糖アルコールと類似のケイ酸塩の安定化作用を示す。例えば、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
水溶性の炭酸塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、原料としての安定供給の点から、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。これらは和光純薬の試薬としても入手できる。
表1に示す組成の口腔用組成物を下記方法により調製し、下記評価を行った。結果を表中に示す。
蒸留水に70質量%の(C)糖アルコールを加え、ミキサーにてよく撹拌した。次いで10質量%の(A)ケイ酸ナトリウム水溶液を加え、再びミキサーにてこれをよく撹拌した。次いで、(B)フッ化ナトリウムを加えた。最後に(D)水溶性炭酸塩粉末を加えて撹拌し、口腔用組成物を調製した(最終100質量%)。口腔用組成物は、キャップのついた容器に充填した。なお、実施例の口腔用組成物のpHは表に示すとおりであり、安定であった。
この評価法については、下記学術雑誌に記載されている評価法を改変(簡素化)して行った(Effects of olive oil and an olive oil containing fluoridated mouthrinse on enamel and dentin erosion in vitro. Acta Odontol Scand. 2007;65:p375−631)。
牛歯のエナメル質から約1mm四角のエナメル質ブロックを切り出し、これを樹脂に包埋した。次いで、エナメル質を800番、次いで1500番のサンドペーパーにて研磨し試料とした。
試験組成物(10mL)中にエナメル質試料を3分間浸漬した後、これを取り出して蒸留水にて軽く洗浄し、次いで人工唾液(塩化カルシウム:1.0mM(M:mol/L)、リン酸ナトリウム:3.0mM、塩化ナトリウム:100mM、pH6.5)に1時間、37℃にて浸漬した。この操作(組成物処置と人工唾液への浸漬)を5回繰り返した。その後、1%クエン酸(10mL、pH2.3)に浸漬し脱灰した(25℃、5分間)。最後に試料を取り出して蒸留水にてよく洗浄し、電顕観察のため試料を自然乾燥させた。試薬はすべて和光純薬株式会社製のものを用いた。
試験組成物による処置と1%クエン酸浸漬を終えたエナメル質ブロックについて、その表面を電顕にて観察した。すなわち、同サンプルを自然乾燥させた後、常法に従ってカーボン蒸着し、エナメル質表面を倍率5,000倍にて観察した。合わせて、試験組成物処置もクエン酸処理もしていない健全エナメル質表面(以下、未処理群)と試験組成物の代わりに蒸留水にて処置し、クエン酸処理を行ったエナメル質表面(以下、コントロール群)についても、同様に電顕にて観察した。
試験組成物の酸蝕症防止効果を下記の評価基準に基づいて判定した。すなわち倍率5,000倍の視野において、コントロール群において観察できた平均的なエナメル小柱の頭部の数と、試験群でのエナメル小柱の頭部の数から、下記式(1)に基づき酸蝕症防止効果の判定値とした。
<基準>
◎:50%以上
○:20%以上50%未満
×:20%未満
5人のパネルに、炭酸水素ナトリウムを配合していない比較対照組成物(5.0mL)を口に含み10秒間洗口してもらい、渋み感を記憶してもらった。その後、口をよく濯ぎ、続いて炭酸水素ナトリウムを配合した試験組成物にて同様に30秒間洗口してもらい、渋み感を記憶してもらった。そして、下記基準に基づき両者で改善の程度を比較評価した。味覚の履歴を極力抑えるため、一回の比較ごとに必ず比較対照組成物による洗口を行った。
<基準>
3:比較対照組成物と比べて、あきらかに渋みが改善されたと感じた
2:比較対照組成物と比べて、やや渋みが改善されたと感じた
1:比較対照組成物と比べて、差がない、あるいは改善が不十分であると感じた
結果を、5人のパネルの評価の合計点で以下のように判定した。
◎:12以上
○:9以上12未満
×:5以上9未満
表3に示す組成の口腔用組成物を実施例に準じて調製し、実施例と同様の評価を行った。結果を表中に示す。比較例4のpHは8.5に調整したが、一週間後にはpH10.1に上昇した。比較例5は組成液がゲル状となった。
比較例8は、使用直前に第1(1.0質量%の乳酸アルミニウムと5質量%のソルビトールを含有)と、第2液(5.0質量%のケイ酸ナトリウムと2.0質量%の炭酸ナトリウムを含有)を等量混合して処置した。処置時は、それぞれ半分の濃度となる。
比較例9は、比較例8の第1と第2液を等量混合し、これを室温にて一週間保存したものにて処置した。処置時は、それぞれ半分の濃度となる。
下記表4に示す組成の口腔用組成物を下記方法で調製した。上記実施例と同様に酸蝕症防止効果及び渋み(使用性)について評価したところ、良好な結果が得られた。
精製水中にサッカリンナトリウム、防腐剤(安息香酸ナトリウム、ヒドロキシ安息香酸メチル)、糖アルコール(ソルビトール、グリセリン、キシリトール、エリスリトール)、フッ化物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム)を加え、ミキサーにてよく撹拌した。次いで10%のケイ酸ナトリウム水溶液を加え、再びミキサーにてこれをよく撹拌した。次いで、水溶性炭酸塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム)の粉末を加えて撹拌し、A相を調製した。次に、プロピレングリコール中に、粘結剤であるカルボキシルメチルセルロース)を加えてよく分散し、B相を調製した。次いで、1.5リットルのニーダー(石山工作所製)の中にA相を、次いでB相を加え、よく撹拌した。そして順次、香料及び界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)を添加し、必要に応じてシリカ研磨剤)等の研磨剤、象牙質知覚過敏の神経鈍磨剤(硝酸カリウム等)を添加し常温にて混合し、4kPaまで減圧し脱泡を行い、組成物1.0kgを得た。ここで用いた本発明の関与成分以外の成分については、口腔用組成物で一般的に使用されている原料を用いて製造した。
Claims (4)
- (A)ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムから選ばれる1種以上の水溶性ケイ酸塩0.10〜1.0質量%、
(B)フッ化物イオンとして100〜5,000ppmとなる量の水溶性フッ化物、
(C)ソルビトール、グリセリン及びキシリトールから選ばれる1種以上10〜50質量%、及び
(D)炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムから選ばれる1種以上の水溶性炭酸塩0.5〜4.0質量%
を含有し、25℃におけるpHが7〜10であることを特徴とする口腔用組成物。 - 25℃におけるpHが7.5〜10である請求項1記載の口腔用組成物。
- (C)成分が、キシリトールである請求項1又は2記載の口腔用組成物。
- (A)ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムから選ばれる1種以上の水溶性ケイ酸塩0.10〜1.0質量%、
(B)フッ化物イオンとして100〜5,000ppmとなる量の水溶性フッ化物、
(C)ソルビトール、グリセリン及びキシリトールから選ばれる1種以上10〜50質量%、及び
(D)炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムから選ばれる1種以上の水溶性炭酸塩0.5〜4.0質量%
を含有し、25℃におけるpHが7〜10であることを特徴とする歯の酸蝕症防止剤。
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JP2009037685A JP5515318B2 (ja) | 2009-02-20 | 2009-02-20 | 口腔用組成物及び歯の酸蝕症防止剤 |
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