JP5374817B2 - ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハンドリング性、フレキシビリティ、寸法安定性および耐熱性に優れたポリイミドフィルムおよびその製造方法に関するものである。
ポリイミドフィルムは、その優れた絶縁性と耐熱性から、例えば銅箔などの金属箔と接着剤を介し積層したフレキシブル回路基板用のベースフィルムなどの用途に幅広く利用されている。
ポリイミドフィルムには、ハンドリング性とフレキシビリティのバランスが要求され、このためヤング率が4GPa以上5GPa以下の範囲にあることが好ましい。さらに、ポリイミドフィルムは、ハンドリング性とフレキシビリティのバランスの他に、電子部品の高機能化に伴う寸法安定性が要求され、このため吸水率が2.6重量%以下、線膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下であることが好ましい。
しかし、従来から知られている4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸無水物からなるポリイミドフィルムのヤング率は4GPa未満であり、線膨張係数は20ppm/℃を超える。
また、ヤング率を向上するためにパラフェニレンジアミンを共重合したポリイミドフィルム(例えば、特許文献1参照)が提案されているが、この場合にはヤング率と線膨張係数は向上するものの、ポリイミドフィルムの吸水率は2.6重量%を超えるものであった。
さらに、ポリイミドフィルムは、上記ハンドリング性とフレキシビリティおよび寸法安定性に加え、はんだ付けの際に300℃程度の熱がかかる場合があるため、耐熱性が要求される。このため、ガラス転移温度が350℃よりも大きいことが好ましい。
この寸法安定性を向上させるために、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物から得られる吸水特性に優れるポリイミドフィルム(例えば、特許文献2参照)が提案されているが、この場合には寸法安定性は向上するものの、ガラス転移温度が350℃以下であり、耐熱性に劣るという問題があった。
特開昭60−210629号公報 特開平9−286858号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものである。
したがって、本発明の第1の目的は、ハンドリング性、フレキシビリティ、寸法安定性および耐熱性に優れたポリイミドフィルムを得ることにある。
また、本発明の第2の目的は、ポリイミドフィルムのハンドリング性、フレキシビリティ、寸法安定性および耐熱性を向上させるための処理に、多くの試薬、時間、労力などを必要とせず、大量生産に適し、低コスト化が可能なポリイミドフィルムの製造方法を確立することにある。
上記の課題を達成するために本発明によれば、10〜25モル%のパラフェニレンジアミン(a1)および75〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)からなる芳香族ジアミン成分と、90〜99モル%のピロメリット酸二無水物(b1)および1〜10モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)からなる芳香族テトラカルボン酸成分とがブロック共重合されていることを特徴とするポリイミドフィルムが提供される。
なお、本発明のポリイミドフィルムは
膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下であること、
よび
ラス転移温度が350℃以上であること
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
また、本発明のポリイミドフィルムは、
パラフェニレンジアミン(a1)と一部のピロメリット酸二無水物(b1)を反応させ、次いで4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)および残りのピロメリット酸二無水物(b1)を、この記載順に順次加えてブロック共重合することにより得られたポリアミック酸を製膜した後、これを熱的および/または化学的にイミド化する方法、
パラフェニレンジアミン(a1)と一部のピロメリット酸二無水物(b1)を反応させ、次いで4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)、残りのピロメリット酸二無水物(b1)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)を、この記載順に順次加えてブロック共重合することにより得られたポリアミック酸を製膜した後、これを熱的および/または化学的にイミド化する方法、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)と一部のピロメリット酸二無水物(b1)を反応させ、次いでパラフェニレンジアミン(a1)、残りのピロメリット酸二無水物(b1)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)を、この記載順に順次加えてブロック共重合することにより得られたポリアミック酸を製膜した後、これを熱的および/または化学的にイミド化する方法、および
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)と一部のピロメリット酸二無水物(b1)を反応させ、次いでパラフェニレンジアミン(a1)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)および残りのピロメリット酸二無水物(b1)を、この記載順に順次加えてブロック共重合することにより得られたポリアミック酸を製膜した後、これを熱的および/または化学的にイミド化する方法
から選ばれたいずれかの方法により効率的に製造することができる。
本発明によれば、ヤング率が4GPa以上5GPa以下の範囲にあってハンドリング性およびフレキシビリティに優れ、また線膨張係数が線膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下、吸水率が2.3重量%以下であって寸法安定性に優れ、さらにガラス転移温度が350℃以上であって耐熱性に優れたポリイミドフィルムを得ることができる。
また、ポリイミドフィルムのヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を制御するための処理に、多くの試薬、時間、労力などを必要とせず、大量生産に適し、低コストでかつ高品質のポリイミドフィルムを効率的に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明における物性の定義について説明する。
すなわち、本発明でいうヤング率は、JISK7113に準じて、室温でORIENREC社製のテンシロン型引張試験器により、引張速度100mm/分にて得られる張力−歪み曲線において、初期立ち上がり部の勾配から求めた値である。
本発明のポリイミドフィルムのヤング率は、4GPa以上5GPa以下であることが望ましく、更に好ましくは4.0GPa以上4.5GPa以下である。4GPa未満の場合はハンドリング性を、5GPaより大きい場合はフレキシビリティを、それぞれ損なう傾向となる。
本発明でいう線膨張係数は、島津社製熱機械分析装置TMA−50により、温度範囲50℃から200℃、昇温速度10℃/minの条件で測定した値である。
本発明のポリイミドフィルムの線膨張係数は12ppm/℃以上20ppm/℃以下であることが望ましく、さらに好ましくは12ppm/℃以上19ppm/℃以下である。この範囲をはずれる場合には銅箔と線膨張係数の差により寸法安定性を損なう傾向となる。また、線膨張係数は、ポリアミック酸もしくはポリイミドフィルムに対し必要に応じて延伸を行うことによって、さらに低下させることが可能である。延伸倍率は1.052.00倍が好ましい。
本発明でいう吸水率は、ポリイミドフィルムを蒸留水に48時間浸析後、表面の水分をふき取り、加熱重量減分析により室温から200℃まで10℃/分の昇温速度で加熱された際に、50〜200℃までの重量減少から求めた値である。
本発明のポリイミドフィルムの吸水率は、2.3重量%以下である。吸水率は小さい程良いが、化学組成から下限は1重量%程度である。
本発明でいうガラス転移温度は、セイコーインスルメンツ社製粘弾性測定装置EXSTER6000により、温度範囲室温から500℃、昇温速度2℃/min、周波数10Hzの条件で測定した損失弾性率のピークから求めた。
本発明のポリイミドフィルムのガラス転移温度は350℃以上であることが望ましく、更に好ましくは353℃以上である。350℃未満場合には、はんだ付けの際の熱によりポリイミドフィルムが熱変形する傾向が招かれる。ガラス転移温度は高いほど好ましいが、現実には400℃以上であると測定が困難となる。
本発明のポリイミドフィルムにおいては、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度のすべてが上記の範囲にあることが理想的であり、これら四つの特性を満たすことにより、ハンドリング性、フレキシビリティ、寸法安定性および耐熱性に優れたポリイミドフィルムを得ることができる。
本発明のポリイミドフィルムに使用される芳香族ジアミン成分は、パラフェニレンジアミン(a1と略称することがある)および4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(b1と略称することがある)を含有することが必須の条件である。この芳香族ジアミン成分を含有しない場合は、得られたポリイミドフィルムが、目的とするヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を示さないからである。
本発明のポリイミドフィルムに使用されるパラフェニレンジアミンの添加量は、10〜25モル%、好ましくは15〜20モル%の範囲とすることが重要である。
すなわち、添加量が上記の範囲未満の場合は、ポリイミドフィルムのヤング率が4GPaより低くなり、線膨張係数が20ppm/℃を超える。また、添加量が上記の範囲より多い場合は、ヤング率が5GPaよりも、また吸水率が2.6重量%よりも大きくなり、線膨張係数は12ppm/℃より小さくなる。
また、 本発明のポリイミドフィルムに使用される芳香族テトラカルボン酸成分は、ピロメリット酸二無水物(b1と略称することがある)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2と略称することがある)を含有することが必須の条件である。
本発明のポリイミドフィルムに使用される3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の添加量は、1〜10モル%の範囲とすることが重要である。
次に、本発明のポリイミドフィルムの構成成分について説明する。
本発明のポリイミドフィルムにおけるポリイミドは、上記の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とからなるポリアミック酸を熱的および/または化学的にイミド化することから得られる。
ポリイミドフィルムの前駆体としてのポリアミック酸を形成するピロメリット酸および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸は、これら以外の芳香族テトラカルボン酸成分を本発明の目的を阻害しない範囲で含むことができ、それらの具体例としては、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸およびこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。ポリアミック酸の製造にあたっては、これらの芳香族テトラカルボン酸の酸無水物を少量添加してもかまわない。
同じく前駆体としてのポリアミック酸を形成するパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは、これら以外の芳香族ジアミン成分を本発明の目的を阻害しない範囲で含むことができ、それらの具体例としては、メタフェニレンジアミン、ベンチジン、パラキシリレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメトキシベンチジン、1,4−ビス(3メチル−5アミノフェニル)ベンゼンおよびこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。ポリアミック酸の製造にあたっては、これらの芳香族ジアミン類を少量添加してもかまわない。
また、本発明において、ポリイミドフィルムの前駆体であるポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
本発明で用いるポリアミック酸の有機溶媒溶液(ポリアミック酸溶液)は、固形分として5〜40重量%を含有するのが好ましく、10〜30重量%を含有するのがより好ましい。またその粘度は、安定した送液のため、ブルックフィールド粘度計による測定値で10〜2000Pa・sの範囲が好ましく、100〜1000Pa・sの範囲がより好ましい。また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
本発明においてポリアミック酸を構成する芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とは、それぞれのモル数が大略等しくなる割合で重合されるが、その一方が10モル%の範囲内で他方に対して過剰に配合されることが好ましく、5モル%の範囲内で他方に対して過剰に配合されることもより好ましい。
重合反応は、有機溶媒中で撹拌そして/または混合しながら、0〜80℃の温度の範囲で、10分〜30時間連続して進められるのが好ましく、必要により重合反応を分割したり、温度を上下させたりしてもかまわない。両反応体の添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸類を添加することが好ましい。重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミック酸の有機溶媒溶液を製造するのにとって有効な方法である。
また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加することによって、重合反応の制御を行ってもよい。
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
本発明においては、回転粘度計で測定した25℃における粘度が10Pa・s以上500Pa・s以下程度のポリアミック酸溶液を調製する。本発明においてポリアミック酸溶液を得るための反応手順としては、有機極性溶媒中に芳香族ジアミンを添加し溶解したのち、芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加する方法、または有機極性溶媒中に芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加したのち、芳香族ジアミンを添加する方法などいずれの方法でも可能である。このとき芳香族テトラカルボン酸に無水物と芳香族ジアミンの添加量は、実質的に等モルとすることができる。
また、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ピロメリット酸二無水物およびビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合する方法としては、ブレンド重合、ランダム共重合およびブロック共重合が挙げられるが、得られるポリイミドのヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を目標の範囲に制御するためには、ブロック共重合することが必須の要件となる。
さらに、ブロック共重合の際の添加順序は、パラフェニレンジアミンと一部のピロメリット酸二無水物を反応させ、次いで4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および残りのピロメリット酸二無水物を、この記載順に順次加える方法、パラフェニレンジアミンと一部のピロメリット酸二無水物を反応させ、次いで4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、残りのピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、この記載順に順次加える方法、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと一部のピロメリット酸二無水物を反応させ、次いでパラフェニレンジアミン、残りのピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、この記載順に順次加える方法、および4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと一部のピロメリット酸二無水物を反応させ、次いでパラフェニレンジアミン、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および残りのピロメリット酸二無水物を、この記載順に順次加える方法が挙げられるが、添加順序は特に限定するものではない。しかし、得られるポリイミドフィルムの吸水率およびヤング率の観点から、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物を、この記載順に順次加える方法が好ましい。ピロメリット酸二無水物は2回に分けて分割添加する方法が好ましいが、この場合、最初に先に加えたパラフェニレンジアミンまたは4,4’−ジアミノジフェニルエーテルに対して50200モル%を加え、最後に残り分を加えるのが好ましい。こうすることにより、分子量分布が小さなブロック共重合ポリアミック酸が得られる。
前記ポリアミック酸溶液を支持体上にキャストして自己支持性のポリアミック酸フィルムを得た後、次いで得られたポリアミック酸フィルムの端部を固定し、200℃以上400℃以下の温度で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得るのが好ましい。
なお、ここでいう支持体とは、ガラス、金属、高分子フィルムなど平面を有し、ポリアミック酸をこの上にキャストした場合に、キャストされたポリアミック酸を支持することができるものを意味する。
また、キャストとは、ポリアミック酸を支持体上に展開することを意味する。キャストの一例としては、バーコート、スピンコート、あるいは任意の空洞形状を有するパイプ状物質からポリアミック酸を押し出し、支持体上に展開する方法が挙げられる。
得られたポリアミック酸をイミド化閉環、すなわち環化させて芳香族ポリイミドフィルムにする際には、脱水剤と触媒を用いて脱水する化学閉環法、熱的に脱水する熱閉環法、あるいはその両者を併用した閉環法のいずれで行ってもよい。
化学閉環法で使用する脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物、フタル酸無水物などの酸無水物などが挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
また、触媒としては、ピリジン、ピコリン、キノリンなどの複素環式第3級アミン類、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、N,N−ジメチルアニリンなどの第3級アミン類などが挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
本発明のポリイミドフィルムの厚みは3〜250μmであることが望ましい。すなわち、厚みが3μm未満では形状を保持することが困難となり、また250μmを越えると屈曲性に欠けるため、フレキシブル回路基板用途には不向きとなるからである。
ポリイミドフィルムは、延伸および未延伸のものをいずれも使用することができる。また、加工性改善などを目的として10重量%以下の無機質または有機質の添加物を含有することも可能である。
かくして得られる本発明のポリイミドフィルムは、ヤング率が4GPa以上5GPa以下の範囲にあってハンドリング性およびフレキシビリティに優れ、また線膨張係数が線膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下、吸水率が2.6重量%以下であって寸法安定性に優れ、さらにガラス転移温度が350℃以上であって耐熱性に優れることから、フレキシブル回路基板用ベースフィルムとして極めて有用である。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中のヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度は、以下の方法により測定した値である。
[ヤング率]
ヤング率は、JISK7113に準じて、室温でORIENREC社製のテンシロン型引張試験器により、引張速度100mm/分にて得られる張力−歪み曲線において、初期立ち上がり部の勾配から求めた。
[線膨張係数]
線膨張係数は、島津社製熱機械分析装置TMA−50により、温度範囲50℃から200℃、昇温速度10℃/minの条件で測定した値である。
[吸水率]
吸水率は、ポリイミドフィルムを蒸留水に48時間浸析後、表面の水分をふき取り、加熱重量減分析により室温から200℃まで10℃/分の昇温速度で加熱された際に、50〜200℃までの重量減少から求めた値である。
[ガラス転移温度]
ガラス転移温度は、セイコーインスルメンツ社製粘弾性測定装置EXSTER6000により、温度範囲室温から500℃、昇温速度2℃/min、周波数10Hzの条件で測定した損失弾性率のピークから求めた。
[実施例1]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、パラフェニレンジアミン2.42g(22.3mmol)とN,N’−ジメチルアセトアミド223.81gとを入れ、ピロメリット酸二無水物4.83g(22.1mmol)を数回に分けて投入し窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、これに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル25.38g(126.7mmol)を入れ、30分攪拌した後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.19g(7.5mmol)を数回に分けて投入し、さらに30分攪拌した後、ピロメリット酸二無水物25.10g(115.1mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)13.25gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
DCスターラーを備えた300mlセパラブルフラスコ中に、上記で得られたポリアミック酸200.00gを入れ、−10℃で1時間冷却した。これにβ−ピコリン24.0gと無水酢酸26.0gを加え、真空下で30分撹拌した。このポリアミック酸混合物の一部をガラス板上に取り、アプリケータを用いて均一な膜を形成した。これを90℃で15分時間熱処理を行い、得られたフィルムをガラス板から引き剥がした。手動2軸延伸機にて縦および横方向共に1.2倍に延伸し、延伸された状態で金枠に固定した。これを200℃30分、300℃30分、350℃5分で熱処理を行い、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。
[実施例2]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、パラフェニレンジアミン3.27g(30.2mmol)とN,N’−ジメチルアセトアミド223.58gとを入れ、ピロメリット酸二無水物6.54g(30.0mmol)を数回に分けて投入し窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、これに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル24.25g(121.1mmol)を入れ、30分攪拌した後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1.34g(4.5mmol)を数回に分けて投入し、さらに30分攪拌した後、ピロメリット酸二無水物24.51g(112.4mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)12.68gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
得られたポリアミック酸から、延伸を行わなかった以外は実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。
[実施例3]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、パラフェニレンジアミン2.73g(25.2mmol)とN,N’−ジメチルアセトアミド223.88gとを入れ、ピロメリット酸二無水物5.45g(25.0mmol)を数回に分けて投入し窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、これに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル24.67g(129.1mmol)を入れ、30分攪拌した後、ピロメリット酸二無水物22.71g(104.1mmol)を数回に分けて投入し、さらに30分攪拌した後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物4.37g(14.8mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)14.06gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
得られたポリアミック酸から、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。
[実施例4]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル25.15g(125.6mmol)とN,N’−ジメチルアセトアミド224.20gとを入れ、ピロメリット酸二無水物27.12g(14.4mmol)を数回に分けて投入し窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、これにパラフェニレンジアミン2.40(22.2mmol)を入れ、これに30分攪拌した後、ピロメリット酸二無水物0.92g(4.2mmol)を数回に分けて投入し、さらに30分攪拌した後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物4.35g(14.8mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)13.56gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
得られたポリアミック酸から、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。
[実施例5]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル24.75g(123.7mmol)とN,N’−ジメチルアセトアミド223.85gとを入れ、ピロメリット酸二無水物26.76g(122.4mmol)を数回に分けて投入し窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、これにパラフェニレンジアミン2.74(25.3mmol)を入れ、30分攪拌した後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物3.51g(11.9mmol)を数回に分けて投入し、さらに30分攪拌した後、ピロメリット酸二無水物2.22g(10.2mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)12.15gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
得られたポリアミック酸から、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。
[比較例1]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(145.5mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド224.17gを入れ、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。さらに30分攪拌した後、ピロメリット酸二無水物30.80g(141.2mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)13.89gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
得られたポリアミック酸から、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。
[比較例2]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、パラフェニレンジアミン4.98g(46.1mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル21.52g(110.7mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド224.25gを入れ、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。さらに30分攪拌した後、ピロメリット酸二無水物32.49g(148.9mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)12.65gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
得られたポリアミック酸から、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。
[比較例3]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、パラフェニレンジアミン2.48g(22.5mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル25.48g(127.4mmol)、N,N’−ジメチルアセトアミド223.71gとを入れた。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1.32g(4.5mmol)とピロメリット酸二無水物30.69g(140.7mmol)を100mlのビーカ中で混合し、これ数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)14.79gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
得られたポリアミック酸から、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。
[比較例4]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、パラフェニレンジアミン0.79g(7.3mmol)とN,N’−ジメチルアセトアミド224.14gとを入れ、ピロメリット酸二無水物1.57g(7.2mmol)を数回に分けて投入し窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、これに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル27.74g(128.5mmol)を入れ、30分攪拌した後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.15g(7.3mmol)を数回に分けて投入し、さらに30分攪拌した後、ピロメリット酸二無水物27.69g(127.0mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)12.96gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
得られたポリアミック酸から、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。
[比較例5]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、パラフェニレンジアミン5.00g(46.3mmol)とN,N’−ジメチルアセトアミド223.29gとを入れ、ピロメリット酸二無水物10.00g(45.9mmol)を数回に分けて投入し窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、これに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル21.64g(108.1mmol)を入れ、30分攪拌した後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.27g(7.7mmol)を数回に分けて投入し、30分攪拌した後、ピロメリット酸二無水物20.98g(96.16mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)13.83gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。
得られたポリアミック酸から、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を測定した結果を表1に示した。また、得られたポリイミドフィルムはガラス転移温度が350℃未満であるために、350℃5分の熱処理中に熱変形し、フィルムが波打っていた。
Figure 0005374817
表1の結果から明らかなように、本発明の10〜25モル%のパラフェニレンジアミンおよび75〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含む芳香族ジアミン成分と、90〜99モル%のピロメリット酸二無水物および1〜10モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む芳香族テトラカルボン酸成分とからブロック共重合により形成されたポリアミック酸からなるポリイミドフィルム(実施例1〜5)は、比較例1の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物の単独重合から得られるポリイミドフィルムに比べて、ヤング率が4GPa以上5GPa以下、線膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下と著しく改質されたものである。
また、表1の結果から明らかなように、本発明の10〜25モル%のパラフェニレンジアミンおよび75〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含む芳香族ジアミン成分と、90〜99モル%のピロメリット酸二無水物および1〜10モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む芳香族テトラカルボン酸成分とからブロック共重合により形成されたポリアミック酸からなるポリイミドフィルム(実施例1〜5)は、比較例2の25モル%のパラフェニレンジアミン、75モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物のランダム共重合から得られるポリイミドフィルムに比べて、吸水率が2.3重量%以下と著しく改質されたものである。
さらに、表1の結果から明らかなように、本発明の10〜25モル%のパラフェニレンジアミンおよび75〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含む芳香族ジアミン成分と、90〜99モル%のピロメリット酸二無水物および1〜10モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む芳香族テトラカルボン酸成分とからブロック共重合により形成されたポリアミック酸からなるポリイミドフィルムは、比較例3の15モル%のパラフェニレンジアミン、85モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、97モル%のピロメリット酸二無水物および3モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物のランダム共重合から得られるポリイミドフィルムに比べて、ヤング率が4GPa以上5GPa以下、線膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下と著しく改質されたものである。
さらにまた、 表1の結果から明らかなように、本発明の10〜25モル%のパラフェニレンジアミンおよび75〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含む芳香族ジアミン成分と、90〜99モル%のピロメリット酸二無水物および1〜10モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む芳香族テトラカルボン酸成分とからブロック共重合により形成されたポリアミック酸からなるポリイミドフィルム(実施例1〜5)は、比較例4の15モル%のパラフェニレンジアミン、85モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、97モル%のピロメリット酸二無水物および3モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物のブロック共重合から得られるポリイミドフィルムに比べて、ヤング率が4GPa以上5GPa以下、線膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下と著しく改質されたものである。
また、表1の結果から明らかなように、本発明の10〜25モル%のパラフェニレンジアミンおよび75〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含む芳香族ジアミン成分と、90〜99モル%のピロメリット酸二無水物および1〜10モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む芳香族テトラカルボン酸成分とからブロック共重合により形成されたポリアミック酸からなるポリイミドフィルム(実施例1〜5)は、比較例5の30モル%のパラフェニレンジアミン、70モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、95モル%のピロメリット酸二無水物および5モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物のブロック共重合から得られるポリイミドフィルムに比べて、ヤング率が4GPa以上5GPa以下、線膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下、ガラス転移温度が350℃以上と著しく改質されたものである。
以上説明したように、本発明によれば、ヤング率が4GPa以上5GPa以下の範囲にあって、ハンドリング性およびフレキシビリティに優れ、また線膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下、吸水率が2.3重量%以下であって寸法安定性に優れ、さらにガラス転移温度が350℃以上であって耐熱性に優れたポリイミドフィルムを得ることができ、このポリイミドフィルムは、フレキシブル回路基板用のベースフィルムとして有効に利用することが可能である。
また、本発明によれば、ポリイミドフィルムのヤング率、線膨張係数、吸水率およびガラス転移温度を制御するための処理に、多くの試薬、時間、労力などを必要とせず、大量生産に適し、低コストでかつ高品質のポリイミドフィルムを効率的に製造することができるため、この分野へ与える貢献度が高い。

Claims (7)

  1. 10〜25モル%のパラフェニレンジアミン(a1)および75〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)からなる芳香族ジアミン成分と、90〜99モル%のピロメリット酸二無水物(b1)および1〜10モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)からなる芳香族テトラカルボン酸成分とがブロック共重合されているポリイミドフィルムであって、下記方法で測定した吸水率が2.3重量%以下であるポリイミドフィルム。
    (吸水率:ポリイミドフィルムを蒸留水に48時間浸析後、表面の水分をふき取り、加熱重量減分析により室温から200℃まで10℃/分の昇温速度で加熱された際に、50〜200℃までの重量減少を吸水率とする)
  2. 下記方法で測定した線膨張係数が12ppm/℃以上20ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルム。
    (熱膨張係数:島津社製TMA−50により、温度範囲50℃から200℃、昇温速度10℃/minの条件で測定する)
  3. 下記方法で測定したガラス転移温度が350℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリイミドフィルム。
    (ガラス転移温度:セイコーインスルメンツ社製EXSTER6000により、温度範囲室温から500℃、昇温速度2℃/min、周波数10Hzの条件で測定した損失弾性率のピークから求める)
  4. パラフェニレンジアミン(a1)と一部のピロメリット酸二無水物(b1)を反応させ、次いで4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)および残りのピロメリット酸二無水物(b1)を、この記載順に順次加えてブロック共重合することにより得られたポリアミック酸を製膜した後、これを熱的および/または化学的にイミド化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  5. パラフェニレンジアミン(a1)と一部のピロメリット酸二無水物(b1)を反応させ、次いで4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)、残りのピロメリット酸二無水物(b1)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)を、この記載順に順次加えてブロック共重合することにより得られたポリアミック酸を製膜した後、これを熱的および/または化学的にイミド化することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)と一部のピロメリット酸二無水物(b1)を反応させ、次いでパラフェニレンジアミン(a1)、残りのピロメリット酸二無水物(b1)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)を、この記載順に順次加えてブロック共重合することにより得られたポリアミック酸を製膜した後、これを熱的および/または化学的にイミド化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  7. 4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(a2)と一部のピロメリット酸二無水物(b1)を反応させ、次いでパラフェニレンジアミン(a1)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(b2)および残りのピロメリット酸二無水物(b1)を、この記載順に順次加えてブロック共重合することにより得られたポリアミック酸を製膜した後、これを熱的および/または化学的にイミド化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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