JP6289014B2 - ポリイミド繊維および集合体 - Google Patents

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本発明は、ポリイミド繊維および集合体に関し、詳しくは、耐熱性と実用性に優れたポリイミド繊維および集合体に関する。
ポリイミドはその優れた耐熱性・難燃性・機械特性・電気特性のためにエレクトロニクスや航空宇宙分野で注目されている。航空機用途の外壁には優れた耐熱性と難燃性が要求され、ガラスウールが断熱・吸音材料として用いられている。しかしながら、部材の軽量化の流れもありガラスウールに置き換わる材料として優れた耐熱性と難燃性を有するポリイミド繊維の開発が求められている。また、近年、燃料電池用セパレータへの耐熱性の要求が高まり、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムでは耐熱性の面で市場の要求に耐えられないのが現状であり、さらには焼却炉やディーゼルエンジンなどの高温環境下で使用される排ガス用フィルターにも、高温に耐えうる繊維材料および不織布としてポリイミドが期待されている。
ポリイミドは、有機材料の中でも最高レベルの耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性を有する高分子材料であるものの、優れた耐薬品性を有することの弊害として、溶媒に溶解しにくいという欠点を有している。そのため、ポリイミドを紡糸する方法として二種類の方法が取られている。第一の方法としては、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液を紡糸し、繊維状としたのち、350℃程度の熱処理によりイミド化をおこなうことによりポリイミド繊維にする方法(例えば、特許文献1参照)であり、第二の方法としては、溶媒に可溶なポリイミド(溶媒可溶型ポリイミド)を紡糸しポリイミド繊維とする方法(例えば、特許文献2参照)である。
ポリアミック酸溶液を用いる製造方法は、イミド化工程による高い加工コストに加え、イミド化時に生成する水の脱離により、繊維表面にクレーターや内部にボイドが発生し、強度的に脆弱な繊維となってしまう問題があり、安定した品質のポリイミド繊維を製造することが困難であった。
ポリイミドはイミド基濃度の上昇に伴い分子間相互作用が強くなり耐熱性が向上する。しかしながら、分子間相互作用の増加は溶媒に対する溶解性の低下を引き起こす。そのため、溶媒への溶解性を確保するには、耐熱性の低い原材料を用いなければならず、溶媒可溶型ポリイミドを用いた繊維は耐熱性の低いものにならざるを得ないという欠点を有している。
特公昭42−2936号公報 特開2013−117015号公報
ポリイミドを紡糸する手法として、前述のような複数の方法が検討されてきたが、いずれの手法においても、要求特性バランスのトレードオフの関係を排除することができず、上記の各種要求特性の全てを十分に満足することができていない。
本発明は、上記課題を解決するため、優れた耐熱性と溶媒可溶性を両立させることのできるポリイミド共重合体を使用した高耐熱なポリイミド繊維および集合体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、所定の酸二無水物と、所定の構造を有するジアミンおよび/またはジイソシアネートと、を共重合させたポリイミド共重合体を紡糸することで、上記課題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1](A)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および/またはピロメリット酸二無水物と、(B)下記一般式(1)〜()、
(式中、Xはアミノ基またはイソシアネート基、R〜Rは、2個がエチル基であり、残り2個がメチル基と水素原子である)で表される1種以上のジアミンおよび/またはジイソシアネートと、が共重合されてなるポリイミド共重合体を用いたポリイミド繊維。
]さらに、(C)第2の酸二無水物、および/または(D)第2のジアミンおよび/またはジイソシアネートと、が共重合されてなる[1]に記載のポリイミド繊維。
]300℃未満にガラス転移温度が観測されない[1]または[2]に記載のポリイミド繊維。
]500℃未満にガラス転移温度が観測されない[1]〜[3]何れかに記載のポリイミド繊維。
][1]〜[]何れかに記載のポリイミド繊維を含む集合体。
からなるものである。
本発明の作用機構は以下の様に推定している。
単環または二環の(A)成分と(B)成分を用いることにより、イミド基濃度が向上し、耐熱性を付与するとともに、(B)成分のアミノ基の両オルト位にメチル基またはエチル基を有しているため主鎖の回転運動等による構造緩和を抑制することにより溶媒への溶解性を向上させた。これにより、優れた耐熱性と溶媒可溶性を兼ね備えた溶媒可溶型ポリイミドが可能となり、この溶媒可溶型ポリイミドを用い紡糸することで高耐熱なポリイミド繊維および集合体が得られる。
本発明によれば耐熱性と実用性に優れたポリイミド繊維および集合体を提供することができる。
実施例1で得られたポリイミド繊維を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 SEMEDX3 TypeN)により撮影した電子顕微鏡写真図(倍率:400倍)である。 実施例2で得られたポリイミド繊維を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 SEMEDX3 TypeN)により撮影した電子顕微鏡写真図(倍率:400倍)である。 実施例3で得られたポリイミド繊維を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 SEMEDX3 TypeN)により撮影した電子顕微鏡写真図(倍率:400倍)である。 比較例1で得られたポリイミド繊維を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 SEMEDX3 TypeN)により撮影した電子顕微鏡写真図(倍率:200倍)である。 実施例4で得られたポリイミド繊維集合体を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 SEMEDX3 TypeN)により撮影した電子顕微鏡写真図(倍率:1000倍)である。 実施例5で得られたポリイミド繊維集合体を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 SEMEDX3 TypeN)により撮影した電子顕微鏡写真図(倍率:1000倍)である。 実施例6で得られたポリイミド繊維集合体を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 SEMEDX3 TypeN)により撮影した電子顕微鏡写真図(倍率:1000倍)である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明のポリイミド繊維は、特定の酸二無水物とジアミンおよび/またはイソシアネートからなるポリイミド共重合体を紡糸したものである。また、本発明の集合体は前記ポリイミド繊維を含む構造物を意味するものである。
以下、本明細書において、ポリイミド共重合体、ポリイミド共重合体の製造方法、ポリイミド繊維、集合体、ポリイミド繊維の製造方法、集合体の製造方法について順に説明する。
(ポリイミド共重合体)
本発明に用いられるポリイミド共重合体は、(A)3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物および/またはピロメリット酸無水物と、(B)下記一般式(1)〜(3)、
(式中、Xはアミノ基またはイソシアネート基、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、R〜Rのうち少なくとも一つは水素原子ではない、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、R〜Rのうち少なくとも一つは水素原子ではない)で表される1種以上のジアミンおよび/またはジイソシアネートと、が共重合されてなるポリイミド共重合体である。上記ポリイミド共重合体は、従来の溶媒可溶型ポリイミド共重合体と比較して耐熱性、機械特性に優れ、また、貯蔵安定性に優れているという利点も有している。このため、このポリイミド共重合体を用いたポリイミド繊維は耐熱性と機械特性に優れたものとなる。
(B)成分としては、一般式(1)または(2)中のR〜Rのうち2個がエチル基であり、残り2個がメチル基と水素原子であるジエチルトルエンジアミン(DETDA)が好ましい。また、一般式(3)中のR〜Rのうち炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
これらの単環または二環の原材料を用いることにより、イミド基濃度が向上し、耐熱性が上がるとともに、アミノ基の両オルト位にメチル基またはエチル基を有しているため主鎖の回転運動等による構造緩和を抑制することにより溶媒への溶解性を向上させることができる。
本発明に用いられるポリイミド共重合体を共重合するに当たっては、得られるポリイミド共重合体が上記の効果が得られるのであれば、前記(A)と前記(B)成分に加えて、(C)第2の酸二無水物、および/または(D)第2のジアミンおよび/またはジイソシアネート、を共重合してなるポリイミド共重合体であってもよい。
本発明に用いられるポリイミド共重合体において、(C)第2の酸二無水物としては、従来ポリイミドの製造に用いられてきたものであれば特に制限はないが、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、エチレングリコールビス無水トリメリット酸エステルを好適に用いることができる。なお、(C)第2の酸二無水物としては、1種で用いてもよいが、2種以上の酸二無水物を混合して用いてもよい。
また、本発明に用いられるポリイミド共重合体においては、(D)第2のジアミンおよび/またはジイソシアネートについては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。特に、下記一般式(4)〜(13)、
(式中、Xはアミノ基またはイソシアネート基、R11〜R14は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、カルボキシ基、またはトリフルオロメチル基、YおよびZは、
21〜R24は、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、R31およびR32はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、カルボキシ基、またはトリフルオロメチル基である)で表される群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。(C)第2の酸二無水物および(D)第2のジアミンおよび/またはジイソシアネートとして、上記化合物を選択することにより、ポリイミド共重合体に種々の物性を付与することができる。
本発明に用いられるポリイミド共重合体においては、(A)成分と(B)成分のモル比は、3:1〜1:3の範囲が好ましい。また、(C)第2の酸二無水物および第2のジアミンおよび/またはジイソシアネートの配合割合は、第2の酸二無水物や第2のジアミンおよび/またはジイソシアネートの組み合わせによって異なるが、(A)成分と(B)成分の共重合体に対して、モル比で5:1〜1:5程度が好ましい。
なお、このモル比を適宜変更することで、ポリイミド共重合体のガラス転移温度を変更することができるが、本発明の効果を十分に発揮させるためには、好ましくは300℃未満にガラス転移温度が観測されず、より好ましくは350℃未満にガラス転移温度が観測されず、特に好ましくは500℃未満にガラス転移温度が観測されないものである。
本発明に用いられるポリイミド共重合体においては、質量平均分子量は20,000〜200,000が好ましく、35,000〜150,000がより好ましい。上記ポリイミド共重合体の質量平均分子量が上記範囲内であると、取り扱い性が向上する。また、上記ポリイミド共重合体が有機溶媒に溶解したポリイミド溶液において、ポリイミド共重合体の濃度については特に制限はないが、例えば、5〜35質量%程度とすることができる。ポリイミド共重合体の濃度が5質量%未満の濃度でも使用可能であるが、濃度が希薄であると、紡糸した際に、ポリイミド繊維の密度が低下し、繊維の強度が脆弱となりやすい。一方、35質量%を超えると、ポリイミド共重合体の流動性が悪く、紡糸が困難になり、作業性が悪化してしまう傾向がある。
なお、上記ポリイミド溶液は本発明で用いられるポリイミド共重合体を製造する際に得られる溶液の場合と、一旦製造したポリイミド共重合体を乾燥・精製したものを有機溶媒に再溶解させた場合の何れのものであってもよい。
上記ポリイミド溶液には、目的に応じて、有機または無機化合物を適宜添加することができる。例えば、シリカ、アルミナ、マイカ等の充填材や、炭素粉、顔料、染料、重合禁止剤、増粘剤、チキソトロピー剤、沈殿防止剤、酸化防止剤、分散剤、pH調整剤、界面活性剤、各種有機溶媒、各種樹脂等を添加することができる。
なお、これらの成分は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(ポリイミド共重合体の製造方法)
本発明に用いられるポリイミド共重合体の製造方法について説明する。ポリイミド共重合体を得るためには、熱的に脱水閉環する熱イミド化法、脱水剤を用いる化学イミド化法のいずれの方法を用いてもよく以下、熱イミド化法、化学イミド化法の順に詳細に説明する。
<熱イミド化法>
本発明に用いられるポリイミド共重合体は、上記(A)成分と(B)成分とを共重合させることにより得ることができるが、上述のとおり、ポリイミド共重合体を製造するに当たっては、上記本発明の効果を損なわない範囲で、(C)第2の酸二無水物、および/または(D)第2のジアミンおよび/またはジイソシアネートを添加してもよい。
本発明に用いられるポリイミド共重合体の製造時における重合温度および重合時間は、好適には150〜200℃で60〜600分間である。重合温度が200℃を超えると溶媒や未反応原材料の酸化、溶媒の揮発に伴う樹脂濃度の上昇が発生するためであり、好ましくない。一方、150℃未満であると、イミド化反応が進行しないか完了しないおそれがあり、やはり好ましくない。
ポリイミド共重合体を製造するに当たって、共重合は有機溶媒内でおこなわれるが、その際に用いられる有機溶媒については、特に制限はない。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等、ガンマ−ブチロラクトン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテル、アルキルカルビトールアセテート、安息香酸エステルを好適に用いることができる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、ポリイミド共重合体の製造に当たっては、公知のイミド化触媒を用いることができる。例えば、イミド化触媒としては、通常、ピリジンを用いればよいが、これ以外にも、置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物、含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物、置換もしくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環状化合物が挙げられ、特に1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾール等の低級アルキルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジン等の置換ピリジン、p−トルエンスルホン酸等を好適に使用することができる。イミド化触媒の使用量は、ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.01〜2倍当量、特に0.02〜1倍当量程度であることが好ましい。イミド化触媒を使用することによって、得られるポリイミドの物性、特に伸びや破断抵抗が向上することがある。
さらに、ポリイミド共重合体の製造に当たっては、イミド化反応により生成する水を効率よく除去するために、有機溶媒に共沸溶媒を加えることができる。共沸溶媒としては、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素や、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等を用いることができる。共沸溶媒を使用する場合は、その添加量は、全有機溶媒量中の1〜30質量%程度、好ましくは5〜20質量%である。
<化学イミド化法>
ポリイミド共重合体を化学イミド化法により製造する場合、上記(A)成分と上記(B)成分とを共重合させる工程において、例えば、有機溶媒中、無水酢酸等の脱水剤と、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリンまたはキノリン等の触媒とを、ポリアミド酸溶液に添加した後、熱イミド化法と同様の操作をおこなう。これにより、本発明のポリイミド共重合体を得ることができる。本発明のポリイミド共重合体を化学イミド化法により製造する場合における重合温度および重合時間は、好適には通常常温から150℃程度の温度範囲で1〜200時間である。
ポリイミド共重合体を製造するに当たって、脱水剤が使用されるが、有機酸無水物、例えば、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、脂環式酸無水物、複素環式酸無水物、またはそれらの二種以上の混合物が挙げられる。この有機酸無水物の具体例としては、例えば、無水酢酸等が挙げられる。
ポリイミド共重合体の製造に当たっては、イミド化触媒、有機溶媒を用いるが、熱イミド化法と同様のものを用いることができる。
<ポリイミド共重合体の製造>
ポリイミド共重合体の製造においては、重合方法は公知のいずれの方法でおこなってもよく、特に限定されるものではない。例えば、(A)成分全量を有機溶媒中に入れ、その後、(B)成分を(A)成分を溶解させた有機溶媒に加えて重合する方法であってもよく、また、先に(B)成分全量を有機溶媒中に入れ、その後、(A)成分を溶解させた有機溶媒に加えて重合する方法であってもよい。
ポリイミド共重合体の製造においては、(A)成分と(B)成分とを共重合させればよい。また、(A)成分と(B)成分とを共重合させてポリイミド共重合体オリゴマーを製造し、得られたポリイミド共重合体オリゴマーを用いてポリイミド共重合体を製造してもよい。この場合には、上述のとおり、(C)第2の酸二無水物とともに、(D)第2のジアミンおよび/またはジイソシアネートをポリイミド共重合体オリゴマーと共重合させてもよい。(C)第2の酸二無水物、(D)第2のジアミンおよび/またはジイソシアネートとしては、上記のものを用いることができる。
上記ポリイミド共重合体オリゴマーを製造する際に用いる有機溶媒、触媒、共沸溶媒および脱水剤としては、各イミド化の方法に基づき上記本発明のポリイミド共重合体の製造に用いる有機溶媒、触媒、共沸溶媒および脱水剤を適宜選択して用いることができる。
上記ポリイミド共重合体オリゴマーを製造するに当たっては、熱イミド化法の場合、重合の際の温度は、150〜200℃である。重合温度が150℃未満であると、イミド化が進行しないか完了しない場合があるからであり、一方、200℃を超えると、溶媒や未反応原材料の酸化、溶剤溶媒の揮発による樹脂濃度の上昇が発生するからである。好適には160〜195℃である。
(ポリイミド繊維)
本発明のポリイミド繊維の平均繊維径、繊維の断面形状、繊維の長さ、延伸倍率、繊維の密度、等は特に制限はなく、用途によって適宜選択することが可能である。一般的には、ポリイミド繊維の平均繊維径は0.01〜200μm、繊維の断面形状は円形、十字、中空、不定形などの形状、延伸倍率は1.1〜4倍、繊維の密度は1.2〜1.6g/cmである。
(集合体)
本発明の集合体の平均繊維径、嵩密度、等は特に制限はなく、用途によって適宜選択することが可能である。一般的には、集合体の平均繊維径は0.001〜5μm、嵩密度は1〜30kg/mである。
(ポリイミド繊維の製造方法)
本発明のポリイミド繊維は、前記したポリイミド溶液を、ノズルに通して吐出することで繊維状とし、これを凝固液と接触させることにより紡糸する湿式法、または前記したポリイミド溶液を、ノズルに通して吐出することで繊維状としたのち、乾燥し溶媒を蒸発させることにより紡糸する乾式法により得ることができる。
ポリイミド溶液には、溶液安定性及び曳糸性などを改良する目的や、得られるポリイミド繊維の機械特性などの特性を改善する目的のために、上記記載の有機又は無機化合物を添加してもよい。また、ポリイミド溶液としてポリイミド共重合体を有機溶媒に溶解させた場合には、少なくとも数時間は所定温度に保持し、溶解を均一にするのが好ましい。更に、減圧下で脱泡を行い、気泡を完全に除去するのがより好ましい。
上記凝固液としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノ−ル、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類の有機溶媒など、ポリイミドに対して非溶解性を示す単一溶媒および/またはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等、ガンマ−ブチロラクトン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテル、アルキルカルビトールアセテート、安息香酸エステルなどとの混合溶媒を用いることができる。これらのうち、環境への負荷が少なく、蒸留によって再生が可能な水との混合溶媒が好ましい。
上記凝固液の温度は−20℃〜80℃の範囲が好ましい。一般に凝固液の温度が高温であるほど固化能は高まるが、高すぎるとポリイミド溶液の粘度が下がりポリイミド繊維が細切れするなどの問題があるため、0℃〜30℃の範囲にすることがより望ましい。
(集合体の製造方法)
本発明の集合体は、前記したポリイミド溶液を、ノズルとコレクターとの間に電場を印加して流体噴流を形成し積層捕集する電界法により得ることができる。ポリイミド溶液には、溶液安定性及び曳糸性などを改良する目的や、得られるポリイミド繊維の機械特性などの特性を改善する目的のために、種々の有機又は無機化合物を添加してもよい。ポリイミド溶液としてポリイミド共重合体を有機溶媒に溶解させた場合には、少なくとも数時間は所定温度に保持し、溶解を均一にするのが好ましい。更に、減圧下で脱泡を行い、気泡を完全に除去するのがより好ましい。
ポリイミド繊維または集合体の分子配列を均整化する目的で、乾熱あるいは湿熱で延伸処理を加えてもよい。乾熱延伸の場合、20〜400℃の範囲であれば問題なく、好ましくは100〜300℃の雰囲気下で窒素、アルゴンガスなどの不活性ガス中でおこなうことが一般的である。湿熱延伸の場合、0〜100℃の範囲であれば問題なく、好ましくは20〜80℃の範囲において延伸することが望ましい。但し、繊維中に有機溶剤が多く残留する湿熱延伸は分子配列の均整効果が低いので、乾熱延伸の方が望ましい。
紡糸して得られたポリイミド繊維または集合体を加熱あるいは乾燥してもよい。加熱は50℃〜400℃の範囲でおこなうことが好ましく、これは用いた有機溶媒の種類を考慮し決定すべきである。但し、あまり高温ではポリイミド繊維が熱分解を起こすため好ましくは300℃以下でできるだけ短い時間でおこなうことが望ましい。この場合、窒素、アルゴンガスなどの不活性ガス中で加熱処理をおこなうことができる。
乾燥する際には、乾燥前に鉱物油、シリコーン油、フッ素系などの疎水性油剤を付着させることは有用である。
本発明のポリイミド繊維および集合体は優れた耐熱性と機械特性を有することから、織布、不織布およびその加工製品、例えばリチウムイオン二次電池用セパレータ、バグフィルターや燃料排ガスフィルターなどの耐熱有機フィルター、フレキシブルナノワイヤー、伝熱繊維、断熱材、消防用防護服、パッキン材、航空機用シートカバー、カーテン、寝具、その他フェルトなどに有用である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1>
ステンレススチール製錨型撹拌機、窒素導入管、ディーン・スターク装置を取り付けた500mlのセパラブル4つ口フラスコにピロメリット酸二無水物(PMDA)19.09g(0.0875モル)、DETDA21.84g(0.1225モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)88.13g、ピリジン2.77g、トルエン29.91gを仕込み、反応系内を窒素置換した。窒素気流下80℃にて30分間撹拌することによりPMDAを溶解させ、その後180℃まで昇温して1時間加熱撹拌をおこなった。反応によって生成した水は、トルエンとの共沸によって反応系外へ留去した。
次に、120℃まで冷却し、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)25.96g(0.0882モル)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)7.18g(0.0175モル)、NMP118.29gを加えて5分間撹拌した後に180℃まで昇温し、加熱撹拌しながら2時間反応をおこなった。反応によって生成した水は、トルエンとの共沸によって反応系外へ留去した。
次に、120℃まで冷却し、4、4’−ジアミノジフェニルエーテル(pDADE)7.01g(0.035モル),NMP17.90gを加えて5分間撹拌した後に180℃まで昇温し、加熱撹拌しながら4時間反応をおこなった。反応中に生成する水はトルエン、ピリジンとの共沸混合物として反応系外へ除いた。反応終了後、120℃まで冷却したところでNMP74.77gを添加することにより、20質量%濃度のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド共重合体を成膜し、ガラス転移温度の測定をおこなったところ、500℃未満にガラス転移温度が観測されなかった。得られたポリイミド共重合体の構造は、下記の式(14)のとおりである。
(式中Rは、メチル基またはエチル基である)
得られたポリイミド共重合体を減圧脱泡後、湿式紡糸装置(RIOTEC製)を用い、質量比NMP:水=86:14からなる6℃の凝固液中に、内径0.26mmのノズルから0.3ml/minの速度でポリイミド共重合体を吐出し、35m/minの速度で凝固液中を通し紡糸をおこなった。得られたポリイミド繊維を質量比NMP:水=50:50からなる洗浄溶液で10分間洗浄をおこなったのち、純水に3時間浸漬し洗浄をおこなった。
<実施例2>
実施例1で得られたポリイミド共重合体を減圧脱泡後、湿式紡糸装置(RIOTEC製)を用い、質量比NMP:水=86:14からなる6℃の凝固液中に、内径0.26mmのノズルから0.3ml/minの速度でポリイミド共重合体を吐出し、35m/minの速度で凝固液中を通したのち、延伸ロールにより2倍の延伸を掛けながら巻き取った。得られたポリイミド繊維を質量比NMP:水=50:50からなる洗浄溶液で10分間洗浄をおこなったのち、純水に3時間浸漬し洗浄をおこなった。
<実施例3>
実施例1と同様の装置にPMDA22.25g(0.102モル)、DETDA24.25g(0.136モル)、NMP85g、ピリジン2.85g、トルエン50gを仕込み、反応系内を窒素置換した。窒素気流下80℃にて30分間撹拌することによりPMDAを溶解させ、その後180℃まで昇温して2時間加熱撹拌をおこなった。反応によって生成した水は、トルエンとの共沸によって反応系外へ留去した。
次に、120℃まで冷却し、BPDA23.24g(0.0782モル)、BAPP13.96g(0.034モル)、NMP100gを加えて5分間撹拌した後に180℃まで昇温し、加熱撹拌しながら2時間反応をおこなった。反応中に生成する水はトルエン、ピリジンとの共沸混合物として反応系外へ除いた。
次に、120℃まで冷却し、4,4‘−ジアミノベンズアニリド(DABAN)2.32g(0.0102モル),NMP132.14gを加えて5分間撹拌した後に180℃まで昇温し、加熱撹拌しながら6時間反応をおこなった。反応中に生成する水はトルエン、ピリジンとの共沸混合物として反応系外へ除いた。反応終了後、120℃まで冷却し、20質量%濃度のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド共重合体を成膜し、ガラス転移温度の測定をおこなったところ、ガラス転移温度は375℃であった。得られたポリイミド共重合体の構造は、下記の式(15)のとおりである。
(式中Rは、メチル基またはエチル基である)
得られたポリイミド共重合体を減圧脱泡後、湿式紡糸装置(RIOTEC製)を用い、質量比NMP:水=86:14からなる6℃の凝固液中に、内径0.26mmのノズルから0.3ml/minの速度でポリイミド共重合体を吐出し、35m/minの速度で凝固液中を通し紡糸をおこなった。得られたポリイミド繊維を質量比NMP:水=50:50からなる洗浄溶液で10分間洗浄をおこなったのち、純水に3時間浸漬し洗浄をおこなった。
<実施例4>
実施例1と同様の装置にBPDA51.72g(0.1758モル)、DETDA21.84g(0.1225モル)、NMP160.80g、ピリジン2.77g、トルエン31.10gを仕込み、反応系内を窒素置換した。窒素気流下80℃にて30分間撹拌することによりPMDAを溶解させ、その後180℃まで昇温して2時間加熱撹拌をおこなった。反応によって生成した水は、トルエンとの共沸によって反応系外へ留去した。
次に、120℃まで冷却し、pDADE10.51g(0.0525モル)、NMP71.8gを加えて5分間撹拌した後に180℃まで昇温し、加熱撹拌しながら4時間反応をおこなった。反応中に生成する水はトルエン、ピリジンとの共沸混合物として反応系外へ除いた。反応終了後、120℃まで冷却したところでNMP77.76gを添加することにより、20質量%濃度のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド共重合体を成膜し、ガラス転移温度の測定をおこなったところ、500℃未満にガラス転移温度が観測されなかった。得られたポリイミド共重合体の構造は、下記の式(16)のとおりである。
(式中Rは、メチル基またはエチル基である)
得られたポリイミド共重合体を脱泡後、電界紡糸装置を用い、10kV印加した内径0.52mmのノズルから空気中に0.005ml/minの速度でポリイミド共重合体を吐出し、ノズルから150mm離れた位置にあるマイナスに帯電させた70mm×70mmのアルミ箔に10分間捕集し、集合体を得た。このときの電界紡糸装置内の雰囲気は温度25℃、湿度61%であった。
<実施例5>
実施例1と同様の装置にPMDA14.40g(0.066モル)、DETDA17.65g(0.099モル)、NMP69.22g、ピリジン2.61g、トルエン30.24gを仕込み、反応系内を窒素置換した。窒素気流下80℃にて30分間撹拌することによりPMDAを溶解させ、その後180℃まで昇温して1時間加熱撹拌をおこなった。反応によって生成した水は、トルエンとの共沸によって反応系外へ留去した。
次に、120℃まで冷却し、BPDA29.35g(0.0997モル)、BAPP13.55g(0.033モル)、NMP140.67gを加えて5分間撹拌した後に180℃まで昇温し、加熱撹拌しながら2時間反応をおこなった。反応によって生成した水は、トルエンとの共沸によって反応系外へ留去した。
次に、120℃まで冷却し、pDADE6.61g(0.033モル),NMP16.94gを加えて5分間撹拌した後に180℃まで昇温し、加熱撹拌しながら4時間反応をおこなった。反応中に生成する水はトルエン、ピリジンとの共沸混合物として反応系外へ除いた。反応終了後、120℃まで冷却したところでNMP75.6gを添加することにより、20質量%濃度のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド共重合体を成膜し、ガラス転移温度の測定をおこなったところ、500℃未満にガラス転移温度が観測されなかった。得られたポリイミド共重合体の構造は、下記の式(17)のとおりである。
(式中Rは、メチル基またはエチル基である)
得られたポリイミド共重合体を脱泡後、電界紡糸装置を用い、10kV印加した内径0.52mmのノズルから空気中に0.005ml/minの速度でポリイミド共重合体を吐出し、ノズルから150mm離れた位置にあるマイナスに帯電させた70mm×70mmのアルミ箔に10分間捕集し、集合体を得た。このときの電界紡糸装置内の雰囲気は温度25℃、湿度59%であった。
<実施例6>
実施例1で得られたポリイミド共重合体を脱泡後、電界紡糸装置を用い、10kV印加した内径0.52mmのノズルから空気中に0.005ml/minの速度でポリイミド共重合体を吐出し、ノズルから150mm離れた位置にあるマイナスに帯電させた70mm×70mmのアルミ箔に10分間捕集し、集合体を得た。このときの電界紡糸装置内の雰囲気は温度26℃、湿度58%であった。
<比較例1>
実施例1と同様の装置に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)32.57g(0.105モル)、DETDA12.48g(0.07モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)96.91g、ピリジン2.77g、トルエン50gを仕込み、反応系内を窒素置換した。窒素気流下80℃にて30分間撹拌することによりODPAを溶解させ、その後180℃まで昇温して2時間加熱撹拌をおこなった。反応によって生成した水は、トルエンとの共沸によって反応系外へ留去した。
次に、130℃まで冷却し、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル] スルホン(mBAPS)45.41g(0.105モル)、NMP100gを加えて5分間撹拌した後にビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(BTA)17.64g(0.07モル)、NMP40gを加えて180℃まで昇温し、加熱撹拌しながら6時間反応をおこなった。反応中に生成する水はトルエン、ピリジンとの共沸混合物として反応系外へ除いた。反応終了後、120℃まで冷却したところでNMP67.69gを添加することにより、25質量%濃度のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド共重合体を成膜し、ガラス転移温度の測定をおこなったところ、ガラス転移温度は273℃であった。得られたポリイミド共重合体の構造は、下記の式(18)のとおりである。
(式中Rは、メチル基またはエチル基である)
得られたポリイミド共重合体を減圧脱泡後、湿式紡糸装置(RIOTEC製)を用い、6℃の水中に、内径0.26mmのノズルから0.3ml/minの速度でポリイミド共重合体を吐出し、35m/minの速度で凝固液中を通したのち、延伸ロールにより2倍の延伸を掛けながら巻き取った。得られたポリイミド繊維を質量比NMP:水=50:50からなる洗浄溶液で10分間洗浄をおこなったのち、純水に3時間浸漬し洗浄をおこなった。
<ガラス転移温度>
得られたポリイミド繊維または集合体を用いて、ガラス転移温度の測定をおこなった。測定は、DSC6200(セイコーインスツル株式会社製)を用い、昇温速度10℃/minの条件にて500℃まで加熱し、ガラス転移温度を測定した。得られた結果を、表1、2に示す。なお、実施例1,3,4,5および比較例1の各説明部分において記載しているポリイミド溶液中に含まれるポリイミド共重合体のガラス転移温度についても、本条件と同様の測定条件で測定したものである。
<5%熱重量減少温度(Td5)>
得られたポリイミド繊維を用いて、5%熱重量減少温度の測定をおこなった。測定は、TG/DTA6200(セイコーインスツル株式会社製)を用い、昇温条件10℃/minの条件にて、質量が5%減少したときの温度を測定した。得られた結果を表1に示す。
<機械特性>
得られたポリイミド繊維を用いて、引張弾性率、破断点応力、破断点伸度の測定をおこなった。測定は、クリープメータ(株式会社山電製 RE2−33005B)を用い、50mm長の単繊維を各5回測定し、最大の破断点応力を示したデータを用いた。なおチャック間距離は30mm、引張り速度は0.5mm/sec.とした。得られた結果を表1に示す。
<平均繊維径>
得られたポリイミド繊維および集合体を用いて、平均繊維径の測定をおこなった。測定は、電子顕微鏡(日立製作所製 SEMEDX3 TypeN)により、繊維径を10本測定し、その平均値を平均繊維径とした。得られた結果を、表1、2に示す。
上記のポリイミド共重合体を用いることにより、ガラス転移温度が300℃以上の非常に優れた耐熱性を有するポリイミド繊維および集合体が得られる。また、このポリイミド共重合体は有機溶媒に可溶性を示すため、紡糸工程を簡略化でき、且つ安定した品質のポリイミド繊維を製造することが可能となるため、産業上極めて有用である。

Claims (5)

  1. (A)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および/またはピロメリット酸二無水物と、(B)下記一般式(1)〜()、
    (式中、Xはアミノ基またはイソシアネート基、R〜Rは、2個がエチル基であり、残り2個がメチル基と水素原子である)で表される1種以上のジアミンおよび/またはジイソシアネートと、が共重合されてなるポリイミド共重合体を用いたポリイミド繊維。
  2. さらに、(C)第2の酸二無水物、および/または(D)第2のジアミンおよび/またはジイソシアネートと、が共重合されてなる請求項1に記載のポリイミド繊維。
  3. 300℃未満にガラス転移温度が観測されない請求項1または2に記載のポリイミド繊維。
  4. 500℃未満にガラス転移温度が観測されない請求項1〜何れかに記載のポリイミド繊維。
  5. 請求項1〜何れかに記載のポリイミド繊維を含む集合体。
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