JP5374023B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及びそれから得られた成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性に優れるポリカーボネート樹脂組成物、該組成物からなる構造体又はフィルムやシートなどのシート状成形体に関し、詳しくは難燃性、機械的特性、熱安定性に優れ、情報・通信機器分野、自動車分野、建築分野、OA機器分野等に利用可能な難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、該組成物からなる構造体又はシート状成形体に関する。
ポリカーボネート系樹脂は、ポリスチレン系樹脂等に比べると、高い難燃性を有しているが、OA機器、電機電子部品等の分野を中心に、更に高い難燃性を要求される分野があり、各種難燃剤の添加によりその改善が図られている。
例えば、従来から有機ハロゲン系化合物や有機リン系化合物が添加されているが、これらの難燃剤は毒性面で問題があり、特に有機ハロゲン系化合物は、燃焼時に腐食性ガスを発生すると言う問題があった。
そのため、非臭素・非リン系難燃剤による難燃化の要求が高まっている。
非臭素・非リン系難燃剤によるポリカーボネートの難燃化方法としては、シリコーン化合物や金属塩を添加する方法が公知である(例えば、特許文献1参照)。
しかし、これらの難燃剤の添加によって、衝撃強度等の機械的物性の低下や、難燃剤の二次凝集が生じ易くなり難燃性や耐衝撃性等が低下する恐れがある。
特開2005−263909号公報
本発明は、このような状況下でなされたもので、薄い肉厚においても、難燃性に優れると共に、機械的特性、熱安定性にも優れたポリカーボネート樹脂組成物、該組成物からなる構造体又はシート状成形を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、原料の二価フェノールの一部にジヒドロキシビフェニルを用いたポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体、更には上記以外のポリカーボネート樹脂からなる樹脂混合物に対して、ポリテトラフルオロエチレンを配合することにより、優れた特性を有する難燃性のポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1.原料の二価フェノールの一部にジヒドロキシビフェニルを用いたポリカーボネート樹脂(A−1)5〜99質量%、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)1〜95質量%、(A−1)成分、(A−2)成分以外のポリカーボネート樹脂(A−3)0〜94質量%からなる樹脂混合物(A)100質量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン(B)を0.05〜2質量部含むことを特徴とし、非晶質スチレン系樹脂及び脂肪酸ポリエステル系樹脂を含まないポリカーボネート樹脂組成物、
2.(A−1)成分の原料である二価フェノール中のジヒドロキシビフェニルの割合が5〜50モル%である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
3.(A−2)成分中のポリオルガノシロキサンセグメントの含有量が0.1〜10質量%である上記1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4.(A)成分100質量部に対して、更にリン系酸化防止剤(C)を0.0001〜2質量部含む上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物、
5.成形して得られる厚さ0.8mm又は0.4mmの成形体が、UL規格94に準拠した難燃性評価でV−0を達成する上記1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物、
上記1〜のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる構造体、
上記1〜のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるシート状成形体
を提供するものである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、原料の二価フェノールの一部にジヒドロキシビフェニルを用いたポリカーボネート樹脂を用いることにより、難燃性と耐熱性(耐熱分解性)が向上し、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体及びポリテトラフルオロエチレンを用いることにより、更に耐熱性、難燃性及び耐衝撃性が上昇する。
また、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を用いると、リン系酸化防止剤の分散性低下を改善することが可能となる。
従って、ポリカーボネート樹脂が有する優れた耐衝撃性を低下させずに、薄肉においても、飛躍的に難燃性が向上すると共に、機械的特性、熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物、該組成物からなる構造体又はフィルムやシートなどのシート状成形体を得ることが可能となった。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
まず、本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、(A−1)成分、(A−2)成分以外のポリカーボネート樹脂(A−3)としては、特に制限はなく、種々のものを挙げることができる。
通常、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造されるポリカーボネート樹脂を用いることができる。
必要に応じて末端停止剤として、一価フェノール化合物を用いることができる。
更に、分岐剤を用いることも可能である。
二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法(界面法)又は溶融法、すなわち、二価フェノールとホスゲンの反応、二価フェノールとジフェニルカーボネート等とのエステル交換法により反応させて製造されたものを用いることができる。
二価フェノールとしては、様々なものを挙げることができるが、
ここで、二価フェノールとしては、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等を挙げることができる。
なかでも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系、特に、ビスフェノールAが好ましい。
カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、又はハロホルメート等であり、具体的にはホスゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等である。
この他、二価フェノールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン及びカテコール等を挙げることができる。
これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
炭酸エステル化合物としては、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートやジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが例示できる。
末端停止剤としては、一般式(1)
Figure 0005374023
(式中、R1は炭素数1〜9のアルキル基、炭素数6〜20のアリ−ル基又はハロゲン原子を示し、aは0〜5の整数を示す。)
で表される一価フェノール化合物を使用すればよく、パラ置換体が好ましい。
具体的には、フェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、p−tert−アミルフェノール等を挙げることができる。
その他、分岐剤としては、例えば、1,1,1−トリス(4−ヒドキシフェニル)エタン、α,α',α''−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−〔α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α',α'−ビス(4''−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)等の官能基を三個以上有する化合物を用いることができる。
次に、原料の二価フェノールの一部にジヒドロキシビフェニルを用いたポリカーボネート樹脂(A−1)としては、上記ポリカーボネート樹脂(A−3)の重合時に原料の二価フェノールの一部をジヒドロキシビフェニルに変えることにより得られるものである。
ジヒドロキシビフェニルとしては、一般式(2)
Figure 0005374023
(式中、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜12の置換又は無置換のアリール基及びハロゲン原子から選ばれる基を示す。b及びcは1〜4の整数である。)
で表される化合物が挙げられる。
具体的には、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、3,5,3',5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、3,3'−ジフェニル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル及び2,3,5,6,2',3',5',6'−ヘキサフルオロ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。
これらのジヒドロキシビフェニルは、ポリカーボネート樹脂(A−3)の重合時に二価フェノールと併用して使用されるが、その使用量は、二価フェノールの全量に基づき、5〜50モル%、好ましくは5〜30モル%、より好ましくは10〜20モル%である。
ジヒドロキシビフェニルの含有率が5モル%以上であると十分な難燃性効果が得られ、また50モル%以下であると良好な耐衝撃性が得られる。
また、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)としては、一般式(3)
Figure 0005374023
(式中、R4は炭素数1〜35のアルキル基を示し、dは0〜5の整数を示す。)
で表わされる末端基を有し、例えば、特開昭50−29695号公報、特開平3−292359号公報、特開平4−202465号公報、特開平8−81620号公報、特開平8−302178号公報及び特開平10−7897号公報に開示されている共重合体を挙げることができ、R4で示される炭素数1〜35のアルキル基は、直鎖状のものでも分岐状のものでもよく、結合の位置は、p位、m位、o位のいずれでもよいがp位が好ましい。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)としては、好ましくは、一般式(4)で表される構造単位からなるポリカーボネート部と一般式(5)で表される構造単位からなるポリオルガノシロキサン部(セグメント)を分子内に有する共重合体を挙げることができる。
Figure 0005374023
ここで、R5及びR6は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、同一でも異なっていてもよい。
7〜R10は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、好ましくはメチル基である。
7〜R10はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
11は脂肪族又は芳香族を含む二価の有機残基を示し、好ましくは、o−アリルフェノール残基、p−ヒドロキシスチレン残基又はオイゲノール残基である。
1は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリデン基、炭素数5〜20のシクロアルキレン基又は炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、あるいは−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−結合を示す。
好ましくは、イソプロピリデン基である。
e及びfは0〜4の整数で好ましくは0である。
nは1〜500の整数で、好ましくは5〜200、より好ましくは15〜150、更に好ましくは30〜120である。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)は、例えば、予め製造されたポリカーボネート部を構成するポリカーボネートオリゴマーと、ポリオルガノシロキサン部(セグメント)を構成する末端にo−アリルフェノール基、p−ヒドロキシスチレン基、オイゲノール残基等の反応性基を有するポリオルガノシロキサン(反応性PORS)とを、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等の溶媒に溶解させ、二価フェノールの苛性アルカリ水溶液を加え、触媒として、第三級アミン(トリエチルアミン等)や第四級アンモニウム塩(トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等)を用い、一般式(6)
Figure 0005374023
(式中、R4は炭素数1〜35のアルキル基を示し、dは0〜5の整数を示す。)
で表されるフェノール化合物からなる一般の末端停止剤の存在下、界面重縮合反応することにより製造することができる。
このフェノール化合物としては、フェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、ドコシルフェノール、テトラコシルフェノール、ヘキサコシルフェノール、オクタコシルフェノール、トリアコンチルフェノール、ドトリアコンチルフェノール、テトラトリアコンチルフェノール、p−tert−ペンチルフェノール等を挙げることができる。
これらは一種でもよく、二種以上を混合したものでもよい。
また、これらのフェノール化合物には、必要に応じて他のフェノール化合物等を併用しても差し支えない。
上記ポリオルガノシロキサン部(セグメント)は、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)に対して、通常0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%、より好ましくは3〜5質量%である。
ポリオルガノシロキサン部(セグメント)の含有率が0.1質量%以上であると難燃性が向上し、10質量%以下であると難燃性と機械的物性のバランスに優れる。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)の製造に使用されるポリカーボネートオリゴマーは、例えば、塩化メチレン等の溶媒中で、二価フェノールとホスゲン又は炭酸エステル化合物等のカーボネート前駆体とを反応させることによって容易に製造することができる。
ここで、二価フェノールとしては、上記ポリカーボネート樹脂(A−3)において述べた二価フェノールと同様の化合物を用いることができる。
なかでも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系、特に、ビスフェノールAが好ましい。
これらの二価フェノールはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリカーボネートオリゴマーは、例えば、塩化メチレン等の溶媒中において、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応により、又は二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応等によって製造される。
また、炭酸エステル化合物としては、上記ポリカーボネート樹脂(A−3)において述べた炭酸エステル化合物と同様の化合物を用いることができる。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)の製造に供されるポリカーボネートオリゴマーは、上記の二価フェノール一種を用いたホモポリマーであってもよく、又二種以上を用いたコポリマーであってもよい。
更に、分岐剤を二価フェノールと併用して得られる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであってもよい。
この場合、分岐剤としては、ポリカーボネート樹脂(A−3)において述べた分岐剤と同様の化合物を用いることができる。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)は、上記のようにして製造することができるが、一般にポリカーボネートが副生し、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)を含むポリカーボネートとして製造される。
なお、上記の方法によって製造されるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)は、実質的に分子の片方又は両方に一般式(3)で表される末端基を有するものである。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)としては、ポリオルガノシロキサンがポリジメチルシロキサンであって、ポリジメチルシロキサンの鎖長(n)が30〜120であるポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、原料の二価フェノールの一部にジヒドロキシビフェニルを用いたポリカーボネート樹脂(A−1)の粘度平均分子量は、通常、10,000〜50,000、好ましくは13,000〜35,000、より好ましくは15,000〜20,000である。
また、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)の粘度平均分子量は、通常、10,000〜50,000、好ましくは13,000〜35,000、より好ましくは15,000〜20,000である。
更に、(A−1)成分、(A−2)成分以外のポリカーボネート樹脂(A−3)の粘度平均分子量は、通常、10,000〜50,000、好ましくは13,000〜35,000、より好ましくは15,000〜25,000である。
本発明の樹脂混合物(A)において、ポリカーボネート樹脂(A−1)の含有量は、5〜99質量%、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜70質量%である。
含有量が5質量%以上であると薄肉での難燃効果が良好であり、99質量%以下であると成形性が向上し、難燃性と機械的物性のバランスに優れる。
また、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)の含有量は、1〜95質量%、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは15〜50質量%である。
含有量が1質量%以上であると難燃性が向上し、95質量%以下であると成形性が良好で難燃性と機械的物性のバランスに優れる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、ポリテトラフルオロエチレン(B)としては特に制限はないが、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンであることが好ましい。
「フィブリル形成能」とは、せん断力等の外的作用により、樹脂同士が結合して繊維状になる傾向を示すことをいう。
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に溶融滴下防止効果を付与し、難燃性を更に向上させる。
ポリテトラフルオロエチレン(B)の具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等)等を挙げることができる。
これらの中では、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、極めて高い分子量を有し、標準比重から求められる数平均分子量で、通常50万以上、好ましくは50万〜1500万、より好ましく100万〜1000万である。
ポリテトラフルオロエチレンは、例えば、テトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウムあるいはアンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、1〜100psi(6.895〜689.5kPa)程度の圧力下、温度0〜200℃程度、好ましくは20〜100℃で重合することによって得ることができる。
ポリテトラフルオロエチレンは、固体形状の他、水性分散液形態のものも使用することができる。
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば、ASTM規格によりタイプ3に分類されるものを用いることができる。
このタイプ3に分類される市販品としては、例えば、テフロン6―J(商品名、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)、ポリフロンD−1及びポリフロンF−103(商品名、ダイキン工業株式会社製)、CD−076(商品名、旭硝子株式会社製)等が挙げられる。
また、タイプ3以外では、アルゴフロンF5(商品名、モンテフルオス社製)及びポリフロンMPA FA―100(商品名、ダイキン工業株式会社製)等が挙げられる。
上記(B)成分は、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、ポリテトラフルオロエチレン(B)の配合量は、樹脂混合物(A)100質量部に対して0.05〜2質量部であり、好ましくは0.1〜1質量部、より好ましくは0.2〜0.2質量部である。
(B)成分を上記範囲内で配合をすることにより、難燃性、熱安定性が更に改良される。
すなわち、配合量が0.05質量部以上であると十分な溶融滴下防止効果を得ることができ、2質量部以下であるとポリカーボネート樹脂組成物の耐衝撃性、成形性(成形品の外観)が良好であると共に、混練押出し時にストランドの吐出が脈動せず、安定してペレットを製造することができると共に、難燃性、熱安定性が向上する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、更にリン系酸化防止剤(C)を配合することができる。
リン系酸化防止剤(C)としては、亜リン酸エステル、リン酸エステルが好適であり、これらは一種を単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
亜リン酸エステルとしては、一般式(7)
Figure 0005374023
(式中、R12及びR13は、それぞれ水素,アルキル基,シクロアルキル基又はアリール基を示す。なお、シクロアルキル基及びアリール基は、アルキル基で置換されていてもよい。)
で表わされるものである。
具体的には、式(8)[アデカスタブPEP−36:旭電化工業(株)製]、(9)〜(12)の化合物を例示することができる。
Figure 0005374023
更に、上記以外のホスファイト系化合物としては、トリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト等を例示することができる。
亜リン酸エステルとしては、ペンタエリスリトール構造を含むものやアルキルエステル構造を含むものが好ましい。
リン酸エステルとしては、例えば、一般式(13)
Figure 0005374023
(式中、R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、Xは2価以上の有機基を表し、pは0又は1であり、qは1以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。)
で表わされる化合物が挙げられる。
一般式(13)において、有機基とは、置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等をいう。
置換されている場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基等が挙げられる。
更に、これらの置換基を組み合わせた基であるアリールアルコキシアルキル基等、又はこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子等により結合して組み合わせたアリールスルホニルアリール基等を置換基としたもの等が挙げられる。
また、一般式(13)において、2価以上の有機基Xとしては、上記有機基から、炭素原子に結合している水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基を意味する。
例えば、アルキレン基、(置換)フェニレン基、多核フェノール類であるビスフェノール類から誘導されるものである。
好ましいものとしては、ビスフェノールA、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
リン酸エステルは、モノマー、オリゴマー、ポリマー又はこれらの混合物であってもよい。
具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジイソプピルフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾルシノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等を挙げることができる。
リン酸エステルとしては、リン酸モノアルキル・ジアルキルエステルが好ましい。
好適に用いることができる市販のハロゲン非含有リン酸エステル化合物としては、例えば、旭電化工業(株)製のAX−71[モノ・ジアルコキシ型リン酸エステル]、大八化学工業(株)製の、TPP[トリフェニルホスフェート]、TXP[トリキシレニルホスフェート]、PFR[レゾルシノール(ジフェニルホスフェート)]、PX200[1,3−フェニレン−テスラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、PX201[1,4−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、PX202[4,4'−ビフェニレン−テスラキス)2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等を挙げることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、リン系酸化防止剤(C)の配合量は、樹脂混合物(A)100質量部に対して、通常0.0001〜2質量部であり、好ましくは0.001〜1質量部、より好ましくは0.01〜0.3質量部である。
配合量が上記範囲内であると、薄肉成形時に必要となる高温においても、熱安定性が向上する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、上記成分と共に、熱可塑性樹脂に常用されている添加剤成分を必要により配合することができる。
添加剤成分としては、例えば、可塑剤、無機充填剤、シリコーン系化合物等が挙げられる。
添加剤成分の配合量は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の特性が維持される範囲であれば特に制限はない。
次に、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記(A−1)成分及び(A−2)成分、必要に応じて(A−3)成分、(B)成分、更に必要に応じて(C)成分を常法により配合し、更には他の添加剤成分を常法により配合し、溶融・混練することにより得ることができる。
配合及び溶融・混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等を用いる方法で行うことができる。
溶融混練の際の加熱温度は、通常、250〜300℃の範囲、好ましくは260〜
280℃の範囲である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記の溶融混練物、あるいは、得られたペレットを原料として、公知の成形方法、例えば、中空成形法、射出成形法、押出成形法、真空成形法、熱曲げ成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、回転成形法等を用い、構造体あるいはフィルムやシートなどのシート状成形体を得ることができる。
本発明は、また、上記した本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる構造体、並びにフィルムやシートなどのシート状成形体をも提供する。
次に、本発明を実施例により、更に詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
性能評価は、下記の測定方法に従って行なった。
(1)及び(2)難燃性
UL規格94に従って作成した厚さ1/32インチ及び1/64インチ(0.4mm)の試験片を用いて垂直燃焼試験を行った。
試験の結果に基づいて、UL94V−0、V−1、又はV−2out(not−V)のいずれかの等級に評価した。
(3)アイゾット(IZOD)衝撃強度
射出成形機で作成した厚さ3.2mm(1/8インチ)の試験片を用いて、ASTM規格D−256に準拠して測定した。
(4)熱安定性
成形機内で320℃、20分間滞留させた後、80×40×3mmの角板を成形し、成形前のポリカーボネートペレット及び成形後のポリカーボネート成形品をジクロロメタンに溶解させ、不溶分をろ過して、ろ液からポリマーを回収し、ポリマーの粘度平均分子量(Mv)を測定した。
粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式にて算出したものである。
〔η〕=1.23×10-5Mv0.83
製造例1〔ポリカーボネート−ジヒドロキシビフェニル共重合体(A−1)の製造〕
(1)ポリカーボネートオリゴマーの製造
濃度5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、後に溶解するビスフェノールA(BPA)に対して0.2質量%の亜二チオン酸ナトリウムを加え、ここにBPA濃度が13.5質量%になるようにBPAを溶解し、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
内径6mm、管長30mの管型反応器に、上記BPAの水酸化ナトリウム水溶液を40L/hr及び塩化メチレンを15L/hrの流量で連続的に供給すると共に、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で連続的に供給した。
管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器から送出された反応液は、後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここに更にBPAの水酸化ナトリウム水溶液を2.8L/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液を0.07L/hr、水を17L/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/hrの流量で供給し、29〜32℃で反応を行った。
槽型反応器から反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマー溶液は、オリゴマー濃度338g/L、クロロホーメート基濃度0.71モル/Lであった。
(2)ポリカーボネート−ジヒドロキシビフェニル共重合体の製造
邪魔板、パドル型攪拌翼を備えた内容積50Lの槽型反応器に上記オリゴマー溶液15.0L、塩化メチレン10.5L、p−tert−ブチルフェノール132.7g、トリエチルアミン1.4mLを仕込み、ここにジヒドロキシビフェニルの水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム640gと亜二チオン酸ナトリウムNa2241.8gを水9.3Lに溶解した水溶液に、4,4'−ジヒドロキシビフェニル890gを溶解させたもの)を添加し、1時間重合反応を行った。
希釈のため塩化メチレン10.0Lを加えた後、静置することにより、ポリカーボネートを含む有機相と過剰の4,4'−ジヒドロキシビフェニル及び水酸化ナトリウムを含む水相に分離し、有機相を単離した。
上記(2)で得られたポリカーボネート−ジヒドロキシビフェニル共重合体の塩化メチレン溶液を、その溶液に対して15体積%の0.03モル/L水酸化ナトリウム水溶液、0.2モル/L塩酸で順次洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.05μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。
上記(3)で得られたポリカーボネート−ジヒドロキシビフェニル共重合体の塩化メチレン溶液を濃縮、粉砕することでポリカーボネート−ジヒドロキシビフェニル共重合体のフレークを得た。
得られたフレークを減圧下120℃で12時間乾燥した。
粘度平均分子量(Mv)は17500であり、1H−NMRによりジヒドロキシビフェニル含有量を測定したところ、15.9モル%であった。
製造例2〔ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(A−2)の製造〕
(1)ポリカーボネートオリゴマーの製造
400Lの5質量%水酸化ナトリウム水溶液に、60kgのビスフェノールA(BPA)を溶解させ、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
次いで、室温に保持したこのBPAの水酸化ナトリウム水溶液を138L/時間の流量で、また、塩化メチレンを69L/時間の流量で、内径10mm、管長10mの管型反応器にオリフィス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して10.7kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反応させた。
ここで用いた管型反応器は二重管となっており、ジャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温度を25℃に保った。
また、排出液のpHは10〜11となるように調整した。
このようにして得られた反応液を静置することにより、水相を分離、除去し、塩化メチレン相(220L)を採取して、ポリカーボネートオリゴマー(濃度317g/L)を得た。
ここで得られたポリカーボネートオリゴマーの重合度は2〜4であり、クロロホーメイト基の濃度は0.7規定(0.7モル/L)であった。
(2)反応性ポリジメチルシロキサンの製造
1,483gのオクタメチルシクロテトラシロキサン、96gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン及び35gの86質量%硫酸を混合し、室温で17時間攪拌した。
その後、オイル相を分離し、25gの炭酸水素ナトリウムを加え1時間攪拌した。
濾過した後、150℃、3torr(4×102Pa)で真空蒸留し、低沸点物を除きオイルを得た。
60gの2−アリルフェノールと0.0014gの塩化白金−アルコラート錯体としてのプラチナとの混合物に、上記で得られたオイル294gを90℃の温度で添加した。
この混合物を90〜115℃の温度に保ちながら3時間攪拌した。
生成物を塩化メチレンで抽出し、80質量%の水性メタノールで3回洗浄し、過剰の2−アリルフェノールを除いた。
その生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で115℃に加熱して溶剤を留去した。
得られた末端フェノールポリジメチルシロキサンは、1H−NMRの測定により、ジメチルシラノオキシ単位の繰り返し数は30であった。
(2)ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の製造
上記(2)で得られた反応性ポリジメチルシロキサン182gを塩化メチレン2Lに溶解させ、上記(1)で得られたポリカーボネートオリゴマー10Lを混合した。
そこへ、水酸化ナトリウム26gを水1Lに溶解させたものと、トリエチルアミン5.7cm3を加え、500rpmで室温にて1時間攪拌、反応させた。
反応終了後、上記反応系に、5.2質量%の水酸化ナトリウム水溶液5LにビスフェノールA600gを溶解させたもの、塩化メチレン8L及びp−tert−ブチルフェノ−ル96gを加え、500rpmで室温にて2時間攪拌、反応させた。
反応後、塩化メチレン5Lを加え、更に水5Lで水洗、0.03規定(0.03モル/L)水酸化ナトリウム水溶液5Lでアルカリ洗浄、0.2規定(0.2モル/L)塩酸5Lで酸洗浄、及び水5Lで水洗2回を順次行い、最後に塩化メチレンを除去し、フレーク状のポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体を得た。
得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体を120℃で24時間真空乾燥した。
粘度平均分子量(Mv)は17,000であり、ポリジメチルシロキサンセグメント含有率は4.0質量%であった。
なお、ポリジメチルシロキサンセグメント含有率は下記の要領で行った。
1H−NMRで1.7ppmに見られるビスフェノールAのイソプロピルのメチル基のピークと、0.2ppmに見られるジメチルシロキサンのメチル基のピークとの強度比を基に求めた。
実施例1〜11、比較例1〜9
表1〜2に記載の各ポリカーボネート樹脂〔(A−1)成分、(A−2)成分、(A−3)成分〕をそれぞれ乾燥した後、(A)成分100質量部に対して、表1〜2に示す配合割合にて、(B)成分及び(C)成分をタンブラーを用いて均一にブレンドした後、径35mmのベント付き二軸押出成形機(東芝機械株式会社製、機種名:TEM35)に供給し、温度260℃で混練し、ペレット化した。
得られたペレットを100℃で10時間乾燥した後、射出成形機を用いて、シリンダー温度240℃、金型80℃で射出成形し、所望の試験片を得た。
この試験片を用いて性能評価を行った結果を表1〜2に示す。
表1〜2において、(A)〜(C)成分に用いた材料は以下の通りである。
(A−1):ポリカーボネートジヒドロキシビフェニル共重合体、粘度平均分子量17500、ジヒドロキシビフェニル含有量15.9モル%(製造例1のもの)
(A−2):ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体、粘度平均分子量(Mv)17,000、ポリジメチルシロキサンセグメント含有率4.0質量%
(A−3):ビスフェノールAポリカーボネート、粘度平均分子量(Mv)19,000、出光興産株式会社製;A1900
(B):フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、旭硝子株式会社製;CD−076
(C):リン系酸化防止剤、旭電化工業株式会社製;PEP−36
Figure 0005374023
Figure 0005374023
表1〜2より以下のことが分かる。
(1)実施例1〜11から明らかなように、本発明のポリカーボネート樹脂(A−1)とポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)、更にはポリカーボネート樹脂(A−3)からなる本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、難燃性、衝撃強度、熱安定性に優れた材料となる。
(2)比較例1〜6のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A−1)とポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)が本発明の範囲外であるため、難燃性がV−1に低下する。
(3)比較例7〜9のポリカーボネート樹脂組成物では、ポリテトラフルオロエチレン(B)が添加されていないため、燃焼中にドリップしてしまい、難燃性がV−2に低下する。
本発明により、ポリカーボネート樹脂が有する優れた耐衝撃性を低下させずに、薄肉においても、飛躍的に難燃性が向上すると共に、機械的特性、熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物、該組成物からなる構造体又はフィルムやシートなどのシート状成形体を得ることが可能となった。
従って、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、情報・通信機器分野、自動車分野、建築分野、OA機器分野等に等分野に広く用いられる。

Claims (7)

  1. 原料の二価フェノールの一部にジヒドロキシビフェニルを用いたポリカーボネート樹脂(A−1)5〜99質量%、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−2)1〜95質量%、(A−1)成分、(A−2)成分以外のポリカーボネート樹脂(A−3)0〜94質量%からなる樹脂混合物(A)100質量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン(B)を0.05〜2質量部含むことを特徴とし、非晶質スチレン系樹脂及び脂肪酸ポリエステル系樹脂を含まないポリカーボネート樹脂組成物。
  2. (A−1)成分の原料である二価フェノール中のジヒドロキシビフェニルの割合が5〜50モル%である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. (A−2)成分中のポリオルガノシロキサンセグメントの含有量が0.1〜10質量%である請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. (A)成分100質量部に対して、更にリン系酸化防止剤(C)を0.0001〜2質量部含む請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 成形して得られる厚さ0.8mm又は0.4mmの成形体が、UL規格94に準拠した難燃性評価でV−0を達成する請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる構造体。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるシート状成形体。
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