JP5373436B2 - 収納ケース - Google Patents
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Description
また、この収納ケースとしては、図10(a)、(b)に示すように、引出し110の底部から下方(図10(a)、(b)の下側)に突出して手前側(引出し110において取っ手111が形成されている前面板112が設けられている側)から奥側に亘って互いに平行に延びる2本の引出し側レール113の前側に突設されている山状部114が、外枠120の底板121の前側にその上面122から窪むように形成された凹部123に嵌り込む(図10(a)参照)ことで、前記引出し110が外枠120内に収納された状態を安定に維持できるようにしたものが提案されている(例えば特許文献1)。
なお、2本の引出し側レール113は、引出し110の前後方向(図10(a)、(b)左右方向)に互いに平行に延在しており、図10(a)、(b)の紙面奥行き方向に2本設けられている。
(1)図10(b)に示すように、上記収納ケース100は、外枠120の前側開口部124から引き出されている状態の引出し110を外枠120に押し込んで外枠120内に収納する際、引出し110の引出し側レール113の山状部114が、外枠120の底板121における前記前側開口部124と前記凹部123との間に位置する部分(以下、山状部乗り上げ部125)を乗り越えて外枠120の凹部123に嵌り込むようになっている。図10(a)に示すように、引出し110を外枠120に収納した状態にあっては、引出し110の前面板112を除く部分と外枠120の天板126との間に比較的大きいクリアランス(隙間)が形成される。このため、埃の侵入防止や美観確保のため、大型の前面板112を採用して前記クリアランスを隠す必要があった。
図示例の収納ケース100の引出し110は、長方形板状の底板115の外周の3辺に側板部116を立設した構成の引出し本体117に、該引出し本体117とは別体の前面板112を取り付けて前記底板115上に3つの側板部116と前面板112とからなる四角枠状の側壁部を設けた構成である。前記前面板112は前記クリアランスを隠すために前記引出し本体117から上方(図10(a)、(b)において上側)に突出した状態に設けられる。
また、この収納ケース100としては、引出し110の引出し側レール113の山状部114が山状部乗り上げ部125を乗り越えることを可能にするために、引出し本体117を外枠120内に収納したときに前記前面板112が外枠120の外側(図10(a)、(b)において左側。以下、前面側)に配置される構成が採用される。このため、この収納ケース100では引出し110の手前側部分の設計に制約があり、収納ケース100全体の意匠の制約も大きい(例えば引出し本体117を外枠120内に収納したときに前面板112も外枠120内に収納される構成にすると前記クリアランスが目立つようになる)といった不満があった。
2本の引出し側レール113の山状部114が外枠120の底板121の凹部123に嵌り込むことで、外枠120内に収納された引出し110の収納状態の安定維持を実現する点では、少なくとも引出し110に山状部114が設けられ、外枠120の底板121に凹部123が設けられていれば足り、引出し110に2本の引出し側レール113を設けることは必須では無いものの、引出側レール113は外枠120の底板121に設けられている案内溝に案内されることで外枠120に対する引出し110の移動安定性を担保する点で有用であり、また、外枠120内に収納状態の引出し110のがたつき防止にも有効に寄与するものであるため、引出側レール113を省略することは好ましくない。
このため、2本の引出し側レールが設けられている引出しを具備し、引出し側レールの山状部が外枠の底板の凹部に嵌り込むことで外枠内に収納された引出しの収納状態の安定維持を実現できる構成の収納ケースについて、山状部を凹部から離脱させた状態における外枠に対する引出しの移動抵抗を低減できる技術の開発が求められていた。
第2の発明は、前記レール状突片の後端が、前記引出しの前側に行くにしたがって前記引出しの底面からの突出寸法が増大するテーパ状部とされていることを特徴とする第1又は2の発明の収納ケースを提供する。
また、前記凹部から離脱状態にある引出しの前記山状部が外枠の案内溝の溝底に当接し、引出しのレール状突片の前記山状部よりも前側部分が案内溝の溝底に当接することで、引出しが、その後側に比べて前側が低くなるように傾斜した状態となるため、レール状突片の案内溝内面に対する接触範囲を小さく抑えることができる。これにより、外枠に対する引出しの移動抵抗を低減することができる。
図1に示すように、前記収納ケース10は、外枠20と、該外枠20に対し押し込み及び引き出しが可能である引出し30とを備えて構成されている。
図示例の外枠20は具体的には、図5に示すように、四角枠状に形成されたレールユニット21とこのレールユニット21の四隅部に立設された支柱22とが一体になっている構成の合成樹脂製の一体成形品である下枠部21Aと、この下枠部21Aの前記支柱22によって前記レールユニット21の上方に該レールユニット21と平行に支持された天板23とを具備する構成になっている。但し、本発明に係る収納ケースはこれに限定されず、レールユニット21と、支柱22と、天板23とが互いに別体の部材である構成も採用可能であることは言うまでもない。
また、レールユニットとしては、一対のレール部21aが一枚の板状部材に設けられている構成としても良い。この場合、一対のレール部は前記板状部材と一体、別体のいずれであっても良い。
引出し30の4つの側板部321、322、333,334のうちのひとつには、収納ケース10の使用者が手で把持して該引出し30の外枠20に対する押し込み及び引き出しの操作を行うための取っ手34が設けられている。以下、この取っ手34が設けられている側板部321を前板部とも言う。
また、図示例の引出し30は、その全体が合成樹脂製の一体成形品となっている。但し、引出し30としてはこれに限定されず、例えば前板部321が底板部31とは別体の部材となっている構成など、複数の部材によって組み立てられた構成のものであっても良い。
また、この2本のレール状突片36の後側(後端部)には該レール状突片36の下面から山形に突出する山状部37が形成されている。
図3(a)、(b)に示すように、前記引出し30は、前記外枠20の前側から外枠20の内側に挿脱可能になっている。外枠20において、前記引出し30は、外枠20のレールユニット21の一対のレール部21a上に載置するようにして、レールユニット21、天板23、4本の支柱22によって取り囲まれる内側の空間(外枠20の内側空間)である引出し収納部24内に、その前後方向を前記外枠20の前後方向(図3(a)、(b)において左右方向)に揃えて、前記前板部321が外枠20の前側、後板部322が外枠20の後側に配置される向きで収納される。また、外枠20の前後方向寸法は前記引出し30の前後方向寸法よりも若干長く、前記引出し30はその全体を外枠20の前記引出し収納部24内に収納することができる。
また、図3(a)、(b)に示すように、この案内溝26の後側(後端部)には、前記引出し30を外枠20内に収納したときに前記レール状突片36の前記山状部37が嵌まる凹部27が形成されている。
図6(a)に示すように、前記2本の案内溝26は、その深さ寸法dが前記レール状突片36の前記山状部37以外の部分の前記引出し30の底板部31からの突出寸法t(底面35からの突出寸法)よりも小さく形成されている。換言すれば、この収納ケース10は、前記引出し30のレール状突片36の山状部37以外の部分の引出し30の底面35からの突出寸法tが、前記レールユニット21のレール部21aの案内溝26の深さ寸法dよりも大きくしてある。このため、図3(a)に示すように、外枠20内に収納された引出し30の前記レール状突片36の前記山状部37が案内溝26の凹部27に嵌り込んだ状態(このときの引出し30の位置を、以下、安定収納位置とも言う)において、前記引出し30はその底面35が外枠20の前記レールユニット21のレール部21aから上方に離隔した位置となるように配置される。
一方、引出し30の山状部37は、前記凹部27と対応する山形に形成されており、図7(a)に示すように、前記凹部27に嵌ったとき(引出し30が安定収納位置にあるとき)に、その頂部371から前後両側の傾斜面372、373が前記凹部27の最深部271を介して前後両側の傾斜面272、273に当接することにより、前記頂部371が前記凹部27の最深部271上に位置決めされる。このとき、山状部37の頂部371から前側の傾斜面(前側傾斜面372)が凹部27の前側傾斜面272に面接触するようにして当接し、山状部37の頂部371から後側の傾斜面(後側傾斜面373)が凹部27の後側傾斜面273に面接触するようにして当接する。
また、安定収納位置にある引出し30は、凹部27に嵌り込んでいる山状部37が前記凹部27から前側に引き出されない限り、外枠20に対する収納状態を安定に保つことができる。
図10(a)、(b)を参照して説明した従来構成の収納ケース100では、既述のように、外枠120に対する引出し110の押し込み操作及び引き出し操作において、引出し側レール113の前記山状部114から奥側(図10(a)、(b)において右側)の部分が広範囲にわたって外枠120の底板121に接触して、外枠120に対する引出し110の移動抵抗が増大するといった現象が生じるが、本発明に係る収納ケース10は、上述のように外枠20に対する引出し30の押し込み操作及び引き出し操作において引出し30が傾斜状態を保ったまま外枠20の前記レールユニット21のレール部21aに沿ってスライド移動するため、引出し30のレール状突片36がその広範囲にわたって案内溝26の内面に接触するといった現象は生じず、外枠20から引き出された状態の引出し30の外枠20に対する押し込み操作及び外枠20内に収納状態にある引出し30の引き出しの操作における山状部37が凹部27から離脱状態にあるときの引出し30の移動操作を軽い力で行うことができる。
このため、図3(a)、図6(a)に示すように、引出し30が安定収納位置にあるとき、引出し30にはがたつきが殆ど(あるいは全く)生じず、安定した収納状態が得られる。
この収納ケース10にあっては、引出し30は、前板部321が外枠20から前方(外側)に位置するとき、該引出し30の前端部が後端部に比べて上側となるように傾動させることが可能であり、使用者が、外枠20に対する引出し30の押し込み操作あるいは引き出し操作を行う際に、引出し30をその前端部が後端部に比べて上側となるように傾動させる可能性がある。前記レール状突片36の後端がテーパ状部363とされている構成であれば、例えば前記レール状突片36の後端をテーパ状部363でなく直角のエッジとした構成に比べて、使用者が引出し30をその前端部が後端部に比べて上側となるように傾動させても、レール状突片36の後端や、前記レールユニット21(詳細にはレール部21a)の案内溝26溝底を形成している部分を傷付けたり、変形させるといった不都合が生じにくく、滑らかな操作感の長期安定維持の点で有利である。また、使用者が引出し30をその前端部が後端部に比べて上側となるように傾動させても、傾動させていないときに比べて、外枠20に対する引出し30の押し込み操作及び引き出し操作の操作感に殆ど(あるいは全く)変化が無く、使用者による引出し30の操作方向のばらつきに対して滑らかな操作感を安定に確保できる。
なお、図示例のテーパ状部363は、引出し30の前側に行くにしたがって前記引出し30の底板部31からの突出寸法が増大する形状の湾曲部となっているため、案内溝26の凹部27の後側傾斜面273の傷付きや変形の防止の点で特に好ましい。
但し、本発明は、レール状突片36の後端が直角のエッジとされている構成も含む。
また、引出し30の前板部321は、外枠20に収納したときに前記クリアランスCを隠すために、3つの側板部322、323、324よりも上方に突出する上部突出部325を有している。引出し30を外枠20に収納したときには、上部突出部32によって前記クリアランスCが隠され、収納ケース10の前側にクリアランスCが開口しないため、前記上部突出部32によって引出し30内部への埃の侵入を防ぐことができる。
また、この収納ケース10によれば、外枠20に対する引出し30の押し込み操作及び引き出し操作の際に、傾斜状態の引出し30が案内溝26の長手方向に移動する際の移動抵抗を低減でき、引出し30を軽い力で移動させることができるといった優れた効果が得られる。
例えば、図8、図9に示すように、上述の実施形態の引出し30の幅寸法(底板部31上面において前後方向に直交する方向)を前後方向寸法に比べて短くした構成の引出し30Aと、この引出し30Aを収納するための細長形状の外枠40とを具備してなる収納ケース50も採用可能である。
この収納ケース50の外枠40は、前記引出し30Aの案内用の一対のレール部41aを有する長方形枠状のレールユニット41と、このレールユニット41の幅方向(短手方向)両側に立設された一対の側板42と、この一対の側板42上に前記レールユニット41と平行に設けられた天板43と、前記レールユニット41の長手方向片端に立設された奥板44とを具備し、前記レールユニット41の長手方向に沿って延在する細長形状に形成されている。外枠40の長手方向において、前記奥板44が設けられている端部(奥端)とは反対側の端部(前端)は引出し30Aの挿脱用の開口部45とされている。
前記レールユニット41は、案内溝26が形成され互いに平行に延在する一対のレール部41aの延在方向(長手方向)を長手方向とする長方形枠状になっている。前記案内溝26は細長形状の前記レール部21aの長手方向(延在方向)に沿って延在形成されている。図9に示すように、前記案内溝26の凹部27は、案内溝26の奥端部(奥板44側の端部)に形成されている。
Claims (2)
- 外枠と、該外枠に対し押し込み及び引き出しが可能である引出しと、を備えた収納ケースであって、
前記引出しには、該引出しの底面から下方に突出して、該引出しの前記外枠に対する押し込み及び引出しの操作を行うための取っ手が設けられている前側から後側に亘って互いに平行に延びる2本のレール状突片が設けられ、
前記外枠には、前記引出しの前記レール状突片が挿入される2本の案内溝が前後方向に延在して互いに平行に形成され、
前記2本の案内溝はその深さ寸法が前記レール状突片の後側の下面に突出する山状部を除く部分の前記引出しの底面からの突出寸法よりも小さく形成され、しかも後側に前記山状部が嵌まる凹部が形成され、
前記レール状突片は、前記引出しの底面から突出先端に向かって先細りのテーパ形状に形成されている板状片となっており、
前記山状部の頂部の先端の厚み寸法は前記下面の厚み寸法に比べて小さくなっており、該山状部は前記凹部に面接触するようにして当接することを特徴とする収納ケース。 - 前記レール状突片の後端が、前記引出しの前側に行くにしたがって前記引出しの底面からの突出寸法が増大するテーパ状部とされていることを特徴とする請求項1に記載の収納ケース。
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