JP2002017486A - 引出しのスライド構造 - Google Patents
引出しのスライド構造Info
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Abstract
りがよく、重心の安定性に優れた二段階式のスライド構
造を採用するにあたり、成型および組み立てが容易な新
規なスライド構造を提供する。 【解決手段】 引出し20を二段スライド構造によって
全部を引き出せる構成を採用した。即ち、引出し20を
スライド可能に支持するスライドレール40と、さらに
このスライドレールをスライド可能に支持するレール支
持棚30とから構成する。レール支持棚30はスライド
レール40の支持段部を有し、筐体10の左右側壁に組
み付けられるもので、支持段部を数段形成したレール支
持棚を用いることで複数個の引出しをも支持することが
できる。
Description
ック製収納ボックスにおいて、特に成型や組み立てが容
易な引出しの二段スライド構造に関するものである。
といった記録メディアを含め、多種多様に亘る物品を整
然と収納できる引出し式の収納ボックスは種々存在する
が、その中でもボックス全体あるいは筐体を除く部材
(特に引出し)をプラスチック成型したものが広まりつ
つある。
ボックスは近年のプラスチック成型技術の発達によりス
テンレス製や木製の収納ボックスに比べて生産性がよ
く、比較的安価に購入できること、第二に必要に応じて
事後的に買い足したり、また引出しの組み合わせもカス
タマイズしやすいこと、第三に着色透明の樹脂を用いて
成型することによりモダンなデザインを施しやすいこと
などが挙げられ、これらはステンレス製や木製の収納ボ
ックスではなし得ないプラスチック製収納ボックス特有
の特徴といえる。また、重厚感を除けば、強度や耐久性
の面でもステンレス製などと遜色ない機能をもっている
ことも基本的な理由に挙げられる。
ボックスにおいて物品の出し入れを容易に行うために
は、引出し全体を引き出せることが好ましい。しかしな
がら従来のプラスチック製収納ボックスは、構造の簡易
なものが殆どで、特に引出しについては次のような課題
があった。すなわち、従来において引出しは筐体の内部
側壁に設けたレールに沿ってスライドさせるのみの構造
を採用しており、特に書類やファイルを縦に収容するよ
うな深い引出しの場合には、滑りが悪いという課題があ
った。
引出しを引き出すにつれその荷重がレールの筐体前方寄
りに移動し、引出し全体を引き出したときには全体の重
心がボックスの前方に位置することになって不安定であ
った。これは特に相当荷重がかかる深い引出しについて
指摘される課題である。
に別途スライドレールを介在させ、引出しをスライドレ
ールに沿って一定長さスライドさせた後、スライドレー
ル自身を筐体側レールに沿ってスライドさせることで、
引出し全体を引き出せるようにした二段階式のスライド
構造は公知であり、例えば事務用机の引出しに採用され
ている。この二段スライド構造によれば、引出しの荷重
はスライドレールに、スライドレールの荷重は筐体側レ
ールにそれぞれ分散されることになるため、滑りもよ
く、特に引出しを全部引き出したときの重心もスライド
レールの後端、つまり筐体側レールのほぼ中央に位置す
ることになるため安定性に優れるという利点がある。
述のように主として事務用机などの比較的高価なオフィ
ス家具に採用されるもので、その構造はコマを内蔵する
など極めて複雑で、しかも組み立てが専門的であり、特
にスライドレールは板金により成型されるものであった
から、同一の構造をプラスチック成型することは実質的
に不可能であり、プラスチック製ボックスに採用される
ことはなかったのである。
ので、その目的は例えばプラスチック製の収納ボックス
において、滑りがよく、重心の安定性に優れた二段階式
のスライド構造を採用するにあたり、成型および組み立
てが容易な新規なスライド構造を提供することである。
ために本発明では、引出しを二段スライド構造によって
全部を引き出せる構成を採用した。即ち、引出しをスラ
イド可能に支持するスライドレールと、さらにこのスラ
イドレールをスライド可能に支持するレール支持棚とか
ら構成する。これは部材は主としてプラスチックにより
成型する。レール支持棚はスライドレールの支持段部を
有し、筐体の左右側壁に組み付けられるもので、支持段
部を数段形成したレール支持棚を用いることで複数個の
引出しをも支持することができる。さらに、本発明の特
徴はスライドレールとレール支持棚の組み付け構造にあ
る。即ち、レール支持棚には長手方向に所定長のスライ
ド溝を設ける一方、スライドレールには前記スライド溝
に沿ってスライドするスライド片を設ける。スライド片
はスライド溝に挿入されスライド可能に支持され、且つ
スライドレールの引出し方向の抜けが防止された状態と
なる。ここで本発明ではさらに、スライド片には平板状
の抜け防止片を両者断面略T字状となるように形成し、
これをレールストッパとする一方、レール支持棚には前
記スライド溝上に前記抜け防止片が挿通可能な嵌め込み
孔を設けた。これにより二段スライド構造の引出しをプ
ラスチックでも成型でき、またその組み付けも容易とな
る。なお、引出しとスライドレールとのスライド構造
は、引出しをスライド可能に支持できるものであればよ
く、適宜構造を採用する。また、同様に引出しの抜け防
止構造も適宜構造を採用することができるが、具体的な
手段としては本願請求項2記載の発明のようになる。
を有し、且つ該スライド段部の一箇所には係止突部を形
成してなると共に、スライドレールは前記スライド段部
をスライド可能に抱持するレール部を有し、且つ該レー
ル部には前記係止突部と係合する引出しストッパを形成
してなり、さらに前記引出しストッパは弾性を持たせる
という手段を用いた。
ルは別体に成型され、これらスライドレールは後方に設
けた連結軸に連結棒を嵌合することによって連結すると
いう手段を用いた。
態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明の一
実施形態に係るスライド構造を収納ボックスに適用した
分解斜視図を示したものであり、図中、10は筐体、2
0は引出し、30は筐体内部の左右側面に組み付けられ
るレール支持棚、40は引出し20とレール支持棚30
との間に介在させるスライドレールである。
体10はステンレスなどの金属を板金成型して前方を開
放した箱型の形状を呈し、主たる特徴は後述するレール
支持棚30を組み付けるために、左右側壁の前縁を内側
にコ字状に折曲して前方係止部11をなすと共に、その
奥部には後壁に板体を溶接等によって固着して後方係止
部12としていることである。なお、この実施形態では
筐体10を金属製としたがプラスチックにより成型する
ことも可能である。
有する比較的深めの箱体22からなり、その左右側板2
3のそれぞれには上方スライド段部24および下方スラ
イド段部25を平行に長手方向に突設している。各スラ
イド段部24、25の主たる特徴は後方にあり、図2に
従って説明すると、上方スライド段部24は横部を開放
したコ字状の構造からなる一方、下方スライド段部25
は底部を開放した逆U字状の構造からなる。このうち上
方スライド段部24はリブ26によって補強されると共
に、その中途にはリブ26よりも突出して係止突部27
を形成している。なお、リブ26を形成するときは少な
くとも後述する引出しストッパと係止しない突出量に調
整することが必要であるが、当初より省略することも可
能である。
にはなだらかな登りテーパからなる膨出部28を設けて
おり、さらに引出し20の後板の上縁には溝29を凹陥
設している。
ように、一枚のプラスチック板に上下等間隔に略逆コ字
状の支持段部31…31を連続して突設してなる。各支
持段部31の間には、略四角形の嵌め込み孔32…32
を横切る状態でスライド溝33を嵌め込み孔32と共に
打ち抜き形成している。ここでスライド溝33はレール
支持棚30の横全幅に設けるのではなく、その前方寄り
終点がレール支持棚30の中途となるように設定され
る。なお、34はレール支持棚30の前後縁に複数設け
たV字状の弾性爪であり、筐体10の係止部11、12
と係合する。また、35…35はそれぞれ打ち抜きであ
り、デザイン性を持たせる意味と軽量化を図る意味を兼
ね備える。
ように、引出し20の各スライド段部24、25をスラ
イド可能に抱持する断面コ字状の上方レール部41と下
方レール部42とを中板43と共に一体成型したもので
あって、断面は略「弓」字状を呈する。各レール部4
1、42の前方には、ガイド片44、45を対向した状
態で突設している。このうち上方レール部41のガイド
片44は、引出し20の後端上縁に形成した溝29を通
って引出し20の側板23を内側からガイドするのに対
し、下方レール部42のガイド部片45は、引出し20
の下方スライド段部25の内部空間に入り込んだ状態で
ガイドする。
て、その上部水平材41a、42aには、図5に示すよ
うに、なだらかな傾斜のテーパ膨出部41b、42bを
形成している。
の中途には、引出し20の上方スライド段部24に形成
した係止突部27と当接して引出し20のスライドを停
止する引出しストッパ46を設けている。この引出しス
トッパ46は、図6に示すように、上方レール部41の
垂直材41cの一部をコ字状に打ち抜いてなり、その残
部46aに突部46bを形成することによって弾性を有
するストッパとしている。
図7に示すように、レールストッパ47をそれぞれ設け
ている。このレールストッパ47はレール支持棚30の
スライド溝33をスライド可能なスライド片47aの端
部に、レール支持棚30の嵌め込み孔32に挿通可能な
抜け防止片47bを一体的に設けた断面T字状の構造を
有する。
3の後方には、図8に示すように、上部の一部円弧を開
放した連結軸48を形成しており、連結棒48aを嵌合
する構造を有する。そして、左右のスライドレール40
は前記連結軸48に連結棒48aを嵌合することによっ
て一体とされる。
抜き49は、レール支持棚30の打ち抜き35と同様に
デザインと軽量化の意味を兼ね備える。
結棒48aは金属により成型することを予定しており、
少なくともこれらを除く引出し20、レール支持棚30
およびスライドレール40は全てプラスチックにより成
型することを必須とするが、上述のように筐体10およ
び連結棒48aもプラスチックにより成型することは可
能である。
てについて説明すると、先ずレール支持棚30を筐体1
0の左右側壁内部にそれぞれ組み付ける。このとき弾性
爪34をその弾性力に抗して筐体10の係止部11、1
2に係合させることにより、レール支持棚30を筐体1
0に嵌め殺しの状態で組み付けることができる。
ール支持棚30それぞれにスライドレール40を組み付
ける。ここでは図9に示すように、レールストッパ47
の抜け防止片47bをレール支持棚30の嵌め込み孔3
2に挿入することで(図9(A)参照)、レール支持棚
30の各支持段部31がスライドレール40の各レール
部41、42を支持し(図9(B)参照)、スライドレ
ール40はスライド溝33に沿ってスライド可能に支持
される。そして、左右のスライドレール40の連結軸4
8に連結棒48aを嵌合することによって左右のスライ
ドレール40を同期してスライドさせることができる。
4、25をスライドレール40の各レール部41、42
の前方開放部から挿入する形でスライドレール40に組
み付ける。ここでは図10に示したように、スライドレ
ール40の上方レール部41におけるガイド片44を引
出し20の溝29を通過させて、引出し20における側
板23の内側に位置させると共に、下方レール部42に
おけるガイド片45を引出し20の下方スライド段部2
5の内部空間に位置させることによって、引出し20を
スライドレール40にスライド可能に組み付けることが
できる。
4、25を係止突部27がスライドレール40の引出し
ストッパ46を乗り越えるまで挿入することで引出し2
0の組み付けは完了し、全体の組み立ても完了する。こ
の引出し20の組み付け時に係止突部27は引出しスト
ッパ45と当接するが、引出しストッパ46は上述した
ように弾性を有するため、その弾性力に抗して引出し2
0を挿入することで、ストッパ46は係止突部27に押
されて外側に一時的に変形し、引出し20を組み付ける
ことができる。また、本実施形態では引出し20の各ス
ライド段部24、25の後端上面に膨出部28を形成し
ているので、これがスライドレール40に設けたテーパ
膨出部41b、42bと当接するため、引出し20の不
用意な抜けを防止することができる。
分程度引き出した段階、すなわち係止突部27が引出し
ストッパ46と当接するまでは引出し20のみがスライ
ドレール40に沿ってスライドする。このときの荷重は
各スライド段部24、25により2段の各レール部4
1、42に分散されるから、一点に荷重が集中すること
がなく、滑りよく引出し20を引き出すことができる。
と当接した後は、スライドレール40が連動スライドし
てさらに引出し20を引き出すことができる。その最大
量はスライドレール40のレールストッパ47がレール
支持棚30のスライド溝33の終点に当接するまでであ
り、当該当接時に引出し20を筐体10から全部引き出
すことができる。そして、引出し20の全部引出し時に
はその荷重はほぼレール支持棚30におけるスライド溝
33の終点位置にかかることになるため、ボックス全体
の重心も前方寄りとなることはなく、安定性に優れるの
である。
複数の支持段部31およびスライド溝33を上下等間隔
に連設したユニット化構造としたので、引出し20およ
びスライドレール40の位置を適宜変更できる他、その
間隔を基準として引出しの深さを設定すれば、同一深さ
の引出しはもちろん、深さの異なる数種の引出しを組み
合わせた収納ボックスとすることができる。これは使用
者が使用目的等に応じて引出しの組み合わせを選択する
ことを可能とするものである。
上述したスライドレール40による二段スライド方式と
することも可能であるし、例えばスライドレール40を
省略できる比較的浅い引出し50については、図11に
示すように、直接支持段部31に当該引出しをスライド
可能に保持することもできる。このときは引出し50の
後部上端にストッパ51を設けると共に、支持段部31
の適宜個所に前記ストッパ51と当接する係止段部52
を設けることで、引出し50の抜けを防止することがで
きる。
0およびスライドレール40は全てプラスチック成型に
より構成可能であるが、スライドレール40については
左右を一体成型することが困難であるため、本実施形態
では左右を別体とし、組み付け後に連結棒によって連結
する方法をとった。従って、スライドレール40のプラ
スチック成型を容易なものとすると共に、その組み付け
もそれぞれに行うことになって簡易である。
段スライド構造をプラスチック成型により簡易に構成で
きると共に、その組み立ても簡単なものとすることがで
きた。従って、従来ではなしえなかった二段スライド構
造の引出しを有するプラスチック製収納ボックスを提供
することが可能となった。
図
視図
示した部分拡大斜視図
部分拡大斜視図
を示した斜視図(B)はスライドレールとレール支持棚
との関係を示した斜視図
部縦断面図
Claims (3)
- 【請求項1】筐体の左右側壁に組み付け可能なレール支
持棚と、このレール支持棚にスライド可能に支持される
左右のスライドレールと、このスライドレールにスライ
ド可能に支持される引出しとからなり、引出し全部を引
き出すことができる二段スライド構造であって、スライ
ドレールは後方にスライド片の端部に抜け防止片を一体
に設けたレールストッパを備えてなると共に、レール支
持棚は前記抜け防止片が挿通可能な嵌め込み孔と、前記
スライド片をスライド可能に支持するスライド溝とを備
えたことを特徴とする引出しのスライド構造。 - 【請求項2】引出しはスライド段部を有し、且つ該スラ
イド段部の一箇所には係止突部を形成してなると共に、
スライドレールは前記スライド段部をスライド可能に抱
持するレール部を有し、且つ該レール部には前記係止突
部と係合する引出しストッパを形成してなり、さらに前
記引出しストッパは弾性を有する請求項1記載の引出し
のスライド構造。 - 【請求項3】左右のスライドレールは別体に成型され、
これらスライドレールは後方に設けた連結軸に連結棒を
嵌合することによって連結する請求項1または2記載の
引出しのスライド構造。
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