以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係る水処理装置210は、ケース160を備えている。ケース160は、浄水器100(図3参照)において、ケース160の底面174に水を貯めることができるように配置されている。つまり、後述する浄水器100に水処理装置210が設置される場合には、図1の上下方向は、鉛直上下方向と略一致する。
ケース160は、流入部と流出部とを含む。流入部は、ケース160に取り付けられた流入ノズル161aと、後述する流入口172aを含む。流入ノズル161aと流入口172aとは、ケース160に水を流入させる。流出部は、ケース160から水を流出させる。流出部の詳細については、後述する。
ケース160の内部には、収容部163が形成されている。収容部163は、添加材16を収容する。収容部163において、添加材16は、鉛直方向に沿って堆積される。図1において、堆積された添加材16を堆積物166として示す。また、ケース160の内部には、貯水部164が形成されている。貯水部164は、水を貯留する。ケース160の外部と貯水部164とは、流入部によって連通されている。なお、貯水部164と収容部163とには、後述するようにそれぞれ水が流通する。そのため、貯水部164と収容部163とは、水が流通する通路の一部である。ケース160の内部において、貯水部164と収容部163とは連続している。
ケース160は、外筒170と内筒180とによって構成されている。外筒170は、周壁171と頂壁172と底壁173とを含む。外筒170は、筒形状を有している。内筒180は、収容部163を形成する。内筒180は、水処理装置210のケース160における仕切部材の一例である。
図1と図2とを参照するように、ケース160の外形を形成する周壁171は、円筒形状を有している。ケース160の水平断面において、周壁171の内面171aは円形である。周壁171は、頂壁172と底壁173との間を鉛直上下方向に延びている。周壁171は、ケース160の側面を形成する。頂壁172は、堆積物166の上端側に配置されている。頂壁172の下面は、ケース160の天井面172dを形成している。一方、底壁173の上面は、ケース160の底面174を形成している。頂壁172と底壁173とは、それぞれ略水平方向に延びている。なお、図示されていないが、頂壁172と底壁173とは、それぞれ円板形状を有している。
内筒180は、壁部としての周壁181を有している。周壁181は、天井面172dから鉛直下方に向かって延びている。周壁181は、外筒170の周壁171に囲まれている。これにより、周壁181は、周壁171の内側に配置されている。図1と図2とを参照するように、周壁181は、円筒形状を有している。ケース160の水平断面において、周壁181の内面181aと外面181bとは、それぞれ、周壁181の中心軸線C1(図2参照)を中心とする円である。外筒170の周壁171の中心軸線は、内筒180の周壁181の中心軸線C1に略一致している。
貯水部164は、外筒170の周壁171の内面171aと内筒180の周壁181の外面181bとの間の空間に形成されている。貯水部164の上端は天井面172dであって、下端は底面174である。収容部163は、内面181aと、天井面172dと、土台部材41の上面41aとによって囲まれた空間によって形成されている。ケース160の平面視において、収容部163は、貯水部164よりもケース160の内側に配置されている。ケース160の内部において、収容部163と内筒180と土台部材41を除く空間が貯水部164として構成されている。
土台部材41は、周壁181の下端181cに取り付けられている。土台部材41の上面41aは、底面174が延びる方向と平行な方向、つまり、略水平方向に延びている。土台部材41は、網状のシートまたは板等によって形成されている。なお、土台部材41の材質は特に限定されない。土台部材41は、単なる布であってもよい。土台部材41は、粒状の添加材16を支持し且つ水を上下に流通させることができるように構成されていればよい。なお、土台部材41と上面41aとが延びる方向は、底面174が延びる方向と平行でなくても構わない。
流入口172aは、頂壁172に形成されている。詳細には、頂壁172において、周壁171の内面171aの上端と周壁181の外面181bの上端との間の位置に、流入口172aが形成されている。流入口172aは、略円環形状を有している。なお、図示していないスポーク状の部分によって、流入口172aが部分的に塞がれていてもよい。このようなスポーク状の部分は、中心軸線C1を中心に放射状に延びている。
流入ノズル161aは、中心軸線C1(図2参照)を中心とする円形状の開口部である。流入ノズル161aの内周壁161cと、流入口172aとは、頂壁172において連続している。流入ノズル161aの上端は、頂壁172の上方に配置されている。
頂壁172の中心部には、開口172cが形成されている。開口172cは、収容部163の上方において、頂壁172に形成されている。開口172cの径は、流入口172aの幅(つまり、図1の左右方向に沿った流入口172aの寸法)よりも大きい。開口172cの中心には、中心軸線C1(図2参照)が通る。水処理装置210において、流出部の一例は、開口172cと流出管190とを含む。流出管190は、開口172cから収容部163に挿入された管部材の一例である。
流出管190は、上端191と下端192とを有している。流出管190は、開口172cを通して収容部163に挿入されている。流出管190の上端191は、頂壁172からケース160の外部に突出している。つまり、流出部の上端が頂壁172の上方に配置されている。流出管190の下端192には、流出口193が形成されている。流出口193および流出管190の内壁194の口径は、流入口172aの幅よりも大きい。流出口193は、流出管190の下端192において、流出管190の内壁194と一致する。なお、流出管190の内壁194によって囲まれた空間は、水が流通する通路の一部を構成する。
図1に示すように、流出口193は、鉛直上下方向に沿った収容部163の中心よりも下方に配置されている。図1において、鉛直上下方向に沿った収容部163の中心の位置は、水平線CL1によって示される。一方、流入口172aは、流出口193よりも上方に配置されている。
添加材16は、粒形状を有している。水処理装置210において、添加材16としては、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、次亜塩素酸カルシウム等を用いることができる。あるいは、添加材16は、細粒状のものとして、スクロース等のいわゆる砂糖であってもよく、塩であってもよい。
収容部163において、添加材16が積み上げられることにより、添加材16の堆積物166が形成される。収容部163に堆積された堆積物166は、上端と下端とを有している。図1に示すように、添加材16が収容部163に満杯に収容された場合は、上下方向に沿った堆積物166の上端の位置は、天井面172dの位置に略一致する。一方、上下方向に沿った堆積物166の下端の位置は、土台部材41の上面41aの位置に略一致する。
ケース160の内部において、内筒180の周壁181の下端181cは、底面174との間に空間が形成されるように、底面174の上方に配置されている。したがって、添加材16の堆積物166の下端は、底壁173よりも上方に配置されている。一方、流出口193は、堆積物166の上端と下端との間に配置されている。
以下では、ケース160の内部における水の流れについて、説明する。流入口172aを通ってケース160の外部から内部に流入した水は、貯水部164を流通する。貯水部164を通った水は、土台部材41を通ってから収容部163に流入する。収容部163を水が流通する間および収容部163に水が滞留する間に、添加材16に水が接触することにより、添加材16が水に溶出することによって、成分が水に混入される。添加材16の成分を含んだ水は、流出口193から流出管190の内壁194に囲まれた通路を通ってケース160の外部に流出する。
ケース160の外部に流出した水の圧力が極度に高くなるようにケース160の外部において水の流れが絞られた状態を除く場合は、ケース160の内部の水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口193の近傍の位置である。水処理装置210において、流出口193は、堆積物166の上端と下端との間に配置されている。つまり、ケース160の外部に流出する水の圧力が極度に高くない場合は、水面の位置は、堆積物166の上端と下端との間の位置である。これにより、堆積物166における流出口193よりも下方の部分は、略常時、水に浸かっている。一方、ケース160の外部に流出する水の圧力が極度に高くない場合は、堆積物166において、流出口193よりも上方の部分は、水と接触し難い。そのため、堆積物166における流出口193よりも上方の部分は、ほとんど水に溶出しない。
また、堆積物166における流出口193よりも上方の部分は、堆積物166における流出口193よりも下方の部分が溶けた後に、重力によって徐々に下方に移動する。これにより、添加材16の多くが収容部163に残っている間は、堆積物166の全体において水に接触する部分の体積を一定に保つことができる。このように、水処理装置210の使用状態において、流出口193は、堆積物166の上端と下端との間に配置されている。堆積物166の上端が流出口193の下方まで下がる程度に、添加材16が水に溶出することによって消失する場合は、ケース160を交換すること、または、添加材16を追加することが好ましい。
以上のように第1実施形態の水処理装置210は、ケース160を備えている。ケース160は、ケース160に水を流入させる流入部と、ケース160から水を流出させる流出口193を有する流出部とを含む。流入部は、流入ノズル161aと、流入口172aとを含む。ケース160の内部には、収容部163が形成されている。収容部163は、鉛直方向に沿って添加材16を堆積させるように収容する。収容部163に堆積された添加材16の堆積物166は、上端と下端とを有している。流出部の流出口193は、堆積物166の上端と下端との間に配置されている。
水処理装置210において、ケース160の内部に流入した水は、ケース160の内部を流通した後に流出口193を通ってケース160の外部に流出する。ケース160の内部における水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口193の近傍の位置である。
水処理装置210によれば、流出口193は、堆積物166の上端と下端との間に配置されている。そのため、水面の位置は、堆積物166の上端と下端との間の位置である。これにより、堆積物166において、流出口193よりも上方の部分は、水と接触し難い。そのため、堆積物166における流出口193よりも上方の部分は、ほとんど水に溶出しない。一方、堆積物166における流出口193よりも下方の部分は、略常時、水に浸かっている。
また、堆積物166における流出口193よりも上方の部分は、堆積物166における流出口193よりも下方の部分が溶けた後に、重力によって徐々に下方に移動する。これにより、添加材16の多くが収容部163に残っている間は、堆積物166の全体において水に接触する部分の体積を一定に保つことができる。そのため、添加材16の水への溶出量、および、水中の添加材16の成分の濃度を一定に保つことができる。
したがって、水処理装置210によれば、水中の添加材16の成分の濃度の経時変化を防止することができる。
水処理装置210において、ケース160の内部には、水を貯留する貯水部164が形成されている。貯水部164とケース160の外部とは、流入ノズル161aおよび流入口172aによって連通されている。ケース160の内部において貯水部164と収容部163とは連続している。
この構成によれば、ケース160の外部から内部に流入した水は、貯水部164を通ってから収容部163に流入する。つまり、ケース160の外部から内部に流入した水が、ケース160の内部においていきなり添加材16に接触することがない。また、堆積物166における流出口193よりも下方の部分は、ケース160の外部から内部に流入した直後の水と順序を踏まずに接触することがなく、貯水部164を通った水と接触する。そのため、堆積された添加材16が水に余分に溶出することが無い。これにより、添加材16が消失するまでの期間が短縮されることを防止することができる。
水処理装置210において、流出部の流出口193は、鉛直上下方向に沿った収容部163の中心よりも下方に配置されている。
この構成によれば、収容部163の堆積物166において、水に溶出する部分と、水に接触せずに堆積する部分とを効果的に分けることができる。これにより、添加材16の水への溶出量、および、添加材16が消失するまでの期間を適宜調整することができる。
水処理装置210において、流入部は、ケース160に形成された流入口172aを有している。流入口172aは、流出口193よりも上方に配置されている。
この構成によれば、流入口172aからケース160の内部に流入する水を、重力によって、ケース160の内部の下部に移動させることができる。ケース160の内部に流入する水の量の増加に従って、ケース160の内部の下部から流出口193までに水面が上昇する。さらに、ケース160の内部を流通する水の水圧によって、流出口193を通してケース160の外部に水を流出させることができる。このように、この構成によれば、水圧と重力とを単に考慮することによって、流入口172aを通してケース160の外部から内部に流入した水をケース160の外部に流出口193を通して流出させることができる。
水処理装置210において、ケース160は、堆積物166の上端側に配置された頂壁172を有している。流入部の流入ノズル161aの上端と、流出部の上端とは、頂壁172の上方に配置されている。
この構成によれば、流入ノズル161aおよび流入口172aを通してケース160の内部に流入される水を流通させるための管状部材と、流出部を通してケース160の外部に流出される水を流通させるための管状部材とを、頂壁172の上方において、それぞれ流入ノズル161aと流出部とに容易に接続させることができるため、水処理装置210を管状部材に容易に着脱させることができる。
水処理装置210において、ケース160は、外筒170と、仕切部材としての内筒180とによって構成されている。外筒170は、筒形状を有している。外筒170は、周壁171と頂壁172と底壁173とを含む。内筒180は、壁部としての周壁181を有している。周壁181は、収容部163を形成し且つ外筒170の周壁171の内側に配置されている。貯水部164は、外筒170の周壁171と頂壁172と底壁173と内筒180の周壁181とによって囲まれた空間に形成されている。収容部163は、貯水部164よりもケース160の内側に配置され、外筒170の頂壁172と底壁173と内筒180の周壁181とによって囲まれた空間に形成されている。
収容部163の上方において、頂壁172には開口172cが形成されている。流出部は、流出管190を含む。流出管190は、上端191と下端192とを有し且つ開口172cから収容部163に挿入されている。流出管190の上端191は、頂壁172からケース160の外部に突出している。流出管190の下端192には、流出口193が形成されている。
この構成によれば、頂壁172と底壁173と周壁171とを含む外筒170と、外筒170の周壁171の内側に配置された内筒180とによって、ケース160を容易に形成することができる。さらに、外筒170の周壁171の内側に配置された内筒180の周壁181によって収容部163を容易に形成することができる。
また、この構成によれば、流出口193は、収容部163に配置されて堆積物166に面している。これにより、流出管190の内部を通して、添加材16の成分が溶解した水をケース160の外部に容易に移動させることができる。
水処理装置210において、流入部は、ケース160の外部から貯水部164に水が流入するように外筒170に形成された流入口172aを含む。水処理装置210において、堆積物166の下端は、外筒170の底壁173よりも上方に配置されている。
この構成によれば、ケース160の内部の水は、外筒170の底壁173から堆積物166の下端を通るように、貯水部164から収容部163に容易に移動する。そのため、添加材16の成分が溶解した水が、外筒170の底壁173と堆積物166の下端との間の空間に滞留または沈殿し難い。このように、この構成によれば、ケース160の内部に添加材16の成分が溶解した水が残ることを防止することができる。
水処理装置210において、内筒180は、壁部としての周壁181を有している。外筒170の周壁171と内筒180の周壁181とは、それぞれ円筒形状を有している。水処理装置210において、外筒170の周壁171の中心軸線C1と、内筒180の周壁181の中心軸線C1とは、略一致している。
この構成によれば、流入口172aを通って外筒170の内部に流入した水が、中心軸線C1に向かって収容部163に流入し易い。そのため、堆積物166における流出口193の下方の部分の全体において、添加材16に水を容易に接触させることができる。
水処理装置210において、流入部は、ケース160の外部から貯水部164に水が流入するように頂壁172に形成された流入口172aを含む。
この構成によれば、流入口172aからケース160の内部に流入する水を、重力によって、外筒170の底壁173に移動させることができる。ケース160の内部に流入する水の量の増加に従って、底壁173から流出口193までに水面が上昇する。さらに、ケース160の内部を流通する水の水圧によって、流出口193を通してケース160の外部に水を流出させることができる。このように、この構成によれば、水圧と重力とを単に考慮することによって、流入口172aからケース160の内部に流入した水を流出口193から流出させることができる。
図3は、水処理装置210を備えた浄水器の一例としての浄水器100を示す概略図である。浄水器100は、筐体10と、フィルタユニット12と、水処理装置210と、管状部材30と、弁13と、ノズル14とを備えている。管状部材30は、液体としての水を移動させる通路を形成する。フィルタユニット12には、濾材12aが収容されている。弁13は、水を移動させる通路において、水処理装置210とノズル14との間に配置されている。弁13の開閉に応じて、水を移動させる通路において、水処理装置210とノズル14との間の水の流れが許容されたり堰き止められたりする。
フィルタユニット12は、筐体10に収容されている。管状部材30は、入水口11からノズル14まで延びている。ただし、水は、管状部材30の他に、ノズル14の内部を移動する。そのため、ノズル14は、管状部材の一部であってもよい。ノズル14には、出水口15が形成されている。入水口11は、管状部材30の内部および浄水器100の内部に水を流入させるためのものである。出水口15は、管状部材30の内部および浄水器100の内部から水を流出させるためのものである。
入水口11から管状部材30の内部に流入した水が、濾材12aに濾過されることにより、浄水器100において浄水が生成される。浄水は、水処理装置210を通過した後に、弁13まで流通する。弁13が開放されている場合に、出水口15から浄水器100の外部に浄水が排出される。
以上のように、浄水器100は、水処理装置210を備えている。浄水器100は、水処理装置210および当該浄水器100において、水中の添加材16(図1参照)の成分の濃度の経時変化を防止することができる。
なお、本発明に従った水処理装置において、収容部を形成する容器と、貯水部を形成する容器とは、それぞれ別の容器であってもよい。
なお、水処理装置210(図1参照)において、流入口172aは、頂壁172に形成されることに限定されず、周壁171または底壁173に形成されていてもよい。水処理装置210において、流入口172aは、流出口193よりも下方に配置されていてもよい。流出口193は、鉛直上下方向に沿った収容部163の中心よりも上方に配置されていてもよい。
なお、収容部163と貯水部164とは、ケース160の内部において土台部材41によって区画されていることに限定されない。例えば、鉛直方向に沿った方向における内筒180の周壁181の下端181cの位置が、ケース160の底面174の位置と略一致し、流出口193よりも下方において、内筒180の周壁181に孔が開けられている場合には、収容部163の下端の近傍を通じて収容部163と貯水部164とを連通させることができる。鉛直方向に沿った方向における内筒180の周壁181の下端181cの位置が、ケース160の底面174の位置と略一致する場合には、堆積物166の下端は底面174に配置される。
あるいは、例えば、周壁181の下端181cと底面174との間に、網状等の部材が配置されていてもよい。この部材は、収容部163と貯水部164との間において、粒状の添加材16の移動を制限し且つ水を流通させることができるように構成されていればよい。このようにすることによって、収容部163の下端の近傍を通じて収容部163と貯水部164とを連通させることができる。
以上のように、水処理装置210は、収容部163と、貯水部164と、流出口193を有する流出部とを備えている。収容部163は、下端を有し、鉛直方向に沿って添加材16を堆積させるように収容する。貯水部164には、水が流入される。流出部は、貯水部164に流入された水を収容部163の外部に流出口193を通じて流出させる。
収容部163と貯水部164とは、収容部163の下端または収容部163の下端の近傍を通じて連通している。収容部163に堆積された堆積物166は、上端と下端とを有している。鉛直方向に沿った方向における流出口193の位置は、堆積物166の上端と下端との間の位置である。
水処理装置210において、貯水部164に流入した水は、収容部163の下端または収容部163の下端の近傍を通じて収容部163に流入する。収容部163における水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口193の近傍の位置である。水処理装置210によれば、添加材16の水への溶出量、および、水中の添加材16の成分の濃度を一定に保つことができる。
水処理装置210は、収容部163と、貯水部164と、流出口193を有する流出部とを備えている。収容部163は、下端を有し、鉛直方向に沿って添加材16を堆積させるように収容する。貯水部164は、底面174を有している。貯水部164には、水が流入される。流出部は、貯水部164に流入された水を収容部163の外部に流出口193を通じて流出させる。
収容部163の下端は、貯水部164の底面174よりも上方に位置している。収容部163と貯水部164とは、収容部163の下端を通じて連通している。収容部163に堆積された堆積物166は、上端と下端とを有している。鉛直方向に沿った方向における流出口193の位置が堆積物16の上端と下端との間の位置であるように、流出口193は収容部163に配置されている。
なお、水処理装置210において、ケース160の形状は、図1と図2とに示されるものに限定されない。以下では、ケース160の他の形状について、図4を用いて説明する。なお、以下において、図1と図2とに示されるケース160と同様の機能を有する構成には同符号を付す。
なお、図4(A)〜(D)に示す形状を有するケース160においても、図1と図2とに示すケース160と同様に、周壁171は、それぞれ略水平方向に延びる頂壁172(図1参照)と底壁173(図1参照)との間を鉛直上下方向に延びている。また、図4(A)〜(D)に示す形状を有するケース160においても、図1と図2とに示すケース160と同様に、頂壁172の下面はケース160の天井面172d(図1参照)を形成し、且つ、底壁173の上面はケース160の底面174(図1参照)を形成している。
なお、図4(A)〜(D)に示す形状を有するケース160においては、流入ノズル162aと流入ノズル162bとがケース160に取り付けられている。また、流入口172eと流入口172fとが頂壁172に形成されている。詳細には、頂壁172において、周壁171の内面171aの上端と周壁181の外面181bの上端との間の位置に、流入口172eと流入口172fとが形成されている。ケース160の平面視(図示せず)において、流入口172eと流入口172fとは、中心軸線C1(図1参照)を基準に互いに対向している。流入口172eの径と、流入口172fの径とは、略同一である。流入ノズル162aの内周壁と流入口172eとは、頂壁172において連続している。流入ノズル162bの内周壁と流入口172fとは、頂壁172において連続している。
図4(A)に示すケース160は、略立方体形状を有している。ケース160の外形を形成する外筒170の周壁171は、筒形状を有し、且つ、正方形状の断面を有している。仕切部材としての内筒180は、周壁181を有している。周壁181は、天井面172d(図1参照)から鉛直下方に向かって延びている。周壁181は、外筒170の周壁171に囲まれている。図4(A)に示すケース160の内筒180の周壁181は、筒形状を有し、且つ、正方形状の断面を有している。
図4(B)に示すケース160は、略立方体形状を有している。ケース160の外形を形成する外筒170の周壁171は、筒形状を有し、且つ、正方形状の断面を有している。仕切部材としての内筒180は、周壁181を有している。周壁181は、天井面172d(図1参照)から鉛直下方に向かって延びている。周壁181は、外筒170の周壁171に囲まれている。図4(B)に示すケース160の内筒180の周壁181は、円筒形状を有している。
図4(C)に示すケース160は、円筒形状を有している。ケース160の外形を形成する外筒170の周壁171は、円筒形状を有している。仕切部材としての内筒180は、周壁181を有している。周壁181は、天井面172d(図1参照)から鉛直下方に向かって延びている。周壁181は、外筒170の周壁171に囲まれている。図4(C)に示すケース160の内筒180の周壁181は、筒形状を有し、且つ、正方形状の断面を有している。
図4(D)に示すケース160は、略立方体形状を有している。ケース160の外形を形成する外筒170の周壁171は、筒形状を有し、且つ、正方形状の断面を有している。図4(D)に示すケース160は、仕切部材として仕切壁881と仕切壁882とを有している。仕切壁881と仕切壁882とは、天井面172d(図1参照)から鉛直下方に向かって延びている。仕切壁881と仕切壁882とは、外筒170の周壁171に囲まれている。
図4(D)の左右方向(ケース160の幅方向)に沿って、仕切壁881と仕切壁882との間には、間隔があけられている。仕切壁881と仕切壁882とは、周壁171の内面171aに接触している。仕切壁881と仕切壁882とは、それぞれ周壁171の内面171aに囲まれた空間において、ケース160の奥行き方向(図4(D)の上下方向)に沿って、手前側の内面171aと奥側の内面171aとに接触している。
図4(D)に示すケース160において、貯水部164は、周壁171の内面171aと仕切壁881の外面881bとの間の空間と、周壁171の内面171aと仕切壁882の外面882bとの間の空間とに形成されている。また、図4(D)に示すケース160において、収容部163は、貯水部164よりもケース160の内側に配置され、外筒170の周壁171と頂壁172と底壁173と仕切壁881と仕切壁882とによって囲まれた空間に形成されている。詳細には、図4(D)に示すケース160において、収容部163は、周壁171の内面171aと、仕切壁881の内面881aと、仕切壁882の内面882aと、天井面172d(図1参照)と、土台部材41(図1参照)の上面41aとによって囲まれた空間によって形成されている。図4(D)に示すケース160の内部において、収容部163と仕切壁881と仕切壁882と土台部材41(図1参照)を除く空間が貯水部164として構成されている。
(第2実施形態)
以下では、第2実施形態に係る水処理装置220について、図5と図6とを用いて説明する。なお、浄水器100(図1参照)は、第1実施形態に係る水処理装置210に代わって、水処理装置220を備えていてもよい。
図5に示すように、第2実施形態に係る水処理装置220は、ケース260を備えている。ケース260は、浄水器100(図1参照)において、ケース260の底面274に水を貯めることができるように配置されている。つまり、図5の上下方向は、鉛直上下方向と略一致する。
ケース260は、流入部と流出部とを含む。流入部は、ケース260に取り付けられた流入ノズル261と、ケース260に形成された流入口271cとを含む。流入ノズル261と流入口271cとは、ケース260に水を流入させる。流出部は、ケース260から水を流出させる。流出部は、ケース260に取り付けられた流出ノズル291と、ケース260に形成された流出口271dとを含む。より詳細には、流入口271cと流出口271dとは、後述する外筒270の周壁271に形成されている。
ケース260の内部には、収容部263が形成されている。収容部263は、添加材16を収容する。収容部263において、添加材16は、鉛直方向に沿って堆積される。また、ケース260の内部には、貯水部264が形成されている。貯水部264は、水を貯留する。ケース260の外部と貯水部264とは、流入部によって連通されている。なお、貯水部264と収容部263とには、後述するようにそれぞれ水が流通する。そのため、貯水部264と収容部263とは、水が流通する通路の一部である。ケース260の内部において、貯水部264と収容部263とは連続している。
ケース260は、筒形状を有している。また、ケース260は、外筒270と仕切部材280とによって構成されている。外筒270は、周壁271と頂壁272と底壁273とを含む。周壁271は、ケース260の側面を形成する。
仕切部材280は、仕切壁281を有している。仕切壁281は、外筒270の頂壁272と底壁273との間において上下方向に沿った方向に延びている。仕切部材280は、外筒270の周壁271と頂壁272と底壁273とに囲まれた空間を、貯水部264と収容部263とに区画する。流入口271cは、外筒270の周壁271に形成されている。流出口271dは、添加材16の堆積物266と面するように外筒270の周壁271に形成されている。
図6に示すように、仕切壁281は、周壁271の内面271aに接触している。仕切壁281は、周壁271の内面271aに囲まれた空間において、ケース260の奥行き方向(図6の上下方向)に沿って、手前側の内面271aと奥側の内面271aとに接触している。
図5に示すように、貯水部264は、外筒270の周壁271の内面271aと仕切部材280の仕切壁281の一方側(図5の左方側)の壁面281bとの間の空間に形成されている。貯水部264の上端は天井面272dであって、下端は底面274である。ケース260の内部において、収容部263と仕切部材280と土台部材42を除く空間が貯水部264として構成されている。
土台部材42は、仕切壁281の下端281cに取り付けられている。土台部材42の上面42aは、底面274が延びる方向と平行な方向、つまり、略水平方向に延びている。土台部材42のその他の構成は、第1実施形態に係る水処理装置210(図1参照)の土台部材41(図1参照)と同様である。
収容部263は、周壁271の内面271aと、仕切壁281の他方側(図5の右方側)の壁面281aと、天井面272dと、土台部材42の上面42aとによって囲まれた空間によって形成されている。添加材16が収容部263に満杯に収容された場合は、上下方向に沿った堆積物266の上端266aの位置は、天井面272dの位置に略一致する。一方、上下方向に沿った堆積物266の下端の位置は、土台部材42の上面42aの位置に略一致する。
ケース260の内部において、仕切壁281の下端281cは、底面274との間に空間が形成されるように、底面274の上方に配置されている。したがって、添加材16の堆積物266の下端は、底壁273よりも上方に配置されている。一方、流出口271dは、堆積物266の上端266aと下端との間に配置されている。
流出口271dは、鉛直上下方向に沿った収容部263の中心よりも下方に配置されている。図5において、鉛直上下方向に沿った収容部263の中心の位置は、水平線CL2によって示される。一方、流入口271cは、流出口271dよりも上方に配置されている。
図6に示すように、ケース260の平面視において、貯水部264は、周壁271の内面271aと仕切壁281の一方側(図6の左方側)の壁面281bとの間の空間に形成されている。収容部263は、ケース260の平面視において、周壁271の内面271aと仕切壁281の他方側(図6の右方側)の壁面281aとの間の空間に形成されている。
流入口271cと流出口271dとは、仕切部材280を挟んで対向している。なお、流入ノズル261の内周壁261cおよび流入口271cの径と、流出ノズル291の内周壁291cおよび流出口271dの径とは、略同一である。あるいは、流入ノズル261の内周壁261cおよび流入口271cの径よりも、流出ノズル291の内周壁291cおよび流出口271dの径の方が大きければよい。
以下では、ケース260の内部における水の流れについて、説明する。流入口271cを通ってケース260の外部から内部に流入した水は、貯水部264を流通する。貯水部264を通った水は、土台部材42を通ることによって貯水部264から収容部263に流入する。収容部263を水が流通する間および収容部263に水が滞留する間に、添加材16に水が接触することにより、添加材16が水に溶出することによって、成分が水に混入される。添加材16の成分を含んだ水は、流出口271dから流出ノズル291の内部を通ってケース260の外部に流出する。
ケース260の外部に流出した水の圧力が極度に高くなるようにケース260の外部において水の流れが絞られた状態を除く場合は、ケース260の内部の水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口271dの近傍の位置である。水処理装置220において、流出口271dは、堆積物266の上端266aと下端との間に配置されている。つまり、ケース260の外部に流出する水の圧力が極度に高くない場合は、水面の位置は、堆積物266の上端266aと下端との間の位置である。
水処理装置220によれば、流出口271dが、ケース260の頂壁272ではなくケース260の外筒270の周壁271に形成されている。つまり、水処理装置220において、鉛直方向に沿った方向における流出口271dの位置は、比較的低い位置である。水処理装置220によれば、ケース260の内部に流入させる水の圧力があまり高くない場合であっても、ケース260の外部に水を容易に流出させることができる。
以上のように第2実施形態の水処理装置220は、ケース260を備えている。ケース260は、ケース260に水を流入させる流入部と、ケース260から水を流出させる流出口271dを有する流出部とを含む。流入部は、流入ノズル261と、流入口271cとを含む。ケース260の内部には、収容部263が形成されている。収容部263は、鉛直方向に沿って添加材16を堆積させるように収容する。収容部263に堆積された添加材16の堆積物266は、上端266aと下端とを有している。流出部の流出口271dは、堆積物266の上端266aと下端との間に配置されている。
水処理装置220において、ケース260の内部に流入した水は、ケース260の内部を流通した後に流出口271dを通ってケース260の外部に流出する。ケース260の内部における水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口271dの近傍の位置である。
水処理装置220によれば、流出口271dは、堆積物266の上端266aと下端との間に配置されている。そのため、水面の位置は、堆積物266の上端266aと下端との間の位置である。これにより、堆積物266において、流出口271dよりも上方の部分は、水と接触し難い。そのため、堆積物266における流出口271dよりも上方の部分は、ほとんど水に溶出しない。一方、堆積物266における流出口271dよりも下方の部分は、略常時、水に浸かっている。
また、堆積物266における流出口271dよりも上方の部分は、堆積物266における流出口271dよりも下方の部分が溶けた後に、重力によって徐々に下方に移動する。これにより、添加材16の多くが収容部263に残っている間は、堆積物266の全体において水に接触する部分の体積を一定に保つことができる。そのため、添加材16の水への溶出量、および、水中の添加材16の成分の濃度を一定に保つことができる。
したがって、水処理装置220によれば、水中の添加材16の成分の濃度の経時変化を防止することができる。
水処理装置220において、ケース260の内部には、水を貯留する貯水部264が形成されている。貯水部264とケース260の外部とは、流入ノズル261および流入口271cによって連通されている。ケース260の内部において貯水部264と収容部263とは連続している。
この構成によれば、ケース260の外部から内部に流入した水は、貯水部264を通ってから収容部263に流入する。つまり、ケース260の外部から内部に流入した水が、ケース260の内部においていきなり添加材16に接触することがない。また、堆積物266における流出口271dよりも下方の部分は、ケース260の外部から内部に流入した直後の水と順序を踏まずに接触することがなく、貯水部264を通った水と接触する。そのため、堆積された添加材16が水に余分に溶出することが無い。これにより、添加材16が消失するまでの期間が短縮されることを防止することができる。
水処理装置220において、流出部の流出口271dは、鉛直上下方向に沿った収容部263の中心よりも下方に配置されている。
この構成によれば、収容部263の堆積物266において、水に溶出する部分と、水に接触せずに堆積する部分とを効果的に分けることができる。これにより、添加材16の水への溶出量、および、添加材16が消失するまでの期間を適宜調整することができる。
水処理装置220において、流入部は、ケース260に形成された流入口271cを有している。流入口271cは、流出口271dよりも上方に配置されている。
この構成によれば、流入口271cからケース260の内部に流入する水を、重力によって、ケース260の内部の下部に移動させることができる。ケース260の内部に流入する水の量の増加に従って、ケース260の内部の下部から流出口271dまでに水面が上昇する。さらに、ケース260の内部を流通する水の水圧によって、流出口271dを通してケース260の外部に水を流出させることができる。このように、この構成によれば、水圧と重力とを単に考慮することによって、流入口271cを通してケース260の外部から内部に流入した水をケース260の外部に流出口271dを通して流出させることができる。
水処理装置220において、流入部は、ケース260に形成された流入口271cを有している。流出部の流出口271dは、ケース260に形成されている。
この構成によれば、ケース260に流入口271cと流出口271dといった孔を形成することによって、特定の経路を水が移動することがなくなり、溶出量の長期的な変化に容易に対応することができる。
水処理装置220において、ケース260は、ケース260の側面を形成する周壁271を有している。流入口271cと流出口271dとは、周壁271に形成されている。
この構成によれば、流入ノズル261および流入口271cを通してケース260の内部に水を流入される水を流通させるための管状部材(図示せず)と、流出ノズル291および流出口271dを通してケース260の外部に流出される水を流通させるための管状部材(図示せず)とを、周壁271の外側において、それぞれ流入ノズル261と流出ノズル291とに容易に接続させることができる。例えば、ケース260の内部に水を流入される水を流通させるための管状部材と、ケース260の外部に流出される水を流通させるための管状部材とが略水平方向に延びている場合には、これらの管状部材を流入ノズル261と流出ノズル291とに特に容易に接続させることができる。
水処理装置220において、ケース260は、外筒270と仕切部材280とによって構成されている。外筒270は、筒形状を有し且つ周壁271と頂壁272と底壁273とを含む。仕切部材280は、外筒270の頂壁272と底壁273との間において上下方向に沿った方向に延びている。仕切部材280は、外筒270の周壁271と頂壁272と底壁273とに囲まれた空間を、水を貯留する貯水部264と収容部263とに区画する。収容部263は、外筒270の周壁271と頂壁272と底壁273と仕切部材280とによって囲まれた空間に形成されている。流出口271dは、添加材16の堆積物266と面するように外筒270の周壁271に形成されている。
この構成によれば、外筒270と仕切部材280とによってケース260を容易に形成することができる。さらに、外筒270の頂壁272と底壁273との間において上下方向に沿った方向に延びる仕切部材280と、外筒270の周壁271とによって、収容部263を容易に形成することができる。
また、この構成によれば、流出口271dは、堆積物266に面するように外筒270の周壁271に形成されている。これにより、流出口271dおよび流出部を通して、添加材16の成分が溶解した水をケース260の外部に容易に移動させることができる。
水処理装置220において、流入口271cは、外筒270に形成されている。添加材16の堆積物266の下端は、外筒270の底壁273よりも上方に配置されている。
この構成によれば、ケース260の内部の水は、外筒270の底壁273から堆積物266の下端を通るように、貯水部264から収容部263に容易に移動する。そのため、添加材16の成分が溶解した水が、外筒270の底壁273と堆積物266の下端との間の空間に滞留または沈殿し難い。このように、この構成によれば、ケース260の内部に添加材16の成分が溶解した水が残ることを防止することができる。
なお、収容部263と貯水部264とは、ケース260の内部において土台部材42によって区画されていることに限定されない。例えば、鉛直方向に沿った方向における仕切壁281の下端281cの位置が、ケース260の底面274の位置と略一致し、流出口271dよりも下方において、仕切壁281に孔が開けられている場合には、収容部263の下端の近傍を通じて収容部263と貯水部264とを連通させることができる。鉛直方向に沿った方向における仕切壁281の下端281cの位置が、ケース260の底面274の位置と略一致する場合には、堆積物266の下端は底面274に配置される。
あるいは、例えば、仕切壁281の下端281cと底面274との間に、網状等の部材が配置されていてもよい。この部材は、収容部263と貯水部264との間において、粒状の添加材26の移動を制限し且つ水を流通させることができるように構成されていればよい。このようにすることによって、収容部263の下端の近傍を通じて収容部263と貯水部264とを連通させることができる。
以上のように、水処理装置220は、収容部263と、貯水部264と、流出口271dを有する流出部とを備えている。収容部263は、下端を有し、鉛直方向に沿って添加材16を堆積させるように収容する。貯水部264には、水が流入される。流出部は、貯水部264に流入された水を貯水部264の外部に流出口271dを通じて流出させる。
収容部263と貯水部264とは、収容部263の下端または収容部263の下端の近傍を通じて連通している。収容部263に堆積された堆積物266は、上端と下端とを有している。鉛直方向に沿った方向における流出口271dの位置は、堆積物266の上端266aと下端との間の位置である。
水処理装置220において、貯水部264に流入した水は、収容部263の下端または収容部263の下端の近傍を通じて収容部263に流入する。収容部263における水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口271dの近傍の位置である。水処理装置220によれば、添加材16の水への溶出量、および、水中の添加材16の成分の濃度を一定に保つことができる。
水処理装置220は、収容部263と、貯水部264と、流出口271dを有する流出部とを備えている。収容部263は、下端を有し、鉛直方向に沿って添加材16を堆積させるように収容する。貯水部264は、底面274を有している。貯水部264には、水が流入される。流出部は、貯水部264に流入された水を収容部263および貯水部264の外部に流出口271dを通じて流出させる。
収容部263の下端は、貯水部264の底面274よりも上方に位置している。収容部263と貯水部264とは、収容部263の下端を通じて連通している。収容部263に堆積された堆積物266は、上端266aと下端とを有している。鉛直方向に沿った方向における流出口271dの位置が堆積物266の上端266aと下端との間の位置であるように、流出口271dは堆積物266に面している。
なお、水処理装置220において、ケース260の形状は、図5と図6とに示されるものに限定されない。以下では、ケース260の他の形状について、図7を用いて説明する。なお、以下において、図5と図6とに示されるケース260と同様の機能を有する構成には同符号を付す。
なお、図7(A),(B)に示す形状を有するケース260においても、図5と図6とに示すケース260と同様に、周壁271は、それぞれ略水平方向に延びる頂壁272(図5参照)と底壁273(図5参照)との間を鉛直上下方向に延びている。また、図7(A),(B)に示す形状を有するケース260においても、図5と図6とに示すケース260と同様に、頂壁272の下面はケース260の天井面272d(図5参照)を形成し、且つ、底壁273の上面はケース260の底面274(図5参照)を形成している。
図7(A)に示すケース260は、円筒形状を有している。ケース260の外形を形成する外筒270の周壁271は、円筒形状を有している。仕切部材280は、仕切壁281を有している。仕切壁281は、天井面272d(図5参照)から鉛直下方に向かって延びている。仕切壁281は、外筒270の周壁271に囲まれている。図7(A)に示すケース260の仕切部材280の仕切壁281は、周壁271の内面271aに接触している。仕切壁281は、周壁271の内面271aに囲まれた空間において、ケース260の奥行き方向(図7(A)の上下方向)に沿って、手前側の内面271aと奥側の内面271aとに接触している。
図7(A)に示すケース260の平面視において、貯水部264は、周壁271の内面271aと仕切壁281の一方側(図7(A)の左方側)の壁面281bとの間の空間に形成されている。また、図7(A)に示すケース260において、収容部263は、周壁271の内面271aと、仕切壁281の他方側(図7(A)の右方側)の壁面281aと、天井面272d(図5参照)と、土台部材42(図5参照)の上面42aとによって囲まれた空間によって形成されている。図7(A)に示すケース260の内部において、収容部263と仕切壁281と土台部材42を除く空間が貯水部264として構成されている。
図7(B)に示すケース260は、円筒形状を有している。ケース260の外形を形成する外筒270の周壁271は、円筒形状を有している。図7(B)に示すケース260は、仕切部材としての内筒280を有している。内筒280は、仕切壁としての周壁281を有している。周壁281は、円筒形状を有している。周壁281は、天井面272d(図5参照)から鉛直下方に向かって延びている。周壁281は、外筒270の周壁271に囲まれている。
図7(B)に示すケース260の内筒280の周壁281の一方側(図7(B)の左方側)の部分は、外筒270の周壁271の一方側(図7(B)の左方側)の内面271aから離れている。一方、内筒280の周壁281の他方側(図7(B)の右方側)の部分は、周壁271の他方側(図7(B)の右方側)の内面271aに接触している。周壁281の他方側の外面が外筒270の他方側の周壁271の内面271aに固定されることにより、内筒280は、外筒270に接触している。
図7(B)に示すケース260の平面視において、貯水部264は、周壁271の内面271aと周壁281の外側の壁面281bとの間の空間に形成されている。また、図7(B)に示すケース260において、収容部263は、周壁271の内面271aと、周壁281の内側の壁面281aと、天井面272d(図5参照)と、土台部材42(図5参照)の上面42aとによって囲まれた空間によって形成されている。図7(B)に示すケース260の内部において、収容部263と仕切壁281と土台部材42を除く空間が貯水部264として構成されている。
図7(B)に示すように、流入口271cと流出口271dとは、ケース260の幅方向に沿って互いに対向するように外筒270の周壁271に形成されている。このように、図7(B)に示すケース260の平面視において、内筒280は、流入口271cよりも流出口271dの近くに配置されている。
(第3実施形態)
以下では、第3実施形態に係る水処理装置230について、図8と図9とを用いて説明する。なお、浄水器100(図1参照)は、第1実施形態に係る水処理装置210または第2実施形態に係る水処理装置220に代わって、水処理装置230を備えていてもよい。
図8に示すように、第3実施形態に係る水処理装置230は、ケース360を備えている。ケース360は、浄水器100(図1参照)において、ケース360の底面374に水を貯めることができるように配置されている。つまり、図8の上下方向は、鉛直上下方向と略一致する。
ケース360は、流入部と流出部とを含む。流入部は、ケース360に取り付けられた流入ノズル361と、ケース360に形成された流入口371cとを含む。流入ノズル361と流入口371cとは、ケース360に水を流入させる。流出部は、ケース360から水を流出させる。流出部は、ケース360に取り付けられた流出ノズル391と、ケース360に形成された流出口371dとを含む。より詳細には、流入口371cと流出口371dとは、後述する外筒370の周壁371に形成されている。
ケース360の内部には、収容部363が形成されている。収容部363は、添加材16を収容する。収容部363において、添加材16は、鉛直方向に沿って堆積される。また、ケース360の内部には、貯水部364が形成されている。貯水部364は、水を貯留する。ケース360の外部と貯水部364とは、流入部によって連通されている。なお、貯水部364と収容部363とには、後述するようにそれぞれ水が流通する。そのため、貯水部364と収容部363とは、水が流通する通路の一部である。ケース360の内部において、貯水部364と収容部363とは連続している。
ケース360は、筒形状を有している。また、ケース360は、外筒370と複数の仕切部材380とによって構成されている。外筒370は、周壁371と頂壁372と底壁373とを含む。
仕切部材380は、仕切壁381と仕切壁382とを有している。仕切壁381と仕切壁382とは、外筒370の周壁371に囲まれるように頂壁372と底壁373との間においてそれぞれ上下方向に沿った方向に延びている。仕切壁381と仕切壁382とは、後述するように、外筒370の周壁371と頂壁372と底壁373とに囲まれた空間を、水を貯留する貯水部364と収容部363とに区画する。流入口371cは、外筒370の周壁371に形成されている。流出口371dは、貯水部364とケース360の外部とが流出部によって連通されるように外筒370の周壁371に形成されている。流出口371dは、貯水部364の内部に面している。周壁371は、ケース360の側面を形成する。
図9に示すように、ケース360は、略立方体形状を有している。ケース360の外形を形成する外筒370の周壁371は、筒形状を有し、且つ、正方形状の断面を有している。
図9の左右方向(ケース360の幅方向)に沿って、仕切壁381と仕切壁382との間には、間隔があけられている。仕切壁381と仕切壁382とは、周壁371の内面371aに接触している。仕切壁381と仕切壁382とは、周壁371の内面371aに囲まれた空間において、ケース360の奥行き方向(図9の上下方向)に沿って、それぞれ手前側の内面371aと奥側の内面371aとに接触している。
ケース360の平面視において、貯水部364は、外筒370の周壁371の内面371aと仕切壁381の一方側(図9の左方側)の壁面381bとの間の空間と、周壁371の内面371aと仕切壁382の他方側(図9の右方側)の壁面382bとの間の空間とに形成されている。貯水部364の上端は天井面372d(図8参照)であって、下端は底面374(図8参照)である。ケース360の内部において、収容部363と仕切部材380と区画部材43(図8参照)と区画部材44(図8参照)とを除く空間が貯水部364として構成されている。
図8に示すように、区画部材43は、仕切壁381の下端381cと底面374との間を延びるように、仕切壁381と底壁373とに取り付けられている。区画部材44は、仕切壁382の下端382cと底面374との間を延びるように、仕切壁382と底壁373とに取り付けられている。外筒370の周壁371に囲まれた空間において、区画部材43と区画部材44とは、それぞれ仕切壁381と仕切壁382と同様に、ケース360の奥行き方向(図9の上下方向)に沿って、手前側の内面371aと奥側の内面371aとの間に延びている。区画部材43および区画部材44のその他の構成は、第1実施形態に係る水処理装置210(図1参照)の土台部材41(図1参照)と同様である。
収容部363は、区画部材43および仕切壁381の他方側(図9の右方側)の壁面381aと、区画部材44および仕切壁382の一方側(図9の左方側)の壁面382aと、天井面372d(図8参照)と、底面374(図8参照)とによって囲まれた空間によって形成されている。収容部363は、貯水部364に挟まれるように仕切壁381と仕切壁382とによって形成されている。
添加材16が収容部363に満杯に収容された場合は、上下方向に沿った堆積物366の上端366aの位置は、天井面372d(図8参照)の位置に略一致する。一方、上下方向に沿った堆積物366の下端の位置は、ケース360の底面374の位置と略一致する。
ケース360の内部において、仕切壁381の下端381cと仕切壁382の下端382cとは、底面374との間に空間が形成されるように、底面374の上方に配置されている。したがって、仕切壁381の下端381cと底面374との間と、仕切壁382の下端382cと底面374との間とは、水が流通する。
区画部材43の上端と区画部材44の上端とは、鉛直方向に沿った方向において、堆積物366の上端366aよりも下端の近くに配置されている。鉛直方向に沿った方向において、区画部材43の上端の位置と仕切壁381の下端381cの位置とは略一致する。また、鉛直方向に沿った方向において、区画部材44の上端の位置と仕切壁382の下端382cの位置とは略一致する。なお、区画部材43の上端と区画部材44の上端とが堆積物366の上端366aよりも下方に配置されるように、仕切壁381の下端381cと仕切壁382の下端382cとは、堆積物366の上端366aよりも下方に配置されていればよい。
鉛直方向に沿った方向における流出口371dの位置は、堆積物366の上端366aと下端との間の位置である。流出口371dは、鉛直上下方向に沿った収容部363の中心よりも下方に配置されている。図8において、鉛直上下方向に沿った収容部363の中心の位置は、水平線CL3によって示される。一方、流入口371cは、流出口371dよりも上方に配置されている。仕切壁381の下端381cと仕切壁382の下端382cとは、鉛直上下方向に沿って、流出口371dと底面374との間に配置されている。
図9に示すように、流入口371cと流出口371dとは、仕切部材380を挟んで対向している。なお、流入ノズル361の内壁361cおよび流入口371cの径と、流出ノズル391の内壁391cおよび流出口371dの径とは、略同一である。あるいは、流入ノズル361の内壁361cおよび流入口371cの径よりも、流出ノズル391の内壁391cおよび流出口371dの径の方が大きければよい。
以下では、ケース360の内部における水の流れについて、説明する。流入口371cを通ってケース360の外部から内部に流入した水は、流入口371cに面した貯水部364を流通する。貯水部364を通った水は、区画部材43を通ることによって貯水部364から収容部363に流入する。収容部363を水が流通する間および収容部363に水が滞留する間に、添加材16に水が接触することにより、添加材16が水に溶出することによって、成分が水に混入される。添加材16の成分を含んだ水は、区画部材44を通ることによって収容部363から流出口371dに面した貯水部364に流出する。流出口371dに面した貯水部364に流出した水は、流出口371dから流出ノズル391の内部を通ってケース360の外部に流出する。
ケース360の外部に流出した水の圧力が極度に高くなるようにケース360の外部において水の流れが絞られた状態を除く場合は、ケース360の内部の水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口371dの近傍の位置である。水処理装置230において、流出口371dは、堆積物366の上端366aと下端との間に配置されている。つまり、ケース360の外部に流出する水の圧力が極度に高くない場合は、水面の位置は、堆積物366の上端366aと下端との間の位置である。
水処理装置230において、鉛直方向に沿った方向における流出口371dの位置は、比較的低い位置である。水処理装置230によれば、ケース360の内部に流入させる水の圧力があまり高くない場合であっても、ケース360の外部に水を容易に流出させることができる。
以上のように第3実施形態の水処理装置230は、ケース360を備えている。ケース360は、ケース360に水を流入させる流入部と、ケース360から水を流出させる流出口371dを有する流出部とを含む。流入部は、流入ノズル361と、流入口371cとを含む。ケース360の内部には、収容部363が形成されている。収容部363は、鉛直方向に沿って添加材16を堆積させるように収容する。収容部363に堆積された添加材16の堆積物366は、上端366aと下端とを有している。鉛直方向に沿った方向における流出部の流出口371dの位置は、堆積物366の上端366aと下端との間の位置である。
水処理装置230において、ケース360の内部に流入した水は、ケース360の内部を流通した後に流出口371dを通ってケース360の外部に流出する。ケース360の内部における水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口371dの近傍の位置である。
水処理装置230によれば、鉛直方向に沿った方向における流出口371dの位置は、堆積物366の上端366aと下端との間の位置である。そのため、水面の位置は、堆積物366の上端366aと下端との間の位置である。これにより、堆積物366において、流出口371dよりも上方の部分は、水と接触し難い。そのため、堆積物366における流出口371dよりも上方の部分は、ほとんど水に溶出しない。一方、堆積物366における流出口371dよりも下方の部分は、略常時、水に浸かっている。
また、堆積物366における流出口371dよりも上方の部分は、堆積物366における流出口371dよりも下方の部分が溶けた後に、重力によって徐々に下方に移動する。これにより、添加材16の多くが収容部363に残っている間は、堆積物366の全体において水に接触する部分の体積を一定に保つことができる。そのため、添加材16の水への溶出量、および、水中の添加材16の成分の濃度を一定に保つことができる。
したがって、水処理装置230によれば、水中の添加材16の成分の濃度の経時変化を防止することができる。
水処理装置230において、ケース360の内部には、水を貯留する貯水部364が形成されている。貯水部364とケース360の外部とは、流入ノズル361および流入口371cによって連通されている。ケース360の内部において貯水部364と収容部363とは連続している。
この構成によれば、ケース360の外部から内部に流入した水は、貯水部364を通ってから収容部363に流入する。つまり、ケース360の外部から内部に流入した水が、ケース360の内部においていきなり添加材16に接触することがない。また、堆積物366における流出口371dよりも下方の部分は、ケース360の外部から内部に流入した直後の水と順序を踏まずに接触することがなく、貯水部364を通った水と接触する。そのため、堆積された添加材16が水に余分に溶出することが無い。これにより、添加材16が消失するまでの期間が短縮されることを防止することができる。
水処理装置230において、流出部の流出口371dは、鉛直上下方向に沿った収容部363の中心よりも下方に配置されている。
この構成によれば、収容部363の堆積物366において、水に溶出する部分と、水に接触せずに堆積する部分とを効果的に分けることができる。これにより、添加材16の水への溶出量、および、添加材16が消失するまでの期間を適宜調整することができる。
水処理装置230において、流入部は、ケース360に形成された流入口371cを有している。流入口371cは、流出口371dよりも上方に配置されている。
この構成によれば、流入口371cからケース360の内部に流入する水を、重力によって、ケース360の内部の下部に移動させることができる。ケース360の内部に流入する水の量の増加に従って、ケース360の内部の下部から流出口371dまでに水面が上昇する。さらに、ケース360の内部を流通する水の水圧によって、流出口371dを通してケース360の外部に水を流出させることができる。このように、この構成によれば、水圧と重力とを単に考慮することによって、流入口371cを通してケース360の外部から内部に流入した水をケース360の外部に流出口371dを通して流出させることができる。
水処理装置230において、流入部は、ケース360に形成された流入口371cを有している。流出部の流出口371dは、ケース360に形成されている。
この構成によれば、ケース360に流入口371cと流出口371dといった孔を形成することによって、特定の経路を水が移動することがなくなり、溶出量の長期的な変化に容易に対応することができる。
水処理装置230において、ケース360は、ケース360の側面を形成する周壁371を有している。流入口371cと流出口371dとは、周壁371に形成されている。
この構成によれば、流入ノズル361および流入口371cを通してケース360の内部に水を流入される水を流通させるための管状部材(図示せず)と、流出ノズル391および流出口371dを通してケース360の外部に流出される水を流通させるための管状部材(図示せず)とを、周壁371の外側において、それぞれ流入ノズル361と流出ノズル391とに容易に接続させることができる。例えば、ケース360の内部に水を流入される水を流通させるための管状部材と、ケース360の外部に流出される水を流通させるための管状部材とが略水平方向に延びている場合には、これらの管状部材を流入ノズル361と流出ノズル391とに特に容易に接続させることができる。
水処理装置230において、ケース360は、外筒370と、仕切部材としての仕切壁381と仕切壁382とによって構成されている。外筒370は、筒形状を有し且つ周壁371と頂壁372と底壁373とを含む。仕切壁381と仕切壁382とは、外筒370の周壁371に囲まれるように頂壁372と底壁373との間においてそれぞれ上下方向に沿った方向に延びている。仕切壁381と仕切壁382とは、外筒370の周壁371と頂壁372と底壁373とに囲まれた空間を、水を貯留する貯水部364と、収容部363とに区画する。
水処理装置230において、流入口371cは、外筒370に形成されている。収容部363は、貯水部364に挟まれるように仕切壁381と仕切壁382とによって形成されている。ケース360は、水を支持し且つ水と接触する底面374を有している。添加材16の堆積物366の下端の位置は、ケース360の底面374の位置と略一致する。仕切壁381の下端381cと、仕切壁382の下端382cとは、それぞれ、鉛直上下方向に沿って、流出口371dと底面374との間に配置されている。
この構成によれば、ケース360の内部において、収容部363の周りを囲むように貯水部364が形成されている。これにより、貯水部364の容積を拡大させることができる。そのため、一時的に大量の水がケース360の内部に流入される場合であっても、貯水部364において水を一旦滞留させることができる。すなわち、一時的に大量の水がケース360の内部に流入される場合であっても、大量の水の全体が添加材16の堆積物366に接触することが防止されている。このように、この構成によれば、添加材16の溶出量の増大を防止することができる。
水処理装置230において、流出口371dは、貯水部364とケース360の外部とが流出部によって連通されるように外筒370の周壁371に形成されている。
この構成によれば、ケース360の外筒370の周壁371において、流出部を容易に形成することができる。この構成によれば、溶出した添加材16の成分を含む水は、収容部363から貯水部364に移動した後に、ケース360の外部に流出する。このように、この構成によれば、溶出した添加材16の成分を水に適切に混合させた後に、流出口371dを通してケース360の外部に流出させることができる。
また、水処理装置230は、収容部363と、貯水部364と、流出口393を有する流出部とを備えている。収容部363は、下端を有し、鉛直方向に沿って添加材16を堆積させるように収容する。貯水部364には、水が流入される。流出部は、貯水部364に流入された水を貯水部364の外部に流出口371dを通じて流出させる。
収容部363と貯水部364とは、収容部363の下端または収容部363の下端の近傍を通じて連通している。収容部363に堆積された堆積物366は、上端366aと下端とを有している。鉛直方向に沿った方向における流出口371dの位置は、堆積物366の上端366aと下端との間の位置である。
水処理装置230において、貯水部364に流入した水は、収容部363の下端または収容部363の下端の近傍を通じて収容部363に流入する。収容部363における水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口371dの近傍の位置である。水処理装置230によれば、添加材16の水への溶出量、および、水中の添加材16の成分の濃度を一定に保つことができる。
水処理装置230は、収容部363と、貯水部364と、流出口371dを有する流出部と、区画部材43,44とを備えている。収容部363は、下端を有し、鉛直方向に沿って添加材16を堆積させるように収容する。貯水部364には、水が流入される。流出部は、貯水部364に流入された水を収容部363および貯水部364の外部に流出口371dを通じて流出させる。
収容部363に堆積された堆積物366は、上端366aと下端とを有している。区画部材43,44は、収容部363と貯水部364との間に配置されている。区画部材43,44は、収容部363の添加材16を支持し且つ貯水部364と収容部363とを連通させる。区画部材43の上端と区画部材44の上端とは、堆積物366の上端366aよりも下方に配置されている。鉛直方向に沿った方向における流出口371dの位置が堆積物366の上端366aと下端との間の位置であるように、流出口371dは貯水部364の内部に面している。
水処理装置230において、貯水部364に流入した水は、区画部材43を通じて収容部363に流入する。収容部363と貯水部364との間において、収容部363の水は、区画部材43を通じて一方の貯水部364(図8の左方の貯水部364)、または、区画部材44を通じて他方の貯水部364(図8の右方の貯水部364)に流出する。収容部363および貯水部364における水面の位置は、鉛直上下方向に沿った方向において流出口371dの近傍の位置である。水処理装置230によれば、添加材16の水への溶出量、および、水中の添加材16の成分の濃度を一定に保つことができる。
なお、水処理装置230において、ケース360の形状は、図8と図9とに示されるものに限定されない。以下では、ケース360の他の形状について、図10を用いて説明する。なお、以下において、図8と図9とに示されるケース360と同様の機能を有する構成には同符号を付す。
なお、図10に示す形状を有するケース360においても、図8と図9とに示すケース360と同様に、周壁371は、それぞれ略水平方向に延びる頂壁372(図8参照)と底壁373(図8参照)との間を鉛直上下方向に延びている。また、図10に示す形状を有するケース360においても、図8と図9とに示すケース360と同様に、頂壁372の下面はケース360の天井面372d(図8参照)を形成し、且つ、底壁373の上面はケース360の底面374(図8参照)を形成している。
図10に示すケース360は、円筒形状を有している。ケース360の外形を形成する外筒370の周壁371は、円筒形状を有している。仕切部材380は、仕切壁381と仕切壁382とを有している。仕切壁381と仕切壁382とは、天井面372d(図8参照)から鉛直下方に向かって延びている。
図10の左右方向(ケース360の幅方向)に沿って、仕切壁381と仕切壁382との間には、間隔があけられている。仕切壁381と仕切壁382とは、周壁371の内面371aに接触している。仕切壁381と仕切壁382とは、周壁371の内面371aに囲まれた空間において、ケース360の奥行き方向(図10の上下方向)に沿って、それぞれ手前側の内面371aと奥側の内面371aとに接触している。
図10に示すケース360のその他の構成は、図8と図9とに示すケース360の構成と同様である。
本発明に従った水処理装置を用いることにより、水中の添加材の成分の濃度の経時変化について確認した。
(実施例)
実施例においては、図1〜図2に示すケース160を備えた水処理装置210を準備した。ケース160の天井面172dから底面174までの鉛直上下方向に沿ったケース160の内部の深さは、230mmであった。外筒170の周壁171の内径は、56mmであった。内筒180の周壁181の内径は、45mmであった。
流出管190の内壁194および流出口193の径は、16mmであった。流出管190の下端192と収容部163の下端(つまり土台部材41の上面41a)との上下方向に沿った間隔は、50mmであった。一方、流入口172aおよび流入ノズル161aの内周壁161cの内径は、46mmであった。流入口172aおよび流入ノズル161aの内周壁161cの外径は、54mmであった。
実施例において、添加材16としては、硫酸カルシウム(赤穂化成株式会社製)220gを用いた。実験の開始時において、堆積物166の高さ(堆積物166の上端と収容部163の下端との間の鉛直上下方向に沿った寸法)は、160mmであった。
実施例においては、ケース160の内部を流通させる水として、水温が17℃、且つ、硬度が45mg/L−CaCO3に調整された水を使用した。実施例においては、流入口172aを通してケース160の外部から内部に、流速2L/minで水を流入させた。また、実施例においては、ケース160の内部に流入した水を、貯水部164と収容部163とを通した後に、流出口193および流出管190の内部を通してケース160の内部から外部に流出させた。ケース160の外部に流出した水を用いて、積算通水量の増加に伴う水の硬度の変化について確認した。実施例において、水の硬度の測定には、EDTA滴定法を用いた。
(比較例)
一方、水処理装置210と比較するために、比較例としての水処理装置290(図11参照)を用いた。水処理装置290が第1実施形態に係る水処理装置210と異なる点は、水処理装置290において、外筒970の頂壁972に流出口993が形成されることによって、添加材16の堆積物966よりも上方に流出口993が配置されていた。そのため、水処理装置290においては、収容部963の全体を下方から上方に向かって水が流通する。
水処理装置290において、流出口993は、頂壁972の中心部に形成されている。また、頂壁972には、流出ノズル991が取り付けられている。流出ノズル991の内周壁992と流出口993とは、頂壁972において連続している。流出口993および流出ノズル991の内周壁992の径は、流入口972aおよび流入ノズル961aの内周壁961cの幅よりも大きい。
水処理装置290において、ケース960の天井面972dから底面974(つまり、底壁973の上面)までの鉛直上下方向に沿ったケース960の内部の深さは、230mmであった。外筒970の周壁971の内径は、56mmであった。内筒980の周壁981の内径は、45mmであった。
流出口993および流出ノズル991の内周壁992の径は、16mmであった。一方、流入口972aおよび流入ノズル961aの内周壁961cの内径は、46mmであった。流入口972aおよび流入ノズル961aの内周壁961cの外径は、54mmであった。
比較例において、添加材16としては、実施例と同様に、硫酸カルシウム(赤穂化成株式会社製)220gを用いた。比較例の実験の開始時において、堆積物966の上端と収容部963の下端(つまり土台部材49の上面49a)との上下方向に沿った間隔は、160mmであった。水処理装置290のその他の構成は、水処理装置210(図2〜図3参照)と同様であった。
比較例においては、実施例と同様に、ケース960の内部を流通させる水として、水温が17℃、且つ、硬度が45mg/L−CaCO3に調整された水を使用した。比較例においては、実施例と同様に、流入口972aを通してケース960の外部から内部に、流速2L/minで水を流入させた。また、比較例においては、ケース960の内部に流入した水を、貯水部964と収容部963とを通した後に、流出口993および流出ノズル991の内部を通してケース960の内部から外部に流出させた。ケース960の外部に流出した水を用いて、積算通水量の増加に伴う水の硬度の変化について確認した。比較例においても、水の硬度の測定には、EDTA滴定法を用いた。
実施例と比較例とによって得られた結果を図12に示す。図12に示すように、実施例においては、実験の開始時から積算通水量が500L近くに達するまで、水の硬度が約250〜350mg/L−CaCO3の間で推移した。一方、比較例においては、実験の開始時には水の硬度が実施例に比べて極端に大きい。さらに、比較例においては、積算通水量が増加するに従って、水の硬度が次第に低下した。
以上のように、実施例によれば、流出口193が堆積物166の上端と下端との間に配置された水処理装置210においては、流出口993が堆積物166の上端よりも上方に配置された比較例の水処理装置290よりも、水中の添加材16の成分の濃度の経時変化の防止が可能であることが確認された。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。