JP2004330112A - 浄水カートリッジ - Google Patents

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JP2004330112A JP2003130751A JP2003130751A JP2004330112A JP 2004330112 A JP2004330112 A JP 2004330112A JP 2003130751 A JP2003130751 A JP 2003130751A JP 2003130751 A JP2003130751 A JP 2003130751A JP 2004330112 A JP2004330112 A JP 2004330112A
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Yoshitaka Kobayashi
義孝 小林
Masakazu Kitagawa
雅一 北川
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Abstract

【課題】浄水の抗菌作用を持続させることができる浄水カートリッジを提供すること。
【解決手段】カートリッジ17には、外ケース23と内ケース18との間に、濾材24を充填した固定床Kが設けられる。固定床Kと連通された内ケース18内部には、中空糸膜29が垂下されている。中空糸膜29の下方には、水流により流動分散する銀処理活性炭28から構成される流動床Rが設けられ、流動床Rを通過した水は中空糸膜29に濾過される。また、流動床Rの銀処理活性炭28の粒径の正規分布は、5〜500メッシュの範囲内に調製されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浄水カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、浄水カートリッジにおいて、吸着機能を有する活性炭粒子、濾過機能を有する中空糸膜を使用したものが知られている。これらの浄水カートリッジでは、吸着作用又は濾過作用によって、水中の塩素系化合物等の化学的な除去や、吸着除去、鉄サビ、細塵等の異物の除去を行って浄水を生成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の活性炭粒子、中空糸膜を使用した浄水カートリッジを通過した浄水においては、抗菌作用を有する塩素系化合物が除去されており、細菌等が繁殖しやすくなっている。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、浄水の抗菌作用を持続させることができる浄水カートリッジを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、濾過部に原水を通過させて、その原水を浄化するようにした浄水カートリッジにおいて、前記濾過部に設けられた流路内に、濾材を充填した固定床と、中空糸膜とを設け、前記固定床と前記中空糸膜との間の流路に、水流により流動分散する銀処理活性炭粒子を収容した流動床を設けるとともに、前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が5〜500メッシュの範囲内にあることを特徴としたものである。
【0006】
従って、水の流路内に、濾材を固定した固定床、中空糸膜、及び流動床を備えたので、水中の塩素系化合物、塩素等の物質、及び異物を除去することができる。また、流動床を構成する銀処理活性炭粒子により、抗菌作用を呈する銀イオンを容易に水中に溶出させることができる。さらに、銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が5〜500メッシュの範囲内としたため、銀処理活性炭粒子の表面積が大きくなる。このため、通水時に、この銀処理活性炭粒子をたえず水中に浮遊させることにより、水中に溶出する銀イオン濃度を高くすることができる。従って、抗菌作用の効果が増大し、浄水中の細菌等の繁殖を防止することができる。また、大と小の銀処理活性炭粒子が混在しているため、粒径の小さい銀処理活性炭粒子が含まれていても中空糸膜が閉塞されることが防止される。ここで、固定床とは活性炭等の濾材が水流によってほとんど、あるいは全く動かないもの、流動床とは濾材が水流によって巻き上がるようにして流動するものをいう。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の浄水カートリッジにおいて、前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が10〜400メッシュの範囲内にあることを特徴とするものである。
【0008】
従って、銀処理活性炭粒子の粒径を調製することにより、銀処理活性炭粒子の表面積が小さくなっても水中に溶出する銀イオン濃度を浄水中の細菌等の繁殖を防止できる濃度にするとともに、短期間で銀イオンが溶出しきってしまうようなことが防止できる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の浄水カートリッジにおいて、前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が20〜300メッシュの範囲内にあることを特徴とするものである。
【0010】
従って、使用水量によって銀処理活性炭粒子の粒径を調製することにより、水中に溶出する銀イオン濃度を浄水中の細菌等の繁殖を防止できる濃度にするとともに、短期間で銀イオンが溶出しきってしまうようなことが防止できる。このため、銀処理活性炭粒子の呈する抗菌作用を比較的長く持続させることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の浄水カートリッジにおいて、前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が25〜250メッシュの範囲内にあることを特徴とするものである。
【0012】
従って、銀処理活性炭粒子の粒径を調製することにより、水中に溶出する銀イオン濃度を浄水中の細菌等の繁殖を防止できる濃度にするとともに、短期間で銀イオンが溶出しきってしまうようなことが防止できる。このため、銀処理活性炭粒子の呈する抗菌作用を比較的長く持続させることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の浄水カートリッジにおいて、前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が30〜200メッシュの範囲内にあることを特徴とするものである。
【0014】
従って、銀処理活性炭粒子の粒径を調製することにより、水中に溶出する銀イオン濃度を浄水中の細菌等の繁殖を防止できる濃度にするとともに、短期間で銀イオンが溶出しきってしまうようなことが防止できる。このため、銀処理活性炭粒子の呈する抗菌作用を比較的長く持続させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1にしたがって説明する。
浄水器10の容器11は、図1に示すように有底円筒状に形成されている。容器11内には、カートリッジ17が収容されて、容器11に螺着した止め具14により固定されている。カートリッジ17の蓋体12の頂壁の中心より偏倚した位置には、水道水(原水)を流入させるための円筒状の流入口15が配設されている。流入口15から流入した原水は、蓋体12等に形成された流路を通過して、カートリッジ17の流入室30内に流れ込む。また、蓋体12の頂壁の中心には、カートリッジ17を通過した浄水を流出させるための円筒状の流出口16が突出形成されている。
【0016】
カートリッジ17は、流路を構成する外ケース23及び内ケース18を備えている。外ケース23と内ケース18との間には空間部が形成されており、この空間部には濾過部を構成する固定床Kが設けられている。この固定床Kは、空間部に粒状の活性炭からなる濾材24が充填されることにより構成されている。
【0017】
カートリッジ17に収容された内ケース18は、その底面が外ケース23の底面に接するように設置されている。また、内ケース18の上端には、上蓋25が取り付けられている。内ケース18の壁部の下端部には、固定床Kを通過した水を内ケース18へ流入させるための入り口26が複数形成されている。入り口26には外側からフィルタ27が取り付けられており、入り口26を介して濾材24等が内ケース18内に入り込まないようになっている。
【0018】
内ケース18の内部の下方には、濾過部を構成する流動床Rが設けられている。流動床Rは、水流により流動分散する粒状の銀処理活性炭28を低い充填率で内ケース18内に充填したものである。銀処理活性炭粒子としての銀処理活性炭28は、抗菌作用を呈する銀又は銀化合物を粒状活性炭の表面にコーティングされて形成されている。この銀処理活性炭28に水を接触させると、銀処理活性炭28から抗菌作用を呈する銀イオンが溶出され、水中のバクテリア、細菌等の繁殖を防止することができる。
【0019】
この銀処理活性炭28は、粒径の正規分布が5〜500メッシュの範囲にあるものを使用することが望ましい。より好ましくは30〜200メッシュである。5メッシュ未満だと、銀処理活性炭28のトータルの表面積が小さくなり、水中へ溶出する銀イオン濃度が、細菌等の繁殖を防止できる濃度よりも小さくなってしまう。また、500メッシュを超えると、銀処理活性炭28が、その上方に配設された中空糸膜29の中空糸壁面の微細孔に介入し、微細孔を閉塞してしまう可能性が高い。また、500メッシュを超えると、トータルの表面積が大きいため、銀イオンが短期間で水中に溶出しきってしまい、抗菌作用を持続させることができず使用に耐えない。粒径の正規分布が30〜200メッシュの範囲にあると、水中に溶出する銀イオン濃度を、抗菌作用を呈する濃度以上にすることができるとともに、抗菌作用を呈する期間を長くすることができる。
【0020】
流動床Rの上方には、濾過部を構成する中空糸膜29が取り付けられている。流動床Rを通過した水は、中空糸膜29により濾過される。その結果、バクテリア等の細かな異物が除去される。中空糸膜29を通過した浄水は、孔30aを通って流出口16から導出される。
【0021】
さて、流入口15から流入した原水(水道水)は、流入室30内に導出される。流入室30まで導出された原水は、複数形成された孔30aから固定床Kに流入して濾材24と接触する。この活性炭からなる濾材24との接触により、塩素系化合物、塩素等が除去される。
【0022】
さらに、固定床Kに流入した水は、内ケース18の下方に取り付けられたフィルタ27及び入り口26を介して内ケース18内部に流入する。内ケース18内部に流入した水は、流動床R内を通過して、銀処理活性炭28と接触する。このため、既に塩素系化合物等が除去されて細菌等が繁殖しやすくなった水に抗菌作用を呈する銀イオンが溶出させることができる。このとき、流動床Rに流入した水は下方から上方へ移動する。このため、銀処理活性炭28は、水流によって巻き上げられるようにして流動分散される。その結果、銀処理活性炭28が静置されている場合よりも、銀処理活性炭28と水との接触面積を大きくすることができる。
【0023】
銀イオンが溶出された水は、中空糸膜29内を通過する。中空糸膜29によって濾過された浄水は、上蓋25に形成された出口19から通過孔20aを介して、流出口16から外部へ流出される。
【0024】
この浄水器10の流出口16から得られた浄水中の銀イオン濃度を測定した。試料とした浄水は、それぞれ1〜10mの水道水(原水)を通水させた浄水器10から、内部に滞留することなく流出した浄水とした。そして、各浄水中の銀イオン濃度をICP質量分析装置(誘導結合高周波プラズマ分光分析装置)にてそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。表1では、浄水器10の通水量と通水後の浄水中の銀イオン濃度との関係を示している。尚、塩素系化合物、塩素等の他の抗菌剤を含有しない水において、水中の銀イオン濃度が0.01mg/L未満になると、飲用水として適合するための抗菌作用を呈しないことが知られている。
【0025】
【表1】
Figure 2004330112
浄水器10から流出した浄水中の銀イオン濃度は、浄水器10に1〜10mの水を通水させても、0.01mg/L以上となった。しかも、通水量が増加するにしたがって、銀イオン濃度が低下していくことがあまりなかった。
【0026】
従って、浄水器10は、塩素系化合物、塩素等の抗菌剤や細塵等を除去するとともに、銀イオンにより抗菌した浄水を生成することができる。
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0027】
(1)上記実施形態では、浄水器10のカートリッジ17内に、粒状の活性炭からなる濾材24を充填した固定床Kと、粒状の銀処理活性炭28が流動分散する流動床Rと、中空糸膜29とを設け、固定床K、流動床R、及び中空糸膜29の中を水が通過するようにした。このため、水中の塩素系化合物、塩素、鉄サビ、細塵等を除去することができる。
【0028】
また、流動床Rに、抗菌作用を呈する銀又は銀化合物をコーティングした銀処理活性炭28を収容した。そして、その粒径の正規分布が5〜500メッシュ、より好ましくは30〜200メッシュの範囲にあるものを用いた。このため、塩素系化合物等が除去されて細菌等が繁殖しやすい水に銀イオンを溶出させるとともに、その銀イオン濃度を細菌等の繁殖を防止できる濃度にすることができる。しかも、銀処理活性炭28の呈する抗菌作用を長く持続させることができる。
【0029】
(2)上記実施形態では、内ケース18の下方に形成された入り口26から、水が流入し、流動床Rを通過して上方の中空糸膜29側に流れるようにした。その結果、下方からの水流によって銀処理活性炭28が流動分散するため、銀処理活性炭28と水との接触面積を大きくすることができる。
【0030】
(変更例)
なお、上記実施形態は次のように変更して具体化することも可能である。
・抗菌作用を呈する抗菌材として、銅イオン等、他の滅菌イオンを粒状の活性炭にコーティングして、内ケース18に収容して流動床Rを構成すること。
【0031】
・固定床Kを、繊維状活性炭フィルタによって構成すること。このようにすると、カートリッジ17内に簡単に固定床Kを設けることができ、組み立て作業の際の手間が軽減される。
【0032】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記中空糸膜及び前記流動床は、一筐体内に収容されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の浄水カートリッジ。
【0033】
従って、この(a)に記載の発明によれば、中空糸膜及び流動床は一筐体内に収容されるため、流動床を通過した原水を中空糸膜まで導出する流路を別途設ける必要がない。
【0034】
(b)前記固定床は、前記筐体と、外ケースとの間に設けられ、同固定床を通過した水は同筐体に形成された入り口から流入することを特徴とする(a)に記載の浄水カートリッジ。
【0035】
従って、この(b)に記載の発明によれば、筐体と外ケースとの間に固定床が設けられるため、固定床と、流動床及び中空糸膜との間に流路を設ける必要がなくなる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、浄水の抗菌作用を持続させることができる浄水カートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の浄水器の断面図。
【符号の説明】
17…浄水カートリッジ、18…流路、筐体を構成する内ケース、23…流路を構成する外ケース、28…銀処理活性炭粒子としての銀処理活性炭、29…濾過部を構成する中空糸膜、24…濾材、K…濾過部を構成する固定床、R…濾過部を構成する流動床。

Claims (5)

  1. 濾過部に原水を通過させて、その原水を浄化するようにした浄水カートリッジにおいて、
    前記濾過部に設けられた流路内に、濾材を充填した固定床と、中空糸膜とを設け、
    前記固定床と前記中空糸膜との間の流路に、水流により流動分散する銀処理活性炭粒子を収容した流動床を設けるとともに、
    前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が5〜500メッシュの範囲内にあることを特徴とする浄水カートリッジ。
  2. 前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が10〜400メッシュの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の浄水カートリッジ。
  3. 前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が20〜300メッシュの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の浄水カートリッジ。
  4. 前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が25〜250メッシュの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の浄水カートリッジ。
  5. 前記銀処理活性炭粒子の粒径の正規分布が30〜200メッシュの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の浄水カートリッジ。
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