JP5371583B2 - 空調機 - Google Patents

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Description

本発明は、個別空調と外気冷房とが併用される空調システムにおける個別空調用の空調機に関するものである。
空調制御では、例えば図8に示すように、部屋毎に個別の空調機(例えばビル用マルチ空調機など)を設置し、居住者がリモコンなどの操作手段を用いて、居住者の判断で個別空調機を操作する空調システムが実用化されている(例えば特許文献1参照)。図8の例では、部屋100−1,100−2の各々に熱交換式の個別空調機101−1,101−2が設けられている。図8において、102−1,102−2は部屋100−1,100−2から個別空調機101−1,101−2に空気(還気)を戻すダクト、103−1,103−2は個別空調機101−1,101−2によって冷却または加熱された空気(給気)を部屋100−1,100−2へ供給するダクト、104−1,104−2は給気の吹出口である。
一方で、セントラル空調システムでは、外気温度が低い冬期においては、外気を利用した冷房(外気冷房)が行なえるように構成されており、制御パラメータの調整についても効率化が図られている(特許文献2参照)。
オフィスビルなどでは、居住者やコンピュータ類が実質的に室内の発熱物となるので、冬期でも昼間は冷房を行なう必要がある。冷たい外気を取入れて冷房を行なう外気冷房により、空調機などによって空気を冷却するためのエネルギーを節約できるので、外気冷房を利用することは省エネルギーという観点では極めて有効である。
特開2003−148790号公報 特許第3334073号公報
前述のとおり、外気冷房を利用することは省エネルギーという観点では極めて有効である。そこで、図9に示すように個別空調機と外気冷房機とを併用して、それぞれの良さを活用しようという構成が考えられる。図9において、105は外気を室内に導入する外気冷房機、106は外気の取り入れ口、107−1,107−2は外気冷房機105から送り出される外気を部屋100−1,100−2へ供給するダクト、108−1,108−2は外気の供給量を調節する外気ダンパ、109−1,109−2は外気の吹出口、110−1,110−2は部屋100−1,100−2の室温を計測する室温センサ、111は外気温度を計測する外気温度センサである。
図9に示したように、個別空調機と外気冷房機とを併用しようとすると、両者を従来通りに併設することになるので、工事などの導入時の手間が大きな負担になるという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、個別空調と外気冷房とを併用するための設備導入において、設備導入時に必要になる工事の手間を軽減することができる空調機を提供することを目的とする。
本発明は、室温制御のために部屋毎に設置される個別空調用の空調機各部屋で共用する外気冷房とが併用される空調システムにおける前記個別空調用の空調機であって、熱交換器と、この熱交換器によって冷却または加熱される空気を送り出すファンと、還気ダクトから還気を取り入れる空気流入口と、外気ダクトから外気を取り入れる外気流入口と、この外気流入口から取り入れる外気の量を調節する外気ダンパと、前記ファンから送り出される空気を排出する流出口と、前記空気流入口から取り入れた還気を、前記熱交換器とファンを通過させて前記流出口に導き、前記外気流入口から取り入れた外気を、少なくとも前記外気ダンパを通過させて前記流出口に導く流路と、主として熱交換器の冷却能力または加熱能力を増減させることにより室温制御を実行する個別空調主体の制御モードのときに、室温計測値と室温設定値に基づいて、前記熱交換器の能力を操作する操作量指示値を算出する第1のPID制御演算手段と、主として外気冷房機の効果を増減させることにより室温制御を実行する外気冷房主体の制御モードのときに、室温計測値と室温設定値に基づいて、前記外気ダンパの開度を操作する操作量指示値を算出する第2のPID制御演算手段と、前記第1のPID制御演算手段と第2のPID制御演算手段に共通に設定されるPIDパラメータである積分時間と微分時間を予め記憶する積分・微分時間共通記憶手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の空調機の1構成例において、前記外気流入口は、前記熱交換器とファンに対して、空気の流れの上流側に配設され、前記流路は、前記外気ダンパを通過した外気を、前記熱交換器とファンを通過させて前記流出口に導くことを特徴とするものである。
また、本発明の空調機の1構成例において、前記外気流入口は、前記熱交換器とファンに対して、空気の流れの下流側に配設され、前記流路は、前記外気ダンパを通過した外気を、前記熱交換器とファンを通過させることなく前記流出口に直接導くことを特徴とするものである。
また、本発明の空調機の1構成例において、前記外気流入口は、前記熱交換器とファンに対して、空気の流れの上流側に配設され、前記流路は、前記外気ダンパを通過した外気を、前記熱交換器とファンを通過させて前記流出口に導く第1の外気用流路と、前記外気ダンパを通過した外気を、前記熱交換器とファンを通過させることなく前記流出口に直接導く第2の外気用流路とを含み、さらに、外気用流路を前記第1の外気用流路と第2の外気用流路のどちらかに切換可能な流路切換手段を備え、完全外気冷房のときは、前記第2の外気用流路が使用されるように制御されることを特徴とするものである。
また、本発明の空調機の1構成例において、前記外気流入口は、前記熱交換器に対して空気の流れの下流側に配設され、前記ファンに対して空気の流れの上流側に配設され、前記流路は、前記外気ダンパを通過した外気を、前記ファンを通過させて前記流出口に導くことを特徴とするものである
本発明によれば、部屋毎の個別の外気ダンパと空調機とをユニット化することで、空気流路の構成を簡素化することができ、空調設備の設置工事を簡易化することができる。
また、本発明によれば、外気流入口を、熱交換器とファンに対して、空気の流れの上流側に配設し、外気ダンパを通過した外気を、熱交換器とファンを通過させて流出口に導くことにより、最大冷房能力や最大暖房能力の確保という観点から、有利な構成を実現することができる。
また、本発明では、外気流入口を、熱交換器とファンに対して、空気の流れの下流側に配設し、外気ダンパを通過した外気を、熱交換器とファンを通過させることなく流出口に直接導くことにより、外気冷房機のファンによって得られる空気搬送動力の損失を低減することができ、完全外気冷房による省エネルギー効果の確保という観点から、有利な構成を実現することができる。
また、本発明では、流路切換手段を設けることにより、完全外気冷房のときは第2の外気用流路が使用されるように制御することができるので、最大冷房能力や最大暖房能力の確保という観点から、有利な構成を実現することができ、かつ完全外気冷房による省エネルギー効果の確保という観点からも、有利な構成を実現することができる。
また、本発明では、外気流入口を、熱交換器に対して空気の流れの下流側に配設し、かつファンに対して空気の流れの上流側に配設し、外気ダンパを通過した外気を、ファンを通過させて流出口に導くことにより、外気冷房機のファンによって得られる空気搬送動力の損失を低減することができ、完全外気冷房による省エネルギー効果の確保という観点から、有利な構成を実現することができる。
また、本発明では、第1のPID制御演算手段と第2のPID制御演算手段との間で積分時間を共通化し、さらに微分時間についても共通化することにより、PIDパラメータ調整の手間の低減という観点から、有利な構成を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る空調システムの構成を示す図である。 図1の空調システムで用いる空調機の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る空調システムの構成を示す図である。 図3の空調システムで用いる空調機の構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る空調機の構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る空調機の構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係る空調機の制御部の構成を示すブロック図である。 個別空調機のみによる従来の空調システムの構成を示す図である。 個別空調機と外気冷房機を併用する空調システムの構成を示す図である。
[発明の原理1]
セントラル空調のコンセプトは建物の空調の集中管理であるが、建物の中のあらゆる部屋が同一の条件にあるわけではないので、各部屋の条件に適合する空調状態を得るために、部屋毎に外気冷房用の個別ダンパが設置される。すなわち、セントラル空調であっても個別空調の概念と設備がある。そこで、その部屋毎の個別ダンパと個別空調機とをユニット化することで、個別ダンパと個別空調機とを単純に併設する場合よりも、工事を簡易化できることに着眼した。空調機が外気ダクトからの空気流入部(外気流入口)付近に外気ダンパを備え、従来の個別空調機の空気流出部(流出口)から外気を供給できるように構成すれば、空気流路の構成を簡素化できるので、工事が簡易になる。
[発明の原理2]
外気冷房を実施するためには、専用の外気冷房機が設置される。外気冷房機は外気を建物に取り入れるためのファンを備えており、これにより外気を供給するための空気搬送動力を得ている。また、従来の個別空調機も空気搬送動力を得るためのファンを備えている。前記したように、外気冷房の利点は、空調機などによって空気を冷却するためのエネルギーを節約できることにある。したがって、外気冷房のみ(完全外気冷房)の状態では、従来の個別空調機のファンは停止して、外気冷房機のファンによって得られる空気搬送動力を活用すればよいことに着眼した。この場合、前記した空調ユニットの構成において、外気流入口から取り入れられる外気は、従来の個別空調機が本来備えるファン(完全外気冷房時に停止するファン)を通過しないように構成することで、外気冷房機のファンによって得られる空気搬送動力の損失を低減できることに想到した。
[発明の原理3]
ユニット化することにより、個別空調と外気冷房が、室温センサと空気流出部分(流出口)を共有することになる。その場合、室温の測定点と室温調整機器(外気冷房では外気ダンパ、個別空調では熱交換器)との位置関係が、外気冷房の制御モードでも個別空調主体の制御モードでもほぼ同じになることに着眼した。このように室温の測定点と室温調整機器との位置関係が外気冷房の制御モードと個別空調主体の制御モードでほぼ同じになることにより、PID制御を実施するときの積分動作・微分動作のパラメータ値が、両制御モードでほぼ同じ値に設定できることになる。よって、積分動作・微分動作のパラメータ値を外気冷房の制御モードと個別空調主体の制御モードで共通化することで、PIDパラメータ調整の手間が低減できることに想到した。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る空調システムの構成を示す図、図2は図1の空調システムで用いる空調機の構成を示す図である。本実施の形態は、上記発明の原理1に対応するものである。
本実施の形態の空調システムでは、部屋1毎に個別の空調機2が設置され、さらに各部屋で共用する外気冷房機3が設置される。図1において、4は部屋1から空調機2に空気(還気)を戻す還気ダクト、5は外気の取り入れ口、6は外気冷房機3から送り出される外気を空調機2へ供給する外気ダクト、7は空調機2によって冷却または加熱された空気(給気)を部屋1へ供給する給気ダクト、8は給気の吹出口、9は室温センサ、300は外気冷房機3のファンである。
図2に示すように、空調機2は、還気ダクト4と接続される空気流入口200と、外気ダクト6と接続される外気流入口201と、外気流入口201に設けられる外気ダンパ202と、部屋1からの空気および外気を冷却または加熱する熱交換器203と、空気流入口200から流入した空気を熱交換器203に導く流路204と、外気ダンパ202を通過した外気を熱交換器203に導く流路205と、熱交換器203によって冷却または加熱された給気を送り出すためのファン206と、熱交換器203によって冷却または加熱された給気をファン206に導く流路207と、給気ダクト7と接続される流出口208と、ファン206からの給気を流出口208に導く流路209と、熱交換器203の加熱・冷却能力を制御する第1のPID制御演算部210と、外気ダンパ202の開度を制御する第2のPID制御演算部211とを有する。
以上のような構成により、本実施の形態では、空気流路の構成を簡素化できるので、空調設備の設置工事を簡易化することができる。つまり、本実施の形態によれば、図9における外気ダンパ108−1,108−2から部屋の天井部分の外気用の吹出口109−1,109−2までの設置工事を、削減することができる。
また、本実施の形態の空調機2の構造では、外気流入口201と外気ダンパ202とは、個別空調の熱交換器203やファン206に対して、空気の流れの上流側に配設される。したがって、外気流入口201から取り入れた外気を、熱交換器203により加熱または冷却することができる。この場合、例えば室内の二酸化炭素濃度を基準値以下に抑制するために、換気の目的で外気を多く取り入れているときに、外気温度が高いことにより冷房能力として不利な条件であっても、全ての外気を冷却してから室内に供給することが可能になる。あるいは、換気の目的で外気を多く取り入れているときに、外気温度が低いことにより暖房能力として不利な条件であっても、全ての外気を加熱してから室内に供給することが可能になる。すなわち、本実施の形態の構成は、最大冷房能力や最大暖房能力の確保という観点から、有利な構成である。
以下、本実施の形態の効果を最大冷房能力の算定例で示す。熱交換器203の冷媒の温度が7℃であり、熱交換器203を通過する空気を最低12℃まで冷却できる場合、本実施の形態の構成では最大冷房能力は12℃の給気により確定する。一方、後述する第2の実施の形態や第4の実施の形態のように熱交換後の空気を外気と混合する場合、12℃に冷却された空気と20℃の外気の50%ずつの混合であれば、最大冷房能力は16℃の給気により確定する。すなわち、本実施の形態の構成によれば、給気温度において4℃分だけ最大冷房能力を有利に確保できることになる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係る空調システムの構成を示す図、図4は図3の空調システムで用いる空調機の構成を示す図であり、図1、図2と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、上記発明の原理2に対応するものである。
本実施の形態の空調システムでは、部屋1毎に個別の空調機2aが設置される。図4に示すように、空調機2aは、空気流入口200と、外気流入口201と、外気ダンパ202と、熱交換器203と、空気流入口200から流入した空気を熱交換器203に導く流路204と、ファン206と、熱交換器203によって冷却または加熱された給気をファン206に導く流路207と、流出口208と、ファン206からの給気を流出口208に導く流路209と、第1のPID制御演算部210と、第2のPID制御演算部211と、流路209と接続され、外気ダンパ202を通過した外気を流出口208に導く流路212とを有する。
空気が停止中のファンなどを通過すると、このファンなどの装置抵抗が少なからぬ圧力損失を招く。そこで、本実施の形態では、外気流入口201と外気ダンパ202とを、個別空調の熱交換器203やファン206に対して、空気の流れの下流側に配設した。したがって、完全外気冷房中に外気流入口201から取り入れた外気が、熱交換器203や完全外気冷房中で不要なために停止しているファン206を通過しないので、外気冷房機3のファン300によって得られる空気搬送動力の損失を低減することができる。
本実施の形態では、例えば外気冷房のみ(完全外気冷房)によって室内を冷房するときは、空調機2aの熱交換器203とファン206を完全に停止させて、外気は空調機2a内を単純に通過するだけで供給されることになり、通常のセントラル空調の外気冷房と同じ水準で省エネルギーを実現することが可能になる。すなわち、本実施の形態の構成は、完全外気冷房による省エネルギー効果の確保という観点から、有利な構成である。
以下、本実施の形態の省エネルギー効果を見積もる。外気が熱交換器203と停止中のファン206を通過することにより、必ず空気搬送動力の損失が発生するので、原理的にはその分が全て損失の低減分の効果として得られることになる。損失の発生は風量やファン形状などの条件次第で変化するものであり、確定的な数字として容易に定量化はできないが、以下に単純な算定例を示す。外気が熱交換器203を通過するときの圧力損失により約10%の損失が見込まれ、さらに外気が停止中のファン206を通過するときの圧力損失により約10%の損失が見込まれるものとする。両方の損失を合わせると、1.0−0.9×0.9=0.19の算定により約19%の損失が見込まれる。したがって、この算定例によれば、本実施の形態では、部屋の天井部分の吹出口8に一定の風量を供給する場合、外気冷房機3のファン300の出力を約19%節約できることになる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図5は本発明の第3の実施の形態に係る空調機の構成を示す図であり、図1〜図4と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、上記発明の原理2に対応するものであり、図1に示した空調システムにおいて空調機2の代わりに空調機2bを用いるものである。
図5に示すように、空調機2bは、空気流入口200と、外気流入口201と、外気ダンパ202と、熱交換器203と、空気流入口200から流入した空気を熱交換器203に導く流路204と、外気ダンパ202を通過した外気を熱交換器203に導く流路205と、ファン206と、熱交換器203によって冷却または加熱された給気をファン206に導く流路207と、流出口208と、ファン206からの給気を流出口208に導く流路209と、第1のPID制御演算部210と、第2のPID制御演算部211と、流路209と接続され、外気ダンパ202を通過した外気を流出口208に導く流路213と、流路205と流路213のどちらかを選択的に使用するための流路切換部214とを有する。
本実施の形態の空調機2bの構造では、外気流入口201と外気ダンパ202とは、個別空調の熱交換器203やファン206に対して、空気の流れの上流側に配設される。また、外気ダンパ202を通過した後の外気の流路には、熱交換器203およびファン206への流路205と、熱交換器203およびファン206を通過しない流路213の2つがあり、流路切換部214によりどちらかの流路が選択的に使用できるように構成されている。そして、流路切換部214は、例えば上位の制御装置(不図示)からの指示により、個別空調主体の制御モードでは流路205が使用されるように流路を切り換え、完全外気冷房の制御モードでは流路213が使用されるように流路を切り換える。
上位の制御装置は、部屋の居住者によって設定された室温設定値、外気温度、室温、消費エネルギー等を考慮して、個別空調主体の制御モードあるいは完全外気冷房の制御モードのどちらかの制御モードを部屋毎に選択して、部屋毎の個別空調を行う。なお、制御装置がどの制御モードを選択するかは、発明の本質には関係なく、また適宜実現可能であるので、制御モードの選択に関する詳細な説明は省略する。
本実施の形態によれば、個別空調主体の制御モードでは、外気流入口201から取り入れた外気を、熱交換器203により加熱または冷却することができ、かつ完全外気冷房の制御モードでは、外気流入口201から取り入れた外気が、熱交換器203や停止しているファン206を通過しないようにすることができ、外気冷房機3のファン300によって得られる空気搬送動力の損失を低減することができる。すなわち、本実施の形態の構成は、最大冷房能力や最大暖房能力の確保という観点から、有利な構成であり、完全外気冷房による省エネルギー効果の確保という観点からも、有利な構成である。ただし、第1の実施の形態および第2の実施の形態よりは構成要件が多くなる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図6は本発明の第4の実施の形態に係る空調機の構成を示す図であり、図1〜図5と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、上記発明の原理2に対応するものであり、図1に示した空調システムにおいて空調機2の代わりに空調機2cを用いるものである。
図6に示すように、空調機2cは、空気流入口200と、外気流入口201と、外気ダンパ202と、熱交換器203と、空気流入口200から流入した空気を熱交換器203に導く流路204と、ファン206と、熱交換器203によって冷却または加熱された給気をファン206に導く流路207と、流出口208と、ファン206からの給気を流出口208に導く流路209と、第1のPID制御演算部210と、第2のPID制御演算部211と、流路207と接続され、外気ダンパ202を通過した外気をファン206に導く流路215とを有する。
本実施の形態の空調機2cの構造では、外気流入口201と外気ダンパ202とは、個別空調の熱交換器203に対して空気の流れの下流側に配設され、ファン206に対して空気の流れの上流側に配設される。したがって、完全外気冷房中に外気流入口201から取り入れた外気が熱交換器203を通過しないので、外気冷房機3のファン300によって得られる空気搬送動力の損失を低減することができる。
ただし、本実施の形態の構成では、外気冷房のみ(完全外気冷房)によって室内を冷房するときに、外気冷房機3のファン300を利用せずに、個別の空調機2cのファン206によって得られる空気搬送動力を利用してもよい。例えば、冷房を必要とする部屋が1個である場合は、外気冷房機3のファン300や冷房しない部屋の空調機2cのファン206を停止して、冷房を必要とする部屋の空調機2cのファン206を1個だけ利用することが可能になる。外気冷房機3は複数の部屋に外気を供給する必要があるため、外気冷房機3のファン300を稼働させる際の消費エネルギーが大きい。これに対して、空調機2cは1つの部屋に空気を供給すればよいので、空調機2cのファン206を稼働させる際の消費エネルギーは外気冷房機3の消費エネルギーよりも少ない。つまり、本実施の形態の構成は、外気を取り入れるためのファンの稼働については、最小限の動力という選択が可能になるという観点から、有利な構成である。
以下、本実施の形態の省エネルギー効果を単純な算定例で示す。ここでは、部屋が5個ある場合に、各部屋の空調機2cが備えるファン206が100Wのモータ駆動であり、外気冷房機3のファン300が空調機2cの5倍に相当する500Wのモータ駆動であるとする。このとき1部屋だけ外気冷房を行なうとする。空調機2cが備えるファン206を利用する場合、そのファン206により得られる空気搬送動力は全てその部屋への空気搬送に利用されることになる。すなわち、例えばモータが100%の出力で動作しているなら、100Wの電力の空気搬送動力によって外気が導入されることになる。
一方、外気冷房機3のファン300を利用する場合、そのファンにより得られる空気搬送動力の全てを特定の1部屋に集中させることは困難である。ダクトの条件次第であるが、仮に外気冷房を行なおうとする1部屋に対し約70%の高効率で外気を導入できたとしても、100Wの電力分の空気搬送動力による外気導入を得るためには、100/0.7=143の算定により約140Wの出力が必要になる。つまり、500Wの外気冷房機3のファン300をインバータにより28%の出力で制御している状態に相当する。以上の算定例では、個別の空調機2cのファン206を利用する場合と外気冷房機3のファン300を利用する場合で、最小限の動力として40Wの差が生じる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図7は本発明の第5の実施の形態に係る空調機の制御部の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理3に対応するものであり、第1〜第4の実施の形態のいずれにも適用することができる。
空調機の制御部は、第1のPID制御演算部210と、第2のPID制御演算部211と、第1のPID制御演算部210に設定されるPIDパラメータである比例帯を予め記憶する第1の比例帯記憶部220と、第2のPID制御演算部211に設定されるPIDパラメータである比例帯を予め記憶する第2の比例帯記憶部221と、第1のPID制御演算部210と第2のPID制御演算部211に共通に設定されるPIDパラメータである積分時間と微分時間を予め記憶する積分・微分時間共通記憶部222と、室温センサ9によって計測された室温計測値を入力とする室温計測値入力部223と、第1のPID制御演算部210からの操作量指示値を熱交換器203に出力する第1の信号出力部224と、第2のPID制御演算部211からの操作量指示値を外気ダンパ202に出力する第2の信号出力部225とから構成される。
第1の比例帯記憶部220に記憶されている比例帯と積分・微分時間共通記憶部222に記憶されている積分時間と微分時間とが、第1のPID制御演算部210に設定され、第2の比例帯記憶部221に記憶されている比例帯と積分・微分時間共通記憶部222に記憶されている積分時間と微分時間とが、第2のPID制御演算部211に設定される。
個別空調主体の制御モードにおいて、第1のPID制御演算部210は、室温計測値入力部223から入力された室温計測値と部屋の居住者によって設定された室温設定値とが一致するようにPID制御演算を行って操作量指示値を算出し、操作量指示値を第1の信号出力部224を介して熱交換器203に出力する。こうして、例えば熱交換器203に供給される熱源水の量が操作量指示値に応じて制御されることにより、熱交換器203の加熱・冷却能力が制御され、室温制御が実行される。すなわち、この場合は熱交換器203が制御アクチュエータになる。
一方、外気冷房主体の制御モードにおいて、第2のPID制御演算部211は、室温計測値と室温設定値とが一致するようにPID制御演算を行って操作量指示値を算出し、操作量指示値を第2の信号出力部225を介して外気ダンパ202に出力する。こうして、外気ダンパ202の開度が操作量指示値に応じて制御されることにより、外気の供給量が制御され、室温制御が実行される。すなわち、この場合は外気ダンパ202が制御アクチュエータになる。
図1、図3からも理解できるように、第1〜第4の実施の形態では、同一の空調機に熱交換器203と外気ダンパ202とが備えられているので、熱交換器203から室温センサ9までの距離と、外気ダンパ202から室温センサ9までの距離は、ほぼ同じになる。室温センサ9は、通常は室内壁面の中央ぐらいの位置に設置される。また、熱交換器203を通る空気と外気ダンパ202を通る空気の経路もほぼ同じである。したがって、制御アクチュエータが操作されて室温の変化に反映されるまでの時間τは、個別空調主体の制御モードでも外気冷房主体の制御モードでもほぼ同じになる。
PIDパラメータの調整においては、積分時間と微分時間とは上記の時間τに基づいて決定されることが好ましい。本実施の形態では、上記のとおり2つの制御モードで時間τがほぼ同じになるので、第1のPID制御演算部210と第2のPID制御演算部211との間で積分時間を共通化し、さらに微分時間についても共通化することが可能になる。本実施の形態の構成は、PIDパラメータ調整の手間の低減という観点から、有利な構成である。
図9に示した構成では、積分時間と微分時間とを決定するために、外気冷房主体の制御モードでのプロセスむだ時間の測定と個別空調主体の制御モードでのプロセスむだ時間の測定の2回の測定が必要になる。これに対して、図1、図3に示した本実施の形態の構成では、積分時間と微分時間とを決定するためのプロセスむだ時間の測定はどちらかの制御モードで1回行えばよいので、プロセスむだ時間の測定の手間を1回分低減できる。
なお、比例帯は制御アクチュエータの操作に応じてどの程度の変化の影響を与えられるかという指標が主要素になるので、第1のPID制御演算部210と第2のPID制御演算部211との間で共通化するのは妥当ではないし困難である。比例帯の決定方法については、例えば特許文献2に開示されている。
本発明は、個別空調と外気冷房とが併用される空調システムの空調機に適用することができる。
1…部屋、2,2a,2b,2c…空調機、3…外気冷房機、4…還気ダクト、5…外気の取り入れ口、6…外気ダクト、7…給気ダクト、8…給気の吹出口、9…室温センサ、200…空気流入口、201…外気流入口、202…外気ダンパ、203…熱交換器、204,205,207,209,212,213,215…流路、206…ファン、208…流出口、210…第1のPID制御演算部、211…第2のPID制御演算部、214…流路切換部、220…第1の比例帯記憶部、221…第2の比例帯記憶部、222…積分・微分時間共通記憶部、223…室温計測値入力部、224…第1の信号出力部、225…第2の信号出力部。

Claims (5)

  1. 室温制御のために部屋毎に設置される個別空調用の空調機各部屋で共用する外気冷房とが併用される空調システムにおける前記個別空調用の空調機であって、
    熱交換器と、
    この熱交換器によって冷却または加熱される空気を送り出すファンと、
    還気ダクトから還気を取り入れる空気流入口と、
    外気ダクトから外気を取り入れる外気流入口と、
    この外気流入口から取り入れる外気の量を調節する外気ダンパと、
    前記ファンから送り出される空気を排出する流出口と、
    前記空気流入口から取り入れた還気を、前記熱交換器とファンを通過させて前記流出口に導き、前記外気流入口から取り入れた外気を、少なくとも前記外気ダンパを通過させて前記流出口に導く流路と
    主として熱交換器の冷却能力または加熱能力を増減させることにより室温制御を実行する個別空調主体の制御モードのときに、室温計測値と室温設定値に基づいて、前記熱交換器の能力を操作する操作量指示値を算出する第1のPID制御演算手段と、
    主として外気冷房機の効果を増減させることにより室温制御を実行する外気冷房主体の制御モードのときに、室温計測値と室温設定値に基づいて、前記外気ダンパの開度を操作する操作量指示値を算出する第2のPID制御演算手段と、
    前記第1のPID制御演算手段と第2のPID制御演算手段に共通に設定されるPIDパラメータである積分時間と微分時間を予め記憶する積分・微分時間共通記憶手段とを備えることを特徴とする空調機。
  2. 請求項1記載の空調機において、
    前記外気流入口は、前記熱交換器とファンに対して、空気の流れの上流側に配設され、
    前記流路は、前記外気ダンパを通過した外気を、前記熱交換器とファンを通過させて前記流出口に導くことを特徴とする空調機。
  3. 請求項1記載の空調機において、
    前記外気流入口は、前記熱交換器とファンに対して、空気の流れの下流側に配設され、
    前記流路は、前記外気ダンパを通過した外気を、前記熱交換器とファンを通過させることなく前記流出口に直接導くことを特徴とする空調機。
  4. 請求項1記載の空調機において、
    前記外気流入口は、前記熱交換器とファンに対して、空気の流れの上流側に配設され、
    前記流路は、前記外気ダンパを通過した外気を、前記熱交換器とファンを通過させて前記流出口に導く第1の外気用流路と、前記外気ダンパを通過した外気を、前記熱交換器とファンを通過させることなく前記流出口に直接導く第2の外気用流路とを含み、
    さらに、外気用流路を前記第1の外気用流路と第2の外気用流路のどちらかに切換可能な流路切換手段を備え、
    完全外気冷房のときは、前記第2の外気用流路が使用されるように制御されることを特徴とする空調機。
  5. 請求項1記載の空調機において、
    前記外気流入口は、前記熱交換器に対して空気の流れの下流側に配設され、前記ファンに対して空気の流れの上流側に配設され、
    前記流路は、前記外気ダンパを通過した外気を、前記ファンを通過させて前記流出口に導くことを特徴とする空調機。
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