JP5371534B2 - レーザ加工方法、レーザ加工装置及びソーラパネル製造方法 - Google Patents

レーザ加工方法、レーザ加工装置及びソーラパネル製造方法 Download PDF

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本発明は、レーザ光を用いて薄膜等を加工するレーザ加工方法、レーザ加工装置及びソーラパネル製造方法に係り、特に膜付きの基板を加工する際に発生する金属粒子、金属蒸気などによる影響を緩和することのできるレーザ加工方法、レーザ加工装置及びソーラパネル製造方法に関する。
従来、ソーラパネルの製造工程では、透光性基板(ガラス基板)上に透明電極層、半導体層、金属層を順次形成し、形成後の各工程で各層をレーザ光で短冊状に加工してソーラパネルモジュールを完成している。このようにしてソーラパネルモジュールを製造する場合、ガラス基板上の薄膜に例えば約10mmピッチでレーザ光でスクライブ線を形成している。このスクライブ線の線幅は約30μmで、線と線の間隔は約30μmとなるような3本の線で構成されている。レーザ光でスクライブ線を形成する場合、通常は定速度で移動するガラス基板上にレーザ光を照射していた。これによって、深さ及び線幅の安定したスクライブ線を形成することが可能であった。このようなソーラパネル(光電変換装置)の製造方法については、特許文献1に記載のようなものが知られている。
特開2006−054254号公報
一般的に、ソーラパネル製造工程においては、レーザ光を用いて、ビーム径を規定の幅にしぼり、基板を移動させて、スクライブ加工を行なっている。このレーザ加工を長時間行なっていると、基板上の膜が気化し、集光レンズ付近に気化した金属粒子(イオン)などが浮遊し、この粒子がレンズ付近に巻き上がり、これと同時にレーザ光が照射されることによって集光レンズに金属粒子などが蒸着してしまい、集光レンズの透過率が低下し、レーザ光のパワーが不足するという問題があった。
本発明の目的は、上述の点に鑑みてなされたものであり、膜付きの基板を加工する際に発生する金属粒子、金属蒸気などによる集光レンズへの影響を抑制することのできるレーザ加工方法、レーザ加工装置及びソーラパネル製造方法を提供することである。
本発明に係るレーザ加工方法の第1の特徴は、気密型容器手段の側壁部から入射するレーザ光を、前記気密型容器手段の他の側壁部に保持された集光レンズで集光して相対的に移動するワークに照射することによって前記ワークに所定の加工を施すレーザ加工方法であって、前記気密型容器手段内を陽圧にして、前記加工時に前記ワークから発生する金属粒子などが前記気密型容器手段内へ混入するのを防止したことにある。
ワークであるガラス基板上にレーザ光を照射して加工を行なうと、基板上の膜が気化し、集光レンズ付近に気化した金属粒子(イオン)が浮遊し、この粒子が集光レンズ付近に巻き上がるが、集光レンズを保持する気密型容器手段内は陽圧に維持されているので、この金属粒子、金属蒸気などが気密型容器手段内に侵入することがなくなり、気密型容器手段内の集光レンズに金属粒子などが蒸着するということはなくなり、金属粒子などの蒸着による集光レンズの透過率の低下を抑制し、集光レンズを常にクリーンに維持することが可能となる。
本発明に係るレーザ加工方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のレーザ加工方法において、前記レーザ光を前記気密型容器手段内に設けられたハーフミラー及び反射ミラーからなる分岐手段を用いて複数のレーザ光に分岐し、分岐された複数のレーザ光のそれぞれに対応するように前記気密型容器手段の側壁部に前記集光レンズを設けたことにある。
これは、レーザ光を気密型容器手段内で複数に分割し、分割されたレーザ光毎に集光レンズを設けるようにしたものである。そして、この発明では、各集光レンズに金属粒子などが蒸着しないように、密閉型容器手段内を陽圧に維持している。
本発明に係るレーザ加工方法の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載のレーザ加工方法において、前記分岐手段が、前記ワークの加工面に対して垂直に向かう垂直レーザ光を複数のレーザ光に分岐すると共に前記垂直レーザ光の進行方向を中心軸として前記分岐手段を回転させることによって、前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の前記ワークに対する相対的な移動方向とのなす角度を可変制御することにある。
レーザ光は、最終的にワークの加工面に垂直に照射される。この発明では、ハーフミラー及び反射ミラーからなる分岐手段をこの垂直に向かう垂直レーザ光の途中に設けてレーザ光を分岐している。このとき、分岐手段の回転中心軸と垂直レーザ光の進行方向とを一致させて、分岐手段全体を回転できるように構成することによって、分岐方向とレーザ光の走査方向とのなす角度を容易に可変制御することができるものである。
本発明に係るレーザ加工方法の第4の特徴は、前記第3の特徴に記載のレーザ加工方法において、前記分岐手段によって分岐される前のレーザ光の光路中に位相型回折光学素子手段を配置して前記レーザ光をトップハット強度分布に変換し、変換後のレーザ光が前記ワークに照射されるまでのそれぞれの光路長が同じになるように前記レーザ光を複数に分岐して前記ワークに照射すると共に前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の相対的な移動方向とのなす角度が回転制御された場合でも前記レーザ光の相対的な移動方向に対して前記位相型回折光学素子手段は回転させないようにしたことにある。
一般的に、ソーラパネル製造工程においては、レーザ光としてガウスビームを使用し、ビーム径を規定の幅にしぼり、基板を移動させて、スクライブ加工を行なっている。レーザ光としてガウスビームを用いると、加工形状がすり鉢状になり、中央部の膜が飛び過ぎるという問題があり、また、スクライブ加工を行なった場合、レーザ光をパルス照射しているため、スクライブ線の両側稜線が波打ってしまうという問題がある。そこで、レーザ光の光路中に、位相型回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)を配置して、ガウスビームをトップハット(TopHat)ビームに変換して、レーザ光をワークに照射するようにした。DOEは、レーザ光の配光特性を変換/整形する機能を持つ素子であり、主にレーザ光のガウシアン強度分布をフラットトップ(トップハット)強度分布に変換し、レーザー加工などの精度向上に使われるものである。このDOEを使用することによって、レーザ光の照射形状はほぼ正方形状とすることができ、スクライブ線の両側稜線を滑らかに形成することができる。ところが、レーザ光の分岐方向とレーザ光の走査方向とのなす角度を可変制御した場合、照射形状がほぼ正方形状であることから、スクライブ線の両側稜線がガウシアン強度分布の場合よりも逆に波打ってしまう可能性がある。そこで、この発明では、レーザ光の分岐方向とレーザ光の走査方向とのなす角度を可変制御した場合でも、レーザ光の相対的な移動方向に対して位相型回折光学素子手段は回転させないようにした。これによって、スクライブ線の両側稜線を滑らかに形成することができる。
本発明に係るレーザ加工方法の第5の特徴は、前記第1から第4の特徴のいずれか1の特徴に記載のレーザ加工方法において、前記加工時に前記ワークと前記密閉型容器手段との間にエアーを吹き付けることによって、前記ワークから発生する金属粒子などをパージすることにある。
これは、レーザ加工時にワークと密閉型容器手段との間にエアーを吹き付け、ワーク表面から発生する金属粒子などをパージし、金属粒子、金属蒸気などが集光レンズに蒸着するのを防止するようにしたものである。
本発明に係るレーザ加工方法の第6の特徴は、前記第1から第5の特徴のいずれか1の特徴に記載のレーザ加工方法において、前記加工時に前記ワークと前記密閉型容器手段との間で前記ワークから発生する金属粒子などを吸引することにある。
これは、レーザ加工時にワークと密閉型容器手段との間でワーク表面から発生する金属粒子、金属蒸気などを吸引除去し、金属粒子などが集光レンズに蒸着するのを防止するようにしたものである。なお、金属粒子、金属蒸気などのパージと金属粒子、金属蒸気などの吸引を同時に行なうことによってその効果は倍増する。
本発明に係るレーザ加工装置の第1の特徴は、ワークを保持する保持手段と、周囲を側壁部で囲まれた気密型の容器からなり、前記側壁部の一部から入射するレーザ光を他の側壁部に保持された集光レンズで集光して相対的に移動する前記ワークに照射する気密型容器手段と、前記気密型容器手段内を陽圧にして、前記加工時に前記ワークから発生する金属粒子などが前記気密型容器手段内へ混入するのを防止するエアパージ手段とを備えたことにある。これは、前記レーザ加工方法の第1の特徴に対応したレーザ加工装置の発明である。
本発明に係るレーザ加工装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のレーザ加工装置において、前記レーザ光をハーフミラー及び反射ミラーを用いて複数のレーザ光に分岐する分岐手段を前記気密型容器手段内に設け、分岐された複数のレーザ光のそれぞれに対応するように前記気密型容器手段の側壁部に前記集光レンズを設けたことにある。これは、前記レーザ加工方法の第2の特徴に対応したレーザ加工装置の発明である。
本発明に係るレーザ加工装置の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載のレーザ加工装置において、前記分岐手段は、前記ワークの加工面に対して垂直に向かう垂直レーザ光を複数のレーザ光に分岐するものであって、前記分岐手段を前記垂直レーザ光の進行方向を中心軸として回転制御することによって、前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の前記ワークに対する相対的な移動方向とのなす角度を可変制御する回転制御手段を備えたことにある。これは、前記レーザ加工方法の第3の特徴に対応したレーザ加工装置の発明である。
本発明に係るレーザ加工装置の第4の特徴は、前記第3の特徴に記載のレーザ加工装置において、前記分岐手段によって分岐される前のレーザ光の光路中に位相型回折光学素子手段を配置して前記レーザ光をトップハット強度分布に変換し、変換後のレーザ光が前記ワークに照射されるまでのそれぞれの光路長が同じになるように前記レーザ光を複数に分岐して前記ワークに照射すると共に前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の相対的な移動方向とのなす角度が回転制御された場合でも前記レーザ光の相対的な移動方向に対して前記位相型回折光学素子手段は回転させないようにしたことにある。これは、前記レーザ加工方法の第4の特徴に対応したレーザ加工装置の発明である。
本発明に係るレーザ加工装置の第5の特徴は、前記第1から第4の特徴のいずれか1の特徴に記載のレーザ加工装置において、前記加工時に前記ワークと前記密閉型容器手段との間にエアーを吹き付けることによって、前記ワークから発生する金属粒子などをパージするエアパージ手段を設けたことにある。これは、前記レーザ加工方法の第5の特徴に対応したレーザ加工装置の発明である。
本発明に係るレーザ加工装置の第6の特徴は、前記第1から第5の特徴のいずれか1の特徴に記載のレーザ加工装置において、前記加工時に前記ワークと前記密閉型容器手段との間で前記ワークから発生する金属粒子などを吸引する金属粒子吸引手段を設けたことにある。これは、前記レーザ加工方法の第6の特徴に対応したレーザ加工装置の発明である。
本発明に係るソーラパネル製造方法の特徴は、前記第1から第6の特徴のいずれか1の特徴に記載のレーザ加工方法、又は前記第1から第6の特徴のいずれか1の特徴に記載のレーザ加工装置を用いて、ソーラパネルを製造することにある。これは、前記レーザ加工方法又は前記レーザ加工装置のいずれかを用いて、ソーラパネルを製造するようにしたものである。
本発明によれば、膜付きの基板を加工する際に発生する金属粒子、金属蒸気による集光レンズへの影響を抑制することができるという効果がある。
本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示す図である。 図1の光学系部材の詳細構成を示す図である。 図1の検出光学系部材の構成を示す模式図である。 制御装置の処理の詳細を示すブロック図である。 図3のパルス抜け判定手段の動作の一例を示す図である。 図5の高速フォトダイオードから出力される波形の一例を示す図である。 図1の光学系部材を下側(ワーク側)から見た図である。 光学系部材の回転量とスクライブ線のピッチ幅との関係を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示す図である。このレーザ加工装置は、ソーラパネル製造装置のレーザ光加工処理(レーザスクライブ)工程を行なうものである。
図1のソーラパネル製造装置は、台座10、XYテーブル20、レーザ発生装置40、光学系部材50、アライメントカメラ装置60、リニアエンコーダ70、制御装置80、エアパージ装置100、エアカーテン装置106、金属粒子吸引装置108及び検出光学系部材等によって構成されている。
台座10上には台座10のX軸方向及びY軸方向(XY平面)に沿って駆動制御されるXYテーブル20が設けられている。XYテーブル20は、X方向及びY方向へ移動制御される。なお、XYテーブル20の駆動手段としては、ボールネジやリニアモータ等が用いられるが、これらの図示は省略してある。XYテーブル20の上側にはレーザ加工の対象となるワーク1が保持されている。また、台座10の上には光学系部材を保持しながらY軸方向にスライド駆動されるスライドフレーム30が設けられている。XYテーブル20は、Z軸を回転軸としてθ方向に回転可能に構成されている。なお、スライドフレーム30によりY軸方向の移動量が十分に確保できる場合には、XYテーブル20は、X軸方向の移動だけを行なう構成であってもよい。この場合、XYテーブル20はX軸テーブルの構成でもよい。
スライドフレーム30は、台座10上の四隅に設けられた移動台に取り付けられている。スライドフレーム30は、この移動台によってY方向へ移動制御される。ベース板31と移動台との間には除振部材(図示せず)が設けられている。スライドフレーム30のベース板31には、レーザ発生装置40、光学系部材50及び制御装置80が設置されている。光学系部材50は、ミラーやレンズの組み合わせで構成され、レーザ発生装置40で発生したレーザ光を4系列に分割してXYテーブル20上のワーク1上に導くものである。なお、レーザ光の分割数は4系列に限るものではなく、2系列以上であればよい。
光学系部材50は、図示のように、ベース板31の下面側に設けられている。レーザ発生装置40から出射されるレーザ光を光学系部材50に導くためのミラー33,35がベース板31上に設けられている。レーザ発生装置40から出射されたレーザ光は、ミラー33によってミラー35へ向かって反射され、ミラー35は、ミラー33からの反射レーザ光をベース板31に設けられた貫通穴を介して光学系部材50に導く。なお、レーザ光発生装置40から出射されたレーザ光は、ベース板31に設けられた貫通穴から光学系部材50に対して上側から導入されるように構成されれば、どのような構成のものであってもよい。例えば、レーザ発生装置40を貫通穴の上側に設け、貫通穴を介して光学系部材50に直接レーザ光を導くようにしてもよい。
アライメントカメラ装置60は、XYテーブル20上であってワーク1の両端部(X軸方向の前後縁部)付近の画像を取得する。このアライメントカメラ装置60で取得された画像は、制御装置80に出力される。制御装置80は、アライメントカメラ装置60からの画像を、ワーク1のIDデータと共にデータベース手段に格納し、これ以降のワーク1のアライメント処理に利用する。
リニアエンコーダ70は、XYテーブル20のX軸移動テーブルの側面に設けられたスケール部材と検出部で構成される。リニアエンコーダ70の検出信号は、制御装置80に出力される。制御装置80は、リニアエンコーダ70からの検出信号に基づいてXYテーブル20のX軸方向の移動速度(移動周波数)を検出し、レーザ発生装置40の出力(レーザ周波数)を制御する。
制御装置80は、アライメント処理以外にも、リニアエンコーダ70からの検出信号に基づいてXYテーブル20のX軸方向の移動速度(移動周波数)を検出し、レーザ発生装置40の出力(レーザ周波数)を制御し、高速フォトダイオード94及び光軸検査用CCDカメラ96から出力される信号に基づいてレーザ発生装置40から出射されるレーザ光のパルス抜けを検出したり、レーザ光の光軸ずれ量に基づいてレーザ発生装置40の出射条件を制御したり、光学系部材50内のレーザ光を導入するための反射ミラー33,35の配置等をフィードバック制御する。
エアパージ装置100は、光学系部材50内を陽圧にし、光学系部材50内への金属粒子(イオン,蒸気)などの混入を防止するものである。エアパージ装置100はフィルタを備え、エアーを清浄して光学系部材50内に導入する。なお、光学系部材50は、密閉構造となっており、集光レンズ付近からエアを吹き出すような構成となっている。エアカーテン装置106は、レーザスクライブ処理中に光学系部材50の集光レンズ付近に向かってエアを吹き出し、加工時に発生する金属粒子(イオン,蒸気)などが集光レンズ付近に浮遊しないようにする。金属粒子吸引装置108は、エアカーテン装置106の反対側には設けられ、加工時に発生する金属粒子(イオン,蒸気)などを吸引する。
図2は、光学系部材50の詳細構成を示す図である。実際の光学系部材50の構成は、複雑であるが、ここでは説明を簡単にするために図示を簡略化して示している。図2は、光学系部材50の内部を図1の−X軸方向から見た図である。図2に示すようにベース板31にはミラー35で反射されたレーザ光を光学系部材50内に導入するための貫通穴37を有する。この貫通穴37の直下には、ガウシアン強度分布のレーザ光をトップハット強度分布のレーザ光に変換する位相型回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)500が設けられている。
DOE500によってトップハット強度分布のレーザ光(トップハットビーム)に変換されたレーザ光はハーフミラー511によって反射ビームと透過ビームにそれぞれ分岐され、反射ビームは右方向のハーフミラー512に向かって、透過ビームは下方向の反射ミラー524に向かって進む。ハーフミラー511で反射したビームは、ハーフミラー512によってさらに反射ビームと透過ビームに分岐され、反射ビームは下方向の反射ミラー522に向かって、透過ビームは右方向の反射ミラー521に向かって進む。ハーフミラー512を透過したビームは反射ミラー521によって反射され、下方向の集光レンズ541を介してワーク1に照射される。ハーフミラー512で反射したビームは、反射ミラー522,523によって反射され、下方向の集光レンズ542を介してワーク1に照射される。ハーフミラー511を透過したビームは、反射ミラー524によって反射され、左方向に向かって進む。反射ミラー524で反射したビームは、ハーフミラー513によって反射ビームと透過ビームに分岐され、反射ビームは下方向の反射ミラー526に向かって、透過ビームは左方向の反射ミラー528に向かって進む。ハーフミラー513で反射したビームは、反射ミラー526,527によって反射され、下方向の集光レンズ543を介してワーク1に照射される。ハーフミラー513を透過したビームは反射ミラー528によって反射され、下方向の集光レンズ544を介してワーク1に照射される。
DOE500によって変換されたトップハットビームは、上述のハーフミラー511〜513及び反射ミラー521〜528によって、透過・反射されて集光レンズ541〜544に導かれる。このとき、DOE500から各集光レンズ541〜544までの光路長は等しくなるように設定されている。すなわち、ハーフミラー511で反射したビームがハーフミラ512を透過して反射ミラー521で反射して集光レンズ541に到達するまでの光路長、ハーフミラー511で反射したビームがハーフミラー512、反射ミーラ522,523でそれぞれ反射して集光レンズ542に到達するまでの光路長、ハーフミラー511を透過したビームが反射ミラー523、ハーフミラー513、反射ミーラ526,527でそれぞれ反射して集光レンズ543に到達するまでの光路長、ハーフミラー511を透過したビームが反射ミラー523で反射してハーフミラー513を透過して反射ミーラ528で反射して集光レンズ544に到達するまでの光路長は、それぞれ等しい距離である。これによって、ビームが分岐される直前にDOE500を配置しても、トップハット強度分布のレーザ光を集光レンズ541〜544に同様に導くことが可能となる。
シャッター機構531〜534は、光学系部材50の各集光レンズ541〜544から出射されるレーザ光がワーク1から外れた場合にレーザ光の出射を遮蔽するものである。オートフォーカス用測長システム52,54は、図示していない検出光照射用レーザとオートフォーカス用フォトダイオードとから構成され、検出光照射用レーザから照射された光の中でワーク1の表面から反射した反射光を受光し、その反射光量に応じて光学系部材50内の集光レンズ541〜544を上下に駆動し、ワーク1に対する高さ(集光レンズ541〜544のフォーカス)を調整する。なお、フォーカス調整用駆動機構は図示していない。
エアパージ装置100は、図2に示すように、ベース板31の下側で光学系部材50に隣接する位置に設けられている。エアパージ装置100は、光学系部材50内を陽圧にするためのエアをフレキシブル管102を介して点線矢印104のように光学系部材50内に導入する。光学系部材50は、密閉構造となっているので、集光レンズ541〜544付近の隙間からはエアが吹き出され、加工時に発生する金属粒子(イオン,蒸気)などが光学系部材50内に混入するのを防止している。エアカーテン装置106は、図2に示すように、集光レンズ541側に設けられ、点線矢印107のように集光レンズ541〜544の表面付近に向かってエアを吹き出す。一方、金属粒子吸引装置108は、エアカーテン装置106とは反対側(集光レンズ544側)に設けられ、点線矢印109のように集光レンズ544の下面付近のエア、すなわち、エアカーテン装置106から吹き出されたエアを吸引する。これによって、エアカーテン装置106から金属粒子吸引装置108に向かうエアの流れが発生し、加工時に発生する金属粒子(イオン,蒸気)などは、集光レンズ付近に浮遊することなく、金属粒子吸引装置108によって吸引除去されるようになる。
図3は、第1検出光学系部材及び第2検出光学系部材の構成を示す模式図である。第1検出光学系部材は、集光レンズ高さ測長システム26と、フォーカス及び光軸調整用CCDカメラ28とから構成される。図3では、集光レンズ高さ測長システム26とフォーカス及び光軸調整用CCDカメラ28が重複して示されているので、符号で区別するようにしている。図2に記載のオートフォーカス用測長システム52,54によって、ワーク1から光学系部材50の両側下面までの高さを調整した場合、光学系部材50の下面の高さを同じにすることはできても、ワーク1から各集光レンズ541〜544までの高さを同じにすることができるとは限らない。そこで、この実施の形態では、XYテーブル20のX軸方向の側面のいずれか一方(図ではXYテーブル20の−X軸方向の側面)に集光レンズ高さ測長システム26を取り付け、ワーク1から各集光レンズ541〜544までの高さをそれぞれ測長するようにした。集光レンズ高さ測長システム26によって検出された各集光レンズ541〜544の高さに対応した信号は、制御装置80に出力される。制御装置80は、ワーク1から各集光レンズ541〜544までの高さが適正であるか否かの判定を行なう。集光レンズ高さ測長システム26の測長結果に応じて、各集光レンズ541〜544の配置(高さ)は調整されるようになっている。この場合、この集光レンズ541〜544の配置(高さ)の調整は、手動又は自動で行なえるように構成する。なお、集光レンズ高さ測長システム26を用いて、光学系部材50の下面の高さを測長するようにすれば、オートフォーカス用測長システム52,54を省略することが可能である。
フォーカス及び光軸調整用CCDカメラ28は、XYテーブル20のX軸方向の側面のいずれか一方(図ではXYテーブル20の−X軸方向の側面)であって、集光レンズ高さ測長システム26の隣接する位置(近傍)に設けられている。フォーカス及び光軸調整用CCDカメラ28は、XYテーブル20と光学系部材50の各集光レンズ541〜544との位置を関連付けるものであり、XYテーブル20の上空側を視認可能に設置されている。フォーカス及び光軸調整用CCDカメラ28によって撮像された映像は、制御装置80に出力される。制御装置80は、各集光レンズ541〜544から出射されるレーザ光の光軸が適正であるか否かの判定を行なう。すなわち、フォーカス及び光軸調整用CCDカメラ28は、光学系部材50の各集光レンズ541〜544から出射するレーザ光を直接観察することができるので、これを画像化することによって、制御装置80は、各集光レンズ541〜544のフォーカス及び光軸が適正であるか否かを判断することができる。また、レーザ発生装置40、光学系部材50などのレーザ光に係わる各光学系の交換した時に、交換前と交換後の画像を取得し数値化しておくことによって、交換後のフォーカス及び光軸の調整を容易に行なうことができる。さらに、複数ヘッドの場合、各レーザ光の画像を取得して数値化することによって、バラツキを適正に調整することができる。
第2検出光学系部材は、図1に示すように、ビームサンプラ92,93、高速フォトダイオード94及び光軸検査用CCDカメラ96から構成される。ビームサンプラ92,93は、光学系部材50内に導入されるレーザ光の光路中に設けられている。この実施の形態では、レーザ発生装置40と反射ミラー33との間に設けられている。ビームサンプラ92,93はレーザ光の一部(例えば、レーザ光の約0.4割程度又はそれ以下の光量)をサンプリングして外部に分岐出力する素子である。高速フォトダイオード94は、ビームサンプラ92で分岐出力されたレーザ光の一部(サンプリングビーム)を受光面のほぼ中央付近で受光するように配置される。高速フォトダイオード94によって検出されたレーザ光の強度に対応した出力信号は、制御装置80に出力される。光軸検査用CCDカメラ96は、ビームサンプラ93で分岐出力されたレーザ光の一部(サンプリングビーム)を受光面のほぼ中央付近で受光するように配置される。光軸検査用CCDカメラ96によって撮像された映像は、制御装置80に出力される。なお、光軸検査用CCDカメラ96は、高速フォトダイオード94に照射されるレーザ光の位置を示す画像を取り込み、その画像を制御装置80に出力するようにしてもよい。
制御装置80は、リニアエンコーダ70からの検出信号に基づいてXYテーブル20のX軸方向の移動速度(移動周波数)を検出し、レーザ発生装置40の出力(レーザ周波数)を制御し、集光レンズ高さ測長システム26、フォーカス及び光軸調整用CCDカメラ28、高速フォトダイオード94及び光軸検査用CCDカメラ96から出力される各信号に基づいて、ワーク1から各集光レンズ541〜544までの高さが適正であるか否かを判断したり、各集光レンズ541〜544のフォーカス及び光軸が適正であるか否かを判断したり、レーザ発生装置40から出射されるレーザ光のパルス抜けを検出したり、レーザ光の光軸ずれ量に基づいてレーザ発生装置40の出射条件を制御したり、光学系部材50内にレーザ光を導入するための反射ミラー33,35の配置等をフィードバック制御したり、各集光レンズ541〜544の配置を調整したりする。
図4は、制御装置80の処理の詳細を示すブロック図である。制御装置80は、分岐手段81、パルス抜け判定手段82、アラーム発生手段83、基準CCD画像記憶手段84、光軸ずれ量計測手段85、レーザコントローラ86、レンズ変位量計測手段87、レンズ高さ調整手段88、照射レーザ状態検査手段89及び照射レーザ調整手段8Aから構成される。
分岐手段81は、リニアエンコーダ70の検出信号(クロックパルス)を分岐して後段のレーザコントローラ86に出力する。パルス抜け判定手段82は、高速フォトダイオード94からのレーザ光強度に対応した出力信号(ダイオード出力)と分岐手段81から出力される検出信号(クロックパルス)とを入力し、それに基づいてレーザ光のパルス抜けを判定する。図5は、パルス抜け判定手段82の動作の一例を示す図である。図5において、図5(A)は分岐手段81から出力される検出信号(クロックパルス)の一例、図5(B)は高速フォトダイオード94から出力されるレーザ光強度に対応した出力信号(ダイオード出力)の一例、図5(C)はパルス抜け判定手段82がパルス抜け検出時に出力するアラーム信号の一例をそれぞれ示す。
図5に示すように、パルス抜け判定手段82は、分岐手段81からのクロックパルスの立ち下がり時点をトリガ信号として、ダイオード出力値が所定のしきい値Th以上であるか否かの判定を行い、ダイオード出力値がしきい値Thよりも小さい場合には、ハイレベル信号をアラーム発生手段83に出力する。アラーム発生手段83は、パルス抜け判定手段82からの信号がローレベルからハイレベルに変化した時点でパルス抜けが発生したことを示すアラームを外部に報知する。アラームの報知は、画像表示、発音等の種々の方法で行なう。アラームの発生によって、オペレータはパルス抜けが発生したことを認識することができる。また、このアラームが頻繁に発生する場合には、レーザ発生装置の性能が劣化したか又は寿命になったことを意味する。
基準CCD画像記憶手段84は、図4に示すような基準CCD画像84aを記憶している。この基準CCD画像84aは、光軸検査用CCDカメラ96の受光面の中央にレーザ光が受光した状態の画像を示すものである。光軸検査用CCDカメラ96からは、図4に示すような被検査画像85aが出力される。光軸ずれ量計測手段85は、光軸検査用CCDカメラ96からの被検査画像85aを取り込み、これと基準CCD画像84aとを比較し、光軸のずれ量を計測し、そのずれ量をレーザコントローラ86に出力する。例えば、図4に示す被検査画像85aのような画像が光軸検査用CCDカメラ96から出力された場合には、光軸ずれ量計測手段85は、両者を比較して、X軸及びY軸方向のずれ量を計測し、それをレーザコントローラ86に出力する。レーザコントローラ86は、被検査画像85aと基準CCD画像84aとが一致するように、レーザ光の光軸に関係する装置、すなわちレーザ発生装置40の出射条件や光学系部材50内にレーザ光を導入するための反射ミラー33,35の配置等をフィードバックして調整する。
レンズ変位量計測手段87は、集光レンズ高さ測長システム26によって検出された各集光レンズ541〜544の高さに対応した信号を入力し、各集光レンズ541〜544の高さが許容範囲内にあるか、この許容範囲よりも大きくずれているかを判定し、大きくずれている集光レンズ541〜544の高さをどの程度調整すればよいかを示す制御信号をレンズ高さ調整手段88に出力する。レンズ高さ調整手段88は、レンズ変位量計測手段87からの制御信号に応じて各集光レンズ541〜544の配置を調整する。なお、集光レンズ541〜544の高さ調整機構が存在しない場合には、レンズ高さ調整手段88は、レンズ変位量計測手段87からの制御信号に基づいて、集光レンズ541〜544のどれをどの程度調整すればよいのか、その調整情報をオペレータに伝達(視認表示、音声発音など)するようにしてもよい。
照射レーザ状態検査手段89は、フォーカス及び光軸調整用CCDカメラ28からの画像89aを取り込み、これに基づいてフォーカス及び光軸のずれ量を計測し、そのずれ量を照射レーザ調整手段8Aに出力する。例えば、図4に示すような画像89aがフォーカス及び光軸調整用CCDカメラから出力された場合には、照射レーザ状態検査手段89は、画像89a内の円状の輪郭線89b(集光レンズ541〜544の外縁に対応した線)を基準にフォーカス円89c(画像89a内の小円)の位置を検出し、フォーカス円89cが輪郭線89bのほぼ中央に位置しているか否かに基づいて光軸のX軸及びY軸方向のずれ量を計測し、それを照射レーザ調整手段8Aに出力する。また、照射レーザ状態検査手段89は、フォーカス円89cの大きさ(面積)を計測し、それも基づいたフォーカス位置を照射レーザ調整手段8Aに出力する。照射レーザ調整手段8Aは、照射レーザ状態検査手段89からの光軸のずれ量及びフォーカス位置に対応した信号に基づいて、光学系部材50内の各ハーフミラー511〜513及び反射ミラー521〜528の配置等をフィードバックして調整する。なお、レンズ高さ調整手段88及び照射レーザ調整手段8Aを省略して、これらの機能をレーザコントローラ86に持たせるようにしてもよい。
上述の実施の形態では、レーザ加工(スクライブ加工)時に光軸ずれ量計測手段85でレーザ光の光軸ずれを、パルス抜け判定手段82でパルス抜けをそれぞれ検査する場合について説明したが、図6に示すように高速フォトダイオード94からの出力波形に基づいてレーザ光のパルス状態を検査するようにしてもよい。例えば、図6では、レーザ光のパルス幅及びパルス高さを計測し、これらに異常が発生した場合にはアラームを発生するようにしてもよい。なお、レーザ光のパルス幅は、高速フォトダイオード94からの出力波形が所定値以上になっている期間が所定の範囲にある場合を正常とし、この範囲よりも大きかったり小さい場合にはパルス幅異常と判定し、アラームを出力する。また、レーザ光のパルス高さは、高速フォトダイオード94からの出力波形の最大値が許容範囲内に存在する場合を正常とし、この許容範囲よもも大きかったり小さい場合にはパルス高さ異常と判定し、アラームを出力する。このように、レーザ光を常時サンプリングしているので、リアルタイムでパルス幅、パルス高さ(パワー)などのレーザ光の品質を管理することができる。上述のようなパルス抜けが頻発するようになったら、レーザ発生装置40の劣化あるいは寿命と判断できる。
図7は、図1の光学系部材を下側(ワーク側)から見た図である。図7は、光学系部材50とベース板31の一部を示している。図7(A)は、図1に示す光学系部材50とベース板31との位置関係を示す図であり、図に示すように、光学系部材50の端面(図の上側端部)とベース板31の端面(図の上側端部)とが一致している。図7(B)は、光学系部材50が貫通穴37の中心を回転軸としてベース板31に対して左回りに約30度回転した状態を示す図である。図7(C)は、光学系部材50が貫通穴37の中心を回転軸としてベース板31に対して左回りに約45度回転した状態を示す図である。
この実施の形態に係るソーラパネル製造装置においては、光学系部材50がレーザ光の導入穴である貫通穴37の中心を回転軸として、自在に回転可能に構成されている。すなわち、分岐手段である光学系部材50は、図2の反射ミラー35からDOE500を通過してハーフミラー511に向かう垂直レーザ光の進行方向を中心軸として回転制御されている。これによって、レーザ光の分岐方向とレーザ光のワークに対する相対的な移動方向(図7の垂直方向)とのなす角度θを自在に可変制御することができる。なお、光学系部材50の回転駆動手段としては、ボールネジやリニアモータ等の既存の技術が用いられるが、これらの図示は省略する。光学系部材50が回転した場合、エアパージ装置100も同時に回転するようにしてもよいし、光学系部材50の回転をフレキシブル管102が変形して吸収するようにしてもよい。また、光学系部材50が回転した場合、エアカーテン装置106及び金属粒子吸引装置108も同時に回転することが好ましい。
図7に示すように、レーザ光の分岐方向とレーザ光の走査方向(図7の垂直方向)とのなす角度を可変制御した場合でも、レーザ光の相対的な移動方向に対してDOE500は回転しないように構成している。すなわち、DOE500を使用することによって、レーザ光の照射形状は、図7の集光レンズ541〜544内に示したように、点線正方形のような照射形状を示すことになる。従って、光学系部材50の回転制御と共にDOE500を回転させると、集光レンズ541〜544内の点線正方形もその回転量に応じて回転するようになる。この状態でレーザ光を走査照射すると、スクライブ線の両側稜線に正方形の角が位置するようになり、稜線が波打ち形状を示すようになる。そこで、この実施の形態のように、光学系部材50を回転制御しても、DOE500は回転させないような構成とすることで、図7(B)及び図7(C)に示すように、走査方向(図7の垂直方向)と集光レンズ541〜544内の点線正方形の左右両辺とが一致し、スクライブ線の両側稜線を極めて滑らかに形成することができ、また、光学系部材50を回転させてスクライブ線のピッチを適宜制御した場合でも滑らかな稜線のスクライブ線を形成することが可能となる。なお、上述の実施の形態では、DOEをレーザ光の光路中に1つだけ設ける場合について説明したが、DOEを分岐後の各集光レンズの直前にそれぞれ設けてもよい。この場合でも、光学系部材50を回転制御しても各DOEは回転させないように構成する必要がある。DOE500は、光学系部材50とは分離した形でベース板31に直結して設けることによって、光学系部材50の回転から独立させることが可能である。
図8は、光学系部材の回転量とスクライブ線のピッチ幅との関係を示す図である。図8(A)は図7(A)に示すように光学系部材50が回転していない状態、図8(B)は図7(B)に示すように光学系部材50が約30度回転した状態、図8(C)は図7(C)に示すように光学系部材50が約45度回転した状態でそれぞれレーザスクライブ加工処理を行なった場合のスクライブ線の状態を示す図である。図8(A)の場合のスクライブ線のピッチをP0とすると、図8(B)の場合のピッチP30はP0×cos30°となり、図8(C)の場合のピッチP45はP0×cos45°となる。このように、この実施の形態に係るソーラパネル製造装置は、光学系部材50の回転角度を適宜調整することによって、スクライブ線のピッチ幅を所望の値に適宜可変調整することができる。
上述の実施の形態では、エアカーテン装置106及び金属粒子吸引装置108を集光レンズ541〜544の並ぶ延長線上、すなわち図2に示すように光学系部材50の左右両端に設ける場合について説明したが、光学系部材50の前後両端(図2の紙面の前後方向)に設けるようにしてもよい。この場合、エアの吹き出し口及び吸引口を集光レンズ541〜544毎に設けるようにしてもよい。
上述の実施の形態では、パルス抜けの発生だけを見ているが、パルス抜けが発生した箇所の座標データ(位置データ)を取得して記憶することによって、スクライブ線のリペア処理を行なうことが可能となる。
上述の実施の形態では、光軸検査用CCDカメラ96を用いてビームサンプラ93で分岐出力されたレーザ光の一部(サンプリングビーム)を直接受光して、それを画像処理することによって、光軸ずれを検査する場合について説明したが、高速フォトダイオード94の受光面の中央にレーザ光が受光した状態を示す画像を被検査画像として光軸検査用CCDカメラ96あるいは分割型フォトダイオードで取得することによって光軸ずれを検査するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、レーザ光の光軸ずれ及びパルス抜けを検査する場合について説明したが、光軸ずれ、パルス抜け、パルス幅及びパルス高さのそれぞれを適宜組み合わせてレーザ光の状態を検査するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、薄膜の形成されたワーク1の表面からレーザ光を照射して薄膜にスクライブ線(溝)を形成する場合について説明したが、ワーク1の裏面からレーザ光を照射して、ワーク表面の薄膜にスクライブ線を形成するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、ソーラパネル製造装置を例に説明したが、本発明はELパネル製造装置、ELパネル修正装置、FPD修正装置などのレーザ加工を行なう装置にも適用可能である。
1…ワーク
10…台座
20…XYテーブル
30…スライドフレーム
31…ベース板
33,35…反射ミラー
37…貫通穴
40…レーザ発生装置
50…光学系部材
500…位相型回折光学素子(DOE)
511〜513…ハーフミラー
521〜528…反射ミラー
531〜534…シャッター機構
541〜544…集光レンズ
52,54…オートフォーカス用測長システム
60…アライメントカメラ装置
70…リニアエンコーダ
80…制御装置
81…分岐手段
82…パルス抜け判定手段
83…アラーム発生手段
84…基準CCD画像記憶手段
85…光軸ずれ量計測手段
86…レーザコントローラ
87…レンズ変位量計測手段
88…レンズ高さ調整手段
89…照射レーザ状態検査手段
8A…照射レーザ調整手段
92,93…ビームサンプラ
94…高速フォトダイオード
96…光軸検査用CCDカメラ
100…エアパージ装置
102…フレキシブル管
106…エアカーテン装置
108…金属粒子吸引装置

Claims (3)

  1. 気密型容器手段の側壁部から入射するレーザ光を、前記気密型容器手段の他の側壁部に保持された集光レンズで集光して相対的に移動するワークに照射することによって前記ワークに所定の加工を施すレーザ加工方法であって、
    前記気密型容器手段内に設けられたハーフミラー及び反射ミラーからなる分岐手段を用いて、前記ワークの加工面に対して垂直に向かう垂直レーザ光を複数のレーザ光に分岐し、
    分岐された複数のレーザ光のそれぞれに対応するように前記気密型容器手段の前記側壁部に前記集光レンズを設け、前記気密型容器手段内を陽圧にして、前記加工時に前記ワークから発生する金属粒子などが前記気密型容器手段内へ混入するのを防止し
    前記垂直レーザ光の進行方向を中心軸として前記分岐手段を含む前記気密型陽気手段を回転させることによって、前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の前記ワークに対する相対的な移動方向とのなす角度を可変制御し、
    前記分岐手段によって分岐される前のレーザ光の光路中に位相型回折光学素子手段を配置して前記レーザ光をトップハット強度分布に変換し、
    変換後のレーザ光が前記ワークに照射されるまでのそれぞれの光路長が同じになるように前記レーザ光を複数に分岐して前記ワークに照射すると共に前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の相対的な移動方向とのなす角度が回転制御された場合でも前記レーザ光の相対的な移動方向に対して前記位相型回折光学素子手段は回転させないようにしたことを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 請求項に記載のレーザ加工方法において、前記加工時に前記ワークと前記密閉型容器手段との間にエアーを吹き付けることによって、前記ワークから発生する金属粒子などをパージすることを特徴とするレーザ加工方法。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザ加工方法において、前記加工時に前記ワークと前記密閉型容器手段との間で前記ワークから発生する金属粒子などを吸引することを特徴とするレーザ加工方法。
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