JP5328406B2 - レーザ加工方法、レーザ加工装置及びソーラパネル製造方法 - Google Patents
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レーザ発生装置から出射されたレーザ光は、最終的にワークの加工面に垂直に照射される。この発明では、ハーフミラー及び反射ミラーからなる分岐手段をこの垂直に向かう垂直レーザ光の途中に設けてレーザ光を分岐している。このとき、分岐手段の回転中心軸と垂直レーザ光の進行方向とを一致させて、分岐手段全体を回転できるように構成することによって、分岐方向とレーザ光の走査方向とのなす角度を容易に可変制御することができる。
一般的に、ソーラパネル製造工程においては、レーザ光としてガウスビームを使用し、ビーム径を規定の幅にしぼり、基板を移動させて、スクライブ加工を行なっている。レーザ光としてガウスビームを用いると、加工形状がすり鉢状になり、中央部の膜が飛び過ぎるという問題があり、また、スクライブ加工を行なった場合、レーザ光をパルス照射しているため、スクライブ線の両側稜線が波打ってしまうという問題がある。そこで、レーザ光の光路中に、位相型回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)を配置して、ガウスビームをトップハット(TopHat)ビームに変換して、レーザ光をワークに照射するようにした。DOEは、レーザ光の配光特性を変換/整形する機能を持つ素子であり、主にレーザ光のガウシアン強度分布をフラットトップ(トップハット)強度分布に変換し、レーザー加工などの精度向上に使われるものである。このDOEを使用することによって、レーザ光の照射形状はほぼ正方形状とすることができ、スクライブ線の両側稜線を滑らかに形成することができる。ところが、レーザ光の分岐方向とレーザ光の走査方向とのなす角度を可変制御した場合、照射形状がほぼ正方形状であることから、スクライブ線の両側稜線がガウシアン強度分布の場合よりも逆に波打ってしまう可能性がある。そこで、この発明では、レーザ光の分岐方向とレーザ光の走査方向とのなす角度を可変制御した場合でも、レーザ光の相対的な移動方向に対して位相型回折光学素子手段は回転させないようにした。これによって、スクライブ線の両側稜線を滑らかに形成することができる。
この発明では、分岐前のレーザ光の光路中に位相型回折光学素子手段を配置してレーザ光をトップハット強度分布に変換し、変換後のレーザ光をハーフミラーや反射ミラーからなる分岐手段によって複数のレーザ光に分岐すると共に変換後の複数のレーザ光がワークに照射されるまでのそれぞれの光路長が互いに等しくなるようにレーザ光をワークまで導いて照射している。これによって、分岐された複数のレーザ光毎に位相型回折光学素子(DOE)を設けなくても、トップハットビームに変換された複数のレーザ光を基板に照射することができる。また、DOEを分岐前に一個設ければよいので、レーザ光の分岐方向とレーザ光の走査方向とのなす角度を可変制御した場合でも、この一個のDOEだけが回転しないようにすればよくなり、構成を簡略化することができる。
上述の実施の形態では、光軸検査用CCDカメラ96を用いてビームサンプラ93で分岐出力されたレーザ光の一部(サンプリングビーム)を直接受光して、それを画像処理することによって、光軸ずれを検査する場合について説明したが、高速フォトダイオード94の受光面の中央にレーザ光が受光した状態を示す画像を被検査画像として光軸検査用CCDカメラ96あるいは分割型フォトダイオードで取得することによって光軸ずれを検査するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、レーザ光の光軸ずれ及びパルス抜けを検査する場合について説明したが、光軸ずれ、パルス抜け、パルス幅及びパルス高さのそれぞれを適宜組み合わせてレーザ光の状態を検査するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、薄膜の形成されたワーク1の表面からレーザ光を照射して薄膜にスクライブ線(溝)を形成する場合について説明したが、ワーク1の裏面からレーザ光を照射して、ワーク表面の薄膜にスクライブ線を形成するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、ソーラパネル製造装置を例に説明したが、本発明はELパネル製造装置、ELパネル修正装置、FPD修正装置などのレーザ加工を行なう装置にも適用可能である。
10…台座
20…XYテーブル
30…スライドフレーム
31…ベース板
33,35…反射ミラー
37…貫通穴
40…レーザ発生装置
50…光学系部材
500…位相型回折光学素子(DOE)
511〜513…ハーフミラー
521〜528…反射ミラー
531〜534…シャッター機構
541〜544…集光レンズ
52,54…オートフォーカス用測長システム
60…アライメントカメラ装置
70…リニアエンコーダ
80…制御装置
81…分岐手段
82…パルス抜け判定手段
83…アラーム発生手段
84…基準CCD画像記憶手段
85…光軸ずれ量計測手段
86…レーザコントローラ
92,93…ビームサンプラ
94…高速フォトダイオード
96…光軸検査用CCDカメラ
Claims (6)
- レーザ光をハーフミラー及び反射ミラーからなる分岐手段を備えた光学系部材を用いて複数のレーザ光に分岐し、分岐された複数のレーザ光をワークに対して相対的に移動させながら照射することによってワークに所定の加工を施すレーザ加工方法であって、
前記ワークの加工面に対して垂直に向かう垂直レーザ光を前記分岐手段を用いて複数のレーザ光に分岐すると共に前記垂直レーザ光の進行方向を中心軸として前記光学系部材を回転させることによって、前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の前記ワークに対する相対的な移動方向とのなす角度を可変制御し、
前記光学系部材内の前記レーザ光の光路中に位相型回折光学素子手段を配置して前記レーザ光をトップハット強度分布に変換し、変換後のレーザ光を前記ワークに照射すると共に前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の相対的な移動方向とのなす角度が回転制御された場合でも前記レーザ光の相対的な移動方向に対して前記位相型回折光学素子手段は回転させないようにしたことを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項1に記載のレーザ加工方法において、前記光学系部材内に導入される前の前記レーザ光の光路中に設けられたビームサンプラ手段を用いて前記レーザ光の一部をサンプリングし、前記ビームサンプラ手段によってサンプリングされた前記レーザ光を光電変換手段を用いて受光し、受光した前記レーザ光強度に対応した前記光電変換手段からの信号に基づいて前記レーザ光のパルス幅、パルス高さ及びパルス抜けの少なくとも1つを検査することを特徴とするレーザ加工方法。
- 請求項1又は2に記載のレーザ加工方法において、前記位相型回折光学素子手段を前記分岐手段によって分岐される前のレーザ光の光路中に配置して前記レーザ光をトップハット強度分布に変換し、変換後のレーザ光が前記ワークに照射されるまでのそれぞれの光路長が同じになるように前記レーザ光を複数に分岐して前記ワークに照射することを特徴とするレーザ加工方法。
- ワークを保持する保持手段と、
前記ワークの加工面に対して垂直に向かう垂直レーザ光をハーフミラー及び反射ミラーを用いて複数のレーザ光に分岐する分岐手段を備えた光学系部材と、
前記分岐手段によって分岐された複数のレーザ光を前記保持手段に保持されたワークに対して相対的に移動させながら照射することによってワークに所定の加工を施す制御手段と、
前記光学系部材を前記垂直レーザ光の進行方向を中心軸として回転制御することによって、前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の前記ワークに対する相対的な移動方向とのなす角度を可変制御する回転制御手段と、
前記光学系部材内の前記レーザ光の光路中に配置され、前記レーザ光をトップハット強度分布に変換する位相型回折光学素子手段であって、変換後のレーザ光を前記ワークに照射すると共に前記レーザ光の分岐方向と前記レーザ光の相対的な移動方向とのなす角度が回転制御された場合でも前記レーザ光の相対的な移動方向に対して回転しないように構成された前記位相型回折光学素子手段と
を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。 - 請求項4に記載のレーザ加工裝置において、
前記光学系部材内に導入される前の前記レーザ光の光路中に設けられ、前記レーザ光の一部をサンプリングするビームサンプラ手段と、
前記ビームサンプラ手段によってサンプリングされた前記レーザ光を受光し、受光した前記レーザ光強度に対応した信号を出力する光電変換手段と、
前記光電変換手段からの信号に基づいて前記レーザ光のパルス幅、パルス高さ及びパルス抜けの少なくとも1つを検査する検査手段と
を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。 - 請求項4又は5に記載のレーザ加工装置において、前記位相型回折光学素子手段は、前記分岐手段によって分岐される前のレーザ光の光路中に配置されて前記レーザ光をトップハット強度分布に変換し、前記分岐手段は、前記位相型回折光学素子手段による変換後のレーザ光が前記ワークに照射されるまでのそれぞれの光路長が同じになるように前記レーザ光を複数に分岐して前記ワークに照射することを特徴とするレーザ加工装置。
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