JP5369095B2 - コリンエステラーゼ阻害性物質検出装置、検出キットおよび検出方法 - Google Patents

コリンエステラーゼ阻害性物質検出装置、検出キットおよび検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、コリンエステラーゼ阻害性物質検査装置、検出キットおよび検出方法に関するものである。
従来から、農作物や飲料水などに残留する農薬成分が人体に悪影響を及ぼすことが知られている。
そして、特に、コリンエステラーゼ阻害性物質を含有する有機リン系農薬やカーバメート系農薬は神経障害を引き起こすため、大きな問題となっている。
このような状況から、安心安全な食物、飲料水などの供給のため、残留農薬の検出技術の開発が望まれ、これまでに、様々な農薬検出装置および検出方法が提案されている。
従来行われてきた農薬検出方法の多くは、ガスクロマトグラフ(GC)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)、液体クロマトグラフ(LC)、液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)のような分析機器を用いるものであった。
このような分析方法は、高感度で同定、定量が可能であるという利点を持つ一方、大型の装置が必要であり、また手技も煩雑で検査に時間がかかることから、多検体の分析や、現場での検査が不可能であるといった欠点を持ち合わせている。
このように、機器分析には手間と時間がかかることから、有機リン系農薬やカーバメート系農薬においては、例えば、特許文献1のように、農薬中に含まれるコリンエステラーゼ阻害性物質がコリンエステラーゼを不活性化させ加水分解活性を低下させる作用を利用し、加水分解による基質の分解量を測定することによる農薬の検出方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1の方法においては、加水分解生成物の発色反応が弱く、吸光度測定によって基質の分解量を測定するため、簡便に目視判定することができず、検出の迅速性に問題がある。
また、特許文献1の方法と同様の原理を利用して、試料中の有機リン系農薬及びカーバメート系農薬の存在を簡便に目視判定することができる検出キットとして、例えば、NEOGEN社、AT−10/AT−25(アグリスクリーンチケット10/25)なども販売されている。
特開平09-107992
しかしながら、上記のような検出キットは、検出感度が必ずしも十分ではなく、例えば、カルバリル7.0ppm、クロルピリホス0.7ppm、クロルピリホスメチル1.0ppm、ダイアジノン2.0ppm程度が検出限界であった。
そして、コリンエステラーゼ阻害性のある有機リン系、カーバメート系農薬の残留農薬分析においては、日本国では平成18年5月29日より食品衛生法の一部が改正され、食品中の残留農薬濃度の基準値が変更されたことにより、これらの検出キットのほとんどは新たな基準値に対しては感度不足であり、簡便性を維持しつつも、さらなる検出感度の向上が望まれていた。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、低コストで、目視による判定が可能で、高感度なコリンエステラーゼ阻害性物質の検出装置、検出キット及び検出方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記課題を解決するために、第1に、容器内底部の基底層の上にコリンエステラーゼを含有する反応層が固定されていることを特徴とするコリンエステラーゼ阻害性物質検出装置を提供する。さらに、第2には、反応層には、空隙が形成されている前記検出装置を、第3には、基底層及び反応層が親水性光硬化性樹脂からなる前記第1または2の検出装置を提供する。
また、第4には、前記第1から第3のいずれかの検出装置と、シリンジと、シリンジの先端部に取り付け可能であるとともにカラム粒子が内部に充填されているカラムチップと、コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質とを含むコリンエステラーゼ阻害性物質検出キットを提供し、第5には、コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質は、酢酸インドキシルである前記第4のコリンエステラーゼ阻害性物質検出キットを提供する。
さらに、第6には、試料中のコリンエステラーゼ阻害性物質の存在を判定する方法であって、1)試料を前記第1から第3のいずれかの検出装置内に添加し、2)コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質を添加し、3)発色が生じなかった場合に、試料中にコリンエステラーゼ阻害性物質が存在すると判定するコリンエステラーゼ阻害性物質検出方法を提供し、第7には、試料をカラムによって捕捉して、酸化処理を行った後に、前記第1から3のいずれかの検出装置内に添加する前記第6の検出方法を、第8には、試料中の有機リン系農薬の存在を判定する方法であって、1)試料をカラムによって捕捉して、酸化処理を行い、2)この試料を前記第1から第3のいずれかの検出装置内に添加し、3)コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質を添加し、4)発色が生じなかった場合に、試料中にコリンエステラーゼ阻害性物質が存在すると判定する有機リン系農薬の検出方法を、第9には、コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質は、酢酸インドキシルである前記第6から8の検出方法を提供する。
本発明のコリンエステラーゼ阻害性物質検出装置によれば、基底層の存在により、反応層に用いる液量は少量でよく、コリンエステラーゼの使用量を抑えることができるため、コストを削減することができる。
さらに、反応層は、空隙を有していることにより、溶液試料が効率的に浸透するため、コリンエステラーゼ阻害反応の有無を迅速かつ高感度に検出することができる。
また、本発明のコリンエステラーゼ阻害性物質の検出キットによれば、本発明の検出方法を容易に実施することが可能であり、本発明の検出方法によれば、分析前に、有機リン系の農薬をカラム上でオキソン体へと変化させるため、反応の効率化が図られ、高濃度の酸化剤の使用が可能となることから、検出感度を向上させることができる。そして、検査結果を、容器内の反応層の発色を目視にて確認することで簡便にコリンエステラーゼ阻害性物質の存在を判定可能となるため、残留農薬の検査を出荷現場や、販売現場などで容易に行うことが可能になり、食物や、飲料水などの安全性に大きく貢献することができる。
図1は、本発明のコリンエステラーゼ阻害性物質検出装置の模式構成図である。 図2は、サンプルの濃縮および有機リン系農薬の酸化に用いるシリンジおよびカラムチップを示す模式図である。 図3は、コリンエステラーゼ阻害性物質検出方法を示す工程図である。
1.コリンエステラーゼ阻害性物質検出装置
2.容器
3.基底層
4.コリンエステラーゼ
5.反応層
6.シリンジ
7.カラムチップ
8. カラム
9.酸化剤
10. 溶出液
本発明によって検出が可能な物質は、コリンエステラーゼ阻害性物質であり、有機リン系農薬、カルバメート系農薬、フッ素、ヒ素などの1種または2種以上である。
なお、ここでいう「検出」とは、試料中に特定物質が存在するか否かを決定することをいう。
本発明のコリンエステラーゼ阻害性物質検出装置の具体例について、図1を用いて説明する。
この検出装置1は、容器2内底部の基底層3の上にコリンエステラーゼ4を含有する反応層5が積層状態で固定されており、この装置内に分析試料を添加することで、反応層5におけるコリンエステラーゼ阻害反応の有無を目視判定可能とするものである。
基底層3及び反応層5は、固定時に酵素活性にダメージを与えない材料が好ましく、例えば、親水性光硬化性樹脂によって形成することができる。そして、具体的には、まず、容器2に親水性光硬化性樹脂を添加後、光硬化を行うことにより基底層3を形成し、さらに、コリンエステラーゼ4を含有する親水性光硬化性樹脂を基底層3の上部に重層した後、光硬化を行うことにより反応層5を形成することができる。
基底層3は、反応層5と容器2との結合を物理的に安定させる基盤として用いられるとともに、反応層5を薄層とすることを可能にしており、これによって反応層5に含有させるコリンエステラーゼ4の量を軽減することができる構造となっている。なお、基底層3と反応層5に用いる親水性光硬化性樹脂は同一のものとすることができる。
そして、反応層5にはコリンエステラーゼ4が含有されている。ここで、コリンエステラーゼ4としては、アセチルコリンに特異的に反応するアセチルコリンエステラーゼとコリンエステル一般に反応するブチリルコリンエステラーゼのいずれも使用することが可能ではあるが、本発明においては、特に、ブチリルコリンエステラーゼを用いることを好ましい態様としている。
そして、ブチリルコリンエステラーゼを使用した場合、発色基質としてコリンエステラーゼによる反応による発色性が強く、脂溶性の生成物を生じるものを用いることが可能であり、例えば、酢酸インドキシル、5-Bromo-6-chloro-3-indoxyl butyrate、5-Bromo-6-chloro-3-indoxyl caprylate、5-Bromo-4-chloro-3-indoxyl palmitateなどを使用することができ、発色性等を考慮すれば、酢酸インドキシルが好ましい。
例えば、酢酸インドキシルを使用した場合には、ブチリルコリンエステラーゼによる加水分解によって、インジゴが生成される。インジゴは、670nm付近に最大吸収波長を持ち青色に発色しており、脂溶性であるため試料液中には拡散せず、樹脂内に留まる。したがって、ブチリルコリンエステラーゼ及び酢酸インドキシルを使用した場合、拡散による発色度合いの低下での感度減少を避けることが可能であり、加えて色彩的に微細な変化を目視にて確認することが可能である。
一方、アセチルコリンエステラーゼを使用する場合、発色基質に5,5'-Dithiobis-2-nitrobenzoic acid(DTNB)を用いることができるが、生成される5-thio-2-nitrobenzoic acid(TNB)は水溶性であるため、樹脂内からサンプル溶液の中に拡散してしまう。さらにTNBは412nm付近に最大吸収波長を持ち黄色に発色しているため、溶液中では微細な色の変化を目視で確認することは難しい。したがって、本発明においては、ブチリルコリンエステラーゼが好ましく用いられる。
さらに、反応層5は、曝気処理や攪拌などにより、多数の空隙を有する構造とすることが好ましい。この空隙は、反応層の表面から、反応層内のコリンエステラーゼに通じるものであり、これによって、反応層表面だけでなく内部にまで試料溶液が浸透することが可能となるため、コリンエステラーゼ4と試料溶液との接触性が向上する。空隙の大きさは、試料溶液の粘性に応じて形成することができるが、好ましくは100μm〜1000μm、さらに好ましくは、500μm程度とすることができる。これによって、試料中にコリンエステラーゼ阻害性物質が存在する場合には、確実にコリンエステラーゼ阻害反応が起きることになる。
さらに、本発明の検出装置1の容器2は、密閉が可能であり、耐衝撃性や耐薬品性に優れたものが好ましく、例えば、樹脂製のマイクロチューブ、さらに具体的には、エッペンドルフ株式会社「セイフロックチューブ」などの市販品を使用することができる。溶液の攪拌のし易さと底部に固定する樹脂の物理的安定性を考慮すると、使用するサイズは1.5mLのものが好ましく、また固定する樹脂の容量は容器内で液を攪拌させることを考慮すると、基底部では100μL、反応部では30μL程度が好ましい。
そして、本発明の検出キットは、本発明の前記検出装置と、シリンジと、カラムチップと、発色基質とを含むものである。
図2(a)は、シリンジとカラムチップを接続した状態を示す外観模式図であり、図2(b)は、カラムチップの拡大模式図である。
図2(a)に示すように、本発明の検出キットは、シリンジ6の先端部にカラムチップ7を取り付けて使用する。
シリンジ6は、使い捨て可能なものを用いることができ、使い勝手のよさを考慮すれば、用量は10ml程度のものが好ましい。
また、カラムチップ7は、その先端内部にカラム粒子8が充填されているものを使用する。サンプリングの操作性や試料濃縮が行えることも考慮すると、できるだけ微量な液量を扱えるものが好ましく、市販されているマイクロピペット用チップを使用することができる。使用する溶液量を考慮すると、使用するサイズは100μL程度のものが好ましい。
このようなカラムチップ7をシリンジ6の先端に取り付けて使用することにより、大量の液体を使用することが可能となり、カラム8に試料を濃縮することが可能となる。なお、本発明の検出キットにおいては、予めシリンジ6にカラムチップ7を接続したものキットの構成品とすることもできる。
さらに、このキットに含まれる発色基質は、上述したように、コリンエステラーゼによる反応による発色性が強く、脂溶性の生成物を生じるものを用いることができ、例えば酢酸インドキシルを好適に用いることができる。本発明の検出装置の反応層中のブチリルコリンエステラーゼの加水分解によって脂溶性であるインジゴが生成され、樹脂内で青色に発色するため、これを目視により確認することが可能である。
次に、本発明の検出方法の工程について、図3を用いて説明する。
本発明の検出方法においては、飲料水などをサンプル試料とすることができ、また、農作物等の残留農薬を検査する場合には、例えば、農作物を水とともに袋等に入れ、密閉して強く振ったものをサンプル試料とすることができる。
そして、シリンジ6によってこの試料を採取し、試料をカラムに保持させた後、
1)試料の前処理、2)本発明の検出装置への試料の添加(コリンエステラーゼ阻害反応)、3)発色基質の添加、の工程を行うことによって、試料中のコリンエステラーゼ阻害性物質の存在の有無を目視判定することができる。
試料の前処理は、試料中に有機リン系農薬が含まれる場合に、検出感度の向上を図るために行う。
具体的には、酸化剤9をシリンジ6によって吸引させ、カラム中に保持されている試料と接触させることによって、有機リン系農薬をオキソン体へと変化させる。酸化剤は、例えば、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)、臭素水、次亜塩素酸、過酸化水素などを使用することができ、試薬の安定性や活性化効率を考慮すれば、NBSを好ましく使用することができる。
この前処理によって、100−1000倍程度コリンエステラーゼ阻害能力が増強され、検出感度を向上させることができる。
オキソン体への変化は、試料中に酸化剤を加えて行うこともできるが、この場合、未反応の酸化剤も含めてコリンエステラーゼと反応させることになるため、酸化剤由来の原因によるコリンエステラーゼの失活を考慮すれば、低濃度の酸化剤しか使用することができない。
そこで、本発明においては、試料(有機リン系農薬)が保持されたカラムに酸化剤9を通す形態とすることで、高濃度の酸化剤9で処理した後、未反応の酸化剤9を廃棄することを可能としている。これによって、オキソン体への変換が十分に行われることになり、高感度な検出を可能としている。
次に、前記処理を経た試料をカラムから溶出させて溶出液10を得る。なお、試料の溶出は公知の方法で行うことができる。そして、この溶出液10を本発明の検出装置1へ添加する。試料中に、コリンエステラーゼ阻害性物質が含まれている場合には、検出装置1の反応層5において、コリンエステラーゼ阻害反応が起こる。
続いて、発色基質を検出装置へ添加する。ここで、阻害反応を検出する方法としては、コリンエステラーゼと反応する基質を加え、この反応による生成物を検出する発色剤を添加する形態とすることも可能である。
そして、試料中に、コリンエステラーゼ阻害性物質が含まれている場合には、コリンエステラーゼによる発色基質の加水分解が生じないため、反応層5は無色透明のままである。
一方、試料中にコリンエステラーゼ阻害性物質が含まれていない場合には、発色基質の加水分解による発色が反応層5において生じることになる。発色基質として、酢酸インドキシルを使用した場合には、青色発色が目視で確認される。
以上の通り、本発明によれば、高感度かつ簡便に試料中のコリンエステラーゼ阻害性物質の存在の有無を判定することができ、特に試料中の有機リン系農薬に対しては、前記のように試料の前処理を行うことで、高感度にコリンエステラーゼ阻害性物質を検出することが可能になる。
<実施例1>有機リン系農薬の検出
図3に示す工程に従って、有機リン系農薬の検出を行った。
まず、サンプル試料となる有機リン系農薬であるダイアジノン標準液を0.1ppbの濃度で希釈した水溶液10mLを用意し、図2に示したカラムチップを先端に接続したシリンジを使用して吸引した。
吸引した溶液をビーカー内で排出、吸引を3回繰り返すことによりカラムにサンプル中のダイアジノンを吸着させた後、同様に1%NBS溶液を1mL吸引、排出しオキソン体へと変化させた後、カラムからダイアジノンを溶出させた。
この溶出液を、図1に示した検出装置中に添加してコリンエステラーゼ阻害反応を起こさせた。5分後、発色基質となる酢酸インドキシル溶液を装置内に添加し、5分間発色反応を行った。その結果、ダイアジノンによりコリンエステラーゼの酵素活性は阻害され、発色は生じず、ダイアジノンは0.1ppbの濃度で検出が可能であった。
なお、サンプル試料にダイアジノンを含まない場合には、青色の発色が確認されたことから、本発明の方法によって、有機リン系農薬を確実に検出できることが示された。
<比較例1>酸化処理の効果
実施例1の酸化処理(NBS溶液の吸引処理)の効果を調べるため比較実験を行った。実施例1と同様に、カラムにサンプル中のダイアジノンを吸着させた後、酸化処理(NBS溶液の吸引処理)を行わず、カラムからダイアジノンを溶出させた。この溶出液を、検出装置中に添加し、酢酸インドキシル溶液を装置内に添加した。
その結果、ダイアジノンの検出値は、5ppm(5000ppb)に低下したことから、酸化処理の有効性が示された。
<実施例2>カーバメート系農薬の検出
検出方法は、図3に示す工程に従うが、カーバメート系農薬が検出対象であるため、実施例1で行ったNBS溶液の吸引、排出操作は行わなかった。
サンプルとして、カーバメート系農薬であるカルバリル(NAC)標準液を10ppbの濃度で希釈した水溶液10mL用意し、図2に示すカラムチップを先端に接続したシリンジで吸引した。
吸引した溶液をビーカー内で排出、吸引を3回繰り返すことによりカラムにサンプル中のNACを吸着させた後、カラムからNACを溶出させ、装置の中に入れ5分間酵素阻害反応を起こさせた。
5分後、発色基質となる酢酸インドキシル溶液を装置内に添加し、5分間発色反応を行った。その結果、NACによりコリンエステラーゼの酵素活性は阻害され、発色は生じず、NACは10ppbの濃度で検出が可能であった。
<実施例3>
その他の農薬物質についても、実施例1および実施例2の方法と同様に試験したところ、以下の結果が得られた。
Figure 0005369095
表1に示されるように、本発明の装置および方法は、従来方法よりも検出感度が優れていることが確認された。なお、上記実施例1、2および表1に示される検出値は、発色基質、カラムなどによって変化し得るものであり、本発明の装置および方法による検出限界を示すものではない。また、表1における*は、カーバメート系農薬であることを示している。
低コストで、目視による判定が可能で、高感度なコリンエステラーゼ阻害性物質の検出装置、検出キット及び検出方法を提供される。

Claims (9)

  1. 容器内底部に親水性光硬化性樹脂からなる基底層が固定され、基底層の上に、コリンエステラーゼを含有する親水性光硬化性樹脂からなる反応層が固定されていることを特徴とするコリンエステラーゼ阻害性物質検出装置。
  2. 反応層には、空隙が形成されていることを特徴とする請求項1のコリンエステラーゼ阻害性物質検出装置。
  3. 容器は、樹脂製マイクロチューブであることを特徴とする請求項1のコリンエステラーゼ阻害性物質検出装置。
  4. 請求項1から3のいずれかの検出装置と、シリンジと、シリンジの先端部に取り付け可能であるとともにカラム粒子が内部に充填されているカラムチップと、コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質とを含むことを特徴とするコリンエステラーゼ阻害性物質検出キット。
  5. コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質は、酢酸インドキシルである請求項4のコリンエステラーゼ阻害性物質検出キット。
  6. 試料中のコリンエステラーゼ阻害性物質の存在を判定する方法であって、
    1)試料を請求項1から3のいずれかの検出装置内に添加し、
    2)コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質を添加し、
    3)発色が生じなかった場合に、試料中にコリンエステラーゼ阻害性物質が存在すると判定する
    ことを特徴とするコリンエステラーゼ阻害性物質検出方法。
  7. 試料をカラムによって捕捉して濃縮し、酸化剤を吸引、排出して酸化処理を行った後に酸化剤を除去し、請求項1から3のいずれかの検出装置内に添加することを特徴とする請求項6のコリンエステラーゼ阻害性物質検出方法。
  8. 試料中の有機リン系農薬の存在を判定する方法であって、
    1)試料をカラムによって捕捉して濃縮し、酸化剤を吸引、排出して酸化処理を行った後に酸化剤を除去し、
    2)この試料を請求項1から3のいずれかの検出装置内に添加し、
    3)コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質を添加し、
    4)発色が生じなかった場合に、試料中にコリンエステラーゼ阻害性物質が存在すると判定する
    ことを特徴とする有機リン系農薬の検出方法。
  9. コリンエステラーゼとの反応によって発色を生じる基質は、酢酸インドキシルであることを特徴とする請求項6から8のいずれかの検出方法。
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