JP5368036B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

本発明は、複数の小役を同時に内部当選させることが可能なスロットマシンに関する。
従来、1回の抽選で複数の小役を同時に内部当選させることが可能なスロットマシンが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなスロットマシンにおいては、小役の入賞確率を高めることが可能である。
特開2007−202646号公報
しかしながら、リールに描かれた図柄配列の関係により、複数の小役が同時当選した場合であってもそれら複数の小役を同時に入賞させることができない場合がほとんどである。そのため、せっかく同時当選したにも関わらず全ての小役を入賞させることができないことから、同時に複数の小役フラグが成立したと判断した遊技者は同時当選の恩恵を実感することができず、不満が生じていた。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の小役を同時に内部当選させることが可能な構成において、遊技者の不満を解消するとともに、興趣を高めることが可能なスロットマシンを提供することにある。
請求項1に記載した発明は、遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を予め定められた配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、ゲームの開始に応じて、少なくとも2種類以上の小役を含む複数の役の中から内部当選役を決定するための抽選を実行し、内部当選役のフラグを成立させる内部抽選手段と、前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、前記停止操作手段による停止操作に応じて、前記内部当選役のフラグに対応する図柄を予め規定された引込範囲内で前記図柄表示領域に引き込んで停止表示させる表示制御手段と、前記複数の図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せが入賞図柄である場合に入賞と判定する入賞判定手段と、前記入賞判定手段により入賞と判定された場合に、前記入賞図柄に対応する数の遊技媒体を遊技者に付与する遊技媒体付与手段と、を備え、前記内部抽選手段は、種類の異なる複数の小役を1回の抽選で同時に内部当選役として決定し、複数の小役フラグを成立させることが可能に構成されたスロットマシンにおいて、前記内部抽選手段が1回の抽選で同時に成立させた複数の小役フラグのうち、そのゲームで入賞が発生しなかった小役フラグを次のゲームに持ち越す小役フラグ持越手段と、前記内部抽選手段が成立させた複数の小役フラグについて、それぞれの小役フラグの入賞順を決定する入賞順決定手段と、前記内部抽選手段が成立させた複数の小役フラグに対応する小役の入賞順が、前記入賞順決定手段により決定された入賞順と一致するか否かを判定する入賞順判定手段と、前記入賞順判定手段による判定結果に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を備えたところに特徴を有する。
また、前記入賞順決定手段が決定した入賞順を遊技者に対して報知するための入賞順報知手段と、前記入賞順決定手段が決定した入賞順を遊技者に対して報知するか否かを抽選で決定する報知抽選手段と、この報知抽選手段が報知することを決定した場合に前記入賞順報知手段を作動させる報知制御手段と、を備えたところに特徴を有する。
請求項1に記載した発明によれば、複数の小役が同時当選した場合に取りこぼした小役を次ゲームへ持ち越すようにしたので、同時当選した小役全てを入賞させることが可能となり、遊技者の満足感を高めることができる。さらに、同時当選した小役の入賞順に基づいて特典を付与するようにしたので、入賞させる順番が遊技者にとって重要となり、興趣を高めることができる。また、入賞順を遊技者に対して報知するアシストタイムを発生可能にすれば、より一層面白いゲーム性を実現することができる。
また、入賞順が報知された場合には遊技者はその順番で入賞を狙うようになり、入賞順が報知されない場合には遊技者は自身の勘によって入賞順を推測し入賞を狙うようになるので、興趣を高めることができる。
以下、本発明の一実施形態によるスロットマシンについて、図面を参照しながら説明する。
図2は、スロットマシン1の正面外観を概略的に示している。スロットマシン1の正面には表示窓2が設けられており、遊技者は表示窓2を通して内部に設けられたリール3(本発明でいう図柄変動表示手段)の図柄を視認可能となっている。この場合、図柄は、図3に示すように、左リール3a、中リール3b及び右リール3cの円周面に描かれている。この図柄は、各リール3a〜3cが停止した状態では、表示窓2の上段、中段及び下段に対応して表示される。すなわち、表示窓2には、各リール3a〜3cそれぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。表示窓2には、図2に示すように、合計5本(上段、中段、下段に対応した横方向の3本及び対角線配置された2本)の入賞ライン(図2では破線にて示す)が設けられていると共に、表示窓2の左方には有効化された入賞ラインを表示する有効ライン表示部4が設けられており、入賞図柄が何れかの入賞ライン上に揃ったときに対応する入賞が発生する。
表示窓2の上方には、ボーナス中のメダル(本発明でいう遊技媒体)の払出し進捗状態などの情報や各種の画像などを表示する液晶表示部5(本発明でいう入賞順報知手段)、及びスピーカ6が設けられている。表示窓2の下方には、クレジットメダルの投入を行うBETボタン7、クレジットメダルの精算を行う精算ボタン8、メダルを投入するメダル投入口9が設けられており、これらの下方にはスタートレバー10(本発明でいうゲーム開始操作手段)、左ストップボタン11(本発明でいう停止操作手段)、中ストップボタン12(本発明でいう停止操作手段)及び右ストップボタン13(本発明でいう停止操作手段)が設けられている。表示窓2の右方には、メダルの払出枚数を表示する払出数表示部14及びメダルのクレジット枚数を表示するクレジット数表示部15が設けられている。また、スロットマシン1の正面最下部には受皿16が設けられ、スロットマシン1の正面最上部には装飾ランプ部17が設けられている。
スロットマシン1は、一連のゲーム開始操作、つまり、遊技者がメダルをメダル投入口9に投入した状態、又はBETボタン7を操作することによりクレジットメダルを投入した状態でスタートレバー10を操作すると、内部抽選を実行すると共に各リール3a〜3cを始動させる(回転動作を開始させる)。そして、スロットマシン1は、各ストップボタン11〜13の操作に応じて各リール3a〜3cを停止させてゲームを終了する。
このとき、スロットマシン1は、内部抽選の結果が当選であった場合には、内部抽選により当選した内部当選役に対応する内部当選フラグ(ビッグボーナス役フラグ、レギュラーボーナス役フラグ、小役フラグ及びリプレイ役フラグ)をオンし(成立させ)、その内部当選フラグに基づいて所謂すべり制御(引込制御)を含む停止制御(各リール3a〜3cを内部当選フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止させる制御)を実行し、入賞ライン上に停止表示された図柄の組合せが入賞図柄である場合には、入賞図柄に応じた枚数のメダルが遊技媒体付与手段によって受皿16に払出される。
引込制御は、各ストップボタン11〜13の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(本実施形態では最大で4図柄まで)にある図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることが可能な制御である。引込制御における図柄の引き込み優先順位は、リプレイ図柄>ボーナス図柄>小役図柄の順である。リプレイ役フラグは全ての内部当選フラグの中で最優先されるフラグであり、リプレイ役フラグが成立したゲームでは必ずリプレイ役のみが入賞する。また、内部当選フラグに対応する図柄が上記の引込範囲内に存在しないときは、その図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せず、いわゆる取りこぼしとなる。
スロットマシン1は、前扉が開放された状態で特定の従業員が後述する設定値操作部を操作することにより、上記したビッグボーナス及びレギュラーボーナスの当選確率を複数段階(例えば1〜6の6段階)で設定可能となっており、数値(設定値)が大きい程、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスの当選確率が高く設定されている。一方、小役及びリプレイ役の当選確率は、設定値による差がなく、全ての設定値に共通する当選確率が設定されている。なお、小役及びリプレイ役についても、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスと同様に当選確率を複数段階で設定可能としてもよい。
ビッグボーナス役フラグ及びレギュラーボーナス役フラグは、ビッグボーナス役及びレギュラーボーナス役が入賞するまで何ゲームでも持越されるようになっている。ただし、何れか一方の内部当選フラグが成立している状態ではビッグボーナス役及びレギュラーボーナス役は抽選の対象から除外されるので、ビッグボーナス役フラグ及びレギュラーボーナス役フラグが2つ以上重複して成立することはない。一方、ビッグボーナス役フラグ又はレギュラーボーナス役フラグを持越している状態であっても小役及びリプレイ役の抽選は実行されるため、何れかのボーナス役フラグと小役及びリプレイ役の内部当選フラグとが重複して成立することはある。
入賞図柄としては、図4に示すように、ビッグボーナス図柄、レギュラーボーナス図柄、小役図柄及びリプレイ役図柄が設定されている。ビッグボーナス図柄としては、ビッグボーナス1(BIG1)図柄及びビッグボーナス2(BIG2)図柄の2種類が設定されており、レギュラーボーナス(REG)図柄としては、1種類が設定されている。ビッグボーナス1及びビッグボーナス2は、メダルの払出枚数が上限値として予め定められている465枚を超えた時点で終了する。また、レギュラーボーナスは、メダルの払出枚数が上限値として予め定められている250枚を超えた時点で終了する。ビッグボーナス状態及びレギュラーボーナス状態は、小役の内部当選確率を大幅に高める状態であるため、遊技者は短期間で大量のメダルを獲得することが可能である。
小役図柄としては、例えばメダルの払出枚数が8枚で固定されている8枚役図柄(オレンジ図柄)、メダルの払出枚数が14枚で固定されている14枚役図柄(サン図柄)及びメダルの払出枚数が7枚で固定されている7枚役図柄(チェリー単独図柄)の3種類が設定されている。これらの小役が入賞したときには、入賞した小役に対応する数のメダルが受皿16に払出される。また、リプレイ役図柄(R図柄)が入賞したときには、遊技者は、メダルを投入することなく再度ゲームを実施することが可能である。
なお、7枚役図柄は中リール3b及び右リール3cの図柄全てが有効となっており、左リール3aが表示窓2に7枚役図柄を停止表示すれば、中リール3b及び右リール3cの停止表示に関わらず7枚役の入賞となる。また、7枚役図柄が表示窓2の上段もしくは下段に停止表示されたときは2つの入賞ライン上で同時に7枚役が入賞したことになり、14枚のメダルが払出される。
図5は、設定値を6に設定したときの通常状態(非ボーナス状態)において使用する当選乱数テーブルを示している。ゲームを開始したときに実行される内部抽選では、10進数で0〜65535の範囲で発生する乱数の中から1つの乱数を抽出し、抽出した乱数をこの当選乱数テーブルと照合して内部当選役が決定される。つまり、各入賞役の当選確率は、当選乱数の数を全乱数の数(65536)で除した値となる。図5では、この当選確率の逆数が確率分母として示されている。なお、当選乱数テーブルは、設定値(1〜6)毎及び遊技状態(通常状態、ビッグボーナス状態、レギュラーボーナス状態)毎に区別して設定されている。
これら各入賞役のうち、7・14枚役は、7枚役及び14枚役が同時に内部当選する入賞役である。具体的には、内部抽選における当選乱数の値が18407〜20590の範囲にあるときには、内部当選役は7枚役及び14枚役の両方であり、7枚役及び14枚役の小役フラグが同時に成立する。そして、小役フラグが同時に成立したゲームにおいて、7枚役が入賞した場合には7枚(2つの入賞ライン上に入賞した場合は14枚)、14枚役が入賞した場合には14枚のメダルがそれぞれ払出される。このように、スロットマシン1は、14枚役(小役1)及び7枚役(小役2)が同時に内部当選、つまり複数の小役フラグが同時に成立することが可能に構成されている。
また、7・14枚役は、内部当選したゲーム及びその次のゲームにおいて7枚役及び14枚役を所定の順序で入賞させた場合に、後述する特典が遊技者に付与される入賞役である。このとき、7枚役及び14枚役を入賞させる順序(入賞順)は、後述する入賞順抽選によって決定される。
図6は、7枚役及び14枚役の入賞順抽選に用いられる入賞順抽選乱数テーブルを示している。7・14枚役が内部当選した場合(当選乱数の値が18407〜20590の範囲)において、当選乱数の値がさらに18407〜19456の範囲にある場合には、入賞順は14枚役→7枚役の順となる。この場合、7・14枚役が当選したゲームにおいて14枚役を入賞させ、その次のゲームにおいて7枚役を入賞させたときに遊技者に特典が付与される。また、当選乱数の値が19457〜20506の範囲にある場合には、入賞順は7枚→14枚役の順となる。この場合、7・14枚役が当選したゲームにおいて7枚役を入賞させ、その次のゲームで14枚役を入賞させたときに遊技者に特典が付与される。さらに、当選乱数の値が20507〜20590の範囲にある場合には、入賞順無しとなる。この場合、7・14枚役が当選したゲーム及びその次のゲームにおいて、7枚役及び14枚役を順不同で入賞させることができれば遊技者に特典が付与される。
ところで、スロットマシン1には、アシストタイム(以下、ATと称する)が設けられている。ATとは、遊技者を補助(アシスト)するための情報を報知する状態であり、スロットマシン1ではビッグボーナス(BIG1或いはBIG2)終了後の100ゲームの間ATが発動する。本実施形態のスロットマシン1は、このAT中に7枚・14枚役が同時当選した場合、その入賞順を液晶表示部5に表示して遊技者に報知するように構成されている。
図7は、7・14枚役が内部当選したときの液晶表示部5の画面を示す模式図である。AT中に7・14枚役が当選した場合には、図7(A)に示すように、14枚役図柄(サン図柄)及び7枚役図柄(チェリー単独図柄)が表示されると共に、その入賞順が矢印M1と数字M2とによって表示される(入賞順報知)。この場合、7・14枚役の入賞順が14枚→7枚であることから、遊技者は、まず14枚役を入賞させ、次のゲームで7枚役の入賞を狙えばよいことが分かる。また、入賞順が7枚→14枚の場合には、同図(B)のように入賞順が表示され、入賞順無しの場合には、例えば同図(C)のように14枚役図柄及び7枚役図柄だけが表示されて、入賞順無しであることが報知される。
一方、AT中ではないときに7・14枚役が当選した場合には、図7(D)に示すように、7枚役図柄及び14枚役図柄と共にクエスチョンマーク(「?」)M3が表示される。この場合、7・14枚役が当選したことは報知されるものの、その入賞順は「?」となっているため遊技者には入賞順が報知されない(入賞順非報知)。この場合、遊技者は、自身の勘によって入賞順を推測して小役の入賞順を狙うことになる。
次に、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。
図1は、スロットマシン1の電気的な構成を機能ブロックとして示している。制御部18(本発明でいう内部抽選手段、表示制御手段、入賞判定手段、遊技媒体付与手段、小役フラグ持越手段、入賞順決定手段、入賞順判定手段、特典付与手段、報知抽選手段及び報知制御手段)は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、BETボタン7、精算ボタン8、スタートレバー10、左ストップボタン11、中ストップボタン12及び右ストップボタン13から各種の操作信号が入力される。
また、制御部18には、メダル投入口9に投入されたメダルの真贋及び数量を判定する投入メダル検知部19から投入メダル検知信号が入力されると共に、設定値操作部20から当選確率などの各設定信号が入力される。設定値操作部20では、例えばDIPスイッチの切り替えなどによって設定値が変更される。さらに、制御部18は、有効ライン表示部4、液晶表示部5、払出数表示部14、クレジット数表示部15、装飾ランプ部17、各リール3a〜3cに対応する各リール用モータ21a〜21cを駆動するリール駆動部22、各リール3a〜3cに設けられた基準位置片の通過を検知する各センサ23a〜23cからの検知信号に基づいて基準位置を検知する基準位置検知部24、スピーカ6を駆動する音声出力部25、及び受皿16にメダルを払出すメダル払出部26と接続している。
制御部18は、上記した各入力信号及びROMに記憶した制御プログラムに基づいて、有効ライン表示部4、液晶表示部5、払出数表示部14、クレジット数表示部15、装飾ランプ部17、リール駆動部22、音声出力部25、及びメダル払出部26の動作を制御すると共に、アウト信号(1メダルの投入毎または1クレジットメダルの投入毎に1パルス出力)、セーフ信号(1メダルの払出毎に1パルス出力)、ゲーム信号(1ゲーム開始毎に1パルス出力)、ビッグボーナス信号(ビッグボーナス期間中にレベル信号出力)及びレギュラーボーナス信号(レギュラーボーナス期間中にレベル信号出力)を生成し、図示しない信号出力端子から外部へ出力する。信号出力端子から出力される各信号は、遊技場内に設置されている管理装置(図示せず)に入力され、各スロットマシン1の稼動状況を管理するために利用される。
次に、上記構成のスロットマシン1の作用について説明する。
制御部18は、通常の処理に加えて、本発明に関連して、内部抽選処理、入賞順判定処理、及び7枚・14枚持越処理を実行する。
図8は、制御部18による内部抽選処理を示すフローチャートである。制御部18は、ゲームが開始されたかを判定しており(A1)、遊技者によるスタートレバー10に対する操作によりゲームが開始されたと判定すると(A1:YES)、抽選用乱数を抽出し(A2)、抽出された抽選用乱数を図5に示す当選乱数テーブルと照合して(A3)、内部当選役を決定した後、当該内部当選役のフラグをオンする(A4)。このとき、7枚役及び14枚役を同時に内部当選役として決定した場合には7枚役フラグ及び14枚役フラグの両方をオンする。次に、7枚・14枚役が同時当選(7・14枚役が当選)したかを判定し(A5)、同時当選していない場合には(A5:NO)、リターンする。
制御部18は、7枚・14枚役が同時当選(7・14枚役が当選)した場合には(A5:YES)、同時当選フラグをオンする(A6)。同時当選フラグとは、7枚役及び14枚役が同時当選したことを示すフラグであり、初期状態ではオフにされている。次に、入賞順カウンタを1に設定する(A7)。この入賞順カウンタとは、同時当選した小役の入賞順を調べるためのカウンタであり、初期値は0、同時当選したゲームでは1、その次のゲームでは2に設定される。次に、当選乱数を図6に示す入賞順抽選乱数テーブルと照合し(A8)、入賞順を決定して、この入賞順を記憶する(A9)。例えば、当選乱数が19000のとき、入賞順は14枚→7枚であるため、入賞順1として14枚役、入賞順2として7枚役を記憶する。
次に制御部18は、ATフラグがオンであるかを判定し(A10)、ATフラグがオンである場合には(A10:YES)、図7(A)、(B)又は(C)のいずれかに示す7・14枚役の入賞順を報知する入賞順報知画面を液晶表示部5に表示して(A11)、リターンする。この場合、遊技者は、液晶表示部5に表示された入賞順に従って7枚役及び14枚役が入賞するように目押しする。ATフラグがオンでない場合には(A10:NO)、図7(D)に示す7枚・14枚役が同時当選したことのみを報知する入賞順非報知画面を表示して(A12)、リターンする。この場合、遊技者は、7枚役及び14枚役の入賞順が分らないので、入賞順を推測して目押しする。
制御部18は、以上のようにして内部抽選処理が終了すると、遊技者による各ストップボタン11〜13に対する操作に応じて各リール3a〜3cを引き込んで停止表示させた後、入賞ライン上に停止した図柄の組合せが入賞図柄と一致するかを判定(入賞判定)し、入賞図柄に応じた枚数のメダルを払出す。
制御部18は、入賞判定後に入賞順判定処理を実行する。
図9は、制御部18による入賞順判定処理を示すフローチャートである。制御部18は、7枚役又は14枚役が入賞したか(B1)、7枚役又は14枚役を取りこぼしたか(フラグがオンしている7枚役又は14枚役が入賞しなかったか)を判定する(B14)。7枚役又は14枚役が入賞した場合には(B1:YES)、同時当選フラグがオンであるかを判定し(B2)、同時当選フラグがオンでない場合には(B2:NO)、リターンする。7枚役又は14枚役を取りこぼした場合は(B14:YES)、同時当選フラグがオンであるかを判定し(B15)、同時当選フラグがオンでない場合には(B15:NO)、リターンする。
制御部18は、同時当選フラグがオン、かつ入賞順カウンタが1の状態で、7枚役又は14枚役が入賞した場合は(B1:YES)、同時当選フラグがオンしているので(B2:YES)、入賞順カウンタが1であるかを判定し(B3)、入賞順カウンタが1であるので(B3:YES)、入賞した小役と内部抽選処理のステップA9で記憶した入賞順1の小役とを照合する(B4)。照合した小役同士が一致しなかった場合には(B5:NO)、入賞順カウンタが1以外のときは入賞順カウンタを0にリセットし(B7)、入賞順の記憶をクリアする(B8)。次に、入賞順カウンタが1かを判断し(B9)、入賞順カウンタが1であるので(B9:YES)、リターンする。この場合、同時当選フラグはオンのままであるので、取りこぼした小役フラグは次のゲームに持ち越される。一方、入賞順カウンタが1でない場合には(B9:YES)、同時当選フラグをオフしてから(B10)、リターンする。この場合、内部抽選処理のステップA8及びA9で決定された入賞順と、遊技者が入賞させた小役の入賞順とが異なっていることから、入賞順の判定は、このゲームだけで終了する。また、入賞した小役のフラグはオフされる。照合した小役同士が一致した場合には(B5:YES)、入賞順カウンタを2に設定して(B6)、リターンする。
制御部18は、入賞カウンタが2に設定された状態で、7枚役または14枚役を取りこぼした場合は(B14:YES)、同時当選フラグがオンになっているので(B15:YES)、ステップB7へ移行して同時当選フラグをオフする(B10)。
制御部18は、入賞カウンタが2に設定された状態で、7枚役または14枚役が入賞した場合は(B1:YES)、入賞順カウンタが1でないので(B3:NO)、入賞した小役を入賞順2として記憶した小役と照合する(B11)。このとき、入賞順2の小役を入賞させられなかった場合、つまり入賞順が一致しなかった場合には(B12:NO)、ステップB7へ移行して同時当選フラグをオフする(B10)。一方、入賞順2の小役が入賞した場合には(B12:YES)、RTフラグをオンしてから(B13)、ステップB7へ移行する。このRTフラグは、リプレイタイム(以下、RTと称する)状態であることを示すフラグである。RTは、リプレイ役の内部当選確率が通常よりも高く設定されており、メダルの消費量を抑制しながらゲームを遊技することが可能となるため、遊技者にとって有利な状態となる。
制御部18は、上述のように入賞順判定処理を終了した場合は、7枚・14枚持越処理を実行する。
図10は、制御部18による7枚・14枚持越処理を示すフローチャートである。制御部18は、7枚役又は14枚役を取りこぼしたかを判断しており(C1)、取りこぼした場合は(C1:YES)、同時当選フラグがオンであるかを判断する(C2)。同時当選フラグがオフの場合は(C2:NO)、取りこぼした小役フラグを持越さないように取りこぼした小役フラグをオフにして(C3)、リターンする。これに対して、同時当選フラグがオンである場合には(C2:YES)、リターンする。つまり、取りこぼした小役フラグが次のゲームに持越されるので、遊技者は、次のゲームにおいて取りこぼした小役を入賞させることが可能となる。なお、7枚役と14枚役とが同時当選したゲームでは、何れか一方、あるいは両方の小役が取りこぼされる可能性があり、両方の小役が取りこぼされた場合には両方のフラグが次のゲームへ持越されることになる。
制御部18は、7枚・14枚持越処理を終了するとゲームを終了する。
このように、7枚・14枚役が同時当選したゲーム及びその次のゲームにおいて抽選により決定された入賞順と、遊技者が実際に入賞させた小役の入賞順とが一致した場合には、取りこぼした小役を入賞することができた上で、さらにRT(遊技者に有利な状態。本発明でいう特典)が付与される。なお、本実施形態では、特典として付与されたRTは、RTフラグがオンされた後10ゲームの間継続される。
以上に説明したように、本実施形態によれば、スロットマシン1は、同時当選フラグがオンしている場合には、7枚役及び14枚役のうち取りこぼした小役のフラグを持越すように構成されているので、同時当選した小役を全て入賞させることが可能となる。従って、同時当選の恩恵を実感することができると共に、同時に複数の小役フラグが成立したと判断した遊技者の満足感を高めることができる。
また、7枚・14枚役が同時当選した場合には、7枚役及び14枚役を入賞させる順番(入賞順)を抽選で決定し、この入賞順と遊技者が入賞させた順番とが一致したときに、特典(本実施形態では、遊技者に有利なRT)を付与するように構成されているので、小役の入賞順が重要な意味を持つようになり、遊技性を高めることができる。
また、AT中には入賞順を報知するように構成されているので、遊技者は、ただ小役を入賞させるだけでなく、入賞させる順番にも注目して遊技をすることになる。従って、興趣を高めることができる。一方、AT中でないときには、入賞順が報知されないので、遊技者は自身の勘によって入賞順を推測して遊技をすることになる。従って、興趣を高めることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した一実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
AT中にのみ7・14枚役の入賞順を報知するようにしたが、入賞順の報知を行うかどうかを抽選で決定する報知抽選手段と、この報知抽選手段が報知することを決定した場合に入賞順報知手段(例えば液晶表示部5やスピーカ6など)を作動させる報知制御手段とをさらに設け、報知抽選の結果に応じて遊技者に入賞順を報知するようにしてもよい。この場合、遊技者は、報知抽選に外れた場合には自身の勘で入賞順を予想して入賞を狙うことになるので、遊技性を向上させることができる。
2つの小役(14枚役、7枚役)が同時当選する場合を例示したが、3つ以上の小役が同時当選する場合にも適用することができる。例えば、3つの小役が同時当選する場合には、入賞順のパターンが6通りになる。
14枚役(小役1)と7枚役(小役2)とが同時当選したゲームの後何れかの小役の取りこぼしが発生した場合には小役フラグを消去するようにしたが、取りこぼしが発生しても小役フラグを消去せず、入賞するまで持ち越して入賞順を判定するようにしてもよい。
入賞順が一致したときに付与する特典としてRTを例示したが、特典の内容はこれに限定されない。遊技者にとって有利な状態を発生させるものであればどのような特典でもよい。
2つの小役が同時当選した場合に、入賞順が一致した回数を入賞順一致回数として計数し、遊技者に対して表示してもよい。これによって、遊技者は入賞順が一致した回数を明確に認識することが可能となり、遊技者の満足度を高めることができる。
7枚役と14枚役とが同時当選したゲームで入賞順が一致しなかった場合(両方の小役を取りこぼした場合を含む)には、取りこぼした小役の内部当選フラグを次のゲームへ持越さず、そのゲーム終了時に消去するようにしてもよい。このような構成によれば、入賞順が一致した場合に限り取りこぼした小役の内部当選フラグが次のゲームへ持越されることになるため、入賞順の重要性が一層高まり、遊技者の緊張感を煽ることができる。
内部当選役の抽選に用いる乱数を入賞順抽選で兼用するようにしたが、入賞順抽選に用いる乱数を別途専用で発生させるようにしてもよい。
ビッグボーナスの終了後にATを発生させるようにしたが、ATの発生条件はこれに限定されない。例えば、通常状態において特定小役の内部当選フラグが成立したとき、あるいは特定小役が入賞したとき等、様々な発生条件を設定することができる。
本発明の一実施形態におけるスロットマシンの電気的構成を示す機能ブロック図 スロットマシンの正面図 各リールの図柄配列を示す図 内部当選役を示す図 内部当選役を決定するための当選乱数テーブルを示す図 入賞順を決定するための入賞順抽選乱数テーブルを示す図 入賞順を報知するときの液晶表示部の画面表示を示す図 内部抽選処理を示すフローチャート 入賞順判定処理を示すフローチャート 7枚・14枚持越処理を示すフローチャート
符号の説明
図面中、1はスロットマシン、3はリール(図柄変動表示手段)、10はスタートレバー(ゲーム開始操作手段)、11は左ストップボタン(停止操作手段)、12は中ストップボタン(停止操作手段)、13は右ストップボタン(停止操作手段)、18は制御部(内部抽選手段、表示制御手段、入賞判定手段、遊技媒体付与手段、小役フラグ持越手段、入賞順決定手段、入賞順判定手段、特典付与手段、報知抽選手段、及び報知制御手段)である。

Claims (1)

  1. 遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
    複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を予め定められた配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
    ゲームの開始に応じて、少なくとも2種類以上の小役を含む複数の役の中から内部当選役を決定するための抽選を実行し、内部当選役のフラグを成立させる内部抽選手段と、
    前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
    前記停止操作手段による停止操作に応じて、前記内部当選役のフラグに対応する図柄を予め規定された引込範囲内で前記図柄表示領域に引き込んで停止表示させる表示制御手段と、
    前記複数の図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せが入賞図柄である場合に入賞と判定する入賞判定手段と、
    前記入賞判定手段により入賞と判定された場合に、前記入賞図柄に対応する数の遊技媒体を遊技者に付与する遊技媒体付与手段と、を備え、
    前記内部抽選手段は、種類の異なる複数の小役を1回の抽選で同時に内部当選役として決定し、複数の小役フラグを成立させることが可能に構成されたスロットマシンにおいて、
    前記内部抽選手段が1回の抽選で同時に成立させた複数の小役フラグのうち、そのゲームで入賞が発生しなかった小役フラグを次のゲームに持ち越す小役フラグ持越手段と、
    前記内部抽選手段が成立させた複数の小役フラグについて、それぞれの小役フラグの入賞順を決定する入賞順決定手段と、
    前記入賞順決定手段が決定した入賞順を遊技者に対して報知するための入賞順報知手段と、
    前記入賞順決定手段が決定した入賞順を遊技者に対して報知するか否かを抽選で決定する報知抽選手段と、
    この報知抽選手段が報知することを決定した場合に前記入賞順報知手段を作動させる報知制御手段と、
    前記内部抽選手段が成立させた複数の小役フラグに対応する小役の入賞順が、前記入賞順決定手段により決定された入賞順と一致するか否かを判定する入賞順判定手段と、
    前記入賞順判定手段による判定結果に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    を備えたことを特徴とするスロットマシン。
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