JP5366842B2 - 建設機械のエンジンフードの開閉構造 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械の車体部に搭載されたエンジンフードの開閉構造に関する。
近年、建設機械においては、動力源を含む動力室から発生する騒音を遮断するために、これらを格納する動力室を外装カバーによって覆った構造が一般的に用いられている。
一方、外装カバーによって覆われた動力室内の動力源は、定期的な整備点検が必要であり、緊急を要するメンテナンス等が必要な場合もある。この場合、例えば、ボルトやナット等の締結部材によってフレームに固定された外装カバーをその都度取り外して作業を行うことは非常に非効率であり、オペレータに負担がかかるおそれがある。
そこで、動力室内に格納された機器類のメンテナンス等が必要になった場合でも、容易に外装カバーの内部のメンテナンス等を行うことを可能とするために、外装カバーの上面を覆うように取り付けられたエンジンフードの開閉構造が提案されている。
例えば、特許文献1には、エンジンフードの開度を大きくした際でも、最大長になったガススプリングに負担をかけることなく、エンジンフードの保持を確実に行うことが可能なエンジンフードの開閉を行うエンジンフードの開閉構造が知られている。
しかしながら、上記従来のエンジンフードの開閉構造では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示されたエンジンフードの開閉構造では、エンジンフード側に設けられたガイドレール(誘導溝)が1本しかないため、例えば、エンジンフードを60度開状態から90度開状態へ2段階で開く機構の場合には、双方の開度において、支持部材によって安定した状態で確実にエンジンフードを支持するための構成については開示されていない。そして、仮に、双方の開度においてエンジンフードを確実に支持できる場合でも、何らかの手動操作が必要になる可能性がある。
本発明の課題は、2段階で開くエンジンフードの開閉構造において、第1の開度、第2の開度の双方においてエンジンフードを支持する際にステーを手動で動かす係止動作を必要とすることなく、確実に支持することが可能な建設機械のエンジンフードの開閉構造を提供することにある。
第1の発明に係るエンジンフードの開閉構造は、エンジンフードと、支持部材と、誘導部と、を備えている。エンジンフードは、建設機械の車体部に対して回動開閉可能な状態で取り付けられている。支持部材は、エンジンフードの下方において、エンジンフードを第1の開度、第1の開度よりも大きい第2の開度の2段階で支持する。誘導部は、エンジンフードの裏面に設けられており、支持部材の回動に伴って支持部材の一部係合させた状態で誘導する誘導溝が形成されている。そして、誘導部は、誘導溝の一部として、第1誘導溝と、第2誘導溝と、第3誘導溝と、を有している。第1誘導溝は、エンジンフードを閉めた状態において略水平方向に延び、エンジンフードの閉状態から第1の開度まで開く際に支持部材の一部係合させた状態で誘導する。第2誘導溝は、第1誘導溝から下向きに分岐し、第2の開度までエンジンフードを開けた際に、支持部材の自重によって支持部材の一部が第1誘導溝から移動して係合し、第1の開度付近において支持部材の一部を係止する。第3誘導溝は、第1の開度から第2の開度までエンジンフードが開く際に、支持部材の一部が係合した状態で移動して第2の開度において支持部材の一部を係止する。
ここでは、支持部材の一部を係合した状態で誘導する誘導溝が形成された誘導部をエンジンフード側に設け、第1の開度、第2の開度という2段階で開くエンジンフードの開閉構造において、エンジンフードを閉めた状態から第1の開度まで開けていく際に、支持部材はその自重によって倒れていき、誘導溝に係合した状態で溝内を移動する支持部材の一部が第1誘導溝から分岐した第2誘導溝へと誘導される。そして、第2誘導溝へと移動した支持部材の一部が第2誘導溝内において支持されることで、エンジンフードを第1の開度において支持する。さらに、第1の開度から第2の開度へとエンジンフードをさらに開いていくと、支持部材の一部は第2誘導溝から第3誘導溝へと移動して第3誘導溝内において支持される。
ここで、上記第1の開度、第2の開度としては、例えば、60度、90度の開度が考えられる。つまり、通常のエンジンルームのメンテナンス時等にはエンジンフードを60度開けた状態で作業を行う。一方、クーリングの清掃やエンジンの修理の際には、エンジンフードを90度に開けた状態で支持可能とすることで、エンジンフードを取り外すことなく作業が可能となる。また、上記支持部材には、例えば、金属製の棒状部材(ステー)等が含まれ、この支持部材の一部としては、金属製の棒状部材の先端から突出した屈曲部分やボルト等の部材が含まれる。
これにより、エンジンフードを開けていく際に、第1の開度付近において支持部材の自重によって自動的に支持部材の一部が第1誘導溝から第2誘導溝へと移動して支持される。さらに、第1開度から第2開度へと2段階でエンジンフードを開けていく場合でも、支持部材の一部が自動的に第2誘導溝から第3誘導溝へ移動して支持される。このため、作業者が2段階でエンジンフードを開けていく際に、手動で支持部材をセットする等の手間を省いて、エンジンフードを自動的かつ確実に保持することができる。
第2の発明に係るエンジンフードの開閉構造は、第1の発明に係るエンジンフードの開閉構造であって、支持部材は、略L字型の形状を有し、屈曲した部分が下向きとなる状態でエンジンフードを支持する。
ここでは、エンジンフードを各開度において支持する支持部材として、略L字型形状の部材を用いている。
これにより、支持部材の重心位置をエンジンフードの重心位置から離すことができるため、エンジンフードを開いていく際に、エンジンフードよりも大幅に遅れて支持部材を回動させることができる。この結果、エンジンフードの開度が大きくなっても、支持部材には自重によって下向きに回動する力が付与されるため、誘導部に係合した支持部材の一部は第1誘導溝から第2誘導溝へとスムーズに移動することができる。
第3の発明に係るエンジンフードの開閉構造は、第1または第2の発明に係るエンジンフードの開閉構造であって、第2誘導溝は、第1の開度において支持部材がエンジンフードを支持する際に、エンジンフードの回動する軌道に沿って形成された係止部を有している。
ここでは、第1の開度においてエンジンフードを支持する支持部材の一部が係合する第2誘導溝の端部に、エンジンフードの回動する軌道に沿って形成された係止部を設けている。
これにより、第1の開度においてエンジンフードを支持している状態で、例えば、風によってエンジンフードを閉じる方向に荷重が付与された場合でも、第2誘導溝の端部にエンジンフードの回動する軌道に沿って形成された係止部によってエンジンフードのさらなる回動を規制することができる。
第4の発明に係るエンジンフードの開閉構造は、第1から第3の発明に係るエンジンフードの開閉構造であって、第3誘導溝は、エンジンフードが第2開度に達した際に誘導されてきた支持部材の一部が係合する保持部と、第2開度まで開けられたエンジンフードを閉じる際に支持部材の一部を保持部から外す方向に形成された仮保持部と、を有している。
の発明に係るエンジンフードの開閉構造は、第1から第の発明に係るエンジンフードの開閉構造であって、第1の開度は約60度であって、第2の開度は約90度である。
ここでは、2段階でエンジンフードの開動作を行う際に、通常のエンジンルーム内のメンテナンスを行う際の第1の開度(60度)、エンジンやラジエータ等を載せ換える際の第2の開度(90度)をそれぞれ設定している。
これにより、内容が異なる作業を行うそれぞれの開度において、エンジンフードを確実に保持することができる。
本発明に係るエンジンフードの開閉構造によれば、作業者が2段階でエンジンフードを開けていく際に、手動で支持部材をセットする等の手間を省いて、エンジンフードを自動的かつ確実に保持することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンフードの開閉構造を採用した油圧ショベルの構成を示す斜視図。 図1の油圧ショベルに搭載されたエンジンフードの内部の構成を示す平面図。 図2のA−A線矢視断面図。 図2のB−B線矢視断面図。 (a)は、図2のエンジンフードを支持するステー支持機構とガイド板との位置関係を示すエンジンフードの内部断面図。(b)は、(a)のステー支持機構のステー本体の構成を示す側面図。 図5のガイド板の構成を示す拡大図。 図2のエンジンフードを閉めた状態を示す側面図。 図2のエンジンフードを60度まで開いた状態を示す斜視図。 図2のエンジンフードをさらに90度まで開いた状態を示す斜視図。 図2のエンジンフードを60度まで開いた状態を示す斜視図。 図2のエンジンフードをさらに90度まで開いた状態を示す斜視図。 (a)は、図2のエンジンフードを開けていく際のエンジンフードの開度と人の操作力との関係を示すグラフ。(b)は、図2のエンジンフードを閉めていく際のエンジンフードの開度と人の操作力との関係を示すグラフ。
本発明の一実施形態に係るエンジンフードの開閉構造を採用した油圧ショベル(建設機械)1について、図1〜図12(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
(油圧ショベル1)
本実施形態に係る油圧ショベル1は、図1に示すように、下部走行体2と、旋回台3と、作業機4と、カウンタウェイト5と、車体部6と、機器室7と、キャブ8と、を備えている。
下部走行体2は、進行方向における左右両端部分に巻き掛けられた履帯Pを回転させることで、油圧ショベル1を前進・後進させる。また、下部走行体2は、旋回台3を上面に搭載している。
旋回台3は、下部走行体2に対して任意の方向に旋回可能である。そして、旋回台3は、上面に作業機4と、カウンタウェイト5と、車体部6と、キャブ8と、を搭載している。
作業機4は、ブーム11と、ブーム11の先端に取り付けられたアーム12と、アーム12の先端に取り付けられたバケット13とを含むように構成されている。そして、作業機4は、図示しない油圧回路に含まれる各油圧シリンダ11a,12a,13a等によって、ブーム11やアーム12、バケット13等を上下に移動させながら、土木工事の現場において土砂や砂礫等の掘削作業を行う。
カウンタウェイト5は、例えば、鋼板を組み立てて形成した箱の中に屑鉄やコンクリート等を入れて固めたものであって、採掘時等において車体のバランスをとるために旋回台3上における車体部6の後方に設けられている。
車体部6は、図1に示すように、カウンタウェイト5に隣接する位置に配置されており、内部にエンジン等を収納するエンジンルーム10を有している。そして、エンジンルーム10は、開閉可能なエンジンフード14によって覆われた点検用の上部開口10aを有している(図10、図11参照)。このエンジンフード14は、本実施形態に係るエンジンフード14の開閉構造20によって開閉が行われる。なお、このエンジンフード14の開閉構造20に関しては、後段にて詳述する。
機器室7は、作業機4の後方に配置されており、図示しない燃料タンク、作動油タンクおよび操作弁等を収容する。
キャブ8は、油圧ショベル1のオペレータが乗降する室内空間を有しており、作業機4の先端部を見通せるように、旋回台3上における作業機4の側方となる左側前部に配置されている。
(エンジンフード14の開閉構造20)
エンジンフード14の開閉構造20は、エンジンルーム10の上部開口10aを覆うように取り付けられたエンジンフード14のエンジンルーム10上への開閉を行う機構である。
図2には、エンジンフード内部の構成を示している。また、図3および図4には、図2に示すA−A線、B−B線の矢視断面図をそれぞれ示している。
エンジンフード14は、エンジンルーム10内に配置されたエンジンやラジエータ等のメンテナンス時等に開閉される略箱型形状の蓋部材であって、カウンタウェイト5の長辺部側に取り付けられたヒンジ22を回動中心として前後方向に開閉される。
ロック部23,23は、エンジンフード14におけるキャブ8側の面に一対取り付けられており、エンジンフード14が閉状態のときに開状態へと移行しないように、エンジンルーム10の上面に対してエンジンフード14を固定する。
取っ手24は、エンジンフード14における一対のロック部23,23の間に配置されており、エンジンフード14の開閉を行う際に持ち手として利用される。
エンジンフード14の開閉構造20は、図2、図3および図4に示すように、主に、エンジンフード14と、ガススプリング支持機構30と、ステー支持機構40と、を備えている。
(ガススプリング支持機構30)
ガススプリング支持機構30は、図2、図3および図4に示すように、エンジンフード14の両側に設けられた一対の構造(第1ガススプリング31,32)と、エンジンフード14内の幅方向におけるほぼ中央部に設けられたスプリング機構33と、を有している。
ここで、図2、図3において、図左側が、油圧ショベル1の前側であってエンジンフード14の開き側である。また、図右側が、油圧ショベル1の後側であってエンジンフード14の回動中心となるヒンジ22が配置された閉じ側である。
(第1ガススプリング31,32)
第1ガススプリング31,32は、本体内の圧縮ガスによって、エンジンフード14の開操作の第1段階における操作力をアシストする装置である。つまり、第1ガススプリング31,32は、エンジンフード14を開ける方向に力を付与する。第1ガススプリング31,32は、図2、図3および図4に示すように、エンジンフード14の幅方向における両端部付近であって、エンジンフード14が閉じた状態でエンジンフード14の下方でヒンジ22の近傍に配置されている。第1ガススプリング31,32の近傍には、リンク機構34と、支持プレート35,35とが配置されている。第1ガススプリング31,32およびリンク機構34,34は、ヒンジ22よりエンジンフード閉じ側に配置されている。
なお、上述した開動作の第1段階とは、エンジンフード14の約0度の開度から約60度の開度(第1の開度)までの開動作を意味している。
第1ガススプリング31,32は、一般的なガススプリングと同様の構造を有しており、チューブ31a,32aと、チューブ31a,32aに対して伸縮可能なロッド31b,32bと、を有している。図3および図4に示すように、ガススプリング31,32のチューブ31a,32aの第1端部は、エンジンフード14に対して回動可能な状態で連結されている。また、ガススプリング31,32のロッド31b,32bの第2端部は、それぞれリンク機構34,34に連結されている。
リンク機構34,34は、リンクプレート34a,34aを有している。リンクプレート34a,34aの第1端は、ロッド31b,32bの端部にピンによって回動可能な状態で連結されている。リンクプレート34a,34aの第2端は、エンジンルーム10の外装フレーム10bにピンによって回動可能な状態で連結されている。これにより、リンクプレート34a,34aは、第2端を中心に回動可能である。
支持プレート35,35は、エンジンルーム10の外装フレーム10bに対して固定されており、リンクプレート34a,34aの一部が当接する。
エンジンフード14が全閉状態のときには、第1ガススプリング31,32は、ロッド31b,32bの端部がチューブ31a,32aの端部より下方で、かつヒンジ22側に位置している。リンクプレート34a,34aの第1端は、第2端より下方でかつヒンジ22側と反対側に位置している。この状態で、リンクプレート34a,34aは、第1ガススプリング31,32側と反対側の面が、支持プレート35に当接している。以上の配置により、第1ガススプリング31,32の反力は、エンジンフード14に作用し、さらにリンクプレート34a,34aを介して支持プレート35,35に作用する。
エンジンルーム10内に設置された機器(例えば、エンジン、ラジエータ等)を点検する際には、作業者が車体部6の上面に乗ってロック部23,23を解除してからエンジンフード14の取っ手24を持ちながらエンジンフード14を開いていく。このとき、第1ガススプリング31,32は、エンジンフード14が所定の開度(約60度)に達するまで、エンジンフード14を開く側への操作力をアシストする。
(スプリング機構33)
スプリング機構33は、本体内のバネによって、エンジンフード14の開動作の第2段階の操作力をアシストする。ただし、スプリング機構33は、エンジンフード14を開ける方向ではなく、エンジンフード14を閉じる方向へ力を付与する点において、第1ガススプリング31,32とは異なっている。
なお、スプリング機構33によるアシスト力が付与される開動作の第2段階とは、エンジンフード14の開度が約60度(第1の開度)から約90度(第2の開度)までの開動作を意味している。
また、スプリング機構33は、図4および図10に示すように、エンジンフード14の幅方向におけるほぼ中央部付近であって、エンジンフード14の裏面に配置されている。スプリング機構33は、チューブ33aと、チューブ33aに対して伸縮可能なロッド33bと、を有している。チューブ33aの端部は、図10に示すように、エンジンフード14の内側面に設けられた固定部36に対して回動可能な状態で連結されている。一方、ロッド33bの端部は、エンジンルーム10の上部開口10aの幅方向中央部付近にまたがって配置されたステップ10cに設けられたリンク機構37に対して回動可能な状態で連結されている。
リンク機構37は、リンク部材37aと、固定部37bとを有している。リンク部材37aは、第1端部がロッド33bの端部と、第2端部が固定部37bへとそれぞれが回動可能な状態で連結されている。固定部37bは、外装フレーム10bに固定されており、リンク部材37aの第2端部が回動可能な状態で連結される。
エンジンフード14が、開度約60度(第1開度)から約90度(第2開度)へと移行する際には、開度が約70度付近に達したときに、エンジンフード14の重心14aの位置がエンジンフード14の回動中心となるヒンジ22の鉛直線上を越えて移動する(図8から図9を参照)。このとき、エンジンフード14は、重力によって開く方向へ力を受けている。スプリング機構33は、このエンジンフード14の開度が約70度を越えた後、重力によってエンジンフード14をさらに開く方向へ働く力に対して、エンジンフード14を閉じる方向に力を付与する。これにより、エンジンフード14を大きく開くために、エンジンフード14の重心14aの位置がどの位置にあっても、作業者にかかるエンジンフード14の重量を支える負担を軽減して、スムーズにエンジンフード14を開閉することが可能になる。
(ステー支持機構40)
ステー支持機構40は、エンジンフード14の最大開き角度を制限するとともに、エンジンフード14が所定角度開いた状態から不作為な力によって閉じることを制限するための機構である。図2に示すように、ステー支持機構40は、エンジンフード14の幅方向における中央部(図では中心からやや左寄り)に配置されている。
図2において、図中の下側が、油圧ショベル1の前側であって、取っ手24が設けられたエンジンフード14の開き側である。また、図中の上側が、油圧ショベル1の後側であって、エンジンフード14の回動中心となるヒンジ22が設けられた閉じ側である。
ステー支持機構40は、主に、ステー本体42と、ガイド板(誘導部)43と、を有している。
(ステー本体42)
ステー本体42は、図5(a)および図5(b)に示すように、略L字型に成形された金属製の棒状の部材であって、エンジンフード14を所定の開度まで開いた状態でエンジンフード14の回動を規制する。ステー本体42の第1端42aは、エンジンルーム10の一部に回動可能な状態で支持されている。ステー本体42の第2端42bは、円柱形状であり、後述するガイド板43のガイドレール(誘導溝)44に係合している。
また、ステー本体42は、上述したように、略L字型の形状を有している。このため、図5(a)に示すように、屈曲した部分が下向きになるように取り付けられると、エンジンフード14を開けていく過程において、エンジンフード14の開度が約70度を越えるまでステー本体42の重心42cの位置を、エンジンフード14を閉じる側に維持することができる。よって、エンジンフード14を第1段階の開度(約60度)まで開く際には、ステー本体42の自重によって、エンジンフード14の閉じる側に向かってステー本体42を倒す力が働く。
(ガイド板43)
ガイド板43は、エンジンフード14の裏面側に取り付けられた板状の部材であって、上記ステー本体42の第2端42bが係合した状態で誘導されるガイドレール44が形成されている。
ガイドレール44は、エンジンフード14の前後方向(図2の上下方向)に延びるスリット状の誘導溝である。具体的には、ガイドレール44は、図6に示すように、油圧ショベル1の前後方向に延びる第1誘導溝44aと、第1誘導溝44aから下向きに分岐した第2誘導溝44bと、第1誘導溝44aと第2誘導溝44bとが合流して前後方向に伸びる第3誘導溝44cと、を有している。
第1誘導溝44aは、図5に示すように、閉状態から約60度の開度(第1の開度)の手前までエンジンフード14を開けていく際に、ステー本体42の第2端42bを図6中右方向へ誘導する。つまり、エンジンフード14が閉じた状態では、ステー本体42の第2端42bは、第1誘導溝44aの図6中左端部にあり、エンジンフード14の開度が増すにつれて図6中右側へ移動していく。
第2誘導溝44bは、第1誘導溝44aから分岐して、ステー本体42の回動軌道に沿って形成されている。第2誘導溝44bは、エンジンフード14が約60度の開度(第1の開度)まで開けられた際に、ステー本体42の第2端42bを図6中斜め下向きに誘導する。このとき、エンジンフード14が約60度の開度まで達した際には、ステー本体42の重心42c(図8参照)は、回動中心の鉛直線上よりもエンジンフード14の閉じる側にある。このため、自重によってステー本体42には反時計回りに回動する(押し下げる)方向に力がかかっており、その自重による回動によって第2端42bが第1誘導溝44aから、ステー本体42の回動軌道に沿って形成された第2誘導溝44bへと自動的に誘導される。
また、第2誘導溝44bは、図6に示すように、保持部44baと、係止部44bbとを含んでいる。保持部44baは、エンジンフード14が第1開度(約60度)まで開けられた際に、ステー本体42の第2端42bを保持する。係止部44bbは、ステー本体42の回動軌道に沿って形成された第2誘導溝44bの下端にある保持部44baから、エンジンフード14の回動起動の方向に沿って形成されている。つまり、エンジンフード14が約60度(第1開度)まで開けられた状態では、ステー本体42の第2端42bは回動軌道に沿って第2誘導溝44b内の下端にある保持部44baへと移動する。そして、この状態において、例えば、風等によってエンジンフード14を閉める方向に力が加わると、エンジンフード14だけが閉める方向へ回動するものの、エンジンフード14の回動軌道に沿って形成された係止部44bbによって、約55度の開度においてエンジンフード14のそれ以上の回動が規制される。これにより、エンジンルーム10の点検等を行っている際に、意図せずエンジンフード14を閉めようとする力が働いた場合でも、エンジンフード14を約55度の開度において支持することができる。
第3誘導溝44cは、図6に示すように、第1・第2誘導溝44a,44bが合流した位置からエンジンフード14を閉めた状態において略水平方向へ延伸している。第3誘導溝44cは、エンジンフード14の開度を約60度から約90度まで移行させる際に、ステー本体42の第2端42bを係合した状態で端部まで誘導する。
また、第3誘導溝44cは、図6に示すように、図中右端に、保持部44caと、仮保持部44cbとを含んでいる。保持部44caは、エンジンフード14が約90度(第2開度)に達した際に、第3誘導溝44cに沿って誘導されてきたステー本体42の第2端42bが係合する。これにより、約90度まで開いたエンジンフード14がそれ以上開かないように、この位置で支持することができる。仮保持部44cbは、約90度まで開けられたエンジンフード14を閉じる際に、ステー本体42の第2端42bを保持部44caから外す方向に形成されている。つまり、図6に示すように、第3誘導溝44cから上下に対称に形成されている。これにより、エンジンフード14を約90度の開状態から閉じようとする際に、作業者はステー本体42を持ちながら、第3誘導溝44cの延伸部分へと第2端42bを手動で誘導する必要が生じる。よって、作業者が意図しないで、エンジンフード14が約90度の開度から閉まる方向へ移行しないようにすることができる。
<エンジンフード14の開閉動作>
ここでは、エンジンフード14を開閉する際の動作について、図7〜図11の断面図等、図12(a)および図12(b)に示すグラフを用いて説明すれば以下の通りである。なお、図7は、エンジンフード14の全閉状態、図8および図10は、エンジンフード14を約60度の開度(第1の開度)まで開いた状態、図9および図11は、エンジンフード14を約90度の開度(第2の開度)まで開いた状態を示している。
(1)開動作
(1−1)開度0度から開度60度まで
まず、エンジンフード14の全閉状態では、図7に示すように、ステー本体42の第2端42bはガイドレール44の第1誘導溝44a(図6参照)における端部寄りに配置されている。そして、第1ガススプリング31,32は、チューブ31a,32a内にロッド31b,32bのほとんどが収納され、最も縮んだ状態となっている。一方、スプリング機構33は、エンジンフード14の裏面側において、チューブ33a内にロッド33bのほとんどが収納され、最も縮んだ状態となっている。
作業者は、図7に示す全閉状態からエンジンフード14を開く際には、エンジンフード14の取っ手24を持って持ち上げていく。このとき、図8に示すように、エンジンフード14が約60度の開度(第1の開度)に達するまでは、ガススプリング支持機構30の第1ガススプリング31,32の反力によって、エンジンフード14を開く操作力がアシストされる。
エンジンフード14が約60度開けられた状態では、図8および図10に示すように、ステー本体42の第2端42bはガイドレール44の第1誘導溝44aから第2誘導溝44b(図6参照)へと移動している。このとき、ステー本体42の重心42cは、ステー本体42の回動中心の鉛直線上よりも、エンジンフード14を閉じる側にある。よって、ステー本体42には、ステー本体42を下向きに押し下げる方向への重力が働いている。
本実施形態では、特に、略L字形状のステー本体42を屈曲部が下向きになるように取り付けている。このため、ステー本体42の重心42cの位置を、できる限り、回動中心の鉛直線上よりも下向きの方向に維持し続けることができる。この結果、エンジンフード14を開けていく際には、ステー本体42の自重によって押し下げる力を利用して、約60度の開度(第1の開度)において、ステー本体42の第2端42bを自動的に第1誘導溝44aから第2誘導溝44bの方へと誘導することができる。
そして、第1ガススプリング31,32は、チューブ31a,32aに対してロッド31b,32bが出てきて最大伸長の状態となっている。一方、スプリング機構33は、エンジンフード14の裏面側において、チューブ33aからロッド33bが出てきてある程度伸びた状態となっている。
この約60度の開度(第1の開度)では、エンジンフード14は、閉じる方向へ働く重力と、第1ガススプリング31,32のアシスト力とが釣り合ったバランス状態となっている。つまり、この状態では、ステー支持機構40によってエンジンフード14は支持されていない。そして、このバランス状態を崩すための力(風等)が外部から付与されてエンジンフード14が閉じる方向に回動すると、ステー本体42の第2端42bが第2誘導溝44b内において係止部44bbへと移動することで、それ以上のエンジンフード14が閉じる方向へ回動することを抑止して支持することができる。なお、上述したように、係止部44bbはエンジンフード14の回動の軌跡に沿って形成されているため、エンジンフード14の回動時には、第2端42bは係止部44bbへとスムーズに移動することができる。
(1−2)開度60度から開度90度まで
エンジンフード14が約60度の開度(第1の開度)を超えて開けられると、図9および図11に示すように、第1ガススプリング31,32には引っ張り力が作用しない状態でエンジンフード14が回動していく。特に、エンジンフード14はある角度(約70度)以上の開度になると重心14aが回動中心の鉛直線上を越えて移動して自重によって開き側に回動していく。このため、約70度の開度を超えると、エンジンフード14の開動作の操作力は不要となる。一方で、エンジンフード14が開方向へ回動しようとするため、ここでスプリング機構33が伸びていき、その反力によってエンジンフード14を閉じる方向へ力を付与する。
これにより、作業者は、エンジンフード14の重心14aが回動中心の鉛直線上を越えて移動してエンジンフード14が自重によって開く方向に力が働く状態に移行した場合でも、エンジンフード14を支えながら約90度の開度まで開いていく負荷を負う必要はない。この結果、エンジンフード14を大きく回動させる場合でも、エンジンフード14の重心14aの位置に関わらず、常に作業者に掛かる操作力の負担を軽減して、スムーズにエンジンフード14を開閉することができる。
次に、エンジンフード14が約60度の開度(第1の開度)から約90度の開度(第2の開度)に移行する際には、ステー支持機構40のステー本体42の第2端42bは、ガイドレール44の第2誘導溝44bから第3誘導溝44cへと移動する。そして、図9および図11に示すように、エンジンフード14が約90度の開度まで開けられると、第2端42bは、第3誘導溝44cの端部に形成された保持部44caに係合する。これにより、エンジンフード14は、ステー支持機構40によって支持されて、それ以上開くことができない。また、その状態でエンジンフード14に対して閉じる方向に不作為の外力が作用しても、第2端42bと保持部44caとの係合によってエンジンフード14が閉じることはない。
具体的には、図9等に示すように、エンジンフード14が約90度の開度(第2の開度)で保持されている際には、エンジンフード14の自重による開く方向への力とスプリング機構33によるエンジンフード14を閉じる方向への反力とを比較すると、スプリング機構33の反力の方が大きい。よって、この状態において安定してエンジンフード14を支持するために、ステー本体42の第2端42bが第3誘導溝44c内の保持部44caに係止される力を加えている。これにより、エンジンフード14は、約90度の開度(第2の開度)において安定した状態で支持される。
また、約60度の開度(第1の開度)までエンジンフード14を開いた状態では、第1ガススプリング31,32は最大長まで伸びている。なお、このとき、エンジンフード14の重心14aはエンジンフード14の回動中心であるヒンジ22の鉛直線上よりエンジンフード14を閉じる側(図8の左側)に位置している。この状態からさらに約90度の開度までエンジンフード14を開いていくと、第1ガススプリング31,32は、最大長まで伸びた状態でエンジンフード14の動きに追従して回動する。つまり、図9に示すように、リンクプレート34aは第1端を中心に回動して、第2端がロッド31b,32bに追従して回動する。
このように、エンジンフード14の開き角度が所定角度以上になって第1ガススプリング31,32が最大長になると、それ以降に第1ガススプリング31,32に対してエンジンフード14の回動に伴う引っ張り力が作用しない。これにより、第1ガススプリング31,32が破損しにくい。
なお、エンジンフード14を閉じる際には、約60度の開度(第1の開度)までは第1ガススプリング31,32からの反力が作用しない。このため、エンジンフード14を閉じるために大きな力を必要としない。そして、エンジンフード14の重心14aが回動中心であるヒンジ22の鉛直線上よりも閉じ側に移動すると、以後はエンジンフード14の自重が作用することで第1ガススプリング31,32の反力による抵抗が減らされる。
ここで、エンジンフード14を開けていく際の作業者の操作力の推移について、図12(a)を用いて説明すれば以下の通りである。
まず、第1ガススプリング31,32が設けられていない場合には、図12(a)に示すように、エンジンフード14を持ち上げる際に約20kgの操作力が必要になる。
これに対して、本実施形態のように、2本の第1ガススプリング31,32を設けたことにより、図12(a)に示すように、約12kgの操作力で済むようにアシストされる。そして、エンジンフード14の開度が大きくなるにつれて、作業者の操作力も小さくなっていき、約40度の開度において0になり、その後、第1ガススプリング31,32によってエンジンフード14は自動的に約60度の開度(第1の開度)まで移行する。
次に、約60度の開度(第1の開度)まで達したエンジンフード14をさらに約90度の開度(第2の開度)まで開けていく際には、すでに約60度の開度(第1の開度)において、第1ガススプリング31,32は伸びきっており、エンジンフード14を開けていく力は付与されない。このため、最初の動かし始めの部分では、図12(a)に示すように、約5〜8kgの操作力が必要となる。
その後、作業者は、スプリング機構33の反力にサポートされながら、約8kg程度の操作力によって、エンジンフード14を約90度の開度まで開くことができる。
(2)閉動作
次に、約90度の開度(第2の開度)まで開けられたエンジンフード14を閉じるときは、作業者は、ステー本体42を手前に引くとともにエンジンフード14を前側に倒す。これにより、ステー本体42の第2端42bが第3誘導溝44cの保持部44caにおける係合が外れて第3誘導溝44cの延伸部分へと移動するため、エンジンフード14を閉じる側に回動させることができる。
このとき、第3誘導溝44cには、保持部44caの反対側に仮保持部44cbが形成されている。このため、作業者は、エンジンフード14を約90度の開度(第2の開度)から閉じようとする場合には、ステー本体42の第2端42bを確実に第3誘導溝44cの延伸部分へと手動で誘導してやる必要がある。これにより、作業者の意図しないエンジンフード14の閉方向への回動を防止することができる。
次に、エンジンフード14が約90度の開度(第2の開度)から約60度(第1の開度)に達するまでは、エンジンフード14にはスプリング機構33からサポート力が付与される。一方で、エンジンフード14は、第1ガススプリング31,32からの反力を受けない。したがって、作業者は、小さな操作力でエンジンフード14を閉じていく方向に回動させることができる。
さらに、エンジンフード14が約60度の開度(第1の開度)に達すると、それ以降は第1ガススプリング31,32からの反力がエンジンフード14に作用する。そして、この開度以下ではエンジンフード14が自重によって閉じ側に力がかかっているため、エンジンフード14の閉動作の操作力は小さくて済む。
ここで、エンジンフード14を閉じていく際の作業者の操作力の推移について、図12(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
すなわち、エンジンフード14が約90度の開度にある状態からステー本体42の第2端42bの係止を外すと、図12(b)のグラフの右側に示すように、エンジンフード14の自重による力よりもスプリング機構33からの反力が大きいため、エンジンフード14は自動的に閉じる方向へと回動していく。つまり、ステー本体42の第2端42bの係止を外した時点で、作業者の操作力はマイナスのままで、エンジンフード14は約60度の開度まで閉じられていく。
次に、エンジンフード14が約60度の開度まで閉じられると、スプリング機構33が完全に縮んで力が付与されなくなり、逆に、第1ガススプリング31,32の反力が作用し始める。このため、約60度の開度から約40度の開度まではエンジンフード14を約5kg程度の操作力によって閉じていく必要がある。
最後に、エンジンフード14の開度が約40度未満になると、エンジンフード14の自重による力が第1ガススプリング31,32による反力に勝るため、エンジンフード14は自動的に全閉状態まで移行する。
以上のように、本実施形態のエンジンフード14の開閉構造20では、エンジンフード14を開く側へサポート力を付与する第1ガススプリング31,32と、エンジンフード14を閉じる側へサポート力を付与するスプリング機構33とを併用している。
これにより、エンジンフード14の重心14aが回動中心の鉛直線上を越える前と後とで、エンジンフード14に対して互いに逆向きの力を付与することができる。この結果、エンジンフード14を大きく回動させて開く場合でも、エンジンフード14の重心14aの位置に関わらず、作業者の操作力を軽減してスムーズに開閉を行うことができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、2本の第1ガススプリング31,32と1本のスプリング機構33とを組み合わせて、エンジンフード14の開閉を行う機構を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、エンジンフードの開閉機構としては、第1ガススプリングを単数、あるいは3本以上とし、スプリング機構を複数設けてもよい。
また、エンジンフードを開閉する機構として、ガススプリングの代わりに、ダンパを用いてもよい。
(B)
上記実施形態では、通常のメンテナンス作業等を行う第1の開度、エンジン等の載せ換え作業を行う第2の開度として、約60度、約90度に設定した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、第1・第2の開度をより小さな開度に設定してもよいし、より大きな開度に設定してもよい。
(C)
上記実施形態では、本発明のエンジンフードの開閉構造が適用される建設機械として、油圧ショベルを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ホイルローダ等の他の建設機械のエンジンルームを覆うエンジンフードに対しても同様に本発明を適用可能である。
本発明のエンジンフードの開閉構造は、作業者が2段階でエンジンフードを開けていく際に、手動で支持部材をセットする等の手間を省いて、エンジンフードを自動的かつ確実に保持することができるという効果を奏することから、開閉可能な各種カバーを搭載した各種車両等に対して広く適用可能である。
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 旋回台
4 作業機
5 カウンタウェイト
6 車体部
7 機器室
8 キャブ
10 エンジンルーム
10a 上部開口
10b 外装フレーム
11 ブーム
11a 油圧シリンダ
12 アーム
12a 油圧シリンダ
13 バケット
13a 油圧シリンダ
14 エンジンフード
14a 重心
20 エンジンフードの開閉構造
22 ヒンジ
23 ロック部
24 取っ手
30 ガススプリング支持機構
31,32 第1ガススプリング
31a,32a チューブ
31b,32b ロッド
33 スプリング機構
33a チューブ
33b ロッド
34 リンク機構
34a リンクプレート
35 支持プレート
36 固定部
37 リンク機構
37a リンク部材
37b 固定部
40 ステー支持機構
42 ステー本体
42a 第1端
42b 第2端
42c 重心
43 ガイド板(誘導部)
44 ガイドレール(誘導溝)
44a 第1誘導溝
44b 第2誘導溝
44ba 保持部
44bb 係止部
44c 第3誘導溝
44ca 保持部
44cb 仮保持部
特開2009−113658号公報(平成21年5月28日公開)

Claims (5)

  1. 建設機械の車体部に対して回動開閉可能な状態で取り付けられたエンジンフードと、
    前記エンジンフードの下方において、前記エンジンフードを第1の開度、前記第1の開度よりも大きい第2の開度の2段階で支持する支持部材と、
    前記エンジンフードの裏面に設けられており、前記支持部材の回動に伴って前記支持部材の一部係合させた状態で誘導する誘導溝が形成された誘導部と、
    を備えており、
    前記誘導部は、前記誘導溝の一部として、
    前記エンジンフードを閉めた状態において略水平方向に延び、前記エンジンフードの閉状態から第1の開度まで開く際に前記支持部材の一部係合させた状態で誘導する第1誘導溝と、
    前記エンジンフードを閉めた状態において前記第1誘導溝から下向きに分岐し、前記第1の開度まで前記エンジンフードを開けた際に、前記支持部材の自重によって前記支持部材の一部が前記第1誘導溝から移動して係合し、前記第1の開度付近において前記支持部材の一部を係止する第2誘導溝と、
    前記第1の開度から前記第2の開度まで前記エンジンフードが開く際に、前記支持部材の一部が係合した状態で移動して前記第2の開度において前記支持部材の一部を係止する第3誘導溝と、
    を有している、
    建設機械のエンジンフードの開閉構造。
  2. 前記支持部材は、略L字型の形状を有し、屈曲した部分が下向きとなる状態で前記エンジンフードを支持する、
    請求項1に記載の建設機械のエンジンフードの開閉構造。
  3. 前記第2誘導溝は、前記第1の開度において前記支持部材が前記エンジンフードを支持する際に、前記エンジンフードの回動する軌道に沿って形成された係止部を有している、
    請求項1または2に記載の建設機械のエンジンフードの開閉構造。
  4. 前記第3誘導溝は、前記エンジンフードが第2開度に達した際に誘導されてきた前記支持部材の一部が係合する保持部と、前記第2開度まで開けられた前記エンジンフードを閉じる際に前記支持部材の一部を前記保持部から外す方向に形成された仮保持部と、を有している、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の建設機械のエンジンフードの開閉構造。
  5. 前記第1の開度は約60度であって、前記第2の開度は約90度である、
    請求項1からのいずれか1項に記載のエンジンフードの開閉構造。
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