JP4695506B2 - 外装カバーの取付構造およびこれを備えたホイルローダ - Google Patents
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Description
ところが、外装カバーによって覆われた動力室内の動力源は、定期的な整備点検が必要であり、ときには、緊急を要するメンテナンス等が必要な場合もある。このとき、例えば、ボルトやナット等の締結部材によってフレームに固定された外装カバーをその都度取り外して作業を行うことは非常に非効率であり、オペレータに負担がかかってしまう。
すなわち、特許文献1に示す外装カバーが閉じられた状態のとき、その外装カバーに近接して開閉軌跡に干渉する物体が存在すると、ヒンジを介した外装カバーの開閉ができない。このとき、例えば、動力室内に格納された動力源等の機器類をメンテナンスする必要性が発生した場合、これに対応することができないおそれがある。
本発明の外装カバーの取付構造においては、フレームまたは固定カバーと回動部材とを固定する締結部材が、開閉カバーまたは固定カバーによって覆われている動力室の外側、すなわち、外装カバーの外面側から締緩可能に取り付けられている。
この結果、オペレータは、開閉カバーが通常の開閉を行えない状況においても動力室内を開放することができる。
ここでは、開閉カバーに取り付けられている回動部材がフレームに取り付けられる場合、固定カバーには、外装カバー外面側から締結部材にアクセスするための作業孔を有している。
これにより、固定カバーに形成された作業孔を通して外装カバーの外面側から締結部材にアクセスすることが可能となり、締結部材を容易に締緩することができる。
ここでは、キャップ部材が、固定カバーまたは開閉カバーに形成された作業孔を塞いでいる。
これにより、作業孔を塞ぐキャップ部材が雨水や泥や埃等の侵入を防止し、外的環境から締結部材を保護することが可能となる。
ここでは、アシスト機構の一端が回動部材、他端が開閉カバーに取り付けられている。
これにより、開閉カバーを開閉する操作力を緩和するためのアシスト機構を設けた場合であっても、締結部材を緩めて回動部材をフレームまたは固定カバーから取り外すことによって、開閉カバーと一体となったアシスト機構をフレームまたは固定カバーから取り外すことが可能となる。
これにより、オシレート機構によって開閉カバーが回動部材の軸周りに開閉できない状況において動力室内に格納された機器類のメンテナンス等が必要となった場合でも、締結部材を緩めて開閉カバーをフレームまたは固定カバーから取り外すことが可能となる。
第2の発明に係る外装カバーの取付構造によれば、固定カバーに形成された作業孔を通して外装カバーの外面側から締結部材にアクセスすることが可能となり、締結部材を容易に締緩することができる。
第4の発明に係る外装カバーの取付構造によれば、開閉カバーを開閉する操作力を緩和するためのアシスト機構を設けた場合であっても、締結部材を緩めて回動部材をフレームまたは固定カバーから取り外すことによって、開閉カバーと一体となったアシスト機構をフレームまたは固定カバーから取り外すことが可能となる。
なお、本実施形態のホイルローダ10の説明にあたっては、キャブ20の配置位置を基準として、バケット13が配置された方向を「前」、動力室30の配置された方向を「後」として説明する。
本実施形態に係る建設機械の外装カバーの取付構造は、図1に示すように、ホイルローダ10に搭載された動力室30の開閉カバー(外装カバー)32に対して適用されている。
ホイルローダ10は、車体11と、車体の前部に装着されたリフトアーム12と、このリフトアーム12の先端に取り付けられたバケット13と、車体11を支持しながら回転して車体を走行させる4本のタイヤ14と、車体11の上部に搭載されたキャブ20と、を備えている。
リフトアーム12は、先端に取り付けられたバケット13を持ち上げるためのアーム部材であって、併設されたリフトシリンダによって駆動される。
バケット13は、リフトアーム12の先端に取り付けられており、バケットシリンダによってダンプおよびチルトされる。
[動力室30]
動力室30は、図2〜図5に示すように、ホイルローダ10のパワーラインの一部を形成する動力源等を格納する空間であり、フレーム31と、開閉カバー32と、固定カバー(外装カバー)33と、グリルカバー(外装カバー)34と、作業孔35と、キャップ(キャップ部材)36と、を有している。
開閉カバー32は、フレーム31によって形成された空間の左右の側面を覆うカバーであり、フレーム31に対してヒンジ(回動部材)51を介して取り付けられている。そして、動力室30内に格納された動力源等の整備点検等を行うために、水平方向に沿って配置されたヒンジ51に含まれる回転軸51a(図6参照)を軸として上下方向への開閉が可能な態様、いわゆるガルウィングの態様で開閉カバー32を開閉することができる。なお、フレーム31に対してヒンジ51を介した開閉カバー32の取付構造については後段にて詳述する。
グリルカバー34は、動力室30における後方の側面を覆うカバーであり、ヒンジ(図示せず)を介して取り付けられている。また、グリルカバー34は、開閉カバー32と同様に、水平方向に配置された軸周りに回動し上下方向に開閉が可能である。そして、グリルカバー34は、冷却ファン類(図示せず)等に接して設置されており、冷却風の提供を可能とするグリル形状を有している。
[開閉カバー32の取付構造]
開閉カバー32の取付構造は、図6、図7に示すように、開閉カバー32が、水平方向に沿って配置されたヒンジ51に含まれる回転軸51aを回動中心として上下方向に開閉可能に取り付けられている。そして、フレーム31と開閉カバー32とがヒンジ51を介して互いに取り付けられている。
回転軸51aは、水平方向に沿って配置されている。
フレーム固定板51bは、ボルト(締結部材)53およびナット52によってフレーム31に固定されている。具体的には、フレーム31の上面に配置されたボルト53と、フレーム固定板51bの下面に配置されたナット52とによって、フレーム31とフレーム固定板51bとを上下から挟んで締結している。このとき、フレーム固定板51bとナット52とは、溶接等によって固定されている。このため、オペレータは、工具等を用いてボルト53を回転させることで、フレーム31とフレーム固定板51bとの取付を着脱することができる。
以上に示したように、フレーム31と開閉カバー32とはヒンジ51を介して互いに連結されているので、開閉カバー32は、水平方向に沿って配置された回転軸51aの軸周りに回動することができる。
上端ブラケット61は、ヒンジ51の下方に垂下するように配置され、溶接等によってヒンジ51に固定されている。
下端ブラケット64は、開閉カバー32の内面側に取り付けられており、ガススプリング62の下端部と固定されている。
以上のような開閉カバー32の取付構造を備えたホイルローダ10は、全幅方向に勾配のある路面に位置する場合、タイヤ14を連結する車軸は路面の勾配に平行な状態となるがオペレータ用の運転室であるキャブ20をはじめ車体11を水平に維持するための機構、いわゆるオシレート機構70を有している。本実施形態におけるホイルローダ10は、図8に示すように、全幅方向に対する勾配θが9度となった状態のオシレート機構70を示している。そして、オシレート機構70を有するホイルローダ10は、全幅方向に勾配のある路面に位置する場合に、図8に示すような水平方向に維持された車体11に対してタイヤ14が傾いた状態であるオシレート状態を形成する。
[ホイルローダ10の特徴]
(1)
本実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、図6に示すように、フレーム31とフレーム固定板51bとを固定するボルト53が、動力室30の外側、すなわち、固定カバー33の外面側から締緩することが可能である。
(2)
本実施形態のホイルローダ10では、ボルト53に対してアクセスするための作業孔35が固定カバー33に形成されている。
(3)
本実施形態のホイルローダ10では、キャップ36が、固定カバー33に形成された作業孔35を塞いでいる。
(4)
本実施形態のホイルローダ10では、アシスト機構60の一方の端部がヒンジ51に含まれるフレーム固定板51bに固定されている。また、アシスト機構60の他方の端部が開閉カバー32に取り付けられている。
(5)
本実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、図6に示すように、フレーム31とフレーム固定板51bとを固定するボルト53を、動力室30の外側、すなわち、固定カバー33の外面側から締緩することが可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、図6に示すように、ヒンジ51に含まれるフレーム固定板51bが、フレーム31に取り付けられた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(B)
また、開閉カバー32と開閉カバー固定板51cとを固定するボルトを、開閉カバー32の外面側から締緩できるように構成してもよい。
(C)
上記実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、水平方向の回転軸を有するヒンジ51を介して開閉カバー32が開閉できる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(D)
上記実施形態のホイルローダ10では、ヒンジ51を介して開閉する外装カバーの対象が開閉カバー32である例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(E)
上記実施形態のホイルローダ10では、固定カバー33に形成されている作業孔35がキャップで覆われている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(F)
上記実施形態のホイルローダ10において開閉カバー32が通常の開閉を行えない状況として、オシレート状態を形成して停止した場合のタイヤ14が開閉カバー32の開閉軌跡に干渉する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(G)
上記実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、開閉操作時の操作力を緩和するための開閉アシスト機構60を備えている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(H)
上記実施形態のホイルローダ10におけるオシレート機構70は、全幅方向に対する勾配θが9度以上の場合に、タイヤ14が開閉カバー32の開閉軌跡に干渉する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
11 車体
12 リフトアーム
13 バケット
14 タイヤ
20 キャブ
22 吸気管
23 排気管
30 動力室
31 フレーム
32 開閉カバー(外装カバー)
33 固定カバー(外装カバー)
34 グリルカバー(外装カバー)
35 作業孔
36 キャップ(キャップ部材)
38a 穴部
38b 穴部
51 ヒンジ(回動部材)
51a 回転軸
51b フレーム固定板
51c 開閉カバー固定板
52 ナット
53 ボルト(締結部材)
54 ボルト
55 ナット
60 開閉アシスト機構
61 上端ブラケット
62 ガススプリング
63 ピン
64 下端ブラケット
70 オシレート機構
131 フレーム
151 ヒンジ
152 ナット
153 ボルト
θ 勾配
Claims (4)
- 建設機械における動力源が格納された動力室を覆うための外装カバーの取付構造であって、
前記動力源の周囲に配置されるフレームと、
前記フレームに取り付けられ、前記外装カバーの一部を構成する固定カバーと、
前記固定カバーとともに前記外装カバーの一部を構成する開閉カバーと、
前記開閉カバーに取付けられ、所定方向の軸周りに回動する回動部材と、
前記回動部材を前記フレームまたは前記固定カバーに前記外装カバーの外面側から締緩可能に取り付ける締結部材と、
前記開閉カバーを開閉する操作力を緩和するためのアシスト機構と、
を備え、
前記アシスト機構は、一端が前記回動部材、他端が前記開閉カバーに取り付けられている、
外装カバーの取付構造。 - 前記回動部材は、前記フレームに取り付けられており、
前記固定カバーには、前記外装カバーの外面側から前記締結部材にアクセスするための作業孔が形成されている、
請求項1に記載の外装カバーの取付構造。 - 前記作業孔を塞ぐためのキャップ部材をさらに備えている、
請求項2に記載の外装カバーの取付構造。 - 車体のオシレート機構と、
請求項1から3のいずれか1項に記載の外装カバーの取付構造と、
を備えており、
オシレート時に、前記動力源が格納された前記動力室を覆うための前記外装カバーにおける前記開閉カバーの開閉軌跡に、前記車体の一部が干渉するよう構成される、
ホイルローダ。
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