JP4695506B2 - 外装カバーの取付構造およびこれを備えたホイルローダ - Google Patents

外装カバーの取付構造およびこれを備えたホイルローダ Download PDF

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Description

本発明は、建設機械の動力源等を格納する動力室等を覆う開閉することが可能な外装カバーの取付構造およびこれを備えたホイルローダに関する。
建設機械(例えば、図1に示すホイルローダ)においては、一般的に、動力源を含む動力室から発生する騒音を遮断するために、これらを格納する動力室を形成し、これを外装カバーによって覆っている。
ところが、外装カバーによって覆われた動力室内の動力源は、定期的な整備点検が必要であり、ときには、緊急を要するメンテナンス等が必要な場合もある。このとき、例えば、ボルトやナット等の締結部材によってフレームに固定された外装カバーをその都度取り外して作業を行うことは非常に非効率であり、オペレータに負担がかかってしまう。
そこで、動力室内に格納された機器類のメンテナンス等が必要になった場合でも、容易に外装カバーを開閉することが可能な外装カバーの取付構造が提案されている。特許文献1では、水平方向に沿って配置された軸周りに回動可能なヒンジを介した外装カバーの取付構造が開示されている。
特開2004−176428公報(平成16年6月24日公開)
しかしながら、上記従来の外装カバーの取付構造では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、特許文献1に示す外装カバーが閉じられた状態のとき、その外装カバーに近接して開閉軌跡に干渉する物体が存在すると、ヒンジを介した外装カバーの開閉ができない。このとき、例えば、動力室内に格納された動力源等の機器類をメンテナンスする必要性が発生した場合、これに対応することができないおそれがある。
これに対応する手段としては、外装カバーを取り外して動力室内を開放することが考えられるが、特許文献1に示す開閉カバー取付構造は、図9に示すように、フレーム151と外装カバー(図示せず)を介するヒンジ151は、動力室の内部側でボルト153によってフレーム131の下面側に締結されている。このため、外装カバーを開けない限りボルト153の締緩作業をすることができず、フレーム131とヒンジ151とを固定するボルト153を緩め、フレーム131から開閉カバーを取り外すことはできなかった。
本発明の課題は、外装カバーが通常の開閉を行えない状況においても、動力室内を開放することができる外装カバーの取付構造およびこれを備えたホイルローダを提供することにある。
第1の発明に係る外装カバーの取付構造は、建設機械における動力源が格納された動力室を覆うための外装カバーの取付構造であって、フレームと、固定カバーと、開閉カバーと、回動部材と、締結部材と、を備えている。フレームは、動力源の周囲に配置される。固定カバーは、フレームに取り付けられ、外装カバーの一部を構成する。開閉カバーは、固定カバーとともに外装カバーの一部を構成する。回動部材は、開閉カバーに取付けられ、所定方向の軸周りに回動する。締結部材は、回動部材をフレームまたは固定カバーに外装カバーの外面側から締緩可能に取り付ける。
ここでは、開閉カバーに取り付けられている回動部材とフレームまたは固定カバーとを取り付ける締結部材が、外装カバーの外面側から締緩可能に取り付けられている。
本発明の外装カバーの取付構造においては、フレームまたは固定カバーと回動部材とを固定する締結部材が、開閉カバーまたは固定カバーによって覆われている動力室の外側、すなわち、外装カバーの外面側から締緩可能に取り付けられている。
これにより、通常の開閉、例えば、開閉カバーが回動部材の軸周りに開閉できない状況において動力室内に格納された機器類のメンテナンス等が必要となった場合でも、外装カバーの外面側から締結部材を緩めて開閉カバーをフレームまたは固定カバーから取り外すことが可能となる。
この結果、オペレータは、開閉カバーが通常の開閉を行えない状況においても動力室内を開放することができる。
第2の発明に係る外装カバーの取付構造は、第1の発明に係る外装カバーの取付構造であって、回動部材はフレームに取り付けられており、固定カバーには、外装カバーの外面側から締結部材にアクセスするための作業孔を有している。
ここでは、開閉カバーに取り付けられている回動部材がフレームに取り付けられる場合、固定カバーには、外装カバー外面側から締結部材にアクセスするための作業孔を有している。
これにより、固定カバーに形成された作業孔を通して外装カバーの外面側から締結部材にアクセスすることが可能となり、締結部材を容易に締緩することができる。
第3の発明に係る外装カバーの取付構造は、第2の発明に係る外装カバーの取付構造であって、作業孔を塞ぐためのキャップ部材をさらに備えている。
ここでは、キャップ部材が、固定カバーまたは開閉カバーに形成された作業孔を塞いでいる。
ここで、建設機械は、泥や埃が多い屋外において使用されるのが一般的である。このような環境において建設機械が使用されると、雨水が締結部材に錆を発生させたり、泥や埃が締結部材を目詰まりさせたりする。このことは、締緩部材を締緩するにあたって支障をきたすおそれがある。
これにより、作業孔を塞ぐキャップ部材が雨水や泥や埃等の侵入を防止し、外的環境から締結部材を保護することが可能となる。
第4の発明に係る外装カバーの取付構造は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る外装カバーの取付構造であって、開閉カバーを開閉する操作力を緩和するためのアシスト機構をさらに備えている。そして、アシスト機構は、一端が回動部材、他端が開閉カバーに取り付けられている。
ここでは、アシスト機構の一端が回動部材、他端が開閉カバーに取り付けられている。
これにより、開閉カバーを開閉する操作力を緩和するためのアシスト機構を設けた場合であっても、締結部材を緩めて回動部材をフレームまたは固定カバーから取り外すことによって、開閉カバーと一体となったアシスト機構をフレームまたは固定カバーから取り外すことが可能となる。
第5の発明に係るホイルローダは、車体のオシレート機構と、第1から第4の発明のいずれか1つに係る外装カバーの取付構造と、を備えており、オシレート時に、動力源が格納された動力室を覆うための外装カバーにおける開閉カバーの開閉軌跡に、車体の一部が干渉するよう構成される。
ここで、オシレート時に、動力源が格納された動力室を覆うための外装カバーにおける開閉カバーの開閉軌跡に、車体の一部が干渉するよう構成されるホイルローダにおいて、例えば、開閉カバーを閉じられた状態でオシレート状態を形成した場合、オシレート機構によってタイヤの一方が開閉カバーに近接して位置するようになる。このとき、このタイヤが開閉カバーの開閉軌跡に干渉して開閉カバーの開閉を不可能にする場合がある。
なお、ここで言う車体のオシレート機構とは、ホイルローダが全幅方向に勾配のある路面に位置する場合において車体を水平に保つための機構である。すなわち、タイヤを連結する車軸は路面の勾配に平行な状態となるが、オペレータ用の運転室であるキャブ等の車体を水平に維持するための機構を言う。そして、水平方向に維持された車体に対してタイヤが傾いた状態、いわゆるオシレート状態を形成したとき、例えば、後方の片方のタイヤは、動力室とタイヤとの距離が、オシレート状態を形成しない通常の場合に比べて近くなる。このため、このタイヤが開閉カバーの開閉軌跡に干渉し、開閉カバーを回動部材の軸周りに開閉することが不可能となるおそれがある。このとき、動力室を開放するための対応策として、回動部材の締結部材を取り外してフレームから開閉カバーを取り外すことが考えられる。しかし、締緩部材が動力室の内部に配置されていることから、開閉カバーが開かない状況において締緩部材を緩めることはできない。このため、緊急に動力室内の機器類をメンテナンス等する必要性が発生した場合、ホイルローダのオシレートの状態によっては対応することができないおそれがあった。
そこで、本発明のオシレート機構を有するホイルローダにおいては、フレームまたは固定カバーと回動部材とを固定する締結部材が、開閉カバーまたは固定カバーによって覆われている動力室の外側、すなわち、外装カバーの外面側から締緩可能に取り付けられている。
これにより、オシレート機構によって開閉カバーが回動部材の軸周りに開閉できない状況において動力室内に格納された機器類のメンテナンス等が必要となった場合でも、締結部材を緩めて開閉カバーをフレームまたは固定カバーから取り外すことが可能となる。
この結果、オペレータは、開閉カバーが通常の開閉を行えない状況においても動力室内を開放することができる。
第1の発明に係る外装カバーの取付構造によれば、オペレータは、開閉カバーが通常の開閉を行えない状況においても動力室内を開放することができる。
第2の発明に係る外装カバーの取付構造によれば、固定カバーに形成された作業孔を通して外装カバーの外面側から締結部材にアクセスすることが可能となり、締結部材を容易に締緩することができる。
第3の発明に係る外装カバーの取付構造によれば、作業孔を塞ぐキャップ部材が雨水や泥や埃等の侵入を防止し、外的環境から締結部材を保護することが可能となる。
第4の発明に係る外装カバーの取付構造によれば、開閉カバーを開閉する操作力を緩和するためのアシスト機構を設けた場合であっても、締結部材を緩めて回動部材をフレームまたは固定カバーから取り外すことによって、開閉カバーと一体となったアシスト機構をフレームまたは固定カバーから取り外すことが可能となる。
第5の発明に係るホイルローダによれば、オペレータは、開閉カバーが通常の開閉を行えない状況においても動力室内を開放することができる。
本発明の一実施形態に係る外装カバーの取付構造について、図1〜図8を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態のホイルローダ10の説明にあたっては、キャブ20の配置位置を基準として、バケット13が配置された方向を「前」、動力室30の配置された方向を「後」として説明する。
[ホイルローダ(建設機械)10全体の構成]
本実施形態に係る建設機械の外装カバーの取付構造は、図1に示すように、ホイルローダ10に搭載された動力室30の開閉カバー(外装カバー)32に対して適用されている。
ホイルローダ10は、車体11と、車体の前部に装着されたリフトアーム12と、このリフトアーム12の先端に取り付けられたバケット13と、車体11を支持しながら回転して車体を走行させる4本のタイヤ14と、車体11の上部に搭載されたキャブ20と、を備えている。
車体11は、図示しない動力源等の機器類を格納する動力室30と、リフトアーム12およびバケット13を駆動するための駆動部と、を有している。
リフトアーム12は、先端に取り付けられたバケット13を持ち上げるためのアーム部材であって、併設されたリフトシリンダによって駆動される。
バケット13は、リフトアーム12の先端に取り付けられており、バケットシリンダによってダンプおよびチルトされる。
キャブ20は、複数の鋼管と鋼板とを組み合わせて構成されるオペレータ用の運転室を形成しており、車体11の中央部分よりもやや前方に配置されている。
[動力室30]
動力室30は、図2〜図5に示すように、ホイルローダ10のパワーラインの一部を形成する動力源等を格納する空間であり、フレーム31と、開閉カバー32と、固定カバー(外装カバー)33と、グリルカバー(外装カバー)34と、作業孔35と、キャップ(キャップ部材)36と、を有している。
フレーム31は、動力源等を格納するための空間を形成しており、全長方向に沿って水平向きに配置されている。また、フレーム31は、開閉カバー32や固定カバー33の強度を補強するための補強材としても用いられる。
開閉カバー32は、フレーム31によって形成された空間の左右の側面を覆うカバーであり、フレーム31に対してヒンジ(回動部材)51を介して取り付けられている。そして、動力室30内に格納された動力源等の整備点検等を行うために、水平方向に沿って配置されたヒンジ51に含まれる回転軸51a(図6参照)を軸として上下方向への開閉が可能な態様、いわゆるガルウィングの態様で開閉カバー32を開閉することができる。なお、フレーム31に対してヒンジ51を介した開閉カバー32の取付構造については後段にて詳述する。
固定カバー33は、フレーム31によって形成された空間の上面を覆うカバーであり、フレーム31が取り付けられている。また、固定カバー33は、動力源から伸びる吸気管22および排気管23を突出させるための穴部38a・38bが設けられている。
グリルカバー34は、動力室30における後方の側面を覆うカバーであり、ヒンジ(図示せず)を介して取り付けられている。また、グリルカバー34は、開閉カバー32と同様に、水平方向に配置された軸周りに回動し上下方向に開閉が可能である。そして、グリルカバー34は、冷却ファン類(図示せず)等に接して設置されており、冷却風の提供を可能とするグリル形状を有している。
作業孔35は、固定カバー33の内面側に配置されたフレーム31とヒンジ51とを締結するボルト53の上部(ボルト53の頭部側)に配置されている。これにより、固定カバー33の外面側からボルト53の頭部にアクセスすることが可能となり、ボルト53の締緩を容易に行うことができる。そして、作業孔35は、ボルト等を締緩する工具等が入る程度の半径を有している。
キャップ36は、固定カバー33に形成された作業孔35を覆うように配置されており、雨水や泥や埃等の侵入を防止し、外的環境からボルト53を保護する。
[開閉カバー32の取付構造]
開閉カバー32の取付構造は、図6、図7に示すように、開閉カバー32が、水平方向に沿って配置されたヒンジ51に含まれる回転軸51aを回動中心として上下方向に開閉可能に取り付けられている。そして、フレーム31と開閉カバー32とがヒンジ51を介して互いに取り付けられている。
ヒンジ51は、図6に示すように、回転軸51a、フレーム固定板51bおよび開閉カバー固定板51cを含むように構成されている。ヒンジ51は、回転軸51aを回動中心として、フレーム固定板51bと開閉カバー固定板51cとが相対的に回動可能である。
回転軸51aは、水平方向に沿って配置されている。
フレーム固定板51bは、ボルト(締結部材)53およびナット52によってフレーム31に固定されている。具体的には、フレーム31の上面に配置されたボルト53と、フレーム固定板51bの下面に配置されたナット52とによって、フレーム31とフレーム固定板51bとを上下から挟んで締結している。このとき、フレーム固定板51bとナット52とは、溶接等によって固定されている。このため、オペレータは、工具等を用いてボルト53を回転させることで、フレーム31とフレーム固定板51bとの取付を着脱することができる。
開閉カバー固定板51cは、図7に示すように、ボルト54およびナット55によって開閉カバー32に固定されている。
以上に示したように、フレーム31と開閉カバー32とはヒンジ51を介して互いに連結されているので、開閉カバー32は、水平方向に沿って配置された回転軸51aの軸周りに回動することができる。
さらに、開閉カバー32の取付構造は、図3、図7に示すように、開閉操作時の操作力を緩和するための開閉アシスト機構60を備えている。そして、開閉アシスト機構60は、上端ブラケット61と、ガススプリング62と、下端ブラケット64と、を有している。
上端ブラケット61は、ヒンジ51の下方に垂下するように配置され、溶接等によってヒンジ51に固定されている。
ガススプリング62は、開閉カバー32の重量とガススプリング62内の圧縮ガスによる付勢力とのバランスによって開閉操作時の操作力を緩和するものであり、上端ブラケット61と下端ブラケット64との間に配置されている。そして、ガススプリング62の上端と上端ブラケット61とは、ピン63を介して回動可能に取り付けられている。
下端ブラケット64は、開閉カバー32の内面側に取り付けられており、ガススプリング62の下端部と固定されている。
本実施形態の開閉カバー32の取付構造では、上記に示した開閉カバー32の開閉アシスト機構60を設けることによって、オペレータは開閉カバー32の重量を感じることなく楽に開けることができる。すなわち、開閉カバー32を閉状態から開くと開閉カバー32が開くに伴ってガススプリング62が伸長する。そして、ガススプリング62内の圧縮ガスの付勢力によって、開閉カバー32は上方に押し上げられ、開操作力がアシストされる。
<開閉カバー32の取り外し手順>
以上のような開閉カバー32の取付構造を備えたホイルローダ10は、全幅方向に勾配のある路面に位置する場合、タイヤ14を連結する車軸は路面の勾配に平行な状態となるがオペレータ用の運転室であるキャブ20をはじめ車体11を水平に維持するための機構、いわゆるオシレート機構70を有している。本実施形態におけるホイルローダ10は、図8に示すように、全幅方向に対する勾配θが9度となった状態のオシレート機構70を示している。そして、オシレート機構70を有するホイルローダ10は、全幅方向に勾配のある路面に位置する場合に、図8に示すような水平方向に維持された車体11に対してタイヤ14が傾いた状態であるオシレート状態を形成する。
ホイルローダ10が図8に示すオシレート状態を形成して停止した場合、片方のタイヤ14が開閉カバー32の開閉軌跡に干渉する。このとき、閉状態にある開閉カバー32は、近接するタイヤ14に接触するまでしか開けることができない。ところが、例えば、全幅方向に対する勾配θが9度以上の場合、タイヤ14が極端に開閉カバー32に近接する場合においては、開閉カバー32をほとんど開くことができない状態となる。このため、例えば、緊急に動力室30内の機器類のメンテナンスをする必要が生じた場合、以下の手順によって動力室30を開放する。
まず、オペレータは、図5に示す固定カバー33の上面に設置された作業孔35を覆っているキャップ36を外し、作業孔35を通してヒンジ51を形成するフレーム固定板51bとフレーム31とを締結するボルト53の頭部が確認できる状態にする。次に、オペレータは、工具を用いて前述のボルト53を緩めて、フレーム31からフレーム固定板51bを取り外す。このとき、開閉カバー32は、ヒンジ51と一体となってフレーム31から取り外された状態となっているので、開閉カバー32を任意に移動させることによって、動力室30内を開放することができる。
上記のように、動力室30の外部からボルト53を締緩することを可能にすることによって、ホイルローダ10がオシレート状態を形成して停止した場合においても、例えば、動力室30内の機器類のメンテナンスを行うために、動力室30内を開放することが可能となる。
[ホイルローダ10の特徴]
(1)
本実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、図6に示すように、フレーム31とフレーム固定板51bとを固定するボルト53が、動力室30の外側、すなわち、固定カバー33の外面側から締緩することが可能である。
これにより、開閉カバー32が、水平方向に沿って配置された回転軸51aの軸周りに開閉できない状況においても、オペレータは、動力室30の外側からボルト53の頭部にアクセスし、ボルト53を緩めて開閉カバー32をフレーム31から取り外し、動力室30を開放することができる。
(2)
本実施形態のホイルローダ10では、ボルト53に対してアクセスするための作業孔35が固定カバー33に形成されている。
これにより、オペレータは、ボルト53に外部からアクセスすることができ、ボルト53に対して容易に締緩することが可能となる。
(3)
本実施形態のホイルローダ10では、キャップ36が、固定カバー33に形成された作業孔35を塞いでいる。
これにより、作業孔35を塞ぐキャップ36が雨水や泥や埃等の侵入を防止し、外的環境からフレーム31とフレーム固定板51bとを締結するボルト53およびナット52を保護することが可能となる。
(4)
本実施形態のホイルローダ10では、アシスト機構60の一方の端部がヒンジ51に含まれるフレーム固定板51bに固定されている。また、アシスト機構60の他方の端部が開閉カバー32に取り付けられている。
これにより、ボルト53を緩めてヒンジ51をフレーム31から取り外すことによって、開閉カバー32と一体となったアシスト機構60もヒンジ51と共にフレーム31から取り外される。
(5)
本実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、図6に示すように、フレーム31とフレーム固定板51bとを固定するボルト53を、動力室30の外側、すなわち、固定カバー33の外面側から締緩することが可能である。
これにより、ホイルローダ10がオシレート状態を形成して停止し、開閉カバー32が水平方向に沿って配置された回転軸51aの軸周りに開閉できない状況においても、オペレータは、ボルト53を緩めて開閉カバー32をフレーム31から取り外し、動力室30を開放することができる。そして、例えば、上述のオシレート状態での停止時に、動力室30内に格納された機器類のメンテナンス等が必要となった場合でも、開閉カバー32をフレーム31から取り外すことによって対応することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、図6に示すように、ヒンジ51に含まれるフレーム固定板51bが、フレーム31に取り付けられた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、開閉カバーの取付構造は、ヒンジ51に含まれるフレーム固定板51bが、固定カバー33に取り付けられていても、上記の実施形態に係るホイルローダ10と同様の効果を得ることができる。
(B)
また、開閉カバー32と開閉カバー固定板51cとを固定するボルトを、開閉カバー32の外面側から締緩できるように構成してもよい。
この場合も、開閉カバー32に取り付けられているヒンジ51と開閉カバー32を分離することができるので、上記の実施形態に係るホイルローダ10と同様の効果を得ることができる。
(C)
上記実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、水平方向の回転軸を有するヒンジ51を介して開閉カバー32が開閉できる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、鉛直方向の回転軸を有するヒンジを介して横方向に開閉可能な開閉カバーを有するホイルローダにおいても、ヒンジをボルトにより外装カバーの外面側から締緩可能に取り付けることにより、上記の実施形態に係るホイルローダ10と同様の効果を得ることができる。
(D)
上記実施形態のホイルローダ10では、ヒンジ51を介して開閉する外装カバーの対象が開閉カバー32である例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、所定方向に配置された軸周りに回動可能なヒンジを介して開閉する外装カバーの対象が、例えば、固定カバー33や、グリルカバー34であってもよい。この場合も、固定カバー33やグリルカバー34が通常の開閉ができない場合において、上記の実施形態に係るホイルローダ10と同様の効果を得ることができる。
(E)
上記実施形態のホイルローダ10では、固定カバー33に形成されている作業孔35がキャップで覆われている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、固定カバー33に形成されている作業孔35をシール材で覆う等、作業孔35を覆う何らかの処置を行えば、上記の実施形態に係るホイルローダ10と同様の効果を得ることができる。
(F)
上記実施形態のホイルローダ10において開閉カバー32が通常の開閉を行えない状況として、オシレート状態を形成して停止した場合のタイヤ14が開閉カバー32の開閉軌跡に干渉する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ホイルローダ10がある構造物に対して近接して停止し、例えば、コンクリート構造物等が、開閉カバー32の開閉軌跡に干渉する場合においても、上記の実施形態に係るホイルローダ10と同様の効果を得ることができる。
(G)
上記実施形態のホイルローダ10における開閉カバー32の取付構造は、開閉操作時の操作力を緩和するための開閉アシスト機構60を備えている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
上記の実施形態に係るホイルローダ10と同様の効果を得るにあたっては、開閉アシスト機構60の配置の有無を問うものではない。
(H)
上記実施形態のホイルローダ10におけるオシレート機構70は、全幅方向に対する勾配θが9度以上の場合に、タイヤ14が開閉カバー32の開閉軌跡に干渉する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、全幅方向に対する勾配θが10度や12度等、9度より大きな勾配θにおいて、オシレート機構70が形成するタイヤ14の位置が、ヒンジを利用して開閉する開閉カバーの開閉軌跡に干渉するホイルローダ10であっても、同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、所定方向に沿って配置されている軸周りに開閉可能なカバーや扉が、通常の開閉を行えない場合の対応を可能にするため、例えば、ホイルローダやトラクタ等の、動力源等を格納する動力室を有する各種車両の外装カバーの取付構造への適用が特に有用である。
本発明の一実施形態に係る動力室を有するホイルローダを示す外観図。 図1のホイルローダが有する動力室の内面斜視図。 図2の動力室に取り付けられた開閉カバーの取付構造を示した斜視図。 図1のホイルローダが有する動力室の上面斜視図。 図1のホイルローダが有する動力室の上面斜視図。 本発明の一実施形態に係る開閉カバーの取付構造を示した断面図。 図2の動力室に取り付けられた開閉カバーの取付構造を示した斜視図。 図1のホイルローダに搭載されたオシレート機構を示した正面説明図。 従来の開閉カバーの取付構造を示した断面図。
符号の説明
10 ホイルローダ(建設機械)
11 車体
12 リフトアーム
13 バケット
14 タイヤ
20 キャブ
22 吸気管
23 排気管
30 動力室
31 フレーム
32 開閉カバー(外装カバー)
33 固定カバー(外装カバー)
34 グリルカバー(外装カバー)
35 作業孔
36 キャップ(キャップ部材)
38a 穴部
38b 穴部
51 ヒンジ(回動部材)
51a 回転軸
51b フレーム固定板
51c 開閉カバー固定板
52 ナット
53 ボルト(締結部材)
54 ボルト
55 ナット
60 開閉アシスト機構
61 上端ブラケット
62 ガススプリング
63 ピン
64 下端ブラケット
70 オシレート機構
131 フレーム
151 ヒンジ
152 ナット
153 ボルト
θ 勾配

Claims (4)

  1. 建設機械における動力源が格納された動力室を覆うための外装カバーの取付構造であって、
    前記動力源の周囲に配置されるフレームと、
    前記フレームに取り付けられ、前記外装カバーの一部を構成する固定カバーと、
    前記固定カバーとともに前記外装カバーの一部を構成する開閉カバーと、
    前記開閉カバーに取付けられ、所定方向の軸周りに回動する回動部材と、
    前記回動部材を前記フレームまたは前記固定カバーに前記外装カバーの外面側から締緩可能に取り付ける締結部材と、
    前記開閉カバーを開閉する操作力を緩和するためのアシスト機構と、
    を備え、
    前記アシスト機構は、一端が前記回動部材、他端が前記開閉カバーに取り付けられている、
    外装カバーの取付構造。
  2. 前記回動部材は、前記フレームに取り付けられており、
    前記固定カバーには、前記外装カバーの外面側から前記締結部材にアクセスするための作業孔が形成されている、
    請求項1に記載の外装カバーの取付構造。
  3. 前記作業孔を塞ぐためのキャップ部材をさらに備えている、
    請求項2に記載の外装カバーの取付構造。
  4. 車体のオシレート機構と、
    請求項1からのいずれか1項に記載の外装カバーの取付構造と、
    を備えており、
    オシレート時に、前記動力源が格納された前記動力室を覆うための前記外装カバーにおける前記開閉カバーの開閉軌跡に、前記車体の一部が干渉するよう構成される、
    ホイルローダ。
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