JP5363778B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに係り、特に後面衝突時の頸部へ加わる衝撃の低減を図った車両用シートに関する。
従来、自動車が後部に追突されたり、後退走行時に衝突したりするなど、いわゆる後面衝突の際には、着座している乗員の頭部が慣性移動によって急激に後傾し、頸部が衝撃を受ける虞がある。
そのため、自動車などの車両用シートには、後面衝突時による衝撃から乗員の頭部や頸部を保護し頸部への衝撃を軽減するために、シートバック上方に乗員の頭部を後方から受けるヘッドレストを設けている。ヘッドレストによって後面衝突時に頸部へ加わる衝撃を大幅に軽減することができるが、頸部への衝撃をさらに軽減することが望まれている。
このような問題を解消するために、後面衝突時に乗員を後方へ移動させ、この移動荷重によってヘッドレストを前方に可動させて乗員の頭部を支持し、頸部への衝撃を軽減するように構成したシートバックが提案されている(例えば、特開2003−341402号公報参照)。
また、シートバックフレームの背もたれ面側にクッション材を配置したシートバックを備えた車両用シートにおいて、シートバックの後突時に乗員の胸部が当接する部位を、他の部位よりもばね係数を小さくし、且つ減衰係数を大きくした技術が知られている(例えば、特開2005−028956号公報参照)。
特開2003−341402号公報 特開2005−028956号公報
前記特開2003−341402号公報に開示された技術は、後面衝突時の乗員の胸部の後方への移動を受圧部材で受け、この受圧部材の後方への移動に連動してヘッドレストを前方に移動させるものである。別途ヘッドレストの移動機構を設ける必要があるためコスト高になるとともにシートバックの薄型化が困難であるという不都合がある。
前記特開2005−028956号公報に開示された技術は、シートバックの胸部が当接する部位を、他の部位よりも弾性率が小さく且つ低反発性のクッション材を用いることにより胸部の跳ね返りを抑制して頭部と胸部の相対速度を低減し、頸部に作用する衝撃の低減を図っている。しかし、シートクッションを反発性の異なる複数種類のクッション材を組み合わせて構成するためコスト高になるという不都合があった。また、胸部の跳ね返りを十分に抑制するには、ある程度の厚さを有する低反発クッション材を用いる必要があるため、シートバックの薄型化が困難であるという不都合があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、後面衝突時に乗員の頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減する車両用シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、低コスト化且つ薄型化に適した構造を有しながらも後面衝突時における頸部への衝撃を効果的に軽減できる車両用シートを提供することである。
前記課題は、本発明に係る車両用シートによれば、少なくともシートバックフレームの背もたれ面側にクッション材が配設されたシートバックと、前記シートバックに取り付けられたヘッドレストと、を備えた車両用シートであって、前記シートバックフレームは、少なくとも左右方向に離間して配設された上下方向に延在する一対のサイドフレーム部を備え、前記クッション材は、前記サイドフレーム部の背もたれ面側を切除したコア抜き部と、着座した乗員を受ける側の面に形成された溝部とを有し、前記コア抜き部は、前記車両用シートに着座した乗員の胸部若しくは肩部の背もたれ面側に形成され、前記溝部と前記コア抜き部とは、前記シートバックの前後方向において重なる位置に配置されることにより解決される。
上記構成により、コア抜き部を形成することによって、沈み込みの際にサイドフレーム部と接触して変形する領域に位置するクッション材の厚さを薄く形成してクッション材の変形を容易にし、クッション材の変形抵抗を効果的に減らすことができる。このため、シートバックの背もたれ面に乗員をよりスムーズに沈み込ませることができる車両用シートを提供することができる。また、コア抜き部を背もたれ面の左右側に形成することで、乗員が凭れかかる部分のクッション材の厚みを確保でき着座フィーリングを損なうことがなく、部品点数の増加を伴わないことから低コスト且つ一層の薄型化を図ることができる車両用シートを提供することができる。
また、前記クッション材を後方から支持する受圧部材を備え、前記コア抜き部は、前記シートバックの幅方向において前記受圧部材よりも外側に配置されると好適である。さらに、前記溝部のシートバック幅方向内側端は、前記コア抜き部の最前方部よりも前記シートバックの幅方向における外側に配置されるとよい。
このとき、一対の前記サイドフレーム部は、それぞれが対向する領域を変形させることにより厚さを減少させた偏平部を有し、前記コア抜き部と前記溝部と前記偏平部とは、前記シートバックの前後方向において重なる位置に配置されると好適である。また、前記コア抜き部は、前記シートバックの幅方向における前記サイドフレーム部の内側から外側まで連続形成されていると好適である。
本発明に係る車両用シートによれば、後面衝突時にシートバックの背もたれ面に乗員をよりスムーズに沈み込ませることができ、乗員の頭部をヘッドレストとの間の隙間を速やかに減少させることで頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減することができる車両用シートを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることはもちろんである。
(第1の実施形態)
図1乃至図4は本発明に係る第1の実施形態を示し、図1は車両用シートの概略斜視図、図2はシートフレームの概略斜視図、図3はシートバックのI−I断面図、図4はシートバックの断面構造と乗員の沈み込み位置の拡大説明図である。また、図5は他の例のシートバックのI−I断面図である。
本実施形態に係る車両用シートS1は、図1で示すように、シートバックS11と、シートクッションS12、ヘッドレストHRとを主要部材として構成されている。
車両用シートS1のシートフレームFは、図2で示すように、シートバックS11を構成するシートバックフレーム1と、シートクッションS12を構成する着座フレーム2と、ヘッドレストHRを構成するヘッドレストフレーム(不図示)と、を主要な構成要素として備えている。なお、以下の車両用シートS1の説明において、ヘッドレストHRが配置される側を上方側とし、シートクッションS12側を下方側とする。
着座フレーム2は、クッション材4などに覆われており乗員Cを下部から支持する構成となっている。着座フレーム2は脚部で支持されており、この脚部には図示しないインナレールが取り付けられ、車体フロアに設置されるアウタレール(不図示)との間で前後に位置調整可能なスライド式に組み立てられている。また、着座フレーム2の後端部には、リクライニング機構11を介してシートバックフレーム1が配設されている。
シートバックフレーム1は、クッション材4、表皮材5によって覆われ乗員Cの背中を後方から支持するものであり、本実施形態においては略矩形状の枠体となっている。より詳細には、シートバックフレーム1は、左右方向に離間して配設され上下方向に延在する2本のサイドフレーム12,12と、このサイドフレーム12,12の上端部側を連結する上部フレーム15と、下端部側を連結する下部フレーム17、及び受圧部材20を備えている。
また、シートバックフレーム1の上部には不図示のヘッドレストフレームが配設されている。ヘッドレストフレームの外周部にクッション材4を設け、このクッション材4の外周に表面部材を被覆してヘッドレストHRが構成されている。ヘッドレストHRは、ヘッドレストフレームのピラーを、上部フレーム15に設けられたピラー支持部18,18に取り付けて配設される。
サイドフレーム12,12は、シートバックフレーム1の左右の側面を構成する一対の延伸部材であり、左右方向に離間して配設され上下方向に所定の長さを有して構成されている。それぞれのサイドフレーム12,12は上下方向に延伸された平板状の側板の前端部及び後端部をシートバックS11の内側方向へ折り曲げることで必要な強度を得ている。
上部フレーム15は、パイプ状部材を略コ字状に屈曲形成された部材である。上部フレーム15の両側部に位置する側面部16,16は、サイドフレーム12,12と一部が重なるように配設されている。この重なり部分においてサイドフレーム12,12に固着接合される。上部フレーム15の側面部16,16には、左右の側面部16,16の向かい合う部分がほぼ平らに加工された偏平部16a,16aが形成されている。偏平部16a,16aについては後述する。また、本実施形態においては、上部フレーム15をパイプ状部材から構成しているが丸棒状の部材を用いてもよい。
なお、本実施形態においては、シートバックフレーム1の側面を構成するサイドフレーム12,12及び側面部16,16をサイドフレーム部9,9とする。
左右のサイドフレーム12,12の間には、クッション材4を後方から支える姿勢保持部材としての受圧部材20が配設されている。受圧部材20は、板状の樹脂を略矩形状に形成した可撓性の部材であり、クッション材4と接する側の表面には滑らかな凹凸が形成されている。
受圧部材20を支持しサイドフレーム12,12と連結する連結部材として、2本のワイヤ21,21が左右のサイドフレーム12,12間に架設されている。ワイヤ21,21は、受圧部材20の裏側の上部側と下部側に左右方向に係止され、受圧部材20をクッション材4の背面側に平行に支持している。ワイヤ21,21はスチール線材を屈曲して形成されており、受圧部材20に所定値以上の応力が負荷されると変形して衝撃を吸収できるように構成されている。
次に、図3及び図4に基づいて、本実施形態に係るシートバックS11の断面構造について説明する。なお、図3及び図4においては図面の煩雑化を防ぐため表皮材5は省略した。
図3に示すように、サイドフレーム12,12と重なって配設された上部フレーム15の側面部16,16は、それぞれ向かい合う位置にある部分を平らに加工して形成された偏平部16a,16aを有している。この偏平部16a,16aが形成された部分はパイプ状部材の断面の一部がほぼ平らに成形されるため、中空の略半円の断面形状となっている。偏平部16a,16aの形成によって、左右のサイドフレーム12,12の向かい合う方向に張り出す部分がなくなり、シートバックフレーム1外側の左右方向の寸法を変化させることなく、側面部16,16の間の距離を広げることができる。
なお、本実施形態においては、偏平部16a,16aを平面状に形成しているが、この部分を側面部16,16の内側に凹状に変形させることでも同様な効果が得られる。
後面衝突時など乗員CがシートバックS11側に沈み込む際に、沈み込む部分の両側に位置するクッション材4は圧縮若しくは引っ張り変形又は剪断変形するが、これらの変形に対する抵抗(変形抵抗)が乗員Cの沈み込みに対する抵抗となる。側面部16,16の間の距離を広げることで、沈み込みの際、沈み込む部分の両側に位置するクッション材4に作用する応力を緩和し変形抵抗を低減できる。
すなわち、乗員Cの左右方向の幅に対するシートバックS11の沈み込み可能な幅を広くし、サイドフレーム部9,9側の内側部分と乗員Cとのクリアランスtを大きくすることによって、乗員CがシートバックS11の背もたれ面に沈み込む際の抵抗を低減してよりスムーズに沈み込ませることができる。このとき、乗員Cの背部はシートバックS11に沈み込むことで後方に移動するがヘッドレストHRの位置は相対的に変わらないため、ヘッドレストHRと頭部の隙間が縮まり頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減できる。
ここで、背もたれ面とは、乗員Cが着座したときにもたれかかるシートバックS11の表面をいうものとする。このため、乗員C側からの背もたれ面側とはシートバックS11の裏面側(後方側)をいい、他方、シートバックフレーム1からの背もたれ面側とはシートバックS11の表面側(前方側)という。
特に、側面部16,16は、乗員Cの胸部若しくは肩部近傍の背もたれ面側に位置し、さらに、サイドフレーム12,12の内側に配設されている。このことから、側面部16,16の間の距離はサイドフレーム12,12の間の距離と比べて狭くなる。従って、側面部16,16近傍に位置するクッション材4の変形抵抗が高くなる傾向がある。側面部16,16の内側部分と乗員Cとのクリアランスtを大きくすることでクッション材4の変形抵抗を効果的に低減でき、乗員Cをよりスムーズに沈み込ませることができる。また、乗員Cの左右方向の幅が広い胸部若しくは肩部近傍での沈み込み量を増加させることでヘッドレストHRと頭部の隙間を効率的に縮め、頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減することができる。
一方、シートバックS11に備えられたクッション材4は、ウレタン素材から構成されており、シートバックフレーム1の背もたれ面側と左右の両側を覆うように配設されている。
シートバックS11に配設されるクッション材4のうち、サイドフレーム12,12及び側面部16,16の背もたれ面側に位置する領域、すなわち、サイドフレーム部9,9の背もたれ面側に位置する領域(以下、変形抵抗領域とする)には、クッション材4の厚さtを薄く形成するためにコア抜き部8,8が形成されている。なお、クッション材4の厚さtは、背もたれ面に位置するクッション材4の厚さよりも薄く、且つ、クッション材4として必要な耐久性が確保できる程度の厚さとされる。
ここで、変形抵抗領域は、後面衝突時など乗員CがシートバックS11に沈み込む際に、シートバックフレーム1のサイドフレーム部9,9側に強く押しつけられる領域であり、変形抵抗領域のクッション材4の変形抵抗が乗員Cの沈み込みの抵抗となる。このため、変形抵抗領域に位置するクッション材4の一部を切除することで変形抵抗を減らすことができる。すなわち、サイドフレーム部9,9側に位置するクッション材4の一部を切除したコア抜き部8,8が形成されることで、シートバックS11の背もたれ面に乗員Cをよりスムーズに沈み込ませてヘッドレストHRと頭部の隙間を縮め、頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減させることができる。
特に、乗員Cの胸部若しくは肩部近傍の背もたれ面側に位置する側面部16,16は、サイドフレーム12,12の間の距離と比べて狭く構成される。このため、側面部16,16に近接するクッション材4の領域にコア抜き部8,8が形成されることで、より効果的にクッション材4の変形抵抗を減らすことができ、乗員Cをよりスムーズに背もたれ面側に沈み込ませることができる。また、コア抜き部8,8をクッション材4の一部にのみ形成することで大きな効果を得ることができるため頸部へ加わる衝撃を低コストで効果的に軽減することができる。
本実施形態においては、偏平部16a,16aの背もたれ面側にコア抜き部8,8が形成されている。偏平部16a,16aによって側面部16,16の間の距離を広げてサイドフレーム部9,9側の内側と乗員Cとのクリアランスtを確保することでクッション材4の変形を容易とし、さらに、コア抜き部8,8によって沈み込みの際変形する領域のクッション材4の厚さtを薄く形成してクッション材4の変形を一層容易としている。これらの構成を兼ね備えることによって、クッション材4の変形抵抗を大幅に減らすことができ、シートバックS11の背もたれ面に乗員Cをよりスムーズに沈み込ませることを可能としている。
もちろん、偏平部16a,16aとコア抜き部8,8のうち、いずれか一方を備える構造であってもそれぞれの効果を奏することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用シートS1によれば、左右のサイドフレーム部9,9の向かい合う位置に偏平部16a,16a設けることで、シートバックフレーム1外側の左右方向の寸法を変化させることなく、側面部16,16の間の距離を広げることができる。そのため、サイドフレーム12,12側の内側と乗員Cとのクリアランスtが大きくなり、シートバックS11の背もたれ面に乗員Cをよりスムーズに沈み込ませることができる。従って、後面衝突時に乗員Cの頭部をヘッドレストとの間の隙間を速やかに減少させることができ、アクティブヘッドレスト機構を用いることなく頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減することができる。
シートバックS11に配設されるクッション材4のうち、サイドフレーム12,12若しくは側面部16,16の背もたれ面側に位置する領域にコア抜き部8,8を形成することで変形抵抗を減らし、シートバックS11の背もたれ面に乗員Cをよりスムーズに沈み込ませることができる。コア抜き部8,8によって後面衝突時に乗員Cの頭部とヘッドレストHRとの間の隙間を速やかに減少させることができ、アクティブヘッドレスト機構を用いることなく頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減することができる。また、コア抜き部8,8を背もたれ面の左右側に形成することで、背もたれ面中央部のクッション材4の厚みを確保でき着座フィーリングを損なうことがない。さらに、クッション材4のうち、強い応力が作用する領域にコア抜き部8,8を形成することで変形部分への応力の集中を緩和し、クッション材4の耐久性の向上を図ることができる。
偏平部16a,16a及びコア抜き部8,8の形成にはいずれも従来技術を活用することができることから低コストで構成することができ、且つ、簡易な構造であるため車両用シートS1の一層の薄型化が可能になる。それに伴い、レイアウトの自由度、及びデザインの自由度の向上を図ることができる。
上述の第1の実施形態に係るサイドフレーム部に設けられた偏平部16a,16aは、一対の側面部16,16の対向する部分を外側方向に向けて潰すことで、一対の側面部16,16の間の内側の距離を広げる構造を採用している。しかしながら、偏平部16a,16aの構造としては、これに限定されず、他の構造を採用することができる。
図5は、シートバックのI−I断面図の他の例であり、異なる偏平部26a,26aの構造を採用した例である。なお、図5においても図3及び図4と同様、図面の煩雑化を防ぐため表皮材5を省略した。
向かい合う偏平部26a,26aをそれぞれ逆方向に傾斜されることによって、偏平部26a,26aの間の距離が乗員C側の方がより広くなるように配設されている。すなわち、偏平部26a,26aは、シートバックS1に沈み込んだ状態の乗員Cの背部の形状に合わせて側面部16,16の一部が平滑に形成されることで構成されている。また、サイドフレーム12,12の前後方向の位置に対して後方側に、偏平部26a,26aを備える側面部16,16が配置されている。このように偏平部26a,26aが形成されることで、乗員Cの沈み込みに対する抵抗を一層減らすことができる。特に、車両用シートS1に着座した乗員の胸部若しくは肩部の背もたれ面側に偏平部26a,26aが形成されることで大きな効果が期待できる。
乗員の背部の形状に沿って偏平部26a,26aが形成されることで、シートバックフレーム1の構成を大幅に変化させることなく乗員の背部と側面部16,16との間の距離を相対的に広げることができ、同時に、沈み込みの初期段階での側面部16,16の内側部分と乗員Cとのクリアランス(t1')をさらに広げることが可能となる。加えて、偏平部26a,26aの傾斜によって沈み込みの際に乗員をシートバックの適正な位置に誘導する効果がある。さらに、乗員の背部と側面部16,16との間の距離の場所による違いを小さくすることができるため、沈み込みの際にクッション材4側の一部分の変形抵抗が上昇することがなくなる。以上の作用効果により、側面部16,16(サイドフレーム部9,9)による乗員の後方移動への抵抗が一層緩和され、シートバックS11の背もたれ面に乗員をよりスムーズに沈み込ませることができる。従って、後面衝突時に乗員の頭部をヘッドレストHRに速やかに接近させて、頸部へ加わる衝撃を低コスト且つ効果的に軽減することができる。
(第2の実施形態)
図6及び図7は本発明に係る第2の実施形態を示し、図6は車両用シートS2の部分斜視図、図7はシートバックS21のII−II断面図である。なお、図7においては図面の煩雑化を防ぐため表皮材5を省略した。
また、以下の各実施の形態において、第1の実施形態と同様部材、配置等には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る車両用シートS2は、図6で示すように、シートバックS21と、シートクッションS22、ヘッドレストHRとを主要な構成要素として備えている。また、車両用シートS2は格納可能なシートとして構成されており、シートバックS21の背もたれ面とシートクッションS22の着座面とが接するように折り畳んだ状態でシートフロア側や車室内の側面側に収納することができる。
車両用シートS2のシートバックフレーム31は、格納可能な薄型に構成される必要があるため受圧部材20を備えず、サイドフレーム36,36に架設された伸縮若しくは変形可能な複数のワイヤ32によってクッション材34を後方から支える構造を有している。また、サイドフレーム部39は、サイドフレーム36,36のみから構成されている。シートバックフレーム31は、これらの点で、第1の実施形態とは相違している。
図7に示すように、サイドフレーム36,36は、それぞれ向かい合う位置にある部分をほぼ平らに加工して形成された偏平部36a,36aを有している。この偏平部36a,36aが形成された部分はパイプ状部材の断面の一部がほぼ平らに成形されるため、中空の略半円の断面形状となっている。偏平部36a,36aによって、左右のサイドフレーム36,36の向かい合う方向に張り出す部分が減少し、シートバックフレーム31の左右方向の寸法を変化させることなく、サイドフレーム36,36の間の距離を広げることができる。このため、サイドフレーム36,36の内側と乗員Cの左右側とのクリアランスt11を広くすることができる。従って、乗員CがシートバックS21に沈み込む際の抵抗を低減することができシートバックS21の背もたれ面に乗員Cをよりスムーズに沈み込ませることができる。
一方、シートバックフレーム31の背もたれ面側と左右の両側を覆うように配設されるクッション材34は、サイドフレーム36,36の背もたれ面側に位置する変形抵抗領域の一部にコア抜き部38,38が形成されており、クッション材34の厚さt22が薄く形成されている。このコア抜き部38,38の形成により、変形抵抗領域のクッション材34の変形抵抗を減らすことができ、シートバックS21の背もたれ面に乗員Cをよりスムーズに沈み込ませることができる。
偏平部36a,36aによってサイドフレーム36,36の間の距離を広げてサイドフレーム36,36の内側と乗員Cとのクリアランスt11を確保してクッション材34の変形を容易とし、さらに、コア抜き部38,38によって沈み込みの際に変形する領域のクッション材34の厚さt22薄く形成してクッション材34の変形を一層容易としている。このように、偏平部16a,16aの背もたれ面側にコア抜き部8,8を形成することによって、クッション材34の変形抵抗をさらに効果的に減らすことができ、シートバックS21の背もたれ面に乗員Cをよりスムーズに沈み込ませることを可能としている。
もちろん、偏平部36a,36aとコア抜き部38,38のうち、いずれか一方を備える構造であってもそれぞれの効果を奏することができる。また、本実施形態においても、図5に示したように偏平部36a,36aを乗員Cの背部の形状に合わせて成形してもよい。
本実施形態に係る車両用シートS2によれば、サイドフレーム36,36の上下方向のほぼ全体に渡って偏平部36a,36aを設けることができため乗員Cの背面全体をよりスムーズに沈み込ませることができる。また、乗員Cの胸部若しくは肩部近傍に配置される領域のサイドフレーム36,36若しくはクッション材34に対してのみ偏平部36a,36a若しくはコア抜き部38,38を設けることで高い効果を期待できる。
本実施形態に係る車両用シートS2によれば、格納可能なシートにおいても、第1の実施形態とほぼ同等の作用効果を奏することができる。このように本発明の構成は、部品点数の増加や部材の大型化を伴わないため、軽量/薄型化が必要な格納用シートにおいても好適に適用することができる。
本発明に第1の実施形態に係る車両用シートの概略斜視図である。 本発明に第1の実施形態に係る車両用シートのシートフレームの概略斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るシートバックのI−I断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るシートバックの断面構造と乗員の沈み込み位置の拡大説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る他の例のシートバックのI−I断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用シートの部分斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るシートバックのII−II断面図である。
符号の説明
C 乗員
S1,S2 車両用シート
S11,S21 シートバック
S12,S22 シートクッション
HR ヘッドレスト
F シートフレーム
,t1',t11 クリアランス
,t22 クッション材の厚さ
1,31 シートバックフレーム
2 着座フレーム
4,34 クッション材
5 表皮材
8,38 コア抜き部
9,39 サイドフレーム部
11 リクライニング機構
12,36 サイドフレーム
15,35 上部フレーム
16 側面部
16a,26a,36a 偏平部
17 下部フレーム
18 ピラー支持部
20 受圧部材
21,32 ワイヤ

Claims (5)

  1. 少なくともシートバックフレームの背もたれ面側にクッション材が配設されたシートバックと、前記シートバックに取り付けられたヘッドレストと、を備えた車両用シートであって、
    前記シートバックフレームは、少なくとも左右方向に離間して配設された上下方向に延在する一対のサイドフレーム部を備え、
    前記クッション材は、前記サイドフレーム部の背もたれ面側を切除したコア抜き部と、着座した乗員を受ける側の面に形成された溝部とを有し、
    前記コア抜き部は、前記車両用シートに着座した乗員の胸部若しくは肩部の背もたれ面側に形成され
    前記溝部と前記コア抜き部とは、前記シートバックの前後方向において重なる位置に配置されることを特徴とする車両用シート。
  2. 前記クッション材を後方から支持する受圧部材を備え、
    前記コア抜き部は、前記シートバックの幅方向において前記受圧部材よりも外側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記溝部のシートバック幅方向内側端は、前記コア抜き部の最前方部よりも前記シートバックの幅方向における外側に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート。
  4. 一対の前記サイドフレーム部は、それぞれが対向する領域を変形させることにより厚さを減少させた偏平部を有し、
    前記コア抜き部と前記溝部と前記偏平部とは、前記シートバックの前後方向において重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用シート。
  5. 前記コア抜き部は、前記シートバックの幅方向における前記サイドフレーム部の内側から外側まで連続形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用シート。
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