JP2010058551A - ヘッドレストフレーム及びヘッドレストフレームを備えたヘッドレスト、並びに、このヘッドレストを備えた車両用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘッドレストフレーム1の略コ字状に形成されたピラー部材11の頭部側に取り付けられた変形部材15は、ピラー部材11の頭部側に配設され、上部側がピラー部材11の上部に固着された前板部16と、前板部16の左右側のそれぞれからピラー部材11に向かって延設され、ピラー部材11の左右側のそれぞれに固着された一対の側板部17,17とから構成されている。この変形部材15が、塑性変形することによって後面衝突時などに乗員の頭部に加わる衝撃エネルギーを緩和する。
【選択図】図3
Description
本発明の他の目的は、様々なヘッドレストに適用できるとともに部品点数の増加を抑え、より確実に衝撃エネルギーを吸収できるヘッドレストフレーム及びヘッドレストフレームを備えたヘッドレスト、並びに、このヘッドレストを備えた車両用シートを提供することである。
上記構成により、変形部材は、前板部の上下方向の一方側及び左右の側板部の計3カ所でピラー部材に固着されるため、変形部材の塑性変形時に、側板部が左右のいずれかの方向に倒れることが規制され、前板部を後方側にのみ変形若しくは移動させることができる。すなわち、変形部材を所定の方向に塑性変形させることができるため、確実に衝撃エネルギーを吸収することができるヘッドレストフレームを提供することができる。
上記構成によれば、側板部に前後方向に屈曲容易な蛇腹部が形成されることで、乗員の頭部がクッション材を介して前板部を強く押圧すると、蛇腹部によって側板部が優先的に塑性変形される。また、蛇腹部が前後方向に山折り若しくは谷折り形成されて構成されているため側板部は前後方向に折れ曲がって変形する。このため、乗員の頭部が前板部の左右方向の縁部分を押圧した場合にも、効果的に衝撃エネルギーを吸収することができるヘッドレストフレームを提供することができる。また、側板部が変形することで、前板部の頭部側の領域全体でより均一なエネルギー吸収特性を有することになるため、乗員の頭部に加わる衝撃を確実に緩和することができるヘッドレストフレームを提供することができる。
上記構成によって、側板部に開口部が形成されることで、乗員の頭部がクッション材を介して前板部を強く押圧すると、開口部によって側板部が優先的に塑性変形される。また、開口部が上下方向に並んで配置されているため、側板部は開口部の並びに沿って前後方向に折れ曲がって変形する。このため、乗員の頭部が前板部の左右方向の両端部分を押圧した場合にも効果的に衝撃エネルギーを吸収することができ、また、側板部が変形することで、前板部の頭部側の領域全体でより均一なエネルギー吸収特性を有することになるため、乗員の頭部に加わる衝撃を確実に緩和することができるヘッドレストフレームを提供することができる。
上記構成によって、ヘッドレストの大きさなどによって異なるエネルギー吸収特性を有する変形部材を配設することが可能となり、車両用シートのタイプごとに適したエネルギー吸収特性を有する変形部材を備えたヘッドレストフレームを提供することができる。
上記構成によれば、上述の各作用効果を備えたヘッドレストを提供することができる。
上記構成によれば、上述の各作用効果を有するヘッドレストを備えた車両用シートを提供することができる。
請求項2に係るヘッドレストフレームによれば、変形部材を所定の方向に塑性変形させることができ、確実に衝撃エネルギーを吸収することができるヘッドレストフレームを提供することができる。
請求項3に係るヘッドレストフレームによれば、頭部が前板部の縁部分を押圧した場合にも前板部を塑性変形させることができ、乗員の頭部に加わる衝撃を確実に吸収することができるヘッドレストフレームを提供することができる。
請求項4及び5に係るヘッドレストフレームによれば、乗員の頭部が前板部の左右方向の両端部分を押圧した場合にも効果的に衝撃エネルギーを吸収することができ、また、側板部が変形することで、前板部の頭部側の広い領域でより均一なエネルギー吸収特性を有することになるため、乗員の頭部に加わる衝撃を緩和することができるヘッドレストフレームを提供することができる。
請求項6に係るヘッドレストフレームによれば、車両のタイプごとに適した変形部材を備えたヘッドレストフレームを提供することができる。
請求項7に係るヘッドレストによれば、請求項1乃至6のいずれかの特徴を備えたヘッドレストを提供することができる。
請求項8に係る車両用シートによれば、請求項7の特徴を有するヘッドレストを備えた車両用シートを提供することができる。
図1乃至図4は本発明の第1の実施形態を示し、図1は車両用シートの概略斜視図、図2はシートフレームの概略斜視図、図3はヘッドレストフレームの概略説明図、図4はヘッドレストフレームの変形状態を示す説明図である。
図2に示すように、シートフレームFは、シートバックフレーム3と、着座フレーム5と、ヘッドレストフレーム1とを主要構成要素として備えており、ヘッドレストフレーム1のピラー部材11の下部側を、シートバックフレーム3の上部に設けられたピラー支持部18,18に取り付けることができる。
図3(a)に示すように、ヘッドレストフレーム1は、円筒状部材(パイプ材)若しくは中実の丸棒部材を略コ字状に屈曲して形成されたピラー部材11と、ピラー部材11の頭部側を覆うように配設される略板状の変形部材15とを主要部材として構成されている。
左右のサイドピラー部12,12は、ヘッドレストフレーム1を適度な傾きで取り付け可能に前後方向に屈曲して構成されている。上述のように、サイドピラー部12,12の下部側を、シートバックフレーム3の上部に設けられたピラー支持部18,18に取り付けることができる。また、サイドピラー部12,12の中程から上部側の位置には変形部材15が取り付けられる。
なお、変形部材15は、前板部16の上部側16aと、側板部17,17の先端部分の計3カ所でピラー部材11に溶接(溶接部19)によって固着されているが、溶接以外にも、リベット止め、ボルト止め、若しくはスポット溶接などであってもよい。
前板部16が、前板部16の上部側16aと左右側の側板部の3カ所のみでピラー部材11に固定されることで、変形部材15の変形量を増大させることができ、また、左右の側板部17,17を前板部16の下方側に配置された形状とすることで、頭部が前板部16の縁部分を押圧した場合にも確実に前板部16を塑性変形させることができる。さらに、前板部16に入力された荷重が大きい場合には、左右の側板部17,17も変形することでより大きな衝撃エネルギーを吸収することができる。
図4は、ヘッドレストフレームの変形状態を示す説明図であり、図4(a)は衝突前、図4(b)は衝突後の状態を示している。
後面衝突などにより、後方から衝撃を受けて慣性で乗員の頭部が後方に移動すると、乗員の頭部がヘッドレストHRを押圧するため、クッション材7を介して変形部材15が後方側に押圧されて塑性変形する。具体的には、変形部材15の前板部16に乗員の後方移動に伴う応力の負荷に応じて塑性変形する。
この変形部材15の塑性変形によって、後面衝突などによる衝撃荷重を吸収して乗員の頭部が受ける衝撃を緩和することができ、同時に、頸部に作用する衝撃力の低減を図ることができる。
図5及び図6は本発明の第2の実施形態を示し、図5は、ヘッドレストフレーム21の斜視図、図6は、I−I断面でのヘッドレストフレーム21の塑性変形前後の状態を示す断面図である。
なお、以下の各実施の形態において、第1の実施の形態と同様部材、配置等には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るヘッドレストフレーム21は、第1の実施形態と比べて、側板部27,27の形状が異なっている点で大きく相違する。
変形部材25は、塑性変形可能な板状部材から形成されており、頭部側に配置される前板部26と、前板部26の左右側から後方側に屈曲しつつ連続して延設された側板部27,27とからなる。左右の側板部27,27の先端がサイドピラー部12,12にそれぞれ固着され、前板部26の上部側26aが上部ピラー部13に固着されることで、変形部材25はピラー部材11の頭部側に配設される。
なお、本実施形態においては、蛇腹部27a,27aを左右方向の外方に向けた山折りによって形成されているが谷折りとして形成しても良く、山折りと谷折りを組み合わせて形成しても良い。
なお、前板部26の上部側26aが上部ピラー部13に固着されることで、第1の実施形態と同様に、側板部27,27が塑性変形する際に左右側に倒れることを防いでいる。
後面衝突などにより、後方から衝撃を受けて慣性で乗員の頭部が後方に移動すると、乗員の頭部がヘッドレストHRを押圧するため、クッション材7を介して変形部材25が後方側に押圧される。このとき、側板部27,27に形成された蛇腹部27a,27aが優先的に塑性変形されることによって、後面衝突などによる衝撃荷重を吸収して乗員の頭部が受ける衝撃を緩和することができ、同時に、頸部に作用する衝撃力の低減を図ることができる。
また、上下方向に対する角度を設けて蛇腹部27a,27aを形成すると、側板部27,27の変形方向を調整することができるため、側板部27,27の塑性変形によるエネルギー吸収特性に方向性を付加することができる。
図7及び図8は本発明の第3の実施形態を示し、図7は、ヘッドレストフレーム35の斜視説明図、図8は、II−II断面でのヘッドレストフレーム35の塑性変形前後の状態を示す断面図である。
なお、以下の各実施の形態において、第1の実施の形態と同様部材、配置等には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るヘッドレストフレーム31は、第1の実施形態と比べて、側板部37,37の形状が異なっている点で大きく相違する。
変形部材35は、塑性変形可能な板状部材から形成されており、頭部側に配置される前板部36と、前板部36の左右側から後方側に屈曲しつつ連続して延設された側板部37,37とからなる。左右の側板部37,37の先端がサイドピラー部12,12にそれぞれ固着され、前板部36の上部側36aが上部ピラー部13に固着されることで、変形部材35はピラー部材11の頭部側に配設される。
後面衝突などにより、後方から衝撃を受けて慣性で乗員の頭部が後方に移動すると、乗員の頭部がヘッドレストHRを押圧するため、クッション材7を介して変形部材35が後方側に押圧される。このとき、開口部37a,37a,37aによって側板部37,37が優先的に塑性変形されることによって、後面衝突などによる衝撃荷重を吸収して乗員の頭部が受ける衝撃を緩和することができ、同時に、頸部に作用する衝撃力の低減を図ることができる。
例えば、上下方向に角度を有して開口部37aを並べて形成すると、開口部37aの並びに沿って側板部37,37が折れ曲がり変形するため、側板部37,37の塑性変形に方向性を付加させることができる。
S1 シートバック
S2 シートクッション
HR ヘッドレスト
F シートフレーム
1,21,31,101 ヘッドレストフレーム
3 シートバックフレーム
5 着座フレーム
7,107 クッション材
8 表皮材
11 ピラー部材
12 サイドピラー部
13 上部ピラー部
15,25,35 変形部材
16,26,36 前板部
16a,26a,36a 上部側
17,27,37 側板部
18 ピラー支持部
19 溶接部
27a 蛇腹部
37a 開口部
Claims (8)
- シートバックフレームに取り付けられるピラー部材と、前記ピラー部材に取り付けられ、塑性変形することによって衝撃エネルギーを吸収可能な変形部材と、を備えるヘッドレストフレームにおいて、
前記変形部材は、前記ピラー部材の頭部側にのみ配設される前板部と、前記前板部の左右側のそれぞれから連続して延設され、後方側に屈曲された一対の側板部と、からなり、
一対の前記側板部は、前記ピラー部材にそれぞれ固着されることを特徴とするヘッドレストフレーム。 - 前記前板部は、少なくとも上下方向の一方側で前記ピラー部材に固着されることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストフレーム。
- 一対の前記側板部は、前記前板部よりも上下方向の幅が短く形成され、前記前板部の下方側から延設されることを特徴とする請求項2に記載のヘッドレストフレーム。
- 一対の前記側板部は、蛇腹部を備え、
前記蛇腹部は、前後方向に山折り若しくは谷折り形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドレストフレーム。 - 一対の前記側板部は、複数の開口部を備え、
前記開口部は、上下方向に並べて配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドレストフレーム。 - 前記変形部材は、金属プレートであって、板厚、材質によって、吸収エネルギーを可変とされてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヘッドレストフレーム。
- 前記請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヘッドレストフレームを備えてなることを特徴とするヘッドレスト。
- 車体フロア側に支持されたシートクッションと、前記シートクッションに連結されたシートバックと、前記請求項7に記載のヘッドレストと、を備えてなることを特徴とする車両用シート。
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