<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態であるデジタル放送受信装置1の構成を示すブロック図である。デジタル放送受信装置1は、アンテナ11と、チューナ部12と、復調部13と、デマルチプレクス部14と、デコード部15と、表示部16と、音声出力部17と、位置情報取得部18と、エリア情報記憶部19と、選局制御部20と、チャンネル情報記憶部21とを備えて構成される。復調部13、デマルチプレクス部14およびデコード部15は、信号抽出部に相当する。表示部16および音声出力部17は、出力部に相当する。
アンテナ11は、放送局から送信されるデジタル放送信号を受信可能である。アンテナ11によって受信されたデジタル放送信号は、チューナ部12に与えられる。チューナ部12は、アンテナ11から与えられるデジタル放送信号から特定の周波数の信号を抽出する。チューナ部12によって、アンテナ11から与えられるデジタル放送信号から特定の周波数の信号を抽出することは、チューナステップに相当する。
チューナ部12が、アンテナ11から与えられるデジタル放送信号のうちのいずれの周波数の信号を抽出するかは、後述する選局制御部20によって制御される。換言すれば、チューナ部12は、選局制御部20から与えられる所定の制御信号に基づいて、前記特定の周波数の信号を抽出する。前記特定の周波数は、デジタル放送信号に含まれる複数のチャンネルのうち、いずれかのチャンネルの周波数であり、前記特定の周波数の信号を抽出することは、チャンネルを選局することを意味する。
チューナ部12は、選局したチャンネルの信号を復調部13に与える。またチューナ部12は、選局したチャンネルの信号の受信強度を表す受信レベル情報を出力する。
復調部13は、チューナ部12から与えられる信号の復調および誤り訂正を行い、トランスポートストリーム(Transport Stream;略称:TS)を出力する。また復調部13は、チューナ部12から与えられる信号の受信C/N比(Carrier to Noise ratio)情報、PLL(Phase Locked Loop)ロック情報、フレームロック情報、および誤り率情報の各種情報のうちの少なくともいずれか1つを出力する。復調部13から出力されるTSは、デマルチプレクス部14に与えられる。
デマルチプレクス部14は、復調部13から与えられるTSから、番組特定情報(Program Specific Information;略称:PSI)および番組配列情報(サービス情報:Service Information;略称:SI)を抽出し、抽出したPSIおよびSIを、図示しないメモリに記憶させる。
デマルチプレクス部14は、抽出したPSIおよび/またはSI(以下「PSI/SI」という場合がある)から、TS中の映像TSパケットおよび音声TSパケットのうちの少なくとも1種類のTSパケット識別子(Packet Identifier;略称:PID)の値を検出し、TSを各PIDでフィルタリングして映像TSパケットおよび音声TSパケットを分離させて抽出する。ここで、映像TSパケットに含まれる映像の形式は、MPEG(Moving picture Experts Group)2−videoでもよいし、MPEG4−AVC(Advanced Video Coding)でもよいし、他の形式の映像でもよい。また音声TSパケットに含まれる音声の形式は、MPEG2−BC(Backward Compatible)でもよいし、MPEG2―AAC(Advanced Audio Coding)でもよいし、AC3(Dolby AC3:Audio Code Number 3)でもよいし、他の形式の音声でもよい。また、複数の種類の映像TSパケットおよび音声TSパケットを同時に抽出してもよい。
デマルチプレクス部14は、映像TSパケットおよび音声TSパケットのうちの少なくとも1種類のTSパケットをデコード部15に与える。デマルチプレクス部14は、番組アソシエーション(統合)テーブル(Program Association Table;略称:PAT)断絶情報(途絶情報)、番組対応テーブル(Program Map Table;略称:PMT)断絶情報(途絶情報)、TS同期はずれ(同期ロスト)情報、およびTSパケットの損失情報(パケットロスト情報)の各種情報のうちの少なくともいずれか1つを出力する。
PAT断絶情報は、PATが所定の時間間隔で到来しなかった場合に発せられる。PMT断絶情報は、PMTが所定の時間間隔で到来しなかった場合に発せられる。TS同期はずれ情報(通知)は、TSにおいて188バイト毎に同期バイトが検出されない場合に発せられる。TSパケットの損失情報(通知)は、TSのヘッダ中に存在する連続性カウンタ値の不連続を検出したときに発せられる。
なお、TSには複数のサービスが含まれていることがある。デマルチプレクス部14が、TSに含まれるサービスのうちのいずれのサービスを選局するかは、後述する選局制御部20によって制御される。換言すれば、デマルチプレクス部14は、選局制御部20から与えられる所定の制御信号に基づいて、TSに含まれるサービスを選局する。
デコード部15は、デマルチプレクス部14から与えられる映像TSパケットおよび音声TSパケットのうちの少なくとも1種類のTSパケットのデコードを行う。デコード部15は、映像パケットの復号された映像信号を表示部16に出力し、音声パケットの復号された音声信号を音声出力部17に出力する。またデコード部15は、映像TSパケットのデコード、および音声TSパケットのデコードのうち少なくともいずれか一方の処理が不可能な状態になったとき、デコードエラー検出情報およびデコードエラー率情報のうちの少なくともいずれか1つを出力する。
復調部13によって、チューナ部12から与えられる信号の復調および誤り訂正を行ってTSを出力し、デマルチプレクス部14によって、TSからPSIおよびSIを抽出し、抽出したPSIおよび/またはSIを用いて、TSから映像TSパケットおよび音声TSパケットを分離させて抽出し、デコード部15によってデコードすることは、信号抽出ステップに相当する。
表示部16は、デコード部15から出力される映像信号に基づいて、表示画面に映像を表示する。音声出力部17は、デコード部15から出力される音声信号に基づいて、スピーカから音声を出力する。このように表示部16によって映像を表示すること、および音声出力部17によって音声を出力することは、出力ステップに相当する。
位置情報取得部18は、デジタル放送受信装置1の現在位置を表す位置情報を取得し、選局制御部20に与える。位置情報取得部18によって位置情報を取得することは、位置情報取得ステップに相当する。位置情報を取得する機器は、全地球測位システム(Global Positioning System;略称:GPS)であってもよいし、他の機器であってもよい。
エリア情報記憶部19は、エリアの範囲と、そのエリアで受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルとを含む情報(以下「エリア情報」という)を記憶する。エリア情報記憶部19によってエリア情報を記憶することは、エリア情報記憶ステップに相当する。エリア情報記憶部19は、エリアの範囲と、そのエリアで受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルとを関連付けて、リストとして記憶する。
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるエリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のデータ形式の一例を示す図である。図3は、本発明の第1の実施の形態におけるエリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報に含まれるエリアの範囲を示す図である。
エリアの範囲は、図2に示すように、たとえば、南端の緯度、北端の緯度、西端の経度および東端の経度の4つのパラメータで表現される。図2では、エリアの南端の緯度を「緯度(南端)」と表記し、北端の緯度を「緯度(北端)」と表記し、西端の経度を「経度(西端)」と表記し、東端の経度を「経度(東端)」と表記する。
エリア情報記憶部19は、図2に示すように、エリアの範囲が異なる複数のエリア情報を記憶する。各エリア情報には、個別の番号が付されている。たとえば番号1,2などのエリア情報が、エリア情報記憶部19に記憶されている。
エリア情報は、図2に示すように、1つのエリア情報につき複数の物理チャンネルを保持することができる。同じ物理チャンネルが、複数のエリア情報に含まれていてもよい。
図2に示す4つのパラメータによって表されるエリアの範囲は、図3に示すように、北端の緯度を表す直線である北端の緯線と、南端の緯度を表す直線である南端の緯線と、西端の経度を表す直線である西端の経線と、東端の経度を表す直線である東端の経線とによって囲まれる領域Saである。さらに具体的に述べると、エリアの範囲は、図3に示すように、西端の経線と南端の緯線との交点A、西端の経線と北端の緯線との交点B、東端の経線と北端の緯線との交点C、および東端の経線と南端の緯線との交点Dを頂点とする長方形で表される領域Saである。
エリアの範囲は、必ずしも図3に示すような長方形で表される領域Saに限定されるわけではなく、円形の領域であってもよい。エリアの範囲が円形の領域である場合、エリアの範囲は、たとえば、中心点の緯度および経度、ならびに中心点からの距離の3つのパラメータで表現される。
またエリア情報記憶部19に複数のエリア情報が記憶される場合、各エリア情報のエリアの範囲には、他のエリア情報のエリアの範囲と重なる領域があってもよい。また、エリア情報のエリアの範囲には、デジタル放送信号が受信できないエリアが含まれていてもよい。
エリア情報は、エリアの範囲および物理チャンネル以外に、ネットワーク名、ネットワークID(network_id)、TS名、TSID(ts_id)、サービス名、サービスID(service_id)、系列局ID(affiliation_id)などの他のデータを含んでいてもよい。
エリア情報記憶部19は、選局制御部20から位置情報が入力されると、その位置情報で表される位置がエリアの範囲内に含まれるエリア情報(以下「位置情報を含むエリア情報」という場合がある)を探索する。そして、その位置情報を含むエリア情報に含まれる物理チャンネルを、物理チャンネルのリスト(以下「物理チャンネルリスト」という場合がある)に格納し、この物理チャンネルリストを選局制御部20に与える。位置情報を含むエリア情報が複数存在する場合は、位置情報を含む全てのエリア情報に含まれる物理チャンネルを、物理チャンネルのリストに格納する。
本実施の形態では、物理チャンネルのリストには、位置情報を含むエリア情報の物理チャンネルのみが格納される。物理チャンネルのリストには、位置情報を含むエリア情報の物理チャンネルが先頭に格納され、その後ろにそれ以外の物理チャンネルが格納されてもよい。位置情報を含むエリア情報が存在しない場合、物理チャンネルのリストには、全ての物理チャンネルが格納される。
図1に戻って、選局制御部20は、図示しない入力部を介して利用者から選局指示を受けると、後述するチャンネル情報記憶部21からチャンネル情報を取得して、そのチャンネル情報で選局を行う。具体的には、選局制御部20は、取得したチャンネル情報に基づいて、チューナ部12に対して、選局するべき物理チャンネルを指示する。選局制御部20によって選局するべき物理チャンネルを指示することは、選局制御ステップに相当する。
車両などの移動体に搭載または携帯されるデジタル放送受信装置では、デジタル放送受信装置の受信位置が移動することから、受信位置が視聴中の番組の放送局のサービス地域外になる場合、または地上の構造物による搬送波の遮断および減衰などの影響を受ける場合がある。そのような場合には視聴中の番組を放送している放送局からのデジタル放送信号を受信することが不可能となる。選局制御部20は、前述のように放送局からのデジタル放送信号を受信することが不可能である状態(以下「受信不可状態」という場合がある)を検出する。
選局制御部20は、チューナ部12、復調部13、デマルチプレクス部14およびデコード部15から出力される前記の各種情報のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、「受信不可状態」であることを検出する。
たとえば、選局制御部20は、チューナ部12から与えられる受信レベル情報に基づいて、受信レベル情報が表す受信レベルが所定値未満である場合に、受信不可であると判断する。
また選局制御部20は、たとえば、復調部13から与えられる受信C/N比情報に基づいて、受信C/N比情報が表すC/N比が所定値未満である場合に、受信不可であると判断する。また選局制御部20は、たとえば、復調部13から与えられるPLLロック情報に基づいて、PLLロックがはずれたと判断されるときに、受信不可であると判断する。また選局制御部20は、たとえば、復調部13から与えられるフレームロック情報に基づいて、フレームロックがはずれたと判断されるときに、受信不可であると判断する。また選局制御部20は、たとえば、復調部13から与えられる誤り率情報に基づいて、誤り率が所定値を超えると判断されるときに、受信不可であると判断する。
また選局制御部20は、たとえば、デマルチプレクス部14から与えられるPAT断絶情報に基づいて、PATの断絶が検出されときに、受信不可であると判断する。また選局制御部20は、たとえば、デマルチプレクス部14から与えられるPMT断絶情報に基づいて、PMTの断絶が検出されときに、受信不可であると判断する。また選局制御部20は、たとえば、デマルチプレクス部14から与えられるTS同期はずれ情報に基づいて、TS同期はずれが検出されたときに、受信不可であると判断する。また選局制御部20は、デマルチプレクス部14から与えられるTSパケットの損失情報に基づいて、TSパケットの損失が検出されたときに、受信不可であると判断する。
また選局制御部20は、たとえば、デコード部15から与えられるデコードエラー検出情報に基づいて、デコードエラーが検出されたときに、受信不可であると判断する。また選局制御部20は、たとえば、デコード部15から与えられるデコードエラー率情報に基づいて、デコードエラー率が所定値を超えると判断されるときに、受信不可であると判断する。
選局制御部20は、利用者からの選局要求、および受信の可否に基づいて、チューナ部12およびデマルチプレクス部14を制御して、いずれの物理チャンネルを選局するかを決める。
チャンネル情報記憶部21は、現在の位置で受信できるデジタル放送信号の物理チャンネルを表すチャンネル情報のリストを記憶している。チャンネル情報記憶部21によってチャンネル情報を記憶することは、チャンネル情報記憶ステップに相当する。
図4は、本発明の第1の実施の形態におけるデジタル放送受信装置1の選局制御部20の動作の処理手順を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、図示しない入力部を介して利用者からチャンネルスキャンの要求があった場合、受信不可状態になった場合、または受信不可状態となる直前に処理を開始し、ステップa1に移行する。「チャンネルスキャン」とは、デジタル放送受信装置1の現在位置で受信可能なデジタル放送のチャンネル情報を取得することである。「受信不可状態となる直前」とは、受信していた物理チャンネルのデジタル放送信号の受信強度が低下したときである。
ステップa1において、選局制御部20は、位置情報取得部18から位置情報を取得して、ステップa2に移行する。ステップa2において、選局制御部20は、ステップa1で取得した位置情報に基づいて、エリア情報記憶部19から、位置情報が表す位置で受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルのリストを取得する。具体的に述べると、選局制御部20は、ステップa1で取得した位置情報をエリア情報記憶部19に与え、その位置情報で表される位置がエリアの範囲内に含まれるエリア情報を探索させる。エリア情報記憶部19は、探索の結果得られたエリア情報に含まれる物理チャンネルを、物理チャンネルのリストに格納し、選局制御部20に与える。このようにして選局制御部20は、物理チャンネルのリストを取得する。
ここで、選局制御部20がエリア情報記憶部19から取得する物理チャンネルのリストには、本実施の形態では、位置情報を含むエリア情報の物理チャンネルが先頭に格納され、その後にそれ以外の物理チャンネルが格納される。物理チャンネルのリストには、位置情報を含むエリア情報の物理チャンネルのみが格納されてもよい。位置情報を含むエリア情報が存在しない場合、物理チャンネルのリストには、全ての物理チャンネルが格納される。ステップa2において物理チャンネルのリストを取得すると、ステップa3に移行する。
ステップa3において、選局制御部20は、ステップa2で取得した物理チャンネルのリストから物理チャンネルを1つ選び、選んだ物理チャンネルのスキャンを実行する。具体的には、選局制御部20は、選んだ物理チャンネルの現在位置における受信状態を調べる。本実施の形態では、ステップa3でスキャンされる物理チャンネルは、ステップa2で取得した物理チャンネルのリストの先頭から順に選ばれる。ステップa3においてスキャンが実行されると、ステップa4に移行する。
ステップa4において、選局制御部20は、ステップa3で調べた受信状態に基づいて、ステップa3で選択した物理チャンネルが受信可能であるか否かを判断し、受信可能であればステップa5に移行し、受信不可能であればステップa7に移行する。
ステップa5において、選局制御部20は、ステップa3においてスキャンした物理チャンネルのチャンネル情報を、図示しないメモリに一時的に記憶する。チャンネル情報を記憶するメモリは、選局制御部20が保持するメモリでもよいし、他のメモリでもよい。ステップa5においてチャンネル情報がメモリに記憶されると、ステップa6に移行する。
ステップa6において、選局制御部20は、エリア情報記憶部19に記憶されている情報を更新する。たとえば、選局制御部20は、ステップa1で取得した位置情報と、ステップa3でスキャンした物理チャンネルとをエリア情報記憶部19に与えることによって情報を更新する。
具体的に述べると、エリア情報記憶部19に、選局制御部20から与えられる位置情報を含むエリア情報が存在する場合、そのエリア情報の中に、選局制御部20から与えられる物理チャンネルが存在しなければ、その物理チャンネルがエリア情報に追加される。またエリア情報記憶部19に、選局制御部20から与えられる位置情報を含むエリア情報が存在しない場合は、選局制御部20から与えられる位置情報と物理チャンネルとを含むエリア情報が、新たなエリア情報として追加される。このようにしてステップa6においてエリア情報記憶部19に記憶されている情報が更新されると、ステップa7に移行する。
ステップa7において、選局制御部20は、ステップa2で取得した物理チャンネルリストに含まれる全ての物理チャンネルでスキャンを実行したか否かを判断し、全ての物理チャンネルでスキャンを実行していればステップa8に移行し、スキャンを実行していない物理チャンネルがある場合は、ステップa3に戻り、前述と同様の処理を行う。
ステップa8において、選局制御部20は、ステップa5でメモリに一時的に記憶したチャンネル情報をチャンネル情報記憶部21に記憶させて、全ての処理手順を終了する。ステップa8において、ステップa5でメモリに一時的に記憶したチャンネル情報をチャンネル情報記憶部21に記憶させるか否かは、利用者が適宜できるように構成してもよい。
以上のように本発明の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1によれば、選局制御部20によって、位置情報取得部18から現在位置を表す位置情報が取得され、この位置情報で表される現在位置をエリアの範囲に含むエリア情報に含まれる物理チャンネルが格納された物理チャンネルのリストが、エリア情報記憶部19から取得される。このリストに含まれる物理チャンネルについて、順に、その物理チャンネルで送信されるデジタル放送信号が受信可能であるか否かが選局制御部20によって判断され、受信可能であると判断されると、その物理チャンネルを表すチャンネル情報がチャンネル情報記憶部21に記憶される。
このように第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1は、全ての物理チャンネルをスキャンするのではなく、位置情報を参照して、その位置情報で表される現在位置で受信できる可能性が高い物理チャンネルに絞り込んでスキャンを実行し、受信の可否を判断する。これによって、全ての物理チャンネルについて受信の可否を判断する場合と比較して、スキャンを実行して受信の可否の判断に要する時間を短縮することができる。したがって、現在位置で受信可能なデジタル放送信号のチャンネル情報を可及的に短時間で取得することができる。
また本実施の形態では、選局制御部20は、スキャンを実行して、受信可能であると判断した物理チャンネルのチャンネル情報をチャンネル情報記憶部21に記憶させる。これによって、従来技術とは異なり、受信できない物理チャンネルのチャンネル情報がチャンネル情報記憶部21に記憶されることを防ぐことができる。
たとえば、エリア情報のエリアの範囲に、デジタル放送が受信できないエリアが含まれていても、受信できないデジタル放送の物理チャンネルのチャンネル情報がチャンネル情報記憶部21に記憶されることを防ぐことができる。これによって、エリア情報のエリアの範囲に、デジタル放送を受信できないエリアを含めることを許容することができるので、エリアの範囲を長方形または円形などの単純な形で表現することができる。したがって、従来技術のデジタル放送受信装置と比較して、メモリの使用量を削減することができるので、可及的に少ない量のメモリを使用して、受信可能なデジタル放送信号のチャンネル情報を取得することができる。
また本実施の形態では、スキャンに用いられる物理チャンネルのリストには、ステップa1で取得した位置情報で表される現在位置をエリアの範囲内に含むエリア情報に含まれる物理チャンネルが、先頭に格納されている。
選局制御部20は、このような物理チャンネルのリストの先頭から順に物理チャンネルを選んでスキャンを実行し、受信可能であるか否かの判断をするので、現在位置で受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルから順にスキャンを実行することができる。これによって、現在位置の位置情報を含むエリア情報に含まれる物理チャンネルから順にスキャンが実行されない場合、たとえばチャンネル番号の小さい物理チャンネルから順にスキャンを実行する場合と比較して、スキャンに要する時間を短縮することができる。
以上に述べた本実施の形態では、ステップa7において、ステップa2で取得した物理チャンネルリストに含まれる全ての物理チャンネルでスキャンを実行したと判断された場合にステップa8に移行するように構成されているが、必ずしもこのような構成に限定されない。本発明の他の実施の形態では、図4に示すフローチャートの各処理を実行している間に、利用者からスキャン中止の指示を受け付けられるようにし、スキャン中止の指示を受け付けた場合には、その時点で、ステップa8に移行するように構成されてもよい。
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置について説明する。本実施の形態のデジタル放送受信装置は、前述の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1と構成が同一であるので、図示および第1の実施の形態と共通する説明を省略する。本実施の形態では、デジタル放送受信装置は、デジタル放送を受信できる他のチャンネルを検索する、いわゆるサーチを行う。
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるデジタル放送受信装置の選局制御部20の動作の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、図示しない入力部を介して利用者からサーチの要求があった場合、または受信不可状態になった場合、または受信不可状態となる直前に処理を開始し、ステップb1に移行する。
ステップb1において、選局制御部20は、位置情報取得部18から位置情報を取得して、ステップb2に移行する。ステップb2において、選局制御部20は、ステップb1で取得した位置情報に基づいて、エリア情報記憶部19から、位置情報が表す位置で受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルのリストを取得する。
ここで、選局制御部20がエリア情報記憶部19から取得する物理チャンネルのリストには、位置情報を含むエリア情報の物理チャンネルをリストの先頭に格納し、その後にそれ以外の物理チャンネルを格納する。位置情報を含むエリア情報が存在しない場合、物理チャンネルのリストには、全ての物理チャンネルを格納する。ステップb2において物理チャンネルのリストを取得すると、ステップb3に移行する。
ステップb3において、選局制御部20は、ステップb2で取得した物理チャンネルのリストから物理チャンネルを1つ選び、選んだ物理チャンネルのサーチを実行する。具体的には、選局制御部20は、選んだ物理チャンネルの現在位置における受信状態を調べる。本実施の形態では、ステップb3でサーチされる物理チャンネルは、ステップb2で取得した物理チャンネルリストの先頭から順に選ばれる。ステップb3においてサーチが実行されると、ステップb4に移行する。
ステップb4において、選局制御部20は、ステップb3で調べた受信状態に基づいて、ステップb3で選択した物理チャンネルが受信可能であるか否かを判断し、受信可能であればステップb5に移行し、受信不可能であればステップb7に移行する。
本実施の形態とは異なるが、選局制御部20は、ステップb4において、ステップb3で選択した物理チャンネルが受信可能であるか否かを判断するとともに、その物理チャンネルが、サーチ前に選局していたチャンネルで放送されていた番組と同一の番組を放送しているチャンネル(以下「同一番組放送チャンネル」という)であるか否かを判断し、受信可能かつ同一番組放送チャンネルと判断した場合にステップb5に移行してもよい。この判断で、受信不可能である、または同一番組放送チャンネルでないと判断された場合は、ステップb7に移行する。ここで、ステップb3で選択した物理チャンネルが同一番組放送チャンネルであるか否かを判断することは、ステップb3で選択した物理チャンネルで放送されている番組と、それ以前に選局していたチャンネル、すなわちサーチ前に選局していたチャンネルで放送されていた番組とが同一であるか否かを判断することに相当する。
このように受信の可否の判断とともに同一番組か否かの判断をする場合、エリア情報記憶部19には、同一の番組を放送している可能性があることを識別するための情報(以下「同一番組識別情報」という)を記憶させておく。同一番組識別情報としては、たとえば、ネットワーク名、ネットワークID(network_id)、TS名、TSID(ts_id)、サービス名、サービスID(service_id)および系列局IDが挙げられる。これらの同一番組識別情報のうちの1つまたは複数が、エリア情報記憶部19に記憶される。
ここで、同一番組放送チャンネルであることの判断は、以下のようにして行う。たとえば、系列局のチャンネルである場合に、同一番組放送チャンネルであると判断する。またたとえば、マルチ周波数ネットワーク(Multi Frequency Network;略称:MFN)のチャンネルである場合に、同一番組放送チャンネルであると判断する。またたとえば、系列局またはMFNのチャンネルである場合に、同一番組放送チャンネルであると判断する。
ここで、系列局のチャンネルであること、およびMFNのチャンネルであることの判断は、以下のようにして行う。たとえば、サーチ前に選局していたチャンネルのサービス名と、ステップb3で選んだ物理チャンネルのサービス名とが一致した場合に、系列局のチャンネルであると判断する。またたとえば、サーチ前に選局していたチャンネルの系列局IDと、ステップb3で選んだ物理チャンネルの系列局IDとが一致した場合に、系列局のチャンネルであると判断する。またたとえば、サーチ前に選局していたチャンネルとステップb3で選んだ物理チャンネルとにおいて、ts_idおよびservice_idの両方が一致した場合に、MFNのチャンネルであると判断する。
ステップb5において、選局制御部20は、サーチで見つかった物理チャンネル、すなわちステップb3で選ばれ、ステップb4で受信可能であると判断された物理チャンネルを選局し、ステップb6に移行する。
ステップb6において、選局制御部20は、エリア情報記憶部19に記憶されている情報を更新する。たとえば、選局制御部20は、ステップb1で取得した位置情報と、ステップb3で選んだ物理チャンネルとをエリア情報記憶部19に与えることによって、エリア情報記憶部19に記憶されている情報を更新する。
エリア情報記憶部19は、選局制御部20から与えられる位置情報を含むエリア情報が存在する場合、そのエリア情報の中に、選局制御部20から与えられる物理チャンネルが存在しなければ、その物理チャンネルをエリア情報に追加する。またエリア情報記憶部19は、選局制御部20から与えられる位置情報を含むエリア情報が存在しない場合は、選局制御部20から与えられる位置情報と物理チャンネルとを含むエリア情報を、新たなエリア情報として追加する。ステップb6においてエリア情報記憶部19に記憶されている情報が更新されると、全ての処理手順を終了する。
ステップb7において、選局制御部20は、ステップb2で取得した物理チャンネルリストに含まれる全ての物理チャンネルでサーチを実行したか否かを判断し、全ての物理チャンネルでサーチを実行していればステップb8に移行し、サーチを実行していない物理チャンネルがある場合は、ステップb3に戻り、前述と同様の処理を行う。
ステップb8において、選局制御部20は、チューナ部12に、サーチ前に選局していた物理チャンネルを選局させ、全ての処理手順を終了する。
以上のように本発明の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置によれば、選局制御部20によって、位置情報取得部18から現在位置を表す位置情報が取得され、この位置情報で表される現在位置をエリアの範囲に含むエリア情報に含まれる物理チャンネルが格納された物理チャンネルのリストが、エリア情報記憶部19から取得される。このリストに含まれる物理チャンネルが順に、その物理チャンネルで送信されるデジタル放送信号が受信可能であるか否かが選局制御部20によって判断され、受信可能であると判断されると、その物理チャンネルがチューナ部12によって選局され、その物理チャンネルで送信されているデジタル放送信号が取得される。
このように第2の実施の形態のデジタル放送受信装置は、チャンネル番号が小さい物理チャンネルから順にサーチを実行するのではなく、位置情報を元に、現在位置で受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルから順にサーチを実行して、受信の可否を判断する。これによって、チャンネル番号の小さい物理チャンネルから順にサーチを実行する場合と比較して、受信可能な物理チャンネルのサーチに要する時間を短縮することができる。したがって、たとえば移動などによってデジタル放送信号が受信不可能になった場合でも、受信可能なデジタル放送信号を可及的に短時間で見つけることができる。
また本実施の形態では、選局制御部20は、サーチを実行してデジタル放送が受信できるか否かを調べ、受信可能であると判断した物理チャンネルを選局する。これによって、デジタル放送が受信できない物理チャンネルが選局されることを防ぐことができる。
たとえば、エリア情報のエリアの範囲に、デジタル放送が受信できないエリアが含まれていても、デジタル放送が受信できない物理チャンネルが選局されることを防ぐことができる。これによって、エリア情報のエリアの範囲に、デジタル放送を受信できないエリアを含めることを許容することができるので、エリアの範囲を長方形または円形などの単純な形で表現することができる。したがって、従来技術のデジタル放送受信装置と比較して、メモリの使用量を削減することができるので、可及的に少ない量のメモリを使用して、受信可能なデジタル放送信号を見つけることができる。
また本実施の形態では、サーチに用いられる物理チャンネルのリストには、ステップb1で取得した位置情報で表される現在位置をエリアの範囲内に含むエリア情報に含まれる物理チャンネルが、先頭に格納されている。
選局制御部20は、このような物理チャンネルのリストの先頭から順に物理チャンネルを選んでサーチを実行し、受信可能であるか否かの判断をするので、現在位置で受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルから順にサーチを実行することができる。これによって、現在位置の位置情報を含むエリア情報に含まれる物理チャンネルから順にサーチが実行されない場合、たとえばチャンネル番号の小さい物理チャンネルから順にサーチを実行する場合と比較して、サーチに要する時間を短縮することができる。
以上に述べた効果は、前述のようにステップb4において、ステップb3で選択した物理チャンネルが受信可能であるか否かを判断するとともに、その物理チャンネルが同一番組放送チャンネルであるか否かを判断する場合にも同様に発揮される。
この場合、エリア情報記憶部19から取得されたリストに含まれる物理チャンネルが順に、その物理チャンネルで送信されるデジタル放送信号が受信可能であるか否かが選局制御部20によって判断されるとともに、その物理チャンネルが同一番組放送チャンネルであるか否かが選局制御部20によって判断される。受信可能であると判断され、かつ同一番組放送チャンネルであると判断されると、その物理チャンネルがチューナ部12によって選局される。
つまり、この場合も、デジタル放送受信装置は、チャンネル番号が小さい物理チャンネルから順にサーチを実行するのではなく、本実施の形態と同様に、位置情報を元に、現在位置で受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルから順にサーチを実行して、受信の可否および同一番組放送チャンネルか否かを判断する。これによって、チャンネル番号の小さい物理チャンネルから順にサーチを実行する場合と比較して、受信可能な同一番組放送チャンネルのサーチに要する時間を短縮することができる。したがって、たとえば移動などによってデジタル放送信号が受信不可能になった場合でも、受信可能なデジタル放送信号を可及的に短時間で見つけることができる。
以上に述べた本実施の形態では、選局制御部20は、ステップb1で取得した位置情報に基づいて、ステップb2で物理チャンネルのリストを取得するように構成されているが、必ずしもこのような構成に限定されない。たとえば、前述のようにステップb4において、ステップb3で選択した物理チャンネルが受信可能であるか否かを判断するとともに、その物理チャンネルが同一番組放送チャンネルであるか否かを判断する場合には、選局制御部20は、ステップb1で取得した位置情報と、サーチ前に選局されていた物理チャンネルの同一番組識別情報とに基づいて、物理チャンネルのリストを取得するように構成されてもよい。
この場合、ステップb2では、選局制御部20は、エリア情報記憶部19に対して、ステップb1で取得した位置情報とともに、選局されている物理チャンネルの同一番組識別情報を与え、その位置情報で表される位置をエリアの範囲内に含み、かつ同一番組識別情報が一致する物理チャンネルを含むエリア情報を検索させる。
エリア情報記憶部19は、検索の結果得られたエリア情報に含まれる物理チャンネルのうち、同一番組識別情報が一致する物理チャンネルをリストの先頭に格納し、その後に、同一番組識別情報が一致しない物理チャンネルを格納し、さらにその後に、それ以外の物理チャンネルを格納する。このようにして得られた物理チャンネルのリストが、エリア情報記憶部19から選局制御部20に与えられる。これによって選局制御部20は、物理チャンネルのリストを取得する。
このように、ステップb1で取得した位置情報で表される位置をエリアの範囲内に含むエリア情報に含まれ、かつ同一番組識別情報が一致する物理チャンネルを先頭に格納した物理チャンネルのリストを用いることによって、サーチに要する時間を更に短縮することができる。
具体的に述べると、このような物理チャンネルのリストの先頭から順に物理チャンネルを選んでサーチを実行することによって、現在位置で受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルのうち、同一番組が放送されている可能性が高い物理チャンネルから順にサーチを実行することができる。これによって、本実施の形態のように現在位置で受信できる可能性が高いデジタル放送の物理チャンネルが格納されたリストの先頭から順にサーチを実行する場合と比較して、サーチに要する時間を更に短縮することができる。
また本実施の形態では、ステップb8において、ステップb2で取得した物理チャンネルリストに含まれる全ての物理チャンネルでサーチを実行したと判断された場合にステップb9に移行するように構成されているが、必ずしもこのような構成に限定されない。本発明の他の実施の形態では、図5に示すフローチャートの各処理を実行している間に、利用者からサーチ中止の指示を受け付けられるようにし、サーチ中止の指示を受け付けた場合には、その時点で、ステップb8に移行するように構成されてもよい。
また本発明の他の実施の形態では、ステップb4において、系列局のチャンネルか否かを判断し、系列局のチャンネルであればステップb5に移行し、系列局のチャンネルでなければステップb7に移行するように構成されてもよい。また本発明のさらに他の実施の形態では、ステップb4において、MFNのチャンネルであるか否かを判断し、MFNのチャンネルであればステップb5に移行し、MFNのチャンネルでなければステップb7に移行するように構成されてもよい。
<第3の実施の形態>
次に本発明の第3の実施の形態のデジタル放送受信装置について説明する。本実施の形態のデジタル放送受信装置は、前述の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1と構成が同一であるので、図示および第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
前述の第1実施の形態のデジタル放送受信装置では、エリア情報のエリアの範囲は更新されない。したがって、送信電力の増加または新規送信所の新設などによってデジタル放送の電波状況が変化し、それまで受信できなかったデジタル放送が受信できるようになった場合でも、その受信できるようになったデジタル放送の物理チャンネルが、エリア情報記憶部19から選局制御部20に与えられる物理チャンネルのリストの中に格納されないおそれがある。
このようにデジタル放送の電波状況が変化した場合に、受信できるようになったデジタル放送の物理チャンネルがリストに格納されないと、受信可能なデジタル放送信号を放送している物理チャンネルが検出されないおそれがある。
そこで、本実施の形態のデジタル放送受信装置では、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のエリアの範囲外でデジタル放送が受信可能であった場合、エリアの範囲を更新するように構成している。図6を用いてエリアの範囲の更新の方法を説明する。エリアの範囲の更新は、選局制御部20によって実行される。
図6は、本発明の第3の実施の形態におけるデジタル放送受信装置のエリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のエリアの範囲の更新方法を説明するための図である。図6において、「緯度(南端・更新前)」は、更新前のエリアの南端の経度を表し、「緯度(南端・更新後)」は、更新後のエリアの南端の経度を表す。また「経度(東端・更新前)」は、更新前のエリアの東端の経度を表し、「経度(東端・更新後)」は、更新後のエリアの東端の経度を表す。
図6に示すように、更新前のエリアの範囲は、緯度(南端・更新前)、緯度(北端)、経度(西端)および経度(東端・更新前)の4つのパラメータで表される。具体的には、更新前のエリアの範囲は、北端の緯線と、更新前の南端の緯線と、西端の経線と、更新前の東端の経線とによって囲まれる領域(以下「更新前領域」という場合がある)Saである。さらに具体的に述べると、更新前のエリアの範囲は、西端の経線と更新前の南端の緯線との交点A、西端の経線と北端の緯線との交点B、更新前の東端の経線と北端の緯線との交点C、および更新前の東端の経線と南端の緯線との交点Dを頂点とする長方形で表される領域Saである。
また、第1地点31はデジタル放送Aの視聴を開始した地点、第6地点36はデジタル放送Aの視聴を終了した地点を表し、第1地点31から第6地点36までを結ぶ曲線は、デジタル放送受信装置の移動した経路を表す。この曲線の内、実線部分、すなわち第1地点31から第5地点35までを結ぶ曲線は、デジタル放送Aが受信可能であった範囲を表し、点線部分、すなわち第5地点35から第6地点36までを結ぶ曲線は、デジタル放送Aが受信不可能であった範囲を表す。
第1地点31から第2地点32へ移動する間は、デジタル放送Aが受信可能であるが、更新前のエリアの範囲である更新前領域Sa内にデジタル放送受信装置が存在するので、選局制御部20は、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のエリアの範囲の更新は行わない。
第2地点32から第3地点33へ移動する間は、デジタル放送Aが受信可能であり、かつ東端の経度が更新前のエリアの範囲を超えるので、選局制御部20は、第3地点33の経度の値を、東端の経度としてエリア情報記憶部19に与え、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報の東端の経度の値を更新する。
第3地点33から第4地点34へ移動する間は、デジタル放送Aが受信可能であり、かつ南端の緯度が更新前のエリアの範囲を超えるので、選局制御部20は、第4地点34の緯度を、南端の緯度としてエリア情報記憶部19に与え、エリア情報記憶部19に記憶される南端の緯度の値を更新する。
第4地点34から第5地点35へ移動する間は、デジタル放送Aが受信可能であるが、デジタル放送受信装置は、更新された東端の経度および南端の緯度と、更新前の北端の緯度および西端の経度で表される更新後のエリアの範囲である領域Sb内にデジタル放送受信装置が存在する。したがって選局制御部20は、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のエリアの範囲の更新は行わない。第5地点35から第6地点36に移動し、デジタル放送Aが受信不可になった時点でエリア範囲の更新を終了する。
このように、第1地点31から第6地点36へ移動したとき、エリアの範囲は、点B,C,Eを通る北端の緯線と、点I,H,Gを通る更新後の南端の緯線と、点B,A,Iを通る西端の経線と、点E,F,Gを通る更新後の東端の経線とによって囲まれる領域(以下「更新後領域」という場合がある)Sbに更新される。さらに具体的に述べると、更新後のエリアの範囲は、西端の経線と更新後の南端の緯線との交点I、西端の経線と北端の緯線との交点B、更新後の東端の経線と北端の緯線との交点E、および更新後の東端の経線と南端の緯線との交点Gを頂点とする長方形で表される領域Sbである。
以上のように本発明の第3の実施の形態のデジタル放送受信装置によれば、エリア情報記憶部19に記憶されるエリアの範囲外でデジタル放送信号が受信可能であれば、そのエリア情報記憶部19に記憶されるエリアの範囲が、選局制御部20によって、デジタル放送信号を受信可能な範囲に更新される。これによって、デジタル放送の電波状況が変化し、それまで受信できなかったデジタル放送が受信できるようになった場合、エリア情報記憶部19は選局制御部20に与える物理チャンネルリストの中に、電波状況の変化によって受信できるようになったデジタル放送の物理チャンネルを格納することができる。したがって、本発明の第1の形態1のデジタル放送受信装置と比較して、デジタル放送の電波状況が変化した場合に、受信できるデジタル放送信号をスキャンしないおそれを低くすることができる。
以上に述べた本実施の形態では、選局制御部20は、デジタル放送が受信可能であると判断された地点が、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のエリアの範囲外である場合に、エリアの範囲を広くするように、エリアの範囲を更新する。このようにエリアの範囲を広くするように更新するだけでなく、たとえば、デジタル放送が受信不可であると判断された地点が、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のエリアの範囲内である場合に、エリアの範囲を狭くするように更新してもよい。
<第4の実施の形態>
次に本発明の第4の実施の形態のデジタル放送受信装置について説明する。本実施の形態のデジタル放送受信装置は、前述の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1と構成が同一であるので、図示および第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
前述の第2実施の形態のデジタル放送受信装置では、エリア情報のエリアの範囲は更新されない。したがって、送信電力の増加または新規送信所の新設などによってデジタル放送の電波状況が変化し、それまで受信できなかったデジタル放送が受信できるようになった場合でも、その受信できるようになったデジタル放送の物理チャンネルは、現在位置を表す位置情報を含むエリア情報には含まれない。これによって、受信できるようになったデジタル放送の物理チャンネルが、エリア情報記憶部19から選局制御部20に与えられる物理チャンネルのリストの先頭の領域に格納されないおそれがある。
このようにデジタル放送の電波状況が変化した場合に、受信できるようになったデジタル放送の物理チャンネルがリストの先頭の領域に格納されないと、この受信可能なデジタル放送信号を放送している物理チャンネルをサーチする順番が遅くなり、サーチに要する時間が長くなるおそれがある。
そこで、本実施の形態のデジタル放送受信装置では、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のエリアの範囲外でデジタル放送が受信可能であった場合、エリアの範囲を更新するように構成している。エリアの範囲の更新方法は、前述の第3の実施の形態のデジタル放送受信装置と同様であるので、共通する説明を省略する。
以上のように本発明の第4の実施の形態のデジタル放送受信装置によれば、エリア情報記憶部19に記憶されるエリアの範囲外でデジタル放送信号が受信可能であれば、そのエリア情報記憶部19に記憶されるエリアの範囲が、選局制御部20によって、デジタル放送信号を受信可能な範囲に更新することができる。これによって、デジタル放送の電波状況が変化し、それまで受信できなかったデジタル放送が受信できるようになった場合に、エリア情報記憶部19は、電波情報の変化によって受信できるようになったデジタル放送の物理チャンネルを、選局制御部20に与える物理チャンネルのリストに格納することができる。したがって、受信可能なデジタル放送信号の物理チャンネルが検出されなくなってしまうことを防ぐことができる。また、本発明の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置と比較して、デジタル放送の電波状況が変化した場合に、サーチに要する時間を短縮することができる。
<第5の実施の形態>
次に本発明の第5の実施の形態のデジタル放送受信装置について説明する。本実施の形態のデジタル放送受信装置は、前述の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1と構成が同一であるので、図示および第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
前述の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1では、デジタル放送信号が送信されている物理チャンネルが変化した場合、および新たな放送局からデジタル放送信号が送信されるようになった場合でも、エリア情報記憶部19に記憶される情報の内容を更新しない。したがって、物理チャンネルが変化したデジタル放送、および新たなデジタル放送が送信されている物理チャンネルがスキャンされないおそれがある。
また、前述の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1では、工場出荷時などに事前に全地域のエリア情報を記録して置かない限り、一度も移動したことのない地域のエリア情報は存在しないままとなる。したがって、一度も移動したことのない地域に移動した場合、全ての物理チャンネルをスキャンすることになり、スキャンに要する時間が長くなるおそれがある。
そこで、本実施の形態のデジタル放送受信装置では、受信したデジタル放送信号から抽出されたSIセクションの情報に応じて、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報の更新を行うように構成している。図7は、本発明の第5の実施の形態のデジタル放送受信装置のエリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のデータの形式の一例を示す図である。本実施の形態では、エリア情報記憶部19は、1つのエリア情報につき、1つのnetwork_idと、複数のts_idとを保持し、さらに1つのts_idにつき、複数の物理チャンネルを保持するように構成される。
本実施の形態のデジタル放送受信装置は、SIセクション、たとえばネットワーク情報テーブル(Network Information Table;略称:NIT)のセクションを受信した場合に、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報の内容を更新する。エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報の内容の更新は、選局制御部20によって実行される。
図8は、本発明の第5の実施の形態におけるデジタル放送受信装置の選局制御部20の動作の処理手順を示すフローチャートである。図8では、NITを受信したときの、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報の内容の更新の処理手順を示している。図8に示すフローチャートは、NITを受信すると処理を開始し、ステップc1に移行する。
ステップc1において、選局制御部20は、受信したNITのネットワークID(network_id)と等しいネットワークIDを含むエリア情報がエリア情報記憶部19に存在するか否かを判断する。NITのネットワークIDと等しいネットワークIDを含むエリア情報が存在すればステップc3に移行し、NITのネットワークIDと等しいネットワークIDを含むエリア情報が存在しなければステップc2に移行する。
ステップc2において、選局制御部20は、新たなエリア情報をエリア情報記憶部19に追加する。新たなエリア情報に含まれるエリアの範囲を規定する南端の緯度、北端の緯度、西端の経度および東端の経度の初期値は、次のとおりである。南端の緯度の初期値および北端の緯度の初期値は、いずれも現在位置の緯度であり、西端の経度の初期値および東端の経度の初期値は、いずれも現在位置の経度である。またエリア情報に含まれるネットワークID(network_id)の初期値は、受信したNITのネットワークID(network_id)であり、ts_idの初期値および物理チャンネルの初期値は、なしとして、記憶させない。ステップc2において、新たなエリア情報が追加されるとステップc3に移行する。
ステップc3において、選局制御部20は、受信したNITのネットワークIDと等しいネットワークIDを含むエリア情報をエリア情報記憶部19から選択して取得し、ステップc4に移行する。
ステップc4において、選局制御部20は、受信したNITの第2ループの全ての情報を取得したか否かを判断し、NITの第2ループの全ての情報を取得していれば、全ての処理手順を終了し、NITの第2ループの全ての情報を取得していなければ、ステップc5に移行する。
ステップc5において、選局制御部20は、受信したNITの第2ループの1つ分の情報を取得して、ステップc6に移行する。ステップc6において、選局制御部20は、ステップc3で選択したエリア情報に、ステップc5で取得したNITの第2ループに配置されているts_idが含まれているか否かを判断し、選択したエリア情報にNITのts_idが含まれていれば、ステップc8に移行し、選択したエリア情報にNITのts_idが含まれていなければ、ステップc7に移行する。
ステップc7において、選局制御部20は、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報のうち、ステップc3で選択したエリア情報に該当するエリア情報に、ステップc5で取得したNITのts_idを追加する。追加したts_idが保持する物理チャンネルは、なしとして、記憶させない。ステップc7においてNITのts_idが追加されると、ステップc8に移行する。
ステップc8において、選局制御部20は、受信したSIセクションのうち、ステップc7で追加したNITのts_idが配置される箇所と等しい箇所を選択して、ステップc9に移行する。ステップc9において、選局制御部20は、ステップc8で選択された箇所に配置される記述子(descriptor)の内容に応じて、エリアの範囲および物理チャンネルを更新する。たとえば、DVB(Digital Video Broadcasting)規格のcell list descriptorが存在する場合、cell list descriptorの内容に応じてエリアの範囲を更新する。また、DVB規格のfrequency list descriptorの内容に応じて物理チャンネルを更新する。また、上記の記述子以外の内容に応じて、エリアの範囲および物理チャンネルを更新してもよい。ステップc9において、エリアの範囲および物理チャンネルが更新されると、ステップc4に戻り、前述と同様の処理を行う。
以上のように本発明の第5の実施の形態のデジタル放送受信装置によれば、デジタル放送信号が送信されている物理チャンネルが変化した場合、および新たな放送局からデジタル放送が送信されるようになった場合、受信したNITなどのSIセクションに基づいて、エリア情報記憶部19に記憶される情報の内容を更新する。したがって、本実施の形態のように、受信したSIセクションの内容に応じてエリア情報記憶部19の内容を更新すれば、デジタル放送信号が送信されている物理チャンネルが変化した場合、および新たな放送局からデジタル放送信号が送信されるようになった場合に、物理チャンネルが変化したデジタル放送、および新たなデジタル放送信号が送信されている物理チャンネルをスキャンすることができる。
また、DVB規格では、現在位置の地域だけでなく、他の地域のNITの情報を送信することができる。したがって、受信したNITなどのSIセクションの情報に基づいて、一度も移動したことのない地域のエリア情報をエリア情報記憶部19に記憶させることができる。これによって、一度も移動したことのない地域に移動した場合に、第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1と比較して、スキャンに要する時間を短くすることができる。
<第6の実施の形態>
次に本発明の第6の実施の形態のデジタル放送受信装置について説明する。本実施の形態のデジタル放送受信装置は、前述の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1と構成が同一であるので、図示および第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
前述の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置では、デジタル放送信号が送信されている物理チャンネルが変化した場合、および新たな放送局からデジタル放送信号が送信されるようになった場合でも、エリア情報記憶部19に記憶される情報の内容を更新しない。したがって、物理チャンネルが変化したデジタル放送、および新たなデジタル放送信号が送信されている物理チャンネルをサーチする順番が遅くなるおそれがある。
また、前述の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置では、工場出荷時などに事前に全地域のエリア情報を記録して置かない限り、一度も移動したことのない地域のエリア情報は存在しないままとなる。したがって、一度も移動したことのない地域に移動した場合、チャンネル番号の小さい物理チャンネルから順にサーチすることになり、サーチに要する時間が長くなるおそれがある。
そこで、本実施の形態のデジタル放送受信装置では、受信したデジタル放送信号から抽出されたSIセクションの情報に応じて、エリア情報記憶部19に記憶されるエリア情報の更新を行うように構成している。エリア情報の更新の方法は、前述の第5の実施の形態のデジタル放送受信装置と同様である。
以上のように本発明の第6の実施の形態のデジタル放送受信装置によれば、デジタル放送信号が送信されている物理チャンネルが変化した場合、および新たな放送局からデジタル放送信号が送信されるようになった場合、受信したNITなどのSIセクションに基づいて、エリア情報記憶部19に記憶される情報の内容を更新する。これによって、第2の実施の形態のデジタル放送受信装置とは異なり、物理チャンネルが変化したデジタル放送、および新たなデジタル放送信号が送信されている物理チャンネルを先にサーチすることができる。したがって、第2の実施の形態のデジタル放送受信装置と比較して、サーチに要する時間を短くすることができる。
また本実施の形態のデジタル放送受信装置は、受信したNITなどのSIセクションの情報に基づいて、一度も移動したことのない地域のエリア情報をエリア情報記憶部19に記録することができる。したがって、一度も移動したことのない地域に移動した場合に、第2の実施の形態のデジタル放送受信装置と比較して、サーチに要する時間を短くすることができる。
<第7の実施の形態>
次に本発明の第7の実施の形態のデジタル放送受信装置について説明する。本実施の形態のデジタル放送受信装置は、前述の第1の実施の形態のデジタル放送受信装置1と構成が同一であるので、図示および第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
前述の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置は、現在位置を表す位置情報をエリアの範囲に含むエリア情報が複数存在した場合に、その複数存在するエリア情報の物理チャンネルをリストに格納する順番については考慮していない。したがって、複数存在するエリア情報の中で、受信状態の悪い物理チャンネルを含むエリア情報の物理チャンネルがリストの先頭に格納され、受信状態の良い物理チャンネルよりも先にサーチされてしまうおそれがある。受信状態が悪い物理チャンネルは、サーチしても見つからない可能性があるので、他の物理チャンネルをサーチする必要が生じ、サーチに要する時間が長くなるおそれがある。
そこで、本実施の形態のデジタル放送受信装置では、現在位置を表す位置情報を含むエリア情報が複数存在する場合、エリア情報に順位付けを行い、その順番に応じて物理チャンネルのリストに格納する順番を決めるように構成している。エリア情報の順位付けの方法の一例を、図9を用いて説明する。
図9は、本発明の第7の実施の形態におけるデジタル放送受信装置におけるエリア情報の順位付けの方法を説明するための図である。図9では、2つのエリア情報、すなわち番号1のエリア情報(以下「第1エリア情報」という)に含まれるエリアの範囲(以下「第1エリア範囲」という)41と、番号2のエリア情報(以下「第2エリア情報」という)に含まれるエリアの範囲(以下「第2エリア範囲」という)42とを示す。第1エリア範囲41と第2エリア範囲42とは、互いに重なる領域を有する。
図9では、第1エリア範囲41の中心点を参照符号43で表し、第2エリア範囲42の中心点を参照符号44で表し、デジタル放送受信装置を搭載した移動体の現在位置を参照符号45で表す。各エリア範囲41,42の中心点43,44の緯度は、そのエリア範囲の南端と北端との間の中間点の緯度とし、各エリア範囲41,42の中心点43,44の経度は、そのエリア範囲の西端と東端との間の中間点の経度とする。
図9に示す例では、移動体の現在位置45は、第1エリア情報の第1エリア範囲41と、第2エリア情報の第2エリア範囲42との両方に含まれる。この移動体の現在位置45と第1エリア情報の第1エリア範囲41の中心点43との距離d1は、移動体の現在位置45と第2エリア情報の第2エリア範囲42の中心点44との距離d2と比較して短い(d1<d2)。したがって、移動体の現在位置45では、第2エリア情報に含まれる物理チャンネルで放送されるデジタル放送と比較して、第1エリア情報に含まれる物理チャンネルで放送されるデジタル放送の方が受信状態が良いと考えられる。
この場合、本実施の形態では、エリア情報記憶部19は、選局制御部20に与える物理チャンネルのリストに、まず第1エリア情報に含まれる物理チャンネルを先頭に格納し、その次に第2エリア情報に含まれる物理チャンネルを格納し、その次に残りの物理チャンネルを格納する。
以上のように本発明の第7の実施の形態のデジタル放送受信装置によれば、位置情報取得部18で取得される位置情報で表される現在位置をエリアの範囲に含むエリア情報が複数存在するとき、その位置情報で表される現在位置と各エリア情報に含まれるエリアの範囲とに応じて、具体的には、エリア情報のエリアの範囲の中心点と現在位置との距離に応じて、エリア情報記憶部19によって各エリア情報が順位付される。そして、その順位付けに応じた順番で、各エリア情報に含まれる物理チャンネルが物理チャンネルのリストに格納される。
これによって、順位付けに応じた順番で物理チャンネルの受信の可否を判断することができる。たとえば、より受信状態が良いと考えられるエリアの範囲を含むエリア情報を他のエリア情報よりも高い順位にすれば、より受信状態が良いと考えられる物理チャンネルを、他の物理チャンネルよりも先にサーチして受信の可否を判断することができる。したがって、前述の第2の実施の形態のデジタル放送受信装置と比較して、サーチして受信可能な物理チャンネルを検出するまでに要する時間をさらに短縮することができる。
以上に述べた本実施の形態では、エリア情報の順位付けは、現在位置とエリアの範囲の中心点との距離に応じて行うように構成されているが、必ずしもこのような構成に限定されない。本発明の他の実施の形態では、デジタル放送の放送波を送信する中継局の電波の送信強度を考慮して、エリア情報の順位付けを行うように構成されてもよい。この場合、エリア情報には、そのエリアの範囲における電波の送信強度を保持するようにし、現在位置とエリアの範囲の中心点との距離だけではなく、エリアの範囲における電波の送信強度も考慮に入れて、エリア情報の順位付けを行う。これによって、より受信状態が良いと考えられる物理チャンネルを他の物理チャンネルよりも先にサーチすることができるので、サーチに要する時間が短くなる可能性が高くなる。