この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
この発明は、位置情報と目的地までのルートを探索し、移動体の移動に伴いこの先受信可能となるであろう放送エリアを予想して、チャンネルリストの優先順位を設定して、複数のチャンネルリストを用意して、このチャンネルリストの優先順位に従い選局を行う受信装置を提供するものである。
また、現在選局中の放送局の視聴が困難な場合には、現在のチャンネルリストに存在する放送局から、受信状態が最も良好な同一系列の放送局を自動受信するように構成するものである。
以下、この発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。図1は、この実施形態おけるデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態おけるデジタル放送受信装置1は、移動体である自動車や携帯電話などに搭載されて使用するもので、デジタル放送受信部10、ディスプレイ31、スピーカ32からなる出力装置30及びテンキー、タッチパネルで構成される入力装置33を含んで構成されている。
デジタル放送受信装置1は、チューナ部12により受信されるデジタル放送による映像、音声を出力させるデジタル放送受信部10としての機能と、入力装置33より入力される情報に基づき移動体が移動する目的地までのルートを探索するルート探索機能とが設けられている。
デジタル放送受信部10は、放送方式(伝送レート)が異なる複数の番組の信号が多重化されたデジタル放送、即ち、同時に送信される固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送を受信することができる、なお、移動体向けデジタル放送だけを受信できるように構成しても良い。
デジタル放送は、1チャンネルを13個のセグメントに分割するとともに、それを最大3つの階層(A階層、B階層、C階層)にグループ化して階層毎に異なる放送パラメータを設定することが可能な方式(階層伝送方式)により送信されている。1チャンネル内に携帯受信向け放送のための帯域、例えば、A階層の1セグメントが確保され、残りの12セグメントが移動体向けのB階層、固定向けのC階層に割り当てられる。A階層、B階層、C階層の順でビットレートが高くなっており、A階層により受信される番組の映像が最も低品質となり、C階層により受信される番組の映像が最も高品質となる。
出力装置30は、LCD(Liquid Crystal Display)などにより構成されるディスプレイ31及びスピーカ32が含まれている。
入力装置33は、キーボードや各種機能ボタン、ディスプレイ31の表示面と一体化して設けられるタッチパネルなどのポインティングデバイスが設けられる。ユーザは、入力装置33を用いて、リモコン番号、各種機能を指示する情報を入力する。
入力装置33を用いて、現在位置、目的地、経由経路等の情報が入力され、そのデータがRAM17に格納される。格納されたデータはバス40から制御部としてのCPU11に与えられる。CPU11は、与えられた各種データに基づき、現在地、目的地並びに目的地までの経路(ルート)を探索し、経路(ルート)、目的地等の情報をRAM17に与える。また、場所と郵便番号、電話番号等の対応関係を示す対象データベースをROM16に格納し、CPU11は、係る対象データベースを用いて、目的地検索などを行うこともできる。その目的地検索による経路(ルート)、目的地等の情報がRAM17に格納される。
放送局60からの電波をアンテナ11aにより受信し、受信した電波がチューナ部12に与えられる。チューナ部12は、デジタル放送受信装置10のCPU11からバス40を介して与えられる選局制御信号に応じて、アンテナ11aにより受信される所定のチャンネル周波数に同調して、中間周波数に変換して増幅する。チューナ部12は、例えば中間周波数の信号レベルに基づいてデジタル放送信号のレベル変化(受信電界強度)を検出することができる。
また、チューナ部12は、デジタル放送信号を復調し、誤り検出及び訂正を行った後、復号したトランスポートストリーム(TS(Transport Stream))信号をバス40を介してTS分離部13へ出力する。このチューナ部12は、誤り訂正前後のビットエラー率(BER)を検出することができ、現在の受信レベルやBERなどを受信状態情報としてCPU11へ出力する。なお、受信状態情報には、BERだけでなく増幅時のAGC(Auto Gain Control)による利得値を含めても良い。復調、誤り訂正等は、例えば、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial:地上デジタル放送)デコーダにより、復調、誤り訂正等の処理を施し、TS信号として出力される。復調は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に基づいて行われる。
また、チューナ部12は、後述するように、受信チャンネルリストメモリ18に格納されたチャンネルリストに従い、CPU11の指示に応じて現在使用するチャンネルリストが選択され、選択されたチャンネルリストにより選局が行われる。
CPU11は、デジタル放送受信装置1全体の制御を司るもので、ROM16に記憶されたプログラムを実行することで、放送受信機能を制御する。この実施形態では、RAM17に各納された情報に基づき、移動体の移動等に伴いこの先受信可能となるであろう放送エリアを予想して、チャンネルリストの優先順位を設定して、その優先順位に従い最適なチャンネルリストを選択し、所望のチャンネル等をチューナ部12が選択できるように制御する。また、複数階層で同一番組が放送(サイマル放送)されている場合に、一時的な受信状態の変化に影響されないようにして、最適な放送方式(伝送レート)によって送信されている番組を出力するように制御するように構成することもできる。
ROM16は、デジタル放送受信装置1により提供される各機能を実現するためのプログラムなどが記憶されるもので、放送受信機能を実現するためのプログラムには、後述するチャンネルサーチ、チャンネルリストの切替、更新制御を実行するためのプログラムが含まれている。ROM16は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクが用いられ、上記したプログラムが格納される他、番組情報(EPG)、地域対象放送局リスト等が格納される。
TS分離部13は、チューナ部12から出力されたTSを、各階層毎のTSに分離して出力する。TS分離部13では、多重されている番組を構成する映像データ及び音声データを分離抽出する他、付加情報として多重伝送されるNIT(Network Information Table)等を分離抽出する。
TS分離部13で分離された映像データは、バス40を介して映像デコーダ14に供給される。この実施形態においては、符号化映像データは、H.264データとしている。映像デコーダ14は、H.264の符号化映像データを復号し、非圧縮のデジタル映像信号を出力する。この非圧縮のデジタル映像信号がビデオ(Video)出力部から出力され、出力装置30のディスプレイ31に与えられる。また、符号化映像データがMPEG(Moving Picture Experts Group)データである場合には、映像デコーダ14は、MPEGの復号が実行され、非圧縮のデジタル映像信号を出力する。
出力装置30に与えられる非圧縮のデジタル映像信号は、ディスプレイ31の表示形式に対応したビデオ信号にエンコードされ、ディスプレイ装置31にて表示される。
ディスプレイ装置31には、例えば、CPU11から供給されるGUI形式のOSD(On Screen Display)情報を重畳して表示される。CPU11からは、操作ボタン、電子プログラム画面、メニュー画面その他の文字情報等が与えられる。
また、TS分離部13で分離された音声データは、バス40を介して音声デコーダ15に与えられ、音声デコーダ15でACC復号処理がなされて非圧縮のデジタル音声データとして出力装置30のスピーカ32に与えられる。音声データは図示しないDAC(Digital Analog Converter)でデジタル信号からアナログ信号に変換された後、所定の音量に制御されスピーカ32から出力される。
TS分離部232で分離抽出されたNIT等の付加情報は、バス40からCPU11に与えられ、そして、CPU11からRAM17に格納される。
上記したRAM17は、各種プログラムやデータなどが一時的に記憶されるもので、デマルチプレクサ31を通じて入力されたTSを保存あるいは展開するためのエリアが設けられる。
この実施形態におけるデジタル放送受信部10は、不揮発性メモリで構成される受信チャンネルリストメモリ18がバス40に接続されている。この受信チャンネルリストメモリ18には、移動体の移動等に伴いこの先受信可能となるであろう放送エリアを予想して、チャンネルリストの優先順位が設定された複数の放送エリアにおける放送局情報リストとしてのチャンネルリストが格納されている。このチャンネルリストは、ROM16に格納されている地域対象放送局リストからCPU11が探索した経路情報に基づき、複数のチャンネルリストを読み出し、現在地から目的地まで経路に従い優先順位を着けて各チャンネルリストを格納する。
この実施形態においては、受信チャンネルリストメモリ18を別回路ブロックで記載しているが、RAM17に受信チャンネルリストメモリ領域を設け、CPU11により、リスト更新部の機能を動作させることにより、受信チャンネルリストメモリ18を別回路として設けなくてもよい。
また、RAM17には、エリア内における最適な放送方式を示す放送方式情報、通信タワー60から送信された電波が受信される際の予想の受信レベルを示す情報なども格納され、更に、同エリアにおける移動体(車両)の走行状態(速度、方向、高度)を示す情報を追加して蓄積することができる。
次に、上述したCPU11の制御動作を機能ブロックとして図2に示す。CPU11はROM16に格納されているプログラムにより、図2に示す制御動作を示す機能により、各種動作を制御するものである。
CPU11は、図2に示すように、切り替え制御部111、リスト更新部112、チャンネル選局部113、放送分析部114としての制御動作を行う。CPU11とチューナ部12、TS分離部13、ROM16、入力装置33、受信チャンネルリストメモリ18とは、バス40を介して接続されている。
入力装置33からリモコン番号又は3桁番号が入力されると、その情報がバス40からCPU11に与えられる。切り替え制御部111は、リモコン番号又は3桁番号の情報が与えられると、リスト更新部112、チャンネル選局部113及び放送分析部114を制御することにより、切り替え選局を開始する。また、放送エリアが圏外になるなどの受信状態に異常が生じた場合も切り替え選局を開始する。切り替え制御部111は、受信チャンネルリストメモリ18に記憶されている全てのチャンネルリストを検索しても、受信可能なチャンネルがない場合はチャンネルサーチを開始するように動作を制御する。
リスト更新部112は、受信チャンネルリストメモリ18に対する読み出し制御及び書き込み制御を行う。例えば、受信チャンネルリストメモリ18に記憶された複数のチャンネルリストの中から使用するチャンネルリストに設定する順番(優先順位)を管理し、更に、チャンネルリストの更新を制御する。
チャンネル選局部113は、切り替え制御部111からの指示を受け、チューナ部12に物理チャンネル(Ch)を設定し、チューナ部12から得られる受信状態情報に基づき、設定した物理チャンネルに受信可能な放送波(TS)がある場合は、物理チャンネル選局の成功とし、チューナ部12からTS分離部13へTSのまま出力させる。受信可能な放送波(TS)がない場合は、物理チャンネル選局の失敗とし、切り替え選局制御部111にその旨通知する。
放送分析部114は、切り替え制御部111の指示を受け、TS分離部13の設定と、TS分離部13によって分離されたデータの解析を行う。この解析により、得られる放送局情報、TSのサービス構成などを切り替え制御部121に通知する。また、チューナ部12の状態を監視し、デジタル放送受信装置1が放送エリア圏外に移動した場合も、その旨切り替え選局制御部121に通知する。
各地域の放送局対応表の例を図3に示す。図3に示すように、地域識別データ0〜63の符号により地域を特定するものである。0〜9が広域放送を示し、10〜63が県域(県内局)放送を示す。具体的に示すと、図3に示すように、広域放送は関東、近畿、中京の他、北海道域、岡山香川、島根鳥取を含む。また、県域放送は、北海道が6に区分けされる他、各県毎に分けられている。図4は、近畿地方のチャンネルリスト、図5は、中国四国地方のチャンネルリストの一部である。図6は、事業者系列番号と系列を代表する放送事業者を示すリストである。図4、図5のチャンネルリストには、地域、放送局名、リモコン番号、物理チャンネル、事業者系列番号が含まれる。尚、各チャンネルリストには、図では示していないが、更に、3桁番号、サービスID、受信レベル、などが含まれる。
受信チャンネルリストメモリ18には、移動体の現在位置に対応する地域を放送チャンネルリストを優先順位の一番高いチャンネルリストとして格納され、目的地までの経路に沿って優先順位を決められた複数のチャンネルリストが格納される。
この実施形態は、自動車等の移動体で移動しながら放送を受信している際に、受信できる放送圏のエリアが異なると、予め経路を設定したデータに基づき、移動体がいるチャンネルのリストが用いられるように、現在使用しているチャンネルのリスト切り替えて更新する。すなわち、現在受信している送信局のサービスエリアを出て隣の送信局のサービスエリアに入ったときや、受信できる物理チャンネルがない場合には、次の優先順位のチャンネルリストに切り替えることができる。
また、移動体で移動しながら放送を受信している際に、現在視聴している番組と同じ系列の番組が例え物理チャンネル、リモコン番号、3桁番号が異なっていても自動的に探し、継続的に視聴することを可能とするものである。
図7では、その様子を模式的に示す。A送信局301の受信可能範囲304の中をA送信局の放送を受信している移動体400が、B送信局302の受信可能範囲306を経て目的地310のC送信局303のサービスエリアまで行く様子を示している。尚、移動体400が入力装置33を用いて設定した目的地310は、B送信局302の隣のC放送局303の受信可能範囲308としている。
例えば、ユーザが入力装置33を用いて、現在地が大阪で目的地が岡山として、高速道路あるいは鉄道を用いて移動すると入力する。この入力に従いCPU11は、経路を探索し、大阪の放送エリアから兵庫の放送エリアを経て岡山の放送エリアに至る経路を求める。そして、CPU11は、ROM16の地域対象放送局リストより、大阪の放送エリア、兵庫の放送エリア、岡山の放送エリアに対応するチャンネルリストを読み出す。そして、優先順位を大阪が1番に、2番目が兵庫、3番目を岡山にそれぞれ設定し、各放送エリアのチャンネルリストを受信チャンネルリスト18に優先順位とともにそれぞれ格納する。
図8は、図7に示す移動経路に従ったチャンネルリストであり、Aエリアが大阪、Bエリアが兵庫、Cエリアが岡山である。優先順位は(A)から(B)そして(C)となっている。
図7において、移動体400は、A送信局301のサービスエリア(Aエリア:大阪)305のなかでA送信局301の放送を受信しているものとする。B送信局302、C放送局303のサービスエリアは、Bエリア(兵庫)307、Cエリア(岡山)309とする。
以下、この発明の第1の実施形態の動作につき、図9ないし図10のフローチャートに従い説明する。まず、移動経路を検出し、複数のチャンネルリストを受信チャンネルリストメモリ18に設定する動作につき図9のフローチャートに従い説明する。
ユーザは放送受信装置1の入力装置33を用いて、ユーザが移動する経路を設定するために、現在地、目的地、電車、車、高速道路を用いる等の移動手段を入力する(ステップS101)。尚、ユーザが移動経路を入力装置33を用いて直接設定してもよい。例えば、大阪の新大阪駅から新幹線を利用して岡山に向かうというような設定を行うこともできるように構成している。
CPU11は、入力された現在地、目的地、移動手段等の情報に基づき、移動経路を探索する(ステップS102)。尚、この発明の放送受信装置がナビゲーション装置に搭載される場合には、ナビゲーション装置のルート検索機能を用いて、移動経路を探索すればよい。また、ユーザが移動経路を設定している場合には、設定した移動経路をCPU11が選択する。
続いて、求めた移動経路に従い、現在地から目的地までの各放送エリアのチャンネルリストをROM16より読み出す(ステップS103)。
その後、CPU11は、読み出したチャンネルリストを移動経路に沿って、優先順位を付し、受信チャンネルリストメモリ18に格納する(ステップS104)。大阪を現在地、目的地が岡山の場合には、優先順位は、大阪を1番に、2番目を兵庫、3番目を岡山に設定し、各放送エリアのチャンネルリストを受信チャンネルリスト18に優先順位とともにそれぞれ格納する。
このように、現在地から目的地まで移動経路に沿って、各放送エリアのチャンネルリストが受信チャンネルリスト18に格納され、このチャンネルリストに従い放送受信装置1の選局動作が行われる。
図10は、選局動作を示すフローチャートである。図10に従い、選局動作につき説明する。
選局動作を開始すると、CPU11は、入力装置33にて選局ボタンが押下される迄待機する(ステップS1)。入力装置33にて選局ボタンが押下されると、ステップS2では、切り替え制御部111が、入力装置33から入力されたリモコン番号又は3桁番号と対応する物理チャンネルが現在設定されているかを判断する。そして、リスト更新部112を介して受信チャンネルリストメモリ18に格納された現在用いるものとして設定されたチャンネルリスト中に物理チャンネルが存在するかを判断する。この判断の際に使用するチャンネルリストは、移動経路に従い、現在地から目的地まで格納されたチャンネルリストの優先順位に従い設定される。最初に選局動作を開始する際には優先順位が最も高いものが使用するチャンネルリストとして設定されている。図7に示す例においては、大阪エリアのチャンネルリストが最初に設定されている。
ステップS2において、物理チャンネルが現在設定されている又はチャンネルリスト中に存在する(YES)と確認された場合、ステップS3に進み、現在設定されておらず、かつチャンネルリスト中に存在しない(NO)と確認された場合、ステップステップS6に進む。
ステップS3では、切り替え制御部111がチャンネル選局部113を制御することにより、入力装置33から入力されたリモコン番号又は3桁番号と対応する物理チャンネルでチューナ部12を設定し、放送波(TS)の受信を行う。
続いて、ステップS4では、ステップS3における物理チャンネルの選局が成功したか否かがチャンネル選局部113において判断され、成功した(YES)と判断されるとステップS5に進み、失敗した(NO)と判断されるとステップS6に進む。
ステップS5では、ステップS3における物理チャンネル選局により得られた放送波(TS)を解析し、放送局の特定、放送局の事業者系列番号及びチャンネルリストの設定変更を行い、ステップS10に進む。
この処理においては、後述する受信感度の悪化もしくは完全に受信できなくなったときなどにより、現在視聴している放送局と同じ系列の放送局を自動的にサーチするために、選局した放送局の系列を示す事業者系列番号を保存する。この事業者系列番号は、予めチャンネルリストにセットされていれば、そのデータから事業者系列番号を取得する。あるいは、図4に示すような放送局と系列番号の対応テーブルをROM16等に格納しておき、対応テーブルに基づき事業者系列番号を取得する。
物理チャンネルが現在設定されておらず、かつチャンネルリスト中に存在しない、あるいは、物理チャンネルの選局が失敗すると、ステップS6に進む。ステップS6では、受信チャンネルリストメモリ18に記憶されている全てのチャンネルリストについて物理チャンネル選局を行ったか否かが切り替え制御部111において判断され、行っていない(NO)と判断されたらステップS7に進み、行っている(YES)と判断されたらステップS8に移行する。
ステップS7では、リスト更新部112が現在使用するものとして設定しているチャンネルリストを次ぎの優先順位のチャンネルリストに変更し、ステップS2に戻る。このように、移動経路に従い、現在地から目的地までのチャンネルリストの優先順位に従ってチャンネルリストを切り替えることにより、次のチャンネルリストで選局が成功する可能性が向上する。
以後、選局が成功するまでは、上述の動作を繰り返す。そして、ステップS6において、選局が成功せず、受信チャンネルリストメモリ18に格納したチャンネルリストをすべて確認したと判断すると、ステップS8に進む。
ステップS8では、既にチャンネルサーチを行ったか否かが切り替え制御部111において判断され、行っていない(NO)と判断されたらステップS9に進み、行っている(YES)と判断されたらステップS10に進む。
ステップS9では、切り替え制御部111がROM16に格納されている13チャンネルから62チャンネルの物理チャンネルのチャンネルサーチを行い、現時点で受信可能なチャンネルを検出し、新しいチャンネルリストを作成し、ステップS2に戻る。
このように、受信チャンネルリストメモリ18に記憶された全てのチャンネルリストを用いて選局が失敗してはじめてチャンネルサーチを行うことにより、チャンネルサーチを行う頻度を低く抑えることができる。なお、チャンネルサーチを行う場合、選局が失敗したチャンネルリストのチャンネルをサーチ対象から除外することにより、高速にチャンネルサーチを行うことができる。
ステップS10では、チャンネルリスト識別情報などの切り替え選局結果をディスプレイ31に表示し、切り替え選局処理を終了する。
図1及び図2に示した受信チャンネルリストメモリ18は、チャンネルリスト特定処理における放送局の特定とチャンネルリストの設定変更(図10のステップS5に相当)が行われるたびに、対応するリモコン番号を現在使用しているチャンネルリスト識別情報と共にラストチャンネルリストとして記憶する。なお、ここでは、リモコン番号を例に挙げているが、3桁番号又はサービスIDでもよく、チャンネルを表示できる情報であれば何でもよい。
このように、この実施の形態によれば、放送受信装置が移動経路に従い、現在地から目的地まで格納されたチャンネルリストの優先順位に従い複数の異なる放送エリアにそれぞれ対応する複数のチャンネルリストを予め備え、放送受信装置が放送エリアを越えて移動した場合、予め備えている複数のチャンネルリストから次の放送エリアと推定できる放送エリアのチャンネルリストに切り替えて選局する。この結果、選局可能なチャンネルリストを速やかに選択することができる。
次に、この発明の第2の実施の形態につき説明する。この第2の実施形態では、移動によって視聴中の放送局の受信感度が悪化もしくは完全に受信できなくなった場合について説明する。なお、この実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成は図1及び図2と同様であるので、図1及び図2を援用して説明する。
図11は、この発明の第2の実施の形態に係るデジタル放送受信装置のテレビ再生中における異常受信回避処理の手順を示すフローチャートである。
テレビ再生中は、図11に示すように、CPU11は、放送波が正常に受信され、映像及び音声が再生されているかを判断している(ステップS201)。ステップS201において、放送波を正常に受信している(YES)と判断されると、異常受信回避処理を終了する。一方、受信状態が悪く、映像又は音声などの再生にエラーを起こし、再生が停止するような場合など、放送波を正常に受信していない、すなわち、異常受信である(NO)と判断すると、ステップS202に移行する。
ステップS202では、現在テレビ再生していた放送局の事業者系列番号を取得する。この系列番号情報は、チャンネルリスト特定処理における放送局の特定とチャンネルリストの設定変更(図10のステップS5に相当)の処理の際に、保存されている事業者系列番を読み出す。なお、この事業者系列番号は、予めROM16に格納しておけばよいが、ROM16に格納されていない場合には、放送データから構築して受信チャンネルリストメモリ18に格納するように構成しても良い。放送データから構築する場合には、放送データの1つであるBIT(Broadcaster Information Table)の系列事業者情報から取得すればよい。
続いて、ステップS203において、リスト更新部112が現在使用するものとして設定しているチャンネルリストを次ぎの優先順位のチャンネルリストに変更し、ステップS204に進む。
ステップS204では、切り替え制御部111が、事業者系列番号に対応する放送局の物理チャンネルが存在するかを判断する。即ち、リスト更新部112を介して受信チャンネルリストメモリ18に格納された現在用いるものとして設定されたチャンネルリスト中の各放送局の事業者系列番号を検索し、再生していた放送局の事業者系列番号と同じ放送局があるか否か検索し、事業者系列番号に対応する放送局の物理チャンネルが存在するかを判断する。事業者系列番号が同じである同一系列の放送局を検索するのは、同一系列の放送局同士では、ローカルなニュース等を除けば、ほぼ同じ内容の番組が放送されている可能性が高いため、受信状態が良好な同一系列局に切り替えれば番組が途中で切れることなく視聴することができるからである。また、放送エリアが変わるとリモコン番号及び3桁番号が変わり、同一系列の放送局でおいてもリモコン番号及び3桁番号が変わる場合がある。このため、放送エリアが変わった場合、ユーザが入力したリモコン番号または3桁番号に対応する物理チャンネルを選局すると、系列局が異なる場合がある。そこで、この実施形態においては、事業者系列番号から対応する物理チャンネルを特定するように構成している。
そして、対応する事業者系列番号がチャンネルリスト中に存在する(YES)と確認された場合、ステップS205に進み、チャンネルリスト中に存在しない(NO)と確認された場合、ステップステップS208に進む。
ステップS205では、切り替え制御部111がチャンネル選局部113を制御することにより、事業者系列番号に対応する物理チャンネルでチューナ部12を設定し、放送波(TS)の受信を行う。
続いて、ステップS206では、ステップS205における物理チャンネルの選局が成功したか否かがチャンネル選局部113において判断され、成功した(YES)と判断されるとステップS207に進み、失敗した(NO)と判断されるとステップS208に進む。
ステップS207では、ステップS3における物理チャンネル選局により得られた放送波(TS)を解析し、放送局の特定、放送局の事業者系列番号及びチャンネルリストの設定変更を行い、ステップS212に進む。
そして、ステップ212において、同一系列の放送局名等をディスプレイ31に表示し、同一系列の放送局に切り替えたことをユーザに知らせる。
対応する物理チャンネルが設定されておらず、あるいは、物理チャンネルの選局が失敗すると、ステップS208に進む。ステップS208では、受信チャンネルリストメモリ18に記憶されている全てのチャンネルリストについて、事業者系列番号の検索並びに物理チャンネル選局を行ったか否かが切り替え制御部111において判断され、行っていない(NO)と判断されたらステップS209に進み、行っている(YES)と判断されたらステップS210に移行する。
ステップS209では、リスト更新部112が現在使用するものとして設定しているチャンネルリストを次ぎの優先順位のチャンネルリストに変更し、ステップS204に戻る。
以後、選局が成功するまでは、上述の動作を繰り返す。そして、ステップS208において、選局が成功せず、受信チャンネルリストメモリ18に格納したチャンネルリストをすべて確認したと判断すると、ステップS210に進む。
ステップS210では、既にチャンネルサーチを行ったか否かが切り替え制御部111において判断され、行っていない(NO)と判断されたらステップS211に進み、行っている(YES)と判断されたらステップS212に進む。
ステップS211では、切り替え制御部111がROM16に格納されている13チャンネルから62チャンネルの物理チャンネルのチャンネルサーチを行い、現時点で受信可能なチャンネルを検出し、新しいチャンネルリストを作成し、ステップS204に戻る。
そして、ステップS204において、作成されたチャンネルリストに対応する事業者系列番号が有るか否か検索して前述した動作を行う。
そして、チャンネルサーチを終了した後も同じ事業者系列番号がない場合には、選局結果表示には、選局可能なリモコン番号をディスプレイ31に表示させる(ステップS212)。そして、異常受信回避処理を終了する。
このように実施の形態によれば、テレビ再生中の放送波を異常受信した場合、異常受信と判断されたチャンネルの事業者系列番号と一致するチャンネルがあれば、そのチャンネルで選局することにより、テレビ再生中に放送受信装置が放送エリアを越えて移動した場合でも、移動先の放送エリアにおいて同一番組のテレビ再生を継続することができる。しかも、同一系列の放送局であってもリモコン番号及び3桁番号が異なる場合においても、事業系列番号に基づき物理チャンネルを特定し、選局を行うので、移動先の放送エリアにおいて同一番組のテレビ再生を継続することができる。
上記した第2の実施形態において、図7、図8に示す態様に従い具体的な例につき説明する。ここで、受信チャンネルリストメモリ18に大阪、兵庫、岡山の放送エリアに対応するチャンネルリストが設定された状態で、兵庫県から岡山県に移動する場合につき説明する。例えば、兵庫県でMBS放送を視聴していて、県境にさしかかり、MBS放送が視聴できなかったとする。このときMBS放送と事業者系列番号の岡山の放送局を視聴することができれば、兵庫県で視聴していた番組を引き続き視聴することができる。
MBS放送を受信しているときに、MBS放送の事業者系列番号が「2」であることが受信チャンネルリストメモリ18に格納されている。受信状態が悪化し、正常受信ができなくなると、受信チャンネルリストメモリ18に格納されているチャンネルリストから現在使用しているチャンネルリストを次の優先順位のチャンネルリストに替える。例えば、MBS放送を受信し、大阪から兵庫に移動した際には、正常受信の状態が続いているので、現在使用しているチャンネルリストは大阪のままである。このため、チャンネルリストは次の優先順位の兵庫に切り替えられる。MBS放送と同じ系列番号を検索すると、兵庫も大阪も同じMBS放送の物理チャンネルが選択される。従って、チャンネルリストを兵庫に切り替えても受信ができない状態が続き、次の優先順位である岡山にチャンネルリストが切り替えられる。
岡山のチャンネルリストで、事業者系列番号が「2」の放送局を検索する。岡山のチャンネルリストでは、事業者系列番号が「2」の放送局が山陽放送であり、その物理チャンネルは「21」である。物理チャンネル「21」で選局を行えば、山陽放送を受信でき、同じ系列の放送を引き続き受信できることになる。このように、テレビ再生中に放送受信装置が放送エリアを越えて移動した場合でも、移動先の放送エリアにおいて同一番組のテレビ再生を継続することができる。
上述した実施形態においては、移動により放送エリアが変更になっても、正常受信状態が続いている場合には、チャンネルリストは変更されない。このため、さらに、移動して、放送エリアが変更になり、正常受信が行えなくなった場合に、選局動作が直近に位置した移動体の放送エリアとは異なるエリアのチャンネルリストから行うことになる。そこで、この第3の実施形態においては、移動体の現在地を考慮し、正常受信状態が続いている場合においても、移動体が異なる放送エリアに移動した場合には、移動体の位置に対応してチャンネルリストを変更するように構成したものである。
図12は、この第3の実施形態おけるデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
この第3の実施形態おけるデジタル放送受信装置1は、移動体である自動車などに搭載されて使用するもので、デジタル放送受信部10、ナビゲーション部20、ディスプレイ31、スピーカ32からなる出力装置30及びテンキー、タッチパネルで構成される入力装置33を含んで構成されている。
この第3の実施形態のデジタル放送受信装置1は、チューナ部12により受信されるデジタル放送による映像、音声を出力させるデジタル放送受信部10としての機能と、ナビゲーション部20によって取得される移動体(車両)の移動状態(速度、方向等)の情報をもとにナビゲーション情報(地図、音声案内など)を出力させるナビゲーション機能とが設けられている。
デジタル放送受信部10の構成は、上述した図1及び図2に示す構成と同じ構成であり、同一部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるために、ここでは、その説明を割愛する。
ナビゲーション部20は、移動体の移動状態を示す情報を取得するもので、GPS衛星50からの信号をGPSアンテナ21aにより受信して現在位置の緯度/経度/高度を表す位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)部21と、車両の走行速度を検知して車速情報を取得する車速度センサ22と、車両の進行方向を示す進行方向情報を取得するジャイロセンサ23が設けられている。そして、GPS部21と、車速度センサ22と、ジャイロセンサ23からの各情報は、バス40を介してCPU11に与えられる。
CPU11は、GPS部21と、車速度センサ22と、ジャイロセンサ23からの各情報による航法データ基づいて、現在位置を検出し、この検出した現在位置がどのエリアに属するか判断し、その判断結果をRAM17に格納する。
また、図示しない場所と郵便番号、電話番号等の対応関係を示す対象データベースを備え、CPU11は、係る対象データベースを用いてナビゲーション部20の目的地検索などを行う。その目的地検索による経路(ルート)、目的地等の情報がRAM17に格納される。このナビゲーション部20の経路(ルート)検索を利用して、受信チャンネルリストメモリ18に、現在地から目的地まで経路に従い優先順位を着けて各チャンネルリストを格納する。
この実施形態は、自動車等の移動体で移動しながら放送を受信している際に、受信できる放送圏のエリアが異なると、移動体がいるチャンネルのリストが用いられるように、受信チャンネルリストメモリ18に格納されているチャンネルリストの優先順位に従ってチャンネルリストを切り替える。すなわち、現在受信している送信局のサービスエリアを出て隣の送信局のサービスエリアに入ったとき、チャンネルを自動で切り替えることができる。また、移動体で移動しながら放送を受信している際に、現在視聴している番組と同じ系列の番組が例え物理チャンネルが異なっていても自動的に探し、継続的に視聴することを可能とするものである。
基本的な選局動作は、第1の実施形態と同じであり、この実施形態においても図9及び図10に示す選局動作が行われる。
移動によって視聴中の放送局の受信感度が悪化もしくは完全に受信できなくなった場合における第3の実施形態の動作について説明する。なお、この実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成は図1及び図2と同様であるので、図1及び図2を援用して説明する。
図13は、この発明の第3の実施の形態に係る放送受信装置のテレビ再生中における異常受信回避処理の手順を示すフローチャートである。この第3の実施形態においては、移動体の現在地を考慮し、正常受信状態が続いている場合においても、移動体が異なる放送エリアに移動した場合には、移動体の位置に対応してチャンネルリストを変更する。
テレビ再生中は、図13に示すように、CPU11は、放送波が正常に受信され、映像及び音声が再生されているかを判断している(ステップS201)。ステップS201において、放送波を正常に受信している(YES)と判断されると、ステップ221へ進み、正常受信状態が続いている場合においても、移動体が異なる放送エリアに移動した場合には、移動体の位置に対応してチャンネルリストを変更するための処理を行う。ステップS221において、ナビゲーション部20より移動体の現在地を求め、ステップS222に進む。ステップS222においては、放送エリアが変更したか否か判断する。即ち、検出した現在位置が現在使用しているチャンネルリストの放送エリアであるか判断する。そして、放送エリアの変更がない(NO)と判断されると、ステップS201に戻り、上述の動作を繰り返す。
一方、移動体の現在位置における放送エリアが変更になっている(YES)と判断されると、ステップS223に進む。ステップS223においては、受信チャンネルリストメモリ18に格納されているチャンネルリストの中に対応する放送エリアがあるか否か判断する。移動体が現在いる地域のチャンネルリストが受信チャンネルリストメモリ18内に存在する場合(YES)には、ステップS224に進む。ステップS224において、リスト更新部112が現在使用するものとして設定しているチャンネルリストを現在位置の放送エリアに対応するチャンネルリストに変更し、このリストの優先順位より順次下の優先順位を繰り上げ、このリストより上位の優先順位を繰り下げてチャンネルリストの優先順位を変更する。例えば、上述したように、図7に示す移動経路が設定されており、Aエリアが大阪、Bエリアが兵庫、Cエリアが岡山であるとすると、図8に示すように、優先順位は(A)が1番、(B)が2番、(C)が3番となっている。大阪から兵庫に移動体が移動しても、正常受信が殆ど続く。このとき、移動体が兵庫に移動すると、CPU11は、移動体の現在位置から放送エリアが変更されたことを検出する。この検出により、リスト更新部112が兵庫の放送エリアのチャンネルリストを現在使用するチャンネルリストに変更し、次の優先順位である岡山を次の優先順位の1番目とし、大阪は、岡山の次の優先順位に変更される。
一方、ステップ223において、移動体が現在いる地域のチャンネルリストが受信チャンネルリストメモリ18内に存在しない場合(NO)には、リスト更新部112がROM16より、現在地として検出されている地域のチャンネルリストを読み出し、受信チャンネルリストメモリ18に格納し、チャンネルリストを現在位置の放送エリアに対応するチャンネルリストに変更する。尚、この場合には、格納されているチャンネルリストの優先順位は、1つずつ繰り下げる。例えば、大阪から京都に移動体が移動しても、正常受信が殆ど続く。このとき、移動体が京都に移動すると、CPU11は、移動体の現在位置から放送エリアが変更されたことを検出する。この検出により、リスト更新部112がROM16より京都の放送エリアのチャンネルリストを現在使用するチャンネルリストに変更し、次の優先順位は大阪、その次が兵庫、さらにその次が岡山と優先順位を設定する。
チャンネルリストの変更処理が終わると、ステップS201に戻り、上述の動作を繰り返す。
ステップS201において、受信状態が悪く、映像又は音声などの再生にエラーを起こし、再生が停止するような場合など、放送波を正常に受信していない、すなわち、異常受信である(NO)と判断すると、ステップS202に移行する。
ステップS202では、現在テレビ再生していた放送局の事業者系列番号を取得する。この系列番号情報は、チャンネルリスト特定処理における放送局の特定とチャンネルリストの設定変更(図10のステップS5に相当)の処理の際に、保存されている事業者系列番を読み出す。
続いて、ステップS203において、リスト更新部112が現在使用するものとして設定しているチャンネルリストを次の優先順位のチャンネルリストに変更し、ステップS204に進む。チャンネルリストは、移動体が現在地に対応するものに変更されているので、現在位置から次の優先順位が高いチャンネルリストに変更する。上述したように、正常受信が続いていても放送エリアが変更されている場合には、ステップS221からS225の処理により、現在位置のチャンネルリストが変更されている。
ステップS204では、切り替え制御部111が、事業者系列番号に対応する放送局の物理チャンネルが存在するかを判断する。即ち、リスト更新部112を介して受信チャンネルリストメモリ18に格納された現在用いるものとして設定されたチャンネルリスト中の各放送局の事業者系列番号を検索し、再生していた放送局の事業者系列番号と同じ放送局があるか否か検索し、事業者系列番号に対応する放送局の物理チャンネルが存在するかを判断する。
そして、対応する事業者系列番号がチャンネルリスト中に存在する(YES)と確認された場合、ステップS205に進み、チャンネルリスト中に存在しない(NO)と確認された場合、ステップステップS208に進む。
ステップS205では、切り替え制御部111がチャンネル選局部113を制御することにより、事業者系列番号に対応する物理チャンネルでチューナ部12を設定し、放送波(TS)の受信を行う。
続いて、ステップS206では、ステップS205における物理チャンネルの選局が成功したか否かがチャンネル選局部113において判断され、成功した(YES)と判断されるとステップS207に進み、失敗した(NO)と判断されるとステップS208に進む。
ステップS207では、ステップS3における物理チャンネル選局により得られた放送波(TS)を解析し、放送局の特定、放送局の事業者系列番号及びチャンネルリストの設定変更を行い、ステップS212に進む。
そして、ステップ212において、同一系列の放送局名等をディスプレイ31に表示し、同一系列の放送局に切り替えたことをユーザに知らせる。
対応する物理チャンネルが設定されておらず、あるいは、物理チャンネルの選局が失敗すると、ステップS208に進む。ステップS208では、受信チャンネルリストメモリ18に記憶されている全てのチャンネルリストについて、事業者系列番号の検索並びに物理チャンネル選局を行ったか否かが切り替え制御部111において判断され、行っていない(NO)と判断されたらステップS209に進み、行っている(YES)と判断されたらステップS210に移行する。
ステップS209では、リスト更新部112が現在使用するものとして設定しているチャンネルリストを次ぎの優先順位のチャンネルリストに変更し、ステップS204に戻る。
以後、選局が成功するまでは、上述の動作を繰り返す。そして、ステップS208において、選局が成功せず、受信チャンネルリストメモリ18に格納したチャンネルリストをすべて確認したと判断すると、ステップS210に進む。
ステップS210では、既にチャンネルサーチを行ったか否かが切り替え制御部111において判断され、行っていない(NO)と判断されたらステップS211に進み、行っている(YES)と判断されたらステップS212に進む。
ステップS211では、切り替え制御部111がROM16に格納されている13チャンネルから62チャンネルの物理チャンネルのチャンネルサーチを行い、現時点で受信可能なチャンネルを検出し、新しいチャンネルリストを作成し、ステップS204に戻る。
そして、ステップS204において、作成されたチャンネルリストに対応する事業者系列番号が有るか否か検索して前述した動作を行う。
そして、チャンネルサーチを終了した後も同じ事業者系列番号がない場合には、選局結果表示には、選局可能なリモコン番号をディスプレイ31に表示させる(ステップS212)。異常受信回避処理を終了する。
尚、上記した第3の実施形態においては、ナビゲーション部20を有し、ナビゲーション部20で、移動体の現在位置を検出するように構成しているが、ナビゲーション部20を備えていないデジタル放送受信装置においても現在位置を入手できる装置であれば、現在地を考慮し、移動体が異なる放送エリアに移動した場合には、移動体の位置に対応してチャンネルリストを変更するように構成できる。例えば、携帯電話装置にこの発明のデジタル放送受信装置を搭載した場合、携帯電話の基地局の情報により、現在位置の情報を入手して、上記した制御を行えばよい。
上記した第3の実施形態において、図7、図8に示す態様に従い具体的な例につき説明する。ここで、受信チャンネルリストメモリ18に大阪、兵庫、岡山の放送エリアに対応するチャンネルリストが設定された状態で、兵庫県から岡山県に移動する場合につき説明する。例えば、兵庫県でMBS放送を視聴していて、県境にさしかかり、MBS放送が視聴できなかったとする。このときMBS放送と事業者系列番号の岡山の放送局を視聴する。
MBS放送を受信しているときに、MBS放送の事業者系列番号が「2」であることが受信チャンネルリストメモリ18に格納されている。受信状態が悪化し、正常受信ができなくなると、受信チャンネルリストメモリ18に格納されているチャンネルリストから現在使用しているチャンネルリストを次の優先順位のチャンネルリストに替える。例えば、MBS放送を受信し、大阪から兵庫に移動した際には、正常受信の状態が続いているが、現在位置が大阪から兵庫に変更していることを検出することにより、使用しているチャンネルリストは兵庫に切り替えられている。そして、次の優先順位のチャンネルリストは岡山となっている。このため、チャンネルリストは次の優先順位の岡山にチャンネルリストが切り替えられる。
岡山のチャンネルリストで、事業者系列番号が「2」の放送局を検索する。岡山のチャンネルリストでは、事業者系列番号が「2」の放送局が山陽放送であり、その物理チャンネルは「21」である。物理チャンネル「21」で選局を行えば、山陽放送を受信でき、同じ系列の放送を引き続き受信できることになる。このように、テレビ再生中に放送受信装置が放送エリアを越えて移動した場合でも、移動先の放送エリアにおいて同一番組のテレビ再生を継続することができる。
上述した第2及び第3の実施形態においては、チャンネルリストメモリ18に対応する事業者系列番号が無い場合には、チャンネルサーチを行い、その後、対応する事業者系列番号を検索するように構成している。チャンネルサーチは13チャンネルから62チャンネルまで順次選局動作を行うため、ある程度の時間を必要とする。そこで、この第4の実施形態においては、13チャンネルから62チャンネル迄の間で、事業者系列番号による検索を行い、事業者系列番号でソートし、ソートしたチャンネルで選局動作を行うように構成し、所望の放送局を選局して、選局にかかる時間を短くするものである。
移動によって視聴中の放送局の受信感度が悪化もしくは完全に受信できなくなった場合における第4の実施形態の動作について説明する。なお、この実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成は図1及び図2と同様であるので、図1及び図2を援用して説明する。
図14は、この発明の第4の実施の形態に係る放送受信装置のテレビ再生中における異常受信回避処理の手順を示すフローチャートである。
テレビ再生中は、図14に示すように、CPU11は、放送波が正常に受信され、映像及び音声が再生されているかを判断している(ステップS201)。ステップS201において、放送波を正常に受信している(YES)と判断されると、ステップ221へ進み、正常受信状態が続いている場合においても、前述した第3の実施形態と同様に移動体が異なる放送エリアに移動した場合には、移動体の位置に対応してチャンネルリストを変更するための処理を行う(ステップS221からステップ225参照)。
ステップS201において、受信状態が悪く、映像又は音声などの再生にエラーを起こし、再生が停止するような場合など、放送波を正常に受信していない、すなわち、異常受信である(NO)と判断すると、ステップS202に移行する。
ステップS202では、現在テレビ再生していた放送局の事業者系列番号を取得する。この系列番号情報は、チャンネルリスト特定処理における放送局の特定とチャンネルリストの設定変更(図10のステップS5に相当)の処理の際に、保存されている事業者系列番号を読み出す。
続いて、ステップS203において、リスト更新部112が現在使用するものとして設定しているチャンネルリストを次ぎの優先順位のチャンネルリストに変更し、ステップS204に進む。チャンネルリストは、移動体が現在地に対応するものに変更されているので、現在位置から次の優先順位が高いチャンネルリストに変更する。
ステップS204では、切り替え制御部111が、事業者系列番号に対応する放送局の物理チャンネルが存在するかを判断する。即ち、リスト更新部112を介して受信チャンネルリストメモリ18に格納された現在用いるものとして設定されたチャンネルリスト中の各放送局の事業者系列番号を検索し、再生していた放送局の事業者系列番号と同じ放送局があるか否か検索し、事業者系列番号に対応する放送局の物理チャンネルが存在するかを判断する。
そして、対応する事業者系列番号がチャンネルリスト中に存在する(YES)と確認された場合、ステップS205に進み、チャンネルリスト中に存在しない(NO)と確認された場合、ステップステップS208に進む。
ステップS205では、切り替え制御部111がチャンネル選局部113を制御することにより、事業者系列番号に対応する物理チャンネルでチューナ部12を設定し、放送波(TS)の受信を行う。
続いて、ステップS206では、ステップS205における物理チャンネルの選局が成功したか否かがチャンネル選局部113において判断され、成功した(YES)と判断されるとステップS231に進み、失敗した(NO)と判断されるとステップS208に進む。
ステップS231では、選局が成功した物理チャンネルが受信チャンネルリストメモリ18内に存在していたデータか否か判断する。選局が成功した物理チャンネルが受信チャンネルリストメモリ18内に存在すると判断する(YES)と、ステップS237へ進む。
ステップS237では、ステップS236における物理チャンネル選局により得られた放送波(TS)を解析し、放送局の特定、放送局の事業者系列番号及びチャンネルリストの設定変更を行い、ステップS212に進む。
一方、選局が成功した物理チャンネルが受信チャンネルリストメモリ18内に存在しないと判断する(NO)と、ステップS232に進む。ステップS232では、リスト更新部112がROM16より、選局した物理チャンネルを含む地域のチャンネルリストを読み出し、受信チャンネルリストメモリ18に格納し、チャンネルリストを現在位置の放送エリアに対応するチャンネルリストに変更し、ステップS237に進む。
そして、ステップ212において、同一系列の放送局名等をディスプレイ31に表示し、同一系列の放送局に切り替えたことをユーザに知らせる。
対応する物理チャンネルが設定されておらず、あるいは、物理チャンネルの選局が失敗すると、ステップS208に進む。ステップS208では、受信チャンネルリストメモリ18に記憶されている全てのチャンネルリストについて、事業者系列番号の検索並びに物理チャンネル選局を行ったか否かが切り替え制御部111において判断され、行っていない(NO)と判断されたらステップS209に進み、行っている(YES)と判断されたらステップS210に移行する。
ステップS209では、リスト更新部112が現在使用するものとして設定しているチャンネルリストを次ぎの優先順位のチャンネルリストに変更し、ステップS204に戻る。
以後、選局が成功するまでは、上述の動作を繰り返す。そして、ステップS208において、選局が成功せず、受信チャンネルリストメモリ18に格納したチャンネルリストをすべて確認したと判断すると、ステップS233に進む。
ステップS233では、系列局のサーチが既に行ったか否かが切り替え制御部111において判断され、行っていない(NO)と判断されたらステップS234に進み、行っている(YES)と判断されたらステップS235に進む。
ステップS234では、切り替え制御部111がROM16に格納されている13チャンネルから62チャンネルから事業所系列番号を検索し、同一の事業所系列番号を有する放送局でソートして、同一の事業所系列番号の放送局を抽出し、ステップS235に進む。同一の事業所系列番号だけを抽出することで、選局動作を行う物理チャンネルが系列局だけに限定され、選局動作を少なくできる。
そして、ステップS235では、サーチした事業所系列番号に対応したすべての物理チャンネルの確認が済んだか否かを判断する。済んでいない(NO)の場合には、ステップS236へ進み、ステップS236で、抽出した物理チャンネルの中で選局動作がまだ行われていない物理チャンネルを選局し、ステップS205に戻り、前述の動作を繰り返す。
そして、ステップS235において、サーチした事業所系列番号に対応したすべての物理チャンネルの確認が済んだと判断されても(YES)、選局が行えない場合には、同じ事業者系列番号がない場合には、選局結果表示には、チャンネルサーチを行うか、他のリモコン番号を選局する旨をディスプレイ31に表示させる(ステップS212)。そして、異常受信回避処理を終了する。
また、同一系列の放送局の選局が成功すると、選局結果で対応するリモコン番号をディスプレイ31に表示させる(ステップS212)。そして、異常受信回避処理を終了する。
上記のように構成することで、13チャンネルから62チャンネル迄の間で、事業者系列番号による検索を行い、事業者系列番号でソートし、ソートしたチャンネルで選局動作を行うので、チャンネルサーチに比べ選局にかかる時間を大幅に短縮できる。
尚、上記した第4の実施形態においては、正常受信が行えなかった場合には、受信チャンネルリストメモリ18に記憶されている全てのチャンネルリストについて、同一の事業所系列番号が有るか否か判断した後、事業者系列番号でソートする構成にしているが、正常受信が行えなかった場合には、直ちに、事業者系列番号でソートするように構成しても良い。このように構成した場合、受信チャンネルリストメモリ18へ格納するために設定した移動経路と実際にユーザが移動する経路とが異なっている場合には、選局動作が速くなる場合があるので、必要に応じて、設定を選択できるように構成すればよい。
また、この発明は、携帯端末等に搭載可能な放送受信装置に限らず、自動車等に搭載可能な放送受信装置にも適用できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 デジタル放送受信装置、10 デジタル放送受信部、11 CPU、11a アンテナ 12 チューナ部、13 TS分離部、14 映像デコーダ、15 音声デコーダ、16 ROM、17 RAM、18 受信チャンネルリストメモリ、30 出力装置、31 ディスプレイ、32 スピーカ、33 入力装置。