JP2003037785A - 移動体用受信装置及び放送信号の受信方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＧＰＳ等の衛星を利用せずに、受信環境の悪
い位置でも所望の番組を自動選局する装置並びに受信方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 複数の放送を受信するチューナ１と、複
数の番組関連情報を格納するとともに、上記チューナで
選択している放送と同一番組の放送を上記番組関連情報
の中から検出するメモリ装置２と、上記チューナが受信
している複数の放送の信号の強度を信号強度データとし
て出力する信号強度比較装置３と、上記同一番組の放送
の中から最も信号強度の高い放送を指定して、上記チュ
ーナ１に当該放送を選択するように制御信号を送信する
制御装置４とを備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、車等の移動体に
搭載され、現在位置における最適受信可能なテレビ放送
やラジオ放送等の番組を自動で選択受信する移動体用放
送受信装置及び放送信号の受信方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、移動体用の放送受信装置におい
て、車等で移動時にそれまで受信していた番組の放送エ
リアから外れてしまった場合にＧＰＳを使用して現在位
置を検出し、受信エリアの情報から、それまで受信して
いた内容と同一の番組を放送している放送局を選択し、
自動的に選局する技術が知られている。また、その際に
番組のタイムテーブルを記憶しておき、それを用いて選
局制御を行う技術も開示されている。そのような技術
は、例えば特開２０００−２９９６４４号公報及び特開
平８−１９１２４９号公報に記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ＧＰＳ
は衛星を利用しているので専用アンテナが必要であり、
又トンネル内やビル影、山影等、衛星からの電波が届か
ない受信環境では、位置情報が分からなくなり、上記の
機能を満たすことができない場合があった。

【０００４】そこで、本発明は、このような問題を解決
するために、ＧＰＳ等の衛星を利用せずに、受信環境の
悪い位置でも所望の番組を自動選局する装置並びに受信
方法を提供することを目的とした。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明にかかる移動体
用受信装置は、複数の放送を受信するとともに、該受信
した複数の放送の中から制御信号によって指定された放
送を選択して出力するチューナと、複数の番組関連情報
を格納するとともに、上記チューナから情報を得て、上
記チューナで選択している放送と同一番組の放送を上記
番組関連情報の中から検出するメモリ装置と、上記チュ
ーナから情報を得て、上記チューナが受信している複数
の放送の信号の強度を信号強度データとして出力する信
号強度比較装置と、上記メモリ装置によって検出された
同一番組の放送の番組関連情報と、これらの放送に対応
する信号強度データとに基づき、上記同一番組の放送の
中から最も信号強度の高い放送を指定して、上記チュー
ナに当該放送を選択するように制御信号を送信する制御
装置とを備えるようにしたものである。

【０００６】また、上記メモリ装置は、受信した複数の
デジタル信号をビットストリーム上で比較して同一番組
の番組を検出するようにしたものである。

【０００７】さらに、上記メモリ装置は、受信した複数
の放送をそれぞれベースバンドに復号し、同一番組を検
出するようにしたものである。

【０００８】また、この発明にかかる放送信号の受信方
法は、複数の放送エリアの番組関連情報を合成して独自
の番組表を形成するステップと、受信可能な放送の中か
ら所望の放送を選択するステップと、該選択された所望
の放送と同一の番組の放送を前記独自の番組表の中から
検索するステップと、前記検索された放送の信号強度を
比較し、最大の信号強度の放送を指定するステップと、
前記選択された所望の放送を前記指定され最大の信号強
度の放送にて置き換えるステップとを含むようにしたも
のである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
添付の図面を用いて詳細に説明する。 実施の形態１ 図１に、本発明の実施の形態１による移動体用受信装置
のブロック図を示す。図１において、１はテレビジョン
放送を受信するためのチューナであり、受信アンテナ７
が付属している。このチューナ１は、受信した複数の放
送の中から、制御信号によって指定された放送局を選択
して、その放送内容をスピーカ５やモニタ６などの表示
装置に出力するように構成されている。

【００１０】２はメモリ装置であり、番組のタイトルや
放送時間、放送局などを含むＥＰＧ（Electronic Progr
am Guide＝電子番組表）等の番組関連情報が記憶され
る。このメモリ装置２には、当該受信装置が置かれてい
る地域の放送局に対応したＥＰＧのみならず、その地域
の周辺の異なる地域の放送局に対応したＥＰＧも複数記
憶されている。また、このメモリ装置２は、上記の現在
位置のＥＰＧを含む複数のＥＰＧを合成して、独自の番
組表を構成する。そして、当該メモリ装置２は、上記の
チューナから情報を得て、このチューナ１が選択してス
ピーカ等に出力している放送と同一番組の放送を上記独
自の番組表の中から検出する機能も備えている。

【００１１】３は、チューナ１から情報を得て、現在チ
ューナ１が受信している全ての放送についての信号強度
を検出し、その信号強度を相対的な信号強度データとし
て出力する信号強度比較装置である。４は、チューナ１
が受信した複数の放送の中からスピーカ５やモニタ６に
出力すべき放送を指定するための制御信号を出力する制
御装置である。この制御装置４は、現在チューナ１が選
択している番組と同一番組の放送の番組関連情報をメモ
リ装置２から得るとともに、これら同一番組についての
各放送の信号強度データを信号強度比較装置３から得
て、これら同一番組についての各放送の中から最も信号
強度の高い放送を指定して、チューナ１に制御信号を送
信する機能を備えている。

【００１２】また、図２は、上記メモリ装置２におい
て、複数のＥＰＧを合成することによって構成された独
自の番組表の一例である。図２において、縦軸は番組の
放送時間帯を示すものであり、横軸は放送局名を示す。
例えば、放送局Ａと放送局Ｄは、キー局を同じくする異
なる放送エリアの放送局であり、８〜１０(時)の時間帯
では、それぞれの放送局が同一の番組である「音楽Ａ」
を放送している。

【００１３】次に、この実施の形態１にかかる、移動体
受信装置の動作を、図３のフローチャートを使用して、
さらに詳細に説明する。先ず、Ｓｔｅｐ１において、チ
ューナ１は、受信アンテナ７より、その現在位置におい
て受信可能な放送局におけるＥＰＧ等の番組関連情報の
すべてを受信し、それぞれメモリ装置２と信号強度比較
装置３へ出力する。また、Ｓｔｅｐ２において、当該チ
ューナ１は、その地域において受信可能な全ての放送を
受信し、その中から制御装置４にて指定された所望の放
送を選択し、スピーカ５とモニタ６にそれぞれ出力す
る。

【００１４】次に、Ｓｔｅｐ３において、メモリ装置２
は、チューナ１より取得された複数のＥＰＧを編集、保
存し、例えば図２に示すような現在位置での独自の番組
表を作成する。さらに、Ｓｔｅｐ４において、メモリ装
置２は、その独自の番組表の中より、現在チューナ１が
受信し選択してスピーカ５等に出力している所望の番組
と同一の番組を放送している放送局を検索して抽出し、
この結果を制御装置４に出力する。

【００１５】次に、Ｓｔｅｐ５において、制御装置４
は、信号強度比較装置３から、現在位置における各放送
の信号強度を信号強度データとして得て、上記同一の番
組を放送している放送の信号強度データを比較して、最
も信号強度の高い放送を選び出し、この情報を制御信号
としてチューナ１に送信する。

【００１６】次いで、Ｓｔｅｐ６において、この制御信
号を受けたチューナ１は、もしこの制御信号によって指
定された放送が現在選択中の放送であれば当該放送の選
択を維持する。しかし、指定された放送が選択中のもの
とは別の放送であれば、Ｓｔｅｐ７において、チューナ
１は、現在選択中の放送に換えて、その指定された放送
を新たな選択信号として置き換えて出力する。なお、上
記図３に示したフローチャートに示した各ステップの順
序は、これに限定されるものではなく、適宜変更して用
いる事も可能である。

【００１７】さらに、具体的には、図２の番組表におい
て、８〜１０(時)の時間帯で、放送局Ａによって放送さ
れている番組「音楽Ａ」を視聴していたとする。ここ
で、移動中に放送局Ａのエリアを超えてしまい電波が弱
くなり始めた場合、もしくは、電波を受信できなくなっ
た場合、放送局Ｄが同一の番組である「音楽Ａ」を放送
しており、この制御装置４は放送局Ａと放送局Ｄとの信
号強度を比較する。そして、もし放送局Ｄの信号強度が
放送局Ａの信号強度より高ければ、当該制御装置４は放
送局Ｄを選択し、制御信号としてチューナ１に送信す
る。チューナ１は放送局Ａと同じ番組でかつ信号強度が
より高い放送局Ｄを選択して出力することで、視聴者は
「音楽Ａ」の続きを視聴することができる。

【００１８】上記の実施の形態１にかかる移動体用受信
装置では、同一番組について放送する複数の放送局が、
隣接する放送エリアに存在する場合を想定して説明し
た。しかし、同一の番組を放送する他の放送局が近隣に
存在しない場合も想定される。かかる場合は現在受信中
の放送と同様のジャンルの番組を選択する機能を、当該
移動体用受信装置に備えるようにしてもよい。あるい
は、予め設定した待機画面をモニタ６に表示させるよう
にしてもよい。

【００１９】また、上記の制御装置４は、現在選択中の
放送と同一の放送の全てを比較して、最大の信号強度の
放送を選択するようにした。しかし、現在受信中の放送
の信号強度が十分な場合にまで、信号強度の比較を行
い、放送を切り替えていたのでは、視聴者を却って不快
にさせることも起こりうる。そこで、放送局の無駄な切
り替えを避けるために、当該選択中の放送の信号強度が
一定レベル以下になった場合にのみ、上記の比較を行
い、最大信号強度の放送を選択するようにしてもよい。

【００２０】実施の形態２ 上記メモリ装置２による同一番組の検出方法に関して
は、受信可能な放送信号を符号化されたデジタル信号の
まま比較し、ビットストリームからデータ内容を比較す
ることで同一データを抽出し、同一番組を放送している
放送信号を検出する事も可能である。

【００２１】実施の形態３ また、上記の実施の形態２の場合、ネットワーク局が元
信号に対して付加情報を加えた場合や再符号化した場合
等、同一番組でもネットワーク局毎に違うデータとなり
判別できなくなる可能性があるため、受信可能な放送信
号をベースバンド（元信号）に復号し、番組内容を比較
することで同一データを抽出し、同一番組を放送してい
る放送信号を検出する事も可能である。

【００２２】

【発明の効果】本発明の移動体用受信装置及び放送信号
の受信方法は上述のように構成したので、放送エリアが
異なる地域へ移動しても、最も信号強度の高い同一番組
を容易に選局することができる。また、上記の選局はＧ
ＰＳ等が受信できない環境でも可能であるため、運転手
にストレスがたまりにくく、運転に集中でき安全に目的
地まで移動することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一の実施の形態を示す移動体用受信
装置のブロック図である。

【図２】この発明の一の実施の形態による移動体用受信
装置において形成される独自の番組表を示す図である。

【図３】この発明の一の実施の形態を示す放送信号の受
信方法の一例を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ チューナ、 ２ メモリ装置、 ３ 信号強度比較
装置、４ 制御装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の放送を受信するとともに、該受信
   した複数の放送の中から制御信号によって指定された放
   送を選択して出力するチューナ、複数の番組関連情報を
   格納するとともに、前記チューナから情報を得て、前記
   チューナで選択している放送と同一番組の放送を前記番
   組関連情報の中から検出するメモリ装置、前記チューナ
   から情報を得て、前記チューナが受信している複数の放
   送の信号の強度を信号強度データとして出力する信号強
   度比較装置、前記メモリ装置によって検出された同一番
   組の放送の番組関連情報と、これらの放送に対応する前
   記信号強度データとに基づき、前記同一番組の放送の中
   から最も信号強度の高い放送を指定して、前記チューナ
   に当該放送を選択するように制御信号を送信する制御装
   置、を備えたことを特徴とする移動体用受信装置。
2. 【請求項２】 前記メモリ装置は、受信した複数のデジ
   タル信号をビットストリーム上で比較して同一番組の放
   送を検出するようにしたことを特徴とする請求項１記載
   の移動体用受信装置。
3. 【請求項３】 前記メモリ装置は、受信した複数の放送
   をそれぞれベースバンドに復号し、同一番組を検出する
   ようにしたことを特徴とする請求項１記載の移動体用受
   信装置。
4. 【請求項４】 複数の放送エリアの番組関連情報を合成
   して独自の番組表を形成するステップと、受信可能な放
   送の中から所望の放送を選択するステップと該選択され
   た所望の放送と同一番組の放送を前記独自の番組表の中
   から検索するステップと、前記検索された放送の信号強
   度を比較し、最大の信号強度の放送を指定するステップ
   と、前記選択された所望の放送を前記指定された最大の
   信号強度の放送にて置き換えるステップと、を含むこと
   を特徴とする放送信号の受信方法。