JP5359927B2 - バスバーの締結構造および電力変換装置 - Google Patents
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該バスバーを載置する載置面と、該載置面に開口した第1凹部と、該第1凹部に連通した第2凹部とを有する樹脂製の端子台と、
上記第1凹部内に配置され両端が開口した雌螺子と、該雌螺子に螺合する雄螺子とから構成され、上記バスバーを上記端子台に締結固定する締結部材とを備え、
上記雌螺子に螺合して貫通した上記雄螺子の軸の一部が上記第2凹部内に位置しており、上記軸の先端部と上記第2凹部の底部との間に隙間が設けられ、
上記第1凹部の開口部を、上記バスバーと上記雄螺子とで封止するよう構成されており、
上記第1凹部の内面に、上記端子台と一体化した樹脂製の突起部が形成されており、上記雌螺子は、上記第1凹部の上記開口部から圧入し、上記突起部を潰しつつ該第1凹部内に配置したものであり、その潰れた上記突起部が上記雌螺子を径方向の内側に押圧することにより、該雌螺子を上記第1凹部内にて保持しており、
上記第1凹部と上記第2凹部とを上記開口部から上記第1凹部の軸線方向に見た場合に、上記第1凹部の内面の内側に上記第2凹部の内周面が位置しており、上記第1凹部の内面と上記第2凹部の内周面とを繋ぐ肩部に、上記開口部側に突出した複数個のストッパが形成されていることを特徴とするバスバーの締結構造にある(請求項1)。
このようにすると、汎用品である、両端が開口した雌螺子を用いた場合でも、締結時に発生した金属粉を上記隙間に封止することができる。
上述したように、雄螺子を雌螺子に螺合すると、雄螺子の軸の表面や雌螺子の内周面が削れて金属粉が発生する。両端が開口した雌螺子を用いると、袋ナットと異なり、雌螺子の開口部から金属粉が出てしまうが、本発明では、第2凹部を設けてあるため、金属粉は第2凹部に落下する。そして、上記第2凹部の底面と雄螺子の軸の先端部との間には隙間が設けてあるため、この隙間に金属粉を配置しておくことができる。また、第1凹部の開口部をバスバーと雄螺子とで封止したため、金属粉が開口部から外部へ出ることを防止できる。これにより、バスバーや電子部品が金属粉によって短絡することを防止できる。
本発明において、上記第1凹部の内面に、上記端子台と一体化した樹脂製の突起部が形成されており、上記雌螺子は、上記第1凹部の上記開口部から圧入し、上記突起部を潰しつつ該第1凹部内に配置したものであり、その潰れた上記突起部が上記雌螺子を径方向の内側に押圧することにより、該雌螺子を上記第1凹部内にて保持するよう構成されている。
そのため、突起部によって、雌螺子を適度な保持力で保持することが可能になる。これにより、以下のようなメリットが生じる。例えば、バスバーを電子部品に溶接する場合は、溶接時の熱によってバスバーが膨張し、反ってしまう場合がある(図11参照)。反ったバスバーを端子台に締結する場合は、雌螺子を保持する力が強いと、バスバーの反りが矯正されて平板に近い状態に戻ってしまう(図12参照)。この際、バスバーと電子部品との溶接部に応力が加わり、接続信頼性が低下する問題がある。そのため、雌螺子を保持する力は、適度に弱い方が好ましい。本発明のように、突起部を用いて雌螺子を保持すれば、雌螺子の保持力を適度に弱くすることができるため、雄螺子を螺合した場合に雌螺子が浮き上がり、バスバー側に接近するようにできる。これにより、バスバーの変形を抑制することが可能になる。そのため、バスバーと電子部品の接続信頼性を高めることができる。
したがって、雌螺子を第1凹部に圧入した場合に、雌螺子の端面がストッパに当接するため、隣り合う2個のストッパの間に、雌螺子の端面と肩部とが当接しない隙間を形成できる。そのため、雌螺子の圧入時に突起部が削れて樹脂の屑ができた場合でも、この樹脂の屑を隙間に入れることができる。これにより、雌螺子の端面と肩部との間で樹脂の屑を挟まなくなり、雌螺子が傾いて保持されること等を防止して、雌螺子を第1凹部に安定して保持させることができる。
このようにすると、雌螺子を圧入する直前に仮固定できるため、その仮固定した状態で、雌螺子の傾きを調整することが可能になる。これにより、雌螺子を第1凹部に対して真っ直ぐに圧入することができる。
このようにすると、雌螺子を第1凹部に圧入する際に、テーパ面によって、雌螺子の傾きを安定させることができる。そのため、雌螺子を第1凹部に真っ直ぐに圧入することができる。
図1に示すごとく、本例のバスバーの締結構造1は、電子部品10に接続されたバスバー2と、樹脂製の端子台3と、締結部材4とを備える。
図9に示すごとく、端子台3は、バスバー2を載置する載置面30と、該載置面30に開口した第1凹部31と、該第1凹部31に連通した第2凹部32とを有する。
締結部材4は、第1凹部31内に配置され両端が開口した雌螺子40と、該雌螺子40に螺合する雄螺子41とから構成されている。締結部材4は、バスバー2を端子台3に締結固定している。
そして、第1凹部31の開口部33を、バスバー2と雄螺子41とで封止するよう構成されている。
以下、詳説する。
また、端子台3は、複数個の締結孔36を有する。この締結孔36にボルトを挿入して、端子台3を収納ケース11に固定している(図1参照)。
また、電子部品10の制御端子14には、図示しない制御回路基板が接続される。この制御回路基板によって、電子部品10内のスイッチング素子の動作を制御する。これにより、直流電力を交流電力に変換し、交流バスバー13から出力している。
図9に示すごとく、バスバー2を端子台3に締結固定する際に、雄螺子41を雌螺子40に螺合するに伴って、雌螺子40がバスバー2に接近する。そして、雌螺子40の開口側端面46がバスバー2の主面21に接触する。
本例では、図9に示すごとく、樹脂製の端子台3に第1凹部31と第2凹部32とを形成し、第1凹部31に両端が開口した雌螺子40を配置した。そして、雄螺子41を雌螺子40に螺合することにより、バスバー2を端子台3に締結固定した。バスバー2を締結した状態において、雄螺子41の軸42は雌螺子40を貫通し、第2凹部32内に位置している。また、本例では、雄螺子41の軸42の先端部43と第2凹部32の底部34との間に隙間dを設けた。そして、第1凹部31の開口部33を、バスバー2と雄螺子41とで封止した。
このようにすると、汎用品である、両端が開口した雌螺子40を用いた場合でも、締結時に発生した金属粉44を隙間dに封止することができる。
上述したように、雄螺子41を雌螺子40に螺合すると、雄螺子41の軸42の表面や雌螺子40の内周面が削れて金属粉が発生する。両端が開口した雌螺子40を用いると、袋ナットと異なり、雌螺子40の開口部から金属粉44が出てしまうが、本例では、第2凹部32を設けてあるため、金属粉44は第2凹部32に落下する。そして、第2凹部32の底面34と雄螺子41の軸42の先端部43との間には隙間dが設けてあるため、この隙間dに金属粉を配置しておくことができる。また、第1凹部31aの開口部33をバスバー2と雄螺子41とで封止したため、金属粉44が開口部33から外部へ出ることを防止できる。これにより、バスバー2や電子部品10が金属粉44によって短絡することを防止できる。
このようにすると、突起部5によって、雌螺子40を適度な保持力で保持することが可能になる。これにより、以下のようなメリットが生じる。例えば、図11の比較例に示すごとく、バスバー81を電子部品82に溶接する場合は、溶接時の熱によってバスバー81が膨張し、反ってしまう場合がある。反ったバスバー81を端子台85に締結する場合は、雌螺子84を保持する力が強いと、図12に示すごとく、バスバー81の反りが矯正されて平板に近い状態に戻ってしまう。この際、バスバー81と電子部品82との溶接部86に応力が加わり、接続信頼性が低下する問題がある。そのため、雌螺子84を保持する力は、適度に弱い方が好ましい。本例のように、突起部5を用いて雌螺子40を保持すれば、雌螺子40の保持力を適度に弱くすることができるため、図9に示すごとく、雄螺子41を螺合した場合に雌螺子40が浮き上がり、バスバー2側に接近するようにできる。これにより、バスバー2の変形を抑制することが可能になる。そのため、バスバー2と電子部品10の接続信頼性を高めることができる。
このようにすると、雌螺子40を第1凹部31に圧入した場合に、雌螺子40の端面47がストッパ6に当接するため、隣り合う2個のストッパ6の間に、雌螺子40の端面と肩部35とが当接しない隙間300(図4、図8参照)を形成できる。そのため、雌螺子40の圧入時に突起部5が削れて樹脂の屑ができた場合でも、この樹脂の屑を隙間300に入れることができる。これにより、雌螺子40の端面47と肩部35との間で樹脂の屑を挟まなくなり、雌螺子40が傾いて保持されること等を防止して、雌螺子40を第1凹部31に安定して保持させることができる。
このようにすると、雌螺子40を圧入する直前に仮固定できるため、その仮固定した状態で、雌螺子40の向きを調整することが可能になる。これにより、雌螺子40を第1凹部31に対して真っ直ぐに圧入することができる。
このようにすると、雌螺子40を第1凹部31に圧入する際に、テーパ面50によって、雌螺子40の傾きを安定させることができる。そのため、雌螺子40を第1凹部31に真っ直ぐに圧入することができる。
2 バスバー
3 端子台
31 第1凹部
32 第2凹部
33 (第1凹部の)開口部
34 (第2凹部の)底部
4 締結部材
40 雌螺子
41 雄螺子
42 (雄螺子の)軸
43 (軸の)先端部
Claims (4)
- 電子部品に接続されたバスバーと、
該バスバーを載置する載置面と、該載置面に開口した第1凹部と、該第1凹部に連通した第2凹部とを有する樹脂製の端子台と、
上記第1凹部内に配置され両端が開口した雌螺子と、該雌螺子に螺合する雄螺子とから構成され、上記バスバーを上記端子台に締結固定する締結部材とを備え、
上記雌螺子に螺合して貫通した上記雄螺子の軸の一部が上記第2凹部内に位置しており、上記軸の先端部と上記第2凹部の底部との間に隙間が設けられ、
上記第1凹部の開口部を、上記バスバーと上記雄螺子とで封止するよう構成されており、
上記第1凹部の内面に、上記端子台と一体化した樹脂製の突起部が形成されており、上記雌螺子は、上記第1凹部の上記開口部から圧入し、上記突起部を潰しつつ該第1凹部内に配置したものであり、その潰れた上記突起部が上記雌螺子を径方向の内側に押圧することにより、該雌螺子を上記第1凹部内にて保持しており、
上記第1凹部と上記第2凹部とを上記開口部から上記第1凹部の軸線方向に見た場合に、上記第1凹部の内面の内側に上記第2凹部の内周面が位置しており、上記第1凹部の内面と上記第2凹部の内周面とを繋ぐ肩部に、上記開口部側に突出した複数個のストッパが形成されていることを特徴とするバスバーの締結構造。 - 請求項1において、上記第1凹部は、上記開口側に位置する開口側部分と、該開口側部分よりも上記第2凹部側に位置する奥側部分とを備え、上記奥側部分は、上記雄螺子の軸線方向から見たときの外径が上記開口側部分の内側に収まっており、上記雌螺子を圧入して上記突起部を潰す際に、該雌螺子の外周面と上記奥側部分の内面とが接触することにより、該雌螺子を上記第1凹部内にて仮固定できるよう構成されていることを特徴とするバスバーの締結構造。
- 請求項1又は請求項2において、上記突起部の上記開口部側の端面には、上記第1凹部の内面から該第1凹部の中心軸へ向かうほど上記第2凹部に接近する形状のテーパ面が形成されていることを特徴とするバスバーの締結構造。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のバスバーの締結構造を備え、上記電子部品はスイッチング素子を内蔵した半導体モジュールであり、該半導体モジュールが電力変換回路の一部を構成していることを特徴とする電力変換装置。
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