JP5359606B2 - スターリングエンジンの冷却器およびスターリングエンジン - Google Patents

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Description

本発明はスターリングエンジンの冷却器およびスターリングエンジンに関し、特に高温熱源との間で熱交換を行う加熱器に直接或いは間接的に固定されるスターリングエンジンの冷却器、および当該冷却器を備えたスターリングエンジンに関する。
近年、乗用車やバス、トラック等の車両に搭載される内燃機関の排熱や工場排熱を回収するために、理論熱効率に優れたスターリングエンジンが注目されてきている。スターリングエンジンは高い熱効率が期待できる上に、作動流体を外から加熱する外燃機関であるために、熱源を問わず、ソーラー、地熱、排熱といった各種の低温度差代替エネルギーを活用でき、省エネルギーに役立つという利点がある。
かかるスターリングエンジンにつき、加熱器で発生する熱変形に関する技術が例えば特許文献1で開示されている。特許文献1では、一方の端部を他方の端部に対して熱膨張により変形する方向に沿って移動可能にしたヒータを備えた排熱回収装置が開示されている。
特開2007−9782号公報
図13はスターリングエンジンの一例であるスターリングエンジン10Xを模式的に示す図である。加熱器47は概ねU字形の形状を有しており、高温側気筒20と低温側気筒30とを連通している。各気筒20、30はクランクケース60に固定されている。各気筒20、30それぞれは、図示しないピストンと、シリンダとを備えている。加熱器47の一端部は高温側気筒20に固定されている。加熱器47の他端部と低温側気筒30との間には、冷却器45Xと再生器46とが介在している。これらは互いに固定されている。加熱器47は排気管200に収容されている。
加熱器47には、スターリングエンジン10Xの作動流体が流通する。そして、高温熱源である排気ガスに曝された加熱器47では、流通する作動流体と排気ガスとの間で熱交換が行われる。一方、排気ガスに曝された加熱器47は熱膨張する。具体的には図14に示すように、加熱器47は主にクランク軸線CLの延伸方向(換言すれば気筒配列方向X)に沿って変形する。またこのとき加熱器47では、湾曲形状外側の部分ほうが内側の部分よりも両端部間の全長が長く、且つ排気ガスと接触し易くなっている。このため加熱器47では、湾曲形状外側の伸びが内側よりも大きくなる。このため加熱器47は、気筒延伸方向Yに沿った方向にも変形する。
そして、このようにして加熱器47の両端部の位置関係が変化すると、気体潤滑されているピストンと、ピストンを収容するシリンダと、ピストンを支持する近似直線機構(図示省略)との間の位置関係に影響が及ぶことになる。そしてこの場合には、気体潤滑を行う微小クリアランスのクリアランス精度を適正に維持できなくなり、この結果、気体潤滑を適切に行えなくなる虞がある点で問題があった。
一方、これに対して例えば特許文献1が開示する排熱回収装置では、ヒータの一方の端部を他方の端部に対して移動可能にすることで、ヒータの熱膨張による変形の影響を低減している。しかしながら、この排熱回収装置ではヒータの一方の端部を他方の端部に対して熱膨張により変形する方向に沿って厳密に、或いは十分に移動可能にできない場合には、熱膨張後の加熱器に熱応力が残存する可能性があると考えられる。そしてこの場合には、残存した熱応力によって気体潤滑されているピストンと、ピストンを収容するシリンダと、ピストンを支持する近似直線機構との間の位置関係に影響が及ぶ可能性もあると考えられる点で問題があった。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、熱膨張後に加熱器に熱応力が残存することを好適に防止或いは抑制しつつ、固定された加熱器に発生する熱変形の影響を吸収できるスターリングエンジンの冷却器、および当該冷却器を備えたスターリングエンジンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、クランクケースと、前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンに用いられ、一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備え、前記複数の金属製細管が湾曲形状を有するスターリングエンジンの冷却器である。
また本発明は、クランクケースと、前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンに用いられ、一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備え、前記外壁部が金属製の薄肉円筒状の部材であり、且つ湾曲形状を有するスターリングエンジンの冷却器である。また本発明は、クランクケースと、前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンに用いられ、一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備え、前記外壁部が、非金属の弾性体であるスターリングエンジンの冷却器である
また本発明は、クランクケースと、前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンに用いられ、一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備え、前記作動流体を熱交換により冷却する流体を導入するための導入部、および排出するための排出部を前記両端部にさらに備えたスターリングエンジンの冷却器である
また本発明は、クランクケースと、前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンであって、一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備えたスターリングエンジンの冷却器、を備え、一端部が前記加熱器または前記再生器に接続されるとともに、他端部が前記低温側気筒または前記クランクケースに接続される補強部材をさらに備えたスターリングエンジンである
なお、上述してきた本発明に記載された直交、平行の文言は、理想的な状態を表現したものであり、例えば通常発生し得る組立、加工誤差等の製造誤差に基づき、厳密な意味での直交、平行から外れた状態までをも除外するものではない。
本発明によれば、熱膨張後に加熱器に熱応力が残存することを好適に防止或いは抑制しつつ、固定された加熱器に発生する熱変形の影響を吸収できる。
冷却器45Aを備えたスターリングエンジン10Aを模式的に示す図である。 スターリングエンジン10Aのピストン・クランク部の概略構成を模式的に示す図である。 加熱器47の具体的な構成を模式的に示す図である。なお、図3は全長中央位置における加熱器47の断面を排気ガスの流通方向V1に沿って見た図となっている。 冷却器45Aの概略構成を模式的に示す図である。なお、図4では外壁部454については図示省略している。 冷却器45Aの具体的な構成を断面で模式的に示す図である。 加熱器47が熱膨張した後の冷却器45Aの様子を模式的に示す図である。 冷却器45Aの変形例である冷却器45A´を断面で模式的に示す図である。 冷却器45Bが備える作動ガス配管451Bを(a)で模式的に示すとともに、作動ガス配管451Bの変形例である作動ガス配管451B´を(b)で、作動ガス配管451B´´を(c)でそれぞれ模式的に示す図である。 冷却器45Cを模式的に示す図である。 第1の冷却水配管接続部455を模式的に示す図である。具体的には図10では、(a)が第1の冷却水配管接続部455の外観形状を示す図、(b)が(a)に示す矢印Bに沿って見た図、(c)が(a)に示すA−A断面を示す図、(d)が(a)に示す矢印Cに沿って見た図となっている。 スターリングエンジン10Bが車両に搭載されている様子を模式的に示す図である。 スターリングエンジン10Bを模式的に示す図である。具体的には図12では、(a)がスターリングエンジン10Bの外観図、(b)が(a)に示す外観図の右側面図となっている。 スターリングエンジン10Xを模式的に示す図である。 加熱器47が熱膨張した後の様子についての説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は本実施例にかかるスターリングエンジンの冷却器である冷却器45Aを備えたスターリングエンジン10Aを模式的に示す図である。スターリングエンジン10Aは、2気筒α型のスターリングエンジンである。スターリングエンジン10Aは、クランク軸線CLの延伸方向と気筒配列方向Xとが互いに平行になるように(換言すれば、クランク軸線CLの延伸方向と気筒延伸方向Yとが直交するように)直列平行に配置された高温側気筒20および低温側気筒30を有している。したがって、各気筒20、30の中心軸線は互いに略平行になっている。高温側気筒20は膨張ピストン21と高温側シリンダ22とを、低温側気筒30は圧縮ピストン31と低温側シリンダ32とをそれぞれ備えている。圧縮ピストン31は、膨張ピストン21に対して、クランク角で90°程度遅れて動くように位相差が設けられている。スターリングエンジン10Aは、クランク軸線CLの延伸方向(換言すれば気筒配列方向X)が排気ガスの流通方向V1と平行になるように配置されている。
スターリングエンジン10Aは基準体である基板15を備えている。高温側シリンダ22と低温側シリンダ32とは、基板15に直接、または間接的に支持、固定されている。基板15はシリンダ22、32を含むスターリングエンジン10Aの各構成要素の位置基準となっている。したがって、スターリングエンジン10の各構成要素の相対的な位置精度は基板15によって確保されている。基板15は、スターリングエンジン10Aの高温熱源を保有する高温熱源保有体である排気管200に固定されている。
スターリングエンジン10Aは熱交換器として冷却器45Aと、再生器46と、加熱器47とを備えている。冷却器45A、再生器46および加熱器47は、各気筒20、30間の接続を仲介している。高温側気筒20と低温側気筒30の一端部それぞれは、クランクケース60に固定されている。そして、加熱器47はその一端部が高温側気筒20の他端部に固定されている。また加熱器47はその他端部が再生器46の一端部を構成する上面に固定されている。再生器46はその他端部を構成する下面が冷却器45Aの一端部を構成する上面に固定されている。冷却器45Aはその他端部を構成する下面が低温側気筒30の他端部に固定されている。したがって、冷却器45Aは再生器46を介して加熱器47に間接的に固定されており、加熱器47は基板15に間接的に固定されている。
高温側シリンダ22の上部空間は膨張空間となっている。膨張空間には加熱器47で加熱された作動流体が流入する。加熱器47は本実施例では具体的には車両に搭載されたガソリンエンジンの排気管200の内部に配置されている。そして、作動流体は高温熱源を構成する流体である排気ガスから回収した熱エネルギーにより加熱される。加熱器47は、排気ガスの流通方向V1に延在するように設けられている。そして同時に加熱器47は、クランク軸線CLの延伸方向(換言すれば気筒配列方向X)と平行になるように設けられている。
低温側シリンダ32の上部空間は圧縮空間となっている。圧縮空間には冷却器45Aで冷却された作動流体が流入する。
再生器46は、膨張空間、圧縮空間の間を往復する作動流体との間で熱の授受を行う。再生器46は具体的には、作動流体が膨張空間から圧縮空間へと流れる時には作動流体から熱を受け取り、作動流体が圧縮空間から膨張空間へと流れる時には蓄えられた熱を作動流体に放出する。
作動流体には空気が適用されている。但しこれに限られず、作動流体には例えばHe、H、N等の気体を適用することができる。
次にスターリングエンジン10Aの動作について説明する。加熱器47で作動流体が加熱されると、膨張して膨張ピストン21が圧下され、これにより駆動軸(クランクシャフト)113の回動が行われる。次に膨張ピストン21が上昇行程に移ると、作動流体は加熱器47を通過して再生器46に移送され、そこで熱を放出して冷却器45Aへと流れる。冷却器45Aで冷却された作動流体は圧縮空間に流入し、さらに圧縮ピストン31の上昇行程に伴って圧縮される。このようにして圧縮された作動流体は、今度は再生器46から熱を奪いながら温度を上昇して加熱器47へ流れ込み、そこで再び加熱膨張せしめられる。すなわち、かかる作動流体の往復流動を通じてスターリングエンジン10Aが動作する。
ところで、本実施例ではスターリングエンジン10Aの熱源が車両の内燃機関の排気ガスとなっていることから、得られる熱量に制約があり、その得られる熱量の範囲でスターリングエンジン10Aを作動させる必要がある。そこで本実施例では、スターリングエンジン10Aの内部フリクションを可能な限り低減させることとしている。具体的にはスターリングエンジン10Aの内部フリクションのうち、最も摩擦損失が大きいピストンリングによる摩擦損失を無くすため、シリンダ22、32とピストン21、31との間で気体潤滑を行っている。
気体潤滑ではシリンダ22、32とピストン21、31の間の微小なクリアランスで発生する空気の圧力(分布)を利用して,ピストン21、31を空中に浮いた形にする。気体潤滑は摺動抵抗が極めて小さいため、スターリングエンジン10Aの内部フリクションを大幅に低減させることができる。空中に物体を浮上させる気体潤滑には、具体的には例えば加圧流体を噴出させ、発生した静圧によって物体を浮上させる静圧気体潤滑を適用することができる。但しこれに限られず、気体潤滑は例えば動圧気体潤滑であってもよい。
気体潤滑が行われるシリンダ22、32とピストン21、31との間のクリアランスは数十μmとなっている。そして、このクリアランスにはスターリングエンジン10Aの作動流体が介在している。ピストン21、31それぞれは、気体潤滑によりシリンダ22、32と非接触の状態、または許容できる接触状態で支持されている。したがってピストン21、31の周囲には、ピストンリングは設けられておらず、また一般にピストンリングと共に使用される潤滑油も使用されていない。気体潤滑では、微小クリアランスにより膨張空間、圧縮空間それぞれの気密が保たれ、リングレスかつオイルレスでクリアランスシールが行われる。
さらにピストン21、31とシリンダ22、32とはともに金属製であり、本実施例では具体的には対応するピストン21、31およびシリンダ22、32同士で線膨張率が同じ金属(ここではSUS)が適用されている。これにより、熱膨張があっても適正なクリアランスを維持して気体潤滑を行うことができる。
ところで気体潤滑の場合、負荷能力が小さいことから、ピストン21、31のサイドフォースを実質的にゼロにしなくてはならない。すなわち、気体潤滑を行う場合にはシリンダ22、32の直径方向(横方向,スラスト方向)の力に耐える能力(耐圧能力)が低くなるため、シリンダ22、32の軸線に対するピストン21、31の直線運動精度が高い必要がある。
このため、本実施例ではピストン・クランク部にグラスホッパの機構50を採用している。直線運動を実現する機構にはグラスホッパの機構50のほか例えばワットの機構があるが、グラスホッパの機構50は他の機構に比べて、同じ直線運動精度を得るために必要な機構のサイズが小さくて済むため、装置全体がコンパクトになるという効果が得られる。特に本実施例のスターリングエンジン10Aは、自動車の床下といった限られたスペースに設置されることになるため、装置全体がコンパクトである方が設置の自由度が増す。またグラスホッパの機構50は、同じ直線運動精度を得るために必要な機構の重量が他の機構よりも軽量で済むため、燃費の点で有利である。さらにグラスホッパの機構50は機構の構成が比較的簡単であるため、構成(製造・組み立て)し易いという利点も有する。
図2はスターリングエンジン10Aのピストン・クランク部の概略構成を模式的に示す図である。なお、ピストン・クランク部には高温側気筒20側と低温側気筒30側とで共通の構成を採用しているため、以下では、高温側気筒20側についてのみ説明し、低温側気筒30側についての説明は省略する。近似直線機構は、グラスホッパの機構50と、コネクティングロッド110と、エクステンションロッド111と、ピストンピン112とを備えている。膨張ピストン21は、コネクティングロッド110、エクステンションロッド111およびピストンピン112を介して駆動軸113に接続されている。具体的には、膨張ピストン21はピストンピン112を介してエクステンションロッド111の一端側に接続されている。そして、エクステンションロッド111の他端側にはコネクティングロッド110の小端部110aが接続されている。そして、コネクティングロッド110の大端部110bが駆動軸113に接続されている。
膨張ピストン21の往復運動は、コネクティングロッド110によって駆動軸113に伝達され、ここで回転運動に変換される。コネクティングロッド110はグラスホッパの機構50によって支持されており、膨張ピストン21を直線状に往復運動させる。このように、コネクティングロッド110をグラスホッパの機構50によって支持することにより、膨張ピストン21のサイドフォースFがほとんどゼロになる。このため、負荷能力の小さい気体潤滑を行う場合でも十分に膨張ピストン21を支持することができる。
次に加熱器47についてさらに具体的に説明する。加熱器47は概ねU字形の形状を有している。加熱器47を概ねU字形の形状に形成している理由は次の通りである。
ここで、冷却器45A、再生器46および加熱器47からなる熱交換器構成体のスペースは、出力に直接的には関与しない無効容積となっている。そして無効容積が増えると、スターリングエンジン10Aの出力は減少する。このためスターリングエンジン10Aでは、必要な熱交換能力が得られる範囲内で熱交換器構成体をコンパクトにすることが望まれる。
一方、熱交換器構成体をコンパクトにすると熱交換が困難になる。そしてこの結果、受熱量が減少する場合にもスターリングエンジン10Aの出力が減少する。
したがって、無効容積の減少と受熱量の増加とを両立させるためには、熱交換器構成体の効率を上げる必要がある。そしてそのためには、加熱器47が効率的に受熱する必要がある。
この点、熱交換器構成体が湾曲形状を有している場合、湾曲部の数が多いほど流路抵抗は大きくなる。また、湾曲部のカーブが小さいほど流路抵抗は大きくなる。したがって作動流体の圧力損失の観点からは、熱交換器構成体が備える湾曲部の数は1つであり、且つそのカーブが大きい方が望ましい。
また、排気管200の内部のような限られた空間内で加熱器47が効率的に受熱するためには、加熱器47において、排気ガスとの接触面積である伝熱面積を大きく確保することが望ましい。
そしてこれらのことから加熱器47は、その全体が過不足なく受熱空間内に収容されることで、最大限の伝熱面積の確保が可能となるように形成されるとともに、流路抵抗が最小となる形状に形成されることが最も望ましい。
これに対しスターリングエンジン10Aでは、加熱器47を含む熱交換器構成体が概ねU字形、或いはより正確には概ねJ字形に形成された湾曲形状を有している。そして、これに応じてスターリングエンジン10Aでは、熱交換器構成体の湾曲部の数が1つとなっている。また湾曲部のカーブは、加熱器47を排気管200内に収容可能な範囲内で可能な限り大きく設定されている。このため加熱器47は、その全体が過不足なく排気管200に収容されるとともに、その流路抵抗が例えばより多くの湾曲部を備えた場合や屈曲部を備えた場合と比較して小さくなっている。スターリングエンジン10Aでは、以上のような理由により加熱器47を概ねU字形の形状に形成している。
なお、概ねU字形の形状には、例えば中間や両端に直線部を特段含むことなく、湾曲態様が円弧状となる形状や、湾曲態様が部分楕円状となる形状も含まれるものとする。すなわち、概ねU字形の形状は、少なくとも1つの湾曲部を備えるとともに、全体として1つの凸状(或いは凹状)の湾曲態様を有している湾曲形状であればよい。
図3に示すように、加熱器47は具体的には作動流体の流路を形成する複数の流路部材80とフィン90とをプレス成型により一体化した熱交換部材100を複数備えた構造となっている。そしてこれにより、加熱器47はコンパクト且つ、より大きな伝熱面積を確保可能な構造となっている。また複数の流路部材80とフィン90とをプレス成型により一体化しているため、加熱器47はコストの低減にも有利な構造となっている。クランク軸線CLの延伸方向(換言すれば気筒配列方向X)が排気ガスの流通方向V1とに平行になるように設けられたスターリングエンジン10Aにおいて、加熱器47は排気ガスの流通方向V1に延在するように設けられている。
一方、このように複数の流路部材80とフィン90とをプレス成型により一体化した分、加熱器47の剛性は高まっている。また加熱器47はその一端部が高温側気筒20に固定されているとともに、その他端部が再生器46に固定されている。このためスターリングエンジン10Aでは、加熱器47の熱変形が、ピストン21、31と、シリンダ22,32と、近似直線機構との間の位置関係に影響を及ぼす蓋然性が高くなっている。これに対してスターリングエンジン10Aは、加熱器47の熱変形方向に変形可能な構造を備えた冷却器45Aを有している。具体的にはスターリングエンジン10Aは、図4、図5に示すように構成された冷却器45Aを備えている。
図4に示すように冷却器45Aは、複数の作動ガス配管451Aと、一端部を構成する第1のフランジ部452と、他端部を構成する第2のフランジ部453とを備えている。第1および第2のフランジ部452、453は両端部を構成している。冷却器45Aは、複数の金属製細管である複数の作動ガス配管451Aを備えた多管式構造を有している。各作動ガス配管451Aそれぞれは作動流体を流通させるための作動流体の流路を形成している。各作動ガス配管451Aそれぞれは、具体的には細径のステンレス製チューブ(SUSチューブ)となっている。各作動ガス配管451Aは直線状に延伸しており、互いに同じ長さとなっている。かかる各作動ガス配管451Aを備えた冷却器45Aは、作動流体の流通方向がクランク軸線CLの延伸方向と直交するように配置される。
また冷却器45Aでは、各作動ガス配管451Aと各フランジ部452、453とが一体構造となっている。図5に示すように、各フランジ部452、453は具体的には複数の作動ガス配管451Aの両端部に一体的に設けられている。この点、各フランジ部452、453を複数の作動ガス配管451Aの両端部に一体的に設けるにあたっては、具体的には例えば以下に示すように設けることができる。すなわち、まず各フランジ部452、453に各作動ガス配管451Aを挿通可能な複数の穴を設ける。そして、各フランジ部452、453それぞれに設けた複数の穴に各作動ガス配管451Aを挿入する。そして、この状態で各フランジ部452、453と各作動ガス配管451Aとを溶接する。これにより、各作動ガス配管451Aと各フランジ部452、453とを一体化することができる。
各フランジ部452、453は金属製であり、概ね円盤状の形状を有している。そして、図5に示すように第1のフランジ部452には、具体的には再生器46に固定されるフランジ面の裏面にあたる裏側フランジ面に第1の筒壁部452aが形成されている。また、第2のフランジ部453には、低温側気筒30に固定されるフランジ面の裏面にあたる裏側フランジ面に第2の筒壁部453aが形成されている。各筒壁部452a、453aは筒状に突起しており、具体的には径と高さとが互いに略等しい円筒状の形状を有している。この点、冷却器45Aでは各フランジ部452、453は同じ部品によって構成されている。
また、図5に示すように冷却器45Aは具体的には外壁部454を備えている。外壁部454は金属製の薄肉円筒状の部材であり、且つ湾曲形状を有している。具体的には外壁部454はその一端部から他端部にかけて波状に、且つ軸対称に湾曲した湾曲形状を有している。そして、かかる構造とした外壁部454は、その両端部が各フランジ部452、453に固定されている。具体的には外壁部454はその両端部が各筒壁部452a、453aに固定されている。外壁部454は複数の作動ガス配管451Aの周囲に設けられている。複数の作動ガス配管451Aと、各フランジ部452、453と、外壁部454との間に形成される空間は、熱交換により作動流体を冷却する流体である冷却水の通路となっている。
各フランジ部452、453それぞれの間の部分は本体部をなし、冷却器45Aでは具体的には作動ガス配管451Aのうち、各フランジ部452、453の間の部分と、外壁部454とが本体部となっている。この点、第1のフランジ部452は本体部の一端部に、第2のフランジ部453は本体部の他端部にそれぞれ設けられたかたちとなっており、各フランジ部452、453は対向配置されている。
次に冷却器45Aの作用効果について説明する。スターリングエンジン10Aでは、高温の排気ガスに曝される加熱器47に熱変形が発生する。そして加熱器47が熱膨張すると、その影響が冷却器45Aに及ぶ。これに対して冷却器45Aは複数の作動ガス配管451Aを備えた多管式構造を有し、且つ金属製の複数の作動ガス配管451Aが細径となっている。このため冷却器45Aでは、複数の作動ガス配管451Aが、第1のフランジ部452が第2のフランジ部453に対して3次元的に姿勢変化および移動することを可能にする弾性体として機能する。すなわち冷却器45Aでは、多管式構造を有することと、多管式構造を構成する金属製の複数の作動ガス配管451Aを細径とすることにより、本体部の弾性を確保している。このため冷却器45Aは、図6に示すように加熱器47の熱変形の影響を吸収できる。
また冷却器45Aでは、外壁部454を一端部から他端部にかけて面が波状に、且つ軸対称に湾曲した薄肉円筒状の形状に形成している。このため、冷却器45Aではかかる形状によって外壁部454の剛性を低減することができる。すなわちこのように外壁部454を形成したことで、外壁部454も弾性体として機能することができる。そしてこれにより、外壁部454は第1のフランジ部452の動きに追従して変形できるようになる。このため冷却器45Aは、外壁部454を備えていても上述のようにして加熱器47の熱変形の影響を吸収できる。
また冷却器45Aでは、各作動ガス配管451Aが各フランジ部452、453間の相対的な姿勢変化および移動を可能としている。そしてかかる構造は、加熱器47の熱変形の影響を吸収するために必要な方向性の自由度および移動量を確保することが容易な構造となっている。このため冷却器45Aは、熱膨張後に加熱器47に熱応力が残存することも好適に防止或いは抑制できる。
そしてこれらにより、冷却器45Aは、ピストン21、31と、シリンダ22,32と、近似直線機構との間の位置関係に影響が及ぶことを防止或いは抑制できる。そしてこれらにより冷却器45Aは、気体潤滑を行う微小クリアランスのクリアランス精度を適正に維持できなくなる結果、気体潤滑を適切に行えなくなることを防止或いは抑制できる。
なお、冷却器45Aは例えば次に示すように変形することもできる。図7に示す冷却器45A´は、外壁部454の代わりに外壁部454´を備えている点以外、冷却器45Aと実質的に同一のものとなっている。外壁部454´は弾性率の高い非金属の弾性体からなる円筒状の部材となっている。弾性体には具体的には例えば樹脂やゴムを適用することができる。外壁部454´は複数の作動ガス配管451Aの周囲に設けられている。外壁部454´はその両端部が各フランジ部452、453(より具体的には各筒壁部452a、453a)に固定されている。かかる冷却器45A´によれば、冷却器45Aと同様に、外壁部454´を備えていても熱膨張後に加熱器47に熱応力が残存することを好適に防止或いは抑制しつつ、加熱器47の熱変形の影響を吸収できる。
本実施例にかかる冷却器45Bが備える複数の作動ガス配管451Bについて、図8を用いて説明する。冷却器45Bは各フランジ部452、453間の距離が冷却器45Aよりも短くなっている点と、複数の作動ガス配管451Aの代わりに、湾曲形状を有する複数の作動ガス配管451Bを備えている点以外、冷却器45Aと実質的に同一のものとなっている。このため冷却器45Bについては図示省略する。なお、冷却器45Bは、理想的な作動流体の流通方向がクランク軸線CLの延伸方向と直交するように(すなわち、換言すれば冷却器45Aと同様に)配置される。
ここで、冷却器45Bは、よりコンパクト化を図るために各フランジ部452、453間の距離を冷却器45Aよりも短くしている。一方、この場合に仮に複数の作動ガス配管451Aの長さを短縮しただけでは、各フランジ部452、453間で可能とされる相対的な移動の量や、姿勢変化の自由度が小さくなる。すなわち熱変形吸収量が小さくなる。
これに対して冷却器45Bは、各作動ガス配管451Bが図8(a)に示すように湾曲した湾曲形状を有している。具体的には各作動ガス配管451Bが、一端部と他端部とを偏心させるとともに、少なくとも中間部でこれらを滑らかに接続するように湾曲した湾曲形状を有している。すなわち、かかる構造とした各作動ガス配管451Bは直線状に延伸した形状と比較して構造上、変形し易い形状を有している。このため冷却器45Bは、冷却器45Aと比較して各フランジ部452、453間の距離が短くても、十分な熱変形吸収量を確保することができる。
なお、直線状に延伸した形状と比較して構造上、変形し易い形状は、その他の湾曲形状によっても実現することができる。例えば図8(b)に示す作動ガス配管451B´は、両端部が同一線上に設けられるとともに、中間部が円弧状に湾曲した湾曲形状を有している。そしてかかる形状によっても、直線状に延伸した形状と比較して構造上、変形し易い形状を実現できる。
また例えば図8(c)に示す作動ガス配管451B´´は、中間部がばね状に形成された湾曲形状を有している。そしてかかる形状によっても、直線状に延伸した形状と比較して構造上、変形し易い形状を実現できる。またかかる形状によれば、各フランジ部452、453間の距離がさらに短い場合であっても、十分な熱変形吸収量を確保することができる。
本実施例にかかる冷却器45Cについて図9および図10を用いて説明する。冷却器45Cは、具体的に以下に示すようにして設けることとした第1および第2の冷却水配管接続部(以下、単に接続部と称す)455、456を備えている点以外、冷却器45Aと実質的に同一のものとなっている。図9に示すように、第1の接続部455は、第1のフランジ部452に設けられている。具体的には第1の接続部455は、第1の筒壁部452aの側面に設けられている。第2の接続部456は、第2のフランジ部453に設けられている。具体的には第2の接続部456は、第2の筒壁部453aの側面に設けられている。各接続部455、456は冷却水の流路と外部とを連通している。第1の接続部455は冷却水を導入するための導入部となっており、第2の接続部456は冷却水を排出するための排出部となっている。
次に第1の接続部455について図10を用いてさらに具体的に説明する。なお、第2の接続部456には、第1の接続部455と同じ部品が用いられている。このため、ここでは代表して第1の接続部455について説明することとする。
図10(a)に示すように、第1の接続部455は、外側部455aと、中間部455bと、内側部455cとを備えている。
図10(b)に示すように、外側部455aは断面形状が略一定の円形となる流路形状を備えている。
図10(c)に示すように、中間部455bは、外側部455aから連続するとともに、流路断面積が等しくなるように、外側部455aから内側部455cに向かって円形から長円状、或いは楕円状に断面形状が次第に変化する流路形状を備えている。
図10(d)に示すように、内側部455cは中間部455bから連続するとともに、断面形状が略一定の長円状、或いは楕円状となる流路形状を備えている。
そしてかかる流路形状を備えた第1の接続部455は、図10(a)に示すように流路形状に沿った外観形状を有している。このため、内側部455cは円を圧縮したような扁平な形状に形成されている。そして第1の接続部455は、内側部455cのうち、扁平になっている面を、第1のフランジ部452の裏側フランジ面に合わせるように設けられている。
次に冷却器45Cの作用効果について説明する。ここで、各接続部455、456を設けるにあたっては、具体的には例えば外壁部454に設けることも考えられる。ところが、各接続部455、456を外壁部454に設けた場合には、必要な剛性を確保するために外壁部454の肉厚を厚くする必要性が生じ、この結果、外壁部454が変形し難くなってしまう虞がある。
これに対して、冷却器45Cでは、各接続部455、456を各フランジ部452、453に設けている。このため冷却器45Cでは、外壁部454の剛性を高めることなく、各接続部455、456を備えることができる。
また冷却器45Cでは、各接続部455、456を各筒壁部452a、453aに設けている。そしてこのように各接続部455、456を設けることで、冷却器45Cは、各接続部455、456を容易に各フランジ部452、453に設けることができる。
さらに冷却器45Cでは、内側部455cを扁平な形状に形成するとともに、内側部455cのうち、扁平になっている面を、第1のフランジ部452の裏側フランジ面に合わせるように設けている。このため冷却器45Cは、各フランジ部452、453間の距離の拡大、およびこれに伴う本体部の大型化を招くことなく、第1の接続部455を第1のフランジ部452に設けることができる。また内側部455cを扁平な形状に形成したことで、冷却器45Cは、第1の筒壁部452aの高さを必要最小限に抑制して、重量の低減やより容積の大きな冷却水の流路の確保を図ることができる。なお、この点は第2の接続部456についても同様である。
本実施例に係るスターリングエンジン10Bについて、図11および図12を用いて説明する。スターリングエンジン10Bは、ステイ70をさらに備えている点以外、スターリングエンジン10Aと実質的に同一のものとなっている。なお、冷却器45Aの代わりに例えば実施例2で前述した冷却器45Bや実施例3で前述した冷却器45Cを備えている点以外、スターリングエンジン10Aと同様のスターリングエンジンに対してさらにステイ70を設けることも可能である。
図11に示すように、スターリングエンジン10Bは、クランク軸線CLの延伸方向が水平になるように車両の床下に搭載されている。そして車両には、走行中に上下方向V2に沿った振動方向を有する振動が発生する。一方、図12に示すように、スターリングエンジン10Bはステイ70を備えている。ステイ70は再生器46とクランクケース60とを接続している。ステイ70は気筒延伸方向Yに沿って延伸している。そして、これにより同時にステイ70は上下方向V2と直交する方向にも延伸している。
次にスターリングエンジン10Bの作用効果について説明する。図12に示すように搭載されたスターリングエンジン10Bは、車両走行中に上下方向V2に沿った振動方向を有する振動の影響を受けることになる。これに対してスターリングエンジン10Bは、上下方向V2と直交する方向に延伸したステイ70を備えている。このためスターリングエンジン10Bは、冷却器45Aの本体部を弾性体としたことで、再生器46や加熱器47がクランクケース60から見て加熱器47の熱変形方向以外の方向に変位(振動方向に変位)することを抑制できる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例1では外壁部454を備えた冷却器45Aや、外壁部454´を備えた冷却器45A´について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、冷却器は両端部に固定された外壁部を有することなく、適宜の手段で冷却水の流路を形成するようにしてもよい。
また例えば上述した実施例3では、冷却水を流通させるにあたって好適であることなどから、第1の接続部455を第1のフランジ部452に設けるとともに、第2の接続部456を第2のフランジ部453に設けた冷却器45Cについて説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、例えば導入部および排出部はともに、両端部のいずれか一方に対して設けられてもよい。
また例えば上述した実施例4では、再生器46とクランクケース60とを接続するステイ70を備えたスターリングエンジン10Bについて説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、補強部材は、加熱器とクランクケースと直接、或いは間接的に接続する補強部材であればよい。
10 スターリングエンジン
45 冷却器
451 作動ガス配管
452 第1のフランジ部
453 第2のフランジ部
454 外壁部
455 第1の接続部
456 第2の接続部
46 再生器
47 加熱器
50 グラスホッパの機構
100 熱交換部材

Claims (5)

  1. クランクケースと、
    前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、
    前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、
    前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、
    を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンに用いられ、
    一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、
    前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、
    前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、
    前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備え
    前記複数の金属製細管が湾曲形状を有するスターリングエンジンの冷却器。
  2. クランクケースと、
    前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、
    前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、
    前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、
    を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンに用いられ、
    一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、
    前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、
    前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、
    前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備え、
    前記外壁部が金属製の薄肉円筒状の部材であり、且つ湾曲形状を有するスターリングエンジンの冷却器。
  3. クランクケースと、
    前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、
    前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、
    前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、
    を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンに用いられ、
    一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、
    前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、
    前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、
    前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備え、
    前記外壁部が、非金属の弾性体であるスターリングエンジンの冷却器。
  4. クランクケースと、
    前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、
    前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、
    前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、
    を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンに用いられ、
    一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、
    前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、
    前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、
    前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備え、
    前記作動流体を熱交換により冷却する流体を導入するための導入部、および排出するための排出部を前記両端部にさらに備えたスターリングエンジンの冷却器。
  5. クランクケースと、
    前記クランクケースに一端部が固定されるとともに、クランク軸線の延伸方向と気筒延伸方向とが直交するように直列平行に配置された高温側気筒および低温側気筒と、
    前記高温側気筒の他端部に一端部が固定されるとともに、概ねU字形の湾曲形状を有した加熱器と、
    前記加熱器の他端部に一端部が固定された再生器と、
    を備えるとともに、前記クランク軸線の延伸方向が、高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように設けられるα型のスターリングエンジンであって、
    一端部が前記再生器の他端部に固定されるとともに、他端部が前記低温側気筒の他端部に固定され、
    前記スターリングエンジンの作動流体を流通させる複数の金属製細管を備えた多管式構造を有するとともに、前記作動流体の少なくとも理想的な流通方向が前記クランク軸線の延伸方向と直交するように配置され、
    前記再生器および前記低温側気筒の他端部それぞれに固定される前記一端部および他端部である両端部と、前記複数の金属製細管とが一体構造となっており、
    前記複数の金属製細管の周囲に設けられ、且つ前記両端部に固定された外壁部を備えたスターリングエンジンの冷却器、を備え、
    一端部が前記加熱器または前記再生器に接続されるとともに、他端部が前記低温側気筒または前記クランクケースに接続される補強部材をさらに備えたスターリングエンジン
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