JP2007187139A - 排熱回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排熱回収効率を向上させること。
【解決手段】この排熱回収装置10は、内燃機関1が排出する排ガスExから熱エネルギーを回収する。この排熱回収装置10は、内燃機関1の排ガスExを浄化する触媒5よりも排ガスExの流れ方向における下流側に、排ガスExの熱エネルギーを回収する第1スターリングエンジン100Aを配置する。また、触媒5よりも排ガスExの流れ方向における上流側に、排ガスExの熱エネルギーを回収する第2スターリングエンジン100Bを配置する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、熱機関の排熱から熱エネルギーを回収する排熱回収装置に関する。
熱機関を用いることにより、乗用車やバス、トラック等の車両に搭載される内燃機関の排熱から熱エネルギーを回収する排熱回収装置がある。このような用途に用いられる排熱回収装置としては、例えば、理論熱効率に優れたスターリングエンジンがある。特許文献1には、内燃機関の排ガスの持つ熱エネルギーを回収する排熱回収装置として用いるスターリングエンジンが開示されている。
このスターリングエンジンは、内燃機関とは別個に用意されて、内燃機関の排ガス通路であって、浄化触媒の下流に設けられる。内燃機関の排ガス通路は、スターリングエンジンの熱交換器に通ずる主排ガス通路と、このスターリングエンジンの熱交換器を迂回するバイパス排ガス通路とから構成される。そして、内燃機関が排出する排ガス温度がスターリングエンジンの耐久性が確保できる範囲内で、前記内燃機関の排ガスを主排ガス通路に流し、前記範囲の外ではバイパス排ガス通路に流す。
特開2005−113810号公報
しかし、特許文献1に開示されているスターリングエンジンは、浄化触媒の下流に設けられるため、スターリングエンジンの耐久性が確保できる範囲、かつ浄化触媒の耐久性が確保できる範囲の温度の排ガスからしか熱エネルギーを回収できない。その結果、排熱の回収効率が低く、これを改善する余地がある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排熱の回収効率を向上させることができる排熱回収装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る排熱回収装置は、熱機関が排出する排ガスから熱エネルギーを回収する排熱回収装置であって、前記熱機関の前記排ガスを浄化する浄化触媒よりも前記排ガスの流れ方向における下流側で、前記排ガスの熱エネルギーを回収する第1排熱回収手段と、前記浄化触媒よりも前記排ガスの流れ方向における上流側で、前記排ガスの熱エネルギーを回収する第2排熱回収手段と、を含むことを特徴とする。
この排熱回収装置は、排ガスの流れ方向における浄化触媒の下流側で排ガスの熱エネルギーを回収する第1排熱回収手段と、排ガスの流れ方向における浄化触媒の上流側で前記排ガスの熱エネルギーを回収する第2排熱回収手段とを含む。これによって、浄化触媒の温度に応じて、排熱回収に用いる排熱回収手段を選択して使用できるため、熱エネルギーが回収可能な排ガスの温度範囲が広くなる。その結果、排熱の回収効率を向上させることができる。
次の本発明に係る排熱回収装置は、前記排熱回収装置において、前記第1排熱回収手段が発生する動力又は前記第2排熱回収手段が発生する動力の少なくとも一方を吸収する動力吸収手段を備えることを特徴とする。
次の本発明に係る排熱回収装置は、前記排熱回収装置において、同一の前記動力手段によって、前記第1排熱回収手段が発生する動力又は前記第2排熱回収手段が発生する動力の少なくとも一方を吸収することを特徴とする。
次の本発明に係る排熱回収装置は、前記排熱回収装置において、前記第1排熱回収手段と前記動力吸収手段との間に設けられる第1動力断続手段と、前記第2排熱回収手段と前記動力吸収手段との間に設けられる第2動力断続手段と、を備えることを特徴とする。
次の本発明に係る排熱回収装置は、前記排熱回収装置において、前記浄化触媒の温度に基づいて、前記第1動力断続手段及び第2動力断続手段の係合/開放を制御することを特徴とする。
次の本発明に係る排熱回収装置は、前記排熱回収装置において、前記第1動力断続手段は、前記浄化触媒の温度が予め定めた第1の基準温度よりも高くなった場合に係合し、前記第2動力断続手段は、前記浄化触媒の温度が予め定めた第2の基準温度よりも高くなった場合に係合することを特徴とする。
次の本発明に係る排熱回収装置は、前記排熱回収装置において、前記動力吸収手段は、前記浄化触媒の温度に応じて前記排ガスの熱エネルギーを回収して動力を発生することを特徴とする。
次の本発明に係る排熱回収装置は、前記排熱回収装置において、前記動力吸収手段は、前記浄化触媒の温度が予め定めた第1の基準温度よりも高くなった場合には、前記第1排熱回収手段から動力を吸収し、前記浄化触媒の温度が予め定めた第2の基準温度よりも高くなった場合には、前記第2排熱回収手段から動力を吸収することを特徴とする。
この発明は、排熱回収効率を向上させることができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下の説明では、排熱回収手段としてスターリングエンジンを用い、熱機関である内燃機関の排ガスから熱エネルギーを回収する場合を例とする。なお、排熱回収手段としては、スターリングエンジンの他、ブレイトンサイクルを利用した排熱回収装置等を用いることができる。また、熱機関の種類は問わない。
この実施形態は、排ガスを浄化する浄化触媒よりも排ガスの流れ方向における下流側で、排ガスの熱エネルギーを回収する第1排熱回収手段と、浄化触媒よりも排ガスの流れ方向における上流側で、前記排ガスの熱エネルギーを回収する第2排熱回収手段とを備える点に特徴がある。まず、この実施形態に係る排熱回収手段の構成を説明する。
図1は、この実施形態に係る排熱回収手段であるスターリングエンジンを示す断面図である。図2は、この実施形態に係る排熱回収手段であるスターリングエンジンが備える空気軸受の構成例を示す断面図である。図3は、ピストンの支持に用いる近似直線機構の例を示す説明図である。この実施形態に係る排熱回収手段であるスターリングエンジン100は、いわゆるα型の直列2気筒スターリングエンジンである。そして、第1シリンダである高温側シリンダ101内に収められた第1ピストンである高温側ピストン103と、第2シリンダである低温側シリンダ102内に収められた第2ピストンである低温側ピストン104とが直列に配置されている。
高温側シリンダ101と低温側シリンダ102とは、基準体である基板111に、直接、又は間接的に支持、固定されている。この実施形態に係るスターリングエンジン100においては、この基板111が、スターリングエンジン100の各構成要素の位置基準となる。このように構成することで、前記各構成要素の相対的な位置精度を確保できる。
高温側シリンダ101と低温側シリンダ102との間には、略U字形状のヒータ(加熱器)105と再生器106とクーラー107とで構成される熱交換器108が配置される。このように、ヒータ105を略U字形状にすることによって、内燃機関の排ガス通路内のような比較的狭い空間にも、ヒータ105を容易に配置することができる。また、このスターリングエンジン100のように、高温側シリンダ101と低温側シリンダ102とを直列に配置することにより、内燃機関の排ガス通路のような筒状の空間にもヒータ105を比較的容易に配置することができる。
ヒータ105の一方の端部は高温側シリンダ101側に配置され、他方の端部は再生器106側に配置される。再生器106は、一方の端部がヒータ105側に配置され他方の端部はクーラー107側に配置される。クーラー107の一方の端部は再生器106側に配置され、他方の端部は低温側シリンダ102側に配置される。
また、高温側シリンダ101、低温側シリンダ102及び熱交換器108内には作動流体(この実施形態では空気)が封入されており、ヒータ105から供給される熱及びクーラー107で排出する熱によってスターリングサイクルを構成し、スターリングエンジン100を駆動する。ここで、例えば、ヒータ105、クーラー107は、熱伝導率が高く耐熱性に優れた材料のチューブを複数束ねた構成とすることができる。また、再生器106は、多孔質の蓄熱体で構成することができる。なお、ヒータ105、クーラー107及び再生器106の構成は、この例に限られるものではなく、排熱回収対象の熱条件やスターリングエンジン100の仕様等によって、好適な構成を選択することができる。
図1に示すように、スターリングエンジン100を構成する高温側シリンダ101、高温側ピストン103、コンロッド109、クランク軸110等の各構成要素は、筺体100Cに格納される。ここで、スターリングエンジン100の筺体100Cは、クランクケース114Aと、シリンダブロック114Bとを含んで構成されている。
筺体100C内は、加圧手段115により加圧される。これは、高温側及び低温側シリンダ101、102、及び熱交換器108内の作動流体を加圧して、スターリングエンジン100からより多くの出力を取り出すためである。
また、この実施形態に係るスターリングエンジン100では、筺体100Cにはシール軸受116が取り付けられており、クランク軸110がシール軸受116により支持される。クランク軸110の出力は、フレキシブルカップリング118を介して筺体100Cの外部へ取り出される。なお、この実施形態において、フレキシブルカップリング118には、オルダムカップリングを使用している。次に、この実施形態に係る排熱回収装置の構成を説明する。
図4は、この実施形態に係る排熱回収装置の構成を示す構成図である。この排熱回収装置10は、第1排熱回収手段である第1スターリングエンジン100Aと、第2排熱回収手段である第2スターリングエンジン100Bと、を備える。熱機関である内燃機関1の排ガスExから熱エネルギーを回収する際には、第1スターリングエンジン100A又は第2スターリングエンジン100Bのうち少なくとも一方が用いられる。
第2スターリングエンジン100Bが備えるヒータ(以下第2ヒータという)105B及び第1スターリングエンジン100Aが備えるヒータ(以下第1ヒータという)105Aは、内燃機関1の排気通路2内に配置される。なお、排気通路2内には、第1、第2スターリングエンジン100A、100Bの再生器(図1の再生器106に相当する)を配置してもよい。
内燃機関1の排気通路2には、内燃機関1から排出された排ガスExを浄化するための浄化触媒(以下単に触媒という)5が設けられる。第1スターリングエンジン100Aと第2スターリングエンジン100Bとは、触媒5を挟むように配置される。この実施形態では、触媒5に対し、排ガスExの流れ方向における下流側に第1スターリングエンジン100Aが配置され、排ガスExの流れ方向における上流側に第2スターリングエンジン100Bが配置される。すなわち、第1スターリングエンジン100Aは、触媒5と排気通路2の出口2oとの間に配置され、第2スターリングエンジン100Bは、内燃機関1と触媒5との間に配置される。
これによって、第1スターリングエンジン100Aの第1ヒータ105A及び第2スターリングエンジン100Bの第2ヒータ105Bも、触媒5を挟むように配置される。すなわち、触媒5に対し、排ガスExの流れ方向における下流側に第1ヒータ105Aが配置され、排ガスExの流れ方向における上流側に第2ヒータ105Bが配置される。すなわち、第1ヒータ105Aは、触媒5と排気通路2の出口2oとの間に配置され、第2ヒータ105Bは、内燃機関1と触媒5との間に配置される。
排気通路2の上流側、すなわち、内燃機関1に近い方が、内燃機関1から排出される排ガスExの温度は高くなる。この実施形態では、第1スターリングエンジン100Aよりも第2スターリングエンジン100Bの方が排気通路2の上流側に配置されるので、第2スターリングエンジン100Bの方が第1スターリングエンジン100Aよりも高温の排ガスExから熱エネルギーを回収できるようにすることが好ましい。このため、例えば、第2スターリングエンジン100Bの耐熱性を、第1スターリングエンジン100Aよりも高くしたり、作動流体の種類等を調整したりすることが好ましい。
この実施形態において、第1ヒータ105A及び第2ヒータ105Bは、排気通路2に設けられる中空の第1ヒータケース3内及び第2ヒータケース4内にそれぞれ設けられる。そして、第1ヒータケース3と第2ヒータケース4とは、それぞれ触媒5の出口5o側と入口5i側とに接続される。ここで、触媒5の入口5iは、排ガスExが流入する開口部であり、出口5oは、触媒5によって浄化された排ガスが触媒5から排出される開口部である。
この実施形態では、第2ヒータ105Bを内部に備える第2ヒータケース4の内径D1と触媒5の内径D2とを略同一の大きさにしてある。これによって、第2ヒータケース4から排ガスExが触媒5に流入した場合に、触媒5内で排ガスExが偏在することを抑制することができる。その結果、触媒5内における排ガスExの偏在に起因する触媒の温度低下や局所的な昇温、あるいは浄化性能の低下を抑制できる。また、第2ヒータケース4の内径D1と触媒5の内径D2とを略同一の大きさを略同一とすることにより、排ガスExの縮流や急拡大を抑制できるので、第2ヒータケース4と触媒5との接続部における圧力損失を抑制できる。
また、この実施形態では、第1ヒータ105Aを内部に備える第1ヒータケース3の内径D3と触媒5の内径D2とを、略同一の大きさにしてある。これによって、触媒5を通過した後の排ガスExの縮流や急拡大を抑制できるので、第1ヒータケース3と触媒5との接続部における圧力損失を抑制できる。ここで、第1、第2ヒータケース3、4や浄化触媒5の断面形状が円形以外の場合には、内径の値として等価直径De(=4×A/L)を用いる。ここで、Aは排ガスExが通過する流路の断面積であり、Lは前記流路の内周長である。また、上記効果を得るためには、第1ヒータケース3の内径D1及び第2ヒータケース4の内径D3は、触媒5の内径D2の95%以上105%以下とすることが好ましい。
この実施形態において、第1スターリングエンジン100A又は第2スターリングエンジン100Bの少なくとも一方を用いて回収した排ガスExの熱エネルギーは、第1、第2スターリングエンジン100A、100Bで運動エネルギーに変換される。そして、運動エネルギーに変換された排ガスExの熱エネルギーは、動力吸収手段である電動機/発電機(以下MG)7によって電気エネルギーに変換される。ここで、MG7は、発電負荷が与えられることによって、第2スターリングエンジン100B等によって回収した排ガスExの熱エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。このように、MG7は、第1スターリングエンジン100Aが発生する動力又は第2スターリングエンジン100Bが発生する動力のうち少なくとも一方を吸収する機能を有する。
すなわち、MG7は、排ガスExの熱エネルギーによって作動する第2スターリングエンジン100B又は第1スターリングエンジン100Aのうち少なくとも一方によって駆動されて、前記熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。MG7で発生した電気エネルギーは、インバータ8を介して蓄電池9に蓄えられる。インバータ8は、機関ECU(Electronic Control Unit)50が備える、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御装置30によって制御される。
第2スターリングエンジン100BとMG7との間には、第2動力断続手段である第2クラッチ6Bが介在し、また、第1スターリングエンジン100AとMG7との間には、第1動力断続手段である第1クラッチ6Aが介在する。このような構成によって、第2スターリングエンジン100B又は第1スターリングエンジン100Aのうち少なくとも一方を選択して、MG7が駆動される。
第1クラッチ6A及び第2クラッチ6Bは、機関ECU50が備える、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御装置30によって制御される。排熱回収装置の運転制御装置30が第1クラッチ6Aを係合すると、第1スターリングエンジン100AとMG7とが接続される。この状態で第1スターリングエンジン100Aを駆動すると、MG7が電力を発生する。また、排熱回収装置の運転制御装置30が第1クラッチ6Aを開放すると、第1スターリングエンジン100AとMG7との機械的な接続が切断される。この状態で第1スターリングエンジン100Aを駆動しても、MG7は電力を発生しない。第2スターリングエンジン100B及び第2クラッチ6Bでも同様である。
第2スターリングエンジン100Bで排ガスExから熱エネルギーを回収すると、第2スターリングエンジン100Bに移動した熱量に相当する分、排ガスExの温度は低下する。その結果、触媒5に流入する排ガスExの温度は、内燃機関1から排出されたときよりも低くなる。ここで、触媒5が浄化性能を発揮するためには、触媒5が所定の温度(以下活性温度という)よりも高い温度範囲で使用されることが必要である。
したがって、第2スターリングエンジン100Bで排ガスExから熱エネルギーを回収する場合、内燃機関1が排出する排ガスExの温度によっては、触媒5に流入する排ガスExの温度が前記活性温度を下回ってしまうこともある。このような場合、触媒5が浄化性能を発揮できないおそれがあるので、第2クラッチ6Bを開放することによって、MG7と第2スターリングエンジン100Bとの機械的な接続を切断する。これによって、第2スターリングエンジン100Bは排ガスExの熱エネルギーを回収しなくなるので、触媒5に流入する排ガスExの温度低下を最小限に抑えて、触媒5の浄化性能を発揮させることができる。
このとき、触媒5で浄化された後の排ガスExには、第1スターリングエンジン100Aに出力を発生させるだけの熱量が残存している場合もある。このような場合には、第1クラッチ6Aを係合することによって、MG7と第1スターリングエンジン100Aとを機械的に接続する。これによって、第1スターリングエンジン100AにはMG7を駆動するための負荷が発生するので、第1スターリングエンジン100Aは、触媒5から排出される排ガスExから熱エネルギーを回収して、MG7を駆動する。次に、この実施形態に係る排熱回収装置10の制御に用いる排熱回収装置の運転制御装置30を説明する。
図5は、この実施形態に係る排熱回収装置の制御に用いる排熱回収装置の運転制御装置の構成を示す説明図である。図5に示すように、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御装置30は、機関ECU50に組み込まれて構成されている。機関ECU50は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pと、記憶部50mと、入力及び出力ポート55、56と、入力及び出力インターフェイス57、58とから構成される。
なお、機関ECU50とは別個に、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御装置30を用意し、これを機関ECU50に接続してもよい。そして、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御を実現するにあたっては、機関ECU50が備える第1スターリングエンジン100Aや第2スターリングエンジン100B等に対する制御機能を、前記排熱回収装置の運転制御装置30が利用できるように構成してもよい。
排熱回収装置の運転制御装置30は、運転条件判定部31と、運転制御部32とを含んで構成される。これらが、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御を実行する部分となる。この実施形態において、排熱回収装置の運転制御装置30は、機関ECU50を構成するCPU50pの一部として構成される。また、CPU50pには、内燃機関制御部53hが備えられており、これによって内燃機関1の運転を制御する。
CPU50pと、記憶部50mとは、バス541〜543を介して、入力ポート55及び出力ポート56を介して接続される。これにより、排熱回収装置の運転制御装置30を構成する運転条件判定部31と運転制御部32とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。また、排熱回収装置の運転制御装置30は、機関ECU50が有する内燃機関1や排熱回収装置10等の運転制御データを取得し、これを利用することができる。また、排熱回収装置の運転制御装置30は、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御を機関ECU50が予め備えている運転制御ルーチンに割り込ませたりすることができる。
入力ポート55には、入力インターフェイス57が接続されている。入力インターフェイス57には、触媒温度センサ40、エアフローメータ41、機関回転数センサ42、冷却水温度センサ43、排ガス温度センサ44その他の、排熱回収装置の運転制御に必要な情報を取得するセンサ類が接続されている。これらのセンサ類から出力される信号は、入力インターフェイス57内のA/Dコンバータ57aやディジタル入力バッファ57dにより、CPU50pが利用できる信号に変換されて入力ポート55へ送られる。これにより、CPU50pは、内燃機関1の運転制御や、排熱回収装置の運転制御に必要な情報を取得することができる。
出力ポート56には、出力インターフェイス58が接続されている。出力インターフェイス58には、第1クラッチ6A、第2クラッチ6B、インバータ8その他の、排熱回収装置の運転制御に必要な制御対象が接続されている。出力インターフェイス58は、制御回路581、582等を備えており、CPU50pで演算された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、前記センサ類からの出力信号に基づき、機関ECU50のCPU50pは、排熱回収装置10や内燃機関1を制御することができる。
記憶部50mには、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御の処理手順を含むコンピュータプログラムや制御マップ、あるいはこの実施形態に係る排熱回収装置の運転制御に用いる、制御データマップ等が格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、CPU50pへすでに記録されているコンピュータプログラムと組み合わせによって、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この排熱回収装置の運転制御装置30は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、運転条件判定部31及び運転制御部32の機能を実現するものであってもよい。次に、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御を説明する。次の説明では、適宜図1〜図5を参照されたい。なお、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御は、上記排熱回収装置の運転制御装置30によって実現できる。
図6は、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御の手順を示すフローチャートである。図7は、高温側駆動判定温度の設定に用いる制御マップの一例を示す説明図である。この実施形態に係る排熱回収装置10は、例えば図6に示すような駆動手順で駆動される。まず、排熱回収装置の運転制御装置30の運転条件判定部31は、触媒温度センサ40から触媒5の温度(以下触媒温度)Tcを取得する(ステップS101)。なお、触媒温度センサ40は、実際には触媒床の温度を測定しており、触媒温度センサ40で測定した触媒床の温度を、触媒5の温度とみなす。
次に、運転条件判定部31は、ステップS101において取得した触媒温度Tcを、実験や解析等によって予め定めた低温側駆動判定温度(第1の基準温度)Tlと比較する(ステップS102)。低温側駆動判定温度Tlは、触媒5の下流側に配置される第1スターリングエンジン100Aで、触媒5から排出される排ガスExから熱エネルギーを回収するか否かを判定するために用いる指標である。より具体的には、低温側駆動判定温度Tlは、触媒5を通過した排ガスExの温度が、第1スターリングエンジン100Aを駆動でき、かつMG7にある程度の電力を発生させることができる程度の温度となるような触媒温度である。
Tl≧Tcである場合(ステップS102:No)、触媒5から排出される排ガスExによって第1スターリングエンジン100Aを運転し、MG7にある程度の電力を発生させることはできず、実質的に排ガスExの熱エネルギーを回収することはできない。これは、例えば、内燃機関1や排熱回収装置10の温度が定常運転に必要とされる温度に到達していない状態である。このような状態で、第1スターリングエンジン100Aを運転すると、実質的に排ガスExの熱エネルギーを回収することはできないのみならず、第1スターリングエンジン100Aを介して大気中へ熱が放出されることになり、内燃機関1や排熱回収装置10の暖機を妨げる。
この場合、排熱回収装置の運転制御装置30の運転制御部32は、第1及び第2スターリングエンジン100A、100Bの運転を停止する(ステップS104)。具体的には、運転制御部32は、第1及び第2クラッチ6A、6Bの両方を開放し、MG7と第1及び第2スターリングエンジン100A、100Bとの機械的な接続を切断する。これによって、第1及び第2スターリングエンジン100A、100Bは排ガスExの熱エネルギーを回収しなくなる。その結果、排熱回収装置10を介して大気中へ放出される熱を抑制できるので、内燃機関1や排熱回収装置10の暖機を迅速に完了させることができる。
Tl<Tc、すなわち触媒温度Tcが低温側駆動判定温度Tlよりも高い場合(ステップS102:Yes)、触媒5から排出される排ガスExによって第1スターリングエンジン100Aを駆動し、MG7に電力を発生させることができると判定できる。Tl<Tcである場合(ステップS102:Yes)、運転条件判定部31は、ステップS101において取得した触媒温度Tcを、実験や解析等によって予め定めた高温側駆動判定温度(第2の基準温度)Thと比較する(ステップS103)。
高温側駆動判定温度Thは、触媒5の上流側に配置される第2スターリングエンジン100Bによって、内燃機関1から排出される排ガスExから熱エネルギーを回収するか否かを判定するために用いる指標である。より具体的には、高温側駆動判定温度Thは、第2スターリングエンジン100Bを駆動できるとともに、MG7にある程度の電力を発生させることができ、かつ、第2スターリングエンジン100Bを駆動した後の排ガスExが触媒5に流入したときに、触媒5の活性温度よりも高い温度を維持できるような触媒温度である。
Th<Tc、すなわち触媒温度Tcが高温側駆動判定温度Thよりも高い場合(ステップS103:Yes)、第1及び第2スターリングエンジン100A、100Bの両方から排ガスExの熱エネルギーを回収できるとともに、触媒5の浄化性能も確保できる。この場合、運転制御部32は、第1及び第2スターリングエンジン100A、100Bの両方を運転して、内燃機関1が排出する排ガスExの熱エネルギーを回収する(ステップS105)。
具体的には、運転制御部32は、第1及び第2クラッチ6A、6Bの両方を係合させ、MG7と第1及び第2スターリングエンジン100A、100Bとを機械的に接続するとともに、MG7に発電負荷を与える。これによって、第1及び第2スターリングエンジン100A、100Bは、排ガスExから熱エネルギーを回収し、これを運動エネルギーに変換して、MG7を駆動する。
Th≧Tcである場合(ステップS103:No)、第2スターリングエンジン100Bで排ガスExの熱エネルギーを回収すると、熱エネルギーを回収した後の排ガスExが触媒5に流入することによって触媒温度が活性温度を下回るおそれがある。したがって、この場合には、第1スターリングエンジン100Aのみを運転して排ガスExの熱エネルギーを回収する。(ステップS106)。
具体的には、運転制御部32は、第2クラッチ6Bを開放するとともに、第1クラッチ6Aを係合させ、MG7と第1スターリングエンジン100Aとを機械的に接続するとともに、MG7に発電負荷を与える。これによって、第1スターリングエンジン100Aは、触媒5から排出される排ガスExから熱エネルギーを回収し、これを運動エネルギーに変換して、MG7を駆動する。一方、第2スターリングエンジン100Bは排ガスExの熱エネルギーを回収しなくなるので、排ガスExの温度低下を抑制して、触媒5の浄化性能を維持する。
このように、この実施形態に係る排熱回収装置10は、触媒温度Tcに基づいて、第1及び第2クラッチ6A、6Cの係合/開放を制御する。そして、動力吸収手段であるMG7は、触媒温度Tcに応じて排ガスExの熱エネルギーを回収する。このとき、触媒温度Tcが低温側駆動判定温度Tlよりも高くなった場合には、MG7は第1スターリングエンジン100Aから動力を吸収して発電する。また、触媒温度Tcが高温側駆動判定温度Thよりも高くなった場合には、MG7は第2スターリングエンジン100Bから動力を吸収して発電する。
スターリングエンジン等の排熱回収手段を、排ガスExの流れ方向における浄化触媒5の上流側に配置すると、触媒5の浄化性能を維持するため、熱エネルギーを回収した後の排ガスExは、ある温度(例えば活性温度)よりも高く維持する必要がある。したがって、排ガスExの温度が低い場合は触媒5の浄化性能が維持できないので、排ガスExの熱エネルギーを回収することはできない。その結果、排ガスExから熱エネルギーを回収できる排ガスExの温度が限られることになり、排熱の回収効率は低くなる。
一方、スターリングエンジン等の排熱回収手段を、排ガスExの流れ方向における浄化触媒5の下流側に配置すると、触媒5を通過して温度の低下した排ガスExからしか熱エネルギーを回収できないので、排熱の回収効率は低くなる。このように、触媒5の上流側又は下流側のいずれか一方に排熱回収手段を配置すると、排熱の回収効率は低下してしまう。
この実施形態に係る排熱回収装置10は、排ガスExの流れ方向における触媒5の下流側には第1スターリングエンジン100Aを、上流側には第2スターリングエンジン100Bを配置する。そして、この排熱回収装置10は、上記手順に示すように、触媒5の温度に応じて第1スターリングエンジン100A又は第2スターリングエンジン100Bの少なくとも一方を用いて排ガスExの熱エネルギーを回収する。このため、この排熱回収装置10は、熱エネルギーを回収可能な排ガスExの温度範囲が広くなる。その結果、排熱の回収効率を向上させることができる。同時に触媒5の浄化性能も確保できる。
ここで、高温側駆動判定温度Thについて説明する。上述したように、取得した触媒温度Tcが高温側駆動判定温度Thよりも高い場合には、第2スターリングエンジン100Bを用いて排ガスExの熱エネルギーを回収する。高温側駆動判定温度Thを一定値とした場合には、内燃機関1の運転状態や内燃機関1が排出する排ガスExの温度に関係なく、Th<Tcが成立すると第2スターリングエンジン100Bを用いて排ガスExの熱エネルギーを回収する。
この場合、例えば、内燃機関1が低負荷で運転されていると、内燃機関1の排ガスExの温度は中、高負荷の場合と比較して低くなる。その結果、Th<Tcが成立した場合であっても、第2スターリングエンジン100Bを駆動した後の排ガスExが触媒5に流入すると、触媒温度が活性温度を下回るおそれがある。
一方、例えば、内燃機関1が高負荷で運転されていると、内燃機関1の排ガスExの温度は低、中負荷の場合と比較して高くなる。その結果、第2スターリングエンジン100Bを駆動して温度が低下した排ガスExであっても、触媒5の活性温度よりも高い温度である場合がある。このような場合には、第2スターリングエンジン100Bによって排ガスExの熱エネルギーを回収しても触媒5の浄化性能は維持できるため、第2スターリングエンジン100Bを運転しないと排熱の回収効率が低下する。
そこで、触媒温度Tcと高温側駆動判定温度Thとを比較するにあたっては、例えば、内燃機関1の運転条件を考慮して高温側駆動判定温度Thを設定する。この場合、例えば、図7に示す制御マップ60を用いる。この制御マップ60は、実験や解析等によって予め求められるものであり、内燃機関1の負荷KL、機関回転数NEが小さくなるにしたがって(KLm>KL2…>KL1、NEn>NE2…>NE1)、高温側駆動判定温度Thを大きくしてある。
このようにすれば、触媒5の活性温度を下回らない範囲で第2スターリングエンジン100Bを駆動できるので、触媒の浄化性能を維持しつつ、排ガスExの熱エネルギーを回収することができる。また、触媒5の温度が活性温度より低くても、第2スターリングエンジン100Bを駆動した後の排ガスExによって触媒5の温度を活性温度よりも高くできる場合には、第2スターリングエンジン100Bを駆動することにより、排熱の回収効率を向上させることができる。
このように、高温側駆動判定温度Thは、予め定めた一定値としてもよいが、内燃機関1の運転状態や排熱回収装置10の要求出力等に応じて変更してもよい。なお、高温側駆動判定温度Thを変更するにあたっては、排ガス温度センサ44(図4参照)によって取得される排ガスExの温度に基づいて決定してもよい。
図8は、この実施形態の第1変形例に係る排熱回収装置の構成を示す構成図である。この排熱回収装置10aは、上記排熱回収装置10(図4参照)と同様の構成であるが、第1排熱回収手段と第2排熱回収手段とに、それぞれ動力吸収手段を設ける点が異なる。他の構成は上記実施形態と同様である。
第2排熱回収手段である第2スターリングエンジン100Bは、第2動力吸収手段である第2MG(電動機/発電機)7Bを駆動する。また、第1排熱回収手段である第1スターリングエンジン100Aは、第1動力吸収手段である第1MG(電動機/発電機)7Aを駆動する。この変形例においては、第2スターリングエンジン100Bと第2MG7Bとの間、及び第1スターリングエンジン100Aと第1MG7Aとの間には、動力断続手段(クラッチ)は設けていない。しかし、これらの間に動力断続手段を設けてもよい。
第1及び第2MG7A、7Bで発生した電気エネルギーは、それぞれ第1インバータ8A、第2インバータ8Bを介して蓄電池9に蓄えられる。なお、第1、第2インバータ8A、8Bは、機関ECU50が備える、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御装置30によって制御される。
第2スターリングエンジン100Bによって内燃機関1が排出する排ガスExから熱エネルギーを回収する場合には、排熱回収装置の運転制御装置30の運転制御部32(図5参照)が第2インバータ8Bを制御することにより、蓄電池9から第2MG7Bに電力を供給して、第2スターリングエンジン100Bを起動する。なお、第2スターリングエンジン100Bを駆動するか否かの判定は、上述した手順による。
第2スターリングエンジン100Bが起動したら、運転制御部32は、第2MG7Bに発電負荷を与える。これによって、第2スターリングエンジン100Bによって第2MG7Bを駆動して第2MG7Bから電力を発生させ、内燃機関1が排出する排ガスExの熱エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
第1スターリングエンジン100Aによって内燃機関1が排出する排ガスExから熱エネルギーを回収する場合には、排熱回収装置の運転制御装置30の運転制御部32(図5参照)が第1インバータ8Aを制御することにより蓄電池9から第1MG7Aに電力を供給して、第1スターリングエンジン100Aを起動する。なお、第1スターリングエンジン100Aを駆動するか否かの判定は、上述した手順による。
第1スターリングエンジン100Aが起動したら、運転制御部32は、第1MG7Aに発電負荷を与える。これによって、第1スターリングエンジン100Aによって第1MG7Aを駆動して第1MG7Aから電力を発生させ、内燃機関1が排出する排ガスExの熱エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
図9は、この実施形態の第2変形例に係る排熱回収装置の構成を示す構成図である。この排熱回収装置10bは、上記排熱回収装置10(図4参照)と同様の構成であるが、第1排熱回収手段が発生する動力と第2排熱回収手段が発生する動力とを、内燃機関1の出力軸に出力する点が異なる。他の構成は上記実施形態と同様である。
第1排熱回収手段である第1スターリングエンジン100Aが、排ガスExの熱エネルギーを運動エネルギーに変換することによって発生する動力は、動力吸収手段である動力合成装置20へ入力される。また、第2排熱回収手段である第2スターリングエンジン100Bが、排ガスExの熱エネルギーを運動エネルギーに変換することによって発生する動力は、動力合成装置20へ入力される。
動力合成装置20は、内燃機関1の出力軸21に取り付けられる動力合成ギヤ26と、これに噛み合うとともに、動力合成装置20の入力軸28に取り付けられる出力ギヤ27とを含んで構成される。入力軸28の両端部には、それぞれ第1動力断続手段である第1クラッチ6Aとそれぞれ第2動力断続手段である第2クラッチ6Bとが取り付けられる。そして、第2スターリングエンジン100Bが発生する動力は第2クラッチ6Bを介して、第1スターリングエンジン100Aが発生する動力は第1クラッチ6Aを介して、動力合成装置20の入力軸28へ入力される。ここで、第1及び第2クラッチ6A、6Bは、機関ECU50が備える、この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御装置30によって制御される。
動力合成装置20の入力軸28へ入力された第2スターリングエンジン100B等の動力は、出力ギヤ27によって動力合成ギヤ26へ伝達される。そして、前記動力と内燃機関1が発生する動力とが動力合成ギヤ26で合成され、合成された動力が動力合成ギヤ26に取り付けられる動力伝達軸22に伝達される。動力伝達軸22は、合成後の動力をデファレンシャルギヤ23に伝達する。デファレンシャルギヤ23は、伝達された前記動力を第1駆動軸24Aと第2駆動軸24Bとに出力し、第1車輪25Aと第2車輪25Bを駆動する。
このように、動力合成装置20は、第1スターリングエンジン100Aが発生する動力又は第2スターリングエンジン100Bが発生する動力のうち少なくとも一方を、内燃機関1が発生する動力と合成する。動力合成装置20は、見かけ上、第1スターリングエンジン100Aが発生する動力又は第2スターリングエンジン100Bが発生する動力のうち少なくとも一方を吸収する。なお、動力合成装置20の出力ギヤ27と動力合成ギヤ26との変速比が変更できる構成としてもよい。第2スターリングエンジン100B等の回転数は急激に変化させることが難しいが、前記変速比を可変とすれば、内燃機関1の機関回転数の広い範囲で、第2スターリングエンジン100B等の動力と内燃機関1の動力とを合成できる。
以上、この実施形態及びその変形例では、排ガスを浄化する触媒よりも排ガスの流れ方向における下流側で排ガスの熱エネルギーを回収する第1排熱回収手段と、触媒よりも排ガスの流れ方向における上流側で前記排ガスの熱エネルギーを回収する第2排熱回収手段とを含んで排熱回収装置を構成する。これによって、触媒の温度に応じて、排熱回収に用いる排熱回収手段を選択して使用できるため、熱エネルギーを回収可能な排ガスの温度範囲が広くなる。その結果、排熱の回収効率を向上させることができる。また、例えば、排ガスの温度が低く、触媒が規定の浄化性能を発揮できない場合には、触媒の上流側に配置される排熱回収装置での排熱回収を停止することにより、触媒5の浄化性能も確保できる。
また、触媒よりも排ガスの流れ方向における上流側に第2排熱回収手段を設けるので、この第2排熱回収手段が熱的なバッファーとしても機能する。これによって、排ガスの温度が急激に変化した場合でも、触媒に流入する排ガスの温度の変化を比較的小さく抑えることができる。その結果、瞬間的に高い温度の排ガスが触媒に流入することに起因する触媒の耐久性低下を抑制することができる。また、排ガスの急激な温度低下があっても、ある程度の熱容量を持つ第2排熱回収手段を通過した排ガスが触媒に流入する結果、排ガスの温度低下を抑制できるので、触媒の浄化性能の低下を抑制できる。
以上のように、本発明に係る排熱回収装置は、熱機関の排熱回収に有用であり、特に、排熱回収効率を向上させることに適している。
この実施形態に係る排熱回収手段であるスターリングエンジンを示す断面図である。 この実施形態に係る排熱回収手段であるスターリングエンジンが備える空気軸受の構成例を示す断面図である。 ピストンの支持に用いる近似直線機構の例を示す説明図である。 この実施形態に係る排熱回収装置の構成を示す構成図である。 この実施形態に係る排熱回収装置の制御に用いる排熱回収装置の運転制御装置の構成を示す説明図である。 この実施形態に係る排熱回収装置の運転制御の手順を示すフローチャートである。 高温側駆動判定温度の設定に用いる制御マップの一例を示す説明図である。 この実施形態の第1変形例に係る排熱回収装置の構成を示す構成図である。 この実施形態の第2変形例に係る排熱回収装置の構成を示す構成図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 排気通路
3 第1ヒータケース
4 第2ヒータケース
7 MG
7A 第1MG
7B 第2MG
5 触媒(浄化触媒)
6A 第1クラッチ
6B 第2クラッチ
8 インバータ
8A 第1インバータ
8B 第2インバータ
10、10a、10b 排熱回収装置
20 動力合成装置
30 排熱回収装置の運転制御装置
31 運転条件判定部
32 運転制御部
40 触媒温度センサ
50 機関ECU
60 制御マップ
100 スターリングエンジン
100A 第1スターリングエンジン
100B 第2スターリングエンジン
105 ヒータ
105A 第1ヒータ
105B 第2ヒータ

Claims (8)

  1. 熱機関が排出する排ガスから熱エネルギーを回収する排熱回収装置であって、
    前記熱機関の前記排ガスを浄化する浄化触媒よりも前記排ガスの流れ方向における下流側で、前記排ガスの熱エネルギーを回収する第1排熱回収手段と、
    前記浄化触媒よりも前記排ガスの流れ方向における上流側で、前記排ガスの熱エネルギーを回収する第2排熱回収手段と、
    を含むことを特徴とする排熱回収装置。
  2. 前記第1排熱回収手段が発生する動力又は前記第2排熱回収手段が発生する動力の少なくとも一方を吸収する動力吸収手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の排熱回収装置。
  3. 同一の前記動力手段によって、前記第1排熱回収手段が発生する動力又は前記第2排熱回収手段が発生する動力の少なくとも一方を吸収することを特徴とする請求項2に記載の排熱回収装置。
  4. 前記第1排熱回収手段と前記動力吸収手段との間に設けられる第1動力断続手段と、
    前記第2排熱回収手段と前記動力吸収手段との間に設けられる第2動力断続手段と、
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の排熱回収装置。
  5. 前記浄化触媒の温度に基づいて、前記第1動力断続手段及び第2動力断続手段の係合/開放を制御することを特徴とする請求項4に記載の排熱回収装置。
  6. 前記第1動力断続手段は、前記浄化触媒の温度が予め定めた第1の基準温度よりも高くなった場合に係合し、
    前記第2動力断続手段は、前記浄化触媒の温度が予め定めた第2の基準温度よりも高くなった場合に係合することを特徴とする請求項5に記載の排熱回収装置。
  7. 前記動力吸収手段は、前記浄化触媒の温度に応じて前記排ガスの熱エネルギーを回収して動力を発生することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の排熱回収装置。
  8. 前記動力吸収手段は、
    前記浄化触媒の温度が予め定めた第1の基準温度よりも高くなった場合には、前記第1排熱回収手段から動力を吸収し、
    前記浄化触媒の温度が予め定めた第2の基準温度よりも高くなった場合には、前記第2排熱回収手段から動力を吸収することを特徴とする請求項7に記載の排熱回収装置。
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