JP2005069161A - 内燃機関の排気浄化処理装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 NOx触媒などを利用する内燃機関の排気浄化処理装置において、浄化媒体である触媒の温度を最適な温度範囲に維持することができ、且つ、SOx被毒回復の処理を触媒劣化が生じない温度範囲に正確に維持して行うことを可能とする。
【解決手段】 排気浄化処理装置は、吸蔵還元型NOx触媒などの排気浄化処理媒体を利用して内燃機関からの排気ガスの浄化を行う。排気浄化処理媒体へ供給される排気ガスの熱は、作動温度領域の異なる複数の排気熱輸送装置により回収される。これにより、触媒に供給される排気ガスの温度を、触媒の浄化に最適な温度範囲、又は、SOx被毒回復に最適であって触媒劣化の生じない温度範囲にコントロールすることができる。このため、排気ガスの浄化を精度良く行うことができ、さらに、触媒を劣化させることなく効果的にSOx被毒回復を行うこともできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化処理を行う排気浄化処理装置に関し、特に触媒などの排気浄化処理媒体の温度制御を行う排気浄化処理装置に関する。
自動車などの内燃機関から排出される排気ガスの中には、窒素酸化物(NOx)などが含まれている。最近では、この窒素酸化物(NOx)などを浄化するために三元触媒や吸蔵還元型NOx触媒などが用いられている。このような窒素酸化物(NOx)を浄化する触媒(以下、単に「触媒」と呼ぶ)には最適温度範囲(例えば、350〜450℃)が存在し、この最適温度範囲に触媒の温度が入っていなければ高い浄化率を得ることはできない。従って、NOx排出量を低減するには、触媒の温度を最適温度範囲内に維持することが要求される。
触媒の温度を最適温度範囲内に維持する方法として、触媒に流入する排気ガスの熱をヒートパイプなどを用いた排気熱回収装置により回収して、排気ガスの温度を下げるという方法がある。例えば、排気熱回収装置を触媒の上流に設け、適度に冷却された排気ガスを触媒に送るものが知られている(特許文献1を参照)。その他にも、類似の排気熱回収装置を用いて触媒に流入する排気ガスの温度を下げ、触媒を最適な温度範囲に維持するという技術が特許文献2乃至4に記載されている。
ところで、内燃機関の燃料には硫黄(S)が含まれている場合があり、そのような燃料が内燃機関で燃焼されると、有害な硫黄酸化物(SOx)が生成される。この硫化酸化物(SOx)は、窒素酸化物(NOx)と同様のメカニズムによって、上記の触媒により浄化することができる。しかし、触媒が吸蔵する硫化酸化物(SOx)の濃度が増加すると、窒素酸化物(NOx)の浄化能力が低下する、いわゆる、SOx被毒が生じてしまう。そのため、触媒に流入する排気の空燃比を弱リッチとしたり、エンジン負荷を大きく上げるなどの制御を行うことにより、この触媒のSOx被毒を回復(以下、「SOx被毒回復」と呼ぶ)しなければならない。
SOx被毒回復を行う場合においても、最適な温度範囲(例えば、650〜700℃)が存在する。そのため、SOx被毒回復を行うには、まず、触媒の温度をこの温度範囲付近まで上昇させる必要がある。しかし、この温度範囲を超えるまで触媒の温度を上昇させてしまうと(例えば、720℃以上)、触媒の吸蔵材飛散や固層反応などのいわゆる触媒劣化が生じてしまう恐れがある。したがって、SOx被毒回復処理を行う際も、触媒温度を正確にコントロールする必要がある。
しかし、上述の特許文献1及至4に記載された方法では、SOx被毒回復処理の際に、触媒が劣化しないような温度に触媒温度を正確にコントロールすることは困難である。また、SOx被毒回復とは別に、エンジンが高負荷状態であるときには排気ガス温度が触媒劣化を引き起こすほどの高温になってしまうことがある。
特開平3−917号公報
実案昭63−22321号公報 特開2000−179338号公報 特表2003ー515042号公報
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、NOx触媒などを利用する内燃機関の排気浄化処理装置において、浄化媒体であるNOx触媒などの温度を最適温度範囲に維持することができ、且つ、SOx被毒回復の処理を触媒劣化が生じない温度範囲に正確に維持して行うことが可能な内燃機関の排気浄化処理装置を提供することにある。
本発明の1つの観点では、内燃機関の排気浄化処理装置は、排気ガスを浄化する排気浄化処理媒体と、排気浄化処理媒体の上流側の排気通路に設けられ、前記排気ガスの熱を回収して輸送する複数の排気熱輸送手段と、を備え、前記複数の排気熱輸送手段は、それぞれ作動温度領域が異なることを特徴とする。
上記の排気浄化処理装置は、排気浄化処理媒体を利用して内燃機関から排出される排気ガスの浄化処理を行う。排気浄化処理媒体は排気ガスが通過する排気通路などに配置され、例えば排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を処理する吸蔵還元型NOx触媒の他、三元触媒、ディーゼル車の排気ガス中に含まれる粒子状物質を処理するフィルタや触媒などでもかまわない。排気浄化処理媒体の上流側の排気通路には、排気ガスの熱を回収し、低温側に輸送することができる複数の排気熱輸送装置が設置されており、それぞれ作動温度範囲が異なっている。排気浄化処理媒体へ供給される排気ガスは、各排気熱輸送装置がその熱を回収し、輸送することによって冷却することができる。つまり、排気ガス温度がそれぞれの作動温度範囲付近に至ったときに、排気ガス温度をその作動温度範囲内に維持することができる。よって、各排気熱輸送装置の作動温度範囲を、望ましい温度範囲にそれぞれ設定することにより、排気浄化の促進や燃費の向上などを図ることができる。なお、排気熱輸送装置としては、例えばヒートパイプなどを用いることができる。
上記の排気浄化処理装置の一態様では、前記排気熱輸送手段は、第1の排気熱輸送手段と、第2の排気熱輸送手段と、を備え、前記第1の排気熱輸送手段の作動温度領域は、前記排気浄化処理媒体の最適な浄化性能が得られる温度領域であり、前記第2の排気熱輸送手段の作動温度領域は、前記排気浄化処理媒体が劣化する温度以下である。
この態様では、第1の排気熱輸送手段が排気ガスを冷却することにより、浄化に最適な範囲に排気浄化処理媒体の温度を維持することができる。また、第2の排気熱輸送手段が排気ガスを冷却することにより、排気ガス温度が高温となった場合でも、排気浄化処理媒体の劣化を防止することができる。
上記の排気浄化処理装置の他の一態様では、前記排気浄化処理媒体はSOxを吸収し、前記第2の排気熱輸送手段の作動温度領域は、前記排気浄化処理媒体内のSOxの被毒回復に最適な温度領域である。これにより、排気浄化処理媒体を劣化させることなく、効果的にSOx被毒回復処理を行うことができる。
上記の排気浄化処理装置の他の一態様は、前記排気熱輸送手段から輸送された熱を再利用する排気熱再利用手段を備える。これにより、排気ガスから回収され、排気熱輸送装置により輸送されてくる熱を無駄にすることなく、運動エネルギーや電気的エネルギーに変換して再利用することができる。運動エネルギーへの変換を行う排気熱輸送装置としては、例えば、スターリングエンジンやランキンサイクルエンジンやブレイトンサイクルエンジンなどを利用することができる。また、電気エネルギーへの変換を行う排気熱輸送装置としては、熱電素子や発電機などを利用することができる。
上記の排気浄化処理装置の他の一態様では、前記排気熱再利用手段は、排気ガスの熱を輸送する前記排気熱輸送手段ごとに異なる。この態様では、排気熱輸送装置の作動温度範囲に応じて適切な排気熱再利用装置を選択する。例えば、少量の熱を輸送する排気熱輸送装置に対しては熱電素子などを設置し、大きな熱を輸送する排気熱輸送装置に対してはスターリングエンジンなどを設けることが好ましい。これにより、効率よく排気熱を再利用することができる。
上記の排気浄化処理装置の他の一態様は、前記排気ガスの温度を検出する排気ガス温度検出手段と、前記排気浄化処理媒体内のSOx被毒を回復するSOx被毒回復処理手段と、を備え、前記SOx被毒回復処理手段は前記排気ガス温度検出手段が検出した前記排気ガスの温度に基づいてSOx被毒回復処理を行う。
リッチスパイクその他のSOx被毒回復のための処理は燃費悪化に繋がるので、この態様では、排気ガス温度を考慮して無駄なSOx被毒回復は行わないようにする。例えば、排気ガスがSOx被毒回復処理に最適な温度である場合などはわざわざSOx被毒回復のための処理を行わないようにする。
上記の排気浄化処理装置の他の一態様では、前記排気ガス温度検出手段は、前記排気浄化処理媒体の上流側で、且つ、前記排気熱輸送手段の上流側及び下流側排気通路上にそれぞれ1つずつ設けられる。これにより、検出された排気ガス温度に基づいて、排気熱輸送手段の動作状態を判定することが可能となる。
好適な実施例では、前記排気ガス温度検出手段が検出した排気ガス温度の差が、所定温度以上でない場合は、前記排気熱輸送手段が正常に作動していないと判断する手段を備えることができる。排気熱輸送装置が正常に作動していれば、この装置の前後では、排気ガスの温度に所定量異常の差が生じているはずである。よって、排気ガスの温度に所定量以上の差がなければ、排気熱輸送装置は正常に動作していないと判定することができる。
また、前記排気ガス温度検出手段が検出した排気ガス温度が、所定温度以上である場合にも前記排気熱輸送手段が正常に作動していないと判断する手段を備えることができる。排気熱輸送装置が正常に作動していれば、この装置の下流側では排気ガスの温度は所定温度以下に維持されるはずである。よって、排気ガスの温度が所定温度以上である場合は排気熱輸送装置は正常に動作していないと判定することができる。
また、前記排気熱輸送手段が正常に作動していないと判断した場合は、前記SOx被毒回復処理手段はSOx被毒回復処理を行わないようにすることができる。これは、排気熱輸送手段による温度制御が正しく行われない状態でSOx被毒回復処理を行うと、無駄に燃料を消費したり、排気浄化処理媒体が高温になって劣化する恐れがあるからである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
まず、本発明による排気浄化処理装置の基本概念について図1を参照して説明する。図1は本発明に係る排気浄化処理装置の基本構成を模式的に示すブロック図である。
図1において、排気浄化処理装置100はエンジン101から出力される排気の浄化処理を行うものであり、排気浄化処理部102と、排気通路103と、排気浄化処理部102の上流側の排気通路103上に設けられた排気熱輸送装置105及び排気熱輸送装置106と、を備える。
エンジン1としては、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどを用いることができる。
排気浄化処理部102は、例えばエンジンの排気系に設けられる吸蔵還元型NOx触媒などを用いたものとすることができる。前述のように吸蔵還元型NOx触媒は、その温度によりNOx浄化率が変化するので、本発明による排気浄化処理装置により排気浄化処理部102は触媒浄化のために適正な温度範囲(350〜450℃)に維持される。
また、SOx被毒回復を行うのに最適な温度(例えば650〜700℃)は、触媒が劣化してしまう温度(例えば、720℃以上、以下「触媒劣化温度」と呼ぶ。)に近いので、一般的にはSOx被毒回復処理の実行中に排気ガス温度が触媒劣化温度に達してしまうことがありうる。また、エンジンに所定量以上の負荷がかかった場合にも、排気ガス温度が触媒劣化温度に達してしまうことがありうる。しかし、本発明による排気浄化処理装置は、そのような場合に排気ガスが触媒劣化温度に達することを防止することができる。
排気熱輸送装置105と排気熱輸送装置106は、熱を低温側から高温側に輸送することができる装置であり、例えば、ヒートパイプなどを用いることができる。これにより、高温となった排気ガスの温度を下げることができる。本発明においては、このような機能を有する排気熱輸送装置を複数備えている(図1においては、例として2つの排気熱輸送装置を用いているものを示す)。このように複数の排気熱輸送装置を用いたのは、触媒を高浄化率が得られる最適温度範囲(350〜450℃、以下「触媒浄化最適温度範囲」と呼ぶ)に維持すること、触媒温度が触媒劣化温度に達することを防止すること、及び、SOx被毒回復処理中は触媒温度をSOx被毒回復に最適な温度範囲(650〜700℃、以下「被毒最適温度範囲」と呼ぶ)に維持すること、を確実に行うためである。これについて、図1を参照しながら具体的に説明していく。なお、以下の説明では、触媒温度は排気ガス温度にほぼ等しいものとしている。
図1の排気浄化処理装置100では、触媒の温度を触媒浄化最適温度範囲に維持するための排気熱輸送装置105と、触媒の温度を被毒最適温度範囲に維持するとともに、触媒の温度が触媒劣化温度に達することを防止するための排気熱輸送装置106とが設けられている。排気熱輸送装置105は、触媒浄化最適温度範囲内の例えば400℃以上の温度範囲で動作する。また、排気熱輸送装置106は、被毒最適温度範囲内の例えば700℃以上で動作する。
排気ガス温度が400℃以下のときには2つの排気熱輸送装置105及び106はいずれも作動しないが、排気ガス温度が400℃以上になれば、排気熱輸送装置105が作動する。但し、この温度領域においては、排気熱輸送装置106は作動しない。これにより、排気ガス温度が触媒浄化最適温度範囲以上に上がらないように制御される。
一方、SOx被毒回復を行う際、及び、エンジン101に所定量以上の負荷がかかった際には、排気ガスの温度は高温(例えば、700℃付近)になる。このとき、排気熱輸送装置105は熱輸送能力が限界に達してしまうが、排気熱輸送装置106が作動し始め、排気ガス温度を被毒最適温度範囲に維持する。つまり、排気熱輸送装置106は触媒温度が触媒劣化温度に達することを防止する。このように、作動温度範囲が異なる排気熱輸送装置を複数設けたので、排気ガスの温度を目的別に確実にコントロールすることができる。
なお、排気熱輸送装置105及び106を配置する位置は図1に示したものに限定されず、例えば排気ガスの流れる方向に対して垂直な方向に並べて配置することができる。さらに、排気熱輸送装置が輸送した熱は、そのまま外部に放出しても良いし(即ち、大気空冷する)、図示しないエンジン冷却系へ導入して冷却しても良いし、エネルギーとして再利用することもできる。
さらに、排気浄化処理部102の典型的な例は上述の吸蔵還元型NOx触媒であるが、本発明の適用はこれには限定されない。例えば三元触媒は温度の影響により熱劣化が生じるため温度管理を行うことが有効である。よって、三元触媒により上記の排気浄化処理部102を構成し、本発明により熱劣化防止のための制御を行うこともできる。また、ディーゼル車の排出ガスに含まれる粒子状物質(PM)を浄化処理するための粒子状物質除去フィルタや、粒子状物質とNOxとを同時に浄化する浄化装置などが知られている。粒子状物質除去フィルタはフィルタに詰まった粒子状物質の再生のために温度制御が必要であり、粒子状物質とNOxとを同時に浄化する浄化装置は吸蔵還元型NOx触媒を利用するのでやはり適正な温度範囲を維持することが要求される。よって、それら浄化装置を排気浄化処理部102として構成し、本発明を適用することも可能である。
次に、本発明の実施例について説明する。以下、上述の排気浄化処理装置の基本概念を具体的に適用した実施例について説明する。
[第1実施例]
図2は、第1実施例に係る排気浄化処理装置の概略構成図である。また、図3は図2の排気熱回収部6をエンジン1側から見た図である。
図2において、排気浄化処理装置100はエンジン1から出力される排気の浄化処理を行うものであり、排気浄化処理部3と、排気通路5と、排気熱回収部6とを備えている。さらに、排気熱回収部6は、排気浄化処理部3の上流側の排気通路5に熱交換器7が設けられ、この熱交換器7上にヒートパイプ9と、ヒートパイプ11と、が設けられて構成されている。
図3について説明すると、ヒートパイプ9とヒートパイプ11は、排気ガスの流れる方向と垂直に並んで熱交換器7上に配置されている。さらに、第1実施例では、これらのヒートパイプ9とヒートパイプ11の上部に、排気熱再利用装置13が設けられている。
エンジン1には、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどを用いることができる。また、排気浄化処理部3としては、前述したようなNOx吸蔵還元型触媒や三元触媒などを用いることができる。
熱交換器7は排気ガスの形態で排気通路5内を輸送されてきた熱を放熱することができるものであり、例えば、フィンなどを備えた装置とすることができる。これにより、排気ガスの熱を放出して下げることができる。
ヒートパイプ9とヒートパイプ11は、液体の蒸発と凝縮の潜熱を利用した閉ループの熱電素子で、小さな温度差で大量の熱輸送が可能な装置である。これにより、高温となった排気ガスの熱を輸送するため、温度を下げることができる。このヒートパイプの選別は、目的とする作動温度領域で状態変化する作動流体を選択することより行う。
第1実施例においても、触媒を最適温度範囲に維持する目的と、上述したSOx被毒回復及び触媒劣化防止の目的を両立するために、2本のヒートパイプを用いている。つまり、ヒートパイプ9は、排気ガス温度を触媒浄化最適温度範囲に維持する役割を担う。また、ヒートパイプ11は、排気ガス温度を被毒最適温度範囲に維持し、かつ、排気ガス温度が触媒劣化温度にまで上昇することを防止する役割を担う。そのため、ヒートパイプ9内の作動流体の沸点は、ヒートパイプ11の作動流体の沸点よりも低くなっている。
以下で、2本のヒートパイプの動作について、例を挙げて説明する。ここで、排気浄化処理部3内の触媒の触媒浄化最適温度範囲が350〜450℃であり、SOx被毒回復のための被毒最適温度範囲は650〜700℃であるものとする。排気ガス温度が400℃未満では、いずれのヒートパイプも作動せず、排気ガス温度は低下することなく排気浄化処理部3内の触媒に導入される。排気ガス温度が400℃以上になるとヒートパイプ9が作動し始め、触媒の温度は400℃前後に保たれる。R/L120km/h(=Road/Load)程度の負荷までは、排気ガス温度を450℃以下に維持することができ、リッチスパイク制御などを行うことなく触媒を触媒浄化最適温度に維持することができる。したがって、燃費悪化は最小限に抑えられる。
次に、R/L120km/h 程度の負荷を超えるようになるとヒートパイプ9は熱輸送量限界に達し(即ち、サチュレートする)、又は熱輸送能力が著しく低下し(即ち、凍結限界になる)、排気ガス温度の上昇を防ぎきれなくなってしまう。その後、上昇した排気ガス温度が700℃付近になると、ヒートパイプ11が作動し始めて排気ガス温度が700℃を超えないように機能する。このヒートパイプ11により、触媒が触媒劣化温度(例えば720℃前後)まで上昇することが防止され、触媒劣化を防ぐことができる。また、ヒートパイプ11は、SOx被毒回復処理によって排気ガスの温度を被毒最適温度範囲まで上昇させたときも、700℃以上にはならないように働く。これにより、触媒の劣化を招かずに、確実にSOx被毒回復処理を行うことができる。
さらに、第1実施例においては、ヒートパイプ9及び11により回収され、輸送された排気熱を排気熱再利用装置13にて再利用することができる。この排気熱再利用装置13は、熱エネルギーを運動エネルギーに変換したり、熱エネルギーから電気エネルギーに変換して再利用することができる。熱エネルギーを運動エネルギーに変換して動力を得る具体的な方法としては、高温熱源側に熱を付与することにより温度差を生み出し、これによる気体の熱膨張・熱収縮を利用して仕事を得るというスターリングエンジンの使用が挙げられる。また、この他にも、ランキンサイクルエンジンやブレイトンサイクルエンジンなどを用いることができる。一方、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する方法としては、熱エネルギーから動力を生み出して発電機を動作させることにより電気を発生させたり、熱エネルギーを直接電気に変換する熱電素子を用いることができる。
以上のように、第1実施例に係る排気浄化処理装置では、2つのヒートパイプを用い排気ガスの温度を正確にコントロールすると共に、これらヒートパイプから輸送されてきた排気熱を再利用することができる。
[第2実施例]
次に第2実施例に係る排気浄化処理装置について説明する。第2実施例に係る排気浄化処理装置は、ヒートパイプごとに異なる排気熱再利用装置を備えている点で第1実施例とは異なる。
第2実施例に係る排気浄化処理装置の概略構成図を図4に示す。第2実施例に係る排気浄化処理装置は図2に示した第1実施例に係る排気浄化処理装置と基本的に同様の構成を有している。つまり、排気浄化処理装置100は、排気浄化処理部3と、排気通路5と、排気熱回収部6とを備えている。排気熱回収部6としては、排気浄化処理部3の上流側の排気通路5に熱交換器7が設けられ、熱交換器7上にヒートパイプ9とヒートパイプ11とが設けられている。なお、エンジン1には、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどを用いることができる。また、排気浄化処理部としては、前述したようなNOx吸蔵還元型触媒や三元触媒などを用いることができる。
次に、図4において、ヒートパイプ9とヒートパイプ11は、排気ガスの流れる方向と垂直な方向に並んで熱交換器7上に配置されている。さらに、第2実施例では、これらのヒートパイプ9とヒートパイプ11の上部に、排気熱再利用装置15と排気熱再利用装置17がそれぞれ設けられている。これら熱交換器7と2つのヒートパイプ9及び11の機能などは、上述した第1実施例と同様である。すなわち、ヒートパイプ9は作動温度が触媒の浄化率が高い触媒浄化最適温度範囲付近(350〜450℃)にあり、ヒートパイプ11は作動温度が被毒最適温度範囲付近(650〜700℃)にある。これらにより、通常走行時には触媒温度を浄化率の高い最適温度範囲に保つことができる。また、エンジン負荷が著しく大きいときや、SOx被毒回復時には触媒が触媒劣化温度に達することを防止することができる。
第2実施例では、このようなヒートパイプに、それぞれ異なる特徴を有する排気熱再利用装置が備えられている。具体的には、ヒートパイプ9に対応する排気熱再利用装置15として熱電素子を備え、ヒートパイプ11に対応する排気熱再利用装置17としてスターリングエンジンを備えることができる。以下で、このような選択を行った理由について説明する。
まず、ヒートパイプ9は、上述のように作動温度が比較的低いので輸送される熱エネルギーも小さい。そのため、ヒートパイプ9に対応する排気熱再利用装置15として熱伝素子を利用すれば、熱電素子のスタティック・材料の特性を選定することにより小さな熱エネルギーを回収することができる。また、熱電素子には使用温度制限があるが、ヒートパイプ9はその温度に達する前に熱輸送限界又は熱輸送低下に達するので、熱電素子に悪影響を及ぼすことはない。これに対し、ヒートパイプ9に対応する排気熱再利用装置15としてスターリングエンジンを用いた場合は、摩擦損失が大きいために実際に使用できる熱がわずかなものとなってしまう。このような理由から、ヒートパイプ9に対応する排気熱再利用装置15として熱電素子を用いている。
一方、ヒートパイプ11は作動温度が比較的高温であるので、輸送される熱エネルギーは大きい。そのため、ヒートパイプ11に対応する排気熱再利用装置17としてスターリングエンジンを用いれば、摩擦損失を差し引いても大きなエネルギーが残るので、排気熱を再利用に大きく貢献させることができる。このような理由から、ヒートパイプ11に対応する排気熱再利用装置17としてはスターリングエンジンが用いられる。なお、ヒートパイプ11に対応する排気熱利用装置17は、上記の理由により、スターリングエンジンに限定されるわけではなく、ランキンサイクルエンジンやブレイトンサイクルエンジンなどを使用することもできる。
以上のように、第2実施例においては、ヒートパイプごとに異なる排気熱再利用装置を用いている。第1実施例のように、輸送されてくる熱エネルギーが異なるにも拘らず同じ排気熱再利用装置を設けるよりも、それぞれの特徴に合った装置を設けることにより、ヒートパイプ9及び11を利用して排気ガスから回収した熱を効率よく再利用することができる。即ち、第2実施例においては、複数のヒートパイプを設けたことにより精度よく排気ガス温度をコントロールすることができ、さらに、ヒートパイプごとに異なる排気熱再利用装置を設置したので効率良く排気ガスの熱を再利用することができる。
[第3実施例]
次に、第3実施例について説明する。第3実施例に係る排気浄化処理装置は、上述の第1及び第2実施例の機能に加えて、SOx被毒回復を行う処理を加味した点で異なる。なお、以下に述べるSOx被毒回復処理は、排気ガスの熱を輸送するヒートパイプの故障判定も同時に行えるようにした例である。
まず、第3実施例に係る排気浄化処理装置の概略構成について、図5を用いて説明する。第3実施例に係る排気浄化処理装置200は、排気浄化処理部3と、エンジン1に連結された排気通路5と、排気浄化処理部3の上流側の排気通路5上に設けられた熱交換器7と、この熱交換器7の上部に設けられたヒートパイプ9及びヒートパイプ11と、ECU19(Engine Control Unit)と、を備える。また、排気浄化処理部3より上流側で、且つ熱交換器7の上流側及び下流側に排気温センサ21と排気温センサ23がそれぞれ設けられている。
エンジン1には、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどを用いることができる。また、排気浄化処理部としては、前述したようなNOx吸蔵還元型触媒や三元触媒などを用いることができる。
熱交換器7、ヒートパイプ9及びヒートパイプ11の機能などは、上述した第1及び第2実施例と同様である。すなわち、ヒートパイプ9は作動温度が触媒浄化最適温度範囲付近(350〜450℃)にあり、ヒートパイプ11は作動温度が被毒最適温度範囲付近(650〜700℃)にある。これらにより、通常走行時には触媒温度を浄化率の高い最適温度範囲に保つことができる。また、エンジン負荷が著しく大きいときや、SOx被毒回復時には触媒が触媒劣化温度に達することを防止することができ、かつ、SOx被毒回復時には効果的にSOx被毒回復を行うことができる。
さらに、第3実施例においても、ヒートパイプ9とヒートパイプ11は、第1実施例又は第2実施例で述べたように排気熱再利用装置に接続し、排気熱の再利用を図ることができる。
第3実施例においては、排気浄化処理部3より上流側で、且つ熱交換器7の上流側及び下流側に、排気温センサ21と排気温センサ23が設置されている。これらは、排気通路5内を流れる排気ガスの温度に対応した電気信号をECU19に出力する。
ECU19は、排気温センサ21と排気温センサ23からの出力に基づき、本実施例に係る制御を行う。なお、ECU19は、エンジン1や図示しない車両などの様々な制御を行うが、それらは本発明とは直接の関連を有しないので、以下では説明を省略する。
次に、本実施例に係る、ECU19が行う制御の概要について説明する。本実施例においては、ECU19は、ヒートパイプ9及び11の上流側及び下流側で検出される排気ガス温度に基づいて、ヒートパイプが故障しているかどうかの判定処理、及び、SOx被毒回復に関する処理を行う。
まず、ヒートパイプの故障判定方法の概要について説明する。エンジン1から排出される排気ガスの温度がヒートパイプ9の作動温度よりも高いとき、ヒートパイプ9が正常に働いているならば、排気ガス温度はヒートパイプ9の前後で差があるはずである。即ち、ヒートパイプの下流側で検出される排気ガス温度は、上流側で検出される排気ガス温度より低いはずである。一方、ヒートパイプ9が故障していれば、ヒートパイプ9の上流側及び下流側で検出される排気ガス温度に差は生じない。したがって、ECU19は、ヒートパイプ9の上流側及び下流側の排気温センサ21及び23の検出温度に所定量以上の差がない場合は、ヒートパイプ9が正しく動作していない(例えば故障している)という判定を下す。
また、エンジン1から排出される排気ガスの温度がヒートパイプ11の作動温度よりも高いとき、ヒートパイプ11が正常に働いているならば、ヒートパイプ11の下流側で検出される排気ガス温度はヒートパイプ11の作動温度を超えるはずはない。よって、ECU19は、ヒートパイプ11の下流側の排気音センサ23の検出温度がヒートパイプ11の作動温度より高い所定温度を超える場合は、ヒートパイプ11が正しく動作していないと判定する。
なお、ECU19内にはOBD(On-Board Diagnosis)を組み込むことができる。OBDは、装置にトラブルが生じるとそれを検知しダイアグコード(即ち、故障番号)を記憶する。これを読み取ることによりトラブルが発生した箇所を即座に検出することができるので、効率よく故障検出をすることができる。このダイアグコードは、ECU19に短絡信号を送りコードを表示するモードに切り替えて、運転席のメーターパネルの中などにある「エンジンチェックランプ」が点滅する回数と点滅から点滅までの時間的な間隔を数字に置き換えることで知らせることが可能である。本実施例では、ECU19がヒートパイプの故障判定を下した場合は、ECU19内のOBDにそのダイアグコードを記憶させる。そして、ヒートパイプが故障している旨を、エンジンチェックランプの点灯により知らせることができる。
次に、ECU19が行うSOx被毒回復処理の概要について述べる。先に述べたように、触媒の温度が被毒最適温度範囲付近の高温(650〜700℃)になるとSOx被毒回復処理を行うことができる。このとき、ECU19は、前述したヒートパイプ11が故障していると判明した場合や、触媒の状態がSOx被毒回復を必要とする状態(以下、「被毒状態」と呼ぶ。)に至っていない場合には、SOx被毒回復処理を行わないようにする。SOx被毒状態であるか否かかの判定は、ECU19が燃料の積算噴射量を算出し、この算出された積算噴射量に基づいて行うことができる。市販されている燃料中の硫黄濃度はほぼ決まっており、さらに、燃料中の硫黄はほぼ全て触媒に吸収されることから、積算噴射量に基づいて触媒が吸蔵するSOx量を推定できる。そのため、ECU19は、燃料の積算噴射量に基づいて被毒状態であるか否か、即ちSOx被毒回復処理をすべきかどうかを判定することができる。なお、この燃料噴射量に基づく方法の代わりに、被毒状態であるか否かの判定は、走行距離に基づいて行うこともできる。また、直接的にSOx量を検出できるセンサを設けて、そのSOxセンサの検出結果に基づいて行うこともできる。
ECU19は、被毒状態であると判定した場合は、被毒回復処理として、触媒の温度を高温にするために、点火遅角などにより強制的にエンジンに大きな負荷がかかるようにし、さらにスロットル弁を調節して空燃費を弱リッチにする。
次に、ECU19により行われる具体的なSOx被毒回復処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。なお、図6に示した制御フローは、ECU19により、エンジン1回転毎(即ち、所定クランク角毎)に実行されるものとする。なお、このSOx被毒回復処理はヒートパイプの故障判定処理も含んでいる。
まず、ステップS101では、ECU19は、排気温センサ21の検出温度とヒートパイプ9の作動温度の比較を行う。つまり、ステップS101では、ヒートパイプ9の上流側の排気ガス温度がヒートパイプ9の作動温度よりも高いかどうかを判定する。なお、ヒートパイプ9の作動温度は、予めECU19内に記憶させておくことができる。
ステップS101にて排気温センサ21の検出温度がヒートパイプ9の作動温度よりも低温であると判定された場合においては(ステップS101;No)、ヒートパイプ9が正常に作動しているかどうか判断できる状況ではなく、尚且つ、この状況ではSOx被毒回復処理を行うと判定を行うべきではない。したがって、SOx被毒回復処理を行わないで、当該制御フローを抜ける。
一方、ステップS101にて、排気温センサ21の検出温度がヒートパイプ9の作動温度よりも高温であると判定された場合は(ステップS101;Yes)、ステップS102に進み、ECU19は、排気温センサ21の検出温度とヒートパイプ9のドライアウト温度とを比較する。このドライアウト温度とは、ヒートパイプ内の作動液体がすべて乾いてしまい、ヒートパイプとしての機能が停止してしまう温度である。つまり、ステップS102では、ヒートパイプ9を経由する前の排気ガスの温度が、ヒートパイプ9が対処できる温度であるかどうかの判定を行う。
ステップS102にて排気ガスの温度がヒートパイプ9のドライアウト温度よりも低温であると判定された場合は(ステップS102;Yes)、ステップS103に進み、ECU19は、排気温センサ21と排気温センサ23の検出温度の差が所定量以上であるかどうかを判定する。ヒートパイプ9が正常に作動しているならば、ヒートパイプ9の通過前と後では、排気ガス温度にある程度の差が生じるはずである。一方、ヒートパイプ9が故障しているならば、このような温度差は生じない。したがって、ステップS103での判定は、ヒートパイプ9が正常に作動しているかどうかを決定するために行っている。なお、上述した温度差の所定量は、ECU19内に、ヒートパイプの故障温度判定値などとして予め記憶しておくことができる。
ステップS103にて、2つの排気温センサの検出温度差が所定量以上であればステップS106に進み、所定量以下であればステップS105に進む。
一方、ステップS102にて排気ガスの温度がヒートパイプ9のドライアウト温度よりも高温であると判定された場合は(ステップS102;No)、ステップS104にて、ECU19が、排気温センサ23の検出温度と触媒の劣化温度との比較を行う。ヒートパイプ11が正常に作動しているならば、ヒートパイプ11通過後の排気ガスの温度は、触媒劣化温度には達しないはずである。したがって、ステップS104では、ヒートパイプ11が正常に作動しているかどうかを決定するために判定を行っている。
ステップS104にて、排気温センサ23の検出温度が触媒劣化温度よりも低温であると判定された場合は、そのままの排気ガス温度でSOx被毒回復が行うことができ(即ち、あえてSOx被毒回復のためのエンジン制御などを行う必要がない)ので当該制御フローを抜ける。
ステップS103にて2つの排気温センサの検出温度差が所定量以下であると判定された場合(ステップS103;No)、及び、ステップS104にて排気温センサ23の検出温度が触媒の劣化温度よりも低温であると判定された場合(ステップS104;No)は、ステップS105に進む。ステップS105では、ECU19により、ヒートパイプ9又は11が正常に動作していないと判定が下され、当該制御フローを抜ける。つまり、ヒートパイプが故障などしている際には、SOx被毒回復処理にてエンジンを高負荷状態などさせると、燃費悪化や環境汚染を招くため、SOx被毒回復処理は行わない。なお、ヒートパイプの故障の旨は、先に述べたようにOBDにダイアグコードを記憶させることができる。また、ヒートパイプが故障していることを、エンジンチェックランプの点灯により知らせることも可能である。
以上のように、ECU19は、2つの排気温センサからの検出温度と、ヒートパイプの作動温度やドライアウト温度と、触媒の劣化温度と、に基づいて各ヒートパイプ9及び11が正常に動作しているか否かの判定を行うことができる。
次に、ステップS106以降で行われていく、SOx被毒回復処理について説明していく。まず、ステップS106では、ECU19は、先述したように燃料の積算噴射量を算出する。そして、ステップS107にて、この積算噴射量と被毒判定噴射量とを比較する。この被毒判定噴射量は、SOx被毒回復処理が必要とされる状態に至るまでに要する燃料の積算噴射量であり、ECU19に予め記憶させておくことができる。燃料の積算噴射量が被毒判定噴射量に達していない場合は(ステップS107;No)、SOx被毒回復を行う必要はないので当該制御フローを抜ける。一方、燃料の積算噴射量が被毒判定噴射量に達している場合は(ステップS107;Yes)、ステップS108にて、SOx被毒回復処理が実行される。このSOx被毒回復処理にて行われる具体的な制御としては、例えば、点火遅角などにより強制的にエンジンに大きな負荷がかかるようにし、さらにスロットル弁を調節して空燃費を弱リッチ化することができる。そして、ステップS109に進み、被毒回復処理終了か否かを判定する。被毒回復処理が終了していればこの制御フローを終了し、被毒回復処理が終了していなければステップS108に戻り、被毒回復処理を継続する。
このように、第3実施例に係る排気浄化処理装置では、複数のヒートパイプを備えたことにより確実に排気ガス温度を精度よくコントロールすることができることに加え、さらに、ヒートパイプの故障判定を行うとともにSOx被毒回復処理を正確に行うことができる。更に、ヒートパイプの故障を知らせることができるので、早期にその修理が行うことができる。また、ヒートパイプに排気熱再利用装置を設置した場合には高温の排気ガスからヒートパイプを介して熱エネルギーを回収し再利用することができるので、SOx被毒回復処理を行うことによる燃費悪化分を熱エネルギーの再利用により補うことができる。
本発明に係る排気浄化処理装置の基本概念を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る排気浄化処理装置の概略構成を示す図である。 第1実施例に係る排気浄化処理装置の排気熱回収部の概略構成を示す図である。 第2実施例に係る排気浄化処理装置の排気熱回収部の概略構成を示す図である。 第3実施例に係る排気浄化処理装置の概略構成を示す図である。 第3実施例に係るSOx被毒回復処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1、101 エンジン
3、102 排気浄化処理部
5、103 排気通路
6 排気熱回収部
7 熱交換器
9、11 ヒートパイプ
13、15、17 排気熱再利用装置
19 ECU
21、23 排気温センサ
100、200 排気浄化処理装置
105、106 排気熱輸送装置

Claims (10)

  1. 内燃機関の排気浄化処理装置において、
    排気ガスを浄化する排気浄化処理媒体と、
    排気浄化処理媒体の上流側の排気通路に設けられ、前記排気ガスの熱を回収して輸送する複数の排気熱輸送手段と、を備え、
    前記複数の排気熱輸送手段は、それぞれ作動温度領域が異なることを特徴とする内燃機関の排気浄化処理装置。
  2. 前記排気熱輸送手段は、第1の排気熱輸送手段と、第2の排気熱輸送手段と、を備え、
    前記第1の排気熱輸送手段の作動温度領域は、前記排気浄化処理媒体の最適な浄化性能が得られる温度領域であり、
    前記第2の排気熱輸送手段の作動温度領域は、前記排気浄化処理媒体が劣化する温度以下であることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化処理装置。
  3. 前記排気浄化処理媒体はSOxを吸収し、前記第2の排気熱輸送手段の作動温度領域は、前記排気浄化処理媒体内のSOxの被毒回復に最適な温度領域であることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化処理装置。
  4. 前記排気熱輸送手段から輸送された熱を再利用する排気熱再利用手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化処理装置。
  5. 前記排気熱再利用手段は、排気ガスの熱を輸送する前記排気熱輸送手段ごとに異なることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気浄化処理装置。
  6. 前記排気ガスの温度を検出する排気ガス温度検出手段と、
    前記排気浄化処理媒体内のSOx被毒を回復するSOx被毒回復処理手段と、を備え、
    前記SOx被毒回復処理手段は前記排気ガス温度検出手段が検出した前記排気ガスの温度に基づいてSOx被毒回復処理を行うことを特徴とする請求項1及至5のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化処理装置。
  7. 前記排気ガス温度検出手段は、前記排気浄化処理媒体の上流側で、且つ、前記排気熱輸送手段の上流側及び下流側排気通路上にそれぞれ1つずつ設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の内燃機関の排気浄化処理装置。
  8. 前記排気ガス温度検出手段が検出した排気ガス温度の差が、所定温度以上でない場合は、前記排気熱輸送手段が正常に作動していないと判断する手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の排気浄化処理装置。
  9. 前記排気ガス温度検出手段が検出した排気ガス温度が、所定温度以上である場合は、前記排気熱輸送手段が正常に作動していないと判断する手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の排気浄化処理装置。
  10. 前記排気熱輸送手段が正常に作動していないと判断した場合は、前記SOx被毒回復処理手段はSOx被毒回復処理を行わないことを特徴とする請求項8又は9に記載の内燃機関の排気浄化処理装置。
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