JP3783705B2 - スターリングエンジン及びそれを用いたハイブリッドシステム - Google Patents

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    • Y02E10/46Conversion of thermal power into mechanical power, e.g. Rankine, Stirling or solar thermal engines

Description

本発明は、スターリングエンジン及びそれを用いたハイブリッドシステムに関し、特に、加熱器が効果的に受熱することのできるスターリングエンジン及びそれを用いたハイブリッドシステムに関する。
スターリングエンジンは、高い熱効率が期待できる上に、作動流体を外から加熱する外燃機関であるために、熱源を問わず、ソーラー、地熱、排熱といった各種の低温度差代替エネルギーを活用でき、省エネルギーに役立つという利点がある。
特開平4−89836号公報(特許文献1)には、図21に示すようなスターリングエンジンが開示されている。機械室120には、高温側気筒121と低温側気筒122とが突設されており、高温側気筒121の上部には加熱器123の一端部が接続され、その他端部は再生器125に接続されている。低温側気筒122には、冷却器126が接続されており、その冷却器126が再生器125に接続されている。高温側気筒121及び低温側気筒122には、それぞれ膨張ピストン127及び圧縮ピストン128が往復動可能に配設されており、両ピストン127,128はそれぞれコネクティングロッド129,130によってクランク軸131に連結され、両ピストン127,128が互いに所定位相差例えば90°をもって往復動するように構成されている。
加熱器123で作動流体が熱源(図示せず)によって加熱されると、膨張して膨張ピストン127が圧下され、クランク軸131の回動が行われる。また、膨張ピストン127が上昇行程に移ると、作動流体は加熱器123を通過して再生器125に移送され、そこで再生器125内に充填されている蓄熱材に熱を与え、冷却器126へと流れて冷却され、圧縮ピストン128の上昇行程に伴って圧縮される。このようにして圧縮された作動流体は、逆に加熱器123側に流れ、その途中で再生器125内の蓄熱材から熱を奪いながら温度を上昇して、加熱器123へ流れ込み、そこで再び熱源によって加熱膨張せしめられる。
特開平4−89836号公報 特開2000−146336号公報 実開平6−60751号公報 特開平5−5479号公報
ところで、スターリングエンジンにおいて、加熱器、再生器、冷却器からなる熱交換器のスペースは、出力に直接的には関与しない無効容積となっており、熱交換器の体積が増えると、スターリングエンジンの出力が減少する。このため、熱交換器のコンパクト化が望まれるが、熱交換器をコンパクトにすると、熱交換が困難となり、熱源からの受熱量が減少し、エンジン出力が減少するという問題がある。
上記のように、熱交換器のコンパクト化とエンジン出力の増加は、背反事項であり、両立させるためには、熱交換器の効率を上げる必要がある。そのために、加熱器は効果的に加熱される必要がある。
特に、スターリングエンジンが例えば車両の内燃機関の排気ガスのような排熱を熱源と
して作動する場合のように、熱源から十分に余裕のある熱量を確保し難い環境下に搭載される場合には、効率良く受熱することが求められる。
更に、例えば上記と同様に、車両の内燃機関の排気ガスを熱源とする場合には、車両の内燃機関の排気管に隣接するスペースのように、限られた空間にスターリングエンジンを搭載しなくてはならない場合がある。その場合、スターリングエンジンの装置規模をコンパクトに抑える必要がある。
上記特許文献1には、高温側気筒と低温側気筒とがV型に配置されたスターリングエンジンにおいて、低温側気筒に接続される冷却器と再生器は、高温側気筒に平行に設けられ、その再生器と高温側気筒を結ぶように加熱器が設けられた構成が開示されている。このスターリングエンジンは、V型で構成されているため、装置が大掛かりとなり、限られた空間に搭載する場合には、搭載スペースが問題となる。また、低温側気筒と冷却器とが概ね90°の角度で交差するように接続されているために、作動流体の流路抵抗(流動損失)という点で不利である。
特開2000−146336号公報(特許文献2)にも、高温側気筒と低温側気筒とがV型に配置されたスターリングエンジンが開示されているが、上記と同様に、搭載上のスペースと流路抵抗の点で不利である。
実開平6−60751号公報(特許文献3)及び特開平5−5479号公報(特許文献4)には、高温側気筒と低温側気筒とが直列に配置されたスターリングエンジンが開示されているが、いずれもその加熱器の構成及び配置には、十分な熱量を確保し難い環境下において、効率良く受熱するための工夫が何らなされていない。また、上記と同様に、作動流体の流路抵抗の問題がある。
本発明の目的は、加熱器が効果的に受熱することのできるスターリングエンジン及びそれを用いたハイブリッドシステムを提供することである。
本発明の他の目的は、加熱器が効果的に受熱することのでき、装置規模がコンパクトなスターリングエンジン及びそれを用いたハイブリッドシステムを提供することである。
本発明の更に他の目的は、加熱器が効果的に受熱することのでき、作動流体の流路抵抗を抑制可能なスターリングエンジン及びそれを用いたハイブリッドシステムを提供することである。
本発明のスターリングエンジンは、直列に配置された少なくとも2つのシリンダと、冷却器と再生器と加熱器とを有する熱交換器とを備え、前記熱交換器は、第1の前記シリンダと第2の前記シリンダとを結ぶように前記熱交換器の少なくとも一部がカーブ形状を有するように構成され、前記スターリングエンジンの出力は、前記第1のシリンダ内の第1ピストンと前記第2のシリンダ内の第2ピストンとに共通に接続された駆動軸を介して取り出され、前記駆動軸と、前記第1ピストンのピストンピン及び前記第2ピストンのピストンピンとは、それぞれクランクシャフト及びコネクティングロッドを介して接続され、前記第1ピストンが上死点にあるときの前記第1ピストンの頂部と前記駆動軸との間の距離と、前記第2ピストンが上死点にあるときの前記第2ピストンの頂部と前記駆動軸との間の距離とが相違するように構成され、前記距離の相違は、前記第1ピストンのピストンピンと前記第1ピストンとを連結する第1連結軸の長さと、前記第2ピストンのピストンピンと前記第2ピストンとを連結する第2連結軸の長さの相違に対応している。
上記本発明によれば、2つのシリンダが直列に配置され、かつ熱交換器が第1及び第2のシリンダとを結ぶようにその少なくとも一部がカーブ形状を有するように構成されているので、搭載スペースがコンパクトに抑えられ、車両のような限られたスペースに搭載される場合であっても設置の自由度が増す。更に、例えば管の内部のように受熱可能な領域が限定されている場合に、その領域内で加熱器をカーブ形状に形成すれば伝熱面積を極力大きく確保することができる。また、冷却器または再生器をカーブ形状にした場合には、角のある形状に比べて流路抵抗を低減することができる。流路抵抗の観点から、熱交換器の一部にでも角の部分がないように構成される。熱交換器の流路の軸線は、角の部分が形成されないように直線同士の組み合わせではなく、曲線と直線との組合わせ(図1、図18参照)または曲線のみ(図20)から、構成されるのが良い。
また、上記本発明によれば、前記第1ピストンが上死点にあるときの前記第1ピストンの頂部と前記駆動軸との間の距離と、前記第2ピストンが上死点にあるときの前記第2ピストンの頂部と前記駆動軸との間の距離とが相違するように構成され、その相違する部分に冷却器を配置すれば、加熱器の全体を受熱可能な領域に配置し、かつ冷却器をその領域の外に配置することが容易である。
また、上記本発明によれば、前記距離の相違は、前記第1ピストンのピストンピンと前記第1ピストンとを連結する第1連結軸の長さと、前記第2ピストンのピストンピンと前記第2ピストンとを連結する第2連結軸の長さの相違に対応しているので、簡易な構成で上記発明を構成することができる。
本発明のスターリングエンジンにおいて、前記加熱器は、前記第1のシリンダと前記第2のシリンダとを結ぶような前記カーブ形状を有するように構成され、前記冷却器及び前記再生器は、前記シリンダの延在方向に沿う直線状に構成されている。
上記本発明によれば、加熱器のカーブ形状の部分を、例えば管の内部のように受熱可能な領域であって限定された領域に対応させて設計・配置すれば、その領域内で伝熱面積を極力大きく確保することができる。また、冷却器及び再生器がシリンダの延在方向に沿う直線状に構成されているため、流路抵抗が少ない。
本発明のスターリングエンジンにおいて、前記第1及び第2のシリンダのうちの高温側シリンダと前記加熱器との連結面が、前記加熱器と前記再生器との連結面と概ね同一であることを特徴としている。本発明によれば、加熱器の端部が同一(面一)なので、ある面内が受熱領域となる場合に、その面に対して加熱器の端部を合わせて設置すれば、加熱器全体が過不足なく受熱領域に入る。
本発明のスターリングエンジンにおいて、前記第1及び第2のシリンダのうちの高温側シリンダと前記加熱器との連結面が、前記再生器と前記冷却器との連結面と概ね同一であることを特徴としている。本発明によれば、ある面内が受熱領域となる場合に、加熱器全体が過不足なく受熱領域に入るように、その面に対して加熱器の一端側の端部を合わせて設置すれば、再生器が受熱領域に入るので、再生器に蓄熱された熱が外部に奪われ難い。
本発明のスターリングエンジンにおいて、更に、前記第1のシリンダ内の第1ピストンと前記第2のシリンダ内の第2ピストンの少なくともいずれか一方に直接的又は間接的に連結され、当該連結されたピストンが当該シリンダ内を往復運動するときに近似直線運動するように設けられた近似直線機構を備えたことを特徴としている。
本発明のハイブリッドシステムは、上記本発明のスターリングエンジンと、車両の内燃機関とを備えたハイブリッドシステムであって、前記スターリングエンジンは、前記車両に搭載され、前記スターリングエンジンの加熱器が前記内燃機関の排気系から受熱するように設けられたことを特徴としている。
本発明のハイブリッドシステムにおいて、前記熱交換器は、前記第1及び第2のシリンダの上部同士を連結し、かつ前記内燃機関の排気管の内径寸法と、前記加熱器の端部と前記加熱器の最上部の距離とが概ね同じ大きさになる構成に合わせて、前記カーブ形状が設定されていることを特徴としている。排気管の内部で排気ガスとの接触面積を大きくとることができる。
本発明のスターリングエンジンによれば、加熱器が効果的に受熱することができ、高効率であり、かつ省スペースな構成である。
以下、本発明のスターリングエンジンの一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のスターリングエンジンを示す正面図である。図2は、同側面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態のスターリングエンジン10は、α型(2ピストン形)のスターリングエンジンであり、二つのパワーピストン20、30を備えている。二つのパワーピストン20、30は、直列並行に配置されている。低温側パワーピストン30のピストン31は、高温側パワーピストン20のピストン21に対して、クランク角で90°程度遅れて動くように位相差がつけられている。
高温側パワーピストン20のシリンダ(以下高温側シリンダという)22の上部の空間(膨張空間)には、加熱器47によって加熱された作動流体が流入する。低温側パワーピストン30のシリンダ(以下低温側シリンダという)32の上部の空間(圧縮空間)には、冷却器45によって冷却された作動流体が流入する。再生器46は、膨張空間と圧縮空間を作動流体が往復する際に熱を蓄える。即ち、膨張空間から圧縮空間へと作動流体が流れる時には、再生器46は、作動流体より熱を受け取り、圧縮空間から膨張空間へと作動流体が流れる時には、蓄えられた熱を作動流体に渡す。
2つのピストン21、31の往復動に伴い、作動ガスの往復流動が生じて高温側シリンダ22の膨張空間と低温側シリンダ32の圧縮空間にある作動流体の割合が変化するとともに、全内容積も変わるため、圧力の変動が生じる。2つのピストン21、31がそれぞれ同位置にある場合の圧力を比較すると、膨張ピストン21についてはその上昇時より下降時の方がかなり高く、圧縮ピストン31については逆に低くなる。このため、膨張ピストン21は外部に対し大きな正の仕事(膨張仕事)を行い、圧縮ピストン31は外部から仕事(圧縮仕事)を受ける必要がある。膨張仕事は、一部が圧縮仕事に使われ、残りが駆動軸40を介して出力として取り出される。
高温側シリンダ22及び低温側シリンダ32のそれぞれは、円筒状に形成されており、直方体の箱状に形成されたクランクケース41に直立した状態で配置される。高温側シリンダ22及び低温側シリンダ32は、クランクケース41の上面部42に固定されている。低温側シリンダ32は、その全体がクランクケース41の内部に収容されている。高温側シリンダ22は、その一部がクランクケース41の内部に収容され、残りの一部はクランクケース41の外部にまで延びるように設けられている。
加熱器47は、概ねU字形の形状を有し、その第1端部47aが高温側シリンダ22の上部に接続されている。加熱器47の第2端部47bが再生器46に接続されている。低温側シリンダ32の上方には、再生器46との間に冷却器45が設けられている。冷却器
45には、冷却水が使用される。
作動流体は、その平均圧力が高い程、冷却器45や加熱器47による同じ温度差に対しての圧力差が大きくなるので高い出力が得られる。そのため、高温側シリンダ22、低温側シリンダ32内の作動流体は高圧に保持されている。本実施形態では、クランクケース41の内部全体が高圧に保持されている。即ち、クランクケース41が高圧容器として機能している。
ピストン21,31は、円柱状に形成されている。ピストン21、31の外周面とシリンダ22、32の内周面との間には、それぞれ数十μmの微小クリアランスが設けられており、そのクリアランスには、スターリングエンジン10の作動流体(空気)が介在している。ピストン21,31は、それぞれシリンダ22、32に対して空気軸受48により非接触の状態で支持されている。したがって、ピストン21,31の周囲には、ピストンリングは設けられておらず、また、一般にピストンリングと共に使用される潤滑油も使用されていない。但し、シリンダ22、32の内周面には、固定潤滑材が付されている。空気軸受48の作動流体の摺動抵抗は元々極めて低いが、更に低減するために、固定潤滑材が付されている。上記のように、空気軸受48は、作動流体(気体)により膨張空間、圧縮空間それぞれの気密を保ち、リングレスかつオイルレスでクリアランスシールを行う。
本実施形態のスターリングエンジン10は、車両においてガソリンエンジン(内燃機関)と共に用いられてハイブリッドシステムを構成する。即ち、スターリングエンジン10は、ガソリンエンジンの排気ガスを熱源として用いる。図3に示すように、スターリングエンジン10の加熱器47が車両のガソリンエンジンの排気管100の内部に配置され、排気ガスから回収した熱エネルギーにより作動流体が加熱されてスターリングエンジン10が作動する。
本実施形態のスターリングエンジン10は、排気管100の内部にその加熱器47が収容されるというように車両内の限られたスペースに設置されるため、装置全体がコンパクトである方が設置の自由度が増す。そのために、スターリングエンジン10では、2つのシリンダ22、32をV字形ではなく、直列並行に配置した構成を採用している。
加熱器47が排気管100の内部に配置されるに際しては、排気管100の内部において相対的に高温の排気ガスが流れる排気ガスの上流側(ガソリンエンジンに近い側)100aに、加熱器47の高温側シリンダ22側が位置し、相対的に低温の排気ガスが流れる下流側(ガソリンエンジンから遠い側)100bに加熱器47の低温側シリンダ32側が位置するように配置される。加熱器47の高温側シリンダ22側をより多く加熱するためである。
スターリングエンジン10の熱源は、上記のように車両のガソリンエンジンの排気ガスであり、スターリングエンジンに専用に用意された熱源ではない。そのため、それほど高い熱量が得られるわけではなく、排気ガスの例えば約800℃程度の熱量でスターリングエンジン10が作動する必要がある。そのために、スターリングエンジン10の加熱器47は排気管100内の排ガスから効率的に受熱する必要がある。
上述のように、熱交換器(加熱器47、再生器46、冷却器45,図1の符号90参照)の体積が大きいと、無効容積が増えることとなり、スターリングエンジン10の出力が減少する。一方で、熱交換器の体積をコンパクトにすると、その分、熱交換が困難となり受熱量が減少し、スターリングエンジン10の出力が減少する。これらのことから、無効容積の減少と受熱量の増加とを両立させるためには、熱交換器の効率を上げる必要がある。そのために、加熱器47は効率的に受熱する必要がある。
排気管100内の排ガスから効率的に受熱し、かつ効率的に熱交換するためには、加熱器47の全てを過不足なく排気管100内に収容するとともに、排気ガスから受熱しないように冷却器45を排気管100の外に出す構成が必要である。このことから、排気管100においてスターリングエンジン10が取り付けられる平面である取付面100sを基準にすると、少なくとも冷却器45の高さ分だけ低温側シリンダ32の取付位置は、高温側シリンダ22よりも低い位置となる。即ち、低温側シリンダ32の上部に形成される圧縮空間の位置は、高温側シリンダ22の上部に形成される膨張空間の位置よりも低い位置となり、圧縮ピストン31の上死点は、膨張ピストン21の上死点の位置よりも低い位置となる。
本実施形態では、圧縮ピストン31と膨張ピストン21の上死点の位置を変えるために、各ピストンピン60a、60bとそれぞれのピストン31、21との間を、長さの異なる延長部(ピストン支柱部)64b、64aで連結している。膨張ピストン21の上死点の位置の方が圧縮ピストン31の上死点の位置よりも高い分だけ、膨張ピストン21に連結される延長部64aは、圧縮ピストン31に連結される延長部64bよりも長さが長い。
本実施形態では、膨張ピストン21自体と圧縮ピストン31自体の高さ(各ピストン21,31の上面と各ピストン21,31における延長部64a、64bとの連結点21c、31cとの間の距離)は同じになるように構成されていることから、長さの異なる延長部64a、64bを用いて各ピストン21,31の上死点の位置を変えている。この構成に代えて、膨張ピストン側と圧縮ピストン側とで延長部自体の長さは同じにし、膨張ピストン自体と圧縮ピストン自体の高さを変えるようにして構成することで、膨張ピストンと圧縮ピストンの上死点の位置を変える構成を採ることもできる。
また、加熱器47の全体を過不足なく排気管100内に収容するには、加熱器47の中央部47cを排気管100内に収容した状態で、加熱器47の第1端部47a及び第2端部47bの両方が排気管100の取付面100sに取り付けられる必要がある。即ち、第1端部47a及び第2端部47bのいずれかの位置が、取付面100sよりも上方であっても下方であっても、加熱器47の受熱面積を最大にすることはできない。
加熱器47の受熱面積を最大にすべく、加熱器47の第1端部47a及び第2端部47bの両方が排気管100の取付面100sに取り付けられることにより、加熱器47の第1端部47aと第2端部47bのそれぞれが取付面100sと同一面上に位置することになる。加熱器47の第1端部47aは、高温側シリンダ22の上面22aと間隔を開けずに連結され、第2端部47bは、再生器46の上面46aと間隔を開けずに連結されているから、高温側シリンダ22の上面22aは、再生器46の上面46aと同一面上に位置することになる。
加熱器47の第1端部47aと高温側シリンダ22の上面22aとは、第1端部47aの近傍に設けられたフランジ47fと高温側シリンダ22の上面22aの近傍に設けられたフランジ22bとが接合するようにボルトなどの締結手段で締結されている。同様に、加熱器47の第2端部47bと再生器46とは、第2端部47bの近傍に設けられたフランジ47gと再生器46の上面46aの近傍に設けられたフランジ46cとが接合するように締結手段で締結されている。
上記のように、高温側シリンダ22の上面22aは、再生器46の上面46aと同一面上に位置するように構成されているため、フランジ47fとフランジ22bとの接合面とフランジ47gとフランジ46cとの接合面とが同一面に位置する。このことから、排気
管100の取付面100sにスターリングエンジン10を取り付ける際には、取付面100sを挟んでフランジ47fとフランジ22bとを接合するように取付面100sをも含めて一括して締結手段で締結するとともに、取付面100sを挟んでフランジ47gとフランジ46cとを接合するように取付面100sをも含めて一括して締結手段で締結することができる。以上のことから、排気管100に対してスターリングエンジン10を取り付け易い。
加熱器47において高温側シリンダ22との接続部分(横断面形状)は、高温側シリンダ22の上部(加熱器47との接続部分)の開口形状(真円)と同じ形状・大きさとされている。同様に、冷却器45において低温側シリンダ32との接続部分は、低温側シリンダ32の上部の開口形状と同じ形状・大きさとされている。冷却器45の上面(再生器46との接続部分)は、再生器46の下面と同じ形状・大きさとされている。加熱器47において再生器46との接続部分は、再生器46の上面と同じ形状・大きさとされている。即ち、加熱器47、再生器46、冷却器45の断面形状は、高温側シリンダ22及び低温側シリンダ32の開口形状と全て同じ形状・大きさに形成されている。この構成により、作動流体の流路抵抗が低減される。
なお、上記において、加熱器47の全体を過不足なく排気管100内に収容する構成を採用すると、加熱器47の第1端部47aと第2端部47bのそれぞれが取付面100sと同一面上に位置し、高温側シリンダ22の上面22aは、再生器46の上面46aと同一面上に位置することになると説明したが、以下のように変形することができる。即ち、排気管100内においてより加熱すべき部位は、加熱器47のうち高温側シリンダ22側であるから、加熱器47の第1端部47aは、過不足なく排気管100内に収容されるべく取付面100sと同一面上に位置する必要があるが、加熱器47のうち低温側シリンダ32側は、相対的に加熱の要求が低いため、加熱器47の第2端部47bは、僅かであれば排気管100の外部に出ていても問題は生じない。即ち、高温側シリンダ22の上面22aよりも、再生器46の上面46aが下方に位置しても問題は生じない。
上記のように、スターリングエンジン10の熱源が車両の内燃機関の排気ガスであることから、得られる熱量に制約があり、その得られる熱量の範囲でスターリングエンジン10を作動させる必要がある。そこで、本実施形態では、スターリングエンジン10の内部フリクションを可能な限り低減させることとしている。本実施形態では、スターリングエンジンの内部フリクションのうち最も摩擦損失が大きいピストンリングによる摩擦損失を無くすため、ピストンリングを使用せずに、その代わりに、シリンダ22、32とピストン21、31との間には、それぞれ空気軸受(エアベアリング)48が設けられる。
空気軸受48は、摺動抵抗が極めて小さいため、スターリングエンジン10の内部フリクションを大幅に低減させることができる。上記のように、空気軸受48を用いても、シリンダ22、32とピストン21、31との間の気密は確保されるため、高圧の作動流体が膨張・収縮の際に漏れるという問題は生じない。
空気軸受48は、シリンダ22、32とピストン21、31の間の微小なクリアランスで発生する空気の圧力(分布)を利用して,ピストン21、31が空中に浮いた形となる軸受である。本実施形態の空気軸受48では、シリンダ22、32とピストン21、31との間の直径クリアランスは数十μmである。空中に物体を浮上させる空気軸受を実現するには、機構的に空気圧が強くなる部分(圧力勾配)ができるようにする他に、後述するように高圧の空気を吹きつけるものでもよい。
本実施形態では、高圧の空気を吹き付けるタイプの空気軸受ではなく、医療用ガラス製注射器のシリンダとピストンの間で用いられている空気軸受と同じ構成の空気軸受が用い
られる。
また、空気軸受48を使用することで、ピストンリングで用いる潤滑油が不要となるので、潤滑油によりスターリングエンジン10の熱交換器(再生器46,加熱器47)が劣化するという問題が発生しない。なお、本実施形態では、ピストンリングにおける摺動抵抗と潤滑油の問題が解消されれば足りるので、流体軸受のうち油を使用する油軸受を除いた、気体軸受であれば空気軸受48に限られることなく適用することができる。
本実施形態のピストン21、31とシリンダ22、32との間には、静圧空気軸受を用いることも可能である。静圧空気軸受とは、加圧流体を噴出させ、発生した静圧によって物体(本実施形態ではピストン21、31)を浮上させるものである。また、静圧空気軸受に代えて、動圧空気軸受を用いることも可能である。
空気軸受48を用いて、ピストン21、31をシリンダ22、32内で往復運動させる際には、直線運動精度を空気軸受48の直径クリアランス未満にしなくてはならない。また、空気軸受48の負荷能力が小さいため、ピストン21、31のサイドフォースを実質的にゼロにしなくてはならない。即ち、空気軸受48は、シリンダ22、32の直径方向(横方向,スラスト方向)の力に耐える能力(耐圧能力)が低いため、シリンダ22、32の軸線に対するピストン21、31の直線運動精度が高い必要がある。特に、本実施形態で採用する、微小クリアランスの空気圧を用いて浮上させて支持するタイプの空気軸受48は、高圧の空気を吹き付けるタイプに比べても、スラスト方向の力に対する耐圧能力が低いため、その分だけ高いピストンの直線運動精度が要求される。
上記の理由から、本実施形態では、ピストン・クランク部にグラスホッパの機構(近似直線リンク)50を採用する。グラスホッパの機構50は、他の直線近似機構(例えばワットの機構)に比べて、同じ直線運動精度を得るために必要な機構のサイズが小さくて済むため、装置全体がコンパクトになるという効果が得られる。特に、本実施形態のスターリングエンジン10は、自動車の排気管の内部にその加熱器47が収容されるというように限られたスペースに設置されるため、装置全体がコンパクトである方が設置の自由度が増す。また、グラスホッパの機構50は、同じ直線運動精度を得るために必要な機構の重量が他の機構よりも軽量で済むため、燃費の点で有利である。さらに、グラスホッパの機構50は、機構の構成が比較的簡単であるため、構成(製造・組み立て)し易い。
以下に、グラスホッパの近似直線機構50について説明する。
A.ピストン・クランク機構の概要:
図4−1は、従来のスターリングエンジンにおけるピストン・クランク機構を示す説明図であり、図4−2は、本実施形態のスターリングエンジン10におけるピストン・クランク機構を示す説明図である。図4−1に示すように、従来の機構は、シリンダ110と、ピストン120と、コネクティングロッド130と、クランクシャフト140とを備えている。ピストン120と、コネクティングロッド130は、ピストン120の中央部付近においてピストンピン160で互いに連結されている。コネクティングロッド130とクランクシャフト140は、クランクピン162で連結されている。ピストン120が上下に往復運動すると、クランクシャフト140がその軸142(「駆動軸」とも呼ぶ)を中心に回転する。
図4−2は、スターリングエンジン10のピストン・クランク機構の概略構成を示している。本実施形態において、ピストン・クランク機構は、高温側パワーピストン20側と低温側パワーピストン30側とで共通の構成を採用しているため、以下では、低温側パワーピストン30側についてのみ説明し、高温側パワーピストン20側についての説明は省
略する。
スターリングエンジン10のピストン・クランク機構は、シリンダ32と、ピストン31と、コネクティングロッド65と、クランクシャフト61とを備えており、さらに近似直線機構50も備えている。近似直線機構50は、上述した通り、グラスホッパの近似直線機構である。
図2及び図4−2に示すように、ピストン31には、ピストン支柱部64bが接続されている。ピストン31とピストン支柱部64bとが別体として形成されていている。このピストン31の下端部とピストン支柱部64の上端部は、ピン67によって互いに回動可能に連結されている。ピストン支柱部64は、ピストン支柱部64の下端においてピストンピン60で互いに連結されている。コネクティングロッド65とクランクシャフト61は、クランクピン62で連結されている。ピストン31が上下に往復運動すると、クランクシャフト61がその軸40(「駆動軸」とも呼ぶ)を中心に回転する。
近似直線機構50は、2つの横方向リンク52,54と、1つの縦方向リンク56とを有している。第1の横方向リンク52の一端は、ピストンピン60の位置においてピストン支柱部64の下端に回動可能に連結されている。第2の横方向リンク54の一端は、第1の横方向リンク52の中間の所定の位置において第1の横方向リンク52に回動可能に連結されている。第2の横方向リンク54の他端は、ピストン・クランク機構の所定の位置に回動可能に固定されている。縦方向リンク56の一端は、第1の横方向リンク52のピストンピン60とは反対側の端部において、第1の横方向リンク52と回動可能に連結されている。縦方向リンク56の他端は、ピストン・クランク機構の所定の位置に回動可能に固定されている。
図4−1及び図4−2において、黒丸で表されている連結部(駆動軸40など)は、その軸を中心に回転または回動するが、シリンダ32との相対位置が変化しない連結点(以下「支点」と呼ぶ)である。また、白丸で表されている連結部(ピストンピン60など)は、その軸を中心に回転または回動するとともに、シリンダ32との相対位置が変化する連結点(以下「移動連結点」と呼ぶ)である。ここで、「回転」とは360度以上の範囲で回ることを意味しており、「回動」とは、360度未満の範囲で回ることを意味している。
なお、図4−1及び図4−2では、本実施形態のスターリングエンジン10のうち、ピストン・クランク機構とシリンダ32以外は図示が省略されている。
図5の(A)〜(C)は、本実施形態のピストン・クランク機構のリンク構成を示す説明図である。図5の(A)は、シリンダ32と、ピストン31と、コネクティングロッド65と、クランクシャフト61のみを示している。また、図5の(B)は、近似直線機構50のみを示している。図5の(C)は、図4−2に示した機構と同じものであり、図5の(A),(B)の構成を組合わせたものである。
図5の(A)〜(C)においては、以下のように各種の連結点が表されている。
(1)移動連結点A:ピストンピン60(図4−2)の中心軸。
(2)移動連結点B:第1の横方向リンク52の移動連結点Aとは反対側の端部にある連結点。
(3)移動連結点C:コネクティングロッド65の移動連結点Aとは反対側の端部にある連結点。
(4)移動連結点M:第1の横方向リンク52の中間点にある連結点。
(5)支点P:クランクシャフト61の中心軸(駆動軸)。
(6)支点Q:第2の横方向リンク54の移動連結点Mと反対側の端部にある連結点。
(7)支点R:縦方向リンク56の移動連結点Bと反対側の端部にある連結点。
移動連結点Aはピストンピン60の中心軸であり、ピストン31の往復運動に伴って上下方向Z(図5の(B))に沿って移動する。本明細書において、上下方向Zとは、シリンダ32の軸方向中心線(「軸中心」とも呼ぶ)に沿った方向を意味する。移動連結点A,Bは、第1の横方向リンク52の両端の連結点である。移動連結点Bは、縦方向リンク56が支点Rを中心に回動するのに伴って、円弧状の軌跡上を移動する。また、この移動連結点Bは、第2の横方向リンク54の支点Qの上下方向位置Xとほぼ同じ上下方向位置をとるように設定されている。
なお、仮想的に縦方向リンク56の長さを無限大に設定し、移動連結点Bが、支点Qと同一の上下方向位置X上を直線的に移動するようにすれば、移動連結点Aは上下方向Zに沿って完全な直線に近い運動を行う。現実には、縦方向リンク56の長さは有限なので、移動連結点Aは直線運動からわずかにずれた軌跡上を移動する(これについては後述する)。ほぼ完全な直線運動機構は、縦方向リンク56の代わりに、移動連結点Bを直線的に案内するガイド部を採用すれば実現可能であるが、このガイド部と移動連結点Bとの摩擦が増大する。従って、摩擦の低減の観点からは、本実施形態の近似直線機構50の方が完全な直線運動機構よりも好ましい。
第1の横方向リンク52の中間にある移動連結点Mの位置は、以下の関係を満足するように設定されている。
AM×QM=BM2
ここで、AMは連結点A,M間の距離を意味し、QMは連結点Q,M間の距離、BMは連結点B,M間の距離をそれぞれ意味している。
図6−1〜図6−4は、ピストン31の移動に伴うピストン・クランク機構の形状変化を示している。近似直線機構50の3つの移動連結点A,B,Mのうちで、移動連結点A,Mはピストン31の移動に伴ってかなり大きく移動するが、縦方向リンク56の上端の移動連結点Bはあまり移動しないことが解る。図6−1には、近似直線機構50の形状変化の程度を示す指標として利用できる2つの角度θ、φが示されている。第1の角度θは、横方向Xから測った第2の横方向リンク54の角度∠MQXである。また、第2の角度φは、上下方向Zからの縦方向リンク56の傾き角で∠BRZである。これらの角度θ,φの値が取る範囲は、移動連結点Aの移動範囲(即ちピストン31のストローク)の設定と、近似直線機構50の各リンクの長さに依存する。
上記のように、ピストン31の下端部とピストン支柱部64の上端部は、ピン67によって互いに回動可能に連結されている。この構成では、ピストン支柱部64の下端の軌跡が直線から多少ずれた場合にも、そのズレが、ピストン31を傾かせる力として働かない(即ち、ピストン支柱部64の下端のズレがピストン31にほとんど影響を与えない)という利点がある。即ち、グラスホッパの機構50の往復運動時に生じる直線運動からのズレを吸収するために、ピストン31とピストン支柱部64とをリジッドにではなく、相対的に移動可能な状態(フリーな状態)で連結する。本実施形態では、一例としてピン67を用いて連結している。また、ピストンとピストン支柱部とが一体に形成されている場合に比べて、ピストンを近似直線機構及びコネクティングロッドと組み付ける作業が容易になるという利点もある。一方、図示はしないが、ピストン支柱部64とピストン31とを一体として構成した場合には、仮に何らかの原因でピストン31がシリンダ32に対して傾きかけた場合にも、ピストン支柱部64が近似直線運動を行うときに、その傾きが矯正されるという利点がある。
図7−1は、本実施形態におけるピストン・クランク機構の具体的な寸法の一例を示す説明図であり、図7−2は、移動連結点Aの軌跡とを示す説明図である。図7−1に示されている寸法は、上述した関係(AM×QM=BM2)を満足していることが解る。図7−2に示されているように、移動連結点Aの軌跡は、近似的な直線部分を含んでおり、この近似的な直線部分がピストン31のストロークの範囲として利用される。このとき、ピストン31のストロークの範囲は、上死点における直線からのズレ量が、下死点における直線からのズレ量よりも小さくなるように設定される。ここで、「直線からのズレ量」の「直線」とは、シリンダ32の軸方向中心線を意味している。図7−2の例では、上死点におけるズレ量は約5μmであり、下死点におけるズレ量は約20μmである。なお、この数値は常温で測定したものである。
上死点における移動連結点Aの直線からのズレ量が、下死点におけるズレ量よりも小さくなるように設定する理由は、上死点近傍では圧縮空気による力がピストン31にかかるからである(同様に、高温側パワーピストン20では、上死点近傍では膨張空気による力がピストン21にかかるからである)。即ち、上死点におけるズレ量が小さければ、圧縮空気による力によってピストン31に(又は膨張空気による力によってピストン21に)かかるスラスト(横方向の力)が小さくなるので、ピストン31とシリンダ32(又はピストン21とシリンダ22)との摩擦を低減することができる。一方、下死点では圧縮空気による力(又は膨張空気による力)が掛からないので、多少のズレがあっても上死点に比べて摩擦への影響は小さい。
なお、移動連結点Aの軌跡における近似的直線部分は、各リンク52、54,56の長さを大きくすることによって大きくすることが可能であるが、リンクを長くすると近似直線機構50のサイズが大きくなるという問題がある。換言すれば、上死点や下死点における直線からのズレ量と、近似直線機構50のサイズとは、トレードオフの関係にある。これらの点を考慮すると、ピストン31の上死点における移動連結点Aの直線からのズレ量は、常温で測定して約10μm以下になるように近似直線機構50を構成することが好ましい。また、下死点におけるズレ量は、約20μm以下になるようにすることが好ましい。
図7−2に示すように、ピストン31のストロークの範囲を設定した場合には、第2の横方向リンク54の角度θは、8.8°〜−17.9°の範囲の値をとる(図7−1)。角度θの最大値(8.8°)は、ピストン31が上死点にある場合(図6−1)に相当し、最小値(−17.9°)はピストン31が下死点にある場合(図6−3)に相当する。縦方向リンク56の角度φは、0°〜2.2°の範囲の値をとる。角度φの最小値(0°)は、連結点Q、A、M、Bがほぼ一直線上に並ぶ場合に相当し、最大値(2.2°)は、角度θの絶対値が最も大きくなる場合(この例では下死点)に相当する。なお、これらの角度θ、φの値の範囲は、近似直線機構50の各リンクの寸法と、ピストン31のストローク範囲の設定に依存する。
B.具体的形状例:
図8及び図9は、本実施形態におけるピストン・クランク機構の具体的な形状の一例を示している。上記の通り、ピストン31は、円柱状に形成されている。ピストン31の外周面には、ピストンリング用の溝及びピストンリングは設けられていない。ピストン31の平面視(横断面)形状は、高精度な真円状に形成されている。シリンダ32は円筒状に形成されており、シリンダ32の内周部の平面視形状は、高精度な真円状に形成されている。ピストン31の外周面とシリンダ32の内周部との間には、上記の通り、空気軸受48が設けられている。ピストン31及びシリンダ32の内周部のそれぞれの平面視形状が高精度な真円状に形成されていることにより、シール性の良い空気軸受48が実現される
ピストンピン60とピストン31との間には、ピストンピン60とピストン31との間を所定の距離以上確保するために、ピストン支柱部64が設けられている。ピストン支柱部64によって、ピストンピン60とピストン31との間に所定距離以上開くことによって、ピストン31が往復移動する際に、ピストン31と近似直線機構50が接触しないようにすることができる。
ピストン支柱部64の長さは、ピストン31の上端からピストンピン60までの長さが、ピストン31のストロークの約1/2倍以上で1倍未満の範囲の値になるように設定されていることが好ましい。その理由は、ピストン支柱部64の長さが過度に短いと、上死点において近似直線機構50がシリンダ32又はピストン31に衝突する可能性があるためである。また、ピストン支柱部64の長さが過度に長いとその重量が増加する分だけエネルギ損失が増すためである。
図9に示すように、ピストン支柱部64と、コネクティングロッド65と、第1、第2の横方向リンク52、54とは、ピストン31が上下動したときにも互いに干渉しないように構成されている。具体的には、図9の例では、ピストン支柱部64は、シリンダ32の軸方向中心に設けられており、ピストン支柱部64の両側が、コネクティングロッド65の2枚の板状部材で挟まれている。コネクティングロッド65の外側には、第1の横方向リンク52の2枚の板状部材が配置されている。これら3種類の部材24,30,52は、ピストンピン60で連結されている。また、第1の横方向リンク52の更に外側には、第2の横方向リンク54の2枚の板状部材が設置されている。即ち、この例では、コネクティングロッド65と2つの横方向リンク52、54とは、端部が2つの板状部材に分かれた二股構造をそれぞれ有しており、中央のピストン支柱部64を両側から挟むような位置にそれぞれ配置されている。
図10は、図8からクランクが回転し、横方向リンク52、54が水平になった位置における要部縦断面図であり、図11は、図10のC−C断面図である。なお、図11では、図示の便宜上、コネクティングロッド65とピストン支柱部64とにそれぞれハッチングを付している。
図12ないし図16は、ピストン支柱部64とコネクティングロッド65と第1の横方向リンク52が取り得る種々の形状及び位置関係(連結状態)を示している。図12の配置は、図11の配置からコネクティングロッド65とピストン支柱部64の位置関係を逆にしたものである。即ち、図12では、中央にコネクティングロッド65が配置されており、その外側にピストン支柱部64の二股構造部分が配置され、さらにその外側に第1の横方向リンク52の二股構造部分が配置されている。また、第2の横方向リンク54の二股構造部分は、最も外側に配置されている。
図13の配置は、図11の配置からコネクティングロッド65と第1の横方向リンク52の位置関係を逆にしたものである。即ち、図13では、中央にピストン支柱部64が配置されており、その外側に第1の横方向リンク52の二股構造部分が配置され、さらにその外側にコネクティングロッド65の二股構造部分が配置されている。
図14の配置は、図12の配置からピストン支柱部64と第1の横方向リンク52の位置関係を逆にしたものである。即ち、図14では、中央にコネクティングロッド65が配置されており、その外側に第1の横方向リンク52の二股構造部分が配置され、さらにその外側にピストン支柱部64の二股構造部分が配置されている。
図15の配置は、図13の配置からピストン支柱部64と第1の横方向リンク52の位置関係を逆にしたものである。即ち、図15では、中央に第1の横方向リンク52が配置されており、その外側にピストン支柱部64の二股構造部分が配置され、さらにその外側にコネクティングロッド65の二股構造部分が配置されている。
図16の配置は、図15の配置からピストン支柱部64とコネクティングロッド65の位置関係を逆にしたものである。即ち、図16では、中央に第1の横方向リンク52が配置されており、その外側にコネクティングロッド65の二股構造部分が配置され、さらにその外側にピストン支柱部64の二股構造部分が配置されている。
図11〜図16のいずれの構成においても、第2の横方向リンク54の端部は二股構造になっており、他の部材64,65,52,60の外側に配置されている。そして、近似直線機構が動作する際には、第2の横方向リンク54の二股構造の間を、第1の横方向リンク52の端部が二股構造の間を通り抜けるように構成されている。このような構成によれば、コネクティングロッド65を短くしても、第1の横方向リンク52の端部と第2の横方向リンク54の端部とが干渉することが無いので、ピストン・クランク機構の縦方向の寸法の増大を抑制することができる。
また、図11〜図16に示す構成では、第1の横方向リンクの端部と、ピストン支柱部64の下端(ピストンの下端)と、コネクティングロッド65の上端とが、1つのピストンピン60で連結されている。このような構成によれば、第1の横方向リンク52とピストン支柱部64とコネクティングロッド65とが1つのピストンピン60で連結されるので、この連結部分の構造が単純になり、コンパクトにできるという利点がある。
さらに、図11〜図16に示す構成では、第1の横方向リンク52の端部と、ピストン支柱部64の下端と、コネクティングロッド65の上端と、の3つの端部のうち2つの端部がそれぞれ二股構造を有しており、残りの1つの端部が前記2つの端部の二股構造の中心に配置されている。このような構成によれば、第1の横方向リンク52とピストン支柱部64とコネクティングロッド65との連結部分が対称な形になるので、非対称な形状とすることによるサイドフォースが発生することを防止できるという利点がある。
なお、これらの部材64、65、52、54の位置関係は、図11ないし図16に示したもの以外の他の位置関係をとることも可能である。
図17−1〜図17−3は、ピストン・クランク機構の変形例を示す説明図である、図17−1の機構は、図5の(A)〜(C)に示した本実施形態の機構の縦方向リンク56を連結点Bの上側に配置したものであり、他の構成は上記実施形態と同じである。図17−1の機構によっても、上記実施形態と同一の効果が得られる。
図17−2の機構は、図5の(A)〜(C)に示した本実施形態の機構の支点Qを移動連結点B側に移動して、移動連結点A(ピストンピン)と支点P(クランク軸)とを結ぶ直線上に配置したものであり、他の構成は上記実施形態と同じである。図17−3の機構は、支点Qをさらに右側に配置したものである。図17−2、図17−3の機構では、第2の横方向リンク54の長さが上記実施形態よりも短くなっており、上記実施形態の機構よりもコンパクトであるという利点がある。図17−2の機構は、図17−1、図17−3の機構に比べて直線性が良いという利点がある。
以上のように、上述した実施形態や変形例では、ピストン・クランク機構に近似直線機構50を設けることによって、ピストン31の下端がシリンダ32の軸中心に沿った近似的な直線状軌跡を移動するようにしたので、ピストン31の直線運動精度が高く、ピスト
ン31のサイドフォースを実質的にゼロにすることが可能となり、ピストン31とシリンダ32との間にスラスト方向の耐圧能力の低い空気軸受48を設けても、問題が生じない。
グラスホッパの近似直線機構は、近似直線上を移動する点(移動連結点A)が機構の一方の端部近傍に偏っているので、スターリングエンジン10のピストンの運動を規制するのに特に適しており、また、コンパクトな機構で良好な直線性を得ることが可能である。
(第2実施形態の場合)
次に、図18を参照して、第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と異なる構成のみについて説明する。
上記第1実施形態では、スターリングエンジン10が排気管100の取付面100sに取り付けられたときに、再生器46が排気管100の外に出るように構成されていた。これに対し、第2実施形態では、再生器46も加熱器47と同じく排気管100の内部に収容されるように構成されている。再生器46において蓄積された熱が冷やされるのを防ぐためである。
加熱器47及び再生器46の全体を過不足なく排気管100内に収容するには、加熱器47の中央部47cを排気管100内に収容し、かつ加熱器47の第1端部47a及び再生器46の下面46bが排気管100の取付面100sに取り付けられる必要がある。これにより、加熱器47の第1端部47aと再生器46の下面46bが取付面100sと同一面上に位置することになる。加熱器47の第1端部47aは、高温側シリンダ22の上面22aと間隔を開けずに連結され、再生器46の下面46bは、冷却器45の上面45aと間隔を開けずに連結されているから、高温側シリンダ22の上面22aは、冷却器45の上面45aと同一面上に位置することになる。
上記第1実施形態と同様に、加熱器47の第1端部47aと高温側シリンダ22の上面22aとは、第1端部47aに設けられたフランジ47fと高温側シリンダ22の上面22aの近傍に設けられたフランジ22bとが接合するように締結手段で締結されている。再生器46の下面46bと冷却器45の上面45aとは、再生器46の下面46bの近傍に設けられたフランジ46dと冷却器45の上面45aの近傍に設けられたフランジ45cとが接合するように締結手段で締結されている。
上記のように、高温側シリンダ22の上面22aは、冷却器45の上面45aと同一面上に位置するように構成されているため、フランジ47fとフランジ22bとの接合面とフランジ46dとフランジ45cとの接合面とが同一面に位置する。このことから、排気管100の取付面100sにスターリングエンジン10を取り付ける際には、取付面100sを挟んでフランジ47fとフランジ22bとを接合するように取付面100sをも含めて一括して締結手段で締結するとともに、取付面100sを挟んでフランジ46dとフランジ45cとを接合するように取付面100sをも含めて一括して締結手段で締結することができる。以上のことから、排気管100に対してスターリングエンジン10を取り付け易い。
なお、上記において、加熱器47及び再生器46の全体を過不足なく排気管100内に収容する構成を採用すると、加熱器47の第1端部47aと再生器46の下面46bが取付面100sと同一面上に位置し、高温側シリンダ22の上面22aは、冷却器45の上面45aと同一面上に位置することになると説明したが、以下のように変形することができる。即ち、排気管100内においてより加熱すべき部位は、加熱器47のうち高温側シ
リンダ22側であるから、加熱器47の第1端部47aは、過不足なく排気管100内に収容されるべく取付面100sと同一面上に位置する必要があるが、加熱器47のうち低温側シリンダ32側は、相対的に加熱の要求が低いため、加熱器47の第2端部47bは、僅かであれば排気管100の外部に出ていても問題は生じない。即ち、高温側シリンダ22の上面22aよりも、冷却器45の上面45aが下方に位置しても問題は生じない。
以上に述べた第1及び第2実施形態では、スターリングエンジン10は、車両の内燃機関の排ガスを熱源とすべく排気管100に取り付けた構成について説明した。但し、本発明のスターリングエンジンは、車両の内燃機関の排気管に取り付けられる形式のものに限定されるものではない。
熱源の種類を問わず、その熱源から効率的に受熱し、かつ効率的に熱交換するためには、加熱器は、熱エネルギーを受熱するための伝熱面積がなるべく大きく、かつ少なくとも冷却器が受熱しない場所に配置可能であるという意味において、上記第1及び第2実施形態の構成が望ましい。
特に、排熱を利用する場合には熱エネルギーは管を介して排ガスとして供給される場合が殆どであることとも相俟って、例えば管の内部のように受熱可能な領域が限定されている場合に、伝熱面積が極力大きく、かつ少なくとも冷却器が受熱しない場所に配置される構成としては、上記第1及び第2実施形態の構成が優れている。以下に、上記第1及び第2実施形態の構成の技術的意義について更に述べる。
無効容積部分(冷却器、再生器、加熱器)が小さい方が良いことは前述の通りであるが、無効容積部分に湾曲した形状を有している場合、湾曲部の数が多いと流路抵抗が大きくなり、また湾曲部の曲率が小さいと流路抵抗は大きくなる。即ち、作動流体の圧力損失を考慮すると、湾曲部の数は単一であり曲率は大きい方が良い。この点に関し、第1実施形態の加熱器47(又は、第2実施形態の加熱器47及び再生器46)は概ねU字形であり、湾曲形状となっているが、湾曲部の数は1つである。
また、図3に示すように、上記実施形態の無効容積部分の曲率に関しては、直列並行に配置された2つのシリンダ22、32の上部同士を連結し、かつ排気管100の内径寸法(上下方向の高さ)と加熱器47の端部47a、47bと中央部47cの最上部との間の高さが概ね同じ高さhになる構成に合わせて、その曲率(カーブ形状)が設定されている。排気管100の内部のような限定された空間内で排気ガスのような流体の熱源との接触面積を大きく確保するためには、上記のようなカーブ形状が望ましい。
以上の観点からすると、無効容積部分のうち加熱器は、その全体が過不足なく排気管の内部のような熱源からの熱を受ける限定された空間(受熱空間)内に収容されるとともに、その受熱空間内で、熱源からの伝熱面積を最大限に確保可能でかつ流路抵抗が最小となるように、例えばU字形やJ字形のようなカーブ形状に構成されるのがよい。
冷却器45は、熱源からの熱を受けない上記受熱空間の外部に作動流体の流路抵抗を最小限にしつつ配置するために、高温側シリンダ22と低温側シリンダ32との高さの違いに対応する位置に、低温側シリンダ32の延在方向(軸線方向)に沿って(同一軸線上に)直線状に構成される。
再生器46についても、上記冷却器45と同様に、作動流体の流路抵抗を最小限にしつつ配置するために、低温側シリンダ32の延在方向に沿って直線状に構成される。上記第1及び第2実施形態の相違点として示したように、再生器46は、その特性や使用環境、目的等によって、上記受熱空間内に収容されるか、上記受熱空間の外部に配置されるかが
決定される。再生器46が上記受熱空間の外部に配置される場合には、高温側シリンダ22と低温側シリンダ32との高さの違いに対応する位置に配置される。
上記のように、加熱器47の第2端部47bに連結される再生器46及び冷却器45は、いずれも低温側シリンダ32の延在方向に沿って設けられる。加熱器47の第1端部47aは、高温側シリンダ22の上部に隙間無く接続される。これらのことから、少なくとも加熱器47の第1端部47a及び第2端部47b側には、それぞれ高温側シリンダ22、低温側シリンダ32の延在方向に沿う部分を有し、加熱器47の中央部47cは、上述したようなカーブ形状を有することになる。
上述した技術的理由から、加熱器47は、直列並行に配置された2つのシリンダ22,32間で、途中で方向変換(ターン)する形状に構成されている。加熱器47は、直列並行に配置された2つのシリンダ22,32間を連結するように、少なくとも一つのシリンダ22の軸線に平行な部分と、2つのシリンダ22,32間を連結する曲線部分とを有している。
(第3実施形態)
次に、図20を参照して、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、上記第1及び第2実施形態と同じ機能については対応する符号を付してその詳細な説明を省略し、内容的に異なる点のみについて説明する。
図20は、第3実施形態のスターリングエンジン10Aの要部を示す正面図である。図20に示すように、直列並行に配置されたシリンダ22A,32Aに対し、冷却器45A、再生器46A、加熱器47Aを含む熱交換器90Aが、2つのシリンダ22A,32Aを結ぶように、熱交換器90Aの少なくとも一部がカーブ形状を有するように構成されている。第3実施形態においては、膨張ピストン21Aと圧縮ピストン31Aの上死点の位置は同じである。
第3実施形態のスターリングエンジン10Aによれば、搭載スペースがコンパクトに抑えられ、限られたスペースに搭載される場合であっても設置の自由度が増す。更に、カーブ形状の加熱器47Aの配置に関し、受熱可能な領域が限定されている場合に、その領域に加熱器47Aのカーブ部分を対応させて配置すれば伝熱面積を極力大きく確保することができる。また、冷却器45A及び再生器46Aは、シリンダ32Aの延在方向に沿う直線状に形成されているため、例えば流路に角が形成されるような形状に比べて、作動流体の流路抵抗が低減される。熱交換器90Aの全体の流路の軸線90Bは、曲線のみから構成されている。作動流体の流路抵抗の観点からは、熱交換器の全体において、流路に角の部分が形成されないように、流路の軸線は直線同士の組み合わせではなく、第1及び第2実施形態のように直線と曲線の組み合わせ、又は第3実施形態のように曲線のみから構成されると良い。
図1は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態を示す正面図である。 図2は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態を示す側面図である。 図3は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、排気管に取り付けられた状態を示す正面図である。 図4−1は、従来のピストン・クランク機構を示す説明図である。 図4−2は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において適用されるピストン・クランク機構を示す説明図である。 図5は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構のリンク構成を示す説明図である。 図6−1は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストンの移動に伴うピストン・クランク機構の形状変化を示す説明図である。 図6−2は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストンの移動に伴うピストン・クランク機構の形状変化を示す他の説明図である。 図6−3は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストンの移動に伴うピストン・クランク機構の形状変化を示す更に他の説明図である。 図6−4は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストンの移動に伴うピストン・クランク機構の形状変化を示す更に他の説明図である。 図7−1は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の具体的な寸法の一例を示す説明図である。 図7−2は、移動連結点Aの軌跡とを示す説明図である。 図8は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の具体的な形状の一例を示す要部縦断面図である。 図9は、図8の状態におけるピストン・クランク機構の要部横断面図である。 図10は、図8の状態からクランクが回転した位置におけるピストン・クランク機構の要部縦断面図である。 図11は、図10の状態におけるピストン・クランク機構の要部横断面図である。 図12は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の連結部の変形例を示す要部横断面図である。 図13は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の連結部の変形例を示す要部横断面図である。 図14は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の連結部の変形例を示す要部横断面図である。 図15は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の連結部の変形例を示す要部横断面図である。 図16は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の連結部の変形例を示す要部横断面図である。 図17−1は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の他の変形例を示す説明図である。 図17−2は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の更に他の変形例を示す説明図である。 図17−3は、本発明のスターリングエンジンの第1実施形態において、ピストン・クランク機構の更に他の変形例を示す説明図である。 図18は、本発明のスターリングエンジンの第2実施形態を示す正面図である。 図19は、本発明のスターリングエンジンの第2実施形態において、排気管に取り付けられた状態を示す正面図である。 図20は、本発明のスターリングエンジンの第3実施形態の要部を示す正面図である。 図21は、従来のスターリングエンジンの構成例を示す一部断面側面図である。
符号の説明
10 スターリングエンジン
20 高温側パワーピストン
21 膨張ピストン
22 高温側シリンダ
22a 高温側シリンダの上面
30 低温側パワーピストン
31 圧縮ピストン
32 低温側シリンダ
45 冷却器
45a 冷却器の上面
46 再生器
46a 再生器の上面
46b 再生器の下面
47 加熱器
47a 第1端部
47b 第2端部
50 近似直線機構
64a、64b 延長部
90 熱交換器
100 排気管

Claims (7)

  1. 直列に配置された少なくとも2つのシリンダと、
    冷却器と再生器と加熱器とを有する熱交換器とを備え、
    前記熱交換器は、第1の前記シリンダと第2の前記シリンダとを結ぶように前記熱交換器の少なくとも一部がカーブ形状を有するように構成され
    前記スターリングエンジンの出力は、前記第1のシリンダ内の第1ピストンと前記第2のシリンダ内の第2ピストンとに共通に接続された駆動軸を介して取り出され、
    前記駆動軸と、前記第1ピストンのピストンピン及び前記第2ピストンのピストンピンとは、それぞれクランクシャフト及びコネクティングロッドを介して接続され、
    前記第1ピストンが上死点にあるときの前記第1ピストンの頂部と前記駆動軸との間の距離と、前記第2ピストンが上死点にあるときの前記第2ピストンの頂部と前記駆動軸との間の距離とが相違するように構成され、
    前記距離の相違は、前記第1ピストンのピストンピンと前記第1ピストンとを連結する第1連結軸の長さと、前記第2ピストンのピストンピンと前記第2ピストンとを連結する第2連結軸の長さの相違に対応している
    ことを特徴とするスターリングエンジン。
  2. 請求項1記載のスターリングエンジンにおいて、
    前記加熱器は、前記第1のシリンダと前記第2のシリンダとを結ぶような前記カーブ形状を有するように構成され、前記冷却器及び前記再生器は、前記シリンダの延在方向に沿う直線状に構成されている
    ことを特徴とするスターリングエンジン。
  3. 請求項1または2に記載のスターリングエンジンにおいて、
    前記第1及び第2のシリンダのうちの高温側シリンダと前記加熱器との連結面が、前記加熱器と前記再生器との連結面と概ね同一である
    ことを特徴とするスターリングエンジン。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載のスターリングエンジンにおいて、
    前記第1及び第2のシリンダのうちの高温側シリンダと前記加熱器との連結面が、前記再生器と前記冷却器との連結面と概ね同一である
    ことを特徴とするスターリングエンジン。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載のスターリングエンジンにおいて、
    更に、
    前記第1のシリンダ内の第1ピストンと前記第2のシリンダ内の第2ピストンの少なくともいずれか一方に直接的又は間接的に連結され、当該連結されたピストンが当該シリンダ内を往復運動するときに近似直線運動するように設けられた近似直線機構
    を備えたことを特徴とするスターリングエンジン。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のスターリングエンジンと、
    車両の内燃機関とを備えたハイブリッドシステムであって、
    前記スターリングエンジンは、前記車両に搭載され、
    前記スターリングエンジンの加熱器が前記内燃機関の排気系から受熱するように設けられた
    ことを特徴とするハイブリッドシステム。
  7. 請求項記載のハイブリッドシステムにおいて、
    前記熱交換器は、前記第1及び第2のシリンダの上部同士を連結し、かつ前記内燃機関の排気管の内径寸法と、前記加熱器の端部と前記加熱器の最上部の距離とが概ね同じ大きさになる構成に合わせて、前記カーブ形状が設定されている
    ことを特徴とするハイブリッドシステム。
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