JP5391799B2 - スターリングエンジンの熱交換器およびスターリングエンジン - Google Patents

スターリングエンジンの熱交換器およびスターリングエンジン Download PDF

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Description

本発明はスターリングエンジンの熱交換器およびスターリングエンジンに関し、特に高温熱源を構成する流体との間で熱交換を行うスターリングエンジンの熱交換器、および当該熱交換器を備えたスターリングエンジンに関する。
近年、乗用車やバス、トラック等の車両に搭載される内燃機関の排熱や工場排熱を回収するために、理論熱効率に優れたスターリングエンジンが注目されてきている。スターリングエンジンは高い熱効率が期待できる上に、作動流体を外から加熱する外燃機関であるために、熱源を問わず、ソーラー、地熱、排熱といった各種の低温度差代替エネルギーを活用でき、省エネルギーに役立つという利点がある。スターリングエンジンを用いて内燃機関等の排熱を回収しようとする場合、摺動部の摩擦をできる限り低減して排熱の回収効率を向上させる必要がある。
これに対して例えば特許文献1では、ピストンとシリンダとの間に気体軸受を形成して両者の摩擦を低減するとともに、グラスホッパの機構を用いた近似直線機構でピストンを支持するスターリングエンジンが開示されている。
またスターリングエンジンの熱交換器で発生する熱変形に関する技術が例えば特許文献2で開示されている。特許文献2では、一方の端部を他方の端部に対して熱膨張により変形する方向に沿って移動可能にしたヒータを備えた排熱回収装置が開示されている。
特開2005−106009号公報 特開2007−9782号公報
図15は加熱器47Xを中心としたスターリングエンジン10Xの要部を一例として模式的に示す図である。具体的には図15では(a)で、スターリングエンジン10Xの要部を示すとともに、(b)で加熱器47Xが熱膨張した後のスターリングエンジン10Xの様子を示している。加熱器47Xは概ねU字形の形状を有しており、高温側気筒20と低温側気筒30とを連通している。高温側気筒20および低温側気筒30は図示しないピストンと、シリンダとをそれぞれ備えている。加熱器47Xと低温側気筒30との間には再生器46が介在している。加熱器47Xの両端部は固定されている。
加熱器47Xには、スターリングエンジン10Xの作動流体が流通する。そして高温熱源(例えば排気ガス)に曝された加熱器47Xでは、流通する作動流体と高温熱源との間で熱交換が行われる。一方、高温熱源に曝された加熱器47Xは熱膨張する。このとき加熱器47Xの両端部の位置関係は、熱膨張によって図15(b)に示すように変化する。そして加熱器47Xの両端部の位置関係が変化すると、気体潤滑されているピストンと、ピストンを収容するシリンダと、ピストンを支持する近似直線機構(図示省略)との間の位置関係に影響が及ぶことになる。そしてこの場合には、気体潤滑を行う微小クリアランスのクリアランス精度を適正に維持できなくなり、この結果、気体潤滑を適切に行えなくなる虞がある点で問題があった。またこの場合には、当該微小クリアランスを通じて不適切な作動流体の漏れが発生する虞がある点でも問題があった。
一方、これに対して例えば特許文献2が開示する排熱回収装置では、ヒータの一方の端部を他方の端部に対して移動可能にすることで、ヒータの熱膨張による変形の影響を低減している。しかしながら、この排熱回収装置ではヒータの一方の端部を他方の端部に対して熱膨張により変形する方向に沿って厳密に、或いは十分に移動可能にできない場合には、熱膨張後の加熱器に熱応力が残存する可能性があると考えられる。そしてこの場合には、残存した熱応力によって気体潤滑されているピストンと、ピストンを収容するシリンダと、ピストンを支持する近似直線機構との間の位置関係に影響が及ぶ可能性もあると考えられる点で問題があった。
なお、ヒータの一方の端部を他方の端部に対して移動可能にする代わりに、例えば当該微小クリアランスに影響が及ばない程度にヒータの剛性を高めることも考えられる。しかしながら、この場合にはヒータの重量が著しく増大し、この結果、車載用の装置としては商品性が悪化する虞がある点で問題があった。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、固定したままの状態で熱変形の影響を低減でき、さらには熱膨張後に熱応力が残存することを防止或いは抑制可能なスターリングエンジンの熱交換器、および当該熱交換器を備えたスターリングエンジンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、他の部分の熱変形を許容する変形許容部を一部に備え、高温熱源を構成する流体との間で熱交換を行うスターリングエンジンの熱交換器であって、前記変形許容部を、前記他の部分よりも構造上、剛性を低くした部分であって曲げ形状を備えた構造とし、前記変形許容部を少なくとも3箇所に備えたスターリングエンジンの熱交換器である。
また本発明は概ねU字形の湾曲形状を有するとともに、該湾曲形状の少なくとも一部を構成する湾曲部をさらに備え、前記変形許容部を前記湾曲部に設けるとともに、該湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって放射線状に拡大するように形成した構成であることが好ましい。
また本発明は気体潤滑が行われるピストンおよびシリンダと、前記シリンダが固定される基板とを備え、前記スターリングエンジンの熱交換器を前記基板を介して高温熱源を保有する高温熱源保有体に固定したスターリングエンジンである。
本発明によれば、固定したままの状態で熱変形の影響を低減でき、さらには熱膨張後に熱応力が残存することを防止或いは抑制できる。
加熱器47Aを備えたスターリングエンジン10Aを模式的に示す図である。 スターリングエンジン10Aのピストン・クランク部の概略構成を模式的に示す図である。 加熱器47Aを中心としたスターリングエンジン10Aの要部を模式的に示す図である。 加熱器47Aが熱膨張した後のスターリングエンジン10Aの様子を模式的に示す図である。 加熱器47Aの具体的な構成を模式的に示す図である。 湾曲構造711を備えた場合の低剛性部71Aの具体的な構成を模式的に示す図である。 S字構造712を備えた場合の低剛性部71Aの具体的な構成を模式的に示す図である。 加熱器47A´を中心としたスターリングエンジン10A´の要部を模式的に示す図である。なお、スターリングエンジン10A´は加熱器47Aの代わりに加熱器47A´を備えている点以外、スターリングエンジン10Aと実質的に同一のものとなっている。また、加熱器47A´は低剛性部71Aが全長中央の代わりに、排気ガスの流通方向V1の上流側に設けられている点以外、加熱器47Aと実質的に同一のものとなっている。 加熱器47Bを中心としたスターリングエンジン10Bの要部を模式的に示す図である。 低剛性部71Bを3つ備えた理由についての説明図である。 低剛性部71Bを3つ以上備えた場合の各低剛性部71Bの具体的な構造、およびその組み合わせの一例を示す図である。 加熱器47Cを模式的に示す図である。 加熱器47Dを模式的に示す図である。 加熱器47Eを排気管200とともに示す模式図である。 加熱器47Xを中心としたスターリングエンジン10Xの要部を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は本実施例にかかるスターリングエンジンの熱交換器である加熱器47Aを備えたスターリングエンジン10Aを模式的に示す図である。スターリングエンジン10Aは、2気筒α型のスターリングエンジンである。スターリングエンジン10Aは、クランク軸線CLの延伸方向と気筒配列方向Xとが互いに平行になるように直列並行に配置された高温側気筒20および低温側気筒30を有している。高温側気筒20は膨張ピストン21と高温側シリンダ22とを、低温側気筒30は圧縮ピストン31と低温側シリンダ32とをそれぞれ備えている。圧縮ピストン31は、膨張ピストン21に対して、クランク角で90°程度遅れて動くように位相差が設けられている。スターリングエンジン10Aは、クランク軸線CLの延伸方向(換言すれば気筒配列方向X)が排気ガスの流通方向V1と平行になるように配置されている。
スターリングエンジン10Aは基準体である基板15を備えている。高温側シリンダ22と低温側シリンダ32とは、基板15に直接、または間接的に支持、固定されている。基板15はシリンダ22、32を含むスターリングエンジン10Aの各構成要素の位置基準となっている。したがって、スターリングエンジン10の各構成要素の相対的な位置精度は基板15によって確保されている。基板15は、スターリングエンジン10Aの高温熱源を保有する高温熱源保有体である排気管200に固定されている。
スターリングエンジン10Aは熱交換器として冷却器45と、再生器46と、加熱器47Aとを備えている。高温側気筒20と低温側気筒30の一端部それぞれは、クランクケース60に固定されている。そして、加熱器47Aはその一端部が高温側気筒20の他端部に固定されている。また加熱器47Aはその他端部が再生器46の一端部である上面に固定されている。再生器46はその他端部である下面が冷却器45の一端部である上面に固定されている。冷却器45はその他端部である下面が低温側気筒20の他端部に固定されている。これにより加熱器47Aは、基板15に間接的に固定されている。なお、加熱器47Aの両端部は基板15に直接固定されてもよい。
高温側シリンダ22の上部空間は膨張空間となっている。膨張空間には加熱器47Aで加熱された作動流体が流入する。加熱器47Aは本実施例では具体的には車両に搭載されたガソリンエンジンの排気管200の内部に配置されている。そして、作動流体は高温熱源を構成する流体である排気ガスから回収した熱エネルギーにより加熱される。加熱器47Aは、排気ガスの流通方向V1に延在するように設けられている。
低温側シリンダ32の上部空間は圧縮空間となっている。圧縮空間には冷却器45で冷却された作動流体が流入する。
再生器46は、膨張空間、圧縮空間の間を往復する作動流体との間で熱の授受を行う。再生器46は具体的には、作動流体が膨張空間から圧縮空間へと流れる時には作動流体から熱を受け取り、作動流体が圧縮空間から膨張空間へと流れる時には蓄えられた熱を作動流体に放出する。
作動流体には空気が適用されている。但しこれに限られず、作動流体には例えばHe、H、N等の気体を適用することができる。
次にスターリングエンジン10Aの動作について説明する。加熱器47Aで作動流体が加熱されると、膨張して膨張ピストン21が圧下され、これにより駆動軸(クランクシャフト)113の回動が行われる。次に膨張ピストン21が上昇行程に移ると、作動流体は加熱器47Aを通過して再生器46に移送され、そこで熱を放出して冷却器45へと流れる。冷却器45で冷却された作動流体は圧縮空間に流入し、さらに圧縮ピストン31の上昇行程に伴って圧縮される。このようにして圧縮された作動流体は、今度は再生器46から熱を奪いながら温度を上昇して加熱器47Aへ流れ込み、そこで再び加熱膨張せしめられる。すなわち、かかる作動流体の往復流動を通じてスターリングエンジン10Aが動作する。
ところで、本実施例ではスターリングエンジン10Aの熱源が車両の内燃機関の排気ガスとなっていることから、得られる熱量に制約があり、その得られる熱量の範囲でスターリングエンジン10Aを作動させる必要がある。そこで本実施例では、スターリングエンジン10Aの内部フリクションを可能な限り低減させることとしている。具体的にはスターリングエンジン10Aの内部フリクションのうち、最も摩擦損失が大きいピストンリングによる摩擦損失を無くすため、シリンダ22、32とピストン21、31との間で気体潤滑を行っている。
気体潤滑ではシリンダ22、32とピストン21、31の間の微小なクリアランスで発生する空気の圧力(分布)を利用して,ピストン21、31を空中に浮いた形にする。気体潤滑は摺動抵抗が極めて小さいため、スターリングエンジン10Aの内部フリクションを大幅に低減させることができる。空中に物体を浮上させる気体潤滑には、具体的には例えば加圧流体を噴出させ、発生した静圧によって物体を浮上させる静圧気体潤滑を適用することができる。但しこれに限られず、気体潤滑は例えば動圧気体潤滑であってもよい。
気体潤滑が行われるシリンダ22、32とピストン21、31との間のクリアランスは数十μmとなっている。そして、このクリアランスにはスターリングエンジン10Aの作動流体が介在している。ピストン21、31それぞれは、気体潤滑によりシリンダ22、32と非接触の状態、または許容できる接触状態で支持されている。したがってピストン21、31の周囲には、ピストンリングは設けられておらず、また一般にピストンリングと共に使用される潤滑油も使用されていない。気体潤滑では、微小クリアランスにより膨張空間、圧縮空間それぞれの気密が保たれ、リングレスかつオイルレスでクリアランスシールが行われる。
さらにピストン21、31とシリンダ22、32とはともに金属製であり、本実施例では具体的には対応するピストン21、31およびシリンダ22、32同士で線膨張率が同じ金属(ここではSUS)が適用されている。これにより、熱膨張があっても適正なクリアランスを維持して気体潤滑を行うことができる。
ところで気体潤滑の場合、負荷能力が小さいことから、ピストン21、31のサイドフォースを実質的にゼロにしなくてはならない。すなわち、気体潤滑を行う場合にはシリンダ22、32の直径方向(横方向,スラスト方向)の力に耐える能力(耐圧能力)が低くなるため、シリンダ22、32の軸線に対するピストン21、31の直線運動精度が高い必要がある。
このため、本実施例ではピストン・クランク部にグラスホッパの機構50を採用している。直線運動を実現する機構にはグラスホッパの機構50のほか例えばワットの機構があるが、グラスホッパの機構50は他の機構に比べて、同じ直線運動精度を得るために必要な機構のサイズが小さくて済むため、装置全体がコンパクトになるという効果が得られる。特に本実施例のスターリングエンジン10Aは、自動車の床下といった限られたスペースに設置されることになるため、装置全体がコンパクトである方が設置の自由度が増す。またグラスホッパの機構50は、同じ直線運動精度を得るために必要な機構の重量が他の機構よりも軽量で済むため、燃費の点で有利である。さらにグラスホッパの機構50は機構の構成が比較的簡単であるため、構成(製造・組み立て)し易いという利点も有する。
図2はスターリングエンジン10Aのピストン・クランク部の概略構成を模式的に示す図である。なお、ピストン・クランク部には高温側気筒20側と低温側気筒30側とで共通の構成を採用しているため、以下では、高温側気筒20側についてのみ説明し、低温側気筒30側についての説明は省略する。近似直線機構は、グラスホッパの機構50と、コネクティングロッド110と、エクステンションロッド111と、ピストンピン112とを備えている。膨張ピストン21は、コネクティングロッド110、エクステンションロッド111およびピストンピン112を介して駆動軸113に接続されている。具体的には、膨張ピストン21はピストンピン112を介してエクステンションロッド111の一端側に接続されている。そして、エクステンションロッド111の他端側にはコネクティングロッド110の小端部110aが接続されている。そして、コネクティングロッド110の大端部110bが駆動軸113に接続されている。
膨張ピストン21の往復運動は、コネクティングロッド110によって駆動軸113に伝達され、ここで回転運動に変換される。コネクティングロッド110はグラスホッパの機構50によって支持されており、膨張ピストン21を直線状に往復運動させる。このように、コネクティングロッド110をグラスホッパの機構50によって支持することにより、膨張ピストン21のサイドフォースFがほとんどゼロになる。このため、負荷能力の小さい気体潤滑を行う場合でも十分に膨張ピストン21を支持することができる。
次に加熱器47Aについてさらに具体的に説明する。加熱器47Aは概ねU字形の形状を有している。加熱器47Aを概ねU字形の形状に形成している理由は次の通りである。
ここで、冷却器45、再生器46および加熱器47Aからなる熱交換器構成体のスペースは、出力に直接的には関与しない無効容積となっている。そして無効容積が増えると、スターリングエンジン10Aの出力は減少する。このためスターリングエンジン10Aでは、必要な熱交換能力が得られる範囲内で熱交換器構成体をコンパクトにすることが望まれる。
一方、熱交換器構成体をコンパクトにすると熱交換が困難になる。そしてこの結果、受熱量が減少する場合にもスターリングエンジン10Aの出力が減少する。
したがって、無効容積の減少と受熱量の増加とを両立させるためには、熱交換器構成体の効率を上げる必要がある。そしてそのためには、加熱器47Aが効率的に受熱する必要がある。
この点、熱交換器構成体が湾曲形状を有している場合、湾曲部の数が多いほど流路抵抗は大きくなる。また、湾曲部のカーブが小さいほど流路抵抗は大きくなる。したがって作動流体の圧力損失の観点からは、熱交換器構成体が備える湾曲部の数は1つであり、且つそのカーブが大きい方が望ましい。
また、排気管200の内部のような限られた空間内で加熱器47Aが効率的に受熱するためには、加熱器47Aにおいて、排気ガスとの接触面積である伝熱面積を大きく確保することが望ましい。
そしてこれらのことから加熱器47Aは、その全体が過不足なく受熱空間内に収容されることで、最大限の伝熱面積の確保が可能となるように形成されるとともに、流路抵抗が最小となる形状に形成されることが最も望ましい。
これに対しスターリングエンジン10Aでは、加熱器47Aを含む熱交換器構成体が概ねU字形、或いはより正確には概ねJ字形に形成された湾曲形状を有している。そして、これに応じてスターリングエンジン10Aでは、熱交換器構成体の湾曲部の数が1つとなっている。また湾曲部のカーブは、加熱器47Aを排気管200内に収容可能な範囲内で可能な限り大きく設定されている。このため加熱器47Aは、その全体が過不足なく排気管200に収容されるとともに、その流路抵抗が例えばより多くの湾曲部を備えた場合や屈曲部を備えた場合と比較して小さくなっている。スターリングエンジン10Aでは、以上のような理由により加熱器47Aを概ねU字形の形状に形成している。
ところで、加熱器47Aは本実施例ではさらに具体的には、図3に示すように湾曲態様が円弧状である半ドーナツ状の形状を有している。そしてこれにより、加熱器47Aは同時に湾曲態様が円弧状である湾曲部を1つ備えたかたちとなっている。この点、概ねU字形の形状には、例えば中間や両端に直線部を特段含むことなく、このように湾曲態様が円弧状となる形状や、湾曲態様が部分楕円状となる形状も含まれるものとする。すなわち、概ねU字形の形状は、少なくとも1つの湾曲部を備えるとともに、全体として1つの凸状(或いは凹状)の湾曲態様を有している湾曲形状であればよい。
図3に示すように、加熱器47Aは変形許容部に相当する低剛性部71Aを備えている。低剛性部71Aは、加熱器47Aにおいて他の部分よりも構造上、剛性を低くした部分となっている。したがって、低剛性部71Aと他の部分とは同一の材質によって構成されている。低剛性部71Aは、加熱器47Aの全長中央の部分に1箇所設けられている。そしてこれにより、低剛性部71Aは同時に湾曲部に設けられたかたちとなっている。低剛性部71Aは、湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって放射線状に拡大するように形成されている。具体的には低剛性部71Aは、湾曲部の湾曲中心Oを中心位置とする放射線に沿って拡大するように形成されている。なお、例えばこのように低剛性部71Aを設けたことに対して、相対的に剛性が高くなった他の部分を高剛性部72と称することとする。
次に加熱器47Aの作用効果について説明する。ここで、加熱器47Aはその一端部が高温側気筒20に固定されているとともに、その他端部が再生器46に固定されている。このためスターリングエンジン10Aでは、加熱器47Aの熱変形が、ピストン21、31と、シリンダ22,32と、近似直線機構との間の位置関係に影響を及ぼす蓋然性が高くなっている。そしてかかる状況において、高温の排気ガスに曝される加熱器47Aには熱変形が発生する。
これに対してスターリングエンジン10Aでは、加熱器47Aが、相対的に剛性が低くなっている低剛性部71Aで高剛性部72の熱変形を許容する。具体的には加熱器47Aは、図4に示すように低剛性部71Aが加熱器47Aの延伸方向V2に沿って圧縮されるように変形することで、他の部分の熱変形を許容する。また低剛性部71Aを湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって放射線状に拡大したことで、加熱器47Aは湾曲部の湾曲形状内側から外側にかけて、バランス良く熱変形を許容することができる。この点、湾曲部の湾曲中心Oを中心位置とする放射線に沿って低剛性部71Aを拡大したことで、加熱器47Aは高剛性部72から垂直に圧縮されるようにしてさらにバランス良く熱変形を許容できる。
このため加熱器47Aは、高温側シリンダ22側および再生器46側に位置する両端部を固定したままの状態でも、ピストン21、31と、シリンダ22,32と、近似直線機構との間の位置関係に影響が及ぶことを防止或いは抑制できる。すなわち加熱器47Aによれば、両端部を固定したままの状態でも熱変形の影響を低減できる。したがって加熱器47Aによれば、気体潤滑を行う微小クリアランスのクリアランス精度を適正に維持できなくなる結果、気体潤滑を適切に行えなくなることを防止或いは抑制できる。そして加熱器47Aによれば、これにより当該微小クリアランスを通じて作動流体の漏れが発生することも防止或いは抑制できる。
なお、低剛性部71Aはさらに具体的には例えば以下に示すような構造によって実現することができる。この点につき、まず加熱器47Aのさらに具体的な構造について図5を用いて説明するとともに、低剛性部71Aの具体的な構造の一例について図6、図7を用いて説明する。なお、図5は全長中央位置における加熱器47Aの断面を排気ガスの流通方向V1に沿って見た図となっている。
図5に示すように、加熱器47Aはさらに具体的には複数の熱交換部材100を備えている。複数の熱交換部材100は具体的には第1から第5までの熱交換部材101から105までを備えている。第1の熱交換部材101は、第1の流路部材群81と第1のフィン91とを備えている。同様に、第2から第5までの熱交換部材102から105までは、第2から第5までの流路部材群82から85までをこの順に備えるとともに、第2から第5のフィン92から95までをこの順に備えている。また複数の熱交換部材100を備えた加熱器47Aは、換言すれば複数の流路部材群として各流路部材群81から85までを、複数のフィンとして各フィン91から95までをそれぞれ備えている。
各流路部材群81から85までそれぞれは、作動流体の流路を形成する流路部材86を複数備えている。各流路部材群81から85までには、各フィン91から95までがこの順に設けられている。流路部材86それぞれは各フィン91から95までにおいて、湾曲部の湾曲形状に沿って延伸するとともに、湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって均等に配置されている。
各フィン91から95までそれぞれは、クランク軸線CLおよび気筒延伸方向Yに直交する方向V3に沿った位置それぞれにおいて、湾曲部の湾曲形状に沿った形に形成された平板状の形状を有している。各フィン91から95までそれぞれは、方向V3に沿って互いに直列並行に等間隔で配置されている。各フィン91から95までそれぞれは、クランク軸線CLの延伸方向(図5において紙面に垂直な方向)と平行になるように配置されている。各フィン91から95までそれぞれは加熱器47Aの両端部間で連続的に繋がっており、スリット等の切れ目は特段備えていない。
一方、このように構成された加熱器47Aに対して、低剛性部71Aは具体的には例えば図6に上面視で示すように、方向V3に沿って突出するように、各熱交換部材101から105までそれぞれを同じ方向に単一的に滑らかに湾曲させた湾曲構造711各々を備えた構造とすることができる。このとき低剛性部71Aは、例えば図6に示すように低剛性部71A一箇所につき、各熱交換部材101から105まで1つあたりに、湾曲構造711を1つ備えた構造とすることができる。このように設けた各湾曲構造711は、高剛性部72の熱膨張に応じて撓むことで、方向V2に沿って生じる熱膨張を許容することができる。
また低剛性部71Aは具体的には例えば図7に上面視で示すように、方向V3に沿って突出するように、各熱交換部材101から105までそれぞれを同じ方向にS字状に湾曲させたS字構造712各々を備えた構造とすることができる。このとき低剛性部71Aは、例えば図7に示すように低剛性部71A一箇所につき、各熱交換部材101から105まで一つあたりに、S字構造712を1つ備えた構造とすることができる。このように設けた各S字構造712は、高剛性部72の熱膨張に応じて撓むことで、方向V2に沿って生じる熱膨張を許容することができる。
一方、このようにして構造上、剛性を低くした低剛性部71Aを備えた場合には、図6、図7に示すように、各熱交換部材101から105までそれぞれに設けられた湾曲構造711間またはS字構造712間に、両端の部分と比較して隙間が大きい部分Wができる。そして部分Wでは排気ガスの流通抵抗が小さくなることから、排気ガスが流通し易くなる。すなわち、例えばこのようにして構造上、剛性を低くした低剛性部71Aを備えた場合には、流通する排気ガスが部分Wを流通しようとする結果、部分Wの延伸方向に沿った指向性を有することになる。
これに対して加熱器47Aは、湾曲部の湾曲中心Oを中心位置とする放射線に沿って低剛性部71Aを拡大している。したがって加熱器47Aは、例えばこのようにして構造上、剛性を低くした低剛性部71Aを備えることで、排気ガスが到達しにくい加熱器47Aの湾曲部の湾曲形状内側に排気ガスを導くことができる。そして、このようにして排気ガスを導くにあたっては、図8に示す加熱器47A´のように、低剛性部71Aを全長中央の代わりに、排気ガスの流通方向V1上流側に設けることが好ましい。これにより、加熱器47A´の湾曲部の湾曲形状内側に排気ガスをより積極的に導くことができることから、伝熱面積をより有効に利用でき、以って熱交換性能を向上させることができる。
また例えばこのようにして構造上、剛性を低くした低剛性部71Aを備えることで、加熱器47A、47A´はさらに重量の著しい増大を招くことなく熱変形の影響を低減できる。
本実施例に係る加熱器47Bについて図9を用いて説明する。スターリングエンジン10Bは、加熱器47Aの代わりに加熱器47Bを備えている点以外、スターリングエンジン10Aと実質的に同一のものとなっている。加熱器47Bは、低剛性部71Aの代わりに低剛性部71Bを備えている点以外、加熱器47Aと実質的に同一のものとなっている。低剛性部71Bは放射線状に拡大する度合いが低剛性部71Aよりも小さくなっている点以外、低剛性部71Aと実質的に同一のものとなっている。この点、加熱器47Bは具体的には低剛性部71Bを3つ備えており、低剛性部71Bの大きさは低剛性部71Aの大きさのおよそ3分の1程度となっている。各低剛性部71Bは、加熱器47Bの全長に対してほぼ均等に設けられている。具体的には各低剛性部71Bは、加熱器47Bの全長中央の部分と、全長中央および両端部間それぞれの間、およそ中央の部分各々との3箇所に設けられている。
次に低剛性部71Bを3つ備えた理由について図10を用いて説明する。図10(a)は低剛性部71Bを1つ備えた場合についての説明図であり、図10(b)は低剛性部71Bを2つ備えた場合についての説明図であり、図10(c)は低剛性部71Bを3つ備えた場合についての説明図である。なお、図10では低剛性部71Bおよび高剛性部72をモデル化して示している。そしていずれの場合においても、低剛性部71Bと高剛性部72とは熱膨張前に一直線上に配置されているものとする。またいずれの場合においても、両端に配置された高剛性部72は固定されているものとする。
ここで、例えば図10(a)に示すように低剛性部71Bが1つである場合であっても、低剛性部71Bは高剛性部72の熱膨張を許容することができる。しかしながらこの場合には、低剛性部71Bがもとの直線からオフセットした状態で、熱膨張後の形状が維持されることになる。これは、低剛性部71Bが1つである場合には、構造上、熱膨張によって両端の高剛性部72にモーメントMが発生し、熱応力が残存するためである。
また図10(b)に示すように、低剛性部71Bを2つ備えた場合にも、低剛性部71Bを1つ備えた場合と同様、低剛性部71Bがもとの直線からオフセットした状態で、熱膨張後の形状が維持されることになる。
したがってこれらの場合には、残存した熱応力が気体潤滑を行う微小クリアランスのクリアランス精度に影響を及ぼす虞がある。
これに対して図10(c)に示すように、低剛性部71Bを3つ備えた場合には、熱膨張後に熱応力が残存せず、両端の高剛性部72がもとの直線上に配置されたままの状態となっている。これは、低剛性部71Bを3つ備えた場合には、両端の高剛性部72にモーメントMが発生しようとすることに対して、各低剛性部71Bの間に位置する高剛性部72それぞれが姿勢変化をするように変形することで、熱応力の残存を防止或いは抑制可能な構造となっているためである。このため加熱器47Bでは、低剛性部71Bを3つ備えている。
次に加熱器47Bの作用効果について説明する。加熱器47Bでは低剛性部71Bを3つ備えたことで、熱膨張後に熱応力が残存することを防止或いは抑制できる。このため加熱器47Bは、加熱器47Aと比較してさらに熱応力が残存することにより、気体潤滑を行う微小クリアランスのクリアランス精度に影響が及ぶことを防止或いは抑制できる。
なお、低剛性部71Bの数は少なくとも3つ以上であればよい。この点につき、次に低剛性部71Bを3つ以上備えた場合の各低剛性部71Bの具体的な構造、およびその組み合わせの一例についてさらに図11を用いて説明する。なお、図11では、各低剛性部71Bそれぞれが、複数の熱交換部材100を構成する熱交換部材101から105まで1つあたりに、1つの湾曲構造711或いは1つのS字構造712を備えている状態をまとめて簡略的に示すようにモデル化している。この点、各低剛性部71Bそれぞれにおいて、各湾曲構造711または各S字構造712は方向V3に沿って同じ方向に突出するように湾曲している。また図11では、各低剛性部71Bそれぞれを湾曲構造711またはS字構造712のいずれかの符号によって示すようにしている。
ここで、低剛性部71Bを3つ以上備えるにあたっては、具体的には低剛性部71Bを奇数個備える場合と偶数個備える場合とが考えられる。
この点、例えば低剛性部71Bを奇数個備える場合には、複数の熱交換部材100において、隣り合う低剛性部71Bそれぞれが、方向V3に沿って互いに逆向きに突出するように湾曲した湾曲構造711またはS字構造712を備えるとともに、中央に位置する低剛性部71BがS字構造712を備えた構造とすることが好ましい。
一方、低剛性部71Bを偶数個備える場合には、複数の熱交換部材100において、隣り合う低剛性部71Bそれぞれが、方向V3に沿って互いに逆向きに突出するように湾曲した湾曲構造711またはS字構造712を備えた構造とすることが好ましい。
このため、図11(a)では3つの低剛性部71Bのうち、中央の低剛性部71BがS字構造712を備えるとともに、両端の低剛性部71Bが湾曲構造711を備えている。
また図11(c)では4つの各低剛性部71Bが湾曲構造711を備えている。
また図11(d)では5つの各低剛性部71Bのうち、中央の低剛性部71BがS字構造712を備えるとともに、その他の低剛性部71Bが湾曲構造711を備えている。
そして、このようにして3つ以上の低剛性部71Bを備えることで、例えば図11(b)に示すように、複数の熱交換部材100において、各低剛性部71Bの間に位置するとともに、隣り合っている高剛性部72それぞれの熱膨張時の変形方向が、方向V3に沿って互いに逆向きになるようにすることができる。すなわち、方向V3に沿った変形をバランスの良い対称的な変形とすることができる。そしてこれにより、熱膨張後に両端に位置する高剛性部72それぞれに熱応力が残存することを好適に防止或いは抑制できる。
一方、他の部分よりも構造上、剛性を低くするためには、例えば各フィン91から95までに対してスリットなどの穴を部分的に設けることでも実現できる。この点、低剛性部71Bは曲げ形状によって実現されているため、熱膨張時に撓む方向を容易に決定することができる。このため、加熱器47Bはかかる低剛性部71Bの特性を利用し、各低剛性部71Bをさらに具体的には例えば図11(a)に示すように構成することによって、熱膨張後に両端に位置する高剛性部72それぞれに熱応力が残存することをより好適に防止或いは抑制できる。また加熱器47Bは、他の部分よりも構造上、剛性を低くするために穴加工をする場合と比較してコスト的にも有利である。
本実施例に係る加熱器47Cについて、図12を用いて説明する。なお、図12では具体的には(a)で加熱器47Cを模式的に示している。そして(b)で、(a)に示した各位置P1からP5までに沿った低剛性部71Cの形状を上面視で示すとともに、これらを並べて示している。また(b)では、複数の熱交換部材100を構成する各熱交換部材101から105までそれぞれが複数の湾曲構造711を備えた状態をまとめて簡略的に示すようにモデル化している。この点、各熱交換部材101から105まで同士の間で、延伸方向V2に沿った位置が同じ湾曲構造711同士は、方向V3に沿って互いに同じ方向に突出するように湾曲している。
加熱器47Cは、低剛性部71Aの代わりに低剛性部71Cを備えている点以外、加熱器47Aと実質的に同一のものとなっている。低剛性部71Cは各熱交換部材101から105まで1つあたりに複数の湾曲構造711を備えている点以外、低剛性部71Aと実質的に同一のものとなっている。加熱器47Cは例えば加熱器47Aの代わりにスターリングエンジン10Aに適用することができる。
複数の湾曲構造711は、複数の熱交換部材100において、湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって次第に数が多くなるように設定されている。このため、例えば図示のように排気ガスの流通方向V1に沿って互いに位置が異なる位置P1からP5まで同士で比較すると、湾曲構造711の数は、湾曲部の湾曲形状の最も内側の位置P5から最も外側の位置P1に向かって次第に多くなっている。
次に加熱器47Cの作用効果について説明する。加熱器47Cでは、位置がより湾曲部の湾曲形状外側であるほど、複数の熱交換部材100の全長がより長くなっている。このため加熱器47Cでは、位置がより湾曲部の湾曲形状外側であるほど、熱変形による変形量がより大きくなる。これに対して加熱器47Cでは、位置がより湾曲部の湾曲形状外側であるほど、複数の湾曲構造711の数が多くなるように設定されている。したがって加熱器47Cでは、位置がより湾曲部の湾曲形状外側であるほど、より大きく変形することができる。このため加熱器47Cでは、高剛性部72の変形量の大きさに応じて熱膨張を好適に許容できる点で、加熱器47Aと比較してより好適に熱変形を許容することができる。
本実施例に係る加熱器47Dについて、図13を用いて説明する。なお、図13では具体的には(a)で加熱器47Dを模式的に示している。そして(b)で、(a)に示した各位置P1からP5までに沿った低剛性部71Dの形状を上面視で示すとともに、これらを並べて示している。また(b)では、複数の熱交換部材100を構成する各熱交換部材101から105までそれぞれが一つのS字構造712を備えた状態をまとめて簡略的に示すようにモデル化している。この点、各熱交換部材101から105まで同士の間で、S字構造712同士は方向V3に沿って互いに同じ方向に突出するように設けられている。
加熱器47Dは、低剛性部71Aの代わりに低剛性部71Dを備えている点以外、加熱器47Aと実質的に同一のものとなっている。低剛性部71Dは各熱交換部材101から105まで1つあたりに、以下に示すように設定された1つのS字構造712を具体的に備えることとした点以外、低剛性部71Aと実質的に同一のものとなっている。加熱器47Dは例えば加熱器47Aの代わりにスターリングエンジン10Aに適用することができる。
S字構造712は、複数の熱交換部材100において、湾曲形状内側から外側に向かって次第に曲率半径が大きくなるように設定されている。このため、例えば図示のように排気ガスの流通方向V1に沿って互いに位置が異なる位置P1からP5までにおけるS字構造712それぞれの曲率半径をこの順にR、R、R、R、Rとした場合に、これらの曲率半径の大小関係はR>R>R>R>Rとなっている。
次に加熱器47Dの作用効果について説明する。加熱器47Dでは加熱器47Cと同様に、各熱交換部材101から105までそれぞれにおいて、位置がより湾曲部の湾曲形状外側であるほど、熱変形による変形量がより大きくなる。これに対して加熱器47Dでは、位置がより湾曲部の湾曲形状外側であるほど、S字構造712の曲率半径がより大きくなるように設定されている。したがって加熱器47Dでは、位置がより湾曲部の湾曲形状外側であるほど、より大きく変形することができる。このため加熱器47Dでは、高剛性部72の変形量の大きさに応じて熱膨張を好適に許容できる点で、加熱器47Aと比較してより好適に熱変形を許容することができる。
また加熱器47Dでは、低剛性部71Dが、各熱交換部材101から105まで1つあたりに1つのS字構造712を備えた構造となっている。このため加熱器47Dは、各熱交換部材101から105まで1つあたりに複数の湾曲構造711を備えた加熱器47Cよりも作動流体の圧力損失を抑制することができる点でも好適である。
本実施例に係る加熱器47Eについて図14を用いて説明する。加熱器47Eは、各低剛性部71Bの配置が異なっている点と、両端部が基板15に直接固定されている点以外、加熱器47Bと実質的に同一のものとなっている。加熱器47Eは、排気ガスの流通方向V1の下流側よりも上流側により多くの低剛性部71Bを備えている。具体的には加熱器47Eは、排気ガスの流通方向V1の上流側に2つの低剛性部71Bを備えるとともに、排気ガスの流通方向V1の下流側に1つの低剛性部71Bを備えている。加熱器47Eは例えば加熱器47Aの代わりにスターリングエンジン10Aに適用することができる。基板15に直接固定された加熱器47Eは、基板15を介して排気管200に固定されている。
次に加熱器47Eの作用効果について説明する。ここで、加熱器47Eを基板15に直接固定した場合であっても、加熱器47Eの熱変形の影響は基板15を介してピストン21、31と、シリンダ22,32と、近似直線機構との間の位置関係に及ぶ虞がある。これに対して加熱器47Eは、低剛性部71Bを備えている。このため加熱器47Eは、かかる態様で熱変形の影響が及ぶ場合であっても、当該位置関係に熱変形の影響が及ぶことを防止或いは抑制できる。なお、この点は前述した加熱器47Aから47Dまでについても同様である。
また加熱器47Eでは、排気ガスの流通方向V1の上流側に設けられた2つの低剛性部71Bそれぞれを流通する排気ガスExが、加熱器47Eの湾曲形状内側に積極的に導かれる。このため加熱器47Eは例えば加熱器47A´や加熱器47Bと比較してさらに熱交換性能を向上させることができる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例では、大幅な重量の増大を招くことがないことなどから、熱変形許容部が高剛性部72よりも構造上、剛性を低くした低剛性部71である場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、熱変形許容部は例えば他の部分よりも材質的に柔軟な部分であってもよい。
また例えば上述した実施例では、作動流体の圧力損失が増大することを極力抑制することが可能であることなどから、低剛性部71が湾曲構造711やS字構造712といった滑らかに湾曲した曲げ形状を備えた構造である場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、その他の部分よりも構造上、剛性を低くした部分は、例えば各熱交換部材それぞれにスリットなどの穴を設けた構造や、各熱交換部材それぞれに厚さを薄くした部分を設けた構造や、各熱交換部材それぞれを三角形や四角形などの多角形状に突出させた構造や、これらに対して湾曲した部分を組み合わせた構造などによって実現されてもよい。
また例えば上述した実施例では、複数の熱交換部材100の数が5つである場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、例えば複数の熱交換部材の数はより多く設定されてもよい。
また例えば上述した実施例3では、低剛性部71Cが、各熱交換部材101から105までそれぞれにおいて、湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって次第に数が多くなるように設定された複数の湾曲構造711を備えた構造である場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、その他の部分よりも構造上、剛性を低くした部分は例えば各熱交換部材それぞれにおいて、湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって次第に数が多くなるように設定された複数のS字構造を備えた構造であってもよい。またこのときさらに複数の湾曲構造に対してS字構造を、或いは複数のS字構造に対して湾曲構造を適宜組み合わせてもよい。
また例えば上述した実施例4では、低剛性部71Dが、各熱交換部材101から105までそれぞれにおいて、湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって次第に曲率半径が大きくなるように設定されたS字構造712各々を備えた構造である場合について説明した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、その他の部分よりも構造上、剛性を低くした部分は例えば各熱交換部材それぞれにおいて、湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって次第に曲率半径が大きくなるように設定された湾曲構造各々を備えた構造であってもよい。
10 スターリングエンジン
47 加熱器
50 グラスホッパの機構
71 低剛性部
711 湾曲構造
712 S字構造
72 高剛性部
100 複数の熱交換部材

Claims (3)

  1. 他の部分の熱変形を許容する変形許容部を一部に備え、高温熱源を構成する流体との間で熱交換を行うスターリングエンジンの熱交換器であって、
    前記変形許容部を、前記他の部分よりも構造上、剛性を低くした部分であって曲げ形状を備えた構造とし、
    前記変形許容部を少なくとも3箇所に備えたスターリングエンジンの熱交換器。
  2. 請求項1記載のスターリングエンジンの熱交換器であって、
    概ねU字形の湾曲形状を有するとともに、該湾曲形状の少なくとも一部を構成する湾曲部をさらに備え、
    前記変形許容部を前記湾曲部に設けるとともに、該湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって放射線状に拡大するように形成したスターリングエンジンの熱交換器。
  3. 請求項1または2記載のスターリングエンジンの熱交換器を備えたスターリングエンジンであって、
    気体潤滑が行われるピストンおよびシリンダと、
    前記シリンダが固定される基板と、を備え、
    前記スターリングエンジンの熱交換器を、前記基板を介して高温熱源を保有する高温熱源保有体に固定したスターリングエンジン
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