JP5391799B2 - スターリングエンジンの熱交換器およびスターリングエンジン - Google Patents
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またスターリングエンジンの熱交換器で発生する熱変形に関する技術が例えば特許文献2で開示されている。特許文献2では、一方の端部を他方の端部に対して熱膨張により変形する方向に沿って移動可能にしたヒータを備えた排熱回収装置が開示されている。
低温側シリンダ32の上部空間は圧縮空間となっている。圧縮空間には冷却器45で冷却された作動流体が流入する。
再生器46は、膨張空間、圧縮空間の間を往復する作動流体との間で熱の授受を行う。再生器46は具体的には、作動流体が膨張空間から圧縮空間へと流れる時には作動流体から熱を受け取り、作動流体が圧縮空間から膨張空間へと流れる時には蓄えられた熱を作動流体に放出する。
作動流体には空気が適用されている。但しこれに限られず、作動流体には例えばHe、H2、N2等の気体を適用することができる。
ここで、冷却器45、再生器46および加熱器47Aからなる熱交換器構成体のスペースは、出力に直接的には関与しない無効容積となっている。そして無効容積が増えると、スターリングエンジン10Aの出力は減少する。このためスターリングエンジン10Aでは、必要な熱交換能力が得られる範囲内で熱交換器構成体をコンパクトにすることが望まれる。
一方、熱交換器構成体をコンパクトにすると熱交換が困難になる。そしてこの結果、受熱量が減少する場合にもスターリングエンジン10Aの出力が減少する。
したがって、無効容積の減少と受熱量の増加とを両立させるためには、熱交換器構成体の効率を上げる必要がある。そしてそのためには、加熱器47Aが効率的に受熱する必要がある。
また、排気管200の内部のような限られた空間内で加熱器47Aが効率的に受熱するためには、加熱器47Aにおいて、排気ガスとの接触面積である伝熱面積を大きく確保することが望ましい。
そしてこれらのことから加熱器47Aは、その全体が過不足なく受熱空間内に収容されることで、最大限の伝熱面積の確保が可能となるように形成されるとともに、流路抵抗が最小となる形状に形成されることが最も望ましい。
また例えばこのようにして構造上、剛性を低くした低剛性部71Aを備えることで、加熱器47A、47A´はさらに重量の著しい増大を招くことなく熱変形の影響を低減できる。
また図10(b)に示すように、低剛性部71Bを2つ備えた場合にも、低剛性部71Bを1つ備えた場合と同様、低剛性部71Bがもとの直線からオフセットした状態で、熱膨張後の形状が維持されることになる。
したがってこれらの場合には、残存した熱応力が気体潤滑を行う微小クリアランスのクリアランス精度に影響を及ぼす虞がある。
この点、例えば低剛性部71Bを奇数個備える場合には、複数の熱交換部材100において、隣り合う低剛性部71Bそれぞれが、方向V3に沿って互いに逆向きに突出するように湾曲した湾曲構造711またはS字構造712を備えるとともに、中央に位置する低剛性部71BがS字構造712を備えた構造とすることが好ましい。
一方、低剛性部71Bを偶数個備える場合には、複数の熱交換部材100において、隣り合う低剛性部71Bそれぞれが、方向V3に沿って互いに逆向きに突出するように湾曲した湾曲構造711またはS字構造712を備えた構造とすることが好ましい。
また図11(c)では4つの各低剛性部71Bが湾曲構造711を備えている。
また図11(d)では5つの各低剛性部71Bのうち、中央の低剛性部71BがS字構造712を備えるとともに、その他の低剛性部71Bが湾曲構造711を備えている。
複数の湾曲構造711は、複数の熱交換部材100において、湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって次第に数が多くなるように設定されている。このため、例えば図示のように排気ガスの流通方向V1に沿って互いに位置が異なる位置P1からP5まで同士で比較すると、湾曲構造711の数は、湾曲部の湾曲形状の最も内側の位置P5から最も外側の位置P1に向かって次第に多くなっている。
また加熱器47Eでは、排気ガスの流通方向V1の上流側に設けられた2つの低剛性部71Bそれぞれを流通する排気ガスExが、加熱器47Eの湾曲形状内側に積極的に導かれる。このため加熱器47Eは例えば加熱器47A´や加熱器47Bと比較してさらに熱交換性能を向上させることができる。
例えば上述した実施例では、大幅な重量の増大を招くことがないことなどから、熱変形許容部が高剛性部72よりも構造上、剛性を低くした低剛性部71である場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、熱変形許容部は例えば他の部分よりも材質的に柔軟な部分であってもよい。
47 加熱器
50 グラスホッパの機構
71 低剛性部
711 湾曲構造
712 S字構造
72 高剛性部
100 複数の熱交換部材
Claims (3)
- 他の部分の熱変形を許容する変形許容部を一部に備え、高温熱源を構成する流体との間で熱交換を行うスターリングエンジンの熱交換器であって、
前記変形許容部を、前記他の部分よりも構造上、剛性を低くした部分であって曲げ形状を備えた構造とし、
前記変形許容部を少なくとも3箇所に備えたスターリングエンジンの熱交換器。 - 請求項1記載のスターリングエンジンの熱交換器であって、
概ねU字形の湾曲形状を有するとともに、該湾曲形状の少なくとも一部を構成する湾曲部をさらに備え、
前記変形許容部を前記湾曲部に設けるとともに、該湾曲部の湾曲形状内側から外側に向かって放射線状に拡大するように形成したスターリングエンジンの熱交換器。 - 請求項1または2記載のスターリングエンジンの熱交換器を備えたスターリングエンジンであって、
気体潤滑が行われるピストンおよびシリンダと、
前記シリンダが固定される基板と、を備え、
前記スターリングエンジンの熱交換器を、前記基板を介して高温熱源を保有する高温熱源保有体に固定したスターリングエンジン。
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