JP5359447B2 - 包装容器 - Google Patents
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Description
詰め換え用の包装容器の一つとして、合成樹脂製とした正面シートと背面シートとを重ね合わせて周辺をヒートシールにより貼り合わせた包装容器があり、必要時に開封した部分をボトル容器などの口部にあてがって内容物をそのボトル容器などに移し替えるようにしている。
そして、液状などの流動性を有する内容物を密封包装した詰め替え用のこの包装容器には、自立性があって立体容器となるスタンディングパウチの形態とした容器が多くあり、また、開封時に内容物を外にこぼすことなく他の容器に完全に移し替えられるように注出口部を有していて、その注出口部の形態を、容器上部の一部に幅を狭くして正面シートと背面シートの重ね合わせ部分として設けたものや、容器上部の周辺のヒートシール時に、貼り合わせるシート周辺の間にプラスチック成型物などによる別体の注出口具を挟み込んで熱接着して取り付けて、これを注出口部としたものもあった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、注出口部におけるシートに膨らみ部を設けて内容物の注出時にその膨らみ部の内側が内容物の通路となる有用性を活かすために、膨らみ部の潰れを生じ難くすることを課題とし、内容物の注出が容易な包装容器を提供することを目的とするものである。
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、正面シートと背面シートとの対向する周辺をヒートシールした容器の上部側に、前記正面シートと背面シートとを重ね合わせてなる注出口部を有する液体用包装容器において、前記注出口部における正面シートと背面シートとに、エンボス加工により容器外方に向けて凸となる膨らみ部が設けられているとともに、該膨らみ部の周縁全周に亘って、容器内方に向けて凸となる凹溝が設けられていて、前記凹溝における容器内方に向けて凸となっている部分である底部が、膨らみ部の周りでのエンボス非加工領域とされた一般面部の位置を間にして膨らみ部の頂部側とは反対側に位置し、正面シートにおける前記凹溝の底部の容器内方に向いた凸の部分と、背面シートにおける前記凹溝の底部の容器内方に向いた凸の部分とが当接していることを特徴とする包装容器を提供して、上記課題を解消するものである。
また、本発明において、上記注出口部は、容器上部の一隅に位置しているものであることが良好である。
また、本発明において、上記注出口部には、易開封性手段が設けられているものとすることが良好である。
また、本発明において、容器下部側における正面シートと背面シートとの間に底面シートが折り入れられた状態で配置されており、前記底面シートを開く容器底部の拡開により自立可能に設けられていることが可能である。
本発明によれば、膨らみ部の周縁全周に亘って、容器内方に向けて凸となる凹溝が設けられているので、膨らみ部において凹溝の位置を周縁としている部分がその凹溝からなる折り返しを一体に有した構造となって強度が高められ、そして、強度が高められた部分が対向していることから、膨らみ部全体としても強度が高められており、複数の包装容器が積み重ねられた場合でも膨らみ部の潰れや折れ曲がりなどの変形が防止され、未充填容器の輸送中に膨らみ部が潰れるという不具合を解消できる。さらに、膨らみ部の強度が高められているため、その膨らみ部自体にある程度の形状復元性が生じるようになって、仮に未充填の包装容器の時に膨らみ部が変形した場合であっても、包装容器が一つずつとなって膨らみ部が外力が加わらなくなればその膨らみ部が元形状に復元するようになり、開封して内容物の注出の際には、所定通りの内容物の注出が行えるようになる。
また、本発明において、注出口部は、容器上部の一隅に位置しているものとすることで、使用者側に注出口部の位置がどこであるかを簡単に明示することが簡単になる。
また、本発明において、注出口部に易開封性手段が設けられているものとすることで、詰め替えを行おうとする使用者が包装容器の注出口部を切断する際に、その切断操作が簡単になるととに、使用者側の切断操作の上手下手によらずに切断箇所を特定させることができるようになる。
また、本発明において、容器下部側における正面シートと背面シートとの間に底面シートが折り入れられた状態とし、底面シートを開く容器底部の拡開により自立可能に設けられているものとすることで、内容物が充填された包装容器を縦置きできて、店舗での陳列販売を行なうに際して一体ずつの商品が占める面積が小さくなり、数多くの包装容器を並べることができるとともに、一般購入者側も詰め替え用の包装容器の取り扱いが容易になるなどの優れた効果をするものである。
図中1はシャンプーなどの流体を収容する包装容器で、該包装容器1は正面シート2と背面シート3とを重ね合わせるとともに、容器底部4側には前記正面シート2と背面シート3との間に底面シート5を折り入れて、この重ね合わせで正面シート2と背面シート3との対向する辺部同士、正面シート2と底面シート5との対向する辺部同士、背面シート3と底面シート5との対向する辺部同士をヒートシールし、折り入れられている底面シート5の中央部分を開くように正面シート2と背面シート3との間を開くことで広がった容器底部4によって縦置きできるスタンディングパウチタイプの容器である。図1は包装容器1を正面シート2側から見た状態が示されているとともに、この図示された包装容器1は内容物が未充填のものであり、正面シート2と背面シート3との対向する上辺同士の一部分ではシールされずに充填部分6として開放されていて、この包装容器1は容器上部7の一部に前記充填部分6を有しているものである。
膨らみ部9の成型用金型である雄型14と雌型15と内、雄型14の押し出し凸部14aの全周に溝部14bがあり、そして、雌型15の前記雄型14の押し出し凸部14aに対応する受け凹部15aの周囲に、前記溝部14bに入るようにした凸部15bがあって、成型用金型が型締めされることで凸部15bがシートを溝部14bに押し入れるように設けられており、これによって膨らみ部9と凹溝13とがエンボス加工によって同時に成型される。
なお、この後に続く包装容器の製造に際しては公知の手法を採用することができるものであり、図4に示されているように正面シート2用の連続シート2aと背面シート3用の連続シート3aとを重ね合わせ、正面シートにおける凹溝13の底部18の容器内方に向いた凸の部分と、背面シートにおける凹溝13の底部18の容器内方に向いた凸の部分とを当接させていて、また図示されていない底面シート用の連続シートを連続シート2a,3aの間に折り入れた状態にし、所定箇所をヒートシールしながら包装容器形状に打ち抜くことで、未充填の包装容器1が得られる。
このように周壁16自体に折り返し部分である凹溝13を設け、その凹溝13とされた折り返し部分を直接、前記一般面部17に連続させており、周壁16が溝状の折り返し部分を有していることから、周壁16自体に包装容器の厚さ方向から加わる外力に対する強度が高められたものとなっている。よって膨らみ部9自体も包装容器の厚さ方向から加わる外力に対する強度が高まっている。
評価サンプルは、前述したように膨らみ部のみが設けられていて凹溝がない包装容器(表中、周縁凹溝なし)と、膨らみ部の周縁全周に凹溝が設けられている本実施の形態の包装容器(表中、周縁凹溝あり)であり、内容物はコンディショナー400gである。モニター詰め替え評価は、5段階評価1(劣)→5(優)である。サンプル数nは各n=3である。
サンプル数nは各n=3であり、(1)のものは、エンボス部(膨らみ部)の上(内容物注出方向下流側)から3mmを通る位置で切断し、(2)のものは、エンボス部の上縁を通る位置で切断し、(3)のものは、エンボス部の内容物注出方向下流側の前方3mmを通る位置で切断したものである。
2…正面シート
3…背面シート
7…容器上部
8…注出口部
8a…充填部分側の側辺部
8b…容器側部側の側辺部
9…膨らみ部
11…易開封手段
12…膨らみ部9の周縁
13…凹溝
a,b…凹溝の側面部分
14…雄型
14a…押し出し部
14b…溝部
15…雌型
15a…受け凹部
15b…凸部
16…周壁
17…一般面部
18…凹溝13の底部
A…注出方向
B…容器厚さ方向
Claims (4)
- 正面シートと背面シートとの対向する周辺をヒートシールした容器の上部側に、前記正面シートと背面シートとを重ね合わせてなる注出口部を有する液体用包装容器において、
前記注出口部における正面シートと背面シートとに、エンボス加工により容器外方に向けて凸となる膨らみ部が設けられているとともに、該膨らみ部の周縁全周に亘って、容器内方に向けて凸となる凹溝が設けられていて、
前記凹溝における容器内方に向けて凸となっている部分である底部が、膨らみ部の周りでのエンボス非加工領域とされた一般面部の位置を間にして膨らみ部の頂部側とは反対側に位置し、
正面シートにおける前記凹溝の底部の容器内方に向いた凸の部分と、背面シートにおける前記凹溝の底部の容器内方に向いた凸の部分とが当接していることを特徴とする包装容器。 - 上記注出口部は、容器上部の一隅に位置している請求項1に記載の包装容器。
- 上記注出口部には、易開封性手段が設けられている請求項1または2に記載の包装容器。
- 容器下部側における正面シートと背面シートとの間に底面シートが折り入れられた状態で配置されており、前記底面シートを開く容器底部の拡開により自立可能に設けられている請求項1から3の何れか一項に記載の包装容器。
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