JP5358347B2 - 回路遮断器及び回路遮断器の調整方法 - Google Patents
回路遮断器及び回路遮断器の調整方法 Download PDFInfo
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Description
スタッド20が、回路遮断器の裏面(同遮断器の取り付け面)から端子に当接するタイプ(裏面接続型)の場合、スタッド20の形状は柱状であり、端面20aは平坦である(例えば、特許文献1参照)。この平坦な端面20aが、端子30に当接する。端子30は、帯状の導電性部材を折り曲げ加工した部材であり、一端に、スタッド20が当接する当接部31が形成されている。当接部31の一方の面31a(当接面)は平坦である。
スタッド20には、端面から軸上に延びるネジ孔21が形成されている。一方、端子30の当接部31には、貫通孔32が開けられている。端子30の貫通孔32とスタッド20のネジ孔21とを軸上に合わせてネジ(図示されず)をねじ込むことにより、スタッド20の端面20aが端子30の当接面31aに当接し、端子30とスタッド20とが締め付け固定される。
一方、バイメタルがアルミニウム製スタッドを基準に設計されている場合、バイメタルの動作温度は銅製スタッド基準の場合よりも高く設定されている。この条件下で、アルミニウム製スタッドを銅製スタッドに交換すると、設定値よりも高い電流が流れ、長時間たっても回路が遮断されないおそれがある。
<第1の実施の形態>
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る回路遮断器(裏面接続型)を説明する。
回路遮断器1は、図2や図3に示すように、直方体状のケース2を有し、ケース2内に、所定以上の電流が流れた場合に回路の遮断を行う遮断機構部や、遮断機構部の電源側又は負荷側に接続される端子30、40などが収容されている。遮断機構部は、可動接触子5、ヒータ6、バイメタル7などで構成されている。通電状態において、電流は、電源側端子30、可動接触子5、接続導体(図示されず)、ヒータ6、ヒータ6に一端が接続された負荷側端子40の順に流れる。詳しくは後述するように、電源側端子30と負荷側端子40には、各々スタッド20が取り付けられる。
ヒータ6の基端部には、バイメタル7が固定されている。バイメタル7の上端部には、調整ネジ8が取り付けられている。調整ネジ8の先端は、トリップクロスバー9に隙間を開けて対向している。
回路遮断器は、バイメタルに伝わる熱量が一定である必要があるため、スタッドの熱伝導率に合わせて、バイメタルの調整基準が設計されている。以下の例では、アルミニウム製スタッドの熱伝導率に合わせてバイメタルの調整基準が設定されている回路遮断器において、熱伝導率がアルミニウムよりも高い銅製のスタッドにも適用できるように改良した例を説明する。
なお、負荷側端子40と負荷側スタッドにおいても同様の構造とする。
これに対し、以上説明した本実施形態によれば、平面状の端面20aを有する銅製スタッド20Bを使用し、この平面状端面20aを、端子30の溝35を形成した当接面31aと接触させると、両者の接触面積が低減する。こうして接触面積を低減させることにより、スタッド材質の変化によって熱伝導性が上がったことが相殺される。これにより、バイメタルに伝わる熱量をほぼ一定に維持することができ、バイメタルの誤動作を防止できる。
なお、本発明は上記した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、回路遮断器の構造や各構成部品の形状、材質等は、上述した実施形態のものに限定されず、適宜変更することができる。また、スタッドの材質として銅とアルミニウムについて説明したが、真鍮や鉄などで作製されたスタッドにも適用できる。
(1)端子30の当接面31aに複数の突条部を形成し、スタッド20Aの端面20aにこれらの突条部が嵌合して、突条部の外面に接触する内面を有する溝を形成してもよい。
(2)溝の形状としては、断面積が方形以外に、断面積が三角形や台形などの形状が適用できる。この場合、凸部は、これらの形状の溝の内面に接触する外面を有する形状とする。
(3)凹部として、溝ではなく、複数の有底の穴部としてもよい。この場合、凸部は、穴部の底面と側面に接触する上面と側面を有する形状とする。なお、穴部の平面形状は、円形や方形とすることができる。
(4)端子の当接面に形成される凹部として、端子の当接部を貫通する貫通孔とすることもできる。この場合、凸部としては、貫通孔の内面に接触する外面を有する突起とする。なお、貫通孔の平面形状は、円形や方形とすることができる。
(5)端子30の当接面31aを平坦な形状とする。そして、アルミニウムなどの熱伝導率の低い材料で作製されたスタッドの端面を平坦な面とする。一方、端面に凹部が形成された、銅などの熱伝導率の高い材料で作製されたスタッドを用意しておく。これにより、熱伝導率の低い材料で作製されたスタッドを熱伝導率の高い材料で作製されたスタッドに変更する場合に、端子とスタッドとの接触面積を減少させることができる。
しかし、これらの例は、銅製スタッドの熱伝導率に合わせてバイメタルの調整基準が設定されている回路遮断器において、スタッドを熱伝導率が銅よりも低いアルミニウム製のスタッドに変更する例にも適用可能である。この場合は、スタッドと端子との接触面積を増加させることを考慮する。
2 ケース 2a、2b 貫通孔
2c 取り付け面 2d 表側の面
5 可動接触子 6 ヒータ
7 バイメタル 8 調整ネジ
9 トリップクロスバー
20 スタッド 20a 端面
21 ネジ孔 25 突条部
30 電源側端子 31 当接部
31a 当接面 32 貫通孔
35 溝
40 負荷側端子 41 当接部
41a 当接面
Claims (6)
- 所定以上の電流が流れた場合にバイメタルによって回路の遮断を行う遮断機構部と、
前記遮断機構部の電源側又は負荷側に接続される端子と、
柱状に形成されるとともに端面が前記端子に当接した状態で固定され、電源側配線又は負荷側配線が接続されるスタッドと、
を有する回路遮断器であって、
前記スタッド端面及び前記端子の前記スタッドとの当接面の一方に凹部を形成したこと、
を特徴とする回路遮断器。 - 前記スタッドの端面及び前記端子の前記スタッドとの当接面の他方に、前記凹部の内面と当接する表面部を有する凸部を形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。 - 前記凹部は、前記端子の前記スタッドとの当接面を凹ませて形成した溝部であること、
を特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。 - 前記スタッドの端面に、前記溝部内に挿入され、前記溝部の底面及び側面と当接する表面部を有する突条を形成したこと、
を特徴とする請求項3に記載の回路遮断器。 - 所定以上の電流が流れた場合にバイメタルによって回路の遮断を行う遮断機構部と、
前記遮断機構部の電源側又は負荷側に接続される端子と、
柱状に形成されるとともに端面が前記端子に当接した状態で固定され、電源側配線又は負荷側配線が接続されるスタッドと、
を有する回路遮断器の熱特性を調整する調整方法であって、
前記端子の前記スタッドとの当接面に凹部を形成するとともに、
比較的熱伝導率が高い材料によって前記スタッドを作製した場合には、前記スタッドの端面を平坦な面とし、
比較的熱伝導率が低い材料によって前記スタッドを作製した場合には、前記スタッドの端面に前記凹部の内面と当接する表面部を有する凸部を形成し、前記凸部を前記凹部に挿入すること、
を特徴とする回路遮断器の調整方法。 - 所定以上の電流が流れた場合にバイメタルによって回路の遮断を行う遮断機構部と、
前記遮断機構部の電源側又は負荷側に接続される端子と、
柱状に形成されるとともに端面が前記端子に当接した状態で固定され、電源側配線又は負荷側配線が接続されるスタッドと、
を有する回路遮断器の熱特性を調整する調整方法であって、
前記端子の前記スタッドとの当接面を平坦な形状とするとともに、
比較的熱伝導率が高い材料によって前記スタッドを作製した場合には、前記スタッドの端面に凹部を形成し、
比較的熱伝導率が低い材料によって前記スタッドを作製した場合には、前記スタッドの端面を平坦な面とすること、
を特徴とする回路遮断器の調整方法。
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