コンサート会場などの様々な空間や場面で、光を演出(照射)できる発光装置が求められている。
本発明の態様の1つは、手で握るグリップと、グリップと一体になり、複数の発光素子を収納する発光ユニットであって、少なくとも3つの異なる色の光を独立または混合して出力する発光ユニットと、予め設定された複数のパターンのいずれかにしたがって発光ユニットから出力される光を制御するプログラム制御ユニットと、グリップの人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれか3つによりそれぞれ押し下げられる位置に配置された複数の色スイッチであって、前記プログラム制御ユニットを操作し、異なる色の光をそれぞれオンオフ制御することを含む複数のパターンのいずれかを選択する機能を操作する複数の色スイッチとを有する可搬式の発光装置である。
この発光装置は、ユーザーが片手または両手でグリップを持って、発光装置が様々な軌跡を描くようにユーザーが体や腕などを動かすことができる。たとえば、ユーザーが片手でグリップを握った状態で、体などの動きと並行して人差し指、中指、薬指または小指を個々に押し下げるだけで、複数の色スイッチを操作できる。したがって、ユーザーは、発光ユニットから出力される光の軌跡、発光ユニットから光が出力されるタイミング、および発光ユニットから出力される光の色を様々に制御できる。
グリップは、人差し指、中指、薬指および小指のうちの少なくともいずれか3つの指を添える部分がそれぞれ窪んだ複数の凹部を含み、複数の色スイッチは複数の凹部にそれぞれ配置されていることが望ましい。
それぞれの指が添えられるところが凹んでいるとグリップを把持しやすく発光装置を片手で動かしやすい。それとともに、それぞれの指が添えられる凹んだ部分にそれぞれの色スイッチを配置しておくと、それぞれの指を動かすだけで、各色のスイッチをその都度確認したり、色スイッチの位置を探さなくても、所望の色スイッチを操作することができる。したがって、指の動き、指を動かすパターン(指使い)により所望の色の光を所望のタイミングでオンオフでき、弦楽器(ギターなど)や管楽器(トランペットなど)のように発光装置を使いこなすことができる。
この発光装置は、複数の色スイッチの内の予め設定された複数の色スイッチを所定の手順で操作することにより、複数の色スイッチにより操作される機能が変わるスイッチングパターンを含むことが望ましい。色スイッチにより操作される機能を、異なる色の光をそれぞれオンオフ制御する第1の機能に対し拡張できる。機能を切り替える、または拡張するための色スイッチの手順(アルゴリズム)としては通常の色のオンオフ操作に対して特殊なものを採用できる。たとえば、手順の一例としては、すべてのスイッチを同時に複数回操作したり、すべてのスイッチを所定の秒数だけ押した後に同時に離したりすることが挙げられる。
この発光装置は、予め設定された複数のパターンのいずれかにしたがって発光ユニットから出力される光を制御するプログラム制御ユニットと、複数の色スイッチにより操作される機能をプログラム制御ユニットの複数のパターンのいずれかを選択する第2の機能に切り替える切替スイッチとを有することが望ましい。
プログラム制御ユニットを用いて第2の機能を加えることで、指で色スイッチを直に操作することでは出力が難しい色とタイミングとで光が出力されるように発光ユニットを制御できる。切替スイッチにより色スイッチの操作対象を変えることで、プログラム制御ユニットを操作するために色スイッチを利用でき、スイッチの数が増えるのを抑制し、片手で簡単に操作できる範囲で多彩なパターンを出力できる。
この発光装置は、発光ユニットの異なる色の光をそれぞれフェードインおよびフェードアウトするフェード制御ユニットと、複数の色スイッチにより操作される機能をフェード制御ユニットによりフェードインおよびフェードアウトさせる第3の機能に切り替える切替スイッチとを有することが望ましい。
フェード制御ユニットを用いて第3の機能を加えることで、指で色スイッチを直に操作することでは難しい色(グラデーション、多階調)と、タイミング(フェード)とで光が出力されるように発光ユニットを制御できる。
色スイッチの操作対象を切り替える切替スイッチはグリップの親指または小指により操作される位置に配置されていることが望ましい。親指または小指で切替スイッチを操作することにより、色スイッチにより操作される機能を次々と簡単に切り替えることができる。第2の機能に切り替える切替スイッチと、第3の機能に切り替える切替スイッチとは共用されていてもよく、親指と、小指との異なる位置に設けられていてもよく、親指で操作できる位置に選択できるように並べて配置されていてもよい。第2の機能に切り替える切替スイッチと、第3の機能に切り替える切替スイッチとを別々に設けることにより、所望のタイミングで自在に、それぞれの機能にダイナミックに切り替えることができる。
グリップは、親指または小指を添える部分が窪んだ親指用の凹部または小指用の凹部を含み、切替スイッチは親指用の凹部または小指用の凹部に配置されていることが望ましい。
発光装置は、複数の色スイッチの配列を反転する配列制御ユニットを有することが望ましい。グリップの握り方を拡張できる。たとえば、発光装置を左右いずれかの手に持ち替えたり、発光装置の上下方向を変えたり、2つの発光装置を両方の手にそれぞれ持ったりしても、同じ指で操作されるスイッチに同じ機能を設定できる。このため、持ち方を変えても、使い慣れた同じ指使いで色スイッチを操作できる。
この発光装置は、当該発光装置を振る動作を検出する加速度センサーと、振る動作により発光ユニットから出力される光を制御するモーション制御ユニットを有することが望ましい。新しい操作対象を追加できる。この操作対象により操作される機能は、色スイッチと同じであってもよく、切替スイッチと同じであってもよく、異なる機能を操作させるようにしてもよい。モーション制御ユニットは、振る動作に対応する輝度信号により発光ユニットから出力される光の輝度を制御する輝度制御ユニットとを含むことが望ましい。ユーザーが発光装置を振る動作に合わせて発光色の輝度をダイナミックに変化させることができる。
発光ユニットはグリップの延長方向、すなわち、グリップを握ったときに親指および/または小指の側に取り付けられているものであってもよい。典型的には、発光ユニットとグリップとが直線的に接続されたリニアタイプ(ペンタイプ)の発光装置を提供できる。
グリップが片手で把持されるタイプの場合は、小指の側は掌を支持するように広がっていることが望ましい。指だけではなく掌(手のひら)でもグリップが滑らないように支持できるので、いっそう発光装置を片手で動かしやすく、発光ユニットが多種多様な軌跡を描くように動かしやすい。
発光ユニットはグリップの、グリップを握ったときの手の甲および/または掌の側に取り付けられているものであってもよい。典型的には、発光ユニットとグリップとが並列に接続されたパラレルタイプの発光装置を提供できる。グリップは人差し指、中指、薬指および小指を通す開口を備えた吊り輪状であり、発光ユニットは開口を介してグリップと並列に取り付けられていることが望ましい。吊り輪状のグリップに手指を引っ掛けることにより、グリップを強固に握っていなくても発光装置が落下することを防止できる。
発光装置は全体が円盤状または箱型であり、上側に配置された発光ユニットおよび下側に配置されたグリップと、発光ユニットおよびグリップの間に設けられた手指を通す開口とを含むものであってもよい。
発光ユニットの形状は棒状に限らず、半円状、平板状、円錐状、ハート形、多角形、放射形など様々な形状であってもよい。発光ユニットが棒状などのように長い形状の場合は、複数の発光素子が発光ユニットの長手方向に沿って複数の位置に分散して配置され、複数の位置で少なくとも3つの異なる色を独立または混合して出力するように配置されていることが望ましい。
また、この発光装置は、グリップに収納された2次電池と、グリップに収納された発電ユニットであって、当該発光装置を振ったり、付属の紐またはレバーを駆動することにより発電して2次電池を充電する発電ユニットとを有することが望ましい。グリップに一次電池を収納しておいてもよく、2次電池と発電ユニットを収納しておき、発電装置を動かすエネルギーを利用して発光ユニットを発光させてもよい。また、紐やレバーを動かすことにより充電させてもよい。
図1に、本発明の第1の実施形態に係る発光装置1の概要を示している。発光装置1は、片手90で握る円筒状のグリップ(把持部)10と、グリップ10の長手方向(上下方向)100の一端(上端)11に取り付けられ、3つのLED(発光素子)群60を収納した棒状(円筒状)の発光ユニット(発光部)50とを有する。3つのLED群60のそれぞれは、赤色LED61と、緑色LED62と、青色LED63とを含み、長手方向100にほぼ等間隔に配置されている。
発光装置1は、グリップ10の指で操作しやすい位置に取り付けられた3つの色スイッチ21〜23を含む。人差し指92で操作される位置に配置された色スイッチ(第1の色スイッチ、Rスイッチ)21は赤色LED61、中指93で操作される位置に配置された色スイッチ(第2の色スイッチ、Gスイッチ)22は緑色LED62、薬指94で操作される位置に配置された色スイッチ(第3の色スイッチ、Bスイッチ)23は青色LED63の発光のオンオフを制御する。
発光ユニット50は、全体が乳白色(半透明)の樹脂製で、円筒形のカバー55と、カバー55に収納された3つのLED群60とを含む。発光ユニット50の外形は、円筒状に限らず、グリップ10の一端11に取り付けられる種々の形状、たとえば半円状、平板状、円錐状、球状、星形、ハート形などであってもよい。この発光装置1は、発光ユニット50とグリップ10とが直線的に接続されたペン型(トーチ型、リニアタイプ)で、コンサート会場などで使用するのに好適なペン型のハンディーライト(ペンライト、チアライト)である。
リニアタイプの発光装置1は、発光ユニット50が、グリップ10の親指91の側(上端11)にのみ取り付けられたものに限定されず、グリップ10の小指95の側(下端12)にのみ取り付けられたものや、グリップ10の上端11および下端12の両端(両側)に取り付けられたものであってもよい。
3つの色スイッチ21〜23のそれぞれは、押しボタン式または指を押し下げる圧力や電位などの変化を感知することでオンオフする方式のスイッチで、片手90の人差し指92、中指93および薬指94により操作可能な位置に配置されている。本例では、グリップヘッド側10aからグリップエンド側10bに向けて順に、Rスイッチ21、Gスイッチ22およびBスイッチ23が長手方向100にほぼ等間隔に一列に並ぶように配置されている。このため、このグリップ10をグリップヘッド側10aに親指91を向けて握ったときに、Rスイッチ21は人差し指92、Gスイッチ22は中指93、Bスイッチ23は薬指94により操作することができる。
なお、Rスイッチ21、Gスイッチ22およびBスイッチ23の配置はこれに限定されず、小指95でも操作されるように配置してもよい。さらに、発光ユニット50にRGBに加えて中間色または白色などの他の色を出力するLEDを配置し、グリップに4色または白色を含めたLEDをそれぞれ操作する4つのスイッチを、4本の指でそれぞれ操作できるように配置してもよい。
発光装置1は、グリップ10の親指91で操作される位置に配置されたスイッチ24および25を含む。スイッチ24は、色スイッチ21〜23により操作される機能をプログラム制御機能に切り替えるスイッチであり、以降においては切替スイッチと称する。スイッチ25は、色スイッチ21〜23により操作される機能をフェード制御機能に切り替えるスイッチであり、以降においてはフェードスイッチと称する。本例の切替スイッチ24およびフェードスイッチ25は、Rスイッチ21よりもグリップヘッド側10aに、3つの色スイッチ21〜23の並びとは列をずらして、グリップヘッド側10aからグリップエンド側10bに向けて順に、長手方向100に並ぶように配置されている。
グリップ10は、親指91を添える部分が外周面15aよりも窪んだ第1の親指用凹部41および第2の親指用凹部42を含む。さらに、グリップ10は、人差し指92、中指93、薬指94および小指95のそれぞれを添える部分が外周面15aよりも窪んだ人差し指用凹部43、中指用凹部44、薬指用凹部45および小指用凹部46を含む。本例では、切替スイッチ24が第1の親指用凹部41、フェードスイッチ25が第2の親指用凹部42、Rスイッチ21が人差し指用凹部43、Gスイッチ22が中指用凹部44、Bスイッチ23が薬指用凹部45に配置されている。
グリップ10の他端12の側のグリップエンド13は、外周面15aの掌90aで握る部分よりも若干太くなって(広がって)いる。このため、掌90aがグリップエンド13に引っ掛かるので、スイッチ21〜25を操作する指先でグリップ10を強固に握らなくても、グリップ10を適当な力で把持し、発光装置1を振り回せる。
図2に、発光装置1のグリップ10を握った状態を示している。この発光装置1においては、グリップ10に凹部41〜46が形成されている。このため、指91〜95のそれぞれを凹部41〜46のいずれかに収めることによりグリップ10を確実に把握できる。さらに、全てのスイッチ21〜25が凹部41〜45に配置されている。このため、グリップ10を握った状態でスイッチング操作を行いやすい。また、切替スイッチ24およびフェードスイッチ25が若干グリップヘッド側10aを向くように配置されているので、親指91によりスイッチング操作を行いやすい。
図3に、発光装置1の内部機構を簡略化して断面図により示している。発光装置1の上半部は発光ユニット50であり、カバー55と、カバーに収納される3つのLED群60を実装(支持)するとともに電気的に接続するLED基板71とを含む。発光装置1の下半部はグリップ10であり、上述したようにそれぞれの指が掴む形に成形された樹脂または布などのつかみやすい素材で外装されたハウジング15を有する。ハウジング15には、LED基板71と電気的に接続されたドライバ基板72と、ドライバ基板72に搭載された制御ユニット(コントローラ)73と、全てのスイッチ21〜25を実装するためのスイッチ基板74と、LED61〜63に電力を供給する電源(電池)ボックス75と、電池ボックス内の電池を充電する発電ユニット76とが収納されている。
LED基板71には各LED61〜63を駆動するドライバ回路が搭載されている。コントローラ73は、3つのLED群60の発光を制御する各種機能(制御機能ユニット、制御ユニット)と、後述する発光パターンを記憶する機能とを含む。コントローラ73は、典型的にはCPUと、フラッシュメモリなどの不揮発性のメモリとを含み、メモリに記憶されたプログラムと、設定値(ライブラリ、パターンファイル)とがCPUにロードされ、各種の機能が実現される。
スイッチ基板74には、全てのスイッチ21〜25が実装されており、スイッチ21〜25によりコントローラ73を制御することにより発光ユニット50の動作(機能)を制御する。この発光装置1においては、これらのスイッチ21〜25は電源のオンオフスイッチも兼ねる。すなわち、スイッチ21〜25のいずれかを操作することにより発光装置1の電源がオンとなり、全てのスイッチ21〜25を一定時間操作しないことにより電源がオフとなる。
発電ユニット76は、内部に振動子などの発光装置の振れ(揺れ、振動)を捉えて発電する機構と、紐あるいはレバーを取り付けて発電機を意図的に回転させることにより発電する機構とを含む。これら機構のいずれか一方を含む発電ユニットであってもよい。発光装置1は、軽量化あるいは低コスト化のために発電ユニット76を含まないものであってもよい。発電ユニット76を設けることにより、電池を交換せずに発光装置1を使用できる。この発光装置1は、基本的に発光ユニット50を揺らしたり、振ったりして、所望の軌跡を描かせながら使用するものである。したがって、発電ユニット76を内蔵することにより、発光ユニット20を揺らたりするときのエネルギーで発電することにより電池の電力消費量を低減でき、電池を交換せずに長時間にわたり発光ユニット20を使用できる。
図4に、発光装置1のコントローラ73の概要を示している。本例のコントローラ73は、切替スイッチ24を押すことにより3つの色スイッチ21〜23の機能を切り替える機能ユニット(セレクタユニット)81と、メモリ(不図示)に予め格納された複数の発光パターンのいずれかにしたがってLED61〜63の発光強度およびタイミングを制御(駆動)する機能ユニット(プログラム制御ユニット)82と、フェードスイッチ25を押すことによりLED61〜63の発光強度をフェードインおよびフェードアウトするように制御する機能ユニット(フェード制御ユニット)83とを含む。コントローラ73がCPUを含み、プログラムにより制御される場合は、これらの制御ユニット81〜83としての機能はプログラムを実行することにより行われる。
セレクタユニット81は、切替スイッチ24を押すことにより色スイッチ21〜23により操作される機能を、直にLED61〜63をそれぞれオンオフ制御する機能(第1の機能)から、プログラム制御ユニット82がLED61〜63を制御するパターンをメモリに格納されたパターン31〜37から選択する機能(第2の機能)に切り替える。したがって、色スイッチ21〜23は、LED61〜63を直に操作するスイッチであってもよく、プログラム制御ユニット82としての機能を含む制御ユニット(CPU、マイクロコンピュータ)73を操作する3ビットスイッチであってもよい。この発光装置1では、LED61〜63をコントローラ73を介して常に制御(オンオフ、フェードイン、フェードアウト)しているので、以降では、色スイッチ21〜23を3ビットスイッチとして説明することがある。
なお、3つの色スイッチ21〜23を所定の手順(条件)、たとえば所定のスイッチを所定の時間、所定の回数押さえる操作パターン(スイッチングパターン、運指情報)をセレクタユニット81に設定しておくことにより、入力されたスイッチングパターンにしたがって3つの色スイッチ21〜23の機能の切り替えを行うようにしてもよい。一例は、色スイッチ21〜23を同時に2回押したり、3回押したり、10秒間押してから離したりすることである。切替スイッチ24を設けることなく、3つの色スイッチ21〜23を操作することにより機能の切り替えを行うことができる。
プログラム制御ユニット82は、スイッチ21〜23の3ビットスイッチングにより選択されたパターンにしたがってドライバ回路77を介してそれぞれの色のLED61〜63の発光のタイミングおよび強度を制御する。したがって、本例では、切替スイッチ24が親指91で押し下げられていないとプログラム制御ユニット82によりLED61〜63は駆動されない。逆に、スイッチ21〜23のいずれかが押し下げられた状態で切替スイッチ24が押されると、LED61〜63はプログラム制御ユニット82により制御され、色スイッチ21〜23で色を選択してオンオフしている場合とは異なるパターンでLED61〜63が発光する(第2の機能)。
フェード制御ユニット83は、色スイッチ21〜23により選択されている色のLED61〜63の発光をフェードインし、点灯しているLED61〜63が色スイッチ21〜23により選択されなくなるとLED61〜63の発光をフェードアウトする機能を含む。したがって、フェードスイッチ25は、フェード制御ユニット83をオンオフすることにより、複数の色スイッチ21〜23の機能を直(パルス的)にLED61〜63をオンオフする第1の機能から、LED61〜63の輝度を徐々に増加(フェードイン)および徐々に減少(フェードアウト)させる第3の機能に切り替える。たとえば、フェードスイッチ25を押して色スイッチ21〜23のいずれかを押すと、そのLED61〜63がフェードインし、その途中でフェードスイッチ25を離すとLED61〜63はパルス的に発光する。フェードアウトする場合も同様であり、フェードスイッチ25を操作することにより、LED61〜63をフェードインおよびフェードアウトする制御と、LED61〜63をパルス的にオンオフする制御とを瞬時に入れ替えることができる。
まず、この発光装置1においては、切替スイッチ24をオフにした状態(押していない状態)でRスイッチ21、Gスイッチ22およびBスイッチ23のいずれかまたは複数をオンにすると(押すと)、それぞれのスイッチ21〜23に対応する色のLED61〜63が発光する。このため、ユーザーは、赤色R、緑色Gおよび青色Bの3つの色の光を独立または混合させることにより、所望の色の光で、かつ所望のタイミングでコンサート会場などの様々な空間を照射(演出)できる(第1の機能)。
次に、フェードスイッチ25をオンした(押した)状態で色スイッチ21〜23のいずれかまたは複数をオンにする(押す)と、それぞれのスイッチ21〜23に対応するLED61〜63の発光強度(輝度)が徐々に増加し、そのLED61〜63の色の強度が徐々に増加することにより発光ユニット50から出力される光の色が徐々にグラデーション的に変化する。したがって、フェード制御ユニット83によりLED61〜63の中間色を表現できる。一方、フェードスイッチ25をオンして色スイッチ21〜23のいずれかまたは複数をオフにすると、それぞれのスイッチ21〜23に対応するLED61〜63の発光強度(輝度)が徐々に減少し、そのLED61〜63の色の強度が徐々に減少することにより発光ユニット50から出力される光の色をグラデーション的に変化させることができる(第3の機能)。
図5に、3つの色スイッチ21〜23の少なくともいずれかをオンにしたときのLED群60の発光状態を示している。切替スイッチ24がオフの状態でRスイッチ21をオンにする(人差し指92で押して中指93および薬指94を離す)と赤色LED61が発光して赤色Rの光が出力される。同様に、Gスイッチ22をオンにする(中指93で押して人差し指92および薬指94を離す)と緑色LED62が発光して緑色G、Bスイッチ23をオンにする(人差し指92および中指93を離して薬指94で押す)と青色LED63が発光して青色Bの光が出力される。全てのスイッチ21〜23をオフにする(人差し指92、中指93および薬指94を離す)と発光しない。
さらに、Rスイッチ21およびGスイッチ22をオンにする(人差し指92および中指93で押して薬指94を離す)と赤色LED61および緑色LED62が発光してイエロー(黄色)Y、Rスイッチ21およびBスイッチ23をオンにする(人差し指92および薬指94で押して中指93を離す)と赤色LED61および青色LED63が発光してマゼンタ(赤紫色)M、Gスイッチ22およびBスイッチ23をオンにする(中指93および薬指94で押して人差し指92を離す)と緑色LED62および青色LED63が発光してシアン(空色)C、全てのスイッチ21〜23をオンにする(人差し指92、中指93および薬指94で押す)と赤色LED61、緑色LED62および青色LED63が発光してホワイト(白色)Wの光が出力される。
したがって、この発光装置1は、ギターの弦を所定のコード(和音)が出るように押さえたり、トランペットのピストン(ピストンバルブ)を所定の音色が出るように押さえたりするのと同様に、所定の指使い(運指、スイッチング)をすることにより所望の色の光を出力させることができる。このため、色スイッチ21〜23を操作する指使いに慣れれば、指使いと色とを直感的に一致させることができ、楽器などを操作(演奏)するのと同様の感覚で光を奏でる楽器のように発光装置1を制御して、発色させることができる。さらに、切替スイッチ24およびフェードスイッチ25を操作することにより、発光ユニット50から発光させる光の色およびパターンはさらに増える。
また、この発光装置1は、片手90でグリップ10を把持しながら、指先の指使いで、様々な色の光を出力できるので、発光装置1を動かしながら操作でき、様々な色の光が描く軌跡を様々にアレンジできる。したがって、この発光装置1により様々な色の光で空間を描画(演出)できる。さらに、この発光装置1のグリップ10を片手90で把持しながら、他方の手を別の用途に使ったり、両方の手で2つの発光装置1をそれぞれ把持して演出することも可能である。
図6は、フェードスイッチ25を押してRスイッチ21をオンオフしたときの赤色LED61の発光状態を示すタイミングチャートである。なお、他のスイッチ22および23をオンオフしたときの他の色のLED62および63の発光状態も同様であり、単色でオンオフする代わりに複数のLED61〜63が点灯した状態でフェードインおよびフェードアウトすると発光輝度とともに発色が徐々に変化する。
時刻t1に、フェードスイッチ25をオフした状態でRスイッチ21をオンすると赤色LED61が輝度100%で直ちに発光する。時刻t2に、Rスイッチ21をオフすると赤色LED61が輝度0%となり直ちに消灯する。
時刻t3に、フェードスイッチ25をオンしながら、時刻t4にRスイッチ21をオンすると、赤色LED61が輝度0%から徐々にフェードインして時刻t5に輝度100%に達する。時刻t6に、Rスイッチ21をオフすると赤色LED61が輝度100%からフェードアウトして、時刻t7に、輝度0%となり消灯する。
時刻t8に、フェードスイッチ25をオンした状態でRスイッチ21をオンすると赤色LED61を輝度0%からフェードインする。輝度50%程度の時刻t9に、Rスイッチ21をオフすると赤色LED61が輝度100%に達する前にフェードアウトして、時刻t10に、輝度0%となり消灯する。
時刻t11に、フェードスイッチ25をオンした状態でRスイッチ21をオンすると赤色LED61が輝度0%からフェードインして、時刻t12に、輝度100%で発光する。時刻t13に、Rスイッチ21をオフすると赤色LED61が輝度100%からフェードアウトする。輝度50%程度の時刻t14に、Rスイッチ21をオンすると赤色LED61が輝度0%に達する前にフェードインして、時刻t15に、輝度100%で発光する。時刻t16に、Rスイッチ21をオフすると赤色LED61が輝度100%から徐々にフェードアウトして、時刻t17に輝度0%となり消灯する。
時刻t18に、フェードスイッチ25がオンの状態でRスイッチ21をオンすると赤色LED61が輝度0%からフェードインする。輝度が50%程度の時刻t19に、フェードスイッチ25をオフすると赤色LED61は輝度100%で直ちに発光する。すなわち、色スイッチ21の機能がダイナミックにフェード制御(第3の機能)からオンオフ制御(第1の機能)に変わる。時刻t20に、フェードスイッチ25をオンに切り替え、時刻t21に、フェードスイッチ25がオンの状態でRスイッチ21をオフすると赤色LED61を輝度100%から徐々にフェードアウトする。輝度50%程度の時刻t22に、フェードスイッチ25をオフすると赤色LED61が輝度0%となり直ちに消灯する。
図7に、切替スイッチ24をオンしたときのLED群60の発光状態(発光パターン)を示している。第1の発光パターン31は、RGBのスイッチ21〜23がオフ、オフ、オン、すなわち、RGBスイッチ21〜23が(0、0、1)(人差し指92および中指93が離れ、薬指94でスイッチ23を押した状態)で選択される。第1の発光パターン31は、0.3秒間隔で赤色R、シアンC、イエローY、マゼンタM、緑色G、青色BおよびホワイトWの順に、各色とも輝度100%で連続的に発色させることができる。
第2の発光パターン32は、RGBスイッチ21〜23が(0、1、0)(人差し指92および薬指94が離れ、中指93でスイッチ22を押した状態)で選択される。第1の発光パターン31との相違は、各色の発光(オンオフ)が0.2秒間隔になることである。第3の発光パターン33は、RGBスイッチ21〜23が(0、1、1)(人差し指92が離れ、中指93および薬指94でスイッチ22および23を押した状態)で選択される。第1の発光パターン31との相違は、各色が0.1秒間隔で連続的に発光することである。
第4の発光パターン34は、RGBスイッチ21〜23が(1、0、0)(人差し指92でスイッチ21が押され、中指93および薬指94が離れた状態)で選択される。第4の発光パターン34は、0.15秒間隔で赤色R、イエローY、緑色G、シアンC、青色B、マゼンタMおよびホワイトWの順に、各色ともフェードインおよびフェードアウトを繰り返しながらグラデーション発色させることができる。
第5の発光パターン35は、RGBスイッチ21〜23が(1、0、1)(人差し指92および薬指93でスイッチ21および23が押され、中指93が離れた状態)で選択される。第4の発光パターン34との相違は、各色が0.4秒間隔でグラデーション発色することである。
第6の発光パターン36は、RGBスイッチ21〜23が(1、1、0)(人差し指92および中指93でスイッチ21および22が押され、薬指94が離れた状態)で選択される。第6の発光パターン36は、0.1秒間隔で赤色R、シアンC、イエローY、マゼンタM、緑色G、青色BおよびホワイトWの順に、各色とも輝度100%で0.05秒間ずつ点灯することにより断続的に発色(点滅)する。
第7の発光パターン37は、RGBスイッチ21〜23が(1、1、1)(人差し指92、中指93および薬指94でスイッチ21、22および23が押された状態)で選択される。第7の発光パターン37は、0.05秒間隔でホワイトWが輝度100%で0.05秒間ずつ点灯することにより断続的に発色(点滅)する。なお、7つの発光パターン31〜37は、本例に限らず、種々の発光パターンをメモリ(不図示)に予め格納しておくことができる。
図8に、第4の発光パターン34を赤色R、緑色Gおよび青色Bの各色に分解して示している。赤色LED61は、0〜0.15秒において輝度0%から100%まで徐々にフェードインし、0.15〜0.30秒において輝度100%で発光し、0.30〜0.45秒において輝度100%から0%まで徐々にフェードアウトし、0.45〜0.75秒において輝度0%で消灯し、0.75〜0.90秒において輝度0%から100%まで徐々にフェードインし、0.90〜1.05秒において輝度100%で発光し、1.05〜1.20秒において輝度100%から0%まで徐々にフェードアウトし、1.20秒以降は上記を繰り返す。
緑色LED62は、0〜0.15秒において輝度0%で消灯し、0.15〜0.30秒において輝度0%から100%まで徐々にフェードインし、0.30〜0.60秒において輝度100%で発光し、0.60〜0.75秒において輝度100%から0%まで徐々にフェードアウトし、0.75〜0.90秒において輝度0%で消灯し、0.90〜1.05秒において輝度0%から100%まで徐々にフェードインし、1.05〜1.20秒において輝度100%から0%まで徐々にフェードアウトし、1.20秒以降は上記を繰り返す。
青色LED63は、0〜0.45秒において輝度0%で消灯し、0.45〜0.60秒において輝度0%から100%まで徐々にフェードインし、0.60〜1.05秒において輝度100%で発光し、1.05〜1.20秒において輝度100%から0%まで徐々にフェードアウトし、1.20秒以降は上記を繰り返す。
このため、第4の発光パターン34においては、0.15秒において赤色R、0.30秒において赤色Rおよび緑色Gが合成されたイエローY、0.45秒において緑色G、0.60秒において緑色Gおよび青色Bが合成されたシアンC、0.75秒において青色B、0.90秒において赤色Rおよび青色Bが合成されたマゼンタM、1.05秒において赤色R、緑色Gおよび青色Bが合成されたホワイトWを発色できるので、0.15秒間隔で7色をグラデーション表示できる。
図9に、第5の発光パターン35を赤色R、緑色Gおよび青色Bの各色に分解して示している。第5の発光パターン35においても、第4の発光パターン34と同様に、0.4秒間隔で7色をグラデーション表示できる。
この発光装置1においては、色スイッチ21〜23の機能をオンオフ機能(第1の機能)とプログラム制御ユニット82のパターン選択機能(第2の機能)との間で切り替える処理も切替スイッチ24を親指91でオンオフすることで行われる。したがって、同じ指使いで、親指91で切替スイッチ24を切り替えるだけで発光ユニット50から出力される光のパターンをダイナミックに切り替えることができる。たとえば、人差し指92および中指93を離して薬指94で色スイッチ23を押した状態で親指91により切替スイッチ24を操作すると、発光ユニット50からの発光状態を青色Bの連続点灯と、第1の発光パターン31とに切り替えることができる。
このように、ユーザーは発光装置1を片手90で持ってさまざまな動作を行うとともに、片手90でスイッチ21〜25を操作して発光ユニット50から出力される光のパターン(色、点滅のタイミング、時間的な変化など)を指使い(指の配置、指のパターン)で自在に制御できる。このため、ユーザーは、さまざまな光のパターンをさまざまな軌跡で出力することができ、舞台、観覧席、屋内外などのさまざまな場所で、自在に光を演出することが可能となる。さらに、この発光装置1に発光ユニット50の発光状態をロックする機能を設けることも可能である。
図10(a)〜(e)に、本発明の第2の実施形態に係る発光装置2を各方向から見た様子を示している。なお、発光装置2を左方から見た左側面図は、右側面図と対称に表れる。この発光装置2もペン型のライトであり、片手90で握る円筒状のグリップ10と、グリップ10の上下方向100の上端11に取り付けられ、3つのLED群60を収納した円筒状の発光ユニット50とを有し、発光ユニット50とグリップ10とが直線的に接続されている。なお、上記の実施形態と共通する部分には共通の符号を付して説明を省略する。以降においても同様である。
この発光装置2では、小指用凹部46がグリップ10の外周面15aの全周にわたり窪んでいる。このため、小指95をこの小指用凹部46に沿って配置することにより、グリップ10をいっそう容易にかつ安定的に把握しやすい。さらに、発光装置2を振り回しても小指用凹部46により小指95を支持できるので、グリップ10が抜け落ちることも抑制しやすい。
図11に、本発明の第3の実施形態に係る発光装置3の概要を示している。図12に、発光装置3のグリップ10を握った状態を示している。図13(a)〜(e)に、発光装置3を各方向から見た様子を示している。なお、発光装置3を左方から見た左側面図は、右側面図と対称に表れる。
発光装置3は、全体が円盤状であり、ほぼ中央に人差し指92、中指93、薬指94および小指95を通す空間(開口)10xを備えた吊り輪状(吊り革状)のグリップ10と、グリップ10の手の甲90bの側で、グリップ10の表面16の上側三分の一の位置に表面16と面一に取り付けられ、フルカラー対応のLED60を収納した半月状の発光ユニット50とを有する。この発光装置3は、発光ユニット50とグリップ10とが手指を通す空間10xを介して並列に接続されたリング型(パラレルタイプ)のハンディーライトである。このグリップ10は、吊り革と同様に手を通すことができる開口10xを含むので、グリップ10を把握していなくても、この開口10xに手指を引っ掛けておくことにより、発光装置3が落下することを防止できる。
パラレルタイプの発光装置3の他の例は、発光ユニット50が、グリップ10の手の甲90bの側にのみ取り付けられたものに限定されず、グリップ10の手の平(掌)90aの側にのみ取り付けられたものや、グリップ10の手の甲90bおよび手の平90aの両側に取り付けられたものであってもよい。
この発光装置3は、グリップ10を吊り革同様に掴んだときに手指で操作しやすい位置に取り付けられたスイッチ21〜25を含む。スイッチ21〜23および25は、グリップ10の表面16に左右方向200にほぼ等間隔に一列に並ぶように配置され、Rスイッチ21は人差し指92、Gスイッチ22は中指93、Bスイッチ23は薬指94、フェードスイッチ25は小指95で操作される位置に配置されている。切替スイッチ24は、グリップ10の側面17に左右一組で配置され、右側の切替スイッチ24aは開口10xに右手90の人差し指92、中指93、薬指94および小指95を通したときに右手90の親指91で操作される位置、左側の切替スイッチ24bは開口10xに左手(不図示)を通した時に左手の親指で操作される位置に配置されている。
図14に、発光装置3のコントローラ73の概要を示している。コントローラ73は、色スイッチ21〜23および/またはフェードスイッチ25のそれぞれに割り当てられた機能を切り替えるセレクタユニット81を含む。セレクタユニット81は、スイッチ21〜25のそれぞれをメモリ99に予め格納された所定の手順(アルゴリズム)で操作することにより、スイッチ21〜23および25のそれぞれに割り当てられる機能を変えるスイッチングパターンを含む。
コントローラ73は、さらに、LED61〜63の発光パターンを制御するプログラム制御ユニット82と、LED61〜63の発光強度を制御するフェード制御ユニット83と、スイッチ21〜23および25の配列を制御する配列制御ユニット(スイッチ反転ユニット)84と、LED61〜63の発色をユーザーが調色および保存するプリセットユニット(色設定ユニット)85と、発光装置3を振る動作に対応してLED61〜63の出力を制御するモーション制御ユニット(モーション調光ユニット)86と、LED61〜63の発光状態を保持する自己保持ユニット87とを含む。
セレクタユニット81は、切替スイッチ24を1回押すこと(第1のスイッチングパターン)により、色スイッチ21〜23により操作される機能(コントローラ73により提供される機能)を、LED61〜63をオンオフ制御する第1の機能(オンオフ制御機能)から、プログラム制御ユニット82がメモリ99に格納されたパターン31〜37からLED61〜63を制御するパターンを選択する第2の機能(パターン選択機能)に切り替える。さらに切替スイッチ24を押すと、第2の機能から第1の機能に切り替わる。
セレクタユニット81は、フェードスイッチ25を1回押すこと(第2のスイッチングパターン)により、色スイッチ21〜23により操作される機能を、パルス的にLED61〜63をオンオフ制御する第1の機能から、フェード制御ユニット83がLED61〜63の輝度(発光強度)をフェードインおよびフェードアウトする第3の機能(フェード機能)に切り替える。さらにフェードスイッチ25を押すと、第3の機能から第1の機能に切り替わる。
また、セレクタユニット81は、配列制御ユニット84としての機能を含む。配列制御ユニット84は、スイッチ21〜25の全てを同時に2秒間長押しする(第3のスイッチングパターン)毎に色スイッチ21〜23およびフェードスイッチ25により操作される各機能の配列を左右反転させる。反転前に右手90の人差し指92で操作されるRスイッチ21に割り当てられていた赤色LED61をオンオフ制御する機能は、反転後に左手(不図示)の小指で操作されるフェードスイッチ25の機能に切り替わる。同様に、反転前に右手90の中指93で操作されるGスイッチ22に割り当てられていた緑色LED62をオンオフ制御する機能は、反転後に左手の薬指で操作される青色LED63をオンオフ制御する機能に切り替わり、反転前に右手90の薬指94で操作されるBスイッチ23に割り当てられていた青色LED63をオンオフ制御する機能は、反転後に左手の中指で操作される緑色LED62をオンオフ制御する機能に切り替わる。また、反転前に右手90の小指95で操作されるフェードスイッチ25の機能は、反転後に左手の人差し指92で操作される赤色LED61をオンオフ制御するスイッチの機能に切り替わる。また、切替スイッチ24はグリップ10の左右両側の側面17に1つずつ設けられおり、右側の切替スイッチ24aは反転前に右手90の親指91で操作され、左側の切替スイッチ24bは反転後に左手の親指で操作される。
このように、スイッチ反転ユニット84は、右手90により操作される各スイッチ21〜23、25のそれぞれの機能を、左手で操作される機能に切り替える。このため、この発光装置3を左右いずれかの手に持ち替えたり、2つの発光装置3を両方の手にそれぞれ持ったりしても、スイッチ21〜23および25を操作する指を変える必要はなく、両手とも同じ運指(スイッチング)で色スイッチ21〜23およびフェードスイッチ25を操作できる。したがって、左手用、右手用という別々の発光装置3を用意する必要はなく、同じ発光装置3を右手モードと左手モードとに切り替えることで使用できる。したがって、経済的で、ユーザーが持ち手を自由に選択でき、取扱いも容易な発光装置3を提供できる。
さらに、このセレクタユニット81は、スイッチ21〜25の全てを同時に2秒間長押しすることを2回繰り返すこと(第4のスイッチングパターン)により、色スイッチ21〜23およびフェードスイッチ25により操作される機能(コントローラ73により提供される機能)をプリセット機能(プリセットユニット)85に切り替える。プリセットユニット85は、ユーザーがLED61〜63の発色を調色および保存すること(第5の機能、プリセット機能)を可能にする。プリセットユニット85は、まず、色スイッチ21〜23にLED61〜63の発光強度を8階調で段階的に変化させる機能(階調制御機能)を割り当てる。それぞれのLED61〜63の発光強度は、輝度0%から、各スイッチ21〜23をオンする度に、たとえば輝度15%、30%、45%、60%、75%、90%、100%の8段階に変化し、輝度100%に達すると輝度0%に戻って同様の変化を繰り返す。ユーザーは、3色のLED61〜63を8階調で変化させることにより、512色の中から所望の色を作成(調色、合成)できる。
また、プリセットユニット85は、フェードスイッチ25に、スイッチ21〜23により操作される機能を、階調制御機能とプリセット機能とに切り替える機能を割り当てる。すなわち、スイッチ21〜23による階調制御によりユーザーの色作りが終了すると、ユーザーがフェードスイッチ25を押すことによりスイッチ21〜23の機能はプリセット機能に切り替わる。プリセット機能中においては、スイッチ21〜23は3ビットスイッチとなり、ユーザーが作成した色に(1(オン)、0(オフ)、0(オフ))、(0、1、0)、(0、0、1)、(1、1、0)、(1、0、1)、(0、1、1)および(1、1、1)の7つの値のいずれかを対応させてメモリ99に記録する。たとえば、フェードスイッチ25を押した状態で所望の値をスイッチ21〜23により所定の時間(たとえば2秒間)継続することによりユーザーが作成した色の登録が完了する。メモリ99に記録(登録)された色は、プログラム制御ユニット82により選択可能になり、ユーザーはいつでもこの発光装置3により出力できる。
プリセットユニット85を用いて作られた色の階調情報は、インターネット上の投稿型の情報掲示板などにおいて、たとえば、R0G3B2(Rスイッチ21が0階調、Gスイッチ22が3階調、Bスイッチ23が2階調)などの短く簡易的な表現で容易に伝達することが可能である。このため、コンサート会場などにおいて発光を予定する発色情報を、事前に他のユーザーと共有しておくことが可能で、他のユーザーと発光装置3を用いた共演が可能である。
セレクタユニット81は、1回目のスイッチ21〜25の全押し受け付け後、所定の時間内(たとえば10秒以内)に2回目の全押しがない場合はプリセットユニット85に切り替えない。プリセットユニット85に切り替わった後は、色作りになるので、全押しを継続してもスイッチ反転は行われない。また、セレクタユニット85は、プリセットユニット85に切り替わった後、所定の時間内(たとえば30秒以内)に次の操作がなかった場合には、プリセットユニット85を終了し、その前に設定された機能、あるいは基本的な第1の機能に戻る。
さらに、セレクタユニット81は、スイッチ21〜25の全てを同時に2秒間長押しすることを3回繰り返すこと(第5のスイッチングパターン)により、モーション調光ユニット86の機能をオンオフする。モーション調光ユニット86は、発光装置3をユーザーが振る動作に対応してLED61〜63の出力を制御する(第6の機能、モーション制御機能)。この発光装置3は、発光装置3を振る動作を検出する加速度センサー(Gセンサー)89を含み、モーション調光ユニット86は、Gセンサー89により検出される加速度に対応する輝度信号を算出する輝度演算ユニット86aと、輝度演算ユニット86aにより算出される輝度信号によりLED61〜63の輝度(発光強度)を制御する輝度制御ユニット86bとを含む。
モーション調光ユニット86の機能をオンにすると、発光装置3を動かしながら3つの色スイッチ21〜23を操作することにより、たとえば発光装置3に加わる加速度の大きさに比例してLED61〜63の輝度が変わるように制御できる。したがって、ユーザーが発光装置3を揺らしたり、振ったりする様々なアクションの大きさ(激しさ)と感覚的にマッチするようにLED61〜63の輝度をダイナミックに変化させることができる。モーション調光ユニット86は、輝度に加えて、あるいは輝度とは別に、所定のパターンの発光装置3の動きに対して発光装置3の機能を変えたり、発光装置3の発色パターンを変えたりする機能を備えていてもよい。
さらに、セレクタユニット81は、スイッチ21〜25の全てを同時に2秒間長押しすることを4回繰り返すこと(第6のスイッチングパターン)により、自己保持ユニット87の機能をオンオフする。自己保持ユニット87は、LED61〜63の発光状態(オン状態)を保持する(第7の機能、自己保持機能)。自己保持ユニット87の機能がオフであると、Rスイッチ21によりLED61を点灯する操作は、スイッチ21をオンしている間だけ赤色LED61の点灯状態を維持するモーメンタリ動作(自動復帰型)である。自己保持ユニット87の機能をオンにすると、Rスイッチ21によりLED61を点灯する操作は、1度オンすると赤色LED61の点灯状態を維持するオルタネイト動作(位置保持型)の自己保持機能に切り替わる。Gスイッチ22およびBスイッチ23についても同様である。自己保持ユニット87の機能がオンになると、フェードスイッチ25が自己保持機能により点灯状態のLED61〜63を消灯する機能を果たす。
なお、本例のセレクタユニット81の機能、およびそれにより選択されるスイッチ反転ユニット84、プリセットユニット85、モーション調光ユニット86および自己保持ユニット87の機能のすべてまたはいずれかを第1および第2の実施形態に係る発光装置1および2に追加することも可能である。また、各種機能を切り替えるスイッチングパターン(スイッチ操作)は上記に限定されず、たとえば、色スイッチ21〜23の機能をモーション調光機能に切り替える際に、スライド式のモーションスイッチを設けるようにしてもよい。他の機能への切り替えについても同様である。
上記実施形態では、発光ユニット50はLED61〜63を搭載した例を説明しているが、発光素子はLEDに限定されず、有機EL、レーザーなどの他の発光素子でもよい。発光ユニット50の形状はペン型に限られないことは上述した通りである。また、コントローラ73の構成は一例であり、CPUのほかに、上記の機能が適当な回路を含む基板で構成することも可能である。また、プログラム制御ユニット82で制御するいくつかのパターンは例示にすぎず、ユーザーが独自にパターンを作って事前にメモリに記憶させておくことができる。また、パターンの数は7つに限定されることはなく、人差し指から小指までで操作される4つ、さらに片手または両手で操作されるそれ以上のスイッチを配置することによりさらに多くのパターンから発光ユニット50で表示するパターンを選択できるようにしてもよい。