JP5356707B2 - 開先加工機 - Google Patents
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Description
なお、本発明において、鋼管とは、直管に限らず、エルボなどの曲管なども含むものとする。
大口径の鋼管を突き合わせ溶接する場合には、薄肉鋼管であっても、その肉厚が必然的に厚くなっているため、鋼管端部にV字、U字などの開先加工を施して、開先を形成した後、端部を溶接しさらに溶加棒を用いて肉盛溶接する方法が取られている。
この開先加工方法では、鋼管の断面形状が真円である場合には、鋼管端部に均一な形状の開先を形成することができる。
また、大口径鋼管に対して開先加工を施す開先加工では、鋼管を固定した後にその端部に開先加工機を設置する必要があるが、開先加工機自体が重く、開先加工を施す際に手間を要すると言う問題もあった。
請求項1にかかる発明は、鋼管の端部に開先加工を施すための開先加工機であって、
この開先加工機は、本体と倣い治具から構成され、
前記本体は、前記鋼管の外方に配される円環状の固定部とこの固定部に取り付けられて自ら周回する円環状の回転部を備え、
前記倣い治具は、
前記本体の回転部に取り付けられ、
前記鋼管の端部の内周面に沿って前記鋼管の内方向に揺動可能に走行する倣いローラと、
前記鋼管端部を切削して開先を形成する切削刃と、
この切削刃を前記倣いローラとは独立して前記鋼管の中心軸線に沿って前進させる切削刃送り機構と、
前記倣いローラを前記鋼管の外方側に向けて常時付勢する付勢手段と、
を備えたことを特徴とする開先加工機である。
この開先加工機は、本体と倣い治具から構成され、
前記本体は、前記鋼管の外方に配される円環状の固定部とこの固定部に取り付けられて自ら周回する円環状の回転部を備え、
前記倣い治具は、
前記本体の回転部に取り付けられ、
前記鋼管の端部の外周面に沿って前記鋼管の外方向に揺動可能に走行する倣いローラと、
前記鋼管端部を切削して開先を形成する切削刃と、
この切削刃を前記ローラとは独立して前記鋼管の中心軸線に沿って前進させる切削刃送り機構と、
前記倣いローラを前記鋼管の内方側に向けて常時付勢する付勢手段と、
を備えたことを特徴とする開先加工機である。
また、鋼管がエルボである場合には、直管部分がないため、本体をエルボの端部に取り付けることが困難になるが、エルボ固定具をエルボ端部に取り付けることで本体を間接的にエルボに固定することができる。
図1および図2は、この例の開先加工機の全体を示すもので、このものは請求項1にかかる開先加工機であって、鋼管内周面にガイド倣いローラが走行する内面倣いタイプのものである。
この例の開先加工機は、本体Aとこの本体Aに取り付けられた倣い治具Bとから概略構成されている。
この本体Aは、固定部1とこの固定部1に対して回転可能にかつ同軸に取り付けられた回転部2とから構成されている。
なお、前記ギアボックス4内には、クラッチ、変速ギアが内蔵されており、回転部2が正逆転可能で、回転速度可変となっている。
図3および図4は、この倣い治具Bを示すもので、この倣い治具Bは、ベースプレート8と、このベースプレート8の一端部にスイング軸9を介して軸支されたスイングプレート10と、このスイングプレート10に固定されたブラケット11と、このブラケット11から延びるローラアーム12と、このローラアーム12の先端に軸支された倣いローラ13と、前記ブラケット11とベースプレート8に固着されたL金具14との間に架け渡されて、ブラケット11をL金具14側に常に付勢する2個のコイルスプリング15、15と、前記ブラケット11に対して移動可能に取り付けられたバイトホルダー16と、このバイトホルダー16に取り付けられ、先端に切削刃21を有するバイト17と、前記ベースプレート8の他端部に固定され、前記スイングプレート10の端縁部を摺動可能に支持するスイングローラ18、18とから構成されている。
バイトホルダー16の駆動は以下のようにして行われる。前記回転部2には、前記駆動部5から伝達される回転駆動力によって自転するベベルギア(図示せず)がその面板7から突出して設けられており、前記ブラケット11の底部には、このベベルギアに噛合するベベルギア23が取り付けられている。そして、このベベルギア23を介して伝達される回転駆動力によってバイトホルダー16がブラケット11に対して往復動可能に駆動される。
本発明での切削刃送り機構は、この例では、前記駆動部5によって回転駆動される回転部2のベベルギアに噛合する前記ベベルギア23と、このベベルギア23を介して伝達される回転駆動力によって往復動可能となっているバイトホルダー16とから構成されている。
また、前記ブラケット11の側部にはローラアーム12の一端が取り付けられており、その他端には倣いローラ13が回転可能に軸支されている。この倣いローラ13は、鋼管Cの内周面に沿って走行し、上述の構成により前記本体Aの回転部2に対して揺動可能となっている。
これらコイルスプリング15,15は引っ張りスプリングであって、その他端がブラケット11の側面に取り付けられている。
また、結合金物22は回動可能となっている。これを回動することで、結合金物22がコイルスプリング15の方向に沿って前進、後退するようになっており、これによりコイルスプリング15、15の付勢力を適宜変更することができる。
このように、鋼管Cの内面に常に倣いローラ13を当てる構造であり、この接部を基準にして切削刃21を相対的に位置つけることができる。
開先加工を施す鋼管Cの端部に本体Aを配し、固定部1のフット6・・・を用いて本体Aを鋼管C端部に強固に固定する。ついで、倣い治具Bのバイトホルダー16の初期位置をハンドル25によって設定する。バイトホルダー16の初期位置は、バイト17の先端の切削刃21の先端部が鋼管の端面から0〜5mm離れた位置とする。
こののち、前記駆動部5のモータ3を起動させて本体Aの回転部2を周回させる。この回転部2の周回に伴って倣い治具B全体も周回する。
しかし、倣いローラ12は回転部2に対して揺動可能になっているので、鋼管内周面に正確に沿って走行し、倣い治具Bが鋼管の扁平に応じて揺動しつつ周回する。
この状態で、バイトホルダー16を徐々に鋼管端面に向けて移動させれば、切削刃21が鋼管端面を一定の位置で切削し、鋼管端面の全周にわたって均一な開先加工が形成される。
図中符号31はエルボ置台を示す。このエルボ置台31はキャスター付きの箱状のものであって、エルボを載置するとともにエルボ固定具32全体を取り付ける取付台にもなるものである。
エルボ固定具32は、固定金具33とメインリング34とサブリング35とステー36から構成されている。
このアングル38には、前記メインリング34とサブリング35とが固定されている。
メインリング34は、上下二つ割り構造の全体が円環状の比較的厚肉の平鋼などからなるもので、エルボの端部を挟み込み、これを固定するもので、その下部においてアングル38に対して鉛直方向に立設された状態で固定されている。
メインリング34の内周面には、複数の直方体状の当接部39、39・・が間隔を配して設けられている。この当接部39は、エルボの外周面に接して、エルボを固定するためのものである。
ステー36は、棒状のもので、その一端がメインリング34の頂部に結合され、他端がサブリング35の頂部に結合されている。このステー36は、メインリング34とサブリング35とを連結して両者を機械的に補強し、かつ両者を束縛し、メインリング34とサブリング35とでエルボを挟み込んだときの両者の変形、移動を防止するものである。
ついで、このものを前述の開先加工機の本体A内に配し、本体Aの固定部1のフット6・・・をメインリング34の外周面に押し当てて開先加工機に装着する。
このようなエルボ固定具32を使用することで、エルボを間接的に強固に開先加工機に取る付けることができる。エルボでは、その外周面には平面部分が存在しないので、開先加工機の固定部1のフット6・・・のみで固定しても、エルボがその外周面の傾斜に沿ってフット6・・・の当たり面から逃げることになってしまう。これに対して、エルボ固定具32では、エルボ全体をがっちり固定することになるので、そのような不都合は生じなくなる。
本発明の開先加工装置はこのような問題を解決するもので、この開先加工装置は開先加工機をクレーンで懸吊したものである。
クレーン41は、門型架台43とバランサー44と2個のコイルバネ45、45とから構成されている。
門型架台43は、C型鋼などを組み付けてなるもので、2本の柱部43a、43aとこれら柱部43a、43aとを繋ぐ山型の梁部43bとからなり、作業床面上に自立するようになっている。
バランサー44は、例えば渦巻バネ(ゼンマイバネ)が内蔵され、この渦巻バネに吊り下げ物の荷重を負荷させてその荷重を見掛け上消去させる機能を有し、吊り下げ物を手で軽く上下操作できるようにするもので、「スプリングバランサー」などの商品名にて市販されているものである。このバランサー44を使用することで、重い開先加工機42の鋼管への装着作業が極めて容易に行うことができる。
この外倣いタイプのものでは、倣い治具Bのコイルスプリング15として圧縮バネを用いて、ブラケット11を鋼管側に向けて常時付勢するようにし、倣いローラ13の取り付け位置を鋼管の外方側に移動させればよく、その他の構造は内倣いタイプのものと同様である。
Claims (3)
- 鋼管の端部に開先加工を施すための開先加工機であって、
この開先加工機は、本体と倣い治具から構成され、
前記本体は、前記鋼管の外方に配される円環状の固定部とこの固定部に取り付けられて自ら周回する円環状の回転部を備え、
前記倣い治具は、
前記本体の回転部に取り付けられ、
前記鋼管の端部の内周面に沿って前記鋼管の内方向に揺動可能に走行する倣いローラと、
前記鋼管端部を切削して開先を形成する切削刃と、
この切削刃を前記倣いローラとは独立して前記鋼管の中心軸線に沿って前進させる切削刃送り機構と、
前記倣いローラを前記鋼管の外方側に向けて常時付勢する付勢手段と、
を備えたことを特徴とする開先加工機。 - 鋼管の端部に開先加工を施すための開先加工機であって、
この開先加工機は、本体と倣い治具から構成され、
前記本体は、前記鋼管の外方に配される円環状の固定部とこの固定部に取り付けられて自ら周回する円環状の回転部を備え、
前記倣い治具は、
前記本体の回転部に取り付けられ、
前記鋼管の端部の外周面に沿って前記鋼管の外方向に揺動可能に走行する倣いローラと、
前記鋼管端部を切削して開先を形成する切削刃と、
この切削刃を前記ローラとは独立して前記鋼管の中心軸線に沿って前進させる切削刃送り機構と、
前記倣いローラを前記鋼管の内方側に向けて常時付勢する付勢手段と、
を備えたことを特徴とする開先加工機。 - 前記本体の固定部に取り付けられたモータからの動力により、前記回転部が自ら周回するとともに前記切削刃送り機構が駆動されるようになっている請求項1または2記載の開先加工機。
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