JP3741990B2 - 切断・開先加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切断・開先加工装置に関し、特に、原子力発電所等における配管(パイプ)の切断・開先加工を行なうための装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、配管を切断したり開先加工をするため、切断・開先加工装置が使用されている。
この切断・開先加工装置は、加工対象である配管の加工部外側に取付けられて、配管の切断、及び開先加工を行なうものであり、固定部、回転体、及び刃物からなる。
固定部は配管の外側に固定され、固定部の前面には、配管の外周の周りに回転可能にされた回転体が取付けられている。
また、固定部には径方向内側に突出するピンが固定されている。
【0003】
回転体には、バイトホルダを介して複数の刃物が設けられている。
バイトホルダには、スターホイールが設けられており、スターホイールの回転同軸上には刃物を送るねじが連結されている。すなわち、スターホイールが回転すると、刃物が径方向に進退動するようにされている。
【0004】
固定部に設けられたピンと、バイトホルダに設けられたスターホイールによって刃物送り機構が構成されており、回転体が回転すると、回転体に設けられたスターホイールが径方向に突出したピンに衝突し、その衝撃によりスターホイールが回転し、スターホイールに連結されたねじにより刃物が送られるようになっている。
このようにして、回転体の回転に伴い、ピンとの衝突によりスターホイールが少しずつ回転させられて、刃物が送られるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来の切断・開先加工装置によると、ピンとスターホイールが衝突して刃物が送られるようになっているため、装置の作動時には、常にピンとスターホイールの接触及び衝撃が発生する。
そのため、装置の作動中、作業者が接触部に巻込まれる危険性がある。
また、衝撃により回転体がずれて、加工精度が低下するという恐れもある。
【0006】
さらに、スターホイールによる送り機構では、ピンとスターホイールが衝突してもスターホイールが回転し損なうことがあり、その結果、複数のバイトホルダに設けられた刃物が同じピッチで送られないことがある。
さらに、スターホイールによる送り機構では、刃物を送る場合も原点位置に戻す場合も、ピンとの衝突によってなされるため、刃物の早送り、及び早戻しを行なうことができない。
そのため、作業開始時には、配管の外周に刃物が接触するまでに長い時間がかかるという問題を有している。
また、作業終了後には、切削加工にかかった時間と同じ時間をかけて刃物を原点位置に戻すか、或いは時間短縮のため、各バイトホルダを、個別に、作業員の手作業により、元の位置に戻していた。
バイトホルダを手作業で戻した場合、新たに切削作業を行なうためには、再度、装置へバイトホルダを取付けなければならないが、その際、2つのバイトホルダに保持された刃物の径方向の位置が同一になるように、正確に取付けることは困難である。
なお、刃物の径方向突出量の許容誤差は±0.2mm程度であり、誤差が許容範囲内にないと、突出している方の刃物の刃先に大きな負荷が掛かり、刃物が破断したりする恐れがあるため、取付けには高い精度が要求される。
【0007】
また、作業現場で配管の切断、及び開先加工を行う際、前記のようなスターホイールによる送り機構では、ピンとスターホイールが接触した瞬間に切削刃物が一定の送り量だけ送られるようになっているため、衝撃時に装置に加えられる負荷が大きく、装置自体の逃げなどの現象を惹き起こすことがある。
その結果、加工精度が低下したり、加工表面が粗くなったりするという問題を有するとともに、加工終了時に、配管の円周上の一箇所に筋が付くため、溶接欠陥の原因になったり、溶接作業や溶接条件の変更を余儀なくされるという問題を有する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加工対象物の外側に取付けられるハウジングと、該ハウジングの前面に回転可能に設けられた面板と、該面板に取付けられ、工具を保持する少なくとも1つの工具ホルダと、ギヤボックスと、モータを具え、
前記ギヤボックス内に、前記面板を回転させるギヤと、前記工具ホルダを進退動させる動力伝達軸に連結されたギヤが配置され、前記面板を回転させるギヤの歯数と前記動力伝達軸を回転させるギヤの歯数が異なり、
前記動力伝達軸を回転させるギヤの組合せを変えることにより、前記面板を回転させるギヤと前記動力伝達軸を回転させるギヤの歯数の差を変え、
かくして、前記面板の回転速度に対する前記動力伝達軸の回転方向と回転速度を相対的に変え、
前記工具ホルダの高速送り、低速送り、及び高速戻しを行なうことを特徴とする切断・開先加工装置によって、前記の課題を解決した。
【0009】
【作用】
本発明においては、ギヤボックス内のギヤの組合せにより、面板と工具ホルダに接続されるギヤの歯数の差を生じさせることができ、かくして、面板上で工具ホルダを確実に進退動させることができる。
従って、工具ホルダが移動する際に、装置が振動したり騒音が発生することがない。
工具ホルダの高速での送り、戻しも可能となる。
【0010】
【発明の実施形態】
図1は、本発明の切断・開先加工装置10を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は配管に取付けた状態における側面図である。
本発明の切断・開先加工装置10は、従来のものと同じく2つ割りになっており、ハウジング20、ギヤボックス30、面板40、バイトホルダ50、及びモータMからなり、ハウジング20の内周側に設けられた複数のフットHによって配管Pの外側に固定される。
ハウジング20内には後述する環状の変速ギヤリング60が内蔵されており、ハウジング20の前面には面板40が回転可能に取付けられている。
面板には、バイト(工具)500が取付けられた2つのバイトホルダ50が、それぞれ対向するように取付けられている。
なお、このバイトは、請求項1の「工具」の一例であるが、工具には、加工中に切粉を発生させるタイプのものと、切粉を発生させないタイプのものがある。
【0011】
図1において、符号Cはクラッチを示す。
この装置10を配管Pに取付ける場合には、クラッチCにより、モータとの連結を外し、面板40を手動回転させ、ダイヤルゲージ(図示せず。)を使用して芯出しを行なった後、再びクラッチCによりモータと連結状態にすればよい。
このように、このクラッチCがあることによって、モータMを取外すことなく、モータMと面板40との接続を切って、容易に、面板40の芯出し作業を行なうことができる。
【0012】
また、図1において、符号Tはトルクリミッタである。
このトルクリミッタTは、ある一定以上の負荷が掛かった場合、モータMの動力をギヤボックス30に伝達しないようにするためのものであり、何らかの異常が起きたとしても、装置10に損傷を与えないようにされている。
【0013】
さらに、図1における符号Sは目盛盤を示し、作業中に刃物500がどの位置にあるかが表示されるようになっている。
【0014】
図2は、図1の切断・開先加工装置10の分解斜視図であり、モータM、及びギヤボックス30内の図示を省略したものである。
ハウジング20内部には複数の案内ローラ201が設けられている。
変速ギヤリング60は、外周側に歯数の異なる2段のギヤ(大径ギヤ62及び小径ギヤ64)が、内周側に1段のギヤ(内周側ギヤ66)が形成されたものである。
また、図2に示すように、面板40の裏面には、環状の面板ギヤ42が設けられている。
【0015】
図3は、図1(a)の3−3線断面図である。
面板40の内面には溝402が設けられており、組立状態ではこの溝402にハウジング20の案内ローラ201が受入れられて、面板40が安定して回転するようにされている。
モータMの回転は、後述するギヤボックス30内のギヤを介して面板ギヤ42に伝達される。すなわち、モータMが回転すると面板40は常に回転し、変速ギヤリング60は面板40に連れ回りする。
【0016】
図4は、図1(a)の4−4線断面図であり、本発明の切断・開先加工装置10におけるバイトホルダ50の送り・戻し機構について説明するための図である。
面板40のバイトホルダ50が位置する部分には、ベアリングを介して動力伝達軸70が回転可能に取付けられている。
この動力伝達軸70の一方の端部にはベベルギヤ72が、他方には端部ギヤ74が設けられている。
また、端部ギヤ74は、変速ギヤリング60の内周側ギヤ66と噛合っている。すなわち、変速ギヤリング60が面板40に対して相対的に回転すれば、それに伴って動力伝達軸70が回転するようになっている。
【0017】
バイトホルダ50は、送りギヤ82を具えた送りねじ軸80を具えており、送りギヤ82が動力伝達軸70のベベルギヤ72と噛合って回転することにより、バイトホルダ50が図4の矢印方向へ進退動するようになっている。
また、動力伝達軸70の端部ギヤ74は、変速ギヤリング60の内周側ギヤ66と噛合って回転するようになっているため、面板40に設けた2つのバイトホルダ50,50は同期して移動する。
【0018】
以上の通り、本発明の切断・開先加工装置10におけるバイトホルダ50の送り・戻り機構は、従来のもののように固定側のピンと回転側のスターホイールとの衝突によるものではなく、モータの回転が各部材(変速ギヤリング60、動力伝達軸70、及び送りねじ軸80)に伝達されることによって行なわれるようになっている。
そのため、切断・開先加工装置10の作動中であっても、何らかの衝撃が発生したり、作業者が装置に巻込まれたりする恐れはない。
また、バイトホルダ50を所定の速度で確実に移動させることができる。
【0019】
図5、及び図6は、本発明の切断・開先加工装置10におけるギヤボックス30の構成を示し、図5はカバーを外した状態の正面図であり、図1(a)を矢印方向から見たものに相当し、図6は図5の斜視図である。但し、図6では、歯車の歯形の図示を省略している。
なお、図5において、符号mgは、キーによってモータMの回転軸(図示せず。)と連結されたメインギヤ、符号agはメインギヤmgを安定して回転させるための補助ギヤであり、補助ギヤagは、面板40の回転、及びバイトホルダ50の送り・戻しには寄与していない。
【0020】
図5、及び図6に示すように、ギヤボックス30には、従動ギヤ32、面板回転ギヤ34、2つの複合ギヤ306a,306b、及び2つの伝達ギヤ308a,308bが配置されている。
1つの複合ギヤ306a(306b)と1つの伝達ギヤ308a(308b)によって、バイトホルダ50の高速送り、及び低速送りを行なうための送り専用ギヤ群310b、及びバイトホルダ50の高速送り、及び高速戻しを行なうための高速送り戻しギヤ群310aがそれぞれ構成されている。
従動ギヤ32は、メインギヤmgと面板回転ギヤ34と常に噛合っており、メインギヤmgの回転を面板回転ギヤ34に伝達するためのものである。
【0021】
送り専用ギヤ群310bと、高速送り戻しギヤ群310aの動作は、ほぼ同一であり、歯数の異なるギヤを噛合わせることによって、バイトホルダ50の高速送り、低速送り、及び高速戻しを行なうようにされている。
【0022】
バイトホルダの高速送り、及び低速送りを行なうための送り専用ギヤ群310bについて、図7を用いて説明する。
なお、図7、及び後に説明する図8は、図5の7−7線断面図、8−8線断面図に相当し、併せてハウジング20、面板40、変速ギヤリング60、及びモータMを図示したものである。
複合ギヤ306bは、シャフト端部に設けられメインギヤmgと噛合う第1ギヤ316b、シャフトにスプライン嵌合され、軸方向に移動可能にされた第2ギヤ326b、及び第3ギヤ336bからなり、第1ギヤ316bを介してモータMの回転が伝達されている。
伝達ギヤ308bは、歯数の異なる2つのギヤ(大径伝達ギヤ318bと小径伝達ギヤ328b)からなり、両伝達ギヤ318b,328bが変速ギヤリング60の小径ギヤ64と大径ギヤ62にそれぞれ噛合うように、各伝達ギヤ318b,328bの軸を異ならせている。すなわち、2つの伝達ギヤ318b,328bは、それぞれ別体で形成されている。
【0023】
シャフトにスプライン嵌合された第2ギヤ326b及び第3ギヤ336bを、図7の上方向にスライドさせると、複合ギヤ306bの第2ギヤ326bと大径伝達ギヤ318bとが噛合い、モータMの回転が変速ギヤリング60の小径ギヤ64に伝達される。
一方、複合ギヤ306bの第2ギヤ326b及び第3ギヤ336bを、図7の下方向にスライドさせると、複合ギヤ306bの第3ギヤ336bと小径伝達ギヤ328bとが噛合い、モータMの回転が変速ギヤリング60の大径ギヤ62に伝達される。
【0024】
複合ギヤ306bが、歯数の異なる大径伝達ギヤ318bと小径伝達ギヤ328bのどちらと噛合うかによって、変速ギヤリング60の大径ギヤ62に伝達される回転数は異なる。すなわち、モータMの回転数が同じであっても、モータMの回転が大径伝達ギヤ318bを介して変速ギヤリング60に伝達されると、変速ギヤリング60は面板40に相対的に高速回転させられ、モータMの回転が小径伝達ギヤ328bを介して変速ギヤリング60に伝達されると、変速ギヤリング60は、面板40に相対的に低速回転させられる。しかし、いずれの場合も、変速ギヤリング60は、面板40より速く回転する。
前述の通り、面板40に対して変速ギヤリング60が回転することによって、動力伝達軸70を介してバイトホルダ50が移動するようになっている。
【0025】
ここで、面板40に設けられた面板ギヤ42の歯数をZとすると、変速リングギヤ60の大径ギヤ62の歯数はZ−2枚、小径ギヤ64の歯数はZ−4枚である。すなわち、変速ギヤリング60を同じ歯数のギヤで回転させると、面板ギヤ43に対して大径ギヤ62と、小径ギヤ64とでは歯数の差の分だけ回転の差が生じる。
バイトホルダ50は、このような回転の差によって移動するようにされており、モータMの回転が小径ギヤ64を介して動力伝達軸70に伝達される場合には、一回転で歯4枚分だけ動力伝達軸70が回転し、モータMの回転が大径ギヤ62を介して動力伝達軸70に伝達される場合には、一回転で歯2枚分だけ動力伝達軸70が回転する。
このように、変速ギヤリング60に伝達される回転数が面板40よりも早いとバイトホルダは送られ、その送り速度は変速ギヤリング60との回転数の差による。
【0026】
次に、バイトを加工位置に早く送ったり、加工が終わったバイトを早く戻すための、バイトホルダ50の高速送り、及び高速戻しを行なうための高速送り戻しギヤ群310aについて、図8を用いて説明する。
高速送り戻しギヤ群310aは、前述の送り専用ギヤ群310bと同様に、第1ギヤ316a、第2ギヤ326a、及び第3ギヤ336aからなる複合ギヤ306aと、大径伝達ギヤ318aと小径伝達ギヤ328aからなる伝達ギヤ308aを有するが、大径伝達ギヤ318aと小径伝達ギヤ328aは同軸で、一体に形成されている点において、図7のものとは異なる。
また、図に示すように、変速リングギヤ60の大径ギヤ62は、伝達ギヤ308aと接触することはない。
【0027】
この高速送り戻しギヤ群310aの構成によると、変速ギヤリング60と連結している動力伝達軸70の回転が面板40の回転に対して相対的に早い場合に、バイトホルダ50は送られ、動力伝達軸70の回転が面板40の回転に対して相対的に遅い場合に、バイトホルダ50は戻される。
すなわち、バイトホルダ50を戻す場合には、シャフトにスプライン嵌合された第2ギヤ326a及び第3ギヤ336aを図8の上方向にスライドさせ、複合ギヤ306aの第2ギヤ326aと大径伝達ギヤ318aとを噛合わせ、モータMの回転が変速ギヤリング60の小径ギヤ64に伝達されるようにする。
一方、バイトホルダ50を送る場合は、複合ギヤ306aの第2ギヤ326a及び第3ギヤ336aを図8の下方向にスライドさせ、複合ギヤ306aの第3ギヤ336aと小径伝達ギヤ328aとを噛合わせ、大径伝達ギヤ318aを介して、モータMの回転が変速ギヤリング60の小径ギヤ64に伝達されるようにする。
【0028】
以上に説明した、送り専用ギヤ群310b、及び高速送り戻しギヤ群310aの複合ギヤ306b,306aの軸には、複合ギヤ306b,306aを軸方向に移動させるための支持腕Ab,Aaが取付けられており、図6に示すように、各支持腕Ab,Aaは、それぞれロッドRb,Raを介して各レバーLb,Laに連結されている。
そして、作業者がレバーLb,Laを作動させることによって、送り専用ギヤ群310b、又は高速送り戻しギヤ群310aの複合ギヤ306b,306aを軸方向に移動させ、バイトホルダ50の高速送り、低速送り、及び高速戻しを行なうようにされている。
【0029】
ここで、図7、及び図8は、複合ギヤ306b,306aの第2ギヤ326b,326aと第3ギヤ336b,336aの両方が、伝達ギヤ308b,308aに噛合っておらず、複合ギヤ306b,306aが、いわゆる中立位置にある状態を示している。
このとき、モータMの回転は動力伝達軸70に伝達されず、面板40と変速ギヤリング60だけが回転するようになっている。
従って、この状態では、バイトホルダ50,50は進退動しない。
【0030】
図6に示すように、2つのロッドRa,Rbは、レバーLa,Lbの操作によってそれぞれ独立して軸方向に回転するようにされているとともに、その端部で互いに接触している。
また、図1(a)に示すように、レバーLa,Lbは、切替段部921a,922a,921b,922b、及び中立部94a,94bを有する孔90a,90bを介してそれぞれ装置外に突出しており、この切替段部921a、922a,921b,922b、及び中立部94a,94bによって操作したレバーLa,Lbの状態が保持されるようになっている。
図1(a)において、孔90aから突出するレバーLaは高速送り戻しギヤ群に連結されており、レバーLaを切替段部921aに係合させると高速戻しが、切替段部922aに係合させると高速送りがなされるようにされている。
一方、孔90bから突出するレバーLbは送り専用ギヤ群に連結されており、レバーLbを切替段部921bに係合させると高速送りが、切替段部922bに係合させると低速送りがなされるようにされている。
なお、図1(a)では、レバーLa,Lbの図示を省略した。
【0031】
ここで、一方のレバーLa(Lb)を切替段部921a、又は922a(92b、922b)に係合させると、一方のレバーLa(Lb)に連結されたロッドRa(Rb)が他方のロッドRb(Ra)を押し、他方のレバーLb(La)が中立部94b(94a)に係合するようにされている。
そのため、レバーLa(Lb)の操作によって、一方の複合ギヤ306a(306b)が伝達ギヤ308a(308b)と噛合っている場合には、他方の複合ギヤ306b(306a)が伝達ギヤ308b(308a)と噛合わないようにされている。
従って、誤って両方の複合ギヤ306a,306bが、伝達ギヤ308a,308bと噛合うことはない。
一方、レバーLa,Lbを両方とも中立部94a,94bに位置させることは可能である。この状態では、モータMの回転は動力伝達軸70に伝えられないため、バイトホルダ50,50は進退動しない。
なお、孔90a,90bの形状や、孔90a,90bに設ける切替段部921a,922a,921b,922bの数は、図1(a)に示す以外のものであってもよいことは言うまでもない。
【0032】
また、これらのレバーLa,Lbをエアーシリンダーなどで駆動させるようにすれば、切断・開先加工装置10を遠隔操作したり、自動化することができるので、原子力施設や汚染された環境内で作業する場合に適している。
【0033】
【発明の効果】
上記の構成により、本発明の切断・開先加工装置は、振動や騒音を発生させることなく、加工用の工具を確実に進退動させることができるという顕著な効果を奏する。
かくして、加工精度が向上し、且つ、安全に作業を行なうことができるという効果を奏する。
【0034】
また、レバーの操作によって、簡単に工具ホルダの高速送り、低速送り、及び高速戻しを行なうことができる。
その結果、加工開始時に加工対象物の近傍まで工具を高速で移動させたり、加工終了後に工具を元の位置まで戻すための時間を著しく短縮することができるという効果がある。
【0035】
そして、複数の工具ホルダは同期して進退動し、また、高速戻しを行なうことができるため工具ホルダを取外す必要もないので、複数の工具ホルダの相対的な位置は、常にずれることがない。
【0036】
また、請求項4のように、モータと面板の間にクラッチを設けておくと、加工対象物へ取付けて芯出し作業をする際、いちいち、モータを取外す必要がないので、芯出し作業が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の切断・開先加工装置を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図。
【図2】 図1の装置の要部の分解斜視図。
【図3】 図1(a)の3−3線断面図。
【図4】 図1(a)の4−4線断面図。
【図5】 カバーを外した状態におけるギヤボックスの正面図。
【図6】 図5の斜視図。
【図7】 図5の7−7線断面図に相当し、バイトホルダの高速送り、及び低速送りを行なうための送り専用ギヤ群について説明するための図。
【図8】 図5の8−8線断面図に相当し、バイトホルダの高速送り、及び高速戻しを行なうための高速送り戻しギヤ群について説明するための図。
【符号の説明】
10:切断・開先加工装置
20:ハウジング
30:ギヤボックス
310a:送り専用ギヤ群
310b:高速送り戻しギヤ群
40:面板
42:面板ギヤ
50:工具ホルダ(バイトホルダ)
500:工具(バイト)
60:変速ギヤリング
62:大径ギヤ
64:小径ギヤ
70:動力伝達軸
Aa,Ab:支持腕
Ra,Rb:ロッド

Claims (5)

  1. 加工対象物の外側に取付けられるハウジングと、該ハウジングの前面に回転可能に設けられた面板と、該面板に取付けられ、工具を保持する少なくとも1つの工具ホルダと、ギヤボックスと、モータとを具え、
    前記ギヤボックス内に、前記面板を回転させるギヤと、前記工具ホルダを進退動させる動力伝達軸に連結されたギヤが配置され、
    前記面板を回転させるギヤの歯数と前記動力伝達軸を回転させるギヤの歯数が異なり、
    前記動力伝達軸を回転させるギヤの組合せを変えることにより、前記面板を回転させるギヤと前記動力伝達軸を回転させるギヤの歯数の差を変え、
    かくして、前記面板の回転速度に対する前記動力伝達軸の回転方向と回転速度を相対的に変え、
    前記工具ホルダの高速送り、低速送り、及び高速戻しを行なうことを特徴とする、
    切断・開先加工装置。
  2. 前記面板の裏面に環状の面板ギヤが設けられ、該面板ギヤが前記ギヤボックス内のギヤと噛合うことによって前記面板が常に回転するようになっており、
    前記ハウジングには、環状で、外周面に径の異なる2つのギヤが、内周面に1つのギヤが設けられた変速ギヤリングが配置され、
    前記動力伝達軸は、前記ギヤボックス内の送り専用ギヤ群、及び高速送り戻しギヤ群を介して回転するようになっており、
    前記送り専用ギヤ群、及び高速送り戻しギヤ群は、複数のギヤからなる複合ギヤと、該複合ギヤと噛合い、径の異なる2つのギヤからなる伝達ギヤからなり、
    前記複合ギヤを構成するギヤと伝達ギヤを構成するギヤの組合せにより、前記面板を回転させるギヤの歯数と前記動力伝達軸を回転させるギヤの歯数の差が生じるようになっている、
    請求項1の切断・開先加工装置。
  3. 前記送り専用ギヤ群、及び高速送り戻しギヤ群の複合ギヤに前記複合ギヤを軸方向に移動可能に支持する支持腕が設けられ、
    前記各支持腕にはそれぞれロッドを介してレバーが設けられ、
    前記レバーが前記ギヤボックスから突出しており、
    前記レバーによって、前記送り専用ギヤ群、及び高速送り戻しギヤ群の、前記複合ギヤを構成するギヤと伝達ギヤを構成するギヤの組合せを変えるようになっている、請求項1又は2の切断・開先加工装置。
  4. 前記モータと前記面板との間にクラッチが設けられ、前記モータを取外すことなく前記面板を回転させることができるようになっている、請求項1から3のいずれかの切断・開先加工装置。
  5. 前記送り専用ギヤ群の複合ギヤと伝達ギヤ、及び前記高速送り戻しギヤ群の複合ギヤと伝達ギヤとが同時に噛合わないように、前記ロッドによって前記レバーの移動が規制されている、請求項1から4のいずれかの切断・開先加工装置。
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