JP2011036963A - 薄型切断・開先加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】管状加工対象物の外側に取付けられるハウジングと、ハウジングの前面に回転可能に設けられた面板と、面板に取付けられた工具を保持する工具ホルダと、ギヤボックスと、モータとを備え、ギヤリングにおける内周側ギヤと動力伝達ギヤにおける端部ギヤとが噛合っている部分の面板の前面からの最短距離をXとし、ギヤリングにおける外周側ギヤと伝達ギヤにおける第1ギヤとが噛合っている部分の面板の前面からの最短距離をZとした場合、X≦Zの関係を満たすことで、面板およびハウジングの幅および厚さを薄くし得る構造を備えている、切断・開先加工装置。
【選択図】図6
Description
この切断・開先加工装置は、加工対象である配管の加工部外側に取付けられて、配管の切断または開先加工を行うものであり、固定部、回転体および刃物を有する。固定部は配管の外側に固定され、固定部の前面には配管の外周の周りに回転可能にされた回転体が取付けられている。また、固定部には径方向内側に突出するピンが固定されている。
すなわち本発明は、ギヤボックス内のギヤの組合せにより、面板と工具ホルダに接続されるギヤの歯数の差を生じさせることで、面板上で工具ホルダを確実に進退動させることができ、工具ホルダが移動する際に装置が振動したり騒音が発生したりすることがなく、また、加工精度が高く、かつ、安全に作業を行うことができ、さらに、工具ホルダを取外す必要もなく複数の工具ホルダの相対的な位置が常にずれることがなく、加えて、装置自体がコンパクト化および軽量化された切断・開先加工装置を提供することを目的とする。
本発明は次に示す(1)および(2)である。
(1)管状加工対象物の外側に取付けられるハウジングと、前記ハウジングの前面に回転可能に設けられた面板と、前記面板に取付けられた工具を保持する工具ホルダと、ギヤボックスと、モータとを備え、前記面板は、その外周面の一部に面板ギヤが形成されており、前記面板には、前記工具ホルダにおける工具を送り移動または戻し移動させるための動力伝達ギヤが、その内部に埋め込まれるように設けられており、さらに、外周面および内周面の各々の一部に外周側ギヤおよび内周側ギヤが各々形成されたギヤリングが前記面板に対して回転可能に設けられており、前記動力伝達ギヤはベベルギヤおよび端部ギヤを有し、前記動力伝達ギヤにおける端部ギヤと前記ギヤリングにおける内周側ギヤとが噛合っており、前記ギヤリングにおける外周側ギヤと前記ギヤボックス内の伝達ギヤにおける第1ギヤとが噛合っており、前記伝達ギヤが回転することで前記ギヤリングが回転し、さらに動力伝達ギヤも回転して前記工具の送り移動または戻し移動が行われる構造を備えており、前記ギヤボックス内に、前記モータと連結するメインギヤと、前記メインギヤと噛合っている第1ギヤならびに軸方向に移動可能な大径の第2ギヤおよび小径の第3ギヤを有する複合ギヤと、前記複合ギヤにおける前記第1ギヤおよび前記面板における前記面板ギヤと噛合っている面板回転用ギヤと、小径の前記第1ギヤおよび大径の第2ギヤを有し前記ギヤリングにおける前記外周側ギヤと噛合う伝達ギヤとを有し、前記複合ギヤにおける第2ギヤと前記伝達ギヤにおける第1ギヤとを噛合わせて、前記ギヤリングを前記面板に対して相対的に高速回転させ、前記工具ホルダにおける工具を送り移動させるか、もしくは、前記複合ギヤにおける第3ギヤと前記伝達ギヤにおける第2ギヤとを噛合わせて、前記ギヤリングを前記面板に対して相対的に低速回転させ、前記工具ホルダにおける工具を戻り移動させるか、または、前記複合ギヤにおけるいずれのギヤも前記伝達ギヤにおける各ギヤとは噛合わせず、送り移動も戻り移動も行わないか、いずれかを選択できる構造を備えており、前記ギヤリングにおける前記内周側ギヤと前記動力伝達ギヤにおける端部ギヤとが噛合っている部分の前記面板の前面からの最短距離をXとし、前記ギヤリングにおける前記外周側ギヤと前記伝達ギヤにおける第1ギヤとが噛合っている部分の前記面板の前面からの最短距離をZとした場合、X≦Zの関係を満たすことで、前記面板および前記ハウジングの幅および厚さを薄くし得る構造を備えている、切断・開先加工装置。
(2)前記面板ギヤと前記面板回転用ギヤとが噛合っている部分の前記面板の前面からの最短距離をYとした場合、X≦Y≦Zの関係を満たすことで、前記面板および前記ハウジングの幅および厚さを薄くし得る構造を備えている、上記(1)に記載の切断・開先加工装置。
以下では本発明の切断・開先加工装置を「本発明の装置」ともいう。
図1は、本発明の装置10であり、図1(a)は概略正面図、図1(b)は配管に取付けた状態における概略側面図である。
本発明の装置10は、従来のものと同じく2つ割りになっており、ハウジング20、ギヤボックス30、面板40、バイトホルダ50およびモータMを有している。ここでバイトホルダ50は本発明における工具ホルダに属する。
また、図1において本発明の装置10は、ハウジング20の内周側に設けられた複数のフットHによって配管Pを内側に固定している。
なお、本発明の装置10はクラッチを有していてもよいが、無くてもよい。
なお、本発明の装置10はトルクリミッタを有していてもよいが、無くてもよい。無い場合は、後述する送りギヤ82がプラスチック製であることが好ましい。ある一定以上の負荷が掛った場合に、プラスチック製の送りギヤ82が破壊されることで、本発明の装置10に損傷を与えないようにすることができる。
なお、本発明において面板の幅とは、図3におけるtを意味するものとする。
図4(b)に示されるように、ギヤリング60において内周側ギヤ66は外周側ギヤ62に対して前面側に形成される。このような場合、面板40と組み合わせると、面板40の前面側に内周側ギヤ66が、面板40の裏面側に外周側ギヤ62が存することとなり、このような構成であると、面板40およびハウジング20の幅および厚さを薄くすることができる。この点については後に詳細に説明する。
本発明の装置においては、X=Zとなる態様、例えば図7に示すような態様であってもよいが、この場合は幅t(図7においては幅をt´で示している)を小さくすることは困難である(t<t´となっている。)。図7に示すように、これは動力伝達ギヤ70の裏面側に案内ローラ201を受け入れる溝402を形成することが困難であるからである。ただし図7に示すような態様であっても、例えば特許文献1に記載の態様と比較して厚さd(図7においては厚さをd´で示している)を小さくすることは可能である(dとd´とは略同一である)。
このような場合、面板およびハウジングの幅(t)および厚さ(d)を薄くし得るので、本発明の装置自体をコンパクト化および軽量化することができる。
また、図7に示した態様の本発明の装置10を製造したところ、t´=114mm、d´=92mmとすることができた。
X≦Y≦Zの関係を満たす図6に示した態様の本発明の装置10であれば、t=50〜120mm(好ましくは70〜90mm、より好ましくは85mm程度)であって、d=50〜95mm(好ましくは60〜85mm、より好ましくは75mm程度)のものを得ることができる。
図8および図9は、本発明の切断・開先加工装置10におけるギヤボックス30内の構成を示し、図8はカバーを外した状態の正面図であり、図9は図1(a)を矢印方向から見た場合のギヤボックス(カバーを外した状態)の概略斜視図である。ただし、図9では、レバーのカバー等およびメインギヤmgを省略し、さらに全ての歯車ギヤの歯形の図示を省略している。
また、図10は図8のa―b線断面図であり、図11は図8のa−a線断面図である。
また、メインギヤmgは複合ギヤ32の第1ギヤ321と常に噛合っている。
また、複合ギヤ32は、シャフト端部に設けられメインギヤmgと噛合う第1ギヤ321、ならびにシャフトにスプライン嵌合され軸方向に移動可能にされた、第2ギヤ322および第3ギヤ323を有しており、第1ギヤ321を介してモータMの回転が伝達される。第2ギヤ322と第3ギヤ323とは歯数が異なり、第2ギヤ322が大径ギヤであり、第3ギヤ323が小径ギヤである(図10、11参照)。
そして、第2ギヤ322と第3ギヤ323との間に挟まれるように支持腕Aaが取り付けられている(図8、図9)。支持腕AaはアームAmを介してギヤボックス30の側面に取り付けられたレバーLと連結されており、レバーLを図8、図9における矢印方向へ動かすことで、第2ギヤ322および第3ギヤ323を図11における左右方向へ動かすことができる構造となっている。
一方、レバーLを図8における下方向へ動かすと、シャフトにスプライン嵌合された第2ギヤ322および第3ギヤ323は図11における右方向へスライドし、第3ギヤ323が、伝達ギヤ36における第2ギヤ362と噛合う。そして、モータMの回転がギヤリング60の外周側ギヤ62に伝達される。
メインギヤmg:50
複合ギヤ32における第1ギヤ321:36
複合ギヤ32における第2ギヤ322:36
複合ギヤ32における第3ギヤ323:34
面板回転用ギヤ:26
伝達ギヤ36における第1ギヤ361:28
伝達ギヤ36における第2ギヤ362:30
面板40における面板ギヤ42:260
ギヤリングにおける外周側ギヤ62:258
ギヤリングにおける内周側ギヤ66:240
動力伝達ギヤ70における端部ギヤ74:20
動力伝達ギヤ70におけるベベルギヤ72:20
送りギヤ82:30
図1(a)に示すように、レバーLは、切替段部(901、903)および中立部902を有する孔90を介して装置外に突出しており、この切替段部(901、903)および中立部902によって操作したレバーLの状態が保持されるようになっている。
図1(a)において、孔90から突出するレバーLは複合ギヤ32における第2ギヤ322と第3ギヤ323との間に挟まれるように連結されており、レバーLを切替段部901に係合させるとバイト500の送りが、切替段部903に係合させると戻しがなされるようにされている。なお、図1(a)では、レバーLの図示を省略している。
なお、孔90の形状や、孔90に設ける切替段部(901,903)の数等は、図1(a)に示す以外のものであってよい。
20 : ハウジング
201: 案内ローラ
30 : ギヤボックス
32 : 複合ギヤ
321: 第1ギヤ
322: 第2ギヤ
323: 第3ギヤ
34 : 面板回転用ギヤ
36 : 伝達ギヤ
361: 第1ギヤ
362: 第2ギヤ
40 : 面板
402: 溝
42 : 面板ギヤ
50 : バイトホルダ(工具ホルダ)
500: バイト(工具)
60 : ギヤリング
62 : 外周側ギヤ
66 : 内周側ギヤ
70 : 動力伝達ギヤ
72 : ベベルギヤ
74 : 端部ギヤ
80 : 送りねじ軸
82 : 送りギヤ
90 : 孔
901: 切替段部
902: 中立部
903: 切替段部
Aa : 支持腕
Am : アーム
M : モータ
H : フット
P : 配管
C : クラッチ
T : トルクリミッタ
S : 目盛盤
X :内周側ギヤ66と端部ギヤ74とが噛合っている部分の面板の前面からの最短距離
Y :面板ギヤ42と面板回転用ギヤ34とが噛合っている部分の面板の前面からの最短距離
Z :外周側ギヤ62と伝達ギヤ36における第1ギヤ361とが噛合っている部分の面板の前面からの最短距離
t、t´:面板およびハウジングの幅
d、d´:面板およびハウジングの厚さ
mg :メインギヤ
L :レバー
Claims (2)
- 管状加工対象物の外側に取付けられるハウジングと、前記ハウジングの前面に回転可能に設けられた面板と、前記面板に取付けられた工具を保持する工具ホルダと、ギヤボックスと、モータとを備え、
前記面板は、その外周面の一部に面板ギヤが形成されており、前記面板には、前記工具ホルダにおける工具を送り移動または戻し移動させるための動力伝達ギヤが、その内部に埋め込まれるように設けられており、さらに、外周面および内周面の各々の一部に外周側ギヤおよび内周側ギヤが各々形成されたギヤリングが前記面板に対して回転可能に設けられており、前記動力伝達ギヤはベベルギヤおよび端部ギヤを有し、前記動力伝達ギヤにおける端部ギヤと前記ギヤリングにおける内周側ギヤとが噛合っており、前記ギヤリングにおける外周側ギヤと前記ギヤボックス内の伝達ギヤにおける第1ギヤとが噛合っており、前記伝達ギヤが回転することで前記ギヤリングが回転し、さらに動力伝達ギヤも回転して前記工具の送り移動または戻し移動が行われる構造を備えており、
前記ギヤボックス内に、前記モータと連結するメインギヤと、前記メインギヤと噛合っている第1ギヤならびに軸方向に移動可能な大径の第2ギヤおよび小径の第3ギヤを有する複合ギヤと、前記複合ギヤにおける前記第1ギヤおよび前記面板における前記面板ギヤと噛合っている面板回転用ギヤと、小径の前記第1ギヤおよび大径の第2ギヤを有し前記ギヤリングにおける前記外周側ギヤと噛合う伝達ギヤとを有し、
前記複合ギヤにおける第2ギヤと前記伝達ギヤにおける第1ギヤとを噛合わせて、前記ギヤリングを前記面板に対して相対的に高速回転させ、前記工具ホルダにおける工具を送り移動させるか、もしくは、前記複合ギヤにおける第3ギヤと前記伝達ギヤにおける第2ギヤとを噛合わせて、前記ギヤリングを前記面板に対して相対的に低速回転させ、前記工具ホルダにおける工具を戻り移動させるか、または、前記複合ギヤにおけるいずれのギヤも前記伝達ギヤにおける各ギヤとは噛合わせず、送り移動も戻り移動も行わないか、いずれかを選択できる構造を備えており、
前記ギヤリングにおける前記内周側ギヤと前記動力伝達ギヤにおける端部ギヤとが噛合っている部分の前記面板の前面からの最短距離をXとし、前記ギヤリングにおける前記外周側ギヤと前記伝達ギヤにおける第1ギヤとが噛合っている部分の前記面板の前面からの最短距離をZとした場合、X≦Zの関係を満たすことで、前記面板および前記ハウジングの幅および厚さを薄くし得る構造を備えている、切断・開先加工装置。 - 前記面板ギヤと前記面板回転用ギヤとが噛合っている部分の前記面板の前面からの最短距離をYとした場合、X≦Y≦Zの関係を満たすことで、前記面板および前記ハウジングの幅および厚さを薄くし得る構造を備えている、請求項1に記載の切断・開先加工装置。
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