JP5355855B2 - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関し、より詳しくは、活性層に窒化物系化合物半導体を使用して青色よりも長波長の可視波長帯の光を出力できる半導体発光素子及びその製造方法に関する。
発光波長が480nmより短い半導体発光素子として、InGaNを活性層に用いたリッジ構造の半導体レーザが例えば下記の特許文献1に記載され、また、インナーストライプ構造の半導体レーザが例えば特許文献2に記載されている。
特許文献1には、GaN基板の(0001)面以外の面を主面として、その主面上にクラッド層、活性層を形成することが記載されている。また、特許文献2には、GaN、AlN、SiCの基板のc面を微傾斜させた面の上にクラッド層と活性層を形成することが記載されている。
非特許文献1には、(11_22)面を主面にしたGaN基板を使用して、その主面の上にクラッド層、活性層等を成長することが記載され、これによりInGaN活性層の圧電分極を低減して発光効率を高くすることが記載されている。
なお、(11_22)面のうち、アンダーバー“_”表記はアンダーバーに続く数字のオーバーラインを意味するものとする。以下の記載でも同様である。
特許文献3には、(0001)面を主面にしたGaN基板を使用し、その主面上にGaN層を凸状に選択成長することによりGaN層の斜面に現れる(11_22)面上にクラッド層と活性層を成長してリッジストライプ構造の半導体レーザを形成することが記載されている。(11_22)面は半極性面であり、圧電分極を減らして電流密度の上昇による発光波長の変動幅を小さくするとともに、ピエゾ電界を弱めて内部量子効率も高くなる。
特開2003−158297号公報 特開2001−230497号公報 特開2006−128661号公報 日経エレクトロニクス2006年8月14日号、65〜70頁
ところで、InGaNを用いた半導体発光素子で、青色よりも長波長の緑色発光を得るためには、活性層の禁制帯幅を狭くすればよく、その手法の1つとしてIn組成比を大きくすることが考えられる。しかし、Inの組成比を大きくするとInNとGaNの結合長が約11%異なることから相分離が生じて、均一なIn組成を有する活性層を形成することが困難であり、発光効率が低下する。
また、特許文献1、2と非特許文献1に記載のように、半導体発光素子を作製する際に用いるGaN基板として大口径の(11_22)面を主面とした基板が未だ存在せず、しかも、GaN基板は低価格化が難しく、半導体発光素子の普及が困難である。また、大型のGaNバルク単結晶成長は未だ実現されておらず、サファイア基板上にハイドライド気相エピタキシー(HVPE)法によりGaN厚膜を堆積した後、サファイア基板のみを剥がすことにより、GaN自立基板を得ているのが現状である。
特許文献1では、基板としてGaNに加えてSiCやAlNが記載されているが、活性層材料であるInGaNと格子定数が大きく異なるために、均一なIn組成を有するInGaN活性層が形成できず、高い発光効率が得られない。
また、特許文献2では、c軸から傾斜させた基板を用いているが、傾斜角度は13°程度と小さいためにピエゾ電界の抑制が不十分であり、高い発光効率は得られない。
さらに、特許文献3によれば、InGaN活性層のIn組成比を大きくする場合に生じる相分離を抑制することが記載されていない。しかも、特許文献3には、GaN基板を使用することが記載されているが、GaN基板を使用する素子はやはり低価格化が難しい。
本発明の目的は、活性層を構成するInGaNのIn組成比を高くする際に、InGaNと格子定数が近いZnO基板と格子整合系のクラッド層を用いることにより相分離が抑制でき、半極性面である(11_22)面に活性層を形成することにより、ピエゾ電界による発光再結合確率を低くし、青色よりも長波長を有し、低価格化による普及が可能になる半導体発光素子とその製造方法を提供することにある。ZnO基板は、水熱合成法により3インチサイズの大口径バルク単結晶が実現されており、今後安価になると予想される。
上記の課題を解決するための本発明の第1の様態は、c面又はc面から微傾斜した面を主面とした基板であって、該基板の表面をパターニングすることにより形成された凸部を有する酸化亜鉛単結晶基板と、記酸化亜鉛単結晶基板の少なくとも前記凸部の表面に成長して、上面がc面又はc面から微傾斜した面であり、かつ斜面に(11_22)面を有するバッファ層と、前記バッファ層の表面に成長された第1のクラッド層と、前記第1のクラッド層の上に形成された活性層と、前記活性層の上に形成された第2のクラッド層と、前記第2のクラッド層の上に形成されたコンタクト層と、前記(11_22)面の上に形成された前記コンタクト層に電気的に接続される第1の電極と、前記酸化亜鉛単結晶基板の下面に形成された第2の電極とを有する半導体発光素子であって、前記凸部の両側壁は前記酸化亜鉛単結晶基板に対して垂直であり、前記バッファ層は、前記上面と、該上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた前記(11_22)面とを有するものであり、前記第1のクラッド層は、c面又はc面から微傾斜した上面と、該上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた斜面である(11_22)面とを有するものであり、前記活性層は、c面又はc面から微傾斜した上面と、前記上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた斜面である(11_22)面とを有するものであり、前記活性層の前記(11_22)面は、c面とa面とに挟まれた斜面である(11_22)面を下地として成長したものであることを特徴とする半導体発光素子である。
本発明の第4の態様は、前記第1乃至第3の態様のいずれかに係る半導体発光素子において、前記活性層は、InxGa1-x N(0<x<1)からなることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記第4の態様に係る半導体発光素子において、前記InxGa1-x NのうちInの組成比は20%以上とされていることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、前記第1乃至第5の態様のいずれかに係る半導体発光素子において、前記活性層は、量子井戸構造を有していることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、前記第1乃至第6の態様のいずれかに係る半導体発光素子において、前記活性層と前記活性層と前記クラッド層の間に光ガイド層を有していることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、前記第1乃至第7の態様のいずれかに係る半導体発光素子において、前記バッファ層は、Al1-y-z GayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)からなることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、前記第1乃至第7の態様のいずれかに係る半導体発光素子において、前記バッファ層は、Zn1-a-b-cMgaBebCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)からなることを特徴とする。
本発明の第10の態様は、前記第1乃至第9の態様のいずれかに係る半導体発光素子において、前記第1、第2のクラッド層のいずれか一方は、Al1-p-qGapInqN(0≦p<1、0≦q<1、p+q≦1)からなることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、前記第1乃至第9の態様のいずれかに係る半導体発光素子において、前記第1、第2のクラッド層のいずれか一方は、Zn1-a-b-cMgaBebCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)からなることを特徴とする。
本発明の第12の態様は、c面又はc面から微傾斜した面を主面とする酸化亜鉛単結晶基板の上部をパターニングして凸部を形成する工程と、前記凸部の表面に成長して上面がc面又はc面から微傾斜した面であり、かつ斜面に(11_22)面を有するバッファ層を前記凸部の表面に成長する工程と、前記バッファ層の表面に第1のクラッド層を成長する工程と、前記第1のクラッド層の表面に活性層を成長する工程と、前記活性層の上に第2のクラッド層を成長する工程と、前記第2のクラッド層の上にコンタクト層を成長する工程と、前記酸化亜鉛単結晶基板の下面に下側電極を形成する工程と、前記コンタクト層のうち(11_22)面が現れる領域に電気的に接続される上側電極を形成する工程とを有する半導体発光素子の製造方法において、前記バッファ層は、前記上面と、該上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに前記(11_22)面とを有するものであり、前記第1のクラッド層は、c面又はc面から微傾斜した上面と、該上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた斜面である(11_22)面とを有するものであり、前記活性層は、c面又はc面から微傾斜した上面と、前記上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた斜面である(11_22)面とを有するものであり、前記活性層の前記(11_22)面は、c面とa面とに挟まれた斜面である(11_22)面を下地として成長したものであることを特徴とする半導体発光素子の製造方法である。
本発明の第14の態様は、前記第12又は第13の態様に係る半導体発光素子の製造方法において、前記活性層は、InxGa1-xN(0<x<1)からなることを特徴とする。
本発明の第15の態様は、前記第14の態様に係る半導体発光素子の製造方法において、前記InxGa1-x Nのうち前記インジウム(In)の組成比は20%以上とされていることを特徴とする。
本発明の第16の態様は、前記第12乃至第15の態様のいずれかに係る半導体発光素子の製造方法において、前記活性層は、量子井戸構造を有していることを特徴とする。
本発明の第17の態様は、前記第12乃至第16の態様のいずれかに係る半導体発光素子の製造方法において、前記活性層と前記クラッド層の間に光ガイド層を形成する工程を有していることを特徴とする。
本発明の第18の態様は、前記第12又は第13に記載の半導体発光素子の製造方法において、前記バッファ層は、Al1-y-z GayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)からなることを特徴とする。
本発明の第19の態様は、前記第12又は第13に記載の半導体発光素子の製造方法において、前記バッファ層は、Zn1-a-b-cMgaBebCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)からなることを特徴とする。
本発明の第20の態様は、前記第12乃至第19のいずれかの半導体発光素子の製造方法において、前記第1、第2のクラッド層のいずれか一方は、Al1-p-qGapInqN(0≦p<1、0≦q<1、p+q≦1)からなることを特徴とする。
本発明の第21の態様は、前記第12乃至第19のいずれかの半導体発光素子の製造方法において、前記第1、第2のクラッド層のいずれか一方は、Zn1-a-b-cMgaBebCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)からなることを特徴とする。
本発明によれば、酸化亜鉛(ZnO)単結晶基板のうちc面又はc面から微傾斜した面を主面として使用し、その上に(11_22)面を斜面とする凸部を形成し、さらにその凸部に下部クラッド層、活性層、上部クラッド層、コンタクト層を形成するようにした。
(11_22)面を下地として形成された半導体レーザは、外部量子効率を高めることができるとともに、電流密度が高くなるにつれて発光波長が短くなるブルーシフト現象を抑制することができる。
また、(11_22)面を下地として形成された半導体レーザの活性層のピエゾ電界は比較的小さくなるので、発光再結合確率を高くして内部量子効率を高めることが可能になる。しかも、活性層のInGaNに近い格子定数を有するZnO基板および格子整合系のクラッド層を用いることにより、活性層内で相分離が生じ難くなってIII-V族窒化物半導体のIn組成比を20%以上にすることが可能になる。
また、格子整合系のZnO基板およびクラッド層を用いることにより、(11_22)面活性層の貫通転位密度を低減することができる。さらに、主面がc面またはその面から微傾斜した酸化亜鉛基板を用いても、(11_22)面を下地とした半導体の成長が可能になるので、安価な基板の使用による発光波長480nm以上、例えば緑色波長域で発光する光デバイスの普及が可能になる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1、図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。
まず、図1(a)に示すように、(0001)面であるc面を主面1fとするウルツ鉱型結晶の酸化亜鉛(ZnO)基板1を用意する。
その主面1fの上にフォトレジストRを塗布した後に、フォトレジストRを露光、現像して幅が数μm〜数十μmのストライプ形状のパターンを形成する。ここで、主面1fは、c面から微傾斜、例えば±5°以内程度に傾斜させたオフ面であってもよい。
ストライプ形状のパターニングは、<1_100>軸(m軸)と等価な方向に平行である。これにより、半導体レーザ素子を作製した際にm面に端面形成できる。
次に、図1(b)に示すように、フォトレジストRをマスクにしてZnO基板1の主面1fを反応性イオンエッチング(RIE)、誘導結合型(ICP)エッチング等のドライエッチング法によりエッチングして、フォトレジストRの下にZnOの例えば断面が四角形の凸部1aを形成する。エッチングガスとして、例えばアルゴン(Ar)、メタン(CH4)の混合ガスを使用する。この場合、ZnO基板1のうちエッチングされて露出した面はc面又はその微傾斜面となる。
図1(c)に示すようにフォトレジストRを溶剤により除去した後に、
ZnO表面の平坦化処理を行う。具体的には、例えば、酸化ジルコニア等の無機材質平板でZnO基板1を挟んで大気中で熱処理を行う。例えば、1000℃で2時間程度で行う。
あるいは、図1(c)に示すようにフォトレジストRを溶剤により除去した後に、成長チャンバー内に導入して、真空中で1000℃で60分程度サーマルクリーニングを実施しても良い。
次に、図1(d)に示すように、ZnO基板1から露出している凸部1aの表面とその周囲のc面又はその微傾斜面上にRFMBE(Radio Frequency Molecular Beam Epitaxy)法によりn型InGaNよりなるバッファ層2を形成する。RFMBE法は、RF(高周波)ラジカルセルを有する装置を用いて行われる。RFMBE法によって、セル内部に窒素ガスを導入して、成長に関与する窒素ラジカル種を生成して基板へ供給することができる。
その際、ZnO基板とInGaNバッファ層との界面反応を抑制するためにIII族原料と窒素ラジカルの供給は同時に行い、低温で成長するのが好ましい。
InGaNの成長温度Tgは、750℃未満、例えば400〜600℃に設定され、プラズマ電力Pは300〜500Wに設定される。III族原料としては、高純度のIn及びGa金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて基板に供給する。V族原料として、N2ガスを1〜5sccmの流量でRFラジカルセルに導入して窒素ラジカルを生成してZnO基板1に供給する。また、n型ドーパントとしてSiを用いる。
バッファ層2において、凸部1a上面の上はc面であり、凸部1aの上部の両角から成長する面は(11_22)面である半極性面となり、凸部1aの両側方の面は(11_20)面であるa面となり、さらに、凸部1aの前方、後方の両端面は(1_100)面であるm面となる。なお、a面、m面は、非極性面である。
次に、図1(e)に示すように、RFMBE法によりn型AlGaInNの下部クラッド層3をバッファ層2上に成長する。
AlGaInNの成長温度Tgは、750℃未満、例えば400〜600℃に設定され、プラズマ電力Pは300〜500Wに設定される。III族原料としては、高純度のIn、Ga及びAl金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて基板に供給する。V族原料として、N2ガスを1〜5sccmの流量でRFラジカルセルに導入して窒素ラジカルを生成してバッファ層2上に供給する。また、n型ドーパントとしてSiを用いる。
さらに、図2(a)に示すように、RFMBE法により、AlGaInNよりなる第1の光ガイド層4と、InxGa1-xN井戸層/InyGa1-yN障壁層(0<x<1、0<y<1、y<x、x>0.2)よりなる多重量子井戸(MQW)活性層5と、AlGaInNよりなる第2の光ガイド層6とを順に成長する。
第1、第2のガイド層4,6を構成するAlGaInNの成長温度Tgは、750℃未満、例えば400〜600℃に設定され、プラズマ電力Pは300〜500Wに設定される。III族原料としては、高純度のIn、Ga及びAl金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて供給する。V族原料として、N2ガスを1〜5sccmの流量でRFラジカルセルに導入して窒素ラジカルを生成して供給する。
また、活性層5を構成するInxGa1-xN井戸層/InyGa1-yN障壁層の成長温度Tgは、750℃未満、例えば400〜600℃に設定され、プラズマ電力Pは300〜500Wに設定される。III族原料としては、高純度のIn及びGa金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて供給する。V族原料として、N2ガスを1〜5sccmの流量でRFラジカルセルに導入して窒素ラジカルを生成して供給する。なお、井戸層、障壁層ではIn、Gaの供給量は異なる。
次に、図2(b)に示すように、RFMBE法によりp型AlGaInNの上部クラッド層7を第2のガイド層6の上に形成し、さらに、p型InGaNよりなるコンタクト層8を形成する。
上部クラッド層7を構成するAlGaInNの成長温度Tgは、750℃未満、例えば400〜600℃に設定され、プラズマ電力Pは300〜500Wに設定される。III族原料としては、高純度のIn、Ga及びAl金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて供給する。V族原料として、N2ガスを1〜5sccmの流量でRFラジカルセルに導入して窒素ラジカルを生成して供給する。
また、コンタクト層8を構成するInGaNの成長温度Tgは、750℃未満、例えば400〜600℃に設定され、プラズマ電力Pは300〜500Wに設定される。III族原料としては、高純度のIn及びGa金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて基板に供給する。V族原料として、N2ガスを1〜5sccmの流量でRFラジカルセルに導入して窒素ラジカルを生成してZnO基板1に供給する。
上部クラッド層7、コンタクト層8に含有されるp型ドーパントとしてMg、Beや、MgとSiのコドープなどを用いる。
以上のように、下部クラッド層3からコンタクト層8までの各層において、凸部1a上面の上方ではc面となり、凸部1aの上部の両角から斜め上方向に成長する面は(11_22)面である半極性面となり、凸部1aの両側方で成長する面は(11_20)面であるa面となり、さらに、凸部1aの前方、後方に成長する面は(1_100)面であるm面となる。
次に、図2(c)に示すように、ZnO基板1の下面にオーミック接触する下側電極9が形成される。下側電極9は、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム共蒸着(EB)法、スパッタ法等により形成されるTi/Al、Ti/Pt/Au等の複数層構造の金属膜から構成され、成膜後にシンタリング(焼結)される。ZnO基板1はn型導電性を有しており、これによりn型電極を形成することができる。
次に、図2(d)に示す構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、酸化シリコン等の絶縁膜10をプラズマCVD法等によりコンタクト層8の上に堆積させた後、(11_22)面のうち、後の工程でコンタクト層8に接続される電極の形成領域部分の絶縁膜10をフォトリソグラフィー工程により除去する。即ち、図示しないフォトレジストのパターンを用いて、コンタクト層8の両側の斜面、即ち(11_22)面の上にある保護膜10に開口部10a、10bを形成する。絶縁膜10に覆われた部分は、電流が流れないので電流狭窄領域11となる。
続いて、開口部10a、10bを通してコンタクト層8にオーミック接触される上側電極12a、12bを形成する。上側電極12a、12bは、リフトオフ法により形成される。上側電極12a,12bは、抵抗加熱蒸着法、EB法、スパッタ法等により形成されるNi/Au、又はPd/Pt/Auのような複数層構造の金属膜から構成される。また、上部電極12a,12bは、形成後にシンタリングされる。コンタクト層8はp型導電性を有しており、これによりp型電極を形成することができる。
ZnO基板1の凸部1aの前後の端面にはm面が現れる。従って、凸部1aの前と後をm面で劈開した後に現れる活性層5、光ガイド層4,6、クラッド層3,7の端面にm面(端面)が露出する。
そして、端面のうちの一方には、GaNより低い屈折率を有する1層以上の低反射膜であって、膜厚がλ/(4n)(λ:発光波長、n:屈折率)であり、非反射膜(AR膜)が形成される。また、他方の端面の上には、低屈折率と高屈折率を交互に積層してなる高反射膜(HR膜)が形成される。膜厚がλ/(4n)(λ:発光波長、n:屈折率)である。
以上のような工程によって発光波長が480nm以上、例えば緑色発光の半導体レーザが形成されることになる。
なお、1つの凸部1aの両側方の2カ所の(11_22)面に半導体レーザが形成されることになり、図2(d)ではそれら領域の各電極12a,12bで別々に各半導体レーザを制御できるようにしているが、電極12a,12bをパターニングすることなく、凸部1aの上方での絶縁膜10の上の全体を覆うようにしてもよい。
以上のような本実施形態によれば、作製が比較的容易な、c面又はその微傾斜面を主面1fとしたZnO基板1を使用して、その主面1fに凸部1aを形成し、その上に、RFMBE法により750℃未満の温度でバッファ層2からコンタクト層8までを順に形成し、そのうち凸部1aの2つの上部角の斜め上方向に成長する2つの(11_22)面のコンタクト層8に上側電極12a、12bを形成するようにしている。さらに、導電性のZnO基板1の下面に下側電極9を形成している。
そして、上側電極12a,12bから下側電極9に向けて駆動電流を流すと、駆動電流はコンタクト層8の(11_22)面から斜め下方に流れ、上部クラッド層7、光ガイド層6、MQW活性層5、光ガイド層4、下部クラッド層3、バッファ層2、凸部1a、ZnO基板1内を通して下側電極9に流れ、その端面から例えば緑色の光が出射されることになる。
(11_22)面を下地として形成された半導体レーザは、外部量子効率を高めることができるとともに、電流密度が高くなるにつれて発光波長が短くなるブルーシフト現象を抑制することができる。
また、(11_22)面を下地として形成された半導体レーザの活性層のバンド構造が例えば図3に示すようになり、ピエゾ電界が小さくなるので、発光再結合確率を高くして内部量子効率を高めることが可能になる。しかも、基板としてGaNよりもInGaNに格子定数が近いZnO基板1を用いることと、InGaNを格子整合系クラッド層に用いることにより、活性層5内で相分離が生じ難くなってIII-V族窒化物半導体のIn組成比を20%以上の均一なIn組成を有するInGaN活性層を実現することが可能になる。
さらに、主面1fがc面またはその面から微傾斜したZnO基板1を用いても、(11_22)面を下地とした半導体の成長が可能になるので、安価な基板の使用による発光波長480nm以上、例えば緑色の発光の光デバイスの普及が可能になる。
なお、上記半導体発光素子用の基板としてZnO基板を使用したが、ZnO自体は除去しても良いし、InGaN、AlInNやAlGaInN基板を使用してもよく、この場合にも図1(a)と同様にフォトレジストを用いてGaN基板に凸部を設けて、その斜め上法に上記のバッファ層2〜コンタクト層8までの各層を成長させてもよい。
この場合、InGaN、AlInNやAlGaInN基板は、ZnOのように昇華温度が750℃と低くないので、バッファ層2等の成長温度は750℃未満に限定されるものではないし、バッファ層2以降の各層の成長方法として、ガスソース分子線エピタキシー(GSMBE)法、触媒化学気相成長(Cat−CVD)法や有機金属気相成長(MOCVD)法等を用いても良い。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。なお、図4において、図1,図2と同一符号は同一要素を示している。
まず、第1実施形態と同様に、ZnO基板1に凸部1aを形成し、さらにその上に、バッファ層2からコンタクト層8までを形成する。
この後に、図4(a)に示すように、下部クラッド層3からコンタクト層8までの各層の(11_22)面のうち、後の工程でコンタクト層8に接続される電極の形成領域の周囲にプロトン、ボロン、酸素、カーボン等のイオン等を注入して高抵抗化し、電流狭窄領域14を形成する。続いて、第1実施形態と同様に、下側電極9を形成する。
その後、図4(b)に示すように、コンタクト層8及び電流狭窄領域14上に、第1実施形態と同様な方法で絶縁膜10を形成する。さらに、図4(c)に示すように、第1実施形態と同様な方法で、コンタクト層8のうちの(11_22)面上の絶縁膜10に開口部10a,10bを形成する。そして、それらの開口部10a、10bを通してコンタクト層8に接続される電極12a,12bを形成する。
この実施形態によれば、コンタクト層8及びその下層にイオン注入により高抵抗化された電流狭窄領域14を形成したので、電流が流れる流域を精度良く画定して電流密度の低下を抑制する等を行うことができる。
(第3の実施の形態)
図5、図6は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、c面を主面21fとするウルツ鉱型結晶の酸化亜鉛(ZnO)基板21を用意し、そのZnO基板21に対して第1実施形態と同様な条件により、表面平坦化処理、サーマルクリーニング処理、窒化処理(又は酸素アニール)あるいはIII族処理を順に行う。なお、主面21fは、第1実施形態と同様にc面の微傾斜面であってもよい。
ついで、図5(b)に示すように、ZnO基板21の主面21f上に、AlGaInN等よりなる格子整合系バッファ層22をRFMBE法により形成する。バッファ層22の厚さは、その後の選択成長の際にAnO基板21の劣化が防止される値とする。
バッファ層22をIII-V族窒化物半導体としてAlGaInNを形成する場合には、成長温度Tgを400〜600℃、プラズマ電力Pを300〜500Wに設定する。また、窒素ガスを1〜5sccmで導入する。III族原料としては、高純度のAl、Ga、In金属元素をクヌーセンセルで蒸発させて基板に供給する。この場合、ドーパントとしてSiを導入する。
次に、図5(c)に示すように、バッファ層22上に、ストライプ状の開口部23aを有する選択成長用マスク23を形成する。ストライプは、<1_100>軸(m軸)と等価な方向に平行である。これにより、半導体レーザ素子を作製した際にm面に端面形成できる。
選択成長用マスク23は、バッファ層22上に例えばSiO2、Si34、Al23や、又は、Ti、W等若しくはその窒化物からなる膜をプラズマCVD法などにより形成した後に、フォトレジスト(不図示)を用いてその膜をパターニングすることにより開口部23aを形成する。
なお、プラズマCVD法によって選択成長用マスク23を形成しても、既にバッファ層22により覆われたZnO基板21の表面からの昇華は防止される。なお、導電性の選択成長用マスク23は、最終的に除去されてもよい。
続いて、図5(d)に示すように、選択成長用マスク23の開口部23aから露出したバッファ層22上に有機金属気相成長(MOCVD)法又はガスソース分子線エピタキシー(GSMBE)法によりInGaN層24を選択成長する。選択成長されたInGaN層24は、断面が略台形状の凸部となり、その上面はc面となり、両側の斜面は(11_22)面となり、前後の面は劈開によりm面となる。
GSMBE法によりInGaN層24を選択成長する場合には、成長温度Tgを400〜850℃に設定する。また、アンモニア(NH3)ガスを50sccmで導入する。III族原料としては、高純度のGa金属元素をクヌーセンセルで蒸発させて基板に供給する。インジウムも同様な方法で基板に供給する。この場合、ドーパントとしてSiを用いる。
MOCVD法による場合には、成長温度を900〜1150℃に設定し、窒素ソースガスとしてアンモニア、Gaソースガスとしてトリメチルガリウム(TMG)を用いる。また、ドーパントとして導入するSiとしてソースガスとしてシランを用いる。
次に、図5(e)に示すように、InGaN層24の表面に下部クラッド層25としてn型AlGaInNをGSMBE法又はMOCVD法により選択成長する。
下部クラッド層25となるn型AlGaInNをGSMBE法により形成する場合には、その成長温度Tgを例えば400〜850℃に設定する。III族原料としては、高純度のIn、Ga及びAl金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて供給する。V族原料として、アンモニアガスを50sccmの流量で成長雰囲気中に導入する。n型ドーパントとしてSiを用いる。
また、n型AlGaInNをMOCVD法により形成する場合には、 成長温度を900〜1150℃に設定し、窒素ソースガスとしてアンモニア、Alソースガスとしてトリメチルアルミニウム(TMA)、インジウムソースガスとしてトリメチルインジウム(TMI)、ガリウムソースガスとしてTMGを導入する。n型ドーパントとしてSiを用い、そのソースガスとしてシランを使用する。
次に、図6(a)に示すように、AlGaInNよりなる第1の光ガイド層26と、InxGa1-xN井戸層/InyGa1-yN障壁層(0<x<1、0<y<1、y<x、x>0.2)よりなるMQW活性層27と、AlGaInNよりなる第2の光ガイド層28とを順に成長する。
第1、第2の光ガイド層26,28となるAlGaInNをGSMBE法により形成する場合には、その成長温度Tgを例えば400〜850℃に設定する。III族原料としては、高純度のIn、Ga及びAl金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて供給する。V族原料として、アンモニアガスを50sccmの流量で成長雰囲気中に導入する。
また、InxGa1-xN井戸層/InyGa1-yN障壁層をGSMBE法により形成する場合には、その成長温度Tgを例えば400〜850℃に設定される。III族原料としては、高純度のIn及びGa金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて供給する。V族原料として、アンモニアガスを50sccmの流量で成長雰囲気中に導入する。なお、井戸層、障壁層ではIn、Gaの供給量は異なる。
MOCVD法によりAlGaInNを形成する場合には、成長温度を900〜1150℃に設定し、窒素ソースガスとしてアンモニア、AlソースガスとしてTMA、インジウムソースガスとしてTMI、ガリウムソースガスとしてTMGを導入する。
MOCVD法によりアンドープInxGa1-xN井戸層/InyGa1-yN障壁層を形成する場合には、成長温度を900〜1150℃に設定し、窒素ガスソースとしてアンモニア、GaガスソースとしてTMG、インジウムガスソースとしてTMIを導入する。なお、井戸層、障壁層ではTMI、TMGの供給量は異なる。
次に、図6(b)に示すように、p型AlGaInNの上部クラッド層29を第2の光ガイド層28の上に形成し、さらに、p型InGaNよりなるコンタクト層30を形成する。
上部クラッド層29となるAlGaInNをGSMBE法により形成する場合には、成長温度Tgを例えば400〜850℃に設定する。III族原料としては、高純度のIn、Ga及びAl金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて供給する。V族原料として、アンモニアガスを50sccmの流量で成長雰囲気に導入する。
また、コンタクト層30となるInGaNをGSMBE法により形成する場合には、成長温度Tgは例えば400〜850℃に設定される。III族原料としては、高純度のIn及びGa金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて基板に供給する。V族原料として、アンモニアガスを50sccmの流量で成長雰囲気内に導入する。
なお、上部クラッド層29、コンタクト層30のp型ドーパントとしてMg、Beや、MgとSiのコドープなどを用いる。
MOCVD法により上部クラッド層29となるAlGaInNを形成する場合には、成長温度を900〜1150℃に設定し、窒素ソースガスとしてアンモニア、AlソースガスとしてTMA、インジウムソースガスとしてTMI、ガリウムソースガスとしてTMGを導入する。
また、MOCVD法によりコンタクト層30となるInGaNを形成する場合には、成長温度を900〜1150℃に設定し、窒素ガスソースとしてアンモニア、GaガスソースとしてTMG、インジウムガスソースとしてTMIを導入する。
なお、コンタクト層30、上部クラッド層29に含有されるp型ドーパントのガスソースとして、シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を用いる。
以上の下部クラッド層25からコンタクト層30までの各層において、InGaN層24の上方ではc面となり、その両側では(11_22)面、即ち半極性面となる。
次に、図6(c)に示すように、ZnO基板1の下面にオーミック接触する下側電極33が形成される。下側電極33は、抵抗加熱蒸着法、EB法、スパッタ法等により形成されるTi/Al、Ti/Pt/Au等の複数層の金属膜から構成され、その形成後にシンタリングされる。
続いて、酸化シリコン等の絶縁膜32をプラズマCVD法等によりコンタクト層30の上に堆積させる。
次に、図6(d)の構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、コンタクト層30のうち(11_22)面のうち、後の工程でコンタクト層30に接続される電極の形成領域部分のみをフォトリソグラフィー工程により絶縁膜32を除去する。図示しないフォトレジストのパターンを用いて、コンタクト層30の両側の斜面、即ち(11_22)面の上にある絶縁膜32に開口部32a、32bを形成する。絶縁膜32に覆われた部分は、電流が流れないので電流狭窄領域31となる。
次に、開口部31a、31bを通してコンタクト層30にオーミック接触される上側電極34a、34bをリフトオフ法により形成する。上側電極34a、34bは、スパッタ法、抵抗加熱蒸着法、EB法等によりNi/Au、又はPd/Pt/Auのような複数層構造の金属膜から構成され、リフトオフ法によりパターニングされる。なお。その金属膜は、形成後にシンタリングされる。コンタクト層30はp型導電性を有しており、これによりp型電極を形成することができる。
ZnO基板1上のInGaN層24の前後の端面には劈開によりm面が現れる。そして、InGaN層24の前と後をm面で劈開した後に現れる活性層27、光ガイド層26,28、クラッド層25,29のm面(端面)のうちの一方には、GaNより低い屈折率を有する1層以上の低反射膜であって、膜厚がλ/(4n)(λ:発光波長、n:屈折率)であり、非反射膜を形成する。また、他方の端のm面上には、低屈折率と高屈折率を交互に積層してなる高反射膜を形成する。膜厚がλ/(4n)(λ:発光波長、n:屈折率)である。
以上のような工程により、波長480nm以上の光、例えば緑色の光を発光する半導体レーザが形成される。
なお、1つのInGaN層24からなる凸部の両側方の2カ所の(11_22)面に半導体レーザが形成されることになり、図6(d)ではそれら領域の各電極34a,34bで別々に各半導体レーザを制御できるようにしているが、電極34a,34bをパターニングすることなく、凸部の上方での絶縁膜32の上の全体を覆うようにしてもよい。
以上のような実施形態によれば、ZnO基板21のうち露出が比較的容易なc面又はその微傾斜面を主面21fとし、その主面21fの全面にRFMBE法により750℃未満の温度でバッファ層22を成長した後に、選択成長法によりInGaN層24を凸状に形成している。その凸状のInGaN層24の両側には(11_22)面が形成される。
従って、c面又はその微傾斜面を主面21fとした安価なZnO基板21を使用することにより(11_22)面を持つInGaN層24の形成が可能になる。しかも、(11_22)面上に形成される活性層27のエネルギーバンド構造は、第1実施形態と同様に図3に示すようになる。
そして、上側電極34a,34bから下側電極33に向けて駆動電流を流すと、駆動電流はコンタクト層30の(11_22)面から斜め下方に流れて、上部クラッド層29、活性層27、光ガイド層26,28、下部クラッド層25、InGaN層24、バッファ層22、ZnO基板21を通して下側電極33に流れ、その端面から例えば緑色の光が出射されることになる。
(11_22)面を下地として形成された半導体レーザは、外部量子効率を高めることができるとともに、電流密度が高くなるにつれて発光波長が短くなるブルーシフト現象を抑制することができる。また、(11_22)面を下地として形成された半導体レーザの活性層27のバンド構造は、第1実施形態と同じようになってピエゾ電界が比較的小さくなるので、発光再結合確率を高くして内部量子効率を高めることが可能になる。
しかも、活性層27のInGaNに近い格子定数を有するZnO基板21および格子整合系のクラッド層25,29を用いることにより、活性層27内で相分離が生じ難くなって活性層27を構成するIII-V族窒化物半導体のIn組成比を20%以上の均一なIn組成を有するInGaN活性層を実現することが可能になる。
また、格子整合系のZnO基板21およびクラッド層25,29を用いることにより、(11_22)面の活性層27の貫通転位密度を低減することができる。
さらに、主面21fがc面またはその面から微傾斜したZnO基板21を用いても、(11_22)面を下地とした半導体の成長が可能になるので、安価な基板の使用による発光波長480nm以上、例えば緑色の発光の光デバイスの普及が可能になる。
なお、上記半導体発光素子用基板としてZnO基板を使用したが、ZnO基板を除去しても良いし、InGaN、AlInNやAlInGaN基板を使用しても良い。
(第4の実施の形態)
図7は、本発明の第4実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。なお、図7において、図5,図6と同一符号は同一要素を示している。
まず、第3実施形態と同様に、ZnO基板21表面に格子整合系バッファ層22を形成し、さらに格子整合系バッファ層22上に選択成長用マスク23を形成し、ついで、第3実施形態と同様にして選択成長用マスク23の開口部23a上にInGaN層24からコンタクト層30までを形成する。
この後に、図7(a)に示すように、下部クラッド層25からコンタクト層30までの各層における(11_22)面のうち、後の工程でコンタクト層30に接続される電極の形成領域の周囲にプロトン、ボロン、酸素、カーボン等のイオン等を注入して高抵抗化し、電流狭窄領域35を形成する。続いて、第3実施形態と同様に、下側電極33を形成する。
その後、図7(b)に示すように、コンタクト層30及び電流狭窄領域35上に、第3実施形態と同様な方法で絶縁膜32を形成する。さらに、図7(c)に示すように、第3実施形態と同様な方法で、コンタクト層30のうちの(11_22)面上の絶縁膜32に開口部32a,32bを形成する。そして、それらの開口部32a、32bを通してコンタクト層8に接続される電極34a,34bを形成する。
この実施形態によれば、上側電極34a,34bの周囲のコンタクト層30及びその下層に電流狭窄領域35をイオン注入により形成したので、電流が流れる流域を精度良く画定して電流密度の低下を抑制する等を行うことができる。
(第5の実施の形態)
第1〜第4実施形態に係る半導体レーザでは、バッファ層2,22としてInGaN層、下部クラッド層3,25としてAlGaInN層、上部クラッド層7,29としてAlGaInN層を使用しているが、これに限定されるものではない。
例えば、バッファ層2,22をAl1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)とし、下部クラッド層3,25と上部クラッド層7,29のいずれか一方をAl1-p-qGapInq N(0≦p<1、0≦q<1、p+q≦1)としてもよい。
また、第1〜第4実施形態に係る半導体レーザでは、バッファ層2,22、下部クラッド層3,25、上部クラッド層7,29をIII-V族窒化物化合物半導体から構成しているが、II-VI族酸化亜鉛系化合物から構成してもよい。即ち、バッファ層2,22、クラッド層3,25,7,29をZn1-a-b-c Mg aBe bCd cO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)から構成してもよい。
また、バッファ層22をZnMgBeCdO、ZnMgBeO等のII-VI族酸化物半導体により構成する場合には、GSMBE法、RFMBE法やMOCVD法により形成する。この場合、例えば、RFMBE法では、成長温度Tgを400〜600℃、プラズマ電力Pを300〜500Wに設定する。また、酸素(O2)ガスを1〜5sccmで導入する。II族原料としては、必要な高純度のZn、Mg、Be、Cd金属元素をクヌーセンセルで蒸発させて基板に供給する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図(その1)である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図(その2)である。 図3は、本発明の実施形態に係る半導体発光素子のエネルギーバンド図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。 図5は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図(その1)である。 図6は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図(その2)である。 図7は、本発明の第4実施形態に係る半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。
符号の説明
1:ZnO基板
1a:凸部
2:バッファ層
3:下部クラッド層
4:光ガイド層
5:MQW活性層
6:光ガイド層
7:上部クラッド層
8:コンタクト層
9、12a,12b:電極
10:絶縁膜
11,14:電流狭窄領域
21:ZnO基板
22:バッファ層
23:選択酸化用マスク
24:InGaN層
25:上部クラッド層
26:光ガイド層
27:MQW活性層
28:光ガイド層
29:クラッド層
30:コンタクト層
31,35:電流狭窄領域
32:絶縁膜
33、34a,34b:電極

Claims (20)

  1. c面又はc面から微傾斜した面を主面とした基板であって、該基板の表面をパターニングすることにより形成された凸部を有する酸化亜鉛単結晶基板と、
    記酸化亜鉛単結晶基板の少なくとも前記凸部の表面に成長して、上面がc面又はc面から微傾斜した面であり、かつ斜面に(11_22)面を有するバッファ層と、
    前記バッファ層の表面に成長された第1のクラッド層と、
    前記第1のクラッド層の上に形成された活性層と、
    前記活性層の上に形成された第2のクラッド層と、
    前記第2のクラッド層の上に形成されたコンタクト層と、
    前記(11_22)面の上に形成された前記コンタクト層に電気的に接続される第1の電極と、
    前記酸化亜鉛単結晶基板の下面に形成された第2の電極とを有する半導体発光素子であって、
    前記凸部の両側壁は前記酸化亜鉛単結晶基板に対して垂直であり、
    前記バッファ層は、前記上面と、該上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた前記(11_22)面とを有するものであり、
    前記第1のクラッド層は、c面又はc面から微傾斜した上面と、該上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた斜面である(11_22)面とを有するものであり、
    前記活性層は、c面又はc面から微傾斜した上面と、前記上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた斜面である(11_22)面とを有するものであり、
    前記活性層の前記(11_22)面は、c面とa面とに挟まれた斜面である(11_22)面を下地として成長したものであることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 単一の前記凸部を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記活性層は、In x Ga 1-xN(0<x<1)からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記In x Ga 1-xN(0<x<1)のうちInの組成比は20%以上とされていることを特徴とする請求項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記活性層は、量子井戸構造を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項いずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記活性層と前記クラッド層の間に光ガイド層を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項いずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記バッファ層は、Al1-y-z GayInz N(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)からなることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  8. 前記バッファ層は、Zn 1-a-b-c Mga Beb Cdc O(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)からなることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  9. 前記第1、第2のクラッド層のいずれか一方は、Al 1-p-qGap In q N (0≦p<1、0≦q<1、p+q≦1)からなることを特徴とする請求項1乃至請求項いずれか1項に記載の半導体発光素子。
  10. 前記第1、第2のクラッド層のいずれか一方は、Zn 1-a-b-cMg aBeb Cdc O(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)からなることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  11. c面又はc面から微傾斜した面を主面とする酸化亜鉛単結晶基板の上部をパターニングして凸部を形成する工程と、
    前記凸部の表面に成長して上面がc面又はc面から微傾斜した面であり、かつ斜面に(11_22)面を有するバッファ層を前記凸部の表面に成長する工程と、
    前記バッファ層の表面に第1のクラッド層を成長する工程と、
    前記第1のクラッド層の表面に活性層を成長する工程と、
    前記活性層の上に第2のクラッド層を成長する工程と、
    前記第2のクラッド層の表面にコンタクト層を成長する工程と、
    前記酸化亜鉛単結晶基板の下面に下側電極を形成する工程と、
    前記コンタクト層のうち(11_22)面が現れる領域に電気的に接続される上側電極を形成する工程とを有する半導体発光素子の製造方法において、
    前記バッファ層は、前記上面と、該上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに前記(11_22)面とを有するものであり、
    前記第1のクラッド層は、c面又はc面から微傾斜した上面と、該上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた斜面である(11_22)面とを有するものであり、
    前記活性層は、c面又はc面から微傾斜した上面と、前記上面に対して垂直なa面である垂直面と、前記上面と前記垂直面とに挟まれた斜面である(11_22)面とを有するものであり、
    前記活性層の前記(11_22)面は、c面とa面とに挟まれた斜面である(11_22)面を下地として成長したものであることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記半導体発光素子が、単一の前記凸部を備えることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法。
  13. 前記活性層は、In x Ga 1-xN(0<x<1)からなることを特徴とする請求項11又は12記載の半導体発光素子の製造方法。
  14. 前記In x Ga 1-xN(0<x<1)のうち前記インジウム(In)の組成比は20%以上とされていることを特徴とする請求項13記載の半導体発光素子の製造方法。
  15. 前記活性層は、量子井戸構造を有していることを特徴とする請求項11乃至請求項14いずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  16. 前記活性層と前記クラッド層の間に光ガイド層を形成する工程を有していることを特徴とする請求項11乃至請求項15いずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  17. 前記バッファ層は、Al1-y-z GayInz N(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)からなることを特徴とする請求項11乃至請求項16のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  18. 前記バッファ層は、Zn 1-a-b-c Mga Beb Cdc O(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)からなることを特徴とする請求項11乃至請求項16のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  19. 前記第1、第2のクラッド層のいずれか一方は、Al 1-p-qGa p In q N (0≦p<1、0≦q<1、p+q≦1)からなることを特徴とする請求項11乃至請求項18のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  20. 前記第1、第2のクラッド層のいずれか一方は、Zn 1-a-b-cMgaBeb Cdc O(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)からなることを特徴とする請求項11乃至請求項18のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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