JP5355853B2 - コンクリート構造物とその製造方法及びその管理方法 - Google Patents
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Description
また、コンクリート構造物の設計に関する設計者、認可機関、設計図等の保管場所等の設計情報は、設計会社が管理している。
また、施工に関するコンクリートの供給先、製造工場、納入日、納入量、施工者等の施工情報は施工会社が管理している。
また、施工後のコンクリートに関する中性化深さ、塩分測定量等の各種測定情報や補修・維持管理に関する情報は、施工主が管理している。
このように、コンクリート構造物に関する情報は、関与する業者や施工主毎に別々に管理され、一括管理がなされていないために、簡易に入手できない場合が多く、場合によっては、必要な情報がどこにあるかはっきりしないこともあった。
また、補修日時、補修内容等の補修・維持管理に関する情報や施工後の中性化深さ、塩分測定量等の各種測定データについても、上記の品質情報と関連つけて検討することが必要であるが、このような検討は、トレースが困難な場合が多いために難しいのが現状である。
このコンクリート構造物では、センサーが埋め込まれた位置は、センサーから返される電波の強度、および外部の数箇所にて検知する電波の方向等により決定している。
また、センサーが埋め込まれた位置を特定するには、センサーから返される電波の強度を検知すると同時に、外部の数箇所にて電波の方向を検知する必要があり、装置構成が複雑かつ高価になるという問題点があった。
このコンクリート構造物では、コンクリート体の内部に設けられた鉄筋の位置決め用部材に、非接触通信媒体を取り付けるとともに、非接触通信媒体が、可撓性を有する有機高分子からなる基板上に、情報の書き込み/読み取りが可能な集積回路及びアンテナ部が設けられてなり、非接触通信媒体がコンクリート体に所定の深さで埋め込まれ、かつ、この埋め込み深さに合わせて伸ばした基板の端部のみがコンリート体の打設面から突出された構造、または、その突出した部分が切断された構造を有することにより、このコンクリート構造物における非接触通信媒体の位置が一定となり、この非接触通信媒体から情報を読み取る際に、非接触通信媒体の位置を特定するのが極めて容易となる。よって、コンクリート構造物の管理をさらに簡便、正確かつ確実に行うことが可能になる。
このコンクリート構造物では、前記非接触通信媒体のアンテナ部と前記コンクリート体の表面との距離を3cm以内としたことにより、情報を読み取る際のアンテナの感度がより高くなり、信頼性により優れたものとなる。よって、非接触通信媒体からの信号をさらに感度良く、さらに容易に検出することが可能になり、コンクリート構造体の管理をさらに簡便、正確かつ確実に行うことが可能になる。
このコンクリート構造物では、非接触通信媒体の形状を上記の数値の範囲内とすることで、非接触通信媒体がコンクリート体の強度に影響を及ぼす虞がなくなる。また、非接触通信媒体を埋め込む際に、生コンクリート中の骨材と接触する機会が少なくなり、埋め込み作業が簡単になる。
このコンクリート構造物では、少なくとも集積回路及びアンテナ部を、有機高分子からなるフィルムにより被覆したことにより、コンクリートが硬化する際においても、集積回路及びアンテナ部は有機高分子により保護され、コンクリートの硬化に起因する損傷が生じる虞もない。
このコンクリート構造物では、非接触通信媒体に記録された情報を、コンクリート体の識別情報とすることにより、これらの情報を非接触通信媒体読み取り装置を用いて非接触で読み取ることで、コンクリートの組成、特性、履歴等を、簡単に知ることが可能になる。
また、このコンクリート構造物では、非接触通信媒体の基板に可撓性を有する有機高分子を用いたことにより、生コンクリートが硬化する際においても、生コンクリートの変形に非接触通信媒体の形状が追随し、生コンクリートと非接触通信媒体との間に亀裂や空隙が生じる虞がなくなる。これにより、コンクリート体の強度が低下する虞もなくなり、所望の機械的強度を有するものとなる。
また、これらの情報は、施工後長時間経過した場合であっても読み取り/書き込み可能であるので、情報の消失、劣化等の虞もない。
なお、これらの形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態のコンクリート構造物を示す斜視図、図2は図1のA−A線に沿う断面図であり、鉄筋コンクリート構造の柱の例である。
図において、1はコンクリート体、2はコンクリート体1の内部に配置された鉄筋、3はコンクリート体1の表面1aの近傍、かつ打設面1b近傍に埋め込まれた薄板状のICタグ(非接触通信媒体)である。ここでは、ICタグ3は、そのアンテナ部のアンテナ面がコンクリート体1の表面1aと平行になるように埋め込まれている。
また、ICタグ3のアンテナ部のアンテナ面をコンクリート体1の表面1aに対して傾斜した状態で埋め込む場合には、ICタグ3の書き込み/読み取り時の感度及び安定性を考慮すると、ICタグ3のアンテナ部のアンテナ面を、コンクリート体1の表面1に対して45°以内とすることが好ましく、30°以内とすることがより好ましい。
このICタグ3は、薄板状のもので、可撓性を有する有機高分子からなる基板11上に、情報の書き込み/読み取りが可能なIC(集積回路)12、及び、このIC12の周囲に、これを囲むように、長円かつ渦巻き状のアンテナ部13が設けられ、これら基板11、IC12及びアンテナ部13は、全体が、例えば、ラミネートフィルム等のような有機高分子からなるフィルム14により被覆されている。
このICタグ3は、薄板状であれば、アクティブ型、パッシブ型のいずれでも構わないが、所定の薄板状にし易いこと、長期間コンクリート体1の内部に放置される等の点からは電源の不要なパッシブ型が好ましい。
この基板11の形状は、IC12及びアンテナ部13の形状に合わせて設定すればよいが、コンクリートへ埋め込む際に取り扱い易いという点で、長方形が好ましい。
(1)使用されたコンクリートに関する情報
a)コンクリートの品質
スランプ、空気量、塩化物イオン量、練り上がり温度等
b)コンクリートの材料
骨材の産地、種類、密度等
c)コンクリートの配合
d)コンクリートの納入先
e)コンクリートの打設
打設日、養生期間等
f)フレッシュ性状
g)塩化物量
h)圧縮強度
i)その他、仕様等で定められた項目
a)設計者(設計会社)
b)認可機関
c)設計図等の管理・保管場所
d)その他、仕様等で定められた項目
a)コンクリートの製造工場
b)納入日
c)納入量
d)施工者(施工会社)
e)その他、仕様等で定められた項目
a)中性化深さ
b)塩分測定量
c)その他、仕様等で定められた項目
a)補修日時
b)補修内容
コンクリートに関する情報
c)その他、仕様等で定められた項目
フィルム14は、基板11、IC12及びアンテナ部13全体を覆って、外部環境から保護するもので、コンクリートとの密着性の良いものが、コンクリート構造物の機械的強度等の特性に影響を及ぼさないので好ましく、例えば、ラミネートフィルムが好ましい。特に、複数層からなる積層構造のラミネートフィルムが強度が高い点で好ましい。
このラミネートフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)等のプラスチックフィルムが好適に用いられ、特に、機械的強度及び熱安定性に優れている点でポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。
ICタグ3の大きさが上記の範囲内であれば、コンクリート構造物の機械的強度等の特性に影響を及ぼすことがない。さらに、ICタグ3を差し込む際に、コンクリート中の骨材と接触する機会が少なくなり、埋め込み作業が簡単になる。
ここで、ICタグ3の大きさとは、フィルム14の被覆がない場合には、フィルム14を除いた大きさであり、フィルム14の被覆がある場合には、フィルム14を含めたコンクリート体1の内部に埋め込まれる部分の大きさである。
この他、一体となった基板11、IC12及びアンテナ部13を、ビニール袋や密閉容器に収納する等としてもよい。
また、基板11、IC12及びアンテナ部13として、コンクリートに含まれる水分やアルカリ、水中養生の際に外部からコンクリート内に浸入する水分等に対して耐久性を有するものを用いてもよい。
なお、ICタグ3の替わりに、必要に応じてICカード(非接触通信媒体)等を用いてもよい。
まず、型枠21をコンクリート構造物の形状に組み立て、この型枠21内に所定の形状の鉄筋2を配置し、次いで、この型枠21内に所定の生コンクリート22を打設する。
ここでは、ICタグ3のアンテナ部13を、型枠21の内面21aに平行、もしくは内面21aに対して傾斜した状態になるように、生コンクリート22内に埋め込む。
また、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を内面21aに対して傾斜した状態で埋め込む場合には、ICタグ3の書き込み/読み取り時の感度及び安定性を考慮すると、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を、内面21aに対して45°以内とすることが好ましく、30°以内とすることがより好ましい。
このICタグ3のアンテナ面全体の埋め込み位置を、型枠21の内面21aから3cm以内の領域とすることにより、このICタグ3のアンテナ面が型枠21の内面21aに対して3次元のいずれの方向に傾斜した場合であっても、識別情報の書き込み/読み取り時の感度、安定性が良くなる。
また、あまり深く埋め込むと、ICタグ3の破損、劣化等が生じ、信号の安定性も低下するという不具合が生じる虞があるので、ICタグ3の上端またはアンテナ部13の上端が、生コンクリート22の打設面22aから5mm〜10mm程度の深さまで埋め込むことが好ましい。
ICタグ3の埋め込み深さを上記の範囲とすることにより、ICタグ3の破損、劣化等を防止し、また、信号の安定性も向上する。
この際、埋め込み深さに合わせて、伸ばした基板11の端部に印を付けておけば、コンクリート構造物毎のばらつきもなく、簡易に所定の深さまでICタグ3を埋め込むことができる。
この打設面22aから突出した基板11の端部は、生コンクリート22が硬化した後、必要であれば簡易に切断することができる。
また、袋、その他の容器にICタグを入れて使用する場合もラッピングの場合と同様である。
このようにすることで、ICタグ3を所定の埋め込み深さに、コンクリート構造物毎のばらつきも無く、簡易に取り付けることができる。また、ICタグ3との情報のやりとりの感度がコンクリート構造物によらず同じであるから、得られるデータの正確性、信頼性も向上し、作業性も向上する。
次いで、この生コンクリート22を硬化、脱型し、さらに、所定の温度にて所定の時間、養生を施し、本実施形態のコンクリート構造物とする。
このICタグリーダ/ライタとしては、特に限定されないが、携帯可能なものが好ましい。その理由は、コンクリート構造物においては、構造物自体を動かすことはできないので、コンクリート構造物に取り付けたICタグ3の情報の書き込み/読み取りを行うためには、ICタグリーダ/ライタは携帯可能であることが必要である。
また、ICタグ3へのデータの書き込みは、データの改ざんを防止するために、システム上、書き込んだデータの修正ができず、データの追加のみができることが好ましい。
(1) 生コンクリートの出荷元にて、コンクリートに関する所定の情報を、ICタグリーダ/ライタを介してICタグに書き込む。具体的には次の2通りのうちいずれかを行う。
a)コンクリート及びコンクリート構造物に関する所定の情報を、ICタグリーダ/ライタに入力し、ICタグに書き込む。
b)コンクリート及びコンクリート構造物に関する所定の情報を、サーバ、パソコン等に入力し、それをICタグリーダ/ライタに無線等で送信し、ICタグに書き込む。
(2) ICタグリーダ/ライタでICタグの情報を読み込み、出荷する。
このICタグは、生コンクリートの運搬車に取り付けるか、またはこのICタグを持参して納入時に納入先に渡す。
(4) 納入先のサーバ等に保存された設計に関する情報や施工に関する情報をICタグに書き込む。具体的には次の2通りのうちいずれかを行う。
a)読み取ったコンクリートに関する情報と、納入先のサーバ等に保存された設計に関する情報、及び施工に関する情報を、他のICタグに書き込む。
b)納入時に渡されたコンクリートに関する情報が書き込まれたICタグに、納入先のサーバ等に保存された設計に関する情報、及び施工に関する情報を書き込む。
なお、この情報の書き込みは、ICタグをコンクリート構造物に取り付けた後に行ってもよい。
(5)設計や施工に関する情報が書き込まれたICタグを所定の方法で、コンクリート構造物に取り付ける。
(6)その後、所定の時期に、施工後の各種測定データ、維持管理に関するデータをコンクリート構造物に取り付けたICタグに書き込む。
(1)ICタグリーダ/ライタとサーバ、パソコン等を無線等で結ぶことにより、IDを介して打設したコンクリートに関する品質、材料等のデータ、設計、施行データ、その後の管理データ等を簡易、正確、確実に、しかも一括して確認することができる。
(2)データの保存、書き込みが容易にできる。
(3)ICタグに必要なデータが全て入っているため、携帯可能なICタグリーダ/ライタで、施工現場や設置場所にてコンクリート及びコンクリート構造物に関する情報を、サーバ等と情報のやりとりをすることなく、その場で、すぐに必要な情報を直接読み取ることができ、したがって、その場で、すぐに必要な情報を把握することができる。
(1)コンクリートに関する所定の情報をサーバ、パソコン等に保存する。
(2)上記の情報に対応するID番号をICタグに書き込む。
(3)ICタグリーダ/ライタでICタグのID情報を読み込み、出荷する。
(4)納入先で、ICタグのID情報を読み込み、正しい納入か否かを確認する。
(5)設計に関する情報、施工に関する情報をサーバ、パソコンに保管し、上記のID番号と対応させる。
(6)ID番号を書き込んだICタグを所定の方法で、コンクリート構造物に取り付ける。
(8)施行設置後、点検、補修時にICタグリーダ/ライタでICタグのID情報を読み込み、サーバ、パソコン等にアクセスすることにより、ID番号をもとに各種の情報を入手する。
(1)ICタグリーダ/ライタとサーバ、パソコン等を無線等で結ぶことにより、IDを介して打設したコンクリートに関する品質、材料等のデータ、設計、施行データ、その後の管理データ等を簡易、正確、確実に、しかも一括して確認することができる。
(2)データの保存、書き込みが容易にできる。
このICタグは、長期間データを保持することができるので、コンクリート構造物が長期に亘って使用される間に様々な現象が生じた場合、コンクリート構造物のトレーサビリティを正確にかつ短時間で実施することができる。
以上により、コンクリート構造物の管理を簡易、正確、確実に、しかも一括して行うことができ、さらに長期間保管できることで、コンクリート構造物のトレーサビリティー、維持管理等、様々な分野で活用することができ、その効果は非常に大きい。
図6は、本発明の第2の実施形態のコンクリート構造物を示す断面図であり、本実施形態のコンクリート構造物が第1の実施形態のコンクリート構造物と異なる点は、第1の実施形態のコンクリート構造物では、薄板状のICタグ3を、コンクリート体1の打設面1b近傍に直接埋め込んだ構成であるのに対し、本実施形態のコンクリート構造物では、薄板状のICタグ3を、鉄筋2と生コンクリートを打設する型枠21の内面21aとの間隔を一定に保持するためのスペーサ(位置決め用部材)31に取り付けた点である。
このICタグ3の書き込み/読み取り時の感度及び安定性を考慮すると、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を、型枠21の内面21aと平行とすることが好ましい。
また、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を内面21aに対して傾斜した状態で埋め込む場合には、ICタグ3の書き込み/読み取り時の感度及び安定性を考慮すると、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を、内面21aに対して45°以内とすることが好ましく、30°以内とすることがより好ましい。
このICタグ3のアンテナ面全体の埋め込み位置を、型枠21の内面21aから3cm以内の領域とすることにより、このICタグ3のアンテナ面が型枠21の内面21aに対して3次元のいずれの方向に傾斜した場合であっても、識別情報の書き込み/読み取り時の感度、安定性が良くなる。
しかも、ICタグ3を、鉄筋2に設けられたスペーサ31の接続部34の外側の面に取り付けたので、ICタグ3の取り付け位置が固定され、生コンクリート打設時に動いたり、アンテナの方向が変わったり等の虞もない。
また、スペーサ31の接続部34にICタグ3を取り付けたので、ICタグを取り付けるための治具等を新たに必要とせず、簡易に人の手でICタグを取り付けることができる。
図8は、本発明の第3の実施形態のコンクリート製品であるコンクリート構造物を示す断面図であり、本実施形態のコンクリート構造物が第2の実施形態のコンクリート構造物と異なる点は、スペーサの形状が異なる点である。
このICタグ3の書き込み/読み取り時の感度及び安定性を考慮すると、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を、型枠21の内面21aと平行とすることが好ましい。
また、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を内面21aに対して傾斜した状態で埋め込む場合には、ICタグ3の書き込み/読み取り時の感度及び安定性を考慮すると、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を、内面21aに対して45°以内とすることが好ましく、30°以内とすることがより好ましい。
このICタグ3のアンテナ面全体の埋め込み位置を、型枠21の内面21aから3cm以内の領域とすることにより、このICタグ3のアンテナ面が型枠21の内面21aに対して3次元のいずれの方向に傾斜した場合であっても、識別情報の書き込み/読み取り時の感度、安定性が良くなる。
しかも、鉄筋2に所定の数のスペーサ41を嵌め込み、これらのスペーサ41、41、…それぞれのリブ44、44間の大リング部46の外周面にICタグ3を取り付けたので、ICタグを取り付けるための治具等を新たに必要とせず、簡易に人の手でICタグを取り付けることができる。
図10は、本発明の第4の実施形態のコンクリート構造体を示す斜視図であり、鉄筋コンクリート構造の壁体の例である。
図において、51はコンクリート体、52はコンクリート部材であり、このコンクリート部材52は、コンクリート体51の壁面51aに形成されたコンクリート部材52と相補形状の凹部53に嵌め込まれており、このコンクリート部材52の壁面(1つの表面)52aは、嵌め込まれた際にコンクリート体51の壁面51aと同一面となっている。
ここでも、第1の実施形態と同様に、ICタグ3は、そのアンテナ部のアンテナ面がコンクリート部材52の壁面52aに平行、もしくは壁面52aに対して傾斜した状態になるように、コンクリート部材52に埋め込まれている。
このICタグ3の書き込み/読み取り時の感度及び安定性を考慮すると、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を、壁面52aと平行とすることが好ましい。
また、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を壁面52aに対して傾斜した状態で埋め込む場合には、ICタグ3の書き込み/読み取り時の感度及び安定性を考慮すると、ICタグ3のアンテナ部13のアンテナ面を、壁面52aに対して45°以内とすることが好ましく、30°以内とすることがより好ましい。
このICタグ3のアンテナ面全体の埋め込み位置を、壁面52aから3cm以内の領域とすることにより、このICタグ3のアンテナ面が壁面52aに対して3次元のいずれの方向に傾斜した場合であっても、識別情報の書き込み/読み取り時の感度、安定性が良くなる。
コンクリート体51とコンクリート部材52とは、同一組成のコンクリートを用いることが、機械的強度や美観の点から好ましい。
このコンクリート部材52は、構造物に取り付ける銘板として使用することもできる。すなわち、銘板に各種情報を書き込んだICタグ3を埋め込むことにより、ICタグ3の位置を容易に特定し、情報を把握することができる。
しかも、ICタグ3を、コンクリート体51に比べて遙かに小さいコンクリート部材52に埋め込むので、ICタグ3の固定が正確、確実になるとともに、ICタグ3の位置も明確に分るようになる。
また、コンクリート構造物の一部が破損、補修等した場合、ICタグ3を第1の実施形態の様にコンクリート体1中に固定すると、ICタグ3も破損等してしまう虞があるが、本実施形態であれば、コンクリート部材52を凹部53から取り外すことにより、破損したコンクリート体のみの補修等を行うことができ、コンクリート部材52のICタグ3が破損する虞もない。
このコンクリート部材52は、補修後、凹部53に再度嵌め込めばよい。
1a 一表面
1b 打設面
2 鉄筋
3 薄板状のICタグ
11 基板
12 IC
13 アンテナ部
14 フィルム
21 型枠
21a 内面
31 スペーサ
32 固定部
33 位置決め部
34 接続部
41 スペーサ
42 切り込み
43 小リング部
44 リブ
45 切り込み
46 大リング部
51 コンクリート体
51a 壁面
52 コンクリート部材
52a 壁面
53 凹部
Claims (8)
- コンクリート体の内部に設けられた鉄筋の位置決め用部材に、非接触通信媒体が取り付けられたコンクリート構造物であって、
前記非接触通信媒体は、可撓性を有する有機高分子からなる基板上に、情報の書き込み/読み取りが可能な集積回路及びアンテナ部が設けられてなり、
前記非接触通信媒体が前記コンクリート体に所定の深さで埋め込まれ、かつ、この埋め込み深さに合わせて伸ばした前記基板の端部のみが前記コンリート体の打設面から突出された構造、または、その突出した部分が切断された構造を有することを特徴とするコンクリート構造物。 - 前記非接触通信媒体のアンテナ部と前記コンクリート体の表面との距離が3cm以内であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造物。
- 前記非接触通信媒体は、長さが150mm以内、幅が100mm以内であることを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート構造物。
- 前記集積回路及び前記アンテナ部が有機高分子からなるフィルムにより被覆されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のコンクリート構造物。
- 前記非接触通信媒体に記録された情報は、前記コンクリート体の識別情報であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載のコンクリート構造物。
- 請求項1記載のコンクリート構造物の製造方法であって、
可撓性を有する有機高分子からなる基板上に、情報の書き込み/読み取りが可能な集積回路及びアンテナ部が設けられた非接触通信媒体を用い、
鉄筋に設けられた位置決め用部材に前記非接触通信媒体を取り付け、
次いで、この非接触通信媒体が取り付けられた鉄筋をコンクリート構造物の型枠内に配置し、
次いで、この型枠内に生コンクリートを打設することによって、前記非接触通信媒体を生コンクリートに所定の深さで埋め込み、かつ、この埋め込み深さに合わせて伸ばした前記基板の端部のみを前記生コンリートの打設面から突出させ、
次いで、この生コンクリートを硬化し、次いで脱型して、コンクリート構造物とすることを特徴とするコンクリート構造物の製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれか1項記載のコンクリート構造物を管理する方法であって、
前記非接触通信媒体に記録された情報を非接触通信媒体読み取り装置を用いて非接触にて読み取り、この読み取った情報を基に前記コンクリート構造物の管理を行うことを特徴とするコンクリート構造物の管理方法。 - 前記非接触通信媒体読み取り装置は、前記非接触通信媒体からの情報の読み取り、前記非接触通信媒体への情報の書き込み、の双方を行う携帯可能な非接触通信媒体読み取り/書き込み装置であることを特徴とする請求項7記載のコンクリート構造物の管理方法。
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