以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る生産管理装置を示す図である。生産管理装置1は、製造会社(メーカ)における製品の生産管理を行う。生産管理装置1は、製品の生産に用いる部品の製造工程を管理する端末装置2と通信可能である。部品は、例えば部品供給会社(サプライヤ)の工場の製造ライン5で製造される。
生産管理装置1は、物品管理情報記憶部1a、部品引当明細記憶部1b、生産計画情報記憶部1c、部品工程管理部1d、引当処理部1eおよび生産計画管理部1fを有する。
物品管理情報記憶部1aは、製品や部品のマスタ情報(物品マスタ)や製品の部品構成を定義した部品表(BOM:Bills Of Materials)を記憶する。部品表は、資材所要量計画(MRP:Material Requirements Planning)における所要量計算に用いることができる。所要量計算により、製品について求められた各部品の所要数が所要量情報である。また、物品管理情報記憶部1aは、製造発注を行っている部品の納期を含む部品管理情報を記憶する。
部品引当明細記憶部1bは、製品の製造に必要な部品の引当結果である引当明細情報を記憶する。
生産計画情報記憶部1cは、製品の製造スケジュールを含む生産計画情報を記憶する。
部品工程管理部1dは、端末装置2から受信した部品の製造工程の進捗情報に基づいて、物品管理情報記憶部1aに記憶された部品管理情報に含まれる該当部品の納期を更新する。
引当処理部1eは、部品工程管理部1dが更新した部品管理情報と物品管理情報記憶部1aに記憶された所要量情報とに基づいて製品に対する部品の引当を行い引当明細情報を生成して、部品引当明細記憶部1bに格納する。
生産計画管理部1fは、部品引当明細記憶部1bに記憶された引当明細情報に基づいて、製品の製造スケジュールを管理するための生産計画情報を生成する。
端末装置2は、進捗情報取得部2aを有する。進捗情報取得部2aは、部品が製造ライン5における所定のチェックポイントを通過するごとに部品の工程進捗を示す進捗情報を生成して、生産管理装置1に送信する。
製造ライン5におけるチェックポイントは、例えば無線タグと通信する通信装置によって設けることができる。具体的には、まず、部品の識別情報を記憶した無線タグを仕掛かり中の部品に予め付与する。そして、例えば製造ライン5を複数の工程に細分化した製造工程5a,5b,5cが完了して次の工程に移る際に通過する各場所をチェックポイントとして、各チェックポイントに通信装置を設ける。すなわち、チェックポイントとして、例えば製造工程5aの入口、製造工程5a,5bの間、製造工程5b,5cの間および製造工程5cの出口等が考えられる。そして、通信装置は、部品が各チェックポイントを通過して部品に付与された無線タグから部品の識別情報を受信したタイミングで、端末装置2に部品の識別情報と通信装置の識別情報とを送信する。進捗情報取得部2aは、部品の識別情報と通信装置の識別情報とを受信することで、仕掛かり中の部品が何れの工程にあるかを取得することができる。また、進捗情報取得部2aは通信装置から受信した情報に基づいて進捗情報を生成することができる。
生産管理装置1によれば、部品工程管理部1dにより、部品が製造ライン5における所定のチェックポイントを通過するごとに端末装置2から部品の製造工程の進捗情報が受信される。部品工程管理部1dにより、受信された進捗情報に基づいて、物品管理情報記憶部1aに記憶された部品管理情報に含まれる該当部品の納期が更新される。そして、引当処理部1eにより、部品工程管理部1dが更新した部品管理情報と物品管理情報記憶部1aに記憶された所要量情報とに基づいて製品に対する部品の引当が行われ、引当明細情報が生成されて部品引当明細記憶部1bに格納される。更に、生産計画管理部1fにより、部品引当明細記憶部1bに記憶された引当明細情報に基づいて、製品の製造スケジュールを管理するための生産計画情報が生成される。
例えば、製造ライン5は部品を製造するために順次経る3つの製造工程5a,5b,5cを有している。ここで、材料調達やトラブルなどが原因で製造工程5a,5b,5cの何れかが予定期日に完了しない場合や予定期日よりも早く完了する場合が考えられる。
部品工程管理部1dは、製造ライン5におけるそのような進捗情報を端末装置2を介して即時に取得し、部品管理情報に含まれる部品の納期に反映する。引当処理部1eは、部品工程管理部1dにより更新された部品管理情報に基づいて部品の再引当を行い、その結果を部品引当明細記憶部1bに格納する。すると、生産計画管理部1fは、その再引当結果に基づいて製品の生産計画を再作成する。
これにより、製造ライン5の進捗状況の変化を製品の生産計画に容易かつ即時に反映することができる。また、このように進捗状況の即時変化に応じて見直された生産計画を用いることで、製品製造工場への作業指示を的確に行って自社資源の利用効率向上を図ることができる。また、製品を納入する顧客に対して精度の高い納期回答を行うこともできる。
以下の実施の形態では、製品製造会社と複数のサプライヤとの間の生産管理を支援するより具体的なシステムを説明する。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係る生産管理システムの全体構成を示す図である。この生産管理システムは、製品製造会社20、センタ30およびサプライヤ40,40a,40bの間に構築される。製品製造会社20の有する営業端末装置21、発注端末装置22、倉庫端末装置26、センタ30の有する管理サーバ100、サプライヤ40,40a,40bの有する端末装置41,42およびライン端末装置200がネットワーク10を介して接続されている。ネットワーク10は、例えばインターネットやVPN(Virtual Private Network)およびこの生産管理システムのために設けられたその他の専用通信網である。
製品製造会社20は、顧客からの受注に応じて製品50を製造し、顧客に納入する。製品製造会社20は、サプライヤ40,40a,40bから供給される部品を組み立て・加工して製品50を製造する。製品製造会社20は、部品を倉庫25に保管し、定期的に、あるいは必要に応じて(例えば不足時に)サプライヤ40,40a,40bへ部品を発注する。製品製造会社20は、営業端末装置21、発注端末装置22および倉庫端末装置26を利用してこれらの業務を行うことができる。
営業端末装置21は、営業部門の社員が利用する情報処理装置である。営業端末装置21は、顧客からの受注内容を生産管理システムに入力するために用いられる。
発注端末装置22は、資材部門の社員が利用する情報処理装置である。発注端末装置22は、サプライヤ40,40a,40bに対して部品の発注を行うために用いられる。
倉庫端末装置26は、倉庫25に設置される端末である。倉庫端末装置26は、倉庫25に保管された部品の在庫を管理する。例えば、倉庫25に新たに部品が納入されたことや倉庫25から部品が出庫されたことなどの情報を収集する。そのための情報を得るために、倉庫25内の要所(入庫ポイントあるいは出庫ポイント)には、例えば入庫品や出庫品に付された無線タグと通信するタグリーダが設けられている。倉庫端末装置26は、例えば入庫ポイントに設置されたタグリーダから入庫品に関する情報を受信すると、該当の物品が入庫されたことを検知する。出庫品に関しても同様である。
センタ30は、管理サーバ100により生産管理システムの各機能を製品製造会社20およびサプライヤ40,40a,40bに提供する。
管理サーバ100は、生産管理システムの運用に必要な各種データを一元管理する。また、管理サーバ100は、生産管理システムにおいて実現される各種の処理機能を実行する。更に、管理サーバ100は、これらの処理機能を製品製造会社20やサプライヤ40,40a,40bの社員が利用可能とするためのGUI(Graphical User Interface)を提供する。
サプライヤ40,40a,40bは、製品製造会社20からの部品発注を管理サーバ100を介して受け付ける。サプライヤ40,40a,40bは、その発注内容に従って部品を製造し、製品製造会社20の倉庫25へ納入する。また、サプライヤ40,40a,40bは、部品の製造工程の進捗状況を管理サーバ100を介して製品製造会社20へ通知する。
サプライヤ40は、端末装置41,42およびライン端末装置200を利用してこれらの業務を行うことができる。
端末装置41,42は、サプライヤ40の社員が利用する情報処理装置である。サプライヤ40の社員は、端末装置41,42を利用して製品製造会社20からの部品の発注を受け付けることができる。
ライン端末装置200は、部品製造ライン45に設けられている。部品製造ライン45は、サプライヤ40が製品製造会社20へ供給する部品を製造するための製造ラインである。ライン端末装置200は、部品製造ライン45における製造工程の進捗情報をリアルタイムに取得して管理サーバ100へ送信する。
ここで、サプライヤ40a,40bについてもサプライヤ40と同様の構成を備える。
なお、管理サーバ100は応答性や信頼性の向上を図るために複数のサーバ装置で構成されていてもよい。例えば、製品製造会社20やサプライヤ40,40a,40bの各端末装置のWebブラウザに対してGUIを提供するWebサーバ、製品受注/部品発注/在庫管理/製造管理/出荷管理などの機能を提供するAP(Application)サーバ、生産管理システムで利用する各種データを記憶・管理するDB(DataBase)サーバで構成することが考えられる。ここで、GUIの提供にWebサーバを用いる場合、ネットワーク10としてインターネットが考えられる。その場合、Webサーバと各端末装置との通信の秘匿性を高めるために、例えばHTTPS(Hypertext Transfer Protocol over Secure socket layer)を用いることが考えられる。
また、営業端末装置21、発注端末装置22および倉庫端末装置26において、管理サーバ100が提供する単一のシステム基盤上で上記各機能を利用可能とすることが考えられる。すなわち、専用の業務端末装置を各部門に設けなくても、管理サーバ100が各端末装置を介して各社員のパスワード入力を受け付けることで、その社員が所属する部門に応じた業務メニューを利用可能とする。管理サーバ100は、そのための情報(社員ID(Identifier)と所属部門との関連付けを定義した情報)を管理するLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバとして機能させることもできる。また、セキュリティ上の観点からLDAPサーバを製品製造会社20内に別個に設けても良い。この点、サプライヤ40,40a,40bに関しても同様の構成とすることができる。
このようにすると、管理サーバ100と通信可能な汎用的なコンピュータから、適宜、各社員のIDやパスワードなどで管理サーバ100にアクセスすれば、その社員の所属部門に応じた業務メニューを利用可能となるため、利便性がよい。
図3は、部品製造ラインの構成を示す図である。部品製造ライン45では、かんばん60によって部品の製造工程の進捗状況を管理する。かんばん60は、そのための各種情報を記憶するメモリおよびそれらの情報を送信する無線通信機能を備えている。かんばん60は、仕掛かり部品を各工程ライン間で運搬するための部品ボックス70に設けられる。かんばん60の詳細は後述する。
部品製造ライン45は、ライン端末装置200、通信装置300、ゲート310,320,330,340、携帯端末装置350およびプリンタ360を有する。
ライン端末装置200は、図2で同一の符号を付して説明した構成と同一である。ライン端末装置200は、通信装置300と無線あるいは有線のネットワークで通信する。
通信装置300は、ライン端末装置200、ゲート310,320,330,340および携帯端末装置350と無線あるいは有線のネットワークで通信する。
ゲート310,320,330,340は、部品製造ライン45の各工程ラインを区切るために設けられたゲートである。ゲート310,320,330,340は、第1の実施の形態に記載したチェックポイントに対応する。
ゲート310は、第1の工程ラインであるA工程ラインの入口に設けられる。
ゲート320は、第2の工程ラインであるB工程ラインの入口(A工程ラインの出口)に設けられる。
ゲート330は、第3の工程ラインであるC工程ラインの入口(B工程ラインの出口)に設けられる。
ゲート340は、C工程ラインの出口に設けられる。ゲート340の先では、完成した部品が梱包される。梱包済部品80は倉庫25に向けて搬送される。
ゲート310,320,330,340は、通信装置311,321,331,341を有する。
通信装置311,321,331,341は、かんばん60と無線通信する。通信装置311,321,331,341は、かんばん60から受信した情報およびゲート310,320,330,340に予め付与されたゲート識別情報を通信装置300を介してライン端末装置200に送信する。
携帯端末装置350は、各工程ラインの途中で進捗の通知ポイントが存在する場合や部品の工程における障害などをライン端末装置200へ通知するための小型の端末装置である。携帯端末装置350は、かんばん60と通信して障害通知などに必要な情報を取得し、通信装置300を介してライン端末装置200へ送信する。携帯端末装置350として、例えばハンディターミナル(Handy Terminal)を用いることができる。
プリンタ360は、かんばん60に表記された情報やかんばん60がメモリに保持する情報の書き換えを行う。プリンタ360を利用することで、製造する部品ごとにかんばん60の再利用が可能となる。
なお、サプライヤ40に関して説明したがサプライヤ40a,40bもサプライヤ40と同様の構成を備える。
図4は、管理サーバのハードウェア構成を示す図である。管理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、グラフィック処理装置105、入力インタフェース106、記録媒体読取装置107および通信インタフェース108を有する。
CPU101は、管理サーバ100全体を制御する。
ROM102は、管理サーバ100上のBIOS(Basic Input / Output System)のプログラムなどを記憶する。
RAM103は、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションという)のプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM103は、CPU101による処理に必要な各種データを記憶する。
HDD104は、OSのプログラム、アプリケーションのプログラムを記憶する。また、HDD104はCPU101による処理に必要な各種データを記憶する。なお、HDD104に代えて(または、HDD104と併せて)、SSD(Solid State Drive)など他の種類の記憶装置を用いてもよい。
グラフィック処理装置105は、モニタ11と接続される。グラフィック処理装置105は、CPU101からの命令に従って画像をモニタ11の画面に表示させる。
入力インタフェース106は、キーボード12とマウス13と接続される。入力インタフェース106は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。
記録媒体読取装置107は、記録媒体14に記憶されたデータを読み取る読取装置である。例えば、管理サーバ100が有すべき機能は、その機能の処理内容を記述したプログラムをコンピュータに実行させることで実現できる。そのようなプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体14に記録して配布することができる。また、ネットワーク10に接続されたプログラム配信サーバ装置(図示せず)に記録媒体14からそのプログラムを格納してもよい。この場合、管理サーバ100は、ネットワーク10を介してプログラム配信サーバ装置からプログラムをダウンロードすることができる。
記録媒体14としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリを使用できる。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−R/RW/RAMなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。半導体メモリには、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのフラッシュメモリがある。
通信インタフェース108は、ネットワーク10と接続される。通信インタフェース108は、ネットワーク10を介して他の情報処理装置とデータ通信する。
なお、営業端末装置21、発注端末装置22、倉庫端末装置26、端末装置41,42およびライン端末装置200も管理サーバ100と同様のハードウェア構成により実現できる。
図5は、管理サーバの機能構成を示す第1の図である。管理サーバ100は、管理情報記憶部110、受発注品管理部120、部品引当処理部130および生産計画管理部140を有する。これらの機能は、CPU101によって所定のプログラムが実行されることにより実現される。また、これらの機能の全部または少なくとも一部が専用のハードウェアによって実現されてもよい。
管理情報記憶部110は、生産管理システムの運用に必要な管理情報を一元的に記憶・管理する。管理情報記憶部110は、第1の実施の形態で説明した物品管理情報記憶部1a、部品引当明細記憶部1bおよび生産計画情報記憶部1cを含む。管理情報記憶部110に記憶される各情報は、受発注品管理部120、部品引当処理部130および生産計画管理部140によって参照・更新される。
受発注品管理部120は、営業端末装置21から製品の受注入力を受け付ける。受発注品管理部120は、発注端末装置22からの発注入力、製品の生産計画および部品の在庫状況などに基づいてサプライヤ40,40a,40bへ部品の発注を行う。受発注品管理部120は、倉庫端末装置26から倉庫25に入庫された部品、倉庫25から出庫された部品に関する情報を受け付ける。受発注品管理部120は、発注済みの部品で製造中のもの(注残部品)について、サプライヤ40,40a,40bでの製造工程の進捗情報を受け付ける。受発注品管理部120は、受け付けた情報に基づいて管理情報記憶部110に記憶された部品に関する管理情報(部品管理情報という)を更新する。
部品引当処理部130は、受発注品管理部120により管理情報記憶部110に記憶された部品管理情報が更新されると、受注している製品の引当あるいは再引当が必要であるか否かを判断する。そして、部品引当処理部130は、引当あるいは再引当が必要と判断した受注製品に対して部品の引当処理を実行する。部品引当処理部130は、引当結果を管理情報記憶部110に格納する。
生産計画管理部140は、管理情報記憶部110を参照し、部品引当処理部130による引当結果に基づいて、新たに引当あるいは再引当が行われた製品に対して生産計画を行う。生産計画管理部140は、その結果に基づいて製品製造会社20の製品工場に対して製品の製造指示、納期回答、製品の出荷指示などを行う。
以下、受発注品管理部120、部品引当処理部130および生産計画管理部140の機能構成を詳細に説明する。
まず、受発注品管理部120の機能構成に関して説明する。
図6は、管理サーバの機能構成を示す第2の図である。管理情報記憶部110は、物品マスタ記憶部111、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113、部品在庫情報記憶部114および物品工程情報記憶部115を有する。
物品マスタ記憶部111は、物品マスタおよび部品表を記憶する。
部品所要情報記憶部112は、受注した製品に対する部品の所要量を示す部品所要情報を記憶する。
部品発注情報記憶部113は、サプライヤ40,40a,40bに発注した注残部品の数量や納期などを示す部品発注情報を記憶する。
部品在庫情報記憶部114は、倉庫25に保管されている在庫部品を管理するための在庫情報を記憶する。
物品工程情報記憶部115は、サプライヤ40,40a,40bにおける注残部品の進捗状況を管理するための部品工程情報を記憶する。
受発注品管理部120は、受注管理部121、部品発注管理部122、在庫管理部123および部品工程管理部124を有する。
受注管理部121は、営業端末装置21からの受注入力に基づいて受注情報を生成し、部品所要情報記憶部112に格納する。そして、受注管理部121は、物品マスタ記憶部111を参照して受注製品に対する部品の所要量計算を行い、部品所要情報を生成し、部品所要情報記憶部112に格納する。
部品発注管理部122は、発注端末装置22からの発注入力に基づいて、部品発注情報を生成する。また、部品発注管理部122は、生産計画に基づいて定期的にあるいは、部品在庫情報記憶部114に記憶された部品在庫の在庫状況に応じて部品発注情報を生成する。部品発注情報は、発注した注残部品を管理するための情報であり、部品管理情報の一部である。部品発注管理部122は、生成した部品発注情報を部品発注情報記憶部113に格納する。
在庫管理部123は、倉庫端末装置26から受信する物品の出入庫情報に基づいて、新たに入庫された物品や出庫された物品の情報を部品在庫情報記憶部114に記憶された在庫情報に反映する。在庫情報は、部品在庫を管理するための情報であり、部品管理情報の一部である。すなわち、部品発注情報と在庫情報とが部品管理情報に対応する。
部品工程管理部124は、ライン端末装置200から受信するゲート通過情報に基づいて、物品工程情報記憶部115に記憶された注残部品の製造工程を更新する。ゲート通過情報は、第1の実施の形態に記載した進捗情報に対応するものである。また、部品工程管理部124は、注残部品の製造工程の進捗に応じて部品発注情報記憶部113に記憶された部品発注情報に含まれる注残部品の納期を更新する。ただし、部品発注情報記憶部113と部品工程管理部124との間の関連線は省略している。
次に、部品引当処理部130の機能構成に関して説明する。
図7は、管理サーバの機能構成を示す第3の図である。管理情報記憶部110は、物品マスタ記憶部111、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113、部品在庫情報記憶部114、引当対象部品情報記憶部116および部品引当明細記憶部117を有する。なお、物品マスタ記憶部111、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113および部品在庫情報記憶部114は、図6で同一の符号を付して説明した各構成と同一である。
引当対象部品情報記憶部116は、引当あるいは再引当の対象とする物品の管理コード(以下、図番という)を記憶する。
部品引当明細記憶部117は、製品に対する部品の引当結果である部品引当明細を記憶する。
部品引当処理部130は、引当対象図番取得部131、引当方法判定部132、リザーブ引当処理部133および数量引当処理部134を有する。
引当対象図番取得部131は、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113および部品在庫情報記憶部114を参照して、部品所要情報、在庫情報および部品発注情報において、前回引当処理から更新が行われたレコード(更新レコード)を抽出する。引当対象図番取得部131は、更新レコードに含まれる図番を取得すると引当対象部品情報記憶部116に格納する。
引当方法判定部132は、引当対象部品情報記憶部116に記憶された引当対象図番を参照して、引当処理を行うべき部品を特定する。そして、引当方法判定部132は、物品マスタ記憶部111を参照して、その部品に対する引当方法をリザーブ引当とするか数量引当とするかを判定する。リザーブ引当とする場合、引当方法判定部132は引当対象図番をリザーブ引当処理部133に出力する。数量引当とする場合、引当方法判定部132は引当対象図番を数量引当処理部134に出力する。
ここで、リザーブ引当とは、一度ある製品に対して引き当てた部品は、その後、その製品に引き当てられた状態を維持する引当方法である。すなわち、ある部品を再引当する際に、その部品につきリザーブ引当結果が既に存在する場合には、そのリザーブ引当結果に加えて、不足分などを追加で引き当てることになる。また、リザーブ引当された部品は、原則として他の製品に引き当てられることがない。このため、所要量の変動が大きい部品を確実に確保可能とする場合に適している。
一方、数量引当とは、ある部品の再引当の際に、必要な所要分を全て引当しなおす引当方法である。数量引当を利用すると、注残部品の納期が前倒しになった場合や注残部品の納期が遅延するような場合など、発注している部品の製造工程の進捗に応じて、他の引当源泉からの引当替えを柔軟に行うことができる。このため、納期が前後し易い部品を使用する場合に適している。
なお、引当源泉とは、該当部品あるいは代替部品を引当可能に含んでいる在庫や注残などの保有元を示す。
リザーブ引当処理部133は、引当方法判定部132から取得した引当対象図番に基づいて、物品マスタ記憶部111、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113、部品在庫情報記憶部114および部品引当明細記憶部117を参照し、該当図番で示される部品のリザーブ引当処理を行う。
数量引当処理部134は、引当方法判定部132から取得した引当対象図番に基づいて、物品マスタ記憶部111、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113、部品在庫情報記憶部114および部品引当明細記憶部117を参照し、該当図番で示される部品の数量引当処理を行う。
なお、管理サーバ100は、引当処理用ワーク領域150を有する。引当処理用ワーク領域150は、リザーブ引当処理部133および数量引当処理部134が引当処理に用いる一時記憶領域である。引当処理用ワーク領域150の詳細は後述する。
次に、生産計画管理部140の機能構成に関して説明する。
図8は、管理サーバの機能構成を示す第4の図である。管理情報記憶部110は、部品引当明細記憶部117、部品面揃情報記憶部118および納期回答情報記憶部119を有する。なお、部品引当明細記憶部117は図7で同一の符号を付して説明した構成と同一である。
部品面揃情報記憶部118は、製品の製造に必要な部品が全て倉庫25に揃い、製品の製造に着手可能となる時点を管理する部品面揃情報を記憶する。また、部品面揃情報記憶部118は、部品面揃情報に基づいて生成された、工場の製造工程を管理するための製造計画管理情報を記憶する。
納期回答情報記憶部119は、製品納期を示す納期回答情報を記憶する。
生産計画管理部140は、面揃情報更新処理部141、製造管理部142、納期回答情報生成部143および納期回答処理部144を有する。
面揃情報更新処理部141は、部品引当明細記憶部117に記憶された部品引当明細中の更新レコードを抽出し、引当対象製品について部品面揃情報を生成し、部品面揃情報記憶部118に格納する。
製造管理部142は、部品面揃情報記憶部118に記憶された部品面揃情報に基づいて製造計画管理情報を生成し、部品面揃情報記憶部118に格納する。また、製造管理部142は、製造計画管理情報に基づいて工場へ製品の製造指示を送信する。
納期回答情報生成部143は、部品面揃情報記憶部118に記憶された部品面揃情報および製造計画管理情報に基づいて納期回答情報を生成し、納期回答情報記憶部119に格納する。
納期回答処理部144は、営業端末装置21などから納期回答の要求を受け付けると、納期回答情報記憶部119に記憶された納期回答情報に基づいて、要求元の端末装置に接続されたモニタに納期回答画面を出力させる。
次に、サプライヤ40の部品製造ライン45に設置されたライン端末装置200の機能構成について説明する。
図9は、ライン端末装置の機能構成を示す図である。ライン端末装置200は、ゲート通過情報記憶部210、通過情報受信部220および通過情報送信部230を有する。これらの機能は、ライン端末装置のCPUが所定のプログラムを実行することで実現される。なお、これらの機能の全部または少なくとも一部が専用のハードウェアによって実現されてもよい。
ゲート通過情報記憶部210は、かんばん60のゲート310,320,330,340のゲートの通過状況を示すゲート通過情報を記憶する。
通過情報受信部220は、ゲート310,320,330,340から通信装置300を介して部品の識別情報、ゲート識別情報および各ゲートを部品が通過したタイムスタンプを受信し、ゲート通過情報記憶部210に格納する。なお、通過情報受信部220はゲート310,320,330,340から部品の識別情報およびゲート識別情報を受信した時点のタイムスタンプをゲート通過情報に設定してもよい。
通過情報送信部230は、ゲート通過情報記憶部210に記憶されたゲート通過情報を管理サーバ100に送信する。
図10は、かんばんの構成を示す図である。かんばん60は、帳票部61および無線タグ部62を有する。
帳票部61は、発注された部品の詳細情報を示す文字列が印字される領域である。帳票部61には、例えば、サプライヤ40側で発注内容を管理するための指令ID、発注先サプライヤの名称を示すユーザ名、部品の名称を示す品名、製品製造会社で発注内容を管理するための発注番号、該当部品の図番およびその版数を示す図番−版数、受注数量を示すオーダ数、かんばん60を発行した日を示す発行日付、納期を示す予定納期などの情報を示す文字列が印字される。部品製造ライン45の作業者は、帳票部61に印字された文字列を視認することで、部品ボックス70に収納された部品の種類や納期などを確認することができる。
無線タグ部62は、通信装置311,321,331,341と無線通信する通信装置である。無線タグ部62は、メモリを備えている。無線タグ部62は、このメモリに帳票部61に印字された情報と同様の情報(少なくとも指令IDを含む)を記憶する。無線タグ部62と通信装置311,321,331,341との通信は、例えばRFID(Radio Frequency IDentifier)技術によって実現できる。
図11は、物品マスタのデータ構造例を示す図である。物品マスタ111aは、物品マスタ記憶部111に予め格納される。物品マスタ111aには、物品IDを示す項目、品名を示す項目、図番を示す項目、版数を示す項目および引当区分を示す項目を含む項目が設けられる。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの物品に関する情報を示す。
物品IDを示す項目には物品を一意に識別するための識別情報が設定される。品名を示す項目には、その物品の名称を示す情報が設定される。図番を示す項目には、その物品の図番を示す情報が設定される。版数を示す項目には、図番のバージョンを示す版数が設定される。版数によって、同一物品の異なる図番(改定版など)を管理することができる。引当区分を示す項目には、物品が部品である場合、その部品がリザーブ引当対象か数量引当対象かを示す情報が設定される。
物品マスタ111aには、例えば、物品IDが“PD001”、品名が“自動取引装置Z1”、図番が“DR001”、版数が“V01”、引当区分が“−”(設定なし)という情報が設定される。品名“自動取引装置Z1”で示される物品は、製品製造会社20で製造して顧客へ納入する製品であるため、引当区分は設定なしとなる。
また、物品マスタ111aには、例えば、物品IDが“PD011”、品名が“部品Y11”,図番が“DR011”、版数が“V01”、引当区分が“リザーブ引当”という情報が設定される。これは、品名“部品Y11”で示される物品は部品であり、その部品の引当を行う際にはリザーブ引当を行うことを示している。
また、物品マスタ111aには、例えば、物品IDが“PD012”、品名が“部品Y12”,図番が“DR012”、版数が“V01”、引当区分が“数量引当”という情報が設定される。これは、品名“部品Y12”で示される物品は部品であり、その部品の引当を行う際には数量引当を行うことを示している。
図12は、物品構成テーブルのデータ構造例を示す図である。物品構成テーブル111bは、物品マスタ記憶部111に予め格納される。物品構成テーブル111bは、製品に対する部品の階層構造を定義した部品表である。物品構成テーブル111bには、物品IDを示す項目、上位物品IDを示す項目および所要数量を示す項目が設けられる。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの部品に関する情報を示す。
物品IDを示す項目には、上位物品の構成要素(部品)となる物品の物品IDが設定される。上位物品IDを示す項目には、該当の物品により構成される1段階上位の階層の物品(上位物品)の物品IDが設定される。所要数量を示す項目には、上位物品IDで示される物品を製造するために必要となるその部品の数量を示す情報が設定される。
物品構成テーブル111bには、例えば、物品IDが“PD011”、上位物品IDが“PD001”、所要数量が“10”という情報が設定される。これは、物品ID“PD011”で示される物品は、上位物品ID“PD001”で示される物品の部品であり、“PD001”の製造のために“PD011”が10個必要であることを示している。
また、物品構成テーブル111bには、例えば、物品ID“PD011”、“PD012”、“PD013”に対して上位物品ID“PD001”が設定されている。これは、上位物品“PD001”を製造するために、3種の部品“PD011”、“PD012”、“PD013”が必要であることを示している。
なお、物品ID“PD022”の部品は、上位物品ID“PD002”の部品であり、かつ、物品ID“PD221”、“PD222”を部品とする上位物品でもある。この部品は、製品製造会社20で製造される部品であり、中間品とよぶ。
図13は、受注テーブルのデータ構造例を示す図である。受注テーブル112aは、受注管理部121により生成・更新され、部品所要情報記憶部112に記憶される。受注テーブル112aには、受注番号を示す項目、物品IDを示す項目、数量を示す項目、納期を示す項目および優先区分を示す項目を含む項目が設定される。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの受注内容に関する情報を示す。
受注番号を示す項目には、受注内容を識別するための識別情報が設定される。物品IDを示す項目には、受注した製品の物品IDが設定される。数量を示す項目には、受注数量を示す値が設定される。納期を示す項目には、該当製品の納期を示す情報が設定される。優先区分を示す項目には、その製品を製造するための部品を優先的に確保する(優先対象)か否かを示すフラグが設定される。例えば、優先区分にフラグ“1”が設定される場合、その製品が優先対象であることを示す。また、優先区分にフラグ“0”が設定される場合、その製品が優先対象外であることを示す。
受注テーブル112aには、例えば、受注番号が“OR001”、物品IDが“PD001”、数量が“10”、納期が“2009/9/25”、優先区分が“1”という情報が設定される。これは、受注番号“OR001”において、物品ID“PD001”の製品“10”個分の受注を受け付けており、顧客に対する納期が“2009/9/25”であり、その製品が優先対象であることを示している。
受注テーブル112aには、例えば、受注番号が“OR002”、物品IDが“PD002”、数量が“5”、納期が“2009/9/30”、優先区分が“0”という情報が設定される。優先区分が“0”のため、物品ID“PD002”の製品は当受注においては優先対象外である。
なお、受注管理部121は、受注入力の受付時に優先対象であるか否かの情報を取得する。そして、受け付けた情報に応じて受注テーブル112aの該当のレコードの優先区分を示す項目の設定を行う。例えば、顧客への納期が迫っている製品については他の製品よりも製造を優先させるために、営業端末装置21にて優先対象とする旨の設定がなされる。
図14は、部品所要テーブルのデータ構造例を示す図である。部品所要テーブル112bは、受注管理部121により生成・更新され、部品所要情報記憶部112に記憶される。部品所要テーブル112bは、所要量計算により製品について求められた各部品の所要数を示す所要量情報である。
部品所要テーブル112bには、所要IDを示す項目、受注番号を示す項目、図番を示す項目、版数を示す項目、所要数を示す項目、所要日を示す項目および優先区分を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの部品に対する所要情報を示す。
所要IDを示す項目には、所要情報の内容を識別するための識別情報が設定される。受注番号を示す項目には、その所要情報が関連する受注に対応する受注番号が設定される。図番を示す項目には、上位製品を製造するために必要な部品の図番が設定される。版数を示す項目には、図番に対する版数が設定される。所要数を示す項目には、上位製品を製造するために必要な部品の数量が設定される。所要日を示す項目には、上位製品の製造に着手するために該当部品が必要となる日付が設定される。優先区分を示す項目には、その部品が優先対象であるか否かを示すフラグが設定される。受注管理部121は、受注番号をキーとして、部品所要レコードと受注テーブル112aに設定された受注レコードとを対応付けることで、優先区分を示す項目の設定を行うことができる。
部品所要テーブル112bには、例えば、所要IDが“SY001”、受注番号が“OR001”、図番が“DR011”、版数が“V01”、所要数が“100”、所要日が“2009/9/1”、優先区分が“1”という情報が設定される。これは、受注番号“OR001”で示される受注において受注対象の製品に対して、図番“DR011”かつ版数“V01”で示される部品が“2009/9/1”までに“100”個必要であり、また、この部品が優先対象の製品に用いられる部品であることを示している。なお、受注番号に対する受注対象の製品は、受注テーブル112aを参照することで取得することができる。これにより、ある製品に対応するある部品の所要数を特定できる。
なお、受注テーブル112aには受注元の顧客の名称や受注日時などの各種基本情報も含まれる。
図15は、部品注残テーブルのデータ構造例を示す図である。部品注残テーブル113aは、部品発注管理部122により生成・更新され、部品発注情報記憶部113に格納される。部品注残テーブル113aには、注残IDを示す項目、サプライヤIDを示す項目、発注指令IDを示す項目、図番を示す項目、版数を示す項目、発注数量を示す項目、引当可能数を示す項目、倉庫区分を示す項目および注残納期を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの注残部品に関する情報を示す。
注残IDを示す項目には、注残部品を識別するための識別情報が設定される。サプライヤIDを示す項目には、発注先のサプライヤを識別するための識別情報が設定される。発注指令IDを示す項目には、サプライヤ側に発注内容を識別するための識別情報が設定される。図番を示す項目には、注残部品の図番が設定される。版数を示す項目には、図番に対する版数が設定される。発注数量を示す項目には、サプライヤに対して発注した部品の数量が設定される。引当可能数を示す項目には、発注数量に対して引当可能な数量が設定される。倉庫区分を示す項目には、該当部品を保管すべき倉庫25内の建物や区画を識別するための情報が設定される。注残納期を示す項目には、注残部品の予定納期が設定される。
部品注残テーブル113aには、例えば、注残IDが“FA001”、サプライヤIDが“S001”、発注指令IDが“HT01−001”、図番が“DR011”、版数が“V01”、発注数量が“50”、引当可能数が“50”、倉庫区分が“AD01”、注残納期が“2009/8/31”という情報が設定される。これは、発注番号“FA001”で示される内容の発注が、サプライヤID“S001”で識別されるサプライヤ(サプライヤ40とする)になされていることを示している。また、サプライヤ40では発注指令ID“HT01−001”により部品製造ライン45への注残部品の製造指示がなされていることを示している。更に、その発注の内容が図番“DR011”かつ版数“V01”の部品についてであり、その数量が“50”、そのうち製品に引き当てることができる数量が“50”であることを示している。また、倉庫25に納入される際には、“AD01”で示される建物または区画に入庫され、その納期が“2009/8/31”であることを示している。
なお、注残納期を示す項目の設定は、部品を発注した当初は部品発注管理部122により標準納期の設定がなされる。しかし、注残納期は部品製造ライン45での工程の進捗状況によって変更し得る。このため、部品工程管理部124は、部品製造ライン45での工程の進捗状況に応じて、部品注残テーブル113aの注残納期を示す項目を変更する。
なお、部品注残テーブル113aに設定された部品が倉庫25に入庫された場合には、該当部品は後述の部品在庫テーブルに設定されることになる。このため、部品注残テーブル113aでは、注残部品としては管理されなくなる。例えば、該当の部品注残レコードを入庫済みとして設定する、あるいは、部品注残テーブル113aから削除するなどが考えられる。
部品注残テーブル113aは、このようにして部品の納期を管理するための部品発注情報である。部品注残テーブル113aは、部品管理情報の一部である。
図16は、部品在庫テーブルのデータ構造例を示す図である。部品在庫テーブル114aは、在庫管理部123により生成・更新され、部品在庫情報記憶部114に格納される。部品在庫テーブル114aには、在庫IDを示す項目、図番を示す項目、版数を示す項目、在庫数を示す項目および倉庫区分を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの部品の在庫に関する情報を示す。
在庫IDを示す項目には、在庫内容を識別するための識別情報が設定される。図番を示す項目には、該当部品の図番が設定される。版数を示す項目には、図番に対応する版数が設定される。在庫数を示す項目には、保管されている在庫の数量が設定される。在庫数を示す項目は、当在庫から引当可能な数量を示す引当可能数でもある。倉庫区分を示す項目には、倉庫25内の保管場所である建物または区画を示す情報が設定される。
部品在庫テーブル114aには、例えば、在庫IDが“SK001”、図番が“DR011”、版数が“V01”、在庫数が“30”、倉庫区分が“AD01”という情報が設定される。これは、在庫ID“SK001”で示される部品在庫が、図番“DR011”かつ版数“V01”で示される部品であり、倉庫区分“AD01”で示される場所に数量“30”分が保管されていることを示している。
なお、部品在庫テーブル114aは、部品の在庫を管理するための在庫情報である。部品在庫テーブル114aは、部品管理情報の一部である。
部品注残テーブル113aと部品在庫テーブル114aとは部品管理情報に対応する。
図17は、製品標準工程テーブルのデータ構造例を示す図である。製品標準工程テーブル115aは、物品工程情報記憶部115に予め格納される。製品標準工程テーブル115aは、製品製造会社20で製造される製品の製造に要する標準工程日数を定義したものである。
製品標準工程テーブル115aには、物品IDを示す項目、標準日数を示す項目、試験工程を示す項目および試済まで合計日数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの製品に対する標準工程の情報を示す。
物品IDを示す項目には、製品を識別するための物品IDが設定される。標準日数を示す項目には、製品を製造するに当たり必要となる日数が工程別に設定される。例えば、標準日数を示す項目には、組立工程P1,P2,P3および試験工程を示す項目が設けられ、工程ごとに必要な日数が設定される。試済まで合計日数を示す項目には、製造着手から試験工程の完了までに要する合計の日数が設定される。
製品標準工程テーブル115aには、例えば、物品IDが“PD001”、組立工程P1が“2日”、組立工程P2が“3日”、組立工程P3が“5日”、試験工程が“5日”、試済まで合計日数が“15日”(=2日+3日+5日+5日)という情報が設定される。
図18は、部品標準工程テーブルのデータ構造例を示す図である。部品標準工程テーブル115b,115c,115dは、物品工程情報記憶部115に予め格納される。部品標準工程テーブル115b,115c,115dは、サプライヤ40,40a,40bで製造される部品に関する標準工程の情報である。なお、以下では部品標準工程テーブル115bに関してのみ説明するが部品標準工程テーブル115c,115dに関しても同様の構成となる。
部品標準工程テーブル115bには、物品IDを示す項目、標準日数を示す項目、配送日数を示す項目および合計日数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの部品に関する情報を示す。
物品IDを示す項目には、部品を識別するための物品IDが設定される。標準日数を示す項目には、製品を製造するに当たり必要となる日数が工程別に設定される。例えば、標準日数を示す項目には、A工程、B工程、C工程を示す項目が設けられ、工程ごとに必要な日数が設定される。配送日数を示す項目には、サプライヤ40から倉庫25への配送に要する日数が設定される。合計日数を示す項目には、製造着手から配送日数まで含めた納品までに必要な合計日数が設定される。
部品標準工程テーブル115bには、例えば、物品IDが“PD011”、A工程が“1日”、B工程が“2日”、C工程が“1日”、配送が“1日”、合計日数が“5日”(=1日+2日+1日+1日)という情報が設定される。
なお、部品工程管理部124は、サプライヤ40,40b,40cの社員により端末装置41,42から入力された情報に基づいて部品標準工程テーブル115b,115c,115dの設定内容を適宜変更可能とすることもできる。このようにすると、部品の製造工程の変更に柔軟に対応することが可能となる。
なお、製品標準工程テーブル115a、部品標準工程テーブル115bの標準日数の設定は製品や部品の製造数に応じて変更させることも考えられる。具体的には、標準工程としてロット単位の所要日数を定めておき、製造ロット数に応じて標準工程日数を変更する。例えば、ロット単位で5日を要する製品(あるいは部品)について2ロット分の製造に対しては、5×2=10を標準工程日数とすることが考えられる。このようにすると、工程日数の計算の精度を高めることができる。
また、製品標準工程テーブル115a、部品標準工程テーブル115bでは上述した工程数に限らず更に多数の工程を有していてもよい。また、製品や部品ごとに異なる工程数を有していてもよい。また、同じ部品であってもサプライヤや工場ごとに異なる工程数が定義されていてもよい。
更に、各工程を更に複数の工程に細分化して管理することも考えられる。
図19は、工程実績管理テーブルのデータ構造例を示す図である。工程実績管理テーブル115eは、部品工程管理部124により生成され、物品工程情報記憶部115に格納される。工程実績管理テーブル115eには、発注指令IDを示す項目、生産開始日時実績を示す項目、各工程完了予定日時を示す項目、各工程完了実績日時を示す項目、配送日数を示す項目、全工程合計を示す項目および注残納期を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの部品の製造工程の進捗に関する情報を示す。
発注指令IDを示す項目には、部品の製造を指示する発注指令IDが設定される。生産開始日時実績を示す項目には、部品の製造が開始された日時が設定される。各工程完了予定日時を示す項目には、生産開始日時実績から予定される各工程の完了予定日時が設定される。例えば、各工程完了予定日時を示す項目には、A工程、B工程、C工程を示す項目が設けられ、工程ごとに完了予定日時が設定される。各工程完了実績日時を示す項目には、各工程が完了した実績の日時が設定される。例えば、各工程完了実績日時を示す項目には、A工程、A実績、B工程、B実績、C工程、C実績を示す項目が設けられ、工程ごとに完了実績日時と、実績日数が設定される。配送日数を示す項目には、配送に要する日数が設定される。全工程合計を示す項目には、部品の製造に要する日数(予定日数あるいは実績日数)の合計が設定される。注残納期を示す項目には、全工程合計に基づいて算出された該当部品の注残納期が設定される。
工程実績管理テーブル115eには、例えば、発注指令IDが“HT01−001”、生産開始日時実績が“2009/8/25 9:00:00”という情報が設定される。これは、発注指令ID“HT01−001”で示される部品がサプライヤ40において該当日に生産が開始されたことを示している。
また、工程実績管理テーブル115eには、例えば、発注指令ID“HT01−001”のレコードにつき各工程完了予定日時のA工程が“2009/8/26 9:00:00”、B工程が“2009/8/27 9:00:00”、C工程が“2009/8/28 9:00:00”という情報が設定される。これは、該当部品を製造するための各工程が各設定日時に完了予定である(あるいは、完了予定であった)旨を示している。部品工程管理部124は、部品標準工程テーブル115b,115c,115dと生産開始日時実績とを参照することで、各工程完了予定日時の各工程の完了予定日時を得ることができる。
また、工程実績管理テーブル115eには、例えば、発注指令ID“HT01−001”のレコードにつき各工程完了実績日時のA工程が“2009/8/26 15:00:00”、A実績が“1.25日”、B工程が“2009/8/28 21:00:00”、B実績が“2.25日”、C工程が“2009/8/30 9:00:00”、C実績が“1.5日”という情報が設定される。これは、各工程の実績の完了日時が各設定日時であり、実際に各工程に要した実績の日数がA,B,C実績として設定された日数であったことを示している。
ここで、A工程実績は、生産開始日時実績から、A工程の完了実績日時までの期間の日数である。B工程実績は、A工程の完了実績日時からB工程の完了実績日時までの期間の日数である。C工程実績は、B工程の完了実績日時からC工程の完了実績日時までの期間の日数である。
また、工程実績管理テーブル115eには、例えば、発注指令ID“HT01−001”のレコードにつき配送日数が“1日”、全工程合計が“6日”、注残納期が“2009/8/31”という情報が設定される。これは、部品の製造完了から配送して倉庫25へ入庫するまでに“1日”を要し、全工程の合計で“6日”(=1.25日+2.25日+1.5日+1日)を要することを示している。なお、注残納期は、例えば最終工程であるC工程の完了実績日時に配送日数を加算した日時として求めることができる。また、生産開始日時実績に全工程合計を加算した日時として求めることもできる。
また、工程実績管理テーブル115eには、例えば、発注指令ID“HT01−002”のレコードにつきC工程の工程完了実績日時が“−”(設定なし)となっている。これは、現時点において、発注指令ID“HT01−002”の製造工程について、B工程まで完了しているがC工程までは完了していないことを示している。その場合、部品工程管理部124は、C工程については部品標準工程テーブル115b,115c,115dを参照して、全工程合計を算出する。ここで、発注指令ID“HT01−002”は物品ID“PD012”で示される部品の部品製造ライン45における製造工程を示している。このため、部品工程管理部124は、部品標準工程テーブル115bを参照して、物品ID“PD012”のC工程に要する標準日数“2日”を取得する。そして、全工程合計“9日”(=2日+4日+2日(C工程の標準日数)+1日)を取得する。これにより、未だ工程途中である部品に関しても注残納期を計算することができる。
部品工程管理部124は、このようにして求めた注残納期を部品注残テーブルの注残納期を示す項目に反映する。これにより、部品注残テーブル113aでは、サプライヤ40,40a,40bでの製造工程の進捗状況に応じた精度の高い注残納期を管理することができる。
なお、夜間に部品製造ライン45を停止する場合には、停止した時間を除いて予定日時および実績を管理することが考えられる。これにより、ラインの実働時間に合わせた工程管理を行うことができる。
図20は、更新図番テーブルのデータ構造例を示す図である。更新図番テーブル116aは、引当対象図番取得部131により生成され、引当対象部品情報記憶部116に格納される。更新図番テーブル116aには、図番を示す項目および版数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの更新が行われた部品に関する情報を構成する。
図番を示す項目には、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113および部品在庫情報記憶部114で管理される各情報のうち、更新が行われた部品の図番が設定される。版数を示す項目には、図番に対する版数が設定される。
例えば、受注管理部121は、製品の受注数量の変更を受け付け、部品所要情報記憶部112に記憶された部品所要テーブル112bの所要ID“SY001”のレコードを更新したとする。すると、引当対象図番取得部131は、部品所要テーブル112bの所要ID“SY001”のレコードを参照して、対象の部品の図番および版数を抽出し、更新図番テーブル116aに設定する。部品発注情報記憶部113に記憶された部品注残テーブル113aおよび部品在庫情報記憶部114に記憶された部品在庫テーブル114aの各レコードについての更新に関しても同様である。
引当対象図番取得部131は、これら各テーブルの更新されたレコードに含まれる図番および版数を更新を検出したタイミングで随時、更新図番テーブル116aに設定する。
図21は、引当対象図番テーブルのデータ構造例を示す図である。引当対象図番テーブル116bは、引当対象図番取得部131により更新図番テーブル116aに基づいて生成され、引当対象部品情報記憶部116に格納される。引当対象図番テーブル116bには、図番を示す項目および版数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの引当対象となる部品の情報を示す。
図番を示す項目には、引当対象とする部品の図番が設定される。版数を示す項目には、図番に対する版数が設定される。
引当対象図番テーブル116bは、更新図番テーブル116aから図番かつ版数が重複するレコードを1つにまとめたものである。
図22は、引当明細テーブルのデータ構造例を示す図である。引当明細テーブル117aは、リザーブ引当処理部133または数量引当処理部134によって生成・更新され、部品引当明細記憶部117に格納される。引当明細テーブル117aには、受注番号を示す項目、所要IDを示す項目、図番を示す項目、版数を示す項目、所要日を示す項目、所要数を示す項目、引当前所要残数を示す項目、引当数を示す項目、引当区分を示す項目、在庫数/発注数を示す項目、在庫ID/注残IDを示す項目および注残納期を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの引当結果に関する情報を示す。
受注番号を示す項目には、引当内容が関係する受注番号が設定される。所要IDを示す項目には、引当内容が関係する所要IDが設定される。図番を示す項目には、引当対象部品の図番が設定される。版数を示す項目には、図番に対する版数が設定される。所要日を示す項目には、部品の所要日が設定される。所要数を示す項目には、部品の所要数が設定される。引当前所要残数を示す項目には、所要数に対し直前までの引当処理で既に引当が行われている引当済数を除いた残数が設定される。引当数を示す項目には、今回の(該当レコードが示す)引当処理で引き当てた数量が設定される。引当区分を示す項目には、在庫からの引当か注残からの引当かを示す区分が設定される。在庫数/発注数を示す項目には、引当源泉となった在庫/注残部品の数量が設定される。在庫ID/注残IDを示す項目には、引当源泉となった在庫IDまたは注残IDが設定される。注残納期を示す項目には、注残から引き当てた部品に関して、注残納期が設定される。
引当明細テーブル117aには、例えば、受注番号が“OR001”、所要IDが“SY001”、図番が“DR011”、版数が“V01”、所要日が“2009/9/1”、所要数が“100”、引当前所要残数が“100”、引当数が“30”、引当区分が“在庫”、在庫数/発注数が“30”、在庫ID/注残IDが“SK001”、注残納期が“−”(設定なし)という情報が設定される。これは、受注番号“OR001”の受注に対して、図番“DR011”かつ版数“V01”で指定される部品の所要ID“SY001”の所要レコードが結び付けられており、その部品の引当前所要残数“100”に対して、在庫ID“SK001”で示される在庫から“30”が引き当てられたことを示している。なお、当引当明細レコードで示される引当処理は、在庫からの引当を行っているため、注残納期は設定なしとなる。
また、引当明細テーブル117aには、例えば、受注番号が“OR001”、所要IDが“SY001”、図番が“DR011”、版数が“V01”、所要日が“2009/9/1”、所要数が“100”、引当前所要残数が“70”、引当数が“10”、引当区分が“在庫”、在庫数/発注数が“10”、在庫ID/注残IDが“SK002”、注残納期が“−”(設定なし)という情報が設定される。引当前所要残数“70”は、直前の引当処理によって、所要残数“100”に対して在庫ID“SK001”の在庫から既に“30”が引当済みであるため、“100−30=70”として求められたものである。
また、引当明細テーブル117aには、例えば、受注番号が“OR001”、所要IDが“SY001”、図番が“DR011”、版数が“V01”、所要日が“2009/9/1”、所要数が“100”、引当前所要残数が“50”、引当数が“50”、引当区分が“注残”、在庫数/発注数が“50”、在庫ID/注残IDが“FA001”、注残納期が“2009/8/31”という情報が設定される。これは、受注番号“OR001”の受注に対して、図番“DR011”かつ版数“V01”で指定される部品の所要ID“SY001”の所要レコードが結び付けられており、その部品の所要残数“50”に対して、在庫ID“FA001”で示される注残から“50”が引き当てられたことを示している。更に、その注残部品の注残納期が“2009/8/31”であることを示している。
また、引当明細テーブル117aには、例えば、受注番号が“OR001”、所要IDが“SY003”、図番が“DR013”、版数が“V01”、所要日が“2009/9/1”、所要数が“50”、引当前所要残数が“10”、引当数が“0”、引当区分が“欠品”、在庫数/発注数が“0”、在庫ID/注残IDが“−”(設定なし)、注残納期が“−”(設定なし)という情報が設定される。これは、受注番号“OR001”の受注に対して、図番“DR013”かつ版数“V01”で指定される部品の所要ID“SY003”の所要レコードが結び付けられており、その部品の引当前所要残数“10”に対して、引当源泉が存在しない(在庫数も注残数も存在しない)ために引当が行えなかった“欠品”の状態であることを示している。
図23は、引当履歴テーブルのデータ構造例を示す図である。引当履歴テーブル117bは、リザーブ引当処理部133または数量引当処理部134に生成され、部品引当明細記憶部117に格納される。引当履歴テーブル117bは、引当処理が行われた部品の図番および版数と、対応する受注番号とを記録したログである。リザーブ引当処理部133または数量引当処理部134は、引当明細テーブル117aの引当明細レコードを生成するたびに、引当履歴レコードを生成し、引当履歴テーブル117bに登録する。引当履歴テーブル117bには、受注番号を示す項目、図番を示す項目および版数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、引当が行われた部品に関する情報を示す。
受注番号を示す項目には、引当処理が行われた部品が関係する受注番号が設定される。図番を示す項目には、引当処理が行われた部品の図番が設定される。版数を示す項目には、図番に対する版数が設定される。
引当履歴テーブル117bには、例えば、受注番号が“OR001”、図番が“DR011”、版数が“V01”という情報が設定される。これは、図番“DR011”かつ版数“V01”で示される部品の受注番号“OR001”の受注につき、引当処理がなされたことを示している。
図24は、面揃対象管理テーブルのデータ構造例を示す図である。面揃対象管理テーブル118aは、面揃情報更新処理部141により生成され、部品面揃情報記憶部118に格納される。面揃対象管理テーブル118aには、受注番号を示す情報が設定される。
受注番号を示す項目には、面揃処理の対象とする受注内容を示す受注番号が設定される。
面揃対象管理テーブル118aには、例えば、受注番号が“OR001”という情報が設定される。これは、受注番号“OR001”で示される受注製品に関係する部品の引当に対して更新が行われたため、当受注に対して面揃処理が必要であることを示している。すなわち、面揃対象管理テーブル118aを参照することで、面揃処理が必要な受注を識別できる。
図25は、部品面揃テーブルのデータ構造例を示す図である。部品面揃テーブル118bは、引当明細テーブル117aに基づいて面揃情報更新処理部141により生成・更新され、部品面揃情報記憶部118に格納される。部品面揃テーブル118bには、受注番号を示す項目、図番を示す項目、版数を示す項目、所要数を示す項目、在庫引当数を示す項目、在庫部品面揃年月日を示す項目、注残引当数(納期内)を示す項目、注残引当数(遅延)を示す項目、注残納期を示す項目、注残部品面揃年月日を示す項目、未手配(納期内)を示す項目、未手配(遅延)を示す項目、未手配部品納期を示す項目および未手配部品面揃年月日を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、部品の面揃日を管理するための情報を示す。
受注番号を示す項目には、当面揃レコードが関係する受注番号が設定される。図番を示す項目には、対象部品の図番が設定される。版数を示す項目には、図番に対する版数が設定される。所要数を示す項目には、引当の必要な所要数が設定される。
在庫引当数を示す項目には、在庫から引き当てた数が設定される。在庫部品面揃年月日を示す項目には、在庫から引き当てた部品の面揃年月日が設定される。なお、在庫部品面揃年月日は在庫からの引当であるため、各部品の所要日がそのまま設定される。
注残引当数(納期内)を示す項目には、注残から引き当てた部品のうち、注残納期が当初納期内のものの数量が設定される。ここで、当初納期とは、製品を製造するに当たりその製品の顧客への納期に基づいて、製品製造会社20がサプライヤ40,40a,40b側へ当初希望していた部品の納期である。注残引当数(遅延)を示す項目には、注残から引き当てた部品のうち、注残納期が当初納期に納まっていない(納期遅延している)ものの数量が設定される。注残納期を示す項目には、サプライヤ40,40a,40bでの部品の製造工程の進捗に応じた注残納期が設定される。注残部品面揃年月日を示す項目には、上位物品の構成部品となる注残部品群が倉庫25に揃う日付が設定される。
未手配(納期内)を示す項目には、欠品状態で引当が行われていないが、現時点からサプライヤ40,40a,40bへ発注して当初納期内に倉庫25へ入庫可能な数量が設定される。未手配(遅延)を示す項目には、欠品状態で引当が行われておらず、現時点からサプライヤ40,40a,40bへ発注しても当初納期内に倉庫25へ入庫できない数量が設定される。未手配部品納期を示す項目には、未手配品を現時点で発注した場合の想定納期が設定される。未手配部品面揃年月日を示す項目には、上位物品の構成部品となる未手配部品群が倉庫25に揃う予想日付が設定される。
以下、2009年8月30日の午前9時時点を想定した部品面揃テーブル118bの具体的な設定内容を例示する。
部品面揃テーブル118bには、例えば、受注番号が“OR001”、図番が“DR011”、版数が“V01”、所要数が“100”、在庫引当数が“50”、在庫部品面揃年月日が“2009/9/1”、注残引当数(納期内)が“50”、注残引当数(遅延)が“0”、注残納期が“2009/8/31”、注残部品面揃年月日が“2009/9/2”、未手配(納期内)が“0”、未手配(遅延)が“0”、未手配部品納期が“−”(設定なし)、未手配部品面揃年月日が“2009/9/3”という情報が設定される。
これは、図番“DR011”かつ版数“V01”で指定される部品が在庫から数量“50”だけ引き当てられていることを示している。在庫から引き当てた分は、面揃年月日として、引当明細テーブル117aの所要日がそのまま設定される。また、その部品について、注残納期が納期内の注残(納期内注残部品という)から数量“50”だけ引き当てられており、注残納期が遅延の注残(納期遅延注残部品という)からは引き当てていないことを示している。
また、注残納期として、引当を行った納期内注残と納期遅延注残とのうち遅い方の注残納期“2009/8/31”が設定される。すなわち、当レコードにおいては、“2009/8/31”までに所要数として必要な数量“100”が揃うことになる。なお、当レコードでは、納期遅延注残からは引当を行っていないので、納期内注残部品の注残納期が設定される。また、納期遅延注残から引き当てられていれば、納期遅延の注残部品の方の納期が遅いことが通常であるので納期遅延注残部品の注残納期が設定されることになる。
注残部品面揃年月日に設定された“2009/9/2”は、上位物品を製造するための部品群のうち最も遅い注残納期の日付である。ここでは、受注番号“OR001”で指定される製品“PD001”につき部品群“DR011”、“DR012”、“DR013”(何れも版数“V01”)が必要である。このため、その中で注残納期の最も遅い“DR012”の部品の注残納期“2009/9/2”が設定されることになる。
更に、在庫と注残とを引当源泉として所要数を全て引き当てることができるので、未手配(納期内)、未手配(遅延)は何れも“0”となり、未手配部品納期は“−”(設定なし)となる。なお、未手配部品面揃年月日には、注残部品面揃年月日と同様の判断により、未手配品の部品群につき最も遅い想定納期の日付が設定されている。
また、部品面揃テーブル118bには、例えば、受注番号が“OR001”、図番が“DR012”、版数が“V01”、所要数が“50”、在庫引当数が“30”、在庫部品面揃年月日が“2009/9/1”、注残引当数(納期内)が“10”、注残引当数(遅延)が“10”、注残納期が“2009/9/2”、注残部品面揃年月日が“2009/9/2”、未手配(納期内)が“0”、未手配(遅延)が“0”、未手配部品納期が“−”(設定なし)、未手配部品面揃年月日が“2009/9/3”という情報が設定される。当レコードに含まれる各設定の意味は、上述した図番“DR011”の部品面揃レコードの設定と同様である。ただし、注残引当数(遅延)の設定が“10”である。すなわち、納期遅延注残から引当を行っている。したがって、注残納期には、この納期遅延注残に関する注残納期が設定される。
また、部品面揃テーブル118bには、例えば、受注番号が“OR001”、図番が“DR013”、版数が“V01”、所要数が“50”、在庫引当数が“20”、在庫部品面揃年月日が“2009/9/1”、注残引当数(納期内)が“20”、注残引当数(遅延)が“0”、注残納期が“2009/8/30”、注残部品面揃年月日が“2009/9/2”、未手配(納期内)が“0”、未手配(遅延)が“10”、未手配部品納期が“2009/9/3”、未手配部品面揃年月日が“2009/9/3”という情報が設定される。当レコードに含まれる各設定の意味は、上述した図番“DR011”の部品面揃レコードの設定と同様である。
ただし、当レコードでは在庫と注残とを引当源泉として所要数を全て引き当てることができていない。具体的には、所要数“50”に対して、在庫引当数“20”、注残引当数(納期内)“20”であり、“50−20−20=10”だけ足りない。このため、未手配品として数量“10”が未手配(納期内)あるいは未手配(遅延)に設定されることになる。
ここで、未手配(納期内)あるいは未手配(遅延)の何れに未手配部品の数量を設定するかは、現時点(ここでは“2009/8/30”)に該当部品をサプライヤに発注したとして、予想される納期が当初納期内となるか当初納期内よりも遅延するかによって決めることができる。なお、当初納期として、例えば部品所要テーブル112bに設定された所要日を用いることができる。遅延の有無は、部品標準工程テーブル115bを参照し、各部品の標準工程に掛かる合計日数を部品発注から部品納品までのリードタイムとして、現時点の日付と当初納期とに基づいて判断することができる。ここでは、“2009/8/30”に発注したとしても該当部品の標準リードタイムが“4日”であるので当初納期“2009/9/1”に間に合わない。このため、未手配(遅延)を示す項目に現時点での欠品分“10”が設定されている。また、その結果予想される納期“2009/9/3”が未手配部品納期を示す項目に設定されている。
図26は、製造計画管理テーブルのデータ構造例を示す図である。製造計画管理テーブル118cは、部品面揃テーブル118bに基づいて製造管理部142により生成・更新され、部品面揃情報記憶部118に格納される。製造計画管理テーブル118cには、受注番号を示す項目、製品図番を示す項目、版数(製品)を示す項目、部品図番を示す項目、版数(部品)を示す項目、使用数(在庫)を示す項目、着手可能年月日を示す項目(在庫)、試済年月日を示す項目(在庫)、使用数(注残納期内)を示す項目、使用数(注残遅延)を示す項目、着手可能年月日(注残)を示す項目、試済年月日(注残)を示す項目、使用数(未手配納期内)を示す項目、使用数(未手配遅延)を示す項目、着手可能年月日(未手配)を示す項目および試済年月日(未手配)を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの製品に関する情報を示す。
受注番号を示す項目には、製品の受注番号が設定される。製品図番を示す項目には、製品の図番が設定される。版数(製品)を示す項目には、製品図番に対する版数が設定される。部品図番を示す項目には、構成部品の図番が設定される。版数(部品)を示す項目には、部品図番に対する版数が設定される。
使用数(在庫)を示す項目には、製品の製造に着手するために使用すべき部品の数が設定される。ここでいう部品とは、同レコードに含まれる部品図番かつ版数で示される部品である(以下同様)。着手可能年月日(在庫)を示す項目には、在庫部品を用いて製造着手が可能な日付が設定される。試済年月日(在庫)を示す項目には、在庫部品により製造した製品が試済となる(試験工程が完了する)日付が設定される。
使用数(注残納期内)を示す項目には、製品の製造に着手するために使用すべき納期内注残部品の数が設定される。使用数(注残遅延)を示す項目には、製品の製造に着手するために使用すべき納期遅延注残部品の数が設定される。着手可能年月日(注残)を示す項目には、注残部品を含めて製造着手が可能な日付が設定される。試済年月日(注残)を示す項目には、注残部品により製造した製品が試済となる日付が設定される。
使用数(未手配納期内)を示す項目には、製品の製造に着手するために使用すべき納期内未手配部品の数が設定される。ここで、納期内未手配部品とは、現時点で発注を行えば当初納期内での入庫が見込まれる部品(部品面揃テーブル118bの未手配(納期内)を示す項目に対応する部品)をいう。使用数(未手配遅延)を示す項目には、製品の製造に着手するために使用すべき納期遅延未手配部品の数が設定される。ここで、納期遅延未手配部品とは、現時点で発注を行っても当初納期内での入庫が見込まれない部品(部品面揃テーブル118bの未手配(遅延)を示す項目に対応する部品)をいう。着手可能年月日(未手配)を示す項目には、未手配部品の発注を行ったとして、その未手配部品を用いた製造着手が可能な日付が設定される。試済年月日(未手配)を示す項目には、未手配部品により製造した製品が試済となる日付が設定される。
製造計画管理テーブル118cには、例えば、受注番号が“OR001”、製品図番が“DR001”、版数(製品)が“V01”、部品図番が“DR011”、版数(部品)が“V01”、使用数(在庫)が“40”、着手可能年月日(在庫)が“2009/9/1”、試済年月日(在庫)が“2009/9/15”、使用数(注残納期内)が“40”、使用数(注残遅延)が“0”、着手可能年月日(注残)が“2009/9/1”、試済年月日(注残)が“2009/9/15”、使用数(未手配納期内)が“0”、使用数(未手配遅延)が“20”、着手可能年月日(未手配)が“2009/9/3”、試済年月日(未手配)が“2009/9/17”という情報が設定される。
これは、製品図番“DR001”かつ版数“V01”で示される製品を、部品図番“DR011”かつ版数“V01”で示される部品を在庫から“40”使用して、“2009/9/1”に製造着手可能であることを示している。また、その場合の試済予定の日付が“2009/9/15”であることを示している。なお、部品面揃テーブル118bの在庫引当数を示す項目によれば、在庫からの引当数量は“50”である。ここで、物品構成テーブル111bによれば、製品“PD001”を製造するために必要な部品群の各部品“PD011”、“PD012”、“PD013”が数量比2:1:1で必要となる。ところで、在庫からのみでは部品図番“DR013”かつ版数“V01”で示される部品の引当数(使用可能数)が“20”である。すなわち、部品図番“DR013”の部品の使用可能数“20”により製造可能な製品の数量が決定する。このため、在庫品のみを使用できる“2009/9/1”の時点では、部品図番“DR011”かつ版数“V01”で示される部品(“PD011”に対応する)につき在庫から数量“40”だけ使用すればよいことになる。
また、使用数(注残納期内)には納期内注残部品として新たに入庫予定のものを含め在庫品と共に製造に使用できる数量として“20”が設定される。これは、納期内注残部品に関して、部品図番“DR011”および“DR013”の部品(版数は同一であるため以下省略する)がそれぞれ“50”、“20”新たに使用可能となった結果である。すなわち、それによって、在庫品および納期内注残部品から使用可能な数量が部品図番“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品に対し(既に使用済のものを考慮して)それぞれ、10+50=60、10+10=20、0+20=20であるので、この時点では“DR012”、“DR013”の使用可能数量によって、製品の製造可能数の上限が決まり、各部品の使用数が決まる。ここで、“DR012”、“DR013”はそれぞれ“20”使用できるので、各部品の所要の数量比から当レコード(“DR011”の部品)の使用数(注残納期内)を示す項目には、“40”が設定される。
使用数(注残遅延)に関しても同様に部品図番“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の使用可能数はそれぞれ、20+0=20、0+10=10、0+0=0であるので、この時点では“DR013”の使用可能数量が“0”である。したがって、製品の製造には着手できず、使用数(注残遅延)を示す項目には、“0”が設定される。
また、納期内注残部品と納期遅延注残部品とを含め“2009/9/1”には、注残部品を含めた製造着手が可能であることを示している。また、その場合の試済予定の日付が“2009/9/15”であることを示している。なお、納期遅延注残部品を用いて製品の製造が着手可能であれば、着手可能年月日(注残)にはその納期遅延注残部品のうち、最も納期の遅い日付が設定されることとなる。本例では、納期遅延注残部品として、“DR012”が入庫されたとしても、部品“DR013”の欠品により製造着手ができないので、納期内注残部品のうち最も納期の遅い日付が着手可能年月日(注残)に設定される。
更に、使用数(未手配納期内)には納期内未手配部品として在庫品および注残品と共に使用できる数量として“0”が設定される。“DR012”、“DR013”のレコードに関しても同様に“0”が設定される。なぜなら、部品面揃テーブル118bの未手配(納期内)を示す項目によれば、未手配品として期間内に入手可能な部品が何れも“0”であり、新たに製品を製造するに足るだけの部品を使用できないためである。
また、使用数(未手配遅延)に関しては、部品図番“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の使用可能数はそれぞれ、20+0=20、10+0=10、0+10=10であるので、使用可能な全部品を用いて製造に着手できることになる。その結果、当レコードの使用数(未手配遅延)を示す項目には、“20”が設定される。
また、納期内未手配部品と納期遅延未手配部品とを含め“2009/9/3”には、全未手配部品を含めた製造着手が可能であることを示している。また、その場合の試済予定の日付が“2009/9/17”であることを示している。
このように、製造計画管理テーブル118cを用いることで、製品の製造に着手可能となる日付や試済予定の日付を管理することができる。すなわち、製造計画管理テーブル118cは、製品の製造スケジュールを管理するための情報として用いることができる。また、製造管理部142は、製造計画管理テーブル118cを参照して、製品製造会社20の製品工場に対して製品の製造指示を行うことができる。
図27は、納期回答テーブルのデータ構造例を示す図である。納期回答テーブル119aは、納期回答情報生成部143により製造計画管理テーブル118cに基づいて生成・更新され、納期回答情報記憶部119に格納される。納期回答テーブル119aには、受注番号を示す項目、図番を示す項目、版数を示す項目、製造可能数を示す項目、最終面揃(着手)予定日を示す項目および最終試済予定日を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの受注に対する納期管理のための情報を示す。
受注番号を示す項目には、受注番号が設定される。図番を示す項目には、納品すべき製品の図番が設定される。版数を示す項目には、図番に対する版数が設定される。製造可能数を示す項目には、在庫品、注残品(納期内/納期遅延ごと)、未手配品(納期内/納期遅延ごと)が利用可能となる各時点において、製造可能な製品の数量が設定される。最終面揃(着手)予定日を示す項目には、最終面揃予定日を示す日付が設定される。最終試済予定日を示す項目には、最終面揃予定日から製造着手した場合の最終の試済予定日が設定される。
納期回答テーブル119aには、受注番号が“OR001”、図番が“DR001”、版数が“V01”、製造可能数につき在庫が“4”、注残納期内が“4”、注残遅延が“0”、未手配納期内が“0”、未手配遅延が“2”、最終面揃(着手)予定日が“2009/9/3”、最終試済予定日が“2009/9/17”という情報が設定される。これは、受注番号“OR001”において受注品となっている図番“DR001”かつ版数“V01”で示される製品について、在庫部品のみで“4”、納期内注残部品を含めて“4”、更に納期遅延注残部品を含めて“0”、更に納期内未手配部品を含めて“0”、更に納期遅延未手配部品を含めて“2”、製造可能であることを示している。また、受注数分の製品を製造するために必要な部品数が全て揃う日付(最終面揃予定日)が“2009/9/3”であることを示している。更に、最終面揃予定日に製造着手したとして、試済完了する日付が“2009/9/17”であることを示している。
納期回答処理部144は、例えば営業端末装置21から納期回答要求を受け付けると、納期回答情報記憶部119に記憶された納期回答テーブル119aに基づいて納期回答を行う。納期回答テーブル119aは、サプライヤ40,40a,40bでの部品の製造工程の進捗を反映している。このため、営業端末装置21を操作する営業部門の社員は、精度の高い納期回答を得ることができる。
図28は、引当処理用ワーク領域の構成を示す図である。引当処理用ワーク領域150は、リザーブ引当処理部133の引当処理の作業領域として利用される。リザーブ引当処理部133は、引当対象部品情報記憶部116に記憶された引当対象図番テーブル116bを参照して、管理情報記憶部110から引当処理に用いる各種データを抽出して、引当処理用ワーク領域150に格納する。
引当処理用ワーク領域150は、フリー所要記憶部151、フリー注残記憶部152、フリー在庫記憶部153、引当明細リザーブ記憶部154および引当ワーク情報記憶部155を有する。
フリー所要記憶部151は、部品所要情報記憶部112で更新のあったレコード(新たに受注された製品についてのレコード)が一時的に格納される。
フリー注残記憶部152は、部品発注情報記憶部113に記憶された部品注残テーブル113aのうち、更新のあった部品でかつ未だ何れの受注にも引き当てられていない注残レコードが一時的に格納される。
ここで、更新のあった部品は、引当対象部品情報記憶部116に記憶された引当対象図番テーブル116bに登録された図番および版数を参照することで取得できる。また、その部品の注残レコードについて引当が行われているか否かは、部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aの“在庫ID/注残ID”を示す項目に、該当の注残レコードの注残IDが設定されているか否かにより区別できる。具体的には、設定されている場合、その部品のその注残から引当が行われている。また、設定されていない場合、その部品のその注残から引当が行われていない。
フリー在庫記憶部153は、部品在庫情報記憶部114に記憶された部品在庫テーブル114aのうち、更新のあった部品でかつ未だ何れの受注にも引き当てられていない在庫レコードが一時的に格納される。
ここで、更新のあった部品は、上述したように引当対象部品情報記憶部116に記憶された引当対象図番テーブル116bに登録された図番および版数を参照することで取得できる。また、その部品の在庫レコードについて引当が行われているか否かは、部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aの“在庫ID/注残ID”を示す項目に、該当の在庫レコードの在庫IDが設定されているか否かにより区別できる。具体的には、設定されている場合、その部品のその在庫から引当が行われている。また、設定されていない場合、その部品のその在庫から引当が行われていない。
引当明細リザーブ記憶部154は、部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aのうち、“在庫ID/注残ID”を示す項目に在庫IDあるいは注残IDの何れかの設定がなされている引当明細レコードが一時的に格納される。すなわち、引当明細リザーブ記憶部154には、既に何れかの引当源泉が対応付けられている引当済の引当明細レコードが格納される。
引当ワーク情報記憶部155は、リザーブ引当処理部133が新たに生成した引当明細レコードを一時的に格納するための領域である。リザーブ引当処理部133は、引当ワーク情報記憶部155に記憶された引当明細レコードを部品引当明細記憶部117に格納する。
ここで、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113および部品在庫情報記憶部114に記憶された各データは、リアルタイムに更新され得る。このため、単に部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113および部品在庫情報記憶部114の情報に基づいてリザーブ引当対象の部品を引当処理するのでは、これら記憶部に記憶された情報からでは適正に処理を行うことができない場合も考えられる。
具体的には、リザーブ引当対象の部品の抽出にはリザーブ引当対象の部品のチェック処理(これまでの引当状況やそれによる未引当在庫、未引当注残の状況のチェック)に所定の時間を要する場合が考えられる。なぜなら、処理に当たり多数のレコードを参照して判定処理を行う必要があるからである。そして、そのチェック処理の最中に、例えば注残部品であったものが倉庫25に入庫されたことにより、在庫部品に変更となる場合が起こり得る。この場合、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113、部品在庫情報記憶部114および部品引当明細記憶部117に記憶された情報から異なったタイミングで引当を行うと、例えば注残部品の引当財源として製品aに引き当てられたにも関わらず、同一部品が在庫部品の引当財源として製品bに2重に引き当てられてしまう場合が問題となる。
これに対し、リザーブ引当処理部133は、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113、部品在庫情報記憶部114および部品引当明細記憶部117のあるタイミングでの情報を抽出したスナップショットを用いてリザーブ引当処理を行う。これにより、上述の2重引当の問題を回避することができる。
このように、リザーブ引当処理部133は、引当処理のために引当処理用ワーク領域150を用いることで、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113、部品在庫情報記憶部114および部品引当明細記憶部117それぞれで管理しているデータの整合を保って適正にリザーブ引当処理を行うことができる。
なお、引当処理用ワーク領域150は、数量引当処理部134の引当処理の作業領域としても利用できる。
図29は、ゲート通過履歴テーブルのデータ構造例を示す図である。ゲート通過履歴テーブル211,212,213は、サプライヤ40,40a,40bにおける部品の製造ラインの進捗実績の履歴(ゲート通過時間のログ)である。以下では、ゲート通過履歴テーブル211についてのみ説明するが、ゲート通過履歴テーブル212,213についても同様の構成である。
ゲート通過履歴テーブル211は、通過情報受信部220により生成・更新され、ゲート通過情報記憶部210に格納される。ゲート通過履歴テーブル211には、発注指令IDを示す項目、ゲートIDを示す項目および通過日時を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのゲート通過情報を示す。
発注指令IDを示す項目には、かんばん60が記憶する発注指令IDが設定される。ゲートIDを示す項目には、ゲート310,320,330,340それぞれのゲートIDが設定される。通過日時を示す項目には、そのゲートを通過した日時が設定される。
ここで、ゲート310,320,330,340には、ゲートID“Gate01”、“Gate02”、“Gate03”、“Gate04”が設定されているものとする。
ゲート通過テーブル211には、例えば、発注指令IDが“HT01−002”、ゲートIDが“Gate01”、通過日時が“2009/8/24 9:00:00”という情報が設定される。
通過情報受信部220は、ゲート310,320,330,340より、通信装置300を介してゲート通過情報を受信する。そのタイミングは、各ゲートとかんばん60とが通信した直後のタイミングである。通過情報送信部230は、ゲート通過情報記憶部210に新たに追加されたゲート通過履歴レコードの内容を部品工程管理部124に順次通知する。
なお、ゲートを通過した日時を示す項目に設定する情報として、通過情報受信部220は、ゲート310,320,330,340から、各ゲートで取得された通過時点のタイムスタンプを発注指令IDおよびゲートIDと共に受信することが考えられる。あるいは、通過情報受信部220がゲート310,320,330,340から発注指令IDとゲートIDとを含む情報を受信した時点のタイムスタンプを設定してもよい。
次に、以上のような構成により実現される管理サーバ100の処理手順について説明する。まず、管理サーバ100がゲート通過情報を受信した際の注残納期更新処理の手順に関して説明する。
図30は、注残納期更新処理を示すフローチャートである。以下、図30に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップST1]部品工程管理部124は、ライン端末装置200からゲート通過情報を受信する。
[ステップST2]部品工程管理部124は、受信したゲート通過情報に含まれる発注指令IDを参照する。
[ステップST3]部品工程管理部124は、物品工程情報記憶部115に記憶された工程実績管理テーブル115eの対応する発注指令IDのレコードを更新する。更新対象となる項目は、ゲート通過情報に含まれるゲートIDにより特定できる。例えば、ゲートIDが“Gate01”であれば、工程実績管理テーブル115eの生産開始日時実績を示す項目に通過日時を設定する。また、ゲートIDが“Gate02”であれば、同テーブルの各工程完了実績日時(A工程)を示す項目に通過日時を設定する。
また、部品工程管理部124は、各工程完了実績日時の各工程を示す項目に通過日時を設定するたびに、各工程の実績日数を算出する。例えば、A実績を示す項目であれば、生産開始日時実績からA工程完了実績日時までに要した日数を算出して設定する。また、B実績を示す項目であれば、A工程の工程完了実績日時からB工程の工程完了実績日時までに要した日数を算出して設定する。
[ステップST4]部品工程管理部124は、工程実績管理テーブル115eの生産開始日時実績を示す項目、各工程完了実績日時の各工程実績(A,B,C実績)を示す項目および配送日数を示す項目に設定された日数に基づいて、全工程合計および注残納期を算出する。なお、各工程実績を示す項目に完了実績日時が設定されていない場合には、物品工程情報記憶部115に記憶された部品標準工程テーブル115b,115c,115dを参照して標準日数を取得し、全工程合計と注残納期とを算出する。
[ステップST5]部品工程管理部124は、算出した注残納期を部品発注情報記憶部113に記憶された部品注残テーブル113aの対応する発注指令IDのレコードの注残納期を示す項目に設定する。
このように、部品工程管理部124は、ライン端末装置200からゲート通過情報を受信すると、ゲート通過情報に含まれるゲートIDと通過時間とに基づいて、部品の製造工程の進捗を取得し、注残納期を変更する。
なお、上記ステップST3において、該当の発注指令IDに対する工程実績管理レコードが存在しない場合、工程実績管理テーブル115eに登録のない発注指令IDを新たに受信したタイミングで部品工程管理部124がその発注指令ID用の工程実績管理レコードを生成することが考えられる。また、サプライヤ40,40a,40bに部品の発注を行ったタイミング(発注指令IDが新規生成されたタイミング)で予め生成しておいてもよい。
また、上記ステップST5において、部品工程管理部124は注残納期を当初納期よりも後ろに変更する場合には営業端末装置21、発注端末装置22および端末装置41,42に対して部品納期が遅延することを示すアラームを送信することが考えられる。このように部品納期の遅延を報知することにより、製品製造会社20およびサプライヤ40,40a,40bの社員に対してより早期に納期遅延を周知させ、生産計画の見直し、部品生産資源の割り当て拡充などを促すことができる。
以下、サプライヤ40から製造工程の進捗情報を取得する処理の具体例を説明する。なお、以下の説明では、図3において、かんばん60を付された部品ボックス70がA工程、B工程、C工程を順次経て、部品ボックス70の部品が製造される過程を想定する。
図31は、ゲート通過情報の取得処理を示すシーケンス図である。以下、図31に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップST11]ゲート310は、かんばん60と通信して発注指令IDを取得すると、取得した発注指令ID、ゲート310のゲートIDおよび通過日時を含むゲート通過情報をライン端末装置200に送信する。ライン端末装置200は、ゲート通過情報を受信する。
[ステップST12]ライン端末装置200は、上記ステップST11で受信したゲート通過情報を管理サーバ100に送信する。管理サーバ100は、ゲート通過情報を受信し、物品工程情報記憶部115に記憶された工程実績管理テーブル115eの対応する発注指令IDのレコードについて、生産開始日時実績を示す項目にゲート310の通過日時を設定する。生産開始日時実績を示す項目に通過日時が設定されることで、部品標準工程テーブル115bを参照して対応する部品の工程完了予定日時や配送日数の情報を設定することができる。また、標準工程から全工程合計や注残納期の情報も設定できる。
[ステップST13]ゲート320は、かんばん60と通信して発注指令IDを取得すると、取得した発注指令ID、ゲート320のゲートIDおよび通過日時を含むゲート通過情報をライン端末装置200に送信する。ライン端末装置200は、ゲート通過情報を受信する。
[ステップST14]ライン端末装置200は、上記ステップST13で受信したゲート通過情報を管理サーバ100に送信する。管理サーバ100は、ゲート通過情報を受信し、工程実績管理テーブル115eの対応する発注指令IDのレコードについて、各工程完了実績日時(A工程)を示す項目にゲート320の通過日時を設定する。そして、A工程に要した実績日数を算出し、各工程完了実績日時(A実績)を示す項目に設定する。A工程の実績日数は、生産開始日時からA工程の完了実績日時までに要した日数により算出できる。また、その結果、A工程までの完了実績により全工程合計および注残納期を更新する。
[ステップST15]ゲート330は、かんばん60と通信して発注指令IDを取得すると、取得した発注指令ID、ゲート330のゲートIDおよび通過日時を含むゲート通過情報をライン端末装置200に送信する。ライン端末装置200は、ゲート通過情報を受信する。
[ステップST16]ライン端末装置200は、上記ステップST15で受信したゲート通過情報を管理サーバ100に送信する。管理サーバ100は、ゲート通過情報を受信し、工程実績管理テーブル115eの対応する発注指令IDのレコードについて、各工程完了実績日時(B工程)を示す項目にゲート330の通過日時を設定する。そして、B工程に要した実績日数を算出し、各工程完了実績日時(B実績)を示す項目に設定する。B工程の実績日数は、A工程の完了実績日時からB工程の完了実績日時までに要した日数により算出できる。また、その結果、B工程までの完了実績により全工程合計および注残納期を更新する。
[ステップST17]ゲート340は、かんばん60と通信して発注指令IDを取得すると、取得した発注指令ID、ゲート340のゲートIDおよび通過日時を含むゲート通過情報をライン端末装置200に送信する。ライン端末装置200は、ゲート通過情報を受信する。
[ステップST18]ライン端末装置200は、上記ステップST17で受信したゲート通過情報を管理サーバ100に送信する。管理サーバ100は、ゲート通過情報を受信し、工程実績管理テーブル115eの対応する発注指令IDのレコードについて、各工程完了実績日時(C工程)を示す項目にゲート340の通過日時を設定する。そして、C工程に要した実績日数を算出し、各工程完了実績日時(C実績)を示す項目に設定する。C工程の実績日数は、B工程の完了実績日時からC工程の完了実績日時までに要した日数により算出できる。また、その結果、C工程までの完了実績により全工程合計および注残納期を更新する。
このように、ライン端末装置200は、ゲート310,320,330,340からゲート通過情報を受信する。そして、ライン端末装置200は、受信したゲート通過情報をゲート通過情報記憶部210に格納し、管理サーバ100に送信する。
これにより、管理サーバ100は、サプライヤ40における製造工程の進捗状況をリアルタイムに取得することができる。
次に、管理サーバ100における生産管理処理の手順について説明する。
図32は、生産管理処理を示すフローチャートである。以下、図32に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS1]管理サーバ100は、営業端末装置21から新規受注の入力を受け付けると、新規受注レコードを生成して、部品所要情報記憶部112に記憶された受注テーブル112aに格納する。また、管理サーバ100は、物品マスタ記憶部111に記憶された物品マスタ、物品構成テーブルおよび新規受注レコードに基づいて、部品所要レコードを生成し、部品所要情報記憶部112に記憶された部品所要テーブル112bに格納する。
また、管理サーバ100は、発注端末装置22から新規発注の入力を受け付けると、新たに発注した部品につき部品注残レコードを生成し、部品発注情報記憶部113に記憶された部品注残テーブル113aに格納する。また、管理サーバ100は、ライン端末装置200から受信するゲート通過情報に基づいて、部品注残テーブル113aに設定された各部品の注残納期を更新する。
更に、管理サーバ100は、倉庫端末装置26から新規入庫の入力を受け付けると、部品在庫レコードを生成して、部品在庫情報記憶部114に記憶された部品在庫テーブル114aに格納する。
[ステップS2]管理サーバ100は、部品所要テーブル112b、部品注残テーブル113aおよび部品在庫テーブル114aの何れかのレコードに更新が発生すると、そのレコードに含まれる部品の図番および版数を取得して、更新図番レコードを生成する。管理サーバ100は、生成した更新図番レコードを引当対象部品情報記憶部116に記憶された更新図番テーブル116aに登録する。
[ステップS3]管理サーバ100は、更新図番テーブル116aに基づいて、引当対象図番テーブル116bを生成し、引当対象部品情報記憶部116に格納する。
[ステップS4]管理サーバ100は、引当対象図番テーブル116bに登録された図番および版数の部品について引当処理を行い、引当明細レコードを生成する。管理サーバ100は、生成した引当明細レコードを部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aに登録する。なお、管理サーバ100は、引当処理の対象となった製品の受注番号、部品の図番および版数を部品引当明細記憶部117に記憶された引当履歴テーブル117bに登録する。
[ステップS5]管理サーバ100は、引当履歴テーブル117bに基づいて、引当処理が行われた受注番号を特定し、面揃対象管理テーブル118aを生成し、部品面揃情報記憶部118に格納する。
[ステップS6]管理サーバ100は、面揃対象管理テーブル118aに登録された受注番号について面揃処理を行い、部品面揃レコードを生成する。管理サーバ100は、生成した部品面揃レコードを部品面揃情報記憶部118に記憶された部品面揃テーブル118bに登録する。
[ステップS7]管理サーバ100は、部品面揃テーブル118bに基づいて製品の製造管理処理を行い、製造計画管理レコードを生成する。管理サーバ100は、生成した製造計画管理レコードを部品面揃情報記憶部118に記憶された製造計画管理テーブル118cに登録する。
[ステップS8]管理サーバ100は、製造計画管理テーブル118cに基づいて納期回答テーブル119aを生成し、納期回答情報記憶部119に格納する。
[ステップS9]管理サーバ100は、営業端末装置21から納期回答要求を受け付けると、納期回答テーブル119aに基づいて納期回答情報を応答する。営業端末装置21は、納期回答情報に基づいて納期回答画面を生成し、モニタに表示させる。
このように、管理サーバ100は、部品所要テーブル112b、部品注残テーブル113aおよび部品在庫テーブル114aでレコードの更新があると、該当の部品について引当処理を行う。管理サーバ100は、その結果に基づいて面揃処理を実行し、製造管理情報や納期回答情報の更新を行う。
以下、ステップS2〜S8で示した各処理について詳細に説明する。
まず、ステップS2の更新図番登録処理を説明する。
図33は、更新図番登録処理を示すフローチャートである。以下、図33に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]引当対象図番取得部131は、部品所要情報記憶部112に記憶された部品所要テーブル112bを参照して、部品所要レコードで更新があったか否かを判定する。部品所要レコードに更新があった場合、処理をステップS12に進める。部品所要レコードに更新がない場合、処理をステップS13に進める。
[ステップS12]引当対象図番取得部131は、更新のあった部品所要レコードから図番・版数を取得する。そして、処理をステップS17に進める。
[ステップS13]引当対象図番取得部131は、部品発注情報記憶部113に記憶された部品注残テーブル113aを参照して、部品注残レコードで更新があったか否かを判定する。部品注残レコードに更新があった場合、処理をステップS14に進める。部品注残レコードに更新がない場合、処理をステップS15に進める。
[ステップS14]引当対象図番取得部131は、更新のあった部品注残レコードから図番・版数を取得する。そして、処理をステップS17に進める。
[ステップS15]引当対象図番取得部131は、部品在庫情報記憶部114に記憶された部品在庫テーブル114aを参照して、部品在庫レコードで更新があったか否かを判定する。部品在庫レコードに更新があった場合、処理をステップS16に進める。部品在庫レコードに更新がない場合、処理を完了する。
[ステップS16]引当対象図番取得部131は、更新のあった部品在庫レコードから図番・版数を取得する。そして、処理をステップS17に進める。
[ステップS17]引当対象図番取得部131は、取得した図番・版数を引当対象部品情報記憶部116に記憶された更新図番テーブル116aに登録する。
このように、引当対象図番取得部131は、部品所要テーブル112b、部品注残テーブル113aおよび部品在庫テーブル114aの何れかの更新が検知されたタイミングで、更新図番テーブル116aに更新された部品の図番・版数を登録する。あるいは、引当対象図番取得部131は、定期的に部品所要テーブル112b、部品注残テーブル113aおよび部品在庫テーブル114aを参照して、更新のあったレコードを特定する。
ここで、更新図番テーブル116aには、更新があった部品の図番・版数が登録される。このため、引当を行う対象として同一部品の図番・版数が重複して更新図番テーブル116aに登録され得る。このため、以下に示す引当対象図番生成処理により、重複した図番・版数を集約して、引当処理の対象とする部品を特定するための情報を生成する。
以下、ステップS3の引当対象図番生成処理を説明する。
図34は、引当対象図番生成処理を示すフローチャートである。以下、図34に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]引当対象図番取得部131は、引当対象部品情報記憶部116に記憶された更新図番テーブル116aを取得する。
[ステップS22]引当対象図番取得部131は、更新図番テーブル116aの各レコードを図番・版数で整列する。例えば、図番・版数の昇順に各レコードをソートする。
[ステップS23]引当対象図番取得部131は、整列した各レコードから所定の順序(例えば、格納した配列番号の昇順など)で1つレコードを抽出する。
[ステップS24]引当対象図番取得部131は、抽出したレコードに含まれる図番・版数が引当対象部品情報記憶部116に記憶された引当対象図番テーブル116bに未登録のものであるか否かを判定する。未登録のものである場合、処理をステップS25に進める。未登録のものでない、すなわち登録済みのものである場合、処理をステップS26に進める。
[ステップS25]引当対象図番取得部131は、抽出したレコードに含まれる図番・版数を引当対象図番テーブル116bに登録する。
[ステップS26]引当対象図番取得部131は、ステップS23で抽出したレコードを更新図番テーブル116aから削除する。なお、例えばソートにより連続して配列中に格納された同一の図番・版数は、本ステップにて一度に削除可能である。
[ステップS27]引当対象図番取得部131は、更新図番テーブル116aで整列処理した全てのレコードについて引当対象図番テーブル116bへの登録判定処理(ステップS23〜S26の処理)を行ったか否かを判定する。全てのレコードについて処理済の場合、処理を完了する。未処理のレコードが存在する場合、処理をステップS23に進める。
このように、引当対象図番取得部131は、更新図番テーブル116aに含まれる重複した図番・版数のレコードを集約して引当対象図番テーブル116bを生成する。
なお、引当対象図番取得部131は、上記引当図番生成処理を所定時間間隔で実行することが考えられる。また、更新図番テーブル116aに所定数のレコードが登録されたタイミングで実行することが考えられる。
また、引当対象図番取得部131は、更新図番テーブル116aに1つのレコードが登録された場合に、それを引当対象図番テーブル116bと同一視してもよい。この場合には、更新図番テーブル116aを引当対象図番テーブル116bとは同一のものとなるため、上記引当図番生成処理を行わなくてもよい。この場合には、部品所要テーブル112b、部品注残テーブル113aおよび部品在庫テーブル114aの何れかで更新レコードが発生するたびに、当レコードについてそれ以降の引当処理が行われるため、即時性が高まる。
一方、上述のように更新図番テーブル116aにある程度レコードが溜まってから引当対象図番テーブル116bを生成するものとすると、システムの運用に際して求められる即時性(製造計画や納期回答情報などの更新頻度)を調整することができる。例えば、引当図番生成処理を実行する間隔を10秒、1分、10分などと変更して、業務部門全体に与える影響を考慮した環境構築が可能である。
次に、ステップS4の引当処理を説明する。
図35は、引当処理を示すフローチャートである。以下、図35に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]引当方法判定部132は、引当対象部品情報記憶部116に記憶された引当対象図番テーブル116bを参照して、引当対象図番レコードを1つ取得する。
[ステップS32]引当方法判定部132は、取得した引当対象図番レコードに含まれる図番・版数に基づいて物品マスタ記憶部111に記憶された物品マスタ111aを参照する。そして、引当方法判定部132は、該当の部品がリザーブ引当対象の部品であるか否かを判定する。リザーブ引当対象である場合、その図番・版数をリザーブ引当処理部133に出力して処理をステップS33に進める。リザーブ引当対象でない場合、その図番・版数を数量引当処理部134に出力して処理をステップS35に進める。
[ステップS33]リザーブ引当処理部133は、引当方法判定部132から取得した図番・版数に基づいてリザーブ引当前処理を実行する。具体的には、リザーブ引当処理部133は、引当処理用ワーク領域150に部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113、部品在庫情報記憶部114および部品引当明細記憶部117に記憶された各情報の一部をスナップショットとして抽出し、引当処理用ワーク領域150に格納する。
[ステップS34]リザーブ引当処理部133は、リザーブ引当前処理において引当処理用ワーク領域150に設けられたフリー所要、フリー注残およびフリー在庫などの情報を用いてリザーブ引当処理を実行し、引当対象部品の引当明細レコードを生成する。リザーブ引当処理部133は、生成した引当明細レコードを部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aに登録する。そして、処理をステップS36に進める。
[ステップS35]数量引当処理部134は、引当方法判定部132から取得した図番・版数に基づいて数量引当処理を実行し、引当対象部品の引当明細レコードを生成する。数量引当処理部134は、生成した引当明細レコードを引当明細テーブル117aに登録する。そして、処理をステップS36に進める。
[ステップS36]引当方法判定部132は、引当対象図番テーブル116bの全ての引当対象図番レコードについて引当処理を行ったか否かを判定する。全レコードについて引当処理済みの場合、処理を完了する。引当処理を未実行のレコードが存在する場合、処理をステップS31に進める。
このように、引当方法判定部132は、引当対象図番テーブル116bに格納された引当対象図番レコードと物品マスタ111aを参照して部品ごとにリザーブ引当を行うか、数量引当を行うかを判定する。そして、判定された引当処理方法に応じて、リザーブ引当処理部133および数量引当処理部134は各部品の引当処理を行う。
以下では、リザーブ引当処理および数量引当処理の手順を詳細に説明する。
まず、ステップS33のリザーブ引当前処理を説明する。
図36は、リザーブ引当前処理を示すフローチャートである。以下、図36に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS41]リザーブ引当処理部133は、引当方法判定部132から取得した図番・版数をキーにして、部品所要情報記憶部112に記憶された部品所要レコードを抽出する。以下、引当方法判定部132から取得した図番・版数をキーにして各処理が実行される。
[ステップS42]リザーブ引当処理部133は、抽出した部品所要レコードをフリー所要記憶部151に格納する。
[ステップS43]リザーブ引当処理部133は、図番・版数をキーにして、部品発注情報記憶部113に記憶された部品注残テーブル113aと部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aを参照して、何れの上位物品に対しても引き当てられていない部品注残レコードを抽出する。具体的には、まず、リザーブ引当処理部133は部品注残テーブル113aを参照して該当の図番・版数の部品注残レコードを特定する。そして、その部品注残レコードに設定された注残IDであって、かつ、引当明細テーブル117aの該当の図番・版数の各レコードに引当源泉として設定されていない(すなわち、在庫ID/注残IDを示す項目に設定されていない)注残IDを特定する。これにより抽出した部品注残レコードを、何れの上位物品に対しても引き当てられていない部品注残レコードと特定できる。
また、リザーブ引当処理部133は、図番・版数をキーにして、部品在庫情報記憶部114に記憶された部品在庫テーブル114aと引当明細テーブル117aを参照して、何れの上位物品に対しても引き当てられていない部品在庫レコードを抽出する。具体的には、まず、リザーブ引当処理部133は部品在庫テーブル114aを参照して該当の図番・版数の部品在庫レコードを特定する。そして、その部品在庫レコードに設定された在庫IDであって、かつ、引当明細テーブル117aの該当の図番・版数の各レコードに引当源泉として設定されていない在庫IDを特定する。これにより抽出した部品在庫レコードを、何れの上位物品に対しても引き当てられていない部品在庫レコードと特定できる。そして、リザーブ引当処理部133は、抽出した部品在庫レコードをフリー在庫記憶部153に格納する。
[ステップS44]リザーブ引当処理部133は、抽出した部品注残レコードをフリー注残記憶部152に格納する。また、リザーブ引当処理部133は、抽出した部品在庫レコードをフリー在庫記憶部153に格納する。
[ステップS45]リザーブ引当処理部133は、図番・版数をキーにして、引当明細テーブル117aから注残部品あるいは在庫部品との対応付けが既に行われている(引当済みの)引当明細レコードを抽出する。リザーブ引当処理部133は、引当明細テーブル117aの該当の図番・版数の引当明細レコードのうち、在庫ID/注残IDを示す項目に設定のあるレコードを引当済みのレコードと特定できる。
[ステップS46]リザーブ引当処理部133は、引当済みの引当明細レコードを引当明細リザーブ記憶部154に格納する。
[ステップS47]リザーブ引当処理部133は、フリー所要記憶部151に記憶された部品所要レコードのうち、優先区分が“1”のレコードの所要数の総和S1を求める。そして、リザーブ引当処理部133は、引当明細リザーブ記憶部154に格納された引当明細レコードのうち、優先区分“1”に対応する所要IDが設定されたレコードの引当数を示す項目に設定された値の総和S2を求める。そして、総和S1,S2との差S3(S3=S1−S2)を求める。
[ステップS48]リザーブ引当処理部133は、差S3分をフリー在庫から引当可能かを判定する。引当可能でない場合には、引当明細リザーブ記憶部154に記憶された引当明細レコードのうち、その所要IDの対応する部品所要レコードで優先区分が“0”の引当明細レコードを特定する。そして、特定した引当明細レコードのうち、所要日を示す項目に設定された年月日が最も遅い引当明細レコードであって、部品在庫レコードを引当源泉とするものから、不足している数量分(差S3からフリー在庫より引当可能な数量を減算した分)だけ優先区分“1”に対応する引当明細レコードへ引当替を行う。すなわち、優先区分“0”であって、異なる受注番号の引当明細レコードに設定された受注番号と所要IDとを優先区分“1”の該当のレコードの受注番号と所要IDとに変更する。
このように、リザーブ引当処理部133はリザーブ引当処理の前処理として、引当処理用ワーク領域150にフリー所要、フリー注残、フリー在庫および引当済明細の情報を格納する。
これにより、リアルタイムに更新され得る部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113および部品在庫情報記憶部114に記憶された各データと引当結果との整合を保つことができる。
また、リザーブ引当処理部133は、優先引当の対象となっている引当明細レコードについて、必要な引当数をフリー在庫から確保できない場合には、部品在庫を引当源泉とする優先引当の非対象の引当明細レコードから引当替を行う。このとき、優先引当非対象の引当明細レコードのうち所要日の最も遅いものから引当替を行う。このようにすると、各製品の製造計画や納期に対する影響を最小限にすることができる。
なお、ステップS47において差S3=0である場合には、ステップS48は実行しなくてよい。
次に、ステップS34のリザーブ引当処理を説明する。
図37,38は、リザーブ引当処理を示すフローチャートである。以下、図37,38に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS51]リザーブ引当処理部133は、引当方法判定部132から取得した図番・版数をキーにして、部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aに登録された引当明細レコードを削除する。該当図番・版数の引当明細レコードは引当明細リザーブ記憶部154に複製されており、また、以下の処理により再度引当処理を行うためである。以下、引当方法判定部132から取得した図番・版数をキーにして各処理が実行される。
[ステップS52]リザーブ引当処理部133は、図番・版数をキーにしてフリー所要記憶部151に記憶された部品所要レコードを1つ取得する。
[ステップS53]リザーブ引当処理部133は、部品所要レコードに設定された所要IDを取得する。
[ステップS54]リザーブ引当処理部133は、取得した所要IDをキーにして、引当明細リザーブ記憶部154に記憶された引当明細レコードを検索する。
[ステップS55]リザーブ引当処理部133は、該当の所要IDが設定された引当明細レコードが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS56に進める。存在しない場合、処理をステップS58に進める。
[ステップS56]リザーブ引当処理部133は、検索の結果抽出された全引当明細レコードを引当ワーク情報記憶部155に格納する。
[ステップS57]リザーブ引当処理部133は、引当ワーク情報記憶部155に格納された引当明細レコードを参照して、該当の部品所要レコードに対する所要残数があるか否かを判定する。所要残数がない場合、処理をステップS70に進める。所要残数がある場合、処理をステップS58に進める。なお、所要残数の有無は、引当明細レコードに設定された引当前所要残数と引当数との差から判定することができる。例えば、引当明細レコードの引当前所要残数が“60”であり引当数が“10”である場合、これらの差は“50”である。これは、その部品が数量“50”だけ足りないことを示している。したがって、この場合、所要残数があると判定できる。一方、引当前所要残数が“50”で引当数が“50”である場合、これらの差は“0”であるので、所要残数はないと判定できる。以下、同様にして各部品について所要残数の有無を判定することができる。
[ステップS58]リザーブ引当処理部133は、図番・版数をキーにして、フリー在庫記憶部153に記憶された部品在庫レコードを検索する。
[ステップS59]リザーブ引当処理部133は、該当の図番・版数が設定された部品在庫レコードが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS60に進める。存在しない場合、処理をステップS63に進める。
[ステップS60]リザーブ引当処理部133は、検索の結果取得した部品在庫レコードに基づいて、該当の受注番号、所要ID、部品図番・版数に対する引当明細レコードを生成する。なお、引当明細レコードは部品在庫レコードに対応付けて生成される。すなわち、部品在庫レコードが複数取得できた場合には、リザーブ引当処理部133は、各部品在庫レコードの在庫IDごとに引当区分が“在庫”の複数の引当明細レコードを生成する。また、各引当明細レコードの引当前所要残数を示す項目には、引当明細レコードを生成した順に、所要数からそれまでの引当数の総和を引いた値が設定される。
[ステップS61]リザーブ引当処理部133は、生成した引当明細レコードを引当ワーク情報記憶部155に格納する。
[ステップS62]リザーブ引当処理部133は、引当ワーク情報記憶部155に格納された引当明細レコードを参照して、該当の部品所要レコードに対する所要残数があるか否かを判定する。所要残数がない場合、処理をステップS70に進める。所要残数がある場合、処理をステップS63に進める。
[ステップS63]リザーブ引当処理部133は、図番・版数をキーにしてフリー注残記憶部152に記憶された部品注残レコードを検索する。
[ステップS64]リザーブ引当処理部133は、該当の図番・版数が設定された部品注残レコードが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS65に進める。存在しない場合、処理をステップS67に進める。
[ステップS65]リザーブ引当処理部133は、検索の結果取得した部品注残レコードに基づいて、該当の受注番号、所要ID、部品図番・版数に対する引当明細レコードを生成する。なお、引当明細レコードは部品注残レコードに対応付けて生成される。すなわち、リザーブ引当処理部133は、各部品注残レコードの注残IDごとに引当区分が“注残”の複数の引当明細レコードを生成する。また、各引当明細レコードの引当前所要残数を示す項目には、引当明細レコードを生成した順に所要数から、それまでの引当数の総和を引いた値が設定される。
[ステップS66]リザーブ引当処理部133は、生成した引当明細レコードを引当ワーク情報記憶部155に格納する。
[ステップS67]リザーブ引当処理部133は、引当ワーク情報記憶部155に格納された引当明細レコードを参照して、該当の部品所要レコードに対する所要残数があるか否かを判定する。所要残数がある場合、処理をステップS68に進める。所要残数がない場合、処理をステップS69に進める。
[ステップS68]リザーブ引当処理部133は、所要残数と引当数“0”とを設定した、引当区分“欠品”の引当明細レコードを生成して、引当ワーク情報記憶部155に格納する。
[ステップS69]リザーブ引当処理部133は、新たに生成した引当明細レコードの受注番号、図番・版数を部品引当明細記憶部117に記憶された引当履歴テーブル117bに登録する。
[ステップS70]リザーブ引当処理部133は、フリー所要記憶部151に記憶された全ての部品所要レコードについてリザーブ引当処理を実行したか否かを判定する。全部品所要レコードについて処理済みの場合、処理をステップS71に進める。未処理の部品所要レコードがある場合、処理をステップS52に進める。なお、今回リザーブ引当処理を行った部品所要レコードは処理済み扱いとされ、ステップS52におけるレコード取得処理の対象外となる。
[ステップS71]リザーブ引当処理部133は、引当ワーク情報記憶部155に記憶された全ての引当明細レコードを部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aに登録する。
[ステップS72]リザーブ引当処理部133は、引当処理用ワーク領域150に記憶された情報をクリアする。
このようして、リザーブ引当処理部133は、在庫あるいは注残からの引当が既に行われた引当済品を考慮した引当を行うことができる。
すなわち、リザーブ引当を行うことで、一度ある製品に対して引き当てた部品は、その後、その製品に引き当てられた状態を維持する。このため、ある部品を再引当する際に、その部品につきリザーブ引当結果が既に存在する場合には、そのリザーブ引当結果に加えて、不足分などを追加で引き当てることができる。また、リザーブ引当された部品は、原則として他の製品に引き当てられることがない。このため、リザーブ引当処理は所要量の変動が大きい部品について確実に引当源泉を確保するために適している。
なお、リザーブ引当処理部133は、所要日の近いものから優先してリザーブ引当処理を行う。その際、リザーブ引当処理部133は、フリー注残からは注残納期が近いものから引当を行うようにする。これにより、部品の所要日が迫っているにも関わらず、注残納期が間に合わなくなるという事態を抑止できる。
次に、ステップS35の数量引当処理を説明する。
図39は、数量引当処理を示すフローチャートである。以下、図39に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS81]数量引当処理部134は、引当方法判定部132から取得した図番・版数をキーにして、部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aに登録された引当明細レコードを削除する。該当図番・版数の引当明細レコードは以下の処理により再作成されるためである。以下、引当方法判定部132から取得した図番・版数をキーにして各処理が実行される。
[ステップS82]数量引当処理部134は、図番・版数をキーにして部品所要情報記憶部112に記憶された部品所要テーブル112bから部品所要レコードを1つ取得する。
[ステップS83]数量引当処理部134は、部品所要レコードに設定された所要数を取得する。
[ステップS84]数量引当処理部134は、図番・版数をキーにして部品在庫情報記憶部114に記憶された部品在庫テーブル114aから部品在庫レコードを検索する。
[ステップS85]数量引当処理部134は、該当の図番・版数が設定された部品在庫レコードが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS86に進める。存在しない場合、処理をステップS89に進める。
[ステップS86]数量引当処理部134は、検索の結果取得した部品在庫レコードに基づいて、該当の部品所要レコードの受注番号、所要ID、部品図番・版数に対する引当明細レコードを生成する。なお、引当明細レコードは図37のステップS60で説明したように部品在庫レコードに対応付けて生成される。
[ステップS87]数量引当処理部134は、生成した引当明細レコードを引当ワーク情報記憶部155に格納する。
[ステップS88]数量引当処理部134は、引当ワーク情報記憶部155に格納された引当明細レコードを参照して、該当の部品所要レコードに対する所要残数があるか否かを判定する。所要残数がない場合、処理をステップS95に進める。所要残数がある場合、処理をステップS89に進める。
[ステップS89]数量引当処理部134は、図番・版数をキーにして部品発注情報記憶部113に記憶された部品注残テーブル113aから部品注残レコードを検索する。
[ステップS90]数量引当処理部134は、該当の図番・版数が設定された部品注残レコードが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS91に進める。存在しない場合、処理をステップS93に進める。
[ステップS91]数量引当処理部134は、検索の結果取得した部品注残レコードに基づいて、該当の部品所要レコードの受注番号、所要ID、部品図番・版数に対する引当明細レコードを生成する。なお、引当明細レコードは図38のステップS65で説明したように部品注残レコードに対応付けて生成される。
[ステップS92]数量引当処理部134は、生成した引当明細レコードを引当ワーク情報記憶部155に格納する。
[ステップS93]数量引当処理部134は、引当ワーク情報記憶部155に格納された引当明細レコードを参照して、該当の部品所要レコードに対する所要残数があるか否かを判定する。所要残数がある場合、処理をステップS94に進める。所要残数がない場合、処理をステップS95に進める。
[ステップS94]数量引当処理部134は、所要残数と引当数“0”とを設定した、引当区分“欠品”の引当明細レコードを生成して、引当ワーク情報記憶部155に格納する。
[ステップS95]数量引当処理部134は、新たに生成した引当明細レコードの受注番号、図番・版数を部品引当明細記憶部117に記憶された引当履歴テーブル117bに登録する。
[ステップS96]数量引当処理部134は、部品所要テーブル112bのうち同一の図番・版数についての全部品所要レコードについて数量引当処理を実行したか否かを判定する。同一の図番・版数についての全部品所要レコードで処理済みの場合、処理をステップS97に進める。未処理の部品所要レコードがある場合、処理をステップS82に進める。なお、今回数量引当処理を行った同一の図番・版数についての部品所要レコードは処理済み扱いとされ、ステップS82におけるレコード取得処理の対象外となる。
[ステップS97]数量引当処理部134は、引当ワーク情報記憶部155に記憶された全ての引当明細レコードを部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aに登録する。そして、数量引当処理部134は、引当ワーク情報記憶部155に記憶された情報をクリアする。
このようにして、数量引当処理部134は、ある部品に対して必要な所要分を全て引当しなおすことで数量引当処理を行う。このとき、数量引当処理部134は、所要日の近いものから優先して数量引当処理を行う。その際、リザーブ引当処理部133は、部品注残テーブル113aからは注残納期が近いものから引当を行うようにする。これにより、リザーブ引当処理の場合と同様に、部品の所要日が迫っているにも関わらず、注残納期が間に合わなくなるという事態を抑止できる。
数量引当を利用することで、注残部品の納期が前倒しになった場合や注残部品の納期が遅延するような場合など、発注している部品の製造工程の進捗に応じて、他の引当源泉からの引当替えを柔軟に行うことができる。このため、数量引当は納期が前後し易い部品を使用する場合に適している。
以上のようにして、引当対象図番テーブル116bに登録された各図番・版数の部品について引当処理が順次実行される。
次に、ステップS5の面揃対象抽出処理を説明する。
図40は、面揃対象抽出処理を示すフローチャートである。以下、図40に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]面揃情報更新処理部141は、部品引当明細記憶部117に記憶された引当履歴テーブル117bを参照し、引当明細テーブル117aで更新のあった引当明細レコードの受注番号を取得する。なお、引当履歴テーブル117bに同一受注番号の複数の引当履歴レコードが存在する場合には、集約して1つのレコードとする。そのための処理は、例えば図34に示した引当対象図番生成処理と同様の方法で実行できる。
[ステップS102]面揃情報更新処理部141は、取得した受注番号を部品面揃情報記憶部118に記憶された面揃対象管理テーブル118aに登録する。
[ステップS103]面揃情報更新処理部141は、取得した受注番号の引当履歴レコードを引当履歴テーブル117bから削除する。
このように、面揃情報更新処理部141は、引当履歴テーブル117bに含まれる重複した受注番号のレコードを集約して、面揃対象管理テーブル118aを生成する。面揃情報更新処理部141は、面揃対象管理テーブル118aを参照することで、面揃処理の対象とする受注番号を特定することができる。
次に、ステップS6の面揃処理を説明する。
図41は、面揃処理を示すフローチャートである。以下、図41に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS111]面揃情報更新処理部141は、部品面揃情報記憶部118に記憶された面揃対象管理テーブル118aから面揃対象レコードを1つ取得する。
[ステップS112]面揃情報更新処理部141は、面揃対象レコードに含まれる受注番号を取得する。
[ステップS113]面揃情報更新処理部141は、取得した受注番号をキーにして、部品面揃情報記憶部118に記憶された部品面揃テーブル118bに登録された部品面揃レコードを削除する。該当の受注番号の部品面揃レコードは、以下の処理により再作成されるためである。
[ステップS114]面揃情報更新処理部141は、受注番号をキーにして、部品引当明細記憶部117に記憶された引当明細テーブル117aから引当明細レコードを取得する。面揃情報更新処理部141は、取得した引当明細レコードから同一の受注番号、図番・版数および所要数を設定した1つの部品面揃レコードを生成する。すなわち、面揃情報更新処理部141は、引当明細テーブル117aから受注番号は同一だが、図番・版数の異なる複数の引当明細レコードを取得した場合、各図番・版数について1つずつ部品面揃レコードを生成する。例えば、引当明細テーブル117aにおいて受注番号“OR001”である引当明細レコードは、図番が“DR011”、“DR012”、“DR013”と3種類(何れも版数は“V01”)存在する。したがって、面揃情報更新処理部141は、受注番号“OR001”に対して3種の図番に対応する3つの部品面揃レコードを生成する。
[ステップS115]面揃情報更新処理部141は、取得した引当明細レコードのうち、引当区分が“在庫”である引当明細レコードが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS116に進める。存在しない場合、処理をステップS118に進める。
[ステップS116]面揃情報更新処理部141は、引当区分が“在庫”である引当明細レコードに含まれる引当数の合計を図番・版数ごとに算出し、算出した値を生成した各部品面揃レコードの在庫引当数を示す項目に設定する。例えば、引当明細テーブル117aにおいて、図番“DR011”の部品について、引当区分が“在庫”であるものが3レコード存在する。そして、各引当明細レコードに設定された引当数の合計から、在庫引当数を“30+10+10=50”と求めることができる。
[ステップS117]面揃情報更新処理部141は、各図番・版数の部品面揃レコードの在庫部品面揃年月日を示す項目に引当明細レコードに設定された所要日の日付を設定する。例えば、引当明細テーブル117aにおいて、図番“DR011”の部品の所要日は“2009/9/1”である。したがって、在庫部品面揃年月日として“2009/9/1”を設定する。
[ステップS118]面揃情報更新処理部141は、取得した引当明細レコードのうち、引当区分が“注残”である引当明細レコードが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS119に進める。存在しない場合、処理をステップS121に進める。
[ステップS119]面揃情報更新処理部141は、引当区分が“注残”である引当明細レコードについて、以下の処理を実行する。
(A1)面揃情報更新処理部141は、注残納期が当初納期内であるものの引当数の合計を図番・版数ごとに算出し、算出した値を生成した各部品面揃レコードの注残引当数(納期内)を示す項目に設定する。例えば、引当明細テーブル117aにおいて、図番“DR011”の部品につき引当区分が“注残”であるものが1レコード存在する。そして、その引当明細レコードに設定された注残納期は“2009/8/31”であり、当初納期(所要日)“2009/9/1”に間に合う。したがって、その引当数“50”を図番“DR011”の部品面揃レコードの注残引当数(納期内)に設定する。ここで、引当明細テーブル117aの所要日を当初納期として扱っている(以下同様)。
(A2)面揃情報更新処理部141は、注残納期が当初納期よりも遅延するものの引当数の合計を図番・版数ごとに算出し、算出した値を生成した各部品面揃レコードの注残引当数(遅延)を示す項目に設定する。例えば、引当明細テーブル117aにおいて、図番“DR012”の部品につき引当区分が“注残”であるものが2レコード存在する。そして、その引当明細レコードに設定された注残納期には“2009/9/1”のものと“2009/9/2”のものが存在する。“2009/9/1”のレコードは、当初納期(所要日)“2009/9/1”に間に合うので、上記(A1)の場合に該当する。一方、“2009/9/2”のレコードは、当初納期(所要日)“2009/9/1”に間に合わない(A2の場合である)。したがって、その引当数“10”を図番“DR012”の部品面揃レコードの注残引当数(遅延)に設定する。
なお、各図番・版数の部品について、注残納期が最も遅い日付を各部品面揃レコードの注残納期を示す項目に設定する。例えば、引当明細テーブル117aにおいて、図番“DR012”の部品につき注残納期が“2009/9/1”のものと“2009/9/2”のものが存在する。この場合、図番“DR012”の部品面揃レコードについて最も遅い日付である“2009/9/2”を注残納期に設定する。
[ステップS120]面揃情報更新処理部141は、受注番号が同一の部品面揃レコードのうち、注残納期が最も遅い日付を取得する。面揃情報更新処理部141は、取得した日付を各図番・版数の部品面揃レコードの注残部品面揃年月日を示す項目に設定する。例えば、部品面揃テーブル118bでは、受注番号が“OR001”である3つのレコードのうち、注残納期の最も遅い日付は“2009/9/2”である。したがって、これら3つのレコードの注残部品面揃年月日に“2009/9/2”を設定する。
[ステップS121]面揃情報更新処理部141は、取得した引当明細レコードのうち未手配のもの、すなわち、引当区分が“欠品”である引当明細レコードが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS122に進める。存在しない場合、処理をステップS124に進める。
[ステップS122]面揃情報更新処理部141は、引当区分が“未手配”である引当明細レコードについて、以下の処理を実行する。
(B1)面揃情報更新処理部141は、想定納期が当初納期内であるものの合計を図番・版数ごとに算出し、算出した値を生成した各部品面揃レコードの未手配(納期内)を示す項目に設定する。ここで、想定納期とは、現時点からサプライヤ40,40a,40bに発注を行ったとして、予想される納期である。例えば、物品工程情報記憶部115に記憶された部品標準工程テーブル115b,115c,115dに設定された各部品の製造から配送に要する合計日数をその部品の入庫までの標準のリードタイムとみなして想定納期を算出することができる。
(B2)面揃情報更新処理部141は、想定納期が当初納期よりも遅延するものの合計を図番・版数ごとに算出し、算出した値を生成した各部品面揃レコードの未手配(遅延)を示す項目に設定する。例えば、引当明細テーブル117aにおいて、図番“DR013”の部品につき“欠品”のものが存在する。ここで、図番“DR013”の部品の標準リードタイムは部品標準工程テーブル115bから“4日”掛かることが分かる。したがって、現日付が2009年8月30日であるとすれば、“DR013”の部品について現時点からサプライヤ40に発注を行うとすると、その想定納期は“2009/9/3”と算出できる。しかし、この想定納期は当初納期“2009/9/1”に間に合わない。このため、図番“DR013”の部品面揃レコードの未手配(遅延)に欠品分の数量“10”を設定する。
なお、各図番・版数の部品について想定納期が最も遅い日付を各部品面揃レコードの未手配部品納期を示す項目に設定する。部品面揃テーブル118bの例では、“欠品”状態のものが含まれるのは“DR013”の部品のみである。このため、未手配部品納期には、“DR013”の未手配(遅延)分の想定納期である“2009/9/3”を設定する。その他のレコードについては、“−”(設定なし)となる。
[ステップS123]面揃情報更新処理部141は、受注番号が同一の部品面揃レコードのうち、想定納期(未手配部品納期)が最も遅い日付を取得する。面揃情報更新処理部141は、取得した日付を各図番・版数の部品面揃レコードの未手配部品面揃年月日を示す項目に設定する。部品面揃テーブル118bの例では、受注番号“OR001”の3つのレコードのうち、未手配部品納期が設定されているのは“DR013”の部品のみである。このため、各レコードの未手配部品面揃年月日には、その日付“2009/9/3”を設定する。
[ステップS124]面揃情報更新処理部141は、面揃対象管理テーブル118aに登録された全ての面揃対象レコードについて面揃処理済であるか否かを判定する。処理済みである場合、処理を完了する。処理済みでない場合、処理をステップS111に進める。なお、今回面揃処理を行った面揃対象レコードは処理済みとして扱われる。すなわち、該当レコードはステップS111においてレコード取得処理の対象外となる。また、処理を完了する場合、面揃情報更新処理部141は、面揃対象管理テーブル118aに登録された情報をクリアする。
このように、面揃情報更新処理部141は、引当明細テーブル117aのうち更新が行われた受注番号の引当明細レコードについて面揃処理を行う。
なお、ある受注番号に対応する全ての部品で注残部品・未手配部品の面揃年月日が当初納期よりも前倒しになることが考えられる。その場合、注残部品・未手配部品の面揃年月日が遅い方を在庫部品の面揃年月日とすることが考えられる。このようにすると、後述の処理により、製品の製造着手を前倒して設定可能となる。このため、他の製品の製造スケジュールとの調整をより早い期日から可能となり、より効率的に製造資源を活用できるようになる。
製造管理部142は、このようにして生成された部品面揃テーブル118bに基づいて製品の製造計画を生成することができる。
次に、ステップS7の製造管理情報生成処理を説明する。
図42は、製造管理情報生成処理を示すフローチャートである。以下、図42に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS131]製造管理部142は、部品面揃情報記憶部118に記憶された部品面揃テーブル118bのうち、更新のあった受注番号の部品面揃レコードを取得する。このとき、製造管理部142は、同一の受注番号の部品面揃レコードを全て取得する。
[ステップS132]製造管理部142は、受注番号をキーにして部品面揃情報記憶部118に記憶された製造計画管理テーブル118cに登録された製造計画管理レコードを削除する。該当の受注番号の製造計画管理レコードは、以下の処理により再作成されるためである。
[ステップS133]製造管理部142は、ステップS131で取得した部品面揃レコードの受注番号、各図番・版数ごとに製造計画管理レコードを生成する。そして、製造管理部142は、取得した部品面揃レコードの各部品に設定された在庫引当数に基づき製品の製造に使用可能な各部品の数量を算出する。製造管理部142は、算出した各部品の数量を新たに生成した各製造計画管理レコードの使用数(在庫)を示す項目に設定する。
例えば、部品面揃テーブル118bには受注番号“OR001”の3つのレコードが存在する。“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の在庫引当数は“50”、“30”、“20”である。製造管理部142は、物品マスタ記憶部111に記憶された物品マスタ111aおよび物品構成テーブル111bを参照して、製品“PD001”を生成するためにこれらの各部品が数量比で2:1:1必要であることを検知する。これにより、製造管理部142は、“DR013”の使用可能数“20”が在庫部品による製品の製造上限数を決めていることを認識できる。そして、各部品の使用数を“40”、“20”、“20”と特定できる。したがって、受注番号“OR001”の“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の製造計画管理レコードの使用数(在庫)を示す項目には“40”、“20”、“20”を設定する。
以下、製造管理部142は新たに生成した製造計画管理レコードの各項目に対する設定を行う。
[ステップS134]製造管理部142は、着手可能年月日(在庫)を示す項目に部品面揃レコードの在庫部品面揃年月日を示す項目に設定された日付を設定する。また、製造管理部142は、着手可能年月日(在庫)の日付に製造着手したとして、試済までの日付を算出し、試済年月日(在庫)を示す項目に設定する。製造管理部142は、物品工程情報記憶部115に記憶された製品標準工程テーブル115aを参照して、着手可能年月日(在庫)の日付に試済までの合計日数を加算することで、この計算を行うことができる。
製造計画管理テーブル118cの例では、受注番号“OR001”の製造計画管理レコードについて、着手可能年月日(在庫)が“2009/9/1”である。また、対応する製品“PD001”は製品標準工程テーブル115aによれば試済まで“15日”を要する。したがって、試済年月日(在庫)には“2009/9/15”を設定する。
[ステップS135]製造管理部142は、納期内注残部品を含めて製品の製造に使用可能な各部品の数量を算出する。製造管理部142は、算出した各部品の数量を各製造計画管理レコードの使用数(注残納期内)を示す項目に設定する。
製造計画管理テーブル118cの例では、受注番号“OR001”の製造計画管理レコードについて、在庫部品と納期内注残部品とからの“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の総引当数であって、使用済数を除いた値(使用可能数)は、“50+50−40=60”、“30+10−20=20”、“20+20−20=20”である。製品“PD001”を製造するためには各部品が数量比2:1:1で必要であるので、各部品の注残納期内部品を含めた使用数は“40”、“20”、“20”となる。したがって、各部品の使用数(注残納期内)を示す項目には、“40”、“20”、“20”を設定する。
[ステップS136]製造管理部142は、納期遅延注残部品を含めて製品の製造に使用可能な各部品の数量を算出する。製造管理部142は、算出した各部品の数量を各製造計画管理レコードの使用数(注残遅延)を示す項目に設定する。
製造計画管理テーブル118cの例では、受注番号“OR001”の製造計画管理レコードについて、在庫部品、納期内注残部品および納期遅延注残部品からの“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の総引当数であって、使用済数を除いた値(使用可能数)は、“60−40=20”、“20−20+10=10”、“20−20=0”である。このため、製品“PD001”を製造するに足る部品を確保できない。したがって、各部品の使用数(注残遅延)を示す項目には、“0”、“0”、“0”を設定する。
[ステップS137]製造管理部142は、以下のようにして着手可能年月日(注残)を示す項目の設定を行う。
(C1)製造管理部142は、納期遅延注残部品を含めて製品の製造が可能な場合、着手可能年月日(注残)を示す項目に納期遅延注残部品の注残納期のうち最も遅い日付を設定する。
(C2)製造管理部142は、納期遅延注残部品を含めて製品の製造が行えず、納期内注残部品を含めて製品の製造が可能な場合、着手可能年月日(注残)を示す項目に納期内注残部品の注残納期のうち最も遅い日付を設定する。
(C3)C1,C2以外の場合、着手可能年月日(注残)を示す項目は、“−”(設定なし)となる。
製造計画管理テーブル118cの例では、受注番号“OR001”の製造計画管理レコードについて、納期遅延注残部品を含めて製品の製造が行えず、納期内注残部品を含めて製品の製造が可能な場合(C2の場合)である。このため、製造管理部142は、納期内注残部品のうち、注残納期の最も遅い“2009/9/1”を引当明細テーブル117aより取得し、着手可能年月日(注残)に設定する。
また、製造管理部142は、着手可能年月日(注残)の日付に製造着手したとして、試済までの日付を算出し、試済年月日(注残)を示す項目に設定する。製造管理部142は、製品標準工程テーブル115aを参照して着手可能年月日(注残)の日付に試済までの合計日数を加算することで、この計算を行うことができる。
製造計画管理テーブル118cの例では、受注番号“OR001”の製造計画管理レコードについて、着手可能年月日(注残)が“2009/9/1”である。また、対応する製品“PD001”は製品標準工程テーブル115aによれば試済まで“15日”を要する。したがって、試済年月日(注残)には“2009/9/15”を設定する。
[ステップS138]製造管理部142は、納期内未手配部品を含めて製品の製造に使用可能な各部品の数量を算出する。製造管理部142は、算出した各部品の数量を各製造計画レコードの使用数(未手配納期内)を示す項目に設定する。
製造計画管理テーブル118cの例では、受注番号“OR001”の製造計画管理レコードについて、在庫部品、納期内注残部品、納期遅延注残部品および納期内未手配部品からの“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の総引当数であって、使用済数を除いた値(使用可能数)は、“20−0=20”、“10−0=10”、“0−0=0”である。ただし、未手配部品からの製品への割り当てもここでは“引当”と称している(以下同様)。このため、製品“PD001”を製造するに足る部品を確保できない。したがって、各部品の使用数(未手配納期内)を示す項目には、“0”、“0”、“0”を設定する。
[ステップS139]製造管理部142は、納期遅延未手配部品を含めて製品の製造に使用可能な各部品の数量を算出する。製造管理部142は、算出した各部品の数量を各製造計画レコードの使用数(未手配遅延)を示す項目に設定する。
製造計画管理テーブル118cの例では、受注番号“OR001”の製造計画管理レコードについて、在庫部品、納期内注残部品、納期遅延注残部品および納期内未手配部品からの“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の総引当数であって、使用済数を除いた値(使用可能数)は、“20+0=20”、“10+0=10”、“0+10=10”である。製品“PD001”を製造するためには各部品が数量比2:1:1で必要であるので、各部品の注残納期内部品を含めた使用数は“20”、“10”、“10”となる。したがって、各部品の使用数(未手配遅延)を示す項目には、“20”、“10”、“10”を設定する。
[ステップS140]製造管理部142は、以下のようにして着手可能年月日(未手配)を示す項目の設定を行う。
(D1)製造管理部142は、納期遅延未手配部品を含めて製品の製造が可能な場合、着手可能年月日(未手配)を示す項目に納期遅延未手配部品の想定納期のうち最も遅い日付を設定する。
(D2)製造管理部142は、納期遅延未手配部品を含めて製品の製造を行わず、納期内未手配部品を含めて製品の製造が可能な場合、着手可能年月日(未手配)を示す項目に納期内未手配部品の想定納期のうち最も遅い日付を設定する。
(D4)D1、D2以外の場合、着手可能年月日(未手配)を示す項目は、“−”(設定なし)となる。
製造計画管理テーブル118cの例では、受注番号“OR001”の製造計画管理レコードについて、納期遅延未手配部品を含めて製品の製造が可能な場合(D1の場合)である。このため、製造管理部142は、納期遅延未手配部品のうち、想定納期の最も遅い“2009/9/3”を部品面揃レコードから取得し着手可能年月日(未手配)に設定する。
また、製造管理部142は、着手可能年月日(未手配)の日付に製造着手したとして、試済までの日付を算出し、試済年月日(未手配)を示す項目に設定する。製造管理部142は、製品標準工程テーブル115aを参照して着手可能年月日(未手配)の日付に試済までの合計日数を加算することで、この計算を行うことができる。
製造計画管理テーブル118cの例では、受注番号“OR001”の製造計画管理レコードについて、着手可能年月日(未手配)が“2009/9/3”である。また、対応する製品“PD001”は製品標準工程テーブル115aによれば試済まで“15日”を要する。したがって、試済年月日(未手配)には“2009/9/17”を設定する。
[ステップS141]製造管理部142は、部品面揃テーブル118bの更新のあった全ての受注番号の部品面揃レコードについて製造計画情報を生成済みであるか否かを判定する。未処理の部品面揃レコードがある場合、処理をステップS131に進める。すべての部品面揃レコードについて処理済みの場合、処理を完了する。なお、今回製造計画情報の生成処理を行った部品面揃レコードは処理済みとして扱われる。すなわち、該当レコードはステップS131においてレコード取得処理の対象外となる。
このように、製造管理部142は、部品面揃テーブル118bに基づいて、製造計画管理テーブル118cを生成することができる。ここで、製造計画管理テーブル118cは、サプライヤ40,40a,40bにおける部品の工程進捗を即時に反映したものである。したがって、製造管理部142は、製造計画管理テーブル118cにより各製品の製造に着手できる日付などを精度良く管理することが可能となる。
また、製造管理部142は、製造計画管理テーブル118cに基づいて、他の製品との製造スケジュールの競合状況を管理することもできる。また、その結果により工場ラインの各製品への振分を行う、製造着手の予定を変更する、製品の製造指示を行うなどの製造管理を行うことができる。また、製造管理部142は、工場ラインの工程を管理し、製造が完了した製品の出荷指示を行うこともできる。これにより、製品の製造から出荷までの管理を効率的に行うことが可能となる。
更に、製造計画管理テーブル118cは納期回答情報の生成に用いられる。
次に、ステップS8の納期回答情報生成処理を説明する。
図43は、納期回答情報生成処理を示すフローチャートである。
[ステップS151]納期回答情報生成部143は、部品面揃情報記憶部118に記憶された製造計画管理テーブル118cのうち更新のあった受注番号の製造計画管理レコードを取得する。このとき、納期回答情報生成部143は、同一の受注番号の製造計画管理レコードを全て取得する。
[ステップS152]納期回答情報生成部143は、受注番号をキーにして納期回答情報記憶部119に記憶された納期回答テーブル119aに登録された納期回答レコードを削除する。該当の受注番号の納期回答レコードは、以下の処理により再作成されるためである。
[ステップS153]納期回答情報生成部143は、ステップS151で取得した製造計画管理レコードの受注番号で1つの納期回答レコードを生成する。納期回答情報生成部143は、この納期回答レコードに取得した各製造計画管理レコードに設定された1つの製品図番・版数を設定する。そして、納期回答情報生成部143は、取得した製造計画管理レコードの各部品に設定された使用数(在庫)に基づき製造可能な製品の数量を算出する。納期回答情報生成部143は、算出した数量を新たに生成した各納期回答レコードの製造可能数(在庫)を示す項目に設定する。
納期回答テーブル119aの例では、受注番号“OR001”のレコードに対し、製造計画管理テーブル118cに“OR001”の3つのレコードが存在する。各製造計画管理レコードの“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の使用数(在庫)は“40”、“20”、“20”である。納期回答情報生成部143は、物品マスタ記憶部111に記憶された物品マスタ111aおよび物品構成テーブル111bを参照して、製品“PD001”を生成するためにこれらの各部品がそれぞれ数量“10”、“5”、“5”だけ必要であることを検知する。これにより、納期回答情報生成部143は、在庫部品により製造可能な製品の数量が“4”であると特定できる。したがって、製造可能数(在庫)を示す項目に“4”を設定する。
以下、納期回答情報生成部143は新たに生成した納期回答レコードの各項目に対する設定を行う。
[ステップS154]納期回答情報生成部143は、納期内注残部品を含めて製造可能な製品の数量を算出する。納期回答情報生成部143は、算出した数量を製造可能数(注残納期内)を示す項目に設定する。
納期回答テーブル119aの例では、受注番号“OR001”のレコードに対応する各製造計画管理レコードの“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の使用数(注残納期内)は“40”、“20”、“20”である。これにより、納期回答情報生成部143は、納期内注残部品を含めて製造可能な製品の数量が“4”であると特定できる。したがって、製造可能数(注残納期内)を示す項目に“4”を設定する。
[ステップS155]納期回答情報生成部143は、納期遅延注残部品を含めて製造可能な製品の数量を算出する。納期回答情報生成部143は、算出した数量を製造可能数(注残遅延)を示す項目に設定する。
納期回答テーブル119aの例では、受注番号“OR001”のレコードに対応する各製造計画管理レコードの“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の使用数(注残遅延)は“0”、“0”、“0”である。したがって、製造可能数(注残遅延)を示す項目に“0”を設定する。
[ステップS156]納期回答情報生成部143は、納期内未手配部品を含めて製造可能な製品の数量を算出する。納期回答情報生成部143は、算出した数量を製造可能数(未手配納期内)を示す項目に設定する。
納期回答テーブル119aの例では、受注番号“OR001”のレコードに対応する各製造計画管理レコードの“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の使用数(未手配納期内)は“0”、“0”、“0”である。したがって、製造可能数(未手配納期内)を示す項目に“0”を設定する。
[ステップS157]納期回答情報生成部143は、納期遅延未手配部品を含めて製造可能な製品の数量を算出する。納期回答情報生成部143は、算出した数量を製造可能数(未手配遅延)を示す項目に設定する。
納期回答テーブル119aの例では、受注番号“OR001”のレコードに対応する各製造計画管理レコードの“DR011”、“DR012”、“DR013”の各部品の使用数(未手配遅延)は“20”、“10”、“10”である。したがって、製造可能数(未手配遅延)を示す項目に“2”を設定する。
[ステップS158]納期回答情報生成部143は、取得した製造計画管理レコードのうち、着手可能年月日の最も遅い日付を取得し、最終面揃(着手)予定日を示す項目に設定する。
納期回答テーブル119aの例では、受注番号“OR001”のレコードに対応する在庫、注残、未手配のそれぞれの着手可能年月日は“2009/9/1”、“2009/9/1”、“2009/9/3”である。したがって、最終面揃(着手)予定日を示す項目に“2009/9/3”を設定する。
[ステップS159]納期回答情報生成部143は、取得した製造計画管理レコードのうち、試済年月日の最も遅い日付を取得し、最終試済予定日を示す項目に設定する。
納期回答テーブル119aの例では、受注番号“OR001”のレコードに対応する在庫、注残、未手配のそれぞれの試済年月日は“2009/9/15”、“2009/9/15”、“2009/9/17”である。したがって、最終試済予定日を示す項目に“2009/9/17”を設定する。
なお、納期回答情報生成部143は、ステップS158で取得した最終面揃(着手)予定日に製品の標準工程日数を加算して最終試済予定日を求めることもできる。
[ステップS160]納期回答情報生成部143は、製造計画管理テーブル118cの更新のあった全ての受注番号の製造計画管理レコードについて納期回答情報を生成済みであるか否かを判定する。未処理の製造計画管理レコードがある場合、処理をステップS151に進める。更新のあった全ての製造計画管理レコードについて処理済みの場合、処理を完了する。なお、今回納期回答情報の生成処理を行った製造計画管理レコードは処理済みとして扱われる。すなわち、該当レコードはステップS151においてレコード取得処理の対象外となる。
このようにして、納期回答情報生成部143は、納期回答テーブル119aを生成する。納期回答テーブル119aは、サプライヤ40,40a,40bにおける部品の製造工程の進捗を即時に反映したものである。このため、納期回答処理部144は、納期回答テーブル119aに基づいて納期回答を行うことで、現時点の状況に即した精度の高い納期回答が可能となる。
更に、納期回答情報生成部143は、部品の仕入れ状況(在庫品・注残品・未手配品)によって製品の製造可能数を管理する。これにより、顧客への製品納期の遅延が発生する場合には納期遅延注残部品によるものなのか、納期遅延未手配部品によるものなのかを把握することができる。これにより、部品面揃テーブル118bや製造計画管理テーブル118cを参照してネックとなっている注残部品あるいは未手配部品を特定し、その部品の調達を早期にフォローすることができる。例えば、他のサプライヤへの新規発注依頼や部品製造資源の拡充あるいは代替部品の適用の検討などの対策を行うことが考えられる。
なお、製品製造会社20で製造されたものが中間品である場合が考えられる。ここで、中間品とは図12で説明したように、製品製造会社20で製造される物品であるが他の上位物品の部品となる物品である。中間品も製品製造会社20で製造される物品であるため、他の製品と同様に物品マスタ記憶部111等で管理することができる。
この場合、中間品を部品注残テーブル113aで管理することができる(例えば、発注先を自社工場として管理する)。このため、中間品の試済予定日の変更は、その中間品の部品としての納期変更となる。したがって、このような場合には、試済予定日の変更をその中間品の納期変更として、部品注残テーブル113aの注残納期を変更する。これにより、中間品の試済予定日が変更となった場合にも、その影響を上位物品の製造工程に即座に反映することができる。
図44は、納期回答画面を示す図である。納期回答画面400は、営業端末装置21などからの納期回答要求に応じて、納期回答処理部144により納期回答情報記憶部119に記憶された納期回答テーブル119aに基づいて生成される。納期回答画面400は、営業端末装置21のモニタなどに表示される。納期回答要求には、納期回答を確認したい受注を示す受注番号が含まれる。納期回答処理部144は、その受注番号に基づいて、納期回答テーブル119aから該当する納期回答レコードを抽出できる。
納期回答画面400には、受注番号、顧客名、製品名、製品番号、数量、回答納期および更新日時などの情報が含まれる。受注番号、顧客名、製品名、製品番号、数量などの情報は、物品マスタ記憶部111に記憶された物品マスタ111aや部品所要情報記憶部112に記憶された受注テーブル112aから取得することができる。また、回答納期は、納期回答テーブル119aの最終試済予定日に基づき、配送に必要な標準日数などを加算して取得することができる。
納期回答画面400の例では、受注番号“OR001”に対して納期回答レコードから最終試済予定日“2009/9/17”を取得することができる。これに配送に必要な標準日数“1日”を加算して、回答納期“2009/9/18”が表示される。なお、配送に必要な標準日数などの諸情報は、納期回答情報記憶部119に予め格納される。
また、更新日時として、納期回答画面400の元とした納期回答レコードの生成日時を示すタイムスタンプが表示される。タイムスタンプは、各納期回答レコードを生成したタイミングで納期回答情報生成部143がその納期回答レコードに付与することが考えられる。例えば、製品製造会社20の社員は、このタイムスタンプを確認することで前回の納期回答確認後から納期の変更があったか否かを把握することができる。
図45は、各種データの収集から生産計画への反映を示す図である。管理サーバ100は、営業端末装置21、倉庫端末装置26およびライン端末装置200から新規受注情報、部品の在庫情報および発注した部品の製造工程における進捗情報の更新内容を収集する。
例えば、受発注品管理部120は、新たな受注入力や受注内容の更新入力を受け付けると、その入力に基づいて部品所要情報記憶部112に記憶された部品所要テーブル112bをリアルタイムに更新する。受発注品管理部120は、不足している部品や定期発注対象の部品などをサプライヤ40に発注すると、部品発注情報記憶部113に記憶された部品注残テーブル113aをリアルタイムに更新する。
また、受発注品管理部120は、倉庫端末装置26から倉庫25に対する部品の入庫があった旨を示す入庫情報を受け付けると、その内容に基づいて部品在庫情報記憶部114に記憶された部品在庫テーブル114aをリアルタイムに更新する。
更に、受発注品管理部120は、ライン端末装置200からサプライヤ40に発注している部品の製造工程の進捗情報(ゲート通過情報に対応する)を受け付けると、その内容に基づいて物品工程情報記憶部115に記憶された工程実績管理テーブル115eをリアルタイムに更新する。また、その結果、注残納期に変更が生じる場合には、変更後の納期を部品注残テーブル113aにリアルタイムに反映する。
部品引当処理部130は、部品所要情報記憶部112、部品発注情報記憶部113および部品在庫情報記憶部114が記憶する各データが更新されると、更新されたデータに基づいて、製品を製造するための部品の引当を行う。そして、生産計画管理部140は、その引当結果に基づいて、製品の製造計画を管理するための製造計画管理テーブル118cや納期回答を行うための納期回答テーブル119aを生成することができる。
ここで、部品引当処理部130による引当のタイミングは運用に応じて変更することが考えられる。例えば、所定時間間隔で実行する、更新データが所定数だけ溜まったタイミングで実行する、何れかのデータで更新を検知したタイミングで実行する、などが考えられる。このようにして引当処理のタイミングを調整することで、システムの運用に際して求められる即時性(製造計画や納期回答情報などの更新頻度)を調整することが可能である。例えば、引当図番生成処理を実行する間隔を10秒、1分、10分などと変更して、業務部門全体に与える影響を考慮した環境構築が可能である。また、更新レコードの数が“100”、“200”、“300”溜まった場合などと変更して、管理サーバ100の引当処理の負荷を調整することも考えられる。
このようなタイミングの設定変更は、例えば管理サーバ100への操作権限を有する者が管理サーバ100で何れかのタイミングを指定する操作入力を行うことで可能である。あるいは、管理サーバ100は、このような環境設定を行うための権限を有する者のみが操作可能なGUIをネットワーク10を介して端末装置に提供してもよい。
図46は、部門間およびサプライヤとの情報連携を示す図である。管理サーバ100は、管理情報記憶部110に各種情報を一元管理する。
製品製造会社20やサプライヤ40,40a,40bの社員は、営業端末装置21、発注端末装置22、倉庫端末装置26、端末装置41,42およびライン端末装置200などを介して、管理情報記憶部110に記憶されたデータにアクセス可能である。管理情報記憶部110に対して可能な操作は、例えば、その社員が所属する会社・部門・役職などに応じて制限が課される。管理サーバ100は、このようなアクセス制限をその社員の識別情報に対応付けて管理することができる。
また、製品製造会社20とサプライヤ40,40a,40bとの間では、製品製造会社20からサプライヤ40,40a,40bへの発注に応じてBtoB(Business to Business)連携による電子商取引を行うことが考えられる。このようにすると、発注内容に応じた決済を自動化することができる。
ここで、従来では、例えば同じ社内でも営業部門・業務部門・製造部門・購買部門などと部門が異なれば、各部門で異なるシステムを運用していることが多かった。これは、製品製造会社とサプライヤとの間など、会社が異なれば尚更のことであった。この場合、各部門間および会社間で管理するデータを同期する必要があり、例えば日次などのバッチ処理や人を介したデータ入力などによって、データの共有化を図っていた。その場合、データの不整合が発生すると、製造計画や納期回答の精度が低減していた。
一方、上述のように、製品製造会社20の各部門やサプライヤ40,40a,40bは情報を一元管理する管理情報記憶部110へアクセスすることが可能である。このため、各部門・各社でデータを個別に管理する必要がなくなる。これにより、製品製造会社20の各部門やサプライヤ40,40a,40bの間で製品や部品の生産管理情報をリアルタイムに共有することが可能となる。すなわち、各部門・各社で受注から顧客への納品まで一気通貫の生産管理を実現することが可能となる。また、各部門・各社でのデータの整合を考慮する必要もないので、データ管理が容易となると共に、製造計画や納期回答などの各種情報の精度を高めることができる。
以上、本発明の生産管理装置、生産管理システム、生産管理プログラムおよび生産管理方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。更に、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。