JP5355488B2 - 目地補修構造及び目地補修工法 - Google Patents

目地補修構造及び目地補修工法 Download PDF

Info

Publication number
JP5355488B2
JP5355488B2 JP2010105735A JP2010105735A JP5355488B2 JP 5355488 B2 JP5355488 B2 JP 5355488B2 JP 2010105735 A JP2010105735 A JP 2010105735A JP 2010105735 A JP2010105735 A JP 2010105735A JP 5355488 B2 JP5355488 B2 JP 5355488B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
repair
joint
water channel
mortar
repair member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010105735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011231596A (ja
Inventor
泰之 早間
太 井上
敏隆 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayakawa Rubber Co Ltd
Original Assignee
Hayakawa Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hayakawa Rubber Co Ltd filed Critical Hayakawa Rubber Co Ltd
Priority to JP2010105735A priority Critical patent/JP5355488B2/ja
Publication of JP2011231596A publication Critical patent/JP2011231596A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5355488B2 publication Critical patent/JP5355488B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Description

本発明は、水路の目地を補修する際に用いられる目地補修構造及びその工法に関するものである。
一般に、水路を構築する方法としては、例えば工場等で予め製造された略U字状のコンクリート製部材を複数並べる方法や、水路の構築現場でコンクリートを打設する方法等が知られている。
予め製造されたコンクリート製部材を並べて水路を構築する方法では、隣り合うコンクリート製部材の目地には漏水防止用のシール材が設けられている。また、現場でコンクリートを打設する方法では、コンクリートを部分的に打設していくことになるので、打継ぎ部分の目地には同様なシール材が設けられている。
上記した水路の各目地に設けるシール材としては、コンクリートやモルタルとの接着性を有する非加硫ブチルゴムを主成分としたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。これら文献のシール材を用いることで、シール材がコンクリートやモルタルと接着した状態となるので、コンクリート製部材や現場で打設されたコンクリートが地盤沈下等の原因によって多少変位してもシール性を維持でき、水路からの漏水を食い止めることができるという利点がある。
特開昭58−38779号公報 特公平1−26391号公報
しかしながら、特に冬季で気温が0℃以下となる地域では、1日の気温の変化や日射の有無等により、水路内にある水が凍結と融解とを繰り返すことがある。シール材に接している水が凍結すると、シール材は、水が凍結する過程で水の膨張力を受ける。シール材の主成分である非加硫ブチルゴムは粘着塑性体であるため、水の膨張力を受けると、塑性変形する。1回の凍結であれば、シール材の塑性変形量は小さいのでそれほど問題とならないが、水が凍結と融解を幾度も繰り返すと、塑性変形量が積み重なって大きくなっていき、やがて、図20に示すように、シール材が目地から外部へ伸びて出た状態となり、シール性が低下するとともに、見栄えも悪化してしまい、補修作業が必要になる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水路の目地を補修する場合に、水路内の水が凍結と融解を繰り返しても、シール材が目地から外部へ出てしまわないようにし、これによって目地のシール性及び見栄えを長期間に亘って維持できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、水路の目地を補修するための補修部材を、弾性体と、弾性体を覆うシール部とを有する構造とした上で、モルタルに埋設するようにした。
第1の発明は、水路の目地を補修する目地補修構造において、上記目地に設けられる補修部材と、上記水路内面に塗布されるモルタルとを備えており、上記補修部材は、上記水路内に存在する水の凍結時の膨張力によって弾性変形可能な弾性を持つ弾性体と、該弾性体の少なくとも水路長手方向両側面を覆うように設けられ、上記モルタルとの接着性を持つシール部とを有するとともに、上記モルタルに埋設されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、モルタルに埋設された補修部材はシール部がモルタルに接着するので、目地のシール性が確保される。
そして、水路内の水が凍結した場合を想定すると、水の膨張力が補修部材に作用することになるが、水の膨張力を受けた補修部材の弾性体は弾性変形して膨張力を吸収する。このとき弾性体は弾性変形を起こしているだけなので、水が融解して膨張力が除かれると元の形状に復元する。従って、水の凍結と融解が何度繰り返されても、補修部材の弾性体が弾性変形を繰り返して吸収するので、補修部材が目地から出るような形状となってしまうのを回避することが可能になる。
第2の発明は、第1の発明において、目地には、ひび割れを誘発する誘発部が設けられ、上記誘発部は、補修部材の水路外側に対応する部分に位置付けられていることを特徴とするものである。
この構成によれば、水路を構成する隣り合う部材が水路の長手方向に互いに離れるように変位した場合、誘発部でひび割れが発生する。このとき、補修部材は、シール部がモルタルに接着されているので、水路の長手方向に引っ張られることになる。すると、補修部材の弾性体が水路の長手方向の引張力を受けて伸びるように弾性変形するので、補修部材に発生する応力が全体として緩和される。これにより、補修部材のシール部におけるモルタルとの接着部分の破壊が回避される。
第3の発明は、第1の発明において、目地には、ひび割れを誘発する誘発部が設けられ、補修部材において水路外側に対応する部分には、上記誘発部を形成するための誘発部形成手段が設けられていることを特徴とするものである。
この構成によれば、補修部材をモルタルに埋設すると、補修部材の誘発部形成手段により、誘発部が補修部材に対応するように簡単に形成される。
第4の発明は、第3の発明において、誘発部形成手段は、補修部材の外面から突出する突出部で構成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、補修部材の形状や構造を複雑化することなく、目地に誘発部を形成することが可能になる。
第5の発明は、水路の目地を補修する目地補修工法において、水路内の水の凍結時の膨張力によって弾性変形可能な弾性を持つ弾性体と、該弾性体の少なくとも水路長手方向両側面を覆うように設けられ、モルタルとの接着性を持つシール部とを有する補修部材を、上記水路の目地に設置する補修部材設置工程と、上記水路内面にモルタルを塗布して上記補修部材を該モルタルに埋設するモルタル塗布工程とを備えていることを特徴とするものである。
この構成によれば、第1の発明と同様に、水の凍結と融解が何度繰り返されても、補修部材が目地から出るような形状となってしまうのを回避することが可能になる。
第1の発明によれば、補修部材が、弾性体と、該弾性体の少なくとも水路長手方向両側面を覆うように設けられたシール部とを有していて、この補修部材をモルタルに埋設するようにしたので、水路内の水の凍結と融解が繰り返された場合に、補修部材が目地から出るような形状となってしまうのを回避できる。これにより、水路の目地の補修後に、長期間に亘ってシール性を確保できるとともに、見栄えを良好に維持できる。
第2の発明によれば、水路を構成する隣り合う部材が水路の長手方向に互いに離れるように変位して誘発部にひび割れが発生した場合に、補修部材のシール部におけるモルタルとの接着部分の破壊を回避できる。よって、シール部をモルタルに接着した状態を維持でき、シール性を確保できる。
第3の発明によれば、補修部材の水路外側に対応する部分に、ひび割れを誘発する誘発部を形成するための誘発部形成手段を設けたので、補修部材をモルタルに埋設することにより、補修部材に対応するように誘発部を簡単に形成できる。これにより、ひび割れを補修部材に対応する部分に確実に発生させることができ、ひび割れ部分からの漏水を補修部材によって抑制できる。
第4の発明によれば、誘発部形成手段を、補修部材の外面から突出する突出部で構成したので、簡単な構成でもって補修部材に対応するように誘発部を形成できる。
第5の発明によれば、第1の発明と同様に、水路内の水の凍結と融解が繰り返された場合に、補修部材が目地から出るような形状となってしまうのを回避できるので、補修後に長期間に亘ってシール性を確保できるとともに、見栄えを良好に維持できる。
本発明にかかる目地補修構造が適用された水路の一部の斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 補修前の水路の図2相当図である。 目地下地補修モルタルを塗った状態の図2相当図である。 補修部材を目地下地補修モルタル上に置いた状態の図2相当図である。 補修部材を目地下地補修モルタル上に置いた状態の水路を内側から見た斜視図である。 表面補修モルタルを塗った状態の図2相当図である。 実施形態1の変形例1にかかる図2相当図である。 実施形態1の変形例2にかかる図2相当図である。 実施形態1の変形例2にかかる水路構成部材が水路長手方向に変位した場合を示す図2相当図である。 実施形態1の変形例3にかかる図2相当図である。 実施形態2にかかる目地下地補修モルタルを塗った状態の図2相当図である。 実施形態2にかかる図2相当図である。 実施形態2にかかる水路構成部材が水路長手方向に変位した場合を示す図2相当図である。 実施形態2の変形例にかかる図2相当図である。 実施形態3にかかる図2相当図である。 実施形態3の変形例1にかかる図2相当図である。 実施形態3の変形例2にかかる図2相当図である。 現場打ちで構築された水路に本発明を適用した場合を示す図1相当図である。 従来の補修部材が設けられた水路の図2相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態1にかかる目地補修構造1が適用された水路Aを示すものである。水路Aは、例えば、農業用水や工業用水の他、生活排水等を流す際に使用され、複数のコンクリート製の水路構成部材10,10,…を並べて構成されたものである。各水路構成部材10は同じものであり、上方に開放する略U字状の断面形状を有している。
図2に示すように、水路構成部材10の長手方向の一端部には、水路10内側が切り欠かれた形状の段部10aが形成されている。水路構成部材10の長手方向の他端部には、水路10外側が切り欠かれた形状の段部10bが形成されている。水路Aの長手方向に隣り合う水路構成部材10,10は、一端部が他端部の段部10bに嵌った状態となっている。
目地補修構造1は、目地下地補修モルタル11、補修部材12及び表面補修モルタル15を備えている。目地下地補修モルタル11は、隣り合う水路構成部材10,10の間において段部10a内に設けられている。目地下地補修モルタル11の水路10内側は、水路構成部材10の内面よりも外側に位置しており、水路構成部材10の内面と略平行に延びている。
補修部材12は、目地下地補修モルタル11の水路10内側に設けられており、図1に示すように、水路Aの一方の側壁の上部から下方へ向かって底壁まで延びた後、他方の側壁を下部から上部まで延びる長尺状に形成されている。図2に示すように、補修部材12は、弾性体13と、弾性体13を覆うシール部14とを備えている。弾性体13は、補修部材12の長手方向両端に亘って連続して延びている。弾性体13の長手方向に直交する方向の断面は、略矩形状とされている。
弾性体13は、水路A内に存在している水が凍結して膨張した際に、その膨張力によって弾性変形可能な程度の弾性を持っている。弾性体13を構成する材料としては、例えば、EPDM等の合成ゴム系の発泡材が挙げられるが、これに限られるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂材を発泡させたものあってもよい。弾性体13の構造としては、独立気泡構造が好ましいが、連続気泡構造であってもよい。弾性体13の発泡倍率は、2倍くらいが好ましく、この程度の発泡倍率にしておくことで、水路A内の水が凍結して膨脹した際に十分な収縮量を確保できる。発泡倍率は、2倍に限られるものではなく、例えば、1.5倍〜3倍程度であってもよい。
シール部14は、補修部材12の長手方向に直交する方向の断面が略コ字状とされており、弾性体13の水路A長手方向一側面を覆う第1側面部14aと、弾性体13の水路A長手方向他側面を覆う第2側面部14bと、弾性体13の水路A外側に対応する面を覆う底面部14cとを備えている。第1側面部14a及び第2側面部14bは、弾性体13の一側面及び他側面に密着して一体化した状態で該側面に沿って補修部材12の長手方向両端に亘って連続している。底面部14cは、弾性体13の水路A外側に対応する面に密着して一体化した状態で該面に沿って補修部材12の長手方向両端に亘って連続している。つまり、弾性体13は、両側面と、水路A外側に対応する面とが連続してシール部14によって覆われることになる。弾性体13の水路A内側に臨む面は、シール部14によって覆われておらず、水路A内に露出する。尚、弾性体13の水路A内側に臨む面もシール部14で覆うようにしてもよい。
シール部14の材料は、モルタルとの接着性を有する非加硫ブチルゴムであり、例えば、ブチルゴムあるいはその再生材を主材料として、粘着付与剤、軟化剤、無機充填材、安定剤等を配合したものである。すなわち、このゴムは、モルタルに接着するように各成分が配合されており、乾燥していないモルタル(生モルタル)の上に置いてモルタルを乾燥させると、該モルタルと強固に接着する性質を有している。また、このシール部14は水不透過性を有している。
補修部材12の幅(水路A長手方向の寸法)は、目地下地補修モルタル11の水路A長手方向の寸法よりも短く設定されている。
表面補修モルタル15は、水路構成部材10の内面全体に塗布されるものである。表面補修モルタル15は、長年使用されて荒れた水路構成部材10の内面を平らにし、改修するためのものである。補修部材12は、表面補修モルタル15に埋設されることになる。表面補修モルタル15の厚みは、例えば7mm程度が好ましいが、これに限られるものではない。
次に、上記目地補修構造1を用いて目地を補修する要領について説明する。補修前の水路Aの断面を図3に示す。補修前の水路Aでは、水路構成部材10,10の間の下地モルタルが劣化している。これは、例えば、地盤沈下や水路構成部材10の膨張及び収縮により、隣り合う水路構成部材10,10が互いに変位したこと等による。また、補修部材は、水路A内の水の凍結と融解の繰り返しによって塑性変形し、目地から出てしまっている。さらに、図示しないが、各水路構成部材10の内面は、長年の使用によって荒れている。
始めに、水路構成部材10,10の間の劣化した下地モルタル及び古い目地シール材を削り取る。そして、図4に示すように、目地下地補修モルタル11を水路構成部材10,10の間に塗る。目地下地補修モルタル11の水路A内側は、水路構成部材10の内面よりも外側に位置付けるようにしておく。目地下地補修モルタル11の水路A内側は、水路構成部材10の内面と略平行に延びるように形成しておく。
目地下地補修モルタル11が生モルタル状態のうちに、図5に示すように、補修部材12を目地下地補修モルタル11の水路A内側に置いていく。これら補修部材設置工程である。このとき、補修部材12の水路A内側の面には、マスキングテープTを貼っておく。
しかる後、図7に示すように、表面補修モルタル15を水路構成部材10の内面に塗る。これがモルタル塗布工程である。この表面補修モルタル15の厚さは、補修部材12の両側面が隠れ、かつ、補修部材12の水路A内に臨む面が露出する程度とされている。従って、補修部材12の水路A内に臨む面と、表面補修モルタル15の表面とは略面一となる。
表面補修モルタル15を塗る場合について図6に基づいて説明する。まず、図6における右側の補修部材12と、左側の補修部材12との間に所定量の表面補修モルタル15(図示せず)を供給する。この表面補修モルタル15をある程度広げた後、仮想線で示す長板Pを用いて表面補修モルタル15の表面を平らにしていく。すなわち、長板Pは真っ直ぐに延びる板材からなるものである。長板Pの長手方向両側を、図6の右側の補修部材12と左側の補修部材12とにそれぞれ接触させ、この状態で、長板Pを補修部材12の長手方向に移動させていく。これにより、長板Pの縁部により余分な表面補修モルタル15が削り取られて表面補修モルタル15の表面が平らになる。つまり、補修部材12を長板Pのガイドとして利用することで、表面補修モルタル15の表面を簡単に平らにすることができる。
また、図7に示すように、補修部材12にマスキングテープTが貼られているので、補修部材12の水路A内側の面には、表面補修モルタル15が付着することはない。マスキングテープTは、図2に示すように、表面補修モルタル15を塗った後に剥がす。
目地下地補修モルタル11及び表面補修モルタル15が乾燥すると、補修部材12のシール部14の第1側面部14a及び第2側面部14bが表面補修モルタル15に接着し、底面部14cが目地下地補修モルタル11に接着する。このように補修部材12が目地下地補修モルタル11及び表面補修モルタル15に接着することで、目地における漏水が抑制される。
上記のようにして目地の補修が行われた後、例えば、水路A内にある水が凍結し、その後、融解した場合について説明する。水が凍結すると、補修部材12のうち、水に触れている部分には、水の膨張力が作用する。水の膨張力を受けた補修部材12は、弾性体13が弾性変形して膨張力を吸収する。その後、凍結した水が融解すると、弾性体13は弾性変形を起こしていただけなので、水の膨張力が除かれて元の形状に復元する。従って、水の凍結と融解が何度繰り返されても、補修部材12の弾性体13が弾性変形を繰り返して吸収するので、補修部材12が目地から出るような形状となってしまうのを回避することが可能になる。
以上説明したように、この実施形態1によれば、補修部材12が、弾性体13と、該弾性体13を覆うように設けられたシール部14とを有していて、この補修部材12を表面補修モルタル15に埋設するようにしたので、水路A内の水が凍結と融解を繰り返した場合に、補修部材12が目地から出るような形状となってしまうのを回避できる。これにより、水路Aの目地の補修後に、長期間に亘ってシール性を確保できるとともに、見栄えを良好に維持できる。
尚、図8に示す変形例1のように、補修部材12の弾性体13に溝13aを設けてもよい。溝13aは、補修部材12の幅方向(水路Aの長手方向)中央部に位置しており、シール部14の底面部14c側に開放して補修部材12の長手方向に延びている。この溝13aを形成することにより、弾性体13が補修部材12の幅方向に弾性変形し易くなる。従って、隣り合う水路構成部材10,10が水路Aの長手方向に互いに離れるように変位した場合に、その変位に追従するように弾性体13が変形し易くなり、補修部材12の破断や表面補修モルタル15との接着部分の破壊が起こりにくくなる。
また、補修部材12の形状は、上記した形状に限られるものではなく、各種形状であってもよい。具体的には、例えば、図9及び図10に示す変形例2や、図11に示す変形例3のような形状としてもよい。すなわち、変形例2の補修部材12は、図9に示すように、水路A外側部分に、内側部分に比べて幅広となるように延出部12a,12aが形成されている。弾性体13には、延出部12aに対応する延出部13b,13bが形成されている。シール部14の第1側面部14aは、弾性体13の延出部13bを覆うように形成されるとともに、第2側面部14bも延出部13bを覆うように形成されている。
この変形例2では、図10に示すように、水路構成部材10,10が水路Aの長手方向に互いに離れる方向(白抜き矢印で示す)に変位した場合、表面補修モルタル15に接着しているシール部14の第1側面部14aと第2側面部14bとが破壊を起こしても、補修部材12の延出部12a,12aが表面補修モルタル15及び水路構成部材10に密着した状態を維持でき、シール性を得ることができる。
また、図11に示す変形例3の補修部材12は、弾性体13に溝13aが形成されている。溝13aは、補修部材12の幅方向(水路Aの長手方向)中央部に位置しており、シール部14の底面部14c側に開放して補修部材12の長手方向に延びている。この変形例3では、変形例1と同様に、弾性体13が補修部材12の幅方向に弾性変形し易くなる。
尚、水路構成部材10の長手方向の端部の形状は、変形例1のような形状とすることも可能である。
(実施形態2)
図12及び図13は、本発明の実施形態2にかかる目地補修構造1を示すものである。この実施形態2の目地補修構造1は、図13に示すように、目地に、補修部材12に対応するようにひび割れを誘発するための誘発部20を設けた点で実施形態1と異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
誘発部20は、補修部材12の水路A外側に対応する部分に位置している。すなわち、実施形態2では、表面補修モルタル15は、誘発部形成部分15aと、表層部分15bとを有している。誘発部形成部分15aは、モルタルを水路構成部材10の目地に直接塗ることによって形成されている。表層部分15bは、モルタルを誘発部形成部分15aの表面及び水路構成部材10の内面に塗ることによって形成されている。誘発部形成部分15aは、表層部分15bよりも薄い。誘発部20は、誘発部形成部分15aにおける目地下地補修モルタル11に対応する部分を一部だけ略V字状に除くことによって形成されている。この誘発部20は、水路構成部材10の内面に沿うように連続して設けられている。
次に、実施形態2の目地補修構造1を用いて目地を補修する要領について説明する。目地下地補修モルタル11を塗るまでは実施形態1と同様である。
目地下地補修モルタル11を塗った後、図12に示すように、表面補修モルタル15の誘発部形成部分15aを形成する。この誘発部形成部分15aには、誘発部20を形成しておく。
その後、補修部材12を、生モルタル状態の誘発部形成部分15aの水路A内側に置いていく。補修部材12は、弾性体14の底面部14cの幅方向中間部に誘発部20が位置するように置く。
しかる後、図13に示すように、表面補修モルタル15の表層部分15bを形成して補修部材12を表面補修モルタル15に埋設する。
この実施形態2においても、水路A内の水が凍結と融解を繰り返した場合には、実施形態1と同様に、弾性体13が弾性変形するので、補修部材12が目地から出るような形状となってしまうのを回避することが可能になる。
また、隣り合う水路構成部材10,10の一方が他方に対し変位した場合や、水路構成部材10が膨張収縮した場合には、誘発部20に対応する部分にひび割れが発生する。
ここで、図14に示すように、一方の水路構成部材10が他方の水路構成部材10に対し水路Aの長手方向(白抜き矢印で示す)に離れた場合には、補修部材12が水路Aの長手方向に引っ張られることになる。引っ張り力を受けた補修部材12は、弾性体13が薄くなるように変形するとともに、シール部14の底面部14cも薄くなるように変形する。特に弾性体13が変形することにより、補修部材12の内部応力が低下し、シール部14の第1側面部14a及び第2側面部14bが引張力によって破壊(表層破壊)してしまうのを回避できる。
以上説明したように、この実施形態2によれば、実施形態1と同様に、水路A内の水の凍結と融解が繰り返されても、長期間に亘ってシール性を確保できるとともに、見栄えを良好に維持できる。
また、誘発部20を補修部材12に対応するように設けたので、補修後に隣り合う水路構成部材10,10の一方が他方に対し変位した場合や、水路構成部材10が膨張収縮した場合に、補修部材12に対応するようにひび割れを発生させることができる。これにより、ひび割れ部分からの漏水を補修部材12によって抑制できる。
また、誘発部20でひび割れが発生して、水路構成部材10,10が水路Aの長手方向に互いに離れるように変位した場合に、弾性体13が弾性変形することで、補修部材12のシール部14の第1側面部14a及び第2側面部14b(表面補修モルタル15との接着部分)の破壊を回避でき、シール部14を表面補修モルタル15に接着した状態を維持できる。
尚、図15に示す変形例のように、表面補修モルタル15に発泡材等の誘発目地部材21を埋め込むようにしてもよい。この誘発目地部材21は、ひび割れを誘発する誘発部22を構成するためのものである。誘発目地部材21によって構成された誘発部は、補修部材12のシール部14の底面部14cの幅方向中間部に位置するようなっている。誘発目地部材21は、発泡材に限られるものではなく、各種部材を用いることができる。
(実施形態3)
図16は、本発明の実施形態3にかかる目地補修構造1を示すものである。この実施形態3の目地補修構造1は、補修部材12を利用して、ひび割れを誘発する誘発部24を設けた点で実施形態1と異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
補修部材12には、水路Aの外側へ向けて突出する誘発部形成用突起(突出部)25が設けられている。この誘発部形成用突起25は、補修部材12の幅方向中央部に形成されており、補修部材12の長手方向に直交する断面が略矩形状となっている。誘発部形成用突起25は、誘発部形成手段である。
次に、実施形態2の目地補修構造1を用いて目地を補修する要領について説明する。目地下地補修モルタル11を塗るまでは実施形態1と同様である。
目地下地補修モルタル11を塗った後、表面補修モルタル15を水路構成部材10の目地部分に薄く塗り、その上に補修部材12を置き、表面補修モルタル15を完全に塗る。
表面補修モルタル15が乾燥すると、誘発部形成用突起25に対応する形状の誘発部24が形成されることになる。
この実施形態3においても、水路A内の水が凍結と融解を繰り返した場合には、実施形態1と同様に、弾性体13が弾性変形するので、補修部材12が目地から出るような形状となってしまうのを回避することが可能になる。
また、隣り合う水路構成部材10,10の一方が他方に対し変位した場合や、水路構成部材10が膨張収縮した場合には、図示するように誘発部24に対応する部分に、補修部材12の底部にのみ、ひび割れが発生する。このひび割れが発生した部分には補修部材12があるので漏水が抑制される。
以上説明したように、この実施形態3によれば、実施形態1と同様に、水路A内の水が凍結と融解を繰り返しても、長期間に亘ってシール性を確保できるとともに、見栄えを良好に維持できる。
また、誘発部24を補修部材12に対応するように設けたので、補修後に、補修部材12に対応するようにひび割れを発生させることができる。これにより、ひび割れ部分からの漏水を補修部材12によって抑制できる。
また、補修部材12を表面補修モルタル15に埋設するだけで、補修部材12に対応するように簡単に誘発部24を形成できる。
尚、図17に示す変形例1のように、補修部材12の誘発部形成用突起25の形状は、先細形状としてもよい。これにより、ひび割れを略狙い通りの部分に発生させることができる。
また、図18に示す変形例2のように、誘発部形成用突起25は、補修部材12における水路A外側に対応する部分の全体から突出させるようにしてもよい。
また、上記実施形態1〜3では、予め工場で製造された水路構成部材10を水路構築現場に搬送して構築した水路Aに本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、図19に示すように、水路構築現場において、コンクリートを部分的に打設していく、いわゆる現場打ちで構築された水路Aに本発明を適用することも可能である。現場打ちの場合には、例えば図19に示すように、水路Aの底壁部、側壁部の長手方向の一部を別々に形成していくので、打継ぎ部ができ、この打継ぎ部が目地となる。この目地には、上記と同様に目地補修構造1を適用して補修部材12が設けられる。
以上説明したように、本発明にかかる目地補修構造及び目地補修工法は、例えば、寒冷地における農業用水路等の補修時に用いることができる。
1 目地補修構造
10 水路構成部材
11 目地下地補修モルタル
12 補修部材
13 弾性体
14 シール部
15 表面補修モルタル
20,24 誘発部
25 誘発部形成用突起(誘発部形成手段、突出部)

Claims (5)

  1. 水路の目地を補修する目地補修構造において、
    上記目地に設けられる補修部材と、
    上記水路内面に塗布されるモルタルとを備えており、
    上記補修部材は、上記水路内に存在する水の凍結時の膨張力によって弾性変形可能な弾性を持つ弾性体と、該弾性体の少なくとも水路長手方向両側面を覆うように設けられ、上記モルタルとの接着性を持つシール部とを有するとともに、上記モルタルに埋設されていることを特徴とする目地補修構造。
  2. 請求項1に記載の目地補修構造において、
    目地には、ひび割れを誘発する誘発部が設けられ、
    上記誘発部は、補修部材の水路外側に対応する部分に位置付けられていることを特徴とする目地補修構造。
  3. 請求項1に記載の目地補修構造において、
    目地には、ひび割れを誘発する誘発部が設けられ、
    補修部材において水路外側に対応する部分には、上記誘発部を形成するための誘発部形成手段が設けられていることを特徴とする目地補修構造。
  4. 請求項3に記載の目地補修構造において、
    誘発部形成手段は、補修部材の外面から突出する突出部で構成されていることを特徴とする目地補修構造。
  5. 水路の目地を補修する目地補修工法において、
    水路内の水の凍結時の膨張力によって弾性変形可能な弾性を持つ弾性体と、該弾性体の少なくとも水路長手方向両側面を覆うように設けられ、モルタルとの接着性を持つシール部とを有する補修部材を、上記水路の目地に設置する補修部材設置工程と、
    上記水路内面にモルタルを塗布して上記補修部材を該モルタルに埋設するモルタル塗布工程とを備えていることを特徴とする目地補修工法。
JP2010105735A 2010-04-30 2010-04-30 目地補修構造及び目地補修工法 Active JP5355488B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010105735A JP5355488B2 (ja) 2010-04-30 2010-04-30 目地補修構造及び目地補修工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010105735A JP5355488B2 (ja) 2010-04-30 2010-04-30 目地補修構造及び目地補修工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011231596A JP2011231596A (ja) 2011-11-17
JP5355488B2 true JP5355488B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=45321183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010105735A Active JP5355488B2 (ja) 2010-04-30 2010-04-30 目地補修構造及び目地補修工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5355488B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5838779A (ja) * 1981-09-01 1983-03-07 Hayakawa Rubber Co Ltd 非加硫ゴム打継ぎ板
JP2794275B2 (ja) * 1994-11-07 1998-09-03 株式会社ロンビックジャパン 部材間のシール装置
JPH10292504A (ja) * 1997-04-11 1998-11-04 Toshiharu Osaka 充填目地、同施工法、同中空ガスケットおよび施工用ノズル
JP4692927B2 (ja) * 2006-02-20 2011-06-01 日本電気硝子株式会社 コンクリート製水路壁面構造体の補修工法及びコンクリート製水路壁面構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011231596A (ja) 2011-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100714437B1 (ko) 콘크리트 구조물 신축유동 이음부 및 균열부에 대한누수유도공법
JP5019976B2 (ja) 止水構造及び止水工法
US20070151185A1 (en) Method and device for resilient seal system
JP2011026945A (ja) 基礎部の配管構造及び基礎部の配管工法
JP2016017357A (ja) 止水構造及び止水方法
KR20160046750A (ko) 구조물 연결부위의 누수차단용 신축이음재
JP4656966B2 (ja) 地下コンクリート構造物の継手構造とその施工方法
JP5355488B2 (ja) 目地補修構造及び目地補修工法
JP2008038426A (ja) 可撓止水継手およびその施工方法
JP2008045333A (ja) 止水材及び弾性継手の止水構造
JP5255526B2 (ja) 目地漏水防止構造及び目地漏水防止工法
JP2007100348A (ja) 高圧用ゴム止水板
JP7068767B2 (ja) 防水樹脂シート、スラブ、スラブの施工方法
KR200275996Y1 (ko) 수팽창성 지수재
JP4685493B2 (ja) 目地構造および目地の改修方法
JP6242110B2 (ja) 水路の改修構造及び改修方法
KR102434090B1 (ko) 싱크홀 방지를 위한 방수시트 이용 하수관 접합방법
JP2008106491A (ja) コンクリートの誘発目地部の化粧目地材
KR200286472Y1 (ko) 수팽창성 지수재
JP2011144569A (ja) セグメントのシール構造
KR20150019270A (ko) 조립식 구조물 접합부의 실란트 선 충진 누수 차단 방법
KR100712129B1 (ko) 콘크리트 구조물의 이음부 방수구조 및 그 시공방법
JP3852181B2 (ja) 防食被覆コンクリート構造部材の目地部構造
US20140202103A1 (en) Membrane Interface for Building Apertures
KR20050008458A (ko) 구조물의 신축이음 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120326

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5355488

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250