JP5355038B2 - 非焼結式ニッケル極及びアルカリ蓄電池 - Google Patents

非焼結式ニッケル極及びアルカリ蓄電池 Download PDF

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Description

本発明は非焼結式ニッケル極及びアルカリ蓄電池に関する。
アルカリ蓄電池としては、含まれる活物質の種類によって、例えばニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池等をあげることができ、これらアルカリ蓄電池には円筒形状の外装缶を備えた円筒形のものがある。外装缶は、安全弁付きの蓋体で密封され、その内部には電極群がアルカリ電解液とともに収容される。電極群は、セパレータを間に挟んでそれぞれ帯状の負極板と正極板とを渦巻状に巻回して形成される。
正極板には非焼結式のニッケル極があり、ニッケル極は、3次元の網目形状の構造を有するニッケル製の金属体と、金属体に保持された正極合剤とから構成される。正極合剤は、正極活物質である水酸化ニッケル粒子と、添加剤粒子と、これら粒子を結着するバインダとを含む。
この種のニッケル製の金属体には、スポンジ状のものがある。スポンジ状の金属体は、現在、発泡ウレタンに金属めっきをしてから、発泡ウレタンを加熱分解させて作製されている。このとき、金属めっきの目付量は、例えば400g/mに設定される。
また、この種のニッケル製の金属体にはフェルト状のものもある。例えば、特許文献1が開示するペースト式ニッケル正極は、フェルト状金属多孔体を有する。このフェルト状金属多孔体を構成する金属格子一本当たりの平均外径は30〜70μmの範囲にあり、且つ、隣接した金属格子同士の平均間隔が100〜400μmの範囲にある。
特開平3−222260号公報(例えば、特許請求の範囲等。)
スポンジ状の金属体では、目付量を400g/mとした場合、めっき厚さが11μmを超えてしまう。このようなスポンジ状の金属体を含む非焼結式ニッケル極を巻回した場合、その表面から骨格が突出する。突出した骨格は、セパレータを突き破って負極と接触することにより、内部短絡を発生させる原因になる。
また、スポンジ状の金属体では、目付量を300g/mとした場合、めっき厚さが11μm以下にはなるものの、導電性が低下してしまう。このようなスポンジ状の金属体を含む非焼結式ニッケル極を用いてアルカリ蓄電池を作製した場合、高率放電特性等の特性が低下してしまう。
更に、特許文献1が開示するペースト式ニッケル正極では、フェルト状金属多孔体の金属格子一本当たりの平均外径が30〜70μmの範囲にあり、金属格子が細いため、金属格子の平均長を40〜70mmにすることは困難であった。このため、このフェルト状金属多孔体は、金属格子の平均長が40mmよりも短いため導電性が低く、このペースト式ニッケル正極を用いた電池にあっては、高率放電特性等の特性が低下してしまう。
また、金属格子の平均長が40mmよりも短いために、このペースト式ニッケル正極を巻回するときに、その表面から多数の金属格子の末端が突出し、内部短絡が発生するという問題もあった。
本発明は上述した事情に基づいてなされ、その目的とするところは、アルカリ蓄電池に適用したときに、当該電池の放電特性及びサイクル寿命が改善され、内部短絡が防止される非焼結式ニッケル極を提供することにある。
上記した目的を達成するため、本発明の一態様によれば、金属繊維によって構成される3次元の網目構造の芯体と、前記芯体に保持された活物質としてのニッケル酸化物を含む合剤とを備え、前記金属繊維の平均外径は、70μm超140μm以下の範囲にあり、前記金属繊維の平均長は、40mm以上70mm以下の範囲にあり、そして、前記金属材料のめっき厚さに対応する前記金属繊維の平均壁厚は、4μm以上μm以下の範囲にあることを特徴とする非焼結式ニッケル極が提供される(請求項1)。
好ましくは、前記金属繊維は、有機材料からなる繊維を互いに密着させることにより形成された不織布に金属材料をめっきした後、前記有機材料を加熱分解して得られ、前記不織布の繊維の外形形状を複製した金属繊維である(請求項2)。
また、本発明の他の態様によれば、上記非焼結式ニッケル極と、負極と、アルカリ電解液とを備えることを特徴とするアルカリ蓄電池が提供される(請求項3)。
本発明の請求項1の非焼結式ニッケル極は、金属繊維の平均長が40mm以上70mm以下の範囲にあるため、金属繊維の平均長がこれより短い従来の非焼結式ニッケル極に比べて、高い導電性を有する。
また、この非焼結式ニッケル極によれば、金属繊維の平均長が長いことにより、巻回されたときに表面から突出する金属繊維の数が少ない。その上、金属繊維の平均壁厚がμm以下であり、表面から突出する金属繊維の強度が低い。
請求項2の非焼結式ニッケル極の金属繊維は、有機材料からなる繊維を互いに密着させることにより形成された不織布に金属材料をめっきした後、前記有機材料を加熱分解することにより、簡単且つ確実に作製される。
請求項3のアルカリ蓄電池は、非焼結式ニッケル極の導電性が高いため、高率放電特性において優れている。また、導電性が高いことにより、非焼結式ニッケル極では活物質の利用率が高く、このアルカリ蓄電池は長寿命である。更に、この非焼結式ニッケル極によれば、巻回されたときに表面から突出する金属繊維の数が少なく、且つ、金属繊維の強度が低いので、金属繊維がセパレータを突き破ることが防止される。この結果として、このアルカリ蓄電池が円筒形の場合には、内部短絡も防止される。
図1は、本発明の一実施形態のアルカリ蓄電池として、円筒形ニッケル水素二次電池を示す。電池は、一端が開口した有底円筒形状をなす外装缶10を備え、外装缶10は導電性を有して負極端子として機能する。外装缶10の開口内には、リング状の絶縁パッキン12を介して、導電性の蓋板14が配置されている。外装缶10の開口縁をかしめ加工することにより、絶縁パッキン12及び蓋板14は開口内に固定されている。
蓋板14は中央にガス抜き孔16を有し、蓋板14の外面上にはガス抜き孔16を塞いでゴム製の弁体18が配置されている。更に蓋板14の外面上には、弁体18を覆うフランジ付き円筒形状の正極端子20が固定され、正極端子20は弁体18を蓋板14に押圧している。従って、通常時、外装缶10は絶縁パッキン12及び弁体18とともに蓋板14により気密に閉塞されている。一方、外装缶10内でガスが発生してその内圧が高まった場合には弁体18が圧縮され、ガス抜き孔16を通して外装缶10からガスが放出される。つまり、蓋板14、弁体18及び正極端子20は、安全弁を形成している。
外装缶10内には、アルカリ電解液(図示せず)とともに略円柱状の電極群22が収容され、電極群22はその最外周部が外装缶10の周壁に直接接触している。電極群22は、正極板24、負極板26及びセパレータ28からなり、アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、及びこれらのうち2つ以上を混合した水溶液等を用いることができる。
更に外装缶10内には、電極群22の一端と蓋板14との間に、正極リード30が配置され、正極リード30の両端は正極板24及び蓋板14に接続されている。従って、正極端子20と正極板24との間は、正極リード30及び蓋板14を介して電気的に接続されている。なお、蓋板14と電極群22との間には円形の絶縁部材32が配置され、正極リード30は絶縁部材32に設けられたスリットを通して延びている。また、電極群22と外装缶10の底部との間にも円形の絶縁部材34が配置されている。
図2を参照すると、電極群22において、正極板24及び負極板26は、セパレータ28を間に挟んだ状態で、電極群22の径方向でみて交互に重ね合わされている。これは、電極群22が、それぞれ帯状の正極板24、負極板26及びセパレータ28を用意し、これら正極板24及び負極板26を、セパレータ28を介してそれらの一端側から巻芯を用いて渦巻状に巻回して形成されるからである。
電極群22の最外周部は、負極板26の巻き終わり側の一部により形成され、この負極板26の巻き終わり側の一部が外装缶10と接触している。従って電極群22の最外周部において、負極板26と外装缶10とは互いに電気的に接続されている。
セパレータ28の材料としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを用いることができる。
負極板26は、帯状をなす導電性の負極芯体を有し、この負極芯体に負極合剤が保持されている。負極芯体は、複数の貫通孔を有するシート状の金属材からなり、このようなものとして、例えば、パンチングメタル、金属粉末焼結体基板、エキスパンデッドメタル及びニッケルネット等を用いることができる。とりわけ、パンチングメタルや、金属粉末を成型してから焼結した金属粉末焼結体基板は負極芯体に好適する。
負極合剤は、電池がニッケル水素二次電池であることから、負極活物質としての水素を吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金粒子及び結着剤からなる。ただし、水素吸蔵合金に代えて、例えばカドミウム化合物を用いて電池をニッケルカドミウム二次電池としてもよく、負極活物質は特に限定されない。ただし、電池の高容量化には、ニッケル水素二次電池が好適する。
水素吸蔵合金粒子は、電池の充電時にアルカリ電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸蔵でき、なおかつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できるものであればよい。このような水素吸蔵合金としては、特に限定されないが、例えば、LaNiやMmNi(Mmはミッシュメタル)等のAB型系のものを用いることができる。また、結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等をそれぞれ用いることができる。
正極板24は、非焼結式のニッケル極であり、導電性の正極芯体と、正極芯体に保持された正極合剤とからなる。
正極合剤は、正極活物質粒子と、正極板の特性を改善するための種々の添加剤粒子と、これら正極活物質粒子及び添加剤粒子の混合粒子を正極芯体に結着するための結着剤とからなる。
正極活物質粒子は、電池がニッケル水素二次電池なので水酸化ニッケル粒子であるけれども、水酸化ニッケル粒子は、ニッケルの平均価数が2よりも大の高次水酸化ニッケル粒子であってもよい。また、水酸化ニッケル粒子及び高次水酸化ニッケル粒子は、コバルト、亜鉛、カドミウム等を固溶していてもよく、あるいは表面がコバルト化合物で表面が被覆されていてもよい。
また、特に限定されることはないが、添加剤としては、酸化イットリウムの他に、酸化コバルト、金属コバルト、水酸化コバルト等のコバルト化合物、金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等の亜鉛化合物、酸化エルビウム等の希土類化合物等を用いることができる。
結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等をそれぞれ用いることができる。
具体的には、結着剤として、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及び、ポリアクリル酸ナトリウム(SPA)のうちから選択される1種以上を使用することができる。正極合剤は、例えば、正極活物質粒子100質量部に対して、例えば0.1質量部以上0.5質量部以下の結着剤を含む。
正極芯体は、耐アルカリ性を有する金属材料からなり、フェルト状の3次元の網目構造を有する。耐アルカリ性を有する金属材料としては、例えばニッケルを用いることができる。
フェルト状の3次元の網目構造を有する正極芯体は、以下のように作製することが出来る。
まず、図2に示したような、有機材料からなる繊維40の不織布に、金属材料をめっきする。繊維40としては、例えばPE(ポリエチレン)とPP(ポリプロピレン)の混合繊維を用いることができる。
不織布の目付量は、例えば、25g/m以上60g/m以下の範囲にある。また、図3を参照すると、繊維40の外径Doの平均値は、例えば、50μm以上130μm以下の範囲にあり、繊維40の長さLoの平均値は、例えば、40mm以上70mm以下の範囲にある。このような不織布は、例えば、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法等によって作製することができる。
それから、金属めっきされた不織布を酸化雰囲気で加熱し、有機材料を加熱・分解する。これにより、金属めっきの骨格のみが残る。この骨格を還元雰囲気で加熱(焙焼)し、フェルト状の3次元の網目構造を有する正極芯体が作製される。
従って、正極芯体は、繊維40の外形形状を複製した多数の中空の金属繊維によって構成されている。そして、正極芯体にあっては、不織布での繊維40同士の接合部の外形形状をも複製しており、金属繊維同士が接合されている。
本実施形態では、正極芯体において、金属繊維の平均長は、40mm以上70mm以下の範囲にある。そして、図4を参照すると、金属繊維の外径Dmの平均値(平均外径)は、70μm超140μm以下の範囲にあり、金属材料のめっき厚さに対応する金属繊維の壁厚Tmの平均値(平均壁厚)は、4μm以上μm以下の範囲にある。
また、正極芯体の単位面積当たりの質量、則ち目付量は、250g/m以上400g/m以下の範囲にある。
正極芯体は、相互に連通した多数の空孔を有し、正極板24において、正極合剤は、これらの空孔内に充填された状態にて保持される。
正極板24は、以下のようにして作製することができる。
正極芯体に正極合剤になるペーストを充填し、ペーストを乾燥させる。それから、乾燥状態の正極合剤が充填された正極芯体を圧延して厚みを調整した後、所定の寸法に裁断し、正極板24が得られる。
上述した正極板24、則ち非焼結式ニッケル極では、金属繊維の平均長が40mm以上70mm以下の範囲にあるため、金属繊維の平均長がこれより短い従来の非焼結式ニッケル極に比べて、導電性が高い。
そして、この正極板24によれば、金属繊維の平均長が長いことにより、巻回されたときに表面から突出する金属繊維の数が少ない。その上、金属繊維の平均壁厚がμm以下であり、表面から突出する金属繊維の強度が低い。
上述したニッケル水素二次電池は、正極板24の導電性が高いため、高率放電特性において優れている。また、導電性が高いことにより、正極板24では活物質の利用率が高く、このニッケル水素二次電池は長寿命である。更に、この正極板24によれば、巻回されたときに表面から突出する金属繊維の数が少なく、且つ、金属繊維の強度が低いので、金属繊維がセパレータ28を突き破ることが防止される。この結果として、このニッケル水素二次電池では、内部短絡も防止される。
1.正極板の作製
まず、正極芯体としての金属体を以下のようにして作製した。
表1に示すa−1〜e4の条件でフェルト状の不織布の作製を試みた。これらの条件は、不織布の繊維の外径の平均値と長さの平均値において相互に異なっている。一方、いずれの条件でも、繊維はPPとPEの混合繊維であり、不織布の作製方法としては、乾式法を採用した。不織布の目付量は30g/mである。
ただし、上記条件のうち一部では、繊維を所定の長さにすることが困難であり、繊維及び不織布を作製することができなかった。
得られた不織布に、ニッケルを300g/mの目付量にてめっきした。それから、ニッケルめっきされた不織布を酸素の存在下で加熱して、PPとPEの混合繊維を分解した。続けて、残ったニッケルめっきを還元雰囲気下で焙焼し、ニッケルからなるフェルト状の3次元の網目構造を有する正極芯体を作製した。
得られた正極芯体における、金属繊維の平均外径、平均長、及び、平均壁厚を表2に示す。
一方、z−1及びz−2の条件では、フェルト状ではなく、発泡ウレタンを用意した。そして、発泡ウレタンに、ニッケルを300g/m及び400g/mの目付量にてそれぞれめっきした。それから、ニッケルめっきされた発泡ウレタンを酸素の存在下で加熱して、発泡ウレタンを分解した。続けて、残ったニッケルめっきを還元雰囲気下で焙焼し、ニッケルからなるスポンジ状の3次元の網目構造を有する正極芯体を作製した。
得られた正極芯体における、金属骨格の平均壁厚を表2に示す。
かくして得られた正極芯体としての金属体に、正極合剤になるペーストを充填し、ペーストを乾燥させた。そして、正極合剤が充填された金属体を、厚さが0.5mmになるよう圧延してから所定寸法に裁断し、正極板を作製した。
なお、ペーストは、活物質粉末100質量部に、濃度が0.3質量%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液30質量部を添加混合して作製した。活物質粉末は、主成分として水酸化ニッケル粒子の表面に高導電性の被覆層が形成された粒子と、コバルト化合物とを含有する。被覆層はナトリウムを含有する高次コバルト化合物からなる。
2.負極板の作製
市販の金属元素をMm1.0Ni3.4Co0.8Al0.2Mn0.6となるように秤量して混合したものを高周波溶解炉にて溶解し、この溶湯を鋳型に流し込んで水素吸蔵合金インゴットを作製した。そして、このインゴットを予め粗粉砕してから、不活性ガス雰囲気中で機械的に粉砕した。この後、粉砕された水素吸蔵合金の粉末を篩い分けし、平均粒径が50μm程度の水素吸蔵合金粉末を得た。
次に、得られた水素吸蔵合金粉末に、結着剤としてのポリエチレンオキサイド等、および、適量の水を加えて混合して負極合剤になるスラリーを作製し、このスラリーをパンチングメタルからなる負極芯体の両面に塗着して乾燥させた。それから、乾燥した負極合剤が両面に保持されたパンチングメタルを所定の厚みに圧延した後、所定寸法に切断して負極板を作製した。
3.電池の組立て
得られた正極板及び負極板を、セパレータとして厚み0.15mmのポリプロピレン製不織布を介して渦巻状に巻回して電極群を作製し、AAサイズの外装缶にこの電極群を挿入した。この後、蓋板に対する正極リードの取付工程を行うとともに、7.0Nのアルカリ電解液を外層缶内に注液した。このアルカリ電解液は、1.0NのLiOHと、1.0NのNaOHと、5.0NのKOHとを含む。それから、外装缶の開口縁をかしめて蓋板を固定し、容量が2000mAhであるAAサイズの円筒形のニッケル水素二次電池を作製した。
4.電池の評価方法
(1)高率放電試験
得られた各電池について、25℃の周囲温度にて、200mA(0.1It)の充電電流で16時間充電を行ってから、25℃の周囲温度にて、20A(10It)の放電電流で0.6Vの放電終止電圧まで放電させた。この放電時に測定した各電池の平均作動電圧を、高率放電作動電圧として表2に示す。
(2)サイクル試験
得られた各電池について、2A(1.0It)の充電電流でdV制御(ΔV=−10mV)にて充電してから、30分の休止をおいて、5A(2.5It)の放電電流で0.8Vの終止電圧まで放電させる充放電サイクルを、放電容量が1200mAh以下になるまで繰り返し、そのサイクル数を測定した。この結果をサイクル寿命として表2に示す。
(3)短絡率
得られた電池のうち、(2)のサイクル試験の結果が550サイクル以上であったものと同じ仕様の各電池について、それぞれ10000個ずつ電池電圧の測定を行い、短絡不良の発生率を調べた。結果を表2に示す。
Figure 0005355038
Figure 0005355038
5.評価結果
表2からは以下のことが明らかである。
(1)金属繊維平均外径が70μm超、かつ、金属繊維の平均長が40mm以上である実施例1及び2では、平均外径が70μm未満、且つ、平均長が40mm未満である比較例2及び3と比べて、短絡率が顕著に低い。これは、比較例2及び3で用いられた金属芯体は、相対的に多数の金属繊維を含み、正極板が巻回されたときに、正極板の表面から多数の金属繊維が突出したためと考えられる。
(2)また、実施例1、2及び参考例1、2では、比較例1、2、3、4、5及び6と比べて、高率放電作動電圧が高く、そして、サイクル寿命が長い。これは、実施例1、2及び参考例1、2で用いられた金属芯体の金属繊維平均長が40mm以上と長く、導電性が高いためと考えられる。
(3)金属繊維の平均壁厚が11μmを超えている比較例6、7、8及び9では、実施例及びと比べて、サイクル寿命が短い。これは、比較例6、7、8及び9では、金属繊維の本数が相対的に少なく、活物質の利用率が低下したためと考えられる。
(4)金属繊維の平均長が40mm以上70mm以下の範囲にあり、金属繊維の平均外径が70μm超140μm以下の範囲にあり、金属繊維の平均壁厚が4μm以上μm以下の範囲にある実施例1及び2は、比較例1〜11に比べ、サイクル寿命が長い。
本発明は、上記した一実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々変形が可能であり、例えば、アルカリ蓄電池の機械的な構造は、図1の構造に限定されることはない。
本発明の一実施形態に係るニッケル水素二次電池の部分切欠き斜視図である。 図1の電池に用いられた正極板の正極芯体の作製に用いられる不織布の概略的な拡大図である。 図2の不織布の繊維の概略的な拡大図である。 図1の電池に用いられた正極板の正極芯体を構成する金属繊維の概略的な断面図である。
符号の説明
10 外装缶
22 電極群
24 正極板(非焼結式ニッケル極)
26 負極板
28 セパレータ

Claims (3)

  1. 中空の金属繊維によって構成される3次元の網目構造の芯体と、前記芯体に保持された活物質としてのニッケル酸化物を含む合剤とを備え、
    前記金属繊維の平均外径は、70μm超140μm以下の範囲にあり、
    前記金属繊維の平均長は、40mm以上70mm以下の範囲にあり、そして、
    前記金属繊維の平均壁厚は、4μm以上μm以下の範囲にある
    ことを特徴とする非焼結式ニッケル極。
  2. 前記金属繊維は、有機材料からなる繊維を互いに密着させることにより形成された不織布に金属材料をめっきした後、前記有機材料を加熱分解して得られ、前記不織布の繊維の外形形状を複製した金属繊維である
    ことを特徴とする請求項1に記載の非焼結式ニッケル極。
  3. 請求項1又は2に記載の非焼結式ニッケル極と、負極と、アルカリ電解液とを備えることを特徴とするアルカリ蓄電池。
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