JP2021185560A - 亜鉛電池用負極及び亜鉛電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】亜鉛電池において優れた寿命性能を得ることが可能な亜鉛電池用負極及び亜鉛電池を提供する。【解決手段】負極集電体と、当該負極集電体に支持された負極材と、を有し、前記負極集電体が、金属多孔質体と、当該金属多孔質体の少なくとも一部を被覆するスズ膜と、を含み、前記負極材が、亜鉛を含む負極活物質を含有する、亜鉛電池用負極。当該亜鉛電池用負極と、正極と、を備える、亜鉛電池。【選択図】なし

Description

本発明は、亜鉛電池用負極及び亜鉛電池に関する。
ニッケル亜鉛電池(例えばニッケル亜鉛二次電池)は、水酸化カリウム水溶液等の水系電解液を用いる水系電池であることから、高い安全性を有すると共に、亜鉛電極とニッケル電極との組み合わせにより、水系電池としては高い起電力を有することが知られている。さらに、ニッケル亜鉛電池は、優れた入出力性能に加えて、低コストであることから、産業用途(例えば、バックアップ電源等の用途)及び自動車用途(例えば、ハイブリッド自動車等の用途)への適用可能性が検討されている。
ニッケル亜鉛電池の充放電反応は、例えば、下記式に従って進行する(放電反応:右向き、充電反応:左向き)。
(正極)2NiOOH+2HO+2e → 2Ni(OH)+2OH
(負極)Zn+2OH → Zn(OH)+2e
上記式に示されるように、ニッケル亜鉛電池では、放電反応により水酸化亜鉛(Zn(OH))が生成する。水酸化亜鉛は電解液に可溶であり、水酸化亜鉛が電解液に溶解すると、テトラヒドロキシド亜鉛酸イオン([Zn(OH)2−)が電解液中に拡散する。その結果、負極の形態変化(変形)が進行すると共に充電電流の分布が不均一となること等により、負極上の局所で亜鉛の析出が起こり、デンドライト(樹枝状結晶)が発生する。ニッケル亜鉛電池では、充放電の繰り返しによりデンドライトが成長した場合、デンドライトがセパレータを貫通して短絡が発生するため、上記デンドライトの発生は寿命性能の低下につながる。これに対し、例えば、特許文献1では、ニッケルめっきを施した不織布を正負極板間に介在させて亜鉛デンドライトによる正負極間の内部ショートを防止する技術が開示されている。
特開昭58−126665号公報
ニッケル亜鉛電池等の亜鉛電池には、更なる寿命性能の向上が求められており、寿命性能を向上させるための新たな技術の開発が求められている。
本発明の一側面は、亜鉛電池において優れた寿命性能を得ることが可能な亜鉛電池用負極を提供することを目的とする。本発明の他の一側面は、当該亜鉛電池用負極を備える亜鉛電池を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、負極集電体と、当該負極集電体に支持された負極材と、を有し、前記負極集電体が、金属多孔質体と、当該金属多孔質体の少なくとも一部を被覆するスズ膜と、を含み、前記負極材が、亜鉛を含む負極活物質を含有する、亜鉛電池用負極に関する。
本発明の他の一側面は、上述の亜鉛電池用負極と、正極と、を備える、亜鉛電池に関する。
これらの亜鉛電池用負極及び亜鉛電池によれば、亜鉛電池において優れた寿命性能を得ることができる。
本発明の一側面によれば、亜鉛電池において優れた寿命性能を得ることが可能な亜鉛電池用負極を提供することができる。本発明の他の一側面によれば、当該亜鉛電池用負極を備える亜鉛電池を提供することができる。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、組成物中の各成分の使用量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、本明細書において「膜」又は「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態に係る亜鉛電池(例えば亜鉛二次電池)としては、ニッケル亜鉛電池、空気亜鉛電池、銀亜鉛電池等が挙げられる。本実施形態に係る亜鉛電池の基本構成としては、従来の亜鉛電池と同様の構成を用いることができる。本実施形態に係る亜鉛電池は、化成前及び化成後のいずれであってもよい。
本実施形態に係る亜鉛電池は、負極(亜鉛電池用負極。例えば負極板)と、正極(亜鉛電池用正極。例えば正極板)と、を備えている。本実施形態に係る亜鉛電池は、複数の負極及び複数の正極から構成される電極群を有してよい。負極及び正極は、交互に積層されており、例えば、負極の主面と正極の主面とが対向した状態で、セパレータを介して交互に積層されている。電極群は、負極と、正極と、負極及び正極の間に配置されたセパレータと、を有してよい。負極及び正極は、セパレータを介して対向している。複数の負極同士及び複数の正極同士は、例えば、ストラップで連結されていてよい。
負極(亜鉛電池用負極)は、負極集電体と、当該負極集電体に支持された負極材と、を有している。負極集電体は、金属多孔質体と、当該金属多孔質体の少なくとも一部を被覆するスズ膜と、を含む。負極材は、亜鉛を含む負極活物質を含有する。正極は、正極集電体と、当該正極集電体に支持された正極材と、を有している。負極及び正極のそれぞれは、化成前及び化成後のいずれであってもよい。
本実施形態によれば、負極集電体が金属多孔質体及びスズ膜を含むことにより、亜鉛電池において優れた寿命性能を得ることができる。このような効果が得られる原因は明らかではないが、本発明者の知見によれば、下記のように推察される。但し、原因は下記の内容に限定されない。すなわち、亜鉛電池の負極において、電気伝導性の高い部分で反応が進行しやすく、当該部位を起点にして種々の問題(デンドライトの発生、形態変化等)が生じる。そのため、負極の全体において電気伝導性(特に、電極の厚み方向の電気伝導性)を均一化させることが求められる。これに対し、本実施形態では、金属多孔質体において、細孔(空孔)内に活物質を保持し、その周囲を網目状の金属骨格が覆うことによって、全ての活物質からの均一な集電が可能である。そのため、負極集電体がこのような金属多孔質体を含むことにより電気伝導性を均一化させることができる。また、負極集電体のスズ膜が、電解液の分解反応に伴い水素ガスが発生することを抑制する。これらにより、優れた寿命性能を得ることができる。
以下、本実施形態に係る亜鉛電池の一例として、ニッケル亜鉛電池について説明する。
本実施形態に係る亜鉛電池は、例えば、電槽、電極群(例えば極板群)及び電解液を備えている。電極群及び電解液は、電槽内に収容されている。電極群は、負極、正極及びセパレータを有している。
負極の負極集電体は、金属多孔質体と、当該金属多孔質体の少なくとも一部を被覆するスズ膜(錫膜、スズ含有膜)と、を含む。負極集電体は、負極材からの電流の導電路を構成する。負極における負極集電体(金属多孔質体及びスズ膜)の体積割合は、優れた寿命性能を得やすい観点から、負極の全量(タブ部を除く)を基準として8〜18体積%であることが好ましい。負極集電体(金属多孔質体及びスズ膜)の体積割合は、優れた寿命性能を得やすい観点から、負極集電体及び負極材の合計を基準として8〜18体積%であることが好ましい。
金属多孔質体は、例えば、平板状、シート状等の形状を有している。金属多孔質体の構成材料としては、例えば、銅、鉄、真鍮、鋼、ニッケル等の金属材料が挙げられる。金属多孔質体は、当該金属材料の少なくとも一種からなる多孔質体であってよい。金属多孔質体は、優れた寿命性能を得やすい観点から、銅を含むことが好ましく、銅多孔質体(銅を主成分とする多孔質体)であることがより好ましい。
金属多孔質体の気孔率(例えば平均気孔率)は、50〜99体積%が好ましく、60〜99体積%がより好ましく、70〜97体積%が更に好ましく、90〜95体積%が特に好ましい。金属多孔質体の気孔率は、アルキメデス法で測定できる。
スズ膜は、金属スズを含有し、金属スズを主成分とする膜であってよい。スズ膜は、スズめっき膜(スズめっきで形成された膜)であってよい。スズ膜は、金属多孔質体の一部又は全部を被覆してよい。スズ膜は、金属多孔質体の外表面、細孔の内壁等を被覆することができる。スズ膜の厚さ(例えば平均厚さ)は、優れた寿命性能を得やすい観点から、1〜5μmであることが好ましい。
負極材は、層状(負極材層)であってもよい。例えば、負極集電体上に負極材層が形成されていてもよく、負極集電体が3次元網目構造を有する場合には、負極集電体の網目の間に負極材が充填されて負極材層が形成されていてもよい。
負極材は、亜鉛を含む負極活物質を含有する。負極活物質としては、金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等が挙げられる。負極材は、例えば、満充電状態では金属亜鉛を含有し、放電末状態では酸化亜鉛及び水酸化亜鉛を含有する。負極活物質は、例えば粒子状であってよく、金属亜鉛粒子、酸化亜鉛粒子、水酸化亜鉛粒子等を含んでよい。
負極活物質の含有量は、負極材の全質量を基準として下記の範囲が好ましい。負極活物質の含有量は、優れた寿命性能を得やすい観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましく、85質量%以上が極めて好ましく、90質量%以上が非常に好ましく、95質量%以上がより一層好ましい。負極活物質の含有量は、優れた寿命性能を得やすい観点から、99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、96質量%以下が更に好ましい。これらの観点から、負極活物質の含有量は、50〜99質量%が好ましい。
負極材は、負極活物質以外の添加剤を含有することができる。添加剤としては、結着剤(バインダー)、界面活性剤、導電剤等が挙げられる。結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。結着剤の含有量は、例えば、負極活物質100質量部に対して0.5〜10質量部であってもよい。界面活性剤としては、BASF社製、商品名:Dispex AA 4140等が挙げられる。導電剤としては、インジウム化合物(酸化インジウム等)などが挙げられる。導電剤の含有量は、例えば、負極活物質100質量部に対して1〜20質量部であってもよい。
正極の正極集電体は、正極材からの電流の導電路を構成する。正極集電体は、例えば、平板状、シート状等の形状を有している。正極集電体は、発泡金属、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属繊維のフェルト状物等によって構成された3次元網目構造の集電体などであってもよい。正極集電体は、導電性及び耐アルカリ性を有する材料で構成されている。このような材料としては、例えば、正極の反応電位でも安定である材料(正極の反応電位よりも貴な酸化還元電位を有する材料、アルカリ水溶液中で基材表面に酸化被膜等の保護被膜を形成して安定化する材料など)を用いることができる。また、正極においては、副反応として電解液の分解反応が進行し酸素ガスが発生するが、酸素過電圧の高い材料はこのような副反応の進行を抑制できる点で好ましい。正極集電体を構成する材料の具体例としては、白金;ニッケル(発泡ニッケル等);ニッケル等の金属めっきを施した金属材料(銅、真鍮、鋼等)などが挙げられる。これらの中でも、発泡ニッケルで構成される正極集電体が好ましい。
正極材は、層状(正極材層)であってもよい。例えば、正極集電体上に正極材層が形成されていてもよく、正極集電体が3次元網目構造を有する場合には、正極集電体の網目の間に正極材が充填されて正極材層が形成されていてもよい。
正極材は、正極活物質を含有する。正極活物質は、ニッケルを含むことができる。正極活物質としては、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)、水酸化ニッケル等が挙げられる。正極材は、例えば、満充電状態ではオキシ水酸化ニッケルを含有し、放電末状態では水酸化ニッケルを含有する。正極活物質の含有量は、例えば、正極材の全質量を基準として50〜99質量%であってもよい。
正極材は、正極活物質以外の添加剤を含有することができる。添加剤としては、結着剤(バインダー)、導電剤、膨張抑制剤、希土類金属化合物(例えば酸化イットリウム)等が挙げられる。結着剤としては、親水性又は疎水性のポリマー等が挙げられ、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ナトリウム(SPA)、フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)などが挙げられる。結着剤の含有量は、例えば、正極活物質100質量部に対して0.01〜5質量部であってもよい。導電剤としては、コバルト化合物(金属コバルト、酸化コバルト、水酸化コバルト等)などが挙げられる。導電剤の含有量は、例えば、正極活物質100質量部に対して1〜20質量部であってもよい。膨張抑制剤としては、酸化亜鉛等が挙げられる。膨張抑制剤の含有量は、例えば、正極活物質100質量部に対して0.01〜5質量部であってもよい。
セパレータの材料としては、有機材料(樹脂材料等)、無機材料などが挙げられる。樹脂材料としては、ポリアミド系ポリマー(例えばポリアミド)、オレフィン系ポリマー(ポリオレフィン)、ナイロン系ポリマー(例えばナイロン)等が挙げられる。無機材料としては、アルミナ、チタニア、二酸化珪素等の酸化物;窒化アルミニウム、窒化珪素等の窒化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩などが挙げられる。セパレータは、イオン交換樹脂膜、セロハン系再生樹脂膜、無機−有機セパレータ、ポリオレフィン系不織布等であってもよい。セパレータの製造方法としては、湿式法(相分離法)、乾式法(延伸開孔法)、メルトブロー、エレクトロスピニング等が挙げられる。
セパレータは、親水化する観点から、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を含有してもよく、界面活性剤処理、スルホン化処理、フッ素ガス処理、アクリル酸グラフト重合処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等により表面処理が施されていてもよい。親水化することにより、電解液と馴染みやすく、充分な電流密度を得やすい。
電解液は、例えば、溶媒及び電解質を含有している。溶媒としては、水(例えばイオン交換水)等が挙げられる。電解質としては、塩基性化合物等が挙げられ、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカリ金属水酸化物などが挙げられる。本実施形態に係る亜鉛電池は、アルカリ電解液を用いたアルカリ亜鉛電池として用いることができる。電解液は、溶媒及び電解質以外の成分を含有してもよく、例えば、リン酸カリウム、フッ化カリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、二酸化チタン、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等を含有してもよい。
本実施形態に係る亜鉛電池(ニッケル亜鉛電池)の製造方法は、例えば、電極(正極及び負極)を得る電極製造工程と、電極を含む構成部材を組み立てて亜鉛電池(ニッケル亜鉛電池)を得る組立工程と、を備える。
電極製造工程では、電極(正極及び負極)を製造する。例えば、電極材(正極材及び負極材)の原料に対して溶媒(例えば水)を加えて混練することにより電極材ペースト(ペースト状の電極材)を得た後、電極材ペーストを用いて電極材層を形成する。
正極材の原料としては、正極活物質の原料(例えば水酸化ニッケル)、添加剤(例えば結着剤)等が挙げられる。負極材の原料としては、負極活物質の原料(例えば金属亜鉛、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛)、添加剤(例えば結着剤)等が挙げられる。
電極材層を形成する方法としては、例えば、電極材ペーストを集電体に塗布又は充填した後に乾燥することで電極材層を得る方法が挙げられる。電極材層は、必要に応じて、プレス等によって密度を高めてもよい。
組立工程では、例えば、まず、電極製造工程で得られた正極及び負極を、セパレータを介して交互に積層し、正極同士及び負極同士をストラップで連結させて電極群を作製する。次いで、この電極群を電槽内に配置した後、電槽の上面に蓋体を接着して未化成の亜鉛電池(ニッケル亜鉛電池)を得る。
次いで、電解液を未化成の亜鉛電池の電槽内に注入した後、一定時間放置する。次いで、所定の条件にて充電を行うことで化成することにより亜鉛電池(ニッケル亜鉛電池)を得る。化成条件は、電極活物質(正極活物質及び負極活物質)の性状に応じて調整することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、正極がニッケル電極であるニッケル亜鉛電池(例えばニッケル亜鉛二次電池)の例を説明したが、亜鉛電池は、正極が空気極である空気亜鉛電池(例えば空気亜鉛二次電池)であってもよく、正極が酸化銀極である銀亜鉛電池(例えば銀亜鉛二次電池)であってもよい。
空気亜鉛電池の空気極としては、空気亜鉛電池に使用される公知の空気極を用いることができる。空気極は、例えば、空気極触媒、電子伝導性材料等を含む。空気極触媒としては、電子伝導性材料としても機能する空気極触媒を用いることができる。
空気極触媒としては、空気亜鉛電池における正極として機能するものを用いることが可能であり、酸素を正極活物質として利用可能な種々の空気極触媒が使用可能である。空気極触媒としては、酸化還元触媒機能を有するカーボン系材料(黒鉛等)、酸化還元触媒機能を有する金属材料(白金、ニッケル等)、酸化還元触媒機能を有する無機酸化物材料(ペロブスカイト型酸化物、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト、スピネル酸化物等)などが挙げられる。空気極触媒の形状は、特に限定されないが、例えば粒子状であってもよい。空気極における空気極触媒の含有量は、空気極の合計量に対して、5〜70体積%であってもよく、5〜60体積%であってもよく、5〜50体積%であってもよい。
電子伝導性材料としては、導電性を有し、かつ、空気極触媒とセパレータとの間の電子伝導を可能とするものを用いることができる。電子伝導性材料としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類;鱗片状黒鉛のような天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等のグラファイト類;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類;銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属粉末類;ポリフェニレン誘導体等の有機電子伝導性材料;これらの任意の混合物などが挙げられる。電子伝導性材料の形状は、粒子状であってもよく、その他の形状であってもよい。電子伝導性材料は、空気極において厚さ方向に連続した相をもたらす形態で用いられることが好ましい。例えば、電子伝導性材料は、多孔質材料であってもよい。また、電子伝導性材料は、空気極触媒との混合物又は複合体の形態であってもよく、前述したように、電子伝導性材料としても機能する空気極触媒であってもよい。空気極における電子伝導性材料の含有量は、空気極の合計量に対して、10〜80体積%であってもよく、15〜80体積%であってもよく、20〜80体積%であってもよい。
銀亜鉛電池の酸化銀極としては、銀亜鉛電池に使用される公知の酸化銀極を用いることができる。酸化銀極は、例えば酸化銀(I)を含む。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<負極の作製>
(実施例1)
負極集電体として、スズめっき(厚さ:2μm)を施した銅多孔質体(銅多孔質体の気孔率:90体積%)を用意した。
次いで、酸化亜鉛(ZnO)、金属亜鉛(Zn)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC、住友精化株式会社製、商品名:AV−15F)、及び、界面活性剤(BASF社製、商品名:Dispex AA 4140)を所定量秤量した。これらの成分をイオン交換水と混合することにより得られた混合液を攪拌することにより負極材ペーストを作製した。各成分の質量比(固形分)は「酸化亜鉛:金属亜鉛:HEC:界面活性剤=84.5:11.5:3.5:0.5」に調整した。負極材ペーストの水分量は、負極材ペーストの全質量基準で32.5質量%に調整した。
続いて、負極材ペーストを負極材支持部に塗布した後、80℃で30分乾燥した。その後、ロールプレスにて加圧成形することにより、負極材(負極材層)を有する未化成の負極を得た。負極の全量(タブ部を除く)を基準とした負極集電体の体積割合、及び、負極集電体及び負極材の合計を基準とした負極集電体の体積割合は15体積%であった。
(比較例1)
負極集電体として、スズめっきを施した銅多孔質体に代えて、スズめっきを施した銅パンチングメタル(開孔率:50体積%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして負極を得た。
<正極の作製>
発泡ニッケル(気孔率:95体積%)からなる格子体を加圧成形することで正極集電体を得た。
次いで、コバルトコート水酸化ニッケル粉末、金属コバルト、水酸化コバルト、酸化イットリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び、イオン交換水を所定量秤量した。これらの各成分を混合して得られた混合液を攪拌することにより正極材ペーストを作製した。各成分の質量比(固形分)は「水酸化ニッケル:金属コバルト:酸化イットリウム:水酸化コバルト:CMC:PTFE=88:10.3:1:0.3:0.3:0.1」に調整した。正極材ペーストの水分量は、正極材ペーストの全質量基準で27.5質量%に調整した。
続いて、正極材ペーストを正極集電体の正極材支持部に塗布した後、80℃で30分乾燥した。その後、ロールプレスにて加圧成形することにより、正極材(正極材層)を有する未化成の正極を得た。
<電解液の調製>
イオン交換水に水酸化カリウム(KOH)及び水酸化リチウム(LiOH)を混合することにより電解液(水酸化カリウム濃度:30質量%、水酸化リチウム濃度:1質量%)を調製した。
<セパレータの準備>
セパレータとして、微多孔膜であるCelgard2500(POLYPORE International,Inc.製)、不織布であるVL100(ニッポン高度紙工業製)を準備した。微多孔膜は、電池組立て前に、界面活性剤Triton−X100(ダウケミカル株式会社製)で親水化処理した。親水化処理は、Triton−X100が1質量%の量で含まれる水溶液に微多孔膜を24時間浸漬した後、25℃で1時間乾燥する方法で行った。さらに、微多孔膜は、所定の大きさに裁断し、それを半分に折り、側面を熱溶着することで袋状に加工した。袋状の微多孔膜に正極(未化成の正極)を1枚収納し、同様に、袋状の微多孔膜に負極(未化成の負極)を1枚収納した。不織布は、所定の大きさに裁断したものを使用した。
<ニッケル亜鉛電池の作製>
袋状の微多孔膜にそれぞれ収納された2枚の上述の正極と、袋状の微多孔膜にそれぞれ収納された3枚の上述の負極とを交互に積層し、上述の不織布を正極と負極との間に挟み、同極性の極板同士をストラップで連結させて電極群(極板群)を作製した。この電極群を電槽内に配置した後、電槽の上面に蓋体を接着して未化成のニッケル亜鉛電池を得た。次いで、電解液を未化成のニッケル亜鉛電池の電槽内に注入した後、24時間放置した。その後、25mA、15時間の条件で充電を行い、公称容量が320mAhのニッケル亜鉛電池を作製した。
<寿命性能の評価>
25℃、320mA(1C)、1.9Vの定電圧で、電流値が16mA(0.05C)に減衰するまでニッケル亜鉛電池の充電を行った後、電池電圧が1.1Vに到達するまで1280mA(4C)の定電流でニッケル亜鉛電池の放電を行うことを1サイクルとする試験を行った。放電容量が1サイクル目の放電容量に対して80%を下回った場合に試験を終了し、試験終了までに行ったサイクル数によってサイクル寿命性能を評価した。試験終了までに行ったサイクル数は、実施例1において109回であり、比較例1において88回であった。

Claims (6)

  1. 負極集電体と、当該負極集電体に支持された負極材と、を有し、
    前記負極集電体が、金属多孔質体と、当該金属多孔質体の少なくとも一部を被覆するスズ膜と、を含み、
    前記負極材が、亜鉛を含む負極活物質を含有する、亜鉛電池用負極。
  2. 前記金属多孔質体が銅多孔質体である、請求項1に記載の亜鉛電池用負極。
  3. 前記金属多孔質体の気孔率が60〜99体積%である、請求項1又は2に記載の亜鉛電池用負極。
  4. 前記スズ膜の厚さが1〜5μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の亜鉛電池用負極。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の亜鉛電池用負極と、正極と、を備える、亜鉛電池。
  6. ニッケル亜鉛電池である、請求項5に記載の亜鉛電池。
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