JP2020061222A - ニッケル亜鉛電池用負極及びニッケル亜鉛電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命性能及び高率放電性能に優れるニッケル亜鉛電池を提供すること。【解決手段】負極集電体と、負極集電体に支持された負極材と、を備え、負極材が、亜鉛を含む負極活物質と、バインダーと、を含有し、バインダーの含有量が、負極材の全質量を基準として、3.5〜10質量%である、ニッケル亜鉛電池用負極。【選択図】なし

Description

本発明は、ニッケル亜鉛電池用負極及びニッケル亜鉛電池に関する。
ニッケル亜鉛電池(例えばニッケル亜鉛二次電池)は、水酸化カリウム水溶液等の水系電解液を用いる水系電池であることから、高い安全性を有すると共に、亜鉛電極とニッケル電極との組み合わせにより、水系電池としては高い起電力を有することが知られている。さらに、ニッケル亜鉛電池は、優れた入出力性能に加えて、低コストであることから、産業用途(例えば、バックアップ電源等の用途)及び自動車用途(例えば、ハイブリッド自動車等の用途)への適用可能性が検討されている。
ニッケル亜鉛電池の充放電反応は、例えば、下記式に従って進行する(放電反応:右向き、充電反応:左向き)。
(正極)2NiOOH+2HO+2e− → 2Ni(OH)+2OH−
(負極)Zn+2OH− → Zn(OH)+2e−
上記式に示されるように、ニッケル亜鉛電池では、放電反応により水酸化亜鉛(Zn(OH))が生成する。水酸化亜鉛は電解液に可溶であり、水酸化亜鉛が電解液に溶解すると、テトラヒドロキシド亜鉛酸イオン([Zn(OH)2−)が電解液中に拡散する。その結果、負極の形態変化(変形)が進行すると共に充電電流の分布が不均一となること等により、負極上の局所で亜鉛の析出が起こり、デンドライト(樹枝状結晶)が発生する。ニッケル亜鉛電池では、充放電の繰り返しによりデンドライトが成長した場合、デンドライトがセパレータを貫通して短絡が発生するため、上記デンドライトの発生は寿命性能の低下につながる。このようなニッケル亜鉛電池においては、寿命性能を向上させることが求められており、例えば、特許文献1では、ニッケルメッキを施した不織布を正負極板間に介在させて亜鉛デンドライトによる正負極間の内部ショートを防止する技術が開示されている。
特開昭58−126665号公報
ニッケル亜鉛電池には、更なる寿命性能の向上が求められており、寿命性能を向上させるための新たな技術の開発が求められている。また、ニッケル亜鉛電池には、寿命性能に優れることに加えて、高率放電性能にも優れることが求められている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、寿命性能及び高率放電性能に優れるニッケル亜鉛電池を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、負極集電体と、負極集電体に支持された負極材と、を備え、負極材が、亜鉛を含む負極活物質と、バインダーと、を含有し、バインダーの含有量が、負極材の全質量を基準として、3.5〜10質量%である、ニッケル亜鉛電池用負極に関する。このニッケル亜鉛電池用負極によれば、寿命性能及び高率放電性能に優れるニッケル亜鉛電池を提供することができる。
本発明の他の一側面は、正極と、上記負極と、を備える、ニッケル亜鉛電池に関する。このニッケル亜鉛電池は、上記ニッケル亜鉛電池用負極を備えるため、寿命性能及び高率放電性能に優れる。
正極の多孔度は、20〜40%であってよい。この場合、寿命性能と高率放電性能とのバランスに優れる。
正極は、正極集電体と、前記正極集電体に支持された正極材と、を備えてよく、正極集電体における正極材を支持する部分の体積をVとし、正極材の体積をVとしたとき、V/Vは、940以下であってよい。この場合、ニッケル亜鉛電池はより優れた寿命性能とより優れた高率放電性能を有することとなる。
本発明によれば、寿命性能及び高率放電性能に優れるニッケル亜鉛電池を提供することができる。
図1(a)は一実施形態の正極集電体を示す正面図であり、図1(b)は図1(a)の正極集電体に正極材が支持されてなる正極を示す正面図である。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、組成物中の各成分の使用量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、本明細書において「膜」又は「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は下記実施形態に何ら限定されるものではない。
<ニッケル亜鉛電池>
本実施形態のニッケル亜鉛電池(例えばニッケル亜鉛二次電池)は、例えば、電槽と、電槽に収容された電極群(例えば極板群)及び電解液と、を備える。本実施形態の亜鉛電池は化成後又は未化成のいずれであってもよい。
電極群は、例えば、負極(例えば負極板)と、正極(例えば正極板)と、両電極の間に設けられたセパレータと、を備える。電極群は、複数の負極、正極及びセパレータを備えていてよい。複数の負極同士及び複数の正極同士は、例えば、ストラップで連結されていてよい。本実施形態の負極は亜鉛(Zn)電極であり、正極はニッケル(Ni)電極である。すなわち、以下の説明における「負極」は「亜鉛電極」と置き換えてよく、「正極」は「ニッケル電極」と置き換えてよい。「負極材」、「正極材」等の記載についても同様である。
負極は、負極集電体(集電体)と、該負極集電体に支持された負極材(電極材)と、を備える。負極は、化成前及び化成後のいずれであってもよい。
負極集電体は、負極材からの電流の導電路を構成する。負極集電体は、例えば、平板状、シート状等の形状を有している。負極集電体は、発泡金属、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属繊維のフェルト状物等によって構成された3次元網目構造の集電体などであってもよい。負極集電体は、導電性及び耐アルカリ性を有する材料で構成されている。このような材料としては、例えば、負極の反応電位でも安定である材料(負極の反応電位よりも貴な酸化還元電位を有する材料、アルカリ水溶液中で基材表面に酸化被膜等の保護被膜を形成して安定化する材料など)を用いることができる。また、負極においては、副反応として電解液の分解反応が進行し水素ガスが発生するが、水素過電圧の高い材料はこのような副反応の進行を抑制できる点で好ましい。負極集電体を構成する材料の具体例としては、亜鉛;鉛;スズ;スズ等の金属メッキを施した金属材料(銅、真鍮、鋼、ニッケル等)などが挙げられる。
負極材は、例えば、層状を呈している。すなわち、負極は、負極材層を有していてよい。負極材層は、負極集電体上に形成されていてよい。負極集電体の負極材を支持する部分が3次元網目構造を有する場合、当該集電体の網目の間に負極材が充填されて負極材層が形成されていてもよい。
負極材は、亜鉛を含む負極活物質(電極活物質)と、バインダー(結着剤)と、を含有しており、バインダーの含有量が、負極材の全質量を基準として、3.5〜10質量%である。本実施形態のニッケル亜鉛電池は、このような負極材を備えるニッケル亜鉛電池用負極を備えることにより、優れた寿命性能と優れた高率放電性能を有する。
負極活物質としては、例えば、金属亜鉛、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛が挙げられる。負極活物質は、これらの成分のうちの一種を単独で含んでいてよく、複数種を含んでいてもよい。負極材は、例えば、満充電状態では金属亜鉛を含有し、放電末状態では酸化亜鉛及び水酸化亜鉛を含有する。負極活物質は例えば粒子状である。すなわち、負極材は、金属亜鉛粒子、酸化亜鉛粒子及び水酸化亜鉛粒子からなる群より選択される少なくとも一種を含んでいてよい。
負極活物質の含有量は、優れた寿命性能と優れた高率放電性能とを両立しやすい観点から、負極材の全質量を基準として、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましい。負極活物質の含有量は、優れた寿命性能と優れた高率放電性能とを両立しやすい観点から、負極材の全質量を基準として、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。これらの観点から、負極活物質の含有量は、負極材の全質量を基準として、50〜95質量%が好ましい。
バインダーとしては、親水性又は疎水性のポリマー等が挙げられる。具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレン等をバインダーとして用いることができる。これらの中でも、寿命性能及び高率放電性能をより向上させることができる観点から、ヒドロキシエチルセルロースが好ましく用いられる。バインダーは、一種を単独で、又は、複数種を組み合わせて用いることができる。バインダーの粘度は、例えば、濃度2%の水溶液において、室温(25℃)で3000〜6000cpであってよく、濃度60%の水溶液において、室温(25℃)で25cp程度であってよい。
バインダーの含有量は、負極材の全質量を基準として3.5質量%以上であり、寿命性能を更に向上させることができる観点から、好ましくは5.5質量%以上であり、より好ましくは6.5質量%以上であり、更に好ましくは7質量%以上である。バインダーの含有量は、負極材の全質量を基準として10質量%以下であり、高率放電性能を更に向上させることができる観点から、好ましくは8.5質量%以下であり、より好ましくは7.5質量%以下であり、更に好ましくは7質量%以下である。
負極材は、添加剤として、負極活物質及びバインダー以外の他の成分を更に含有してよい。添加剤としては、例えば、インジウム化合物(酸化インジウム等)などの導電剤が挙げられる。導電剤の含有量は、例えば、負極活物質100質量部に対して1〜20質量部である。
正極は、例えば、正極集電体と、当該正極集電体に支持された正極材と、を備えている。正極は、化成前及び化成後のいずれであってもよい。
正極集電体は、正極材からの電流の導電路を構成する。正極集電体は、例えば、平板状、シート状等の形状を有している。正極集電体は、発泡金属、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属繊維のフェルト状物等によって構成された3次元網目構造の集電体などであってもよい。正極集電体は、導電性及び耐アルカリ性を有する材料で構成されている。このような材料としては、例えば、正極の反応電位でも安定である材料(正極の反応電位よりも貴な酸化還元電位を有する材料、アルカリ水溶液中で基材表面に酸化被膜等の保護被膜を形成して安定化する材料など)を用いることができる。また、正極においては、副反応として電解液の分解反応が進行し酸素ガスが発生するが、酸素過電圧の高い材料はこのような副反応の進行を抑制できる点で好ましい。正極集電体を構成する材料の具体例としては、白金;ニッケル(発泡ニッケル等);ニッケル等の金属メッキを施した金属材料(銅、真鍮、鋼等)などが挙げられる。これらの中でも、発泡ニッケルで構成される正極集電体が好ましく用いられる。高率放電性能を更に向上させることができる観点から、少なくとも正極集電体における正極材を支持する部分(正極材支持部)が発泡ニッケルで構成されていることが好ましい。
正極材は、例えば、層状を呈している。すなわち、正極は、正極材層を有していてよい。正極材層は、正極集電体上に形成されていてよい。正極集電体の正極材支持部が3次元網目構造を有する場合、当該集電体の網目の間に正極材が充填されて正極材層が形成されていてもよい。
正極材は、ニッケルを含む正極活物質(電極活物質)を含有する。正極活物質としては、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)、水酸化ニッケル等が挙げられる。正極材は、例えば、満充電状態ではオキシ水酸化ニッケルを含有し、放電末状態では水酸化ニッケルを含有する。正極活物質の含有量は、例えば、正極材の全質量を基準として50〜95質量%であってもよい。
正極材は、添加剤として、正極活物質以外の他の成分を更に含有してよい。添加剤としては、バインダー(結着剤)、導電剤、膨張抑制剤等が挙げられる。
バインダーとしては、親水性又は疎水性のポリマー等が挙げられる。具体的には、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリアクリル酸ナトリウム(SPA)、フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)などをバインダーとして用いることができる。バインダーの含有量は、例えば、正極活物質100質量部に対して0.01〜5質量部である。
導電剤としては、コバルト化合物(金属コバルト、酸化コバルト、水酸化コバルト等)などが挙げられる。導電剤の含有量は、例えば、正極活物質100質量部に対して1〜20質量部である。
膨張抑制剤としては、酸化亜鉛等が挙げられる。膨張抑制剤の含有量は、例えば、正極活物質100質量部に対して0.01〜5質量部である。
正極の多孔度は、高率放電性能を更に向上させる観点から、好ましくは20%以上であり、より好ましくは22.5%以上であり、更に好ましくは25%以上である。正極の多孔度は、寿命性能を更に向上させる観点から好ましくは40%以下であり、より好ましくは37.5%以下であり、更に好ましくは35%以下である。これらの観点から、正極の多孔度は、好ましくは20〜40%である。上記多孔度は化成後の多孔度であるが、化成前の多孔度が上記範囲であってもよい。ここで、正極の多孔度は、正極材支持部及び正極材中の孔の割合を意味し、正極集電体が耳部を有する場合には、耳部を除外して算出される。
正極の多孔度が小さい場合には、正極利用率が低下する傾向があるため、典型的には、正極の多孔度は40%よりも大きい値となるように調整されるが、本発明者らは、鋭意検討の結果、正極の多孔度が上記の範囲であれば、正極利用率の低下を最小限に抑えることができ、寿命性能と高率放電性能とをよりバランスよく向上させることができることを見い出した。このような効果が得られる理由は明らかではないが、正極の多孔度が小さくなると、負極から電解液中に溶出した亜鉛化合物が正極材中に入り込み難くなり、正極の膨張が抑制され、結果として、寿命性能が更に向上すると推察される。
正極の多孔度は、例えば、正極集電体及び正極材に使用する材料の種類、各材料の使用量、正極集電体及び正極材をロールプレス等のプレス機によって調厚する際の圧縮の程度等を調整することで容易に所望の範囲に調整することができる。正極の多孔度は実施例に記載の方法によって測定することができる。
正極集電体における正極材支持部の体積をVとし、正極材の体積をVとしたとき、V/Vは940以下であることが好ましい。V/Vを940以下とすることで、寿命性能及び高率放電性能を更に向上させることができる。ここで、本明細書では、例えば正極集電体が図1(a)に示す構造を有する場合、正極集電体10における図1(a)の斜線で示す部分11が正極材支持部となる。図1(b)に示す正極20では、図1(a)において斜線で示す部分11に正極材21(図1(b)における砂地状にハッチングした部分)が支持されることで正極20が構成されている。
/Vは、寿命性能及び高率放電性能をより一層向上させる観点から、より好ましくは850以下であり、更に好ましくは800以下であり、特に好ましくは750以下である。V/Vは、電池としてのエネルギー密度を確保する観点から、650以上であってよく、700以上であってもよい。
亜鉛電池が複数の正極を有する場合、少なくとも1つの正極におけるV/Vが上記範囲を満たせばよく、全ての正極におけるV/Vの平均が上記範囲を満たすことが好ましく、全ての正極におけるV/Vが上記範囲を満たすことがより好ましい。上記体積比は化成後の体積比であるが、化成前の体積比が上記範囲であってもよい。
正極材支持部の体積Vは、例えば、0.05〜10cmである。正極材の体積Vは、例えば、0.5〜50cmである。
正極材支持部の体積Vは、例えば、以下の方法により測定することができる。電極から正極材を掻き落とした後、正極集電体における正極材支持部の重量を測定し、測定した重量を、正極材支持部を構成する金属の密度で割ることで算出することができる。金属の密度は、例えば、化学便覧基礎編I改訂5版に記載されている理論値を用いることができる。公知の方法を用いて正極材支持部の体積Vを直接算出してもよい。
正極材の体積Vは、例えば、ノギス及びマイクロメータ(例えば株式会社ミツトヨ製のPMU150−25MX)を用いて、測定箇所の高さ、幅及び厚さを測定することにより、正極における正極材の体積Vと正極材支持部の体積Vの合計量を算出した後、得られた体積から上記正極材支持部の体積Vを引くことで算出することができる。厚さの測定は、任意の9箇所について行い、これらの平均値を正極の厚さとして用いてよい。
セパレータは、例えば、平板状、シート状等の形状を有するセパレータであってもよい。セパレータとしては、ポリオレフィン系微多孔膜、ナイロン系微多孔膜、耐酸化性のイオン交換樹脂膜、セロハン系再生樹脂膜、無機−有機セパレータ、ポリオレフィン系不織布等が挙げられる。
電解液は、例えば、溶媒及び電解質を含有している。溶媒としては、水(例えばイオン交換水)等が挙げられる。電解質としては、塩基性化合物等が挙げられ、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカリ金属水酸化物などが挙げられる。電解液は、溶媒及び電解質以外の成分を含有してもよく、例えば、リン酸カリウム、フッ化カリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、二酸化チタン、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等を含有してもよい。
以上説明したニッケル亜鉛電池は、例えば、例えば、電極(正極及び負極)を得る電極製造工程と、電極を含む構成部材を組み立ててニッケル亜鉛電池を得る組立工程と、を備える。
電極製造工程では、正極及び負極を製造する。例えば、電極材(正極材及び負極材)の原料に対して溶媒(例えば水)を加えて混練することによりペースト状の電極材(電極材ペースト)を得た後、電極材ペーストを用いて電極材層を形成する。
正極材の原料としては、正極活物質の原料(例えば水酸化ニッケル)、上記添加剤等が挙げられる。負極材の原料としては、負極活物質の原料(例えば金属亜鉛、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛)、上記バインダー、上記添加剤等が挙げられる。
電極材層を形成する方法としては、例えば、電極材ペーストを集電体に塗布又は充填した後に乾燥することで電極材層を得る方法が挙げられる。電極材層は、必要に応じて、プレス等によって密度を高めてもよい。電極材層の形成後、電極材層を焼成してもよいが、焼成によってバインダー量が減少するため、負極の製造時には負極材層の焼成を行わないことが好ましい。
組立工程では、例えば、まず、電極製造工程で得られた正極及び負極を、セパレータを介して交互に積層し、正極同士及び負極同士をストラップで連結させて電極群を作製する。次いで、この電極群を電槽内に配置した後、電槽の上面に蓋体を接着して未化成のニッケル亜鉛電池を得る。
次いで、電解液を未化成のニッケル亜鉛電池の電槽内に注入した後、一定時間放置する。次いで、所定の条件にて充電を行うことで化成することによりニッケル亜鉛電池を得る。化成条件は、電極活物質(正極活物質及び負極活物質)の性状に応じて調整することができる。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[電解液の調製]
イオン交換水に水酸化カリウム(KOH)及び水酸化リチウム(LiOH)を加え、混合することにより電解液(水酸化カリウム濃度:30質量%、水酸化リチウム濃度:1質量%)を調製した。
[負極の作製]
負極集電体として開孔率60%のスズメッキを施した鋼板パンチングメタルを用意した。次いで、酸化亜鉛、金属亜鉛、HEC及びイオン交換水を所定量秤量して混合し、得られた混合液を攪拌することにより負極材ペーストを作製した。この際、固形分の質量比を「酸化亜鉛:金属亜鉛:HEC=85:11.5:3.5」に調整した。HECとしては、住友精化株式会社製のAV−15F(商品名)を使用した。負極材ペーストの水分量は、負極材ペーストの全質量基準で32.5質量%に調整した。次いで、負極材ペーストを負極集電体上に塗布した後、80℃で30分乾燥した。その後、ロールプレスにて加圧成形し、負極材(負極材層)を有する未化成の負極を得た。
[正極の作製]
空隙率95%の発泡ニッケルからなる格子体を用意し、格子体を加圧成形することで正極集電体を得た。次いで、コバルトコート水酸化ニッケル粉末、金属コバルト、水酸化コバルト、酸化イットリウム、CMC、PTFE、イオン交換水を所定量秤量して混合し、混合液を攪拌することにより、正極材ペーストを作製した。この際、固形分の質量比を、「水酸化ニッケル:金属コバルト:酸化イットリウム:水酸化コバルト:CMC:PTFE=88:10.3:1:0.3:0.3:0.1」に調整した。正極材ペーストの水分量は、正極材ペーストの全質量基準で27.5質量%に調整した。次いで、正極材ペーストを正極集電体の正極材支持部に塗布した後、80℃で30分乾燥した。この際、正極材支持部の体積Vと正極材の体積Vとの比V/Vが表1に示す値となるように正極材の使用量を調整した。その後、ロールプレスにて加圧成形し、正極材層を有する未化成の正極を得た。
<セパレータの準備>
セパレータには、微多孔膜として、Celgard2500、不織布として、VL100(ニッポン高度紙工業製)を、それぞれ用いた。微多孔膜は、電池組立て前に、界面活性剤Triton−X100(ダウケミカル株式会社製)で、親水化処理した。親水化処理は、Triton−X100が1質量%の量で含まれる水溶液に微多孔膜を24時間浸漬した後、室温で1時間乾燥する方法で行った。さらに、微多孔膜は、所定の大きさに裁断し、それを半分に折り、側面を熱溶着することで袋状に加工した。袋状に加工した微多孔膜に、正極(未化成の正極)及び負極(未化成の負極)のそれぞれを1枚収納した。不織布は、所定の大きさに裁断したものを使用した。
<ニッケル亜鉛電池の作製>
袋状の微多孔膜に収納された正極と、袋状の微多孔膜に収納された負極と、不織布とを積層した後、同極性の極板同士をストラップで連結させて電極群(極板群)を作製した。電極群は、正極1枚及び負極2枚で、正極と負極の間に不織布を配置した構成とした。この電極群を電槽内に配置した後、電槽の上面に蓋体を接着して未化成のニッケル亜鉛電池を得た。次いで、電解液を未化成のニッケル亜鉛電池の電槽内に注入した後、24時間放置した。その後、60mA、15時間の条件で充電を行い、公称容量が600mAhのニッケル亜鉛電池を作製した。
<多孔度の測定>
水銀ポロシメータSHIMADZU製AutoPore IV 9500 V1.07を用いて、正極の多孔度を測定した。
(実施例2〜3及び比較例1〜2)
負極材におけるバインダーの含有量が負極材の全質量基準で表1及び表2に示す量となるようにバインダーの使用量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。こうして得られた負極を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニッケル亜鉛電池を作製した。
(実施例4及び5)
正極の多孔度が表1に示す値となるように、正極集電体作製時の格子体の加圧の程度、正極材塗工時の塗工治具の塗工ギャップ、及び、塗工後ロールプレスにて加圧成形する際のロールギャップを調整したこと以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。こうして得られた正極を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニッケル亜鉛電池を作製した。
(実施例6及び7)
/Vが表2に示す値となるように、正極材の使用量を変更(正極材層の厚さを変更)したこと以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。こうして得られた正極を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニッケル亜鉛電池を作製した。
<電池性能評価>
実施例及び比較例のニッケル亜鉛電池を用いてサイクル寿命性能及び高率放電性能の評価を行った。
(サイクル寿命性能評価)
25℃、600mA(1C)、1.9Vの定電圧で、電流値が30mA(0.05C)に減衰するまでニッケル亜鉛電池の充電を行った後、電池電圧が1.1Vに到達するまで150mA(0.25C)の定電流でニッケル亜鉛電池の放電を行うことを1サイクルとする試験を行った。放電容量が1サイクル目の放電容量に対して50%を下回った場合に試験を終了し、試験終了までに行ったサイクル数によってサイクル寿命性能を評価した。試験終了までに行ったサイクル数を表1及び表2に示す。
前記「C」とは、満充電状態から定格容量を定電流放電するときの電流の大きさを相対的に表したものである。前記「C」は、“放電電流値(A)/電池容量(Ah)”を意味する。例えば、定格容量を1時間で放電させることができる電流を「1C」、2時間で放電させることができる電流を「0.5C」と表現する。
(高率放電性能評価)
25℃、600mA(1C)、1.9Vの定電圧で、電流値が30mA(0.05C)に減衰するまでニッケル亜鉛電池の充電を行った後、電池電圧が1.1Vに到達するまで30mA(0.05C)及び6000mA(10C)の定電流でニッケル亜鉛電池の放電を行い、放電容量を測定した。0.05C時の放電容量に対する10C時の放電容量の割合(放電容量比(%))を算出した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 2020061222
Figure 2020061222

Claims (4)

  1. 負極集電体と、前記負極集電体に支持された負極材と、を備え、
    前記負極材は、亜鉛を含む負極活物質と、バインダーと、を含有し、
    前記バインダーの含有量は、前記負極材の全質量を基準として、3.5〜10質量%である、ニッケル亜鉛電池用負極。
  2. 正極と、請求項1に記載の負極と、を備える、ニッケル亜鉛電池。
  3. 前記正極の多孔度は、20〜40%である、請求項2に記載のニッケル亜鉛電池。
  4. 前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体に支持された正極材と、を備え、
    前記正極集電体における前記正極材を支持する部分の体積をVとし、前記正極材の体積をVとしたとき、V/Vは、940以下である、請求項2又は3に記載のニッケル亜鉛電池。
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