JP5354609B2 - 夜光ホース - Google Patents

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本発明は、暗闇で作業する場合に、視認性を向上させ、作業性の向上及び安全性の確保を目的とする夜光ホースに関する。
従来から、エアーホースには、柔軟性や視認性、生産性等の種々の特性が要求される。
例えば、整備工場などで利用されている、エアーツールは、エアーコンプレッサーで生成された圧縮空気を使用し、エアーモーターと回転式ハンマーによって、大きなトルクを発生させ、ボルトやナットを回すエアーインパクトレンチを駆動させる。住宅建築現場で用いられる釘打ち機やタッカーなどに於いても同様である。この時、エアーコンプレッサーからこれらのエアーツールへ圧縮空気を供給するためには、エアーホースが用いられ、エアーツールのハンドリングを考慮し、柔軟性や可とう性が要求される。また、多種多様のエアーツールを用いる場合はエアーホースで色分けし視認性を向上させ区別する場合もある。
また、エアー機器を備えた車両にあっては、そのエアー機器はエンジン等の各種の機器が隙間なく有効的に配置されたエンジンルームの内部は勿論、燃料タンク周辺のアンダーボディ近辺等に存在することから、これらエアー機器への屈曲した経路での接続を必要とする。また、屈曲して配管された場合、屈曲の際に変形してある程度歪んだとしても、その歪みが残ったままでは管路を通過するエアーの抵抗となるため好ましくない。このため、車両に用いるエアーホースには、弾性や復元性が要求される。そして、この弾性や復元性に優れたゴム材料、例えばブタジエン・アクリロニトリル共重合物(NBR)を用いた単層のエアーホースが使用されている。なお、車両に用いるエアーホースとしては、エンジンの給・排気系や燃料蒸気の系等におけるバキュームコントロールバルブ,バキュームスイッチ,ダイヤフラム弁,チェックバルブ等のエアー機器に接続されるエアーホースを挙げることができる。
さらに、従来のエアーホースは、以上のような要求から、弾性や復元性に加え耐オゾン性を備えたエアーホース(特許文献1)や、耐熱性に優れたエアーホース(特許文献2)などが提案されている。
しかしながら、これまでのエアーホースなどのホース類は、夜間になるとそれ自体の視認性に乏しく、夜間の作業性に劣るなどの問題がある。
このほか、安全面で住宅建築現場において不意の停電やブレーカー遮断において発生した暗闇でホースが足に絡まり作業上危険な場合が発生していた。
一方、従来では、ホースの表面に、夜光塗料の塗装を施す、夜光塗料つきのテープを貼ることで、暗闇でのホース視認性を向上するものがあった。また、樹脂に夜光粉体を練り込んで光らせるものがあった。
しかしながら、夜光塗料を用いて製作した夜光ホースでは、塗料が剥がれ落ちてしまう、夜光成分の特性から水分付着による劣化などの課題がある。
また、夜光テープを貼ったものでは、テープがはがれ易く、また可とう性に乏しく、ホースへ求められる柔軟性に適していないという欠点があった。
さらに、夜光機能を得るために蓄光顔料を樹脂に練り込む場合は、蓄光顔料粉体の組成上、アルミナ粉体が樹脂造粒機を傷めてしまう難点があり、使用できる蓄光顔料に制限があり発光輝度の向上が課題であった。
更には、蓄光顔料粉体は、その組成にアルミナを用いるので硬度が高く、造粒機のシリンダー、スクリューを磨耗させ傷めるだけではなく、金属粉が混入するので造粒後の樹脂も、くすんだ色合いに成ってしまう課題があった。特に、輝度の高い夜光粉体は、粒径が60〜160μmと比較的大きく、前途した理由により樹脂に練り混みができなかった。
また、輝度の低い蓄光粉体を用いて樹脂造粒する場合でも、コンタミネーションの問題から清掃に多くの工数を要した。場合によっては専用機が必要であることの課題がある。
さらに、樹脂に練り込む場合は、10重量%以上の比率で練り込むことをしないと発光を実感できない。また、ホースの構造上、樹脂の厚さ分に比例した量の高価な夜光粉体を準備しないとならないので、コスト高となってしまう。
しかも、樹脂に練り込む場合は、夜光粒同士が影となり、全方向から励起光が当たらなくなるため、発光効率を落とすことになる。
特開平10−78172号公報 特開2010−30260号公報
本発明は、従来のエアーホースなどのホースの物性を維持しながら、夜間における視認性に優れた夜光ホースを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも、軟質熱可塑性樹脂からなる、インナーホースとアウターホースから構成されるホースであって、インナーホースとアウターホースとの間に、蓄光顔料を含有するプライマー中間層が全周にわたって介在していることを特徴とする夜光ホース(以下、単に「ホース」ともいう)に関する。
ここで、軟質熱可塑性樹脂は軟質塩化ビニル系樹脂であり、プライマー中間層を構成する樹脂成分は塩化ビニル系樹脂ペーストであることが好ましい。
また、プライマー中間層には、さらに繊維構造体が全周にわたって挟持されていること好ましい。
上記繊維構造体は、好ましくは組紐である。
さらに、本発明のホースにおいて、インナーホース、およびアウターホースは、光の透過性のよい透明樹脂を用いることが好ましい。
更に、昼夜の視認性、デザイン性を得るために、アウターホースに着色する場合は、該アウターホースを着色する顔料としては、蓄光顔料への励起光波長と発光波長を透過する物性を有する材質であることが好ましい。例えば、蛍光イエロー顔料がそれに相当する。
本発明のホースは、インナーホースとアウターホースとの間に、蓄光顔料が挟み込まれる構造となるため、ホース使用による磨耗劣化、水分が付着し、吸湿により夜光粉体の劣化がない。
特に、インナーホースとアウターホースのホース中間層であるプライマー中間層は、通常、0.07〜0.2mmのごく薄い層である。この結果、輝度の高い蓄光顔料は、造粒粒径が60〜160umと大きいが、プライマー中間層に挟み込むことで使用が可能となるだけでなく、このプライマー中間層により該顔料が一様に引き伸ばされて配向される結果、発光輝度を明るくすることができる。もちろん、この方法では造粒粒径が60um以下の蓄光顔料を使用することもできる。
一般に、樹脂に蓄光顔料を練り込む場合は、10重量%以上の比率で練り込むことをしないと発光を実感できない。また、樹脂の厚さ分に比例した量の高価な夜光粉体を準備しないとならないので、コスト高となってしまう。本発明のホースの場合は、中間層が、蓄光顔料および樹脂成分を主成分としているので、蓄光顔料を構成する夜光粒がプライマーであるため樹脂成分により一様に引き延ばされる構造を得られるので必要最小限で、最大の輝度を発生できる。
さらに、プライマー中間層は、塩化ビニル系樹脂ペースト(プラスチゾル)などの樹脂成分に蓄光顔料である夜光粉体を適量混ぜ込み、ホース成形時に行うため造粒機の制限を受けないので、前記課題を解決できる。
さらに、インナーホース、アウターホースの中間のプライマー中間層蓄が0.07〜0.2mm、好ましくは0.05〜0.15mmと薄く形成されるので蓄光顔料である夜光粒が一様に引き延ばされ整列する構造を取るので蓄光顔料同士の遮光がなく、発光効率が良い。また、インナーホース、アウターホースが共に透明であると、ホースに対し励起光が通過するので、プライマー中間層に位置する蓄光顔料の全方向から励起できることにより、効率良く励起光があたるので、結果的に効率良く励起できる。
本発明のホースの一実施態様で、(A)はホースを長手方向に切断した場合の断面構成図で、(B)はその構成を示す斜視図である。 本発明のホースの他の態様であり、(A)、(B)ともに、プライマー中間層にさらに繊維構造体が配置されたホースの斜視図である。
本発明のホースとしては、例えば、図1に示すように、例えば軟質塩化ビニル系などの軟質熱可塑性樹脂からなるインナーホース1と、蓄光顔料および塩化ビニル系樹脂ペーストなどの樹脂成分を含有するプライマー中間層2と、上記プライマー中間層2の外周の全周にわたって、例えば軟質塩化ビニル系樹脂などの軟質熱可塑性樹脂からなるアウターホース3とを備えたホースが挙げられる。
上記インナーホース1の形成材料としては、軟質塩化ビニル系樹脂のほか、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とポリ塩化ビニル(PVC)とのブレンドゴム(NBR−PVC)、EPDMゴム、ウレタン樹脂などが挙げられる。
このうち、軟質塩化ビニル系樹脂としては、重合度が1,000〜4,000の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、下記に例示するようなフタル酸エステルなどの可塑剤を60〜100重量部配合した塩化ビニル系樹脂組成物が好ましく用いられる。
次に、中間層2は、通常、インナーホース1とアウターホース2の接着剤となる層であり、通常は、これらのホース1とホース2との接着性に優れた成分、例えば塩化ビニル系樹脂ペーストのほか、塩素化ポリオレフィン系樹脂、クロロスルホン化ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
中間層2を構成する塩化ビニル系樹脂ペーストの配合例としては、ポリ塩化ビニルペースト樹脂(平均重合度500〜3,500)100重量部をベースに,DOP(ジ−2−エチルヘキシルフタレート)、DBP(ジブチルフタレート)、DINP(ジイソノニルフタレート)等のフタル酸誘導体、DOA(ジ−2−エチルヘキシルアジペート),DIDA(ジイソデシルアジペート)等のアジピン酸誘導体、DOZ(ジ−2−エチルヘキシルアゼレート)等のアゼライン酸誘導体、DOS(ジ−2−エチルヘキシルセバシケート)等のセバシン酸誘導体、ATBC(アセチルトリ−n−ブチルシトレート)等のクエン酸誘導体、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ誘導体、塩素化パラフィン等のパラフィン誘導体、アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル等の可塑剤を単独または併用して30〜150重量部、安定剤、充填剤等を適量添加したものをミキサー等により混合撹拌して作製したプラスチゾル、すなわち、プライマー樹脂成分が挙げられる。
本発明のホースは、プライマー中間層2として、従来のインナーホース1とアウターホース3との接着剤成分に加えて、蓄光作用をなす、蓄光顔料を配合することにより、当該プライマー中間層2が、接着成分と蓄光作用をなすものである。
一方、中間層2に用いられる蓄光顔料は、日中の太陽光、また夜間の蛍光灯、自動車のヘッドライト等の照明の光を蓄光して暗中でも徐々に発光するものであって、前記の残光輝度条件を満足する蓄光発光領域を形成することができるものである限り特に限定されるものではない。蓄光顔料としては、蓄光性能のよさの観点から酸化物系蓄光顔料、特に一般式MAl24(式中、Mは少なくとも1種のアルカリ土類金属を表わす)で表わされる金属酸化物を母結晶とし、賦活剤として希土類金属原子を1×10-6〜0.2の割合(但し金属M原子と希土類金属原子との合計原子数を1とする)で含有してなる蓄光顔料であるのが好ましい。このアルカリ土類金属としては、Ca、Ba及びSrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であるのが好ましく、また希土類金属としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であるのがよい。このような蓄光顔料は、さらに必要に応じて共賦活剤としてMn、Sn及びBiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を1×10-6〜0.2の割合(但し金属M原子、希土類金属原子及び共賦活剤金属の合計原子数を1とする)で含有してなる蓄光顔料であることが好ましい。
このような蓄光顔料としては、例えば、Sr4Al1425:EuDy SrAl24:Eu、SrAl24:Eu,Dy、SrAl24:Eu,Nd、SrAl24:Eu,Pr、SrAl24:Eu,Sm、SrAl24:Eu,Tb、SrAl24:Eu,Ho、SrAl24:Eu,Mn、SrAl24:Eu,Sn、SrAl24:Eu,Bi、CaAl24:Eu,Nd、CaAl24:Eu,Sm、CaAl24:Eu,Tm、CaAl24:Eu,Nd,La、CaAl24:Eu,Nd,Ce、CaAl24:Eu,Nd,Pr、CaAl24:Eu,Nd,Sm、CaAl24:Eu,Nd,Gd、CaAl24:Eu,Nd,Tb、CaAl24:Eu,Nd,Dy、CaAl24:Eu,Nd,Ho、CaAl24:Eu,Nd,Er、CaAl24:Eu,Nd,Tm、CaAl24:Eu,Nd,Yb、CaAl24:Eu,Nd,Lu、CaAl24:Eu,Nd,Mn、CaAl24:Eu,Nd,Sn、CaAl24:Eu,Nd,Bi、Ca0.9Sr0.1Al24:Eu,Nd,La、Ca0.9Sr0.1Al24:Eu,Nd,Dy、Ca0.7Sr0.3Al24:Eu,Nd,Dy、Ca0.9Sr0.1Al24:Eu,Nd,Ho、Ca0.7Sr0.3Al24:Eu,Nd,Hoなどが挙げられる。これらは1種または2種以上の混合物として使用することができる。
蓄光顔料の市販品としては、いずれも、根本特殊化学(株)製の、Gシリーズ(G−300C、G−300M、G300F、G−300FF、G−300L、G−300L160、GLL−300M、GLL−300F、GLL−300FF/FFS、以上、緑色)、BGシリーズ(BG−300M、BGL−300M、BGL−300FF/FFS、以上、薄青色)、B−300M(青色)、V−300M(紫色)などが挙げられる。
プライマー中間層2は、樹脂成分全体(樹脂のほか、可塑剤、安定剤を含む、以下同じ)100重量部に対して、蓄光顔料を好ましくは10〜100重量部、より好ましくは15〜50重量部により形成される。蓄光顔料の添加量が該下限値以上であれば充分な蓄光発光機能が得られ優れた視認性が得られるので好ましく、また、該上限値以下であれば形成された蓄光発光領域が硬くなり過ぎて脆くなるなどの不都合が生ずることがなく、機械強度、柔軟性等の特性が損なわれることがないので好ましい。
なお、プライマー中間層2を形成する組成物中には、樹脂成分および蓄光顔料のほかに、必要に応じて、通常の着色剤、蛍光発色剤等のその他の着色剤や、光安定剤、熱安定剤、充填材、架橋剤等の各種添加剤を配合してもよい。
次に、上記プライマー中間層2の外周に形成されるアウターホース3としては、上記インナーホース1と同様の素材が用いられる。
なお、昼夜の視認性、デザイン性を得るために、アウターホースに着色する場合は、アウターホースを着色する顔料として、蓄光顔料への励起光波長と発光波長を透過する物性を有する材質であることが好ましい。例えば、蛍光イエロー顔料がそれに相当する。
この場合、蛍光イエロー顔料としては、「蛍光イエロー」もしくは「蛍光エロー」と称される各種の市販品が上市されている。この場合、蛍光イエロー顔料の配合量は、アウターホースを構成する樹脂成分全体(樹脂のほか、可塑剤、安定剤を含む)に対し、通常、0.3〜1.5重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%である。
一方、本発明のその他の態様としては、図2に示すように、上記図1のホースの中間層2中に、さらに組紐などの繊維補強体をインナーホース1の全周にわたって挟持した耐熱性・補強ホースが挙げられる。
上記インナーホース1に積層される繊維構造体を含むプライマー中間層2を形成するための補強糸としては、例えばアラミド(芳香族ポリアミド)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル繊維、ナイロン6,ナイロン66等のナイロン(ポリアミド)繊維、ポリビニルアルコール(ビニロン)繊維、全芳香族ポリエステル繊維等があげられる。これらは、単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記繊維構造体の編組方法は、例えば、スパイラル巻き,ブレード編み,ニッティング編み、組み紐等があげられる。
上記インナーホース1に積層した繊維構造体を含むプライマー中間層2には、上記の樹脂成分、例えば塩化ビニル系樹脂ペースト、塩素化ポリオレフィン系接着剤、クロロスルホン化ポリエチレン系接着剤等が用いられる。なお、これらの樹脂成分(接着剤)をインナーホース1の外周面に塗布し、その後、上記繊維構造体を編組して、インナーホース1/繊維構造体間の層間接着性を高めるようにしてもよい。
本発明のホースは、例えば次のようにして作製することができる。すなわち、まず、上記インナーホース1材料(例えば、軟質塩化ビニル系樹脂組成物)、プライマー中間層2用材料(例えば、蓄光顔料を配合した塩化ビニル系樹脂ペースト)、アウターホース3用材料(例えば、軟質塩化ビニル系樹脂組成物)をそれぞれ調製する。つぎに、上記インナー法1用材料を管状(円筒状)に押出成形する。つぎに、このインナーホース1の外周面にディッピング法、スプレー法、ロールコート法、刷毛塗りなどの方法で、プライマー中間層2を形成する。次いで、このプライマー中間層2の上に、上記アウターホース3用材料を押出成形することにより、インナーホース1の外周面にプライマー中間層2が形成され、さらにその外周面にアウターホース3が形成されてなるホース(図1参照)を作製することができる。
また、中間層2として、さらに繊維構造体がもうけられてなる図2に示すホースは、次のようにして作製することができる。
すなわち、上記インナーホース1用材料(例えば、軟質塩化ビニル系樹脂組成物)を管状(円筒状)に押出成形する。つぎに、このインナーホース1の外周面に対して、所定の引揃数および打込数で、補強糸をブレード編み等して繊維構造体(中間層)2を形成する。続いて、上記繊維構造体2の外周面に、所定の接着剤(例えば、蓄光顔料含有塩化ビニル系樹脂ペースト)を、ディッピング法,スプレー法,ロールコート法,刷毛塗り等の方法により塗工し、次いで上記アウターホース3用材料(例えば、軟質塩化ビニル系樹脂組成物)を押出成形することにより、インナーホース1の外周面に繊維構造体で補強されたプライマー中間層2が形成され、さらにその外周面にアウターホース3が形成されてなるホース(図2参照)を作製することができる。
なお、上記繊維構造体を形成する補強糸の編み組み密度が高く、上記蓄光顔料を含む樹脂成分インナーホース1と繊維構造体との界面に達しない場合は、先にも述べたように、インナーホース1の外周面に上記中間層成分を塗工した後、繊維構造体の形成を行うことが好ましい。なお、この塗工法は、上記と同様、ディッピング法,スプレー法,ロールコート法,刷毛塗り等の方法により行われる。
本発明のホースは、自動車等のエアー系ホースとして有用であり、具体的には、ターボエアーホース、ブローバイガス用ホース、エミッションコントロールホース、バキュームブレーキホース等として用いられる。そして、図1〜2に示す本発明のホースにおいては、これらの用途に適したものとして使用するといった観点において、そのインナーホース1の厚みが0.5〜1.5mmであることが好ましく、特に好ましくは0.7〜1.3mmである。同様の観点から、アウターホース3の厚みが0.4〜2.0mmであることが好ましく、特に好ましくは0.5〜1.1mmであり、また、ホース内径は4.0〜9.5mmの範囲内が好ましく、特に好ましくは4.5〜8.5mmの範囲内である。
さらに、本発明のホースにあっては、夜間作業時における視認性の観点から、プライマー中間層の厚みは、通常、0.07〜0.2mm、好ましくは0.05〜0.15mm、さらに好ましくは0.07〜0.1mmである。
本発明のホースは、インナーホース1、プライマー中間層2、アウターホース3ともに、透明な場合には、蓄光顔料による蛍光の発現が一段と優れており、夜間における視認性を一段と向上させることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1
インナーホース用およびアウターホース用の軟質塩化ビニル系樹脂組成物として次のような組成物を調製した。
すなわち、重合度が約2,800の塩化ビニル系樹脂(大洋塩ビ社製のTH2800)100重量部に対し、可塑剤としてジイソノニルフタレートを53重量部、ジ−2−エチルヘキシルアジペート20重量部、そのほか熱安定剤などの添加剤を適量配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物のコンパウンドを調製した。インナーホース用、アウターホース用ともに同じ材料を用いた。
参考例2
まず、塩化ビニル系樹脂ペーストとして、重合度が750の塩化ビニル系樹脂(大洋塩ビ社製のリューロペースト)100重量部に対し、可塑剤としてジ−2−エチルヘキシルフタレートを60重量部、ジ−2−エチルヘキシルアジペートを10重量部、そのほか熱安定剤などの添加剤を適量配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物のコンパウンドを調製した。
この塩化ビニル系樹脂ペースト用コンパウンド100重量部に対し、蓄光顔料として、根本特殊化学社製のG300Cを17重量部配合し、蓄光顔料入りの塩化ビニル系樹脂ペースト用コンパウンドを調製した。
参考例3
繊維構造体用の繊維として、ポリアリレート繊維(クラレ社製、ベクトランHT500デニール)を用いた。
参考例4
参考例1において、塩化ビニル系樹脂組成物のコンパウンド中に、さらに該塩化ビニル系樹脂コンパウンド100重量部に対し、イエロー系の蛍光顔料(大日精化工業社製DAMJ−754K,ケイコウエロー)を0.4重量部配合して、蛍光顔料入りのコンパウンドを調製した。
実施例1(図1に示すホースの作製)
上記参考例1のインナーホース用材料を、内径6.3mm、外径7.9で管状(円筒状)に押出成形した後、その外周面に対して、参考例2の蓄光顔料を含有する塩化ビニル系樹脂ペーストをディッピングにより、厚みが0.05〜0.1mmとなるように塗工し、遠赤外線ヒーターを用いオンライン乾燥させた後そして、その外周面に、上記参考例1のアウターホース用材料を肉厚1.0mmで押出成形することで、中間層に蓄光顔料が挟持されたホースを作製した(図1参照)。このようにして得られたホースは、夜間でも鮮明に発光し、視認性が確認された。
また、暗闇に於ける足下の安全確認の面においても優れていた。
実施例2(図2に示すホースの作製)
上記参考例1のインナーホース用材料を、内径6.3mm、肉厚7.9mmで管状(円筒状)に押出成形した後、その外周面に対して、所定の引揃数および打込数(引揃数:1本、打込数:24本)で、参考例3のポリアリレート繊維(クラレ社製、ベクトランHT500デニールを編組角(θ)54°、糸ピッチ間隔を1.5mmでスパイラルブレード編みして補強糸層を形成した。続いて、上記補強糸層の外周面に、上記参考例2の蓄光顔料入りの塩化ビニル系樹脂ペーストを、ディッピングにより塗工した。そして、上記塗工面をオンライン遠赤外線ヒーターにより乾燥させて、糸層を固定した後に、その外周面に、上記参考例1のアウターホース用材料を肉厚0.8mmで押出成形することにより、インナーホースの外周面に補強糸層が形成され、さらにその外周面にアウターホースが形成されてなるホースを作製した(図2参照)。このようにして得られたホースは、夜間でも鮮明に発光し、視認性が確認された。また、暗闇に於ける足下の安全確保の面においても優れていた。
比較例1〜2
中間層として、蓄光顔料を含有しない以外は、参考例2と同様の塩化ビニル系樹脂ペーストを用い、実施例1〜2と同様にして、図1あるいは図2に示すようなホースを作製したが、中間層中に蓄光顔料を含有していないため、夜間における視認性は全く発現しなかった。
実施例4
参考例4で調製したイエロー系の蛍光顔料入りのコンパウンドをアウターホースに用いる以外は、実施例1と同様にして夜光ホースを作成した。
得られたホースは、実施例1と同様の作用・効果を奏するほか、エアーコンプレッサーとのデザイン相性を得ることができ、昼間の視認性にも優れることで、商品性を向上できた。
本発明の夜光ホースは、エアーツール用のエアーホース全般に使用することができる。また、自動車用のエアー系ホース、詳しくは、ターボエアーホース、ブローバイガス用ホース、エミッションコントロールホース、バキュームブレーキホース等として有用であり、インナーホースとアウターホースの中間層に蓄光顔料が挟持されているので、夜間における視認性にすぐれており、特に夜間作業用のエアーホースとして有用である。また、本発明の夜光ホースは、その他、水まき用のホースなど、その他の用途にも有用である。
1:インナーホース
2:(繊維構造体で補強された)プライマー中間層
3:アウターホース

Claims (6)

  1. 少なくとも、軟質熱可塑性樹脂からなる、インナーホースとアウターホースから構成されるホースであって、インナーホースとアウターホースとの間に、蓄光顔料を含有するプライマー中間層が全周にわたって介在している夜光ホースであって、かつ該軟質熱可塑性樹脂が軟質塩化ビニル系樹脂であり、しかもプライマー中間層を構成する樹脂成分が塩化ビニル系樹脂ペーストである、夜光ホース。
  2. プライマー中間層には、さらに繊維構造体が全周にわたって挟持されている請求項1に記載の夜光ホース。
  3. 繊維構造体が組紐である請求項2に記載の夜光ホース。
  4. インナーホースおよび/またはアウターホースが透明である、請求項1または2に記載の夜光ホース。
  5. アウターホースを着色する場合、アウターホースの着色顔料として、蓄光顔料への励起光波長と発光波長を透過する物性を有する材質を用いる、請求項1〜4いずれかに記載の夜光ホース。
  6. 上記材質が、蛍光イエロー顔料であり、アウターホースを構成する樹脂成分全体に対し、0.3〜1.5重量%含有されている、請求項5に記載の夜光ホース。
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