JP5353321B2 - 太陽電池モジュール裏面保護用シートおよび太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール裏面保護用シートおよび太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池モジュールの裏面を保護するためのシートおよび太陽電池モジュールに関する。
近年、地球温暖化問題に対する関心が益々高まっており、二酸化炭素の排出による温室効果を抑制するための検討が各方面で行われている。中でも、太陽光発電は、そのクリーン性や無公害性という点から期待が高まっている。
太陽電池は、太陽光のエネルギーを電気に直接変換する太陽光発電システムの心臓部になるものであり、単結晶、多結晶、あるいはアモルファスシリコン系の半導体から構成されている。
太陽電池は、通常、太陽電池素子単体(太陽電池セル)は、長期間(約20年)にわたって保護されるように、数枚〜数十枚単位でパッケージングされてモジュール化されている。具体的な太陽電池モジュールとしては、直列、並列に配線された複数の太陽電池セルと、太陽電池セルを封止する封止体と、太陽光が当たる表面側に配置された透明ガラス部材と、裏面側に配置された裏面保護用シートとを具備するものが挙げられる。
太陽電池モジュールは屋外で長期間使用されるため、充分な耐久性および耐候性が要求される。これらの要求を満たすため、裏面保護用シートとして、耐候性および難燃性に優れる上に、封止体に広く使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系重合体との接着性に優れるフッ素樹脂のシートを用いることがある(例えば特許文献1,2参照)。
また、電気絶縁性に優れるポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムを用いることがある。ただし、ポリエステルフィルムは耐候性が不充分であるため、耐候性を向上させるための手法として、紫外線吸収剤の配合(特許文献3)、ポリエステル中の環状オリゴマー量の規定(特許文献4,5)、ポリエステルの分子量の規定(特許文献6)などが提案されている。
ところで、封止体と裏面保護用シートとは、各々を構成する樹脂の極性基同士の親和性や水素結合などの分子間相互作用によって接着されている。そのため、太陽電池モジュールを製造した直後の接着性は良好であるものの、時間が経過するにつれて接着性が低下する傾向にあった。
そこで、封止体に接着させる面にコロナ処理を施すこと(特許文献7)があるが、フッ素樹脂のシートの表面をコロナ処理したものは、エチレン系重合体との接着性が良好であるものの、高価であった。また、ポリエステルフィルムにコロナ処理を施しても、接着性は充分に向上しなかった。
そのため、安価なポリエステルフィルムを基材として使用し、その基材に、エチレン系重合体に対する接着性に優れる熱融着性樹脂層を、ポリウレタン系接着剤等の接着剤を介して貼り合わせた裏面保護用シートを用いることがある(特許文献8)。
特表平8−500214号公報 特表2002−520820号公報 特開2001−111073号公報 特開2002−100788号公報 特開2002−134771号公報 特開2002−26354号公報 特開2000−243999号公報 特開平10−25357号公報
上述したように、太陽電池モジュールは長期耐久性が要求される。ところが、特許文献8に記載の裏面保護用シートの熱融着性樹脂層は、耐熱性・耐光性・耐候性が不充分であった。特に、熱融着性樹脂層を構成する樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた場合には、光(UV)・熱・水分によって容易に加水分解して、脱酢酸や黄変することがあった。また、樹脂の種類によっては、架橋あるいは分解によってフィルム物性が低下することがあった。
そこで、耐熱性・耐光性・耐候性を向上させるために、ヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤等の安定剤を配合することが検討された。
しかしながら、これらの安定剤を配合した熱融着性樹脂層においては、特に高温高湿環境下にて保管すると、安定剤が表面に移行(ブリードアウト)することがあった。安定剤がブリードアウトすると、ポリウレタン系接着剤を介して貼り合わせた裏面保護用シートと基材との接着強度が低下する傾向にあった。接着強度が低下すると、熱融着性フィルムと基材とが剥離して、外観が損なわれたり、水分が浸透して、太陽電池モジュールの発電出力を低下させたりすることがある。そのため、熱融着性フィルムには安定剤を添加しにくいという問題があった。
熱融着性樹脂層は封止体に接し、表面に露出しないものであるから、従来は、耐熱性・耐光性・耐候性は求められていなかった。しかし、近年では、太陽電池モジュールの性能や品質がより優れたものが求められるようになっており、裏面保護用シートを構成する熱融着性樹脂層についても、接着性のみならず、耐熱性・耐光性・耐候性も求められるようになってきている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性・耐光性・耐候性に優れる上に、高温高湿環境下に長期間保管されても接着性を維持する太陽電池モジュール裏面保護用シートを提供することを目的とする。また、耐熱性・耐光性・耐候性に優れる上に、高温高湿環境下に長期間保管されても裏面保護用シートの基材と熱融着性樹脂層との剥離が防止された太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者が調べた結果、従来使用されていた安定剤は低分子量である上に、熱融着性樹脂層を構成する樹脂との相溶性が低いために、ブリードアウトして、接着性を低下させていることが判明した。しかも、高温高湿の環境下では、接着性の低下が顕著であることが判明した。
これらの知見に基づき、本発明者が、耐熱性・耐光性・耐候性に優れる上に、高温高湿環境下に長期間保管されても接着性を維持する手段について検討した結果、以下の太陽電池モジュール裏面保護用シートおよび太陽電池モジュールを発明した。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 基材と、基材の片面に形成された厚さ1〜1000μmの熱融着性樹脂層とを有する太陽電池モジュール裏面保護用シートであって、
熱融着性樹脂層は、エチレン系重合体および高分子固定型安定剤を含有し、該高分子固定型安定剤は、熱可塑性高分子に、耐熱性、耐光性、耐候性のいずれかを向上させる安定化成分が結合した化合物であって、反応性添加剤と、反応性添加剤と反応し得る官能基を有する高分子とが反応したものであり、
高分子固定型安定剤の含有量は、安定化成分の量が、前記エチレン系重合体100質量部に対して0.05質量部を超え2質量部以下になる量にされていることを特徴とする太陽電池モジュール裏面保護用シート。
[2] 高分子固定型安定剤の安定化成分が、光安定剤および/または紫外線吸収剤であることを特徴とする[1]に記載の太陽電池モジュール裏面保護用シート。
[3] 光安定剤が、ヒンダードアミン系光安定剤であることを特徴とする[2]に記載の太陽電池モジュール裏面保護用シート。
[4] 紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする[2]または[3]に記載の太陽電池モジュール裏面保護用シート。
[5] 太陽電池セルと、該太陽電池セルを封止する層状の封止体と、該封止体の一方の面側に配置された透明ガラス部材と、前記封止体の他方の面側に配置された裏面保護用シートとを具備し、
前記裏面保護用シートが、[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽電池モジュール裏面保護用シートであり、裏面保護用シートの熱融着性樹脂層が封止体に接着していることを特徴とする太陽電池モジュール。
本発明の太陽電池モジュール裏面保護用シートは、耐熱性・耐光性・耐候性に優れる上に、高温高湿環境下に長期間保管されても接着性を維持するものである。
本発明の太陽電池モジュールでは、耐熱性・耐光性・耐候性に優れる上に、高温高湿環境下に長期間保管されても裏面保護用シートにおける基材と熱融着樹脂層との剥離が防止されている。そのため、太陽電池モジュールの発電出力低下を抑制できる。
裏面保護用シートの一例を示す断面図である。 裏面保護用シートを構成する基材の一例を示す断面図であって、厚さ方向を拡大した図である。 裏面保護用シートを構成する基材の他の例を示す断面図であって、厚さ方向を拡大した図である。 裏面保護用シートを構成する基材の他の例を示す断面図であって、厚さ方向を拡大した図である。 裏面保護用シートを構成する基材の他の例を示す断面図であって、厚さ方向を拡大した図である。 太陽電池モジュールの一例を示す断面図である。 図6に示す太陽電池モジュールの製造方法の一例を示す模式図である。
<太陽電池モジュール裏面保護用シート>
本発明の太陽電池モジュール裏面保護用シート(以下、裏面保護用シートと略す。)は、図1に示すように、基材41と、基材41の片面に形成された熱融着性樹脂層42とを有する。
[基材]
基材41は単層であってもよいし、複数の層からなっていてもよい。
複数の層からなる場合、例えば、図2に示すような、第1の支持体41aおよび第2の支持体41bを有する積層体、図3に示すような、第1の支持体41aと第2の支持体41bと部分放電電圧を高めるためのスペーサ層41cとを有する積層体、図4に示すような、第1の支持体41aとガスバリア層41dを有する積層体、図5に示すような、第1の支持体41aとガスバリア層41dとスペーサ層41cとを有する積層体が挙げられる。
各層間は各種接着剤、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤などを用いて、ドライラミネート等のラミネート方法により接着させることができる。
基材41は、太陽電池モジュールとしては外気に接する側にあるため、基材41を構成する各層は、耐候性および耐熱性に優れることが好ましい。そのため、第1の支持体41a、第2の支持体41bおよびスペーサ層41cを構成する樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアリレートなどが、耐熱性、強度、電気絶縁性等が考慮されて適宜選択される。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメタノール−テレフタレート(PCT)、PETとPENの共重合体であるPET−G等が挙げられる。また、ポリエステルは、例えば、固相重合などの方法により、末端カルボン酸基の濃度を減少させて数平均分子量を向上させることで耐久性をより向上させたものが好ましい。
フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が挙げられる。
ガスバリア層41dは、水蒸気の透過を抑制して、封止体の剥離、変色または配線の腐食を防止し、太陽電池モジュールの発電出力低下を防ぐ層である。
ガスバリア層41dとしては、特許文献3,4,5,6に記載のものを使用できる。例えば、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔等の金属箔、アルミニウム蒸着フィルム等の金属蒸着フィルム、シリカやアルミナなどの無機化合物を蒸着した透明蒸着フィルムなどを用いることができる。これらの蒸着フィルムで用いる基材としては、第1の支持体41a、第2の支持体41bおよびスペーサ層41cと同様のものが使用される。
[熱融着性樹脂層]
熱融着性樹脂層42は、太陽電池モジュールの封止体に接着するための層であり、エチレン系重合体および高分子固定型安定剤を必須成分として含有する。
エチレン系重合体としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−ビニルエステル共重合体が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
エチレン−αオレフィン共重合体を構成するαオレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチルなどが挙げられる。
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を構成する(メタ)アクリル酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン等が挙げられる。
エチレン−ビニルエステル共重合体を構成するビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
また、エチレン系重合体に、グリシジル基、シラノール基、アミノ基等の反応性官能基を有する化合物が共重合されてもよい。
高分子固定型安定剤は、熱可塑性高分子に、耐熱性、耐光性、耐候性のいずれかを向上させる安定化成分が結合した化合物である。
このような高分子固定型安定剤としては、例えば、特開2008−195961号公報、特開2007−169660号公報、特開2005−154565号公報、特開2005−120137号公報、特開2005−54183号公報、特開2003−253248号公報などに記載されているものを用いることができる。
高分子固定型安定剤の安定化成分は、接着性低下防止の効果が顕著であることから、光安定剤および/または紫外線吸収剤であることが好ましい。また、固定化される安定化成分としては光安定剤を用いる場合には、性能面から、光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であることが好ましく、紫外線吸収剤はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましい。
具体的には、高分子固定型安定剤としては、水酸基、カルボキシ基、酸クロライド基のいずれかの反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と、前記反応性官能基と反応しうる熱可塑性高分子との反応により得られたものが挙げられる。
また、高分子固定型安定剤として、カルボキシ基または酸クロライド基を有するフェノール系酸化防止剤と、水酸基、アミノ基、カルボン酸アルキルエステル基及びカルボン酸ハロゲナイド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性高分子との反応により得られたものも使用できる。
反応性官能基を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、3−[3’−(2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3’−(2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−5’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3’−(2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−5’−エチル−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3’−(2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3’−(5”−クロル−2”H−ベンゾトリアゾール−2”−イル)−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3−[3”−(2”’H−ベンゾトリアゾール−2”’−イル)−4”−ヒドロキシ−5”−(1’,1’−ジメチルベンジル)フェニル]プロピオン酸、3−[3”−(2”’H−ベンゾトリアゾール−2”’−イル)−4”−ヒドロキシ−5”−(1”,1”,3”,3”−テトラメチルブチル)フェニル]プロピオン酸、それらの酸クロライド化物が挙げられる。
反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤としては、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン、1−オクチルオキシ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン、それらのジカルボン酸ハーフエステル誘導体、それらの酸クロライド化物などが挙げられる。
反応性官能基と反応し得る熱可塑性高分子としては、反応性官能基と付加・縮合反応し得る高分子と、反応性官能基と反応し得る官能基を有する高分子が挙げられる。
反応性官能基と付加・縮合反応し得る高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレン−プロピレン)共重合体、ポリ(エチレン−プロピレン−αオレフィン)共重合体等のポリオレフィン系重合体、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)共重合体、(ポリエチレングリコール)−(ポリプロピレングリコール)ブロック共重合体、ポリテトラメチレングリコール鎖等のポリエーテル系重合体、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンセバケート等の脂肪族ポリエステル、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリネオペンチルテレフタレート等の芳香族ポリエステル、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系重合体、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリビニルブチラール等のポリビニル系重合体、アクリル酸アルキルエステル(共)重合体、メタクリル酸アルキルエステル(共)重合体、アクリル−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル系(共)重合体、ポリシリコーン系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリ尿素系重合体、エポキシ樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系重合体、キトサン系重合体等などが挙げられる。
反応性添加剤と反応し得る官能基を有する高分子としては、例えば、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)共重合体、ポリ(エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル)共重合体、ポリ(エチレン−アクリル酸)共重合体、ポリ(エチレン−アクリル酸メチル)共重合体、ポリ(エチレン−メタクリル酸)共重合体、ポリ(エチレン−メタクリル酸メチル)共重合体、ポリ(エチレン−ビニルアルコール−メタクリル酸)共重合体、ポリ(エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸)共重合体、ポリ(エチレン−ブチルアクリレート−無水マレイン酸)共重合体、ポリエチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体、ポリ(エチレン−グリシジルメタアクリレート)共重合体、ポリエチレンモノアルコール、ポリエチレンモノカルボン酸等が挙げられる。
反応性官能基と反応し得る熱可塑性高分子の質量平均分子量は3000〜200000であることが好ましく、約5000〜100000であることがより好ましい。
上記高分子固定型安定剤としては、大日精化工業株式会社から「ハイステープP」が市販されており、これを使用することもできる。
高分子固定型安定剤の含有量は、安定化成分の量が、エチレン系重合体100質量部に対して0.05〜2質量部、好ましくは0.1〜1質量部になる量にされている。安定化成分の量が、エチレン系重合体100質量部に対して0.05質量部未満であると、高分子固定型安定剤の効果が発揮されず、2質量部を超えると、耐候性の向上効果が飽和する。
耐候性を維持するためには、熱融着性樹脂層42に、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤の全てを含むことが好ましい。
この場合、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤のいずれかが高分子固定型であってもよいが、接着性の低下をより防止するためには、少なくとも紫外線吸収剤および光安定剤が高分子固定型であることが好ましく、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤の全てが高分子固定型であることがより好ましい。
また、熱融着性樹脂層42には、必要に応じて、接着性を低下させない程度で、従来から裏面保護用シートに使用されている安定剤が含まれてもよい。従来から使用されている安定剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系の紫外線吸収剤、低分子量型あるいは高分子量型のヒンダードアミン系光安定剤、フェノール系、リン系、ラクトン系、硫黄系の酸化防止剤などが挙げられる。特に、フェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、オクタデシル−3−(3’−t−ブチル−5’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸あるいはそれらの酸クロライドなどが挙げられる。
これら従来から使用されている安定剤の配合量は、接着性の低下をより防止する点で、エチレン系重合体100質量部に対して0.5質量部以下であることが好ましく、0.3質量部以下であることがより好ましい。
さらに、熱融着性樹脂層42は、その目的を損なわない範囲内で、アンチブロッキング剤、接着促進剤、老化防止剤、無機又は有機の充填剤、着色顔料等が含まれてもよい。また、無機系、ハロゲン系、リン系の難燃剤が含まれてもよい。
無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、リン酸グアニール尿素、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
ハロゲン系難燃剤としては、塩素化パラフィン、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、オクタブロモジフェニルエーテル、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート等が挙げられる
リン系難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、レオフォストリアリルホスフェート、オクチルクレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等が挙げられる。
熱融着性樹脂層42は、太陽電池モジュールの封止体を形成するための封止用シートに含有される添加剤と同様の添加剤を含むことにより、封止用シートを兼ねることができる。
封止用シートに含有される添加剤としては、例えば、有機過酸化物、架橋助剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
有機過酸化物としては、反応性の点から、半減期10時間の分解温度が145℃以下のものが好ましい。
半減期10時間の分解温度が145℃以下の有機過酸化物としては、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−アミル−パーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソノナノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。これら有機過酸化物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機過酸化物は、エチレン系重合体100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲で配合することが好ましく、0.1〜2.0質量部の範囲で配合することがより好ましい。有機過酸化物の配合量が0.05質量部以上であれば、架橋構造を充分に形成でき、5質量部以下であれば、過度の反応を防止でき、発泡や分解によるエチレン系重合体の劣化を防ぐことができる。
架橋助剤は、エチレン系重合体の架橋度を高めて、熱融着性樹脂層42の接着性、機械的強度、耐熱性、耐湿熱性、耐候性をより向上させるための助剤である。
架橋助剤の具体例としては、(メタ)アクリロキシ基を含有する化合物、アリル基を含有する化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリロキシ基を含有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アミドが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の代わりに、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などで置換されていてもよい。
また、(メタ)アクリロキシ基を含有する化合物としては、(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルが挙げられる。
アリル基含有化合物としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等が挙げられる。
架橋助剤は、エチレン系重合体100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲で配合することが好ましく、0.1〜2.0質量部の範囲で配合することがより好ましい。架橋助剤の配合量が0.05質量部以上であれば、架橋構造を充分に形成でき、5質量部以下であれば、過度の反応を防止でき、発泡や分解等によるエチレン系重合体の劣化を防ぐことができる。
また、エチレン系重合体が光硬化する場合には、光重合開始剤が含まれてもよい。
光重合開始剤としては、例えば、水素引き抜き型、内部開裂型のものが挙げられる。
水素引き抜き型(二分子反応型)としては、例えば、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
内部開裂型としては、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタールが挙げられる。また、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン型重合開始剤、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン型重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド等も使用できる。
また、熱融着性樹脂層42が封止用シートを兼ねる場合には、透明ガラス部材との接着性を高める点から、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、エチレン系重合体100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。シランカップリング剤の含有量が0.1質量部以上であれば、より接着性を向上させることができ、5質量部以下であれば、充分な耐熱性、耐光性、耐候性が得られる。
さらに、接着性及び硬化性を高める点では、エポキシ基含有化合物を含有することが好ましい。
エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アクリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテル等の化合物や、エポキシ基を含有した質量平均分子量が数百から数千のオリゴマーや質量平均分子量が数千から数十万のポリマーなどが挙げられる。
熱融着性樹脂層42の厚さは1〜1000μmであり、5〜500μmであることが好ましい。熱融着性樹脂層42の厚さが1μmより薄いと、封止体との密着性が低くなり、1000μmより厚いと、太陽電池モジュール全体が厚くなり、収納、組み立てが困難になる。
[製造方法]
エチレン系重合体に所定量の高分子固定型安定剤、必要に応じて添加剤を配合し、均一に混合して混合物を得る。その混合物を、押出機、ロール、ミキサー等により混練した後、Tダイ押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等のシート成形方法を適用して、熱融着性樹脂層42を製膜する。
この熱融着性樹脂層42と基材41とを、ドライラミネート、ウエットラミネートやノンソルベントラミネート等により貼り合わせて、裏面保護用シートを得る。
[作用・効果]
上述した裏面保護用シートでは、安定剤が高分子固定型であるため、高温高湿の環境下に保管されてもブリードアウトしにくい。そのため、熱融着性樹脂層42の基材41に対する接着性の低下を抑制できる。また、高分子固定型安定剤によって、熱融着性樹脂層42の耐熱性・耐光性・耐候性を高くできる。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールの一実施形態例について説明する。
図6に、本実施形態例の太陽電池モジュールを示す。この太陽電池モジュール1は、太陽電池セル10と、太陽電池セル10を封止する層状の封止体20と、封止体20の一方の面側(表面側)に配置された透明ガラス部材30と、封止体20の他方の面側(裏面側)に配置された裏面保護用シート40とを具備する。
[太陽電池セル]
太陽電池セル10は、単結晶シリコン型セル、多結晶シリコン型セル、アモルファスシリコン型セル、化合物半導体型セルのいずれであっても構わない。
太陽電池セル10の形状は、厚さが1mm以下、一辺5cm以上の四角形状の薄板である。
互いに隣接する太陽電池セル10,10同士は配線11で直列に接続されている。
[封止体]
封止体20は、封止用シート20a,20bが積層され、太陽電池セル10を封止する層状体である。
封止用シート20a,20bとしては、透明軟質樹脂のシートが使用される。また、封止用シート20a,20bには、熱融着性樹脂層に含まれてもよい上記有機過酸化物、架橋助剤、シランカップリング剤を含有してもよい。また、封止用シート20a,20bが、上記高分子固定型安定剤または低分子量型安定剤を含有してもよい。
封止用シート20a,20bに使用される透明軟質樹脂としては、例えば、エチレン系共重合体、ポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB樹脂)、ポリ塩化ビニル系重合体、スチレン系共重合体を用いることができるが、中でも、エチレン系共重合体、ポリビニルアセタール系樹脂が好ましい。
エチレン系共重合体において、エチレンに共重合する成分としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1あるいはそれ以上高級の各種αオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン等のα,β−不飽和カルボン酸及びその塩などが挙げられる。
また、エチレン系共重合体としては、耐熱性、耐光性、耐候性をより高くできることから、架橋構造を形成しうる架橋性エチレン系共重合体が好ましい。
[透明ガラス部材]
透明ガラス部材30は、厚さ0.1〜10mmの板状の部材である。透明ガラス部材30の材質としては、ソーダライムガラスが好適に使用される。
[裏面保護用シート]
本実施形態例における裏面保護用シート40は、基材と、高分子固定型安定剤を含有する熱融着性樹脂層42とを有する上記裏面保護用シートである。裏面保護用シート40は、熱融着性樹脂層42が封止体20に接着している。
太陽電池モジュール1は、図7に示す製造装置100を使用し、以下の工程を経ることにより製造される。
(1)チャンバ110内の約120〜160℃に加熱された天板120上に、下から順に、透明ガラス部材30、封止用シート20a、太陽電池セル10、封止用シート20b、裏面保護用シート40を積み重ねる。
(2)チャンバ110内を真空状態にする。
(3)チャンバ110内を大気圧に戻し、耐熱性を有するゴムシート130を裏面保護用シート40に上から押し付けて、透明ガラス部材30、封止用シート20a、太陽電池セル10、封止用シート20bおよび裏面保護用シート40を密着させる。これにより、封止用シート20a,20bを溶融させて、太陽電池セル10を封止用シート20a,20bの間に包埋する。
(4)さらに、加熱・加圧することにより、透明ガラス部材30と封止用シート20a、2つの封止用シート20a,20b同士、封止用シート20bと裏面保護用シート40とを接着すると共に、封止用シート20a,20bの透明軟質樹脂を架橋・固化させることにより一体化させて、封止体20にする。
上記(3)(4)の工程は、連続的にインラインで行ってもよい(ファストキュア)が、有機過酸化物の種類とチャンバ110内の温度によっては、(4)の工程を別のオーブン内で行うことができる(スタンダードキュア)。
上記製造方法は、裏面保護用シート40の熱融着性樹脂層に架橋剤が含まれない場合に適している。
以上説明した太陽電池モジュール1では、裏面保護用シート40として、熱融着性樹脂層42に高分子固定型安定剤を含有するものを用いているため、耐熱性・耐光性・耐候性に優れる。しかも、高温高湿環境下で長期間保管しても、裏面保護用シート40における基材41と熱融着性樹脂層42との剥離が防止されている。そのため、太陽電池モジュール1の外観不良や発電出力低下を抑制できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の例においては下記の材料を用いた。
[エチレン系重合体]
・LLDPE:エチレン−ヘキセン−1共重合体(プライムポリマー社製)
・EVA−1:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル単位:5質量%、住友化学製)
・EVA−2:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル単位:30質量%、住友化学製)
・Zn−IO:エチレン−メタアクリル酸共重合体の亜鉛塩(三井デュポンポリケミカル製)
[安定剤]
・高分子固定型光安定剤(HP−HALS):ハイステープP−HALSタイプ(大日精化工業製)
・低分子量型光安定剤(HALS):チヌビン770(ヒンダードアミンタイプ:チバ・ジャパン製)
・高分子固定型紫外線吸収剤(HP−UVab):ハイステープP−トリアジンタイプ(大日精化工業製)
・低分子量紫外線吸収剤(UVab):チヌビン120(ベンゾフェノンタイプ:チバ・ジャパン製)
[その他の添加剤]
一部の例では、下記の添加剤も用いた。
・有機過酸化物:1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日油製)
・架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(日本化成製)
・シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウ・シリコーン製)
[裏面保護用シート]
裏面保護用シートとしては、以下のA,B,Cの3種類を用いた。
A:耐熱ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ75μm、東レ社製ルミラー)/ポリウレタン系接着剤(東洋インキ製造社製ダイナグランド)/シリカ蒸着フィルム(12μm)/ポリウレタン系接着剤/熱融着性樹脂層
B:ポリフッ化ビニルフィルム(厚さ38μm、デュポン社製テドラー)/ポリウレタン系接着剤/一般PETフィルム(厚さ250μm、東レ社製ルミラー)/ポリウレタン系接着剤/熱融着性樹脂層
C:ポリフッ化ビニルフィルム(厚さ38μm、デュポン社製テドラー)/ポリウレタン系接着剤/アルミニウム箔/ポリウレタン系接着剤/熱融着性樹脂層
<製造例1〜13>
表1に示す割合で各成分をドライブレンドにより混合して、混合物を得た。その際、高分子固定型光安定剤を配合する場合には、エチレン系重合体に高分子固定型光安定剤濃度5質量%になるように配合したマスターバッチを用いた。
次いで、得られた混合物をTダイキャスト製膜装置(Tダイを備えた押出機)により製膜して、厚さ0.5mmの裏面保護用シートを得た。
なお、製造例1〜5は、高分子固定型安定剤の安定化成分の含有量を変えた例である。製造例6〜8は、光安定剤、紫外線吸収剤の少なくとも一方に従来の安定剤を用いた例である。製造例9〜12は、エチレン−酢酸ビニル共重合体以外のエチレン系重合体を用いた例である。製造例13は、熱融着性樹脂層を封止用シートとしても利用した例である。
Figure 0005353321
[評価]
(1)接着強度
太陽電池モジュール製造装置の天板の上に、A4サイズの強化ガラス/封止用シート(2枚)/裏面保護用シートを順に積層し、ファストキュアの条件で加熱圧着して、接着強度測定用サンプルを得た。加熱圧着の条件は、温度150℃、真空引き4分、熱圧着10分とした。
上記接着強度測定用サンプルを、温度85℃、相対湿度85%の環境下に放置して、促進試験を行った。
促進試験後、裏面保護用シートにおける基材と熱融着性樹脂層との接着強度を、オリエンテック製テンシロンを用いて測定した。
評価基準は、接着強度が初期値に対して50%未満である場合を○、接着強度が初期値に対して50%以下になる場合を△、1N/15mmを下回った場合を×とした。
(2)耐候性
50mm×50mmの寸法に裁断した裏面保護用シートについて、基材から熱融着性樹脂層に向かう方向に、岩崎電気製「アイ スーパーUVテスター」を用い、照度100mW/cm、ブラックパネル温度63℃(相対湿度50%)の条件で紫外線を照射し、照射/結露サイクル=6時間/6時間の条件で600時間の耐候試験を行った。
耐候試験後、東京電色製オートマチックヘーズメーターを用いてイエローインデックス値(YI値)を測定した。YIが10以下では○、10を超え20以下では△、20を超えた場合には×とした。
(3)総合評価
総合評価結果を表3に示す。総合評価結果は、接着強度、耐候性で×が一つでもあった場合には×、△が一つでもあった場合には△、×,△がない場合には○とした。
Figure 0005353321
Figure 0005353321
裏面保護用シートの熱融着性樹脂層において、高分子固定型安定剤を、安定化成分の量が、エチレン系重合体100質量部に対して0.1〜2質量部になる量で含む製造例1〜3,6,7,9,11,13では、耐候性を有する上に、長時間保管しても接着性の低下が防止されていた。
これに対し、裏面保護用シートの熱融着性樹脂層が高分子固定型安定剤のみならず低分子量型安定剤も含まない製造例5では、耐候性が低かった。
裏面保護用シートの熱融着性樹脂層が低分子量型安定剤を含むが高分子固定型安定剤を全く含まない製造例8,10,12では、接着性が顕著に低下した。
また、熱融着性樹脂層における高分子固定型安定剤の含有量が、安定化成分の量がエチレン系重合体100質量部に対して0.1質量部未満になる量であった製造例4の封止用シートを用いた場合には、耐候性が得られなかった。
1 太陽電池モジュール
10 太陽電池セル
20 封止体
20a,20b 封止用シート
30 透明ガラス部材
40 裏面保護用シート
41 基材
41a 第1の支持体
41b 第2の支持体
41c スペーサ層
41d ガスバリア層
42 熱融着性樹脂層

Claims (5)

  1. 基材と、基材の片面に形成された厚さ1〜1000μmの熱融着性樹脂層とを有する太陽電池モジュール裏面保護用シートであって、
    熱融着性樹脂層は、エチレン系重合体および高分子固定型安定剤を含有し、該高分子固定型安定剤は、熱可塑性高分子に、耐熱性、耐光性、耐候性のいずれかを向上させる安定化成分が結合した化合物であって、反応性添加剤と、反応性添加剤と反応し得る官能基を有する高分子とが反応したものであり、
    高分子固定型安定剤の含有量は、安定化成分の量が、前記エチレン系重合体100質量部に対して0.05質量部を超え2質量部以下になる量にされていることを特徴とする太陽電池モジュール裏面保護用シート。
  2. 高分子固定型安定剤の安定化成分が、光安定剤および/または紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール裏面保護用シート。
  3. 光安定剤が、ヒンダードアミン系光安定剤であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール裏面保護用シート。
  4. 紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項2または3に記載の太陽電池モジュール裏面保護用シート。
  5. 太陽電池セルと、該太陽電池セルを封止する層状の封止体と、該封止体の一方の面側に配置された透明ガラス部材と、前記封止体の他方の面側に配置された裏面保護用シートとを具備し、
    前記裏面保護用シートが、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール裏面保護用シートであり、裏面保護用シートの熱融着性樹脂層が封止体に接着していることを特徴とする太陽電池モジュール。
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