JP5349988B2 - 電気自動車用駆動システム - Google Patents

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Description

本発明は、電気自動車に搭載される電気自動車用駆動システムに関する。
従来、環境への負荷低減を目的として、エンジン(内燃機関)および電動モータ(駆動モータ)を駆動源として走行するハイブリッド車両や、電動モータのみを駆動源として走行し、無公害化を実現した電気自動車等の開発が行われている。
前者のハイブリッド車両は、エンジンのみによる走行モード,エンジンおよび電動モータによる走行モード,電動モータのみによる走行モードで走行可能に構成され、これにより排気ガスの排出量を削減して環境への負荷低減を図っている。ハイブリッド車両に関する技術としては、例えば、特許文献1および特許文献2に記載された技術が知られており、いずれの技術もエンジンと電動モータとの間にプラネタリギヤ(遊星歯車機構)を配置し、当該プラネタリギヤによりエンジンと電動モータとの間での回転力の伝達を許容している。そして、プラネタリギヤにより合成された回転力が、出力軸(車輪)から出力されるようになっている。
一方、後者の電気自動車は、排気ガスを排出しないため無公害化を実現することができるが、その反面、車載バッテリの大型化による重量増大や、車載バッテリの容量に対する走行距離の延長が難しい等の問題がある。これらの問題を解決すべく、車載バッテリを高効率かつ軽量にするのは勿論のこと、これを補うためにも電動モータの回転力を効率良く車輪に伝達させるための工夫が必要となる。そこで、電動モータの回転力を効率良く車輪に伝達させるようにした技術として、例えば、特許文献3に示すものが知られている。特許文献3に記載された技術は、プラネタリギヤおよび油圧制御装置を備えており、油圧制御装置を制御することで変速ショックを緩和しつつ回転力の伝達効率を向上させている。
特開昭48−049115号公報 特開昭50−030223号公報 特開昭59−226741号公報
ところで、上述の特許文献3に記載された技術が適用される電気自動車においても、室内空間の快適性を確保するためにオートエアコン等の空調機器が設けられる。空調機器を形成するエアコン用コンプレッサは、通常、車輪の駆動系統に用いられる電動モータ(A)とは別に設けられた空調機器用の電動モータ(B)によって駆動され、電動モータ(A)と電動モータ(B)との間では、相互に回転力の伝達が不可能となっている。この場合、電動モータ(A)と電動モータ(B)とはそれぞれ独立して制御されるため、電動モータ(A)としては定格出力が大きいもの、つまり十分な推進力が得られるものを用いる必要が生じる。したがって、電動モータ(A)の大型化を招いて車両重量が嵩むばかりか、車載バッテリの容量に対する走行距離の延長が難しくなる等の問題が生じる。
本発明の目的は、車輪の駆動系統に用いる駆動モータと空調機器用の駆動モータとの間に遊星歯車機構を設け、各駆動モータ間での回転力の伝達を可能とした電気自動車用駆動システムを提供することにある。
本発明の電気自動車用駆動システムは、所定の定格出力に設定され、回転軸を有する第1駆動モータと、前記第1駆動モータよりも小さな定格出力に設定され、エアコン用コンプレッサに連結される回転軸を有する第2駆動モータと、前記第1駆動モータの回転軸と前記第2駆動モータの回転軸との間に設けられ、前記各駆動モータ間での回転力の伝達を許容する遊星歯車機構とを備え、前記遊星歯車機構は、前記第1駆動モータの回転軸に連結される第1回転要素と、前記第1回転要素と係合して回転し、車輪に連結される第2回転要素と、前記第2回転要素と係合して回転し、前記第2駆動モータの回転軸に連結される第3回転要素とを有し、前記エアコン用コンプレッサと前記第2駆動モータとの間に、前記第2駆動モータの正方向への回転時に前記エアコン用コンプレッサを作動させ、前記第2駆動モータの逆方向への回転時に前記エアコン用コンプレッサを停止させるワンウェイクラッチが設けられることを特徴とする。
本発明の電気自動車用駆動システムは、前記第2回転要素をピニオンギヤとし、当該ピニオンギヤを保持するキャリアと前記車輪との間に左右輪駆動力配分機構を設け、前記キャリア,前記左右輪駆動力配分機構および前記車輪をそれぞれ同軸上に配置することを特徴とする。
本発明の電気自動車用駆動システムは、前記遊星歯車機構の外径寸法を前記各駆動モータのコイルの巻径よりも小径とし、前記各駆動モータと同軸上でかつ前記各駆動モータ間に前記遊星歯車機構を配置することを特徴とする。
本発明の電気自動車用駆動システムは、前記各駆動モータを、それぞれ同軸上に隣接配置することを特徴とする。
本発明の電気自動車用駆動システムによれば、所定の定格出力に設定された第1駆動モータと、第1駆動モータよりも小さな定格出力に設定され、エアコン用コンプレッサを駆動する第2駆動モータとを、遊星歯車機構を介して連結するので、各駆動モータ間での回転力の伝達を許容することができる。したがって、エアコン用コンプレッサを駆動する第2駆動モータの回転力を、第1駆動モータに伝達することができる。第2駆動モータにより第1駆動モータをアシストできるので、第1駆動モータを小型化して車両重量の増大を抑制できる。また、車輪からの回転力を、遊星歯車機構を介して第2駆動モータに伝達することができるので、当該回転力によりエアコン用コンプレッサを駆動することができる。したがって、回生エネルギで車載バッテリを充電できるとともに、効率良くエアコン用コンプレッサを駆動することができる。よって、電力の消費量を削減して車載バッテリの容量に対する走行距離の延長を図ることが可能となる。
本発明の電気自動車用駆動システムによれば、第2回転要素をピニオンギヤとし、当該ピニオンギヤを保持するキャリアと車輪との間に左右輪駆動力配分機構を設け、キャリア,左右輪駆動力配分機構および車輪をそれぞれ同軸上に配置するので、各駆動モータから車輪までの間に設けられる構成部品の部品点数を最小限に抑えることができる。
本発明の電気自動車用駆動システムによれば、遊星歯車機構の外径寸法を各駆動モータのコイルの巻径よりも小径とし、各駆動モータと同軸上でかつ各駆動モータ間に遊星歯車機構を配置するので、システムの小型化を図ることができる。また、回転力を伝達する構成部品の短縮化を図ることができ、回転力の伝達損失を最小限に抑えることができる。
本発明の電気自動車用駆動システムによれば、前記各駆動モータを、それぞれ同軸上に隣接配置するので、電気自動車用駆動システムの外形形状をスリム化することができる。また、各駆動モータへの配線ケーブルを集約させることができ、組み立て時における配線作業の簡素化を図ることができる。
第1実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 (a),(b)は、停車時(A/Cオフ時,A/Cオン時)の遊星歯車機構の動作を示す入出力特性線図である。 (a),(b)は、前進時(A/Cオフ時,A/Cオン時)の遊星歯車機構の動作を示す入出力特性線図である。 (a),(b)は、後進時(A/Cオフ時,A/Cオン時)の遊星歯車機構の動作を示す入出力特性線図である。 第2実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第3実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第4実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第5実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第6実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第7実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第8実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第9実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第10実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第11実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第12実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 第13実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図である。 (a),(b)は、図16の駆動システムにおける微低速時(前進,後進)の遊星歯車機構の動作を示す入出力特性線図である。
以下、本発明の第1実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は第1実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図を、図2(a),(b)は停車時(A/Cオフ時,A/Cオン時)の遊星歯車機構の動作を示す入出力特性線図を、図3(a),(b)は前進時(A/Cオフ時,A/Cオン時)の遊星歯車機構の動作を示す入出力特性線図を、図4(a),(b)は後進時(A/Cオフ時,A/Cオン時)の遊星歯車機構の動作を示す入出力特性線図をそれぞれ表している。
図1は、電気自動車(図示せず)の車体後方側に搭載される電気自動車用駆動システム(以下、単に駆動システムと言う)を示しており、駆動システム10は、右側後輪(車輪)11aと左側後輪(車輪)11bとの間に設けられている。つまり、本実施の形態に係る駆動システム10は、各後輪11a,11bを駆動する後輪駆動方式の電気自動車に搭載されている。
右側後輪11aの回転中心には、右側ドライブシャフト12aの一端側(図中右側)がユニバーサルジョイント(図示せず)を介して一体回転可能に連結され、左側後輪11bの回転中心には、左側ドライブシャフト12bの他端側(図中左側)がユニバーサルジョイントを介して一体回転可能に連結されている。各ドライブシャフト12a,12bは、それぞれ共通の回転軸c1を中心に回転するよう同軸上に配置され、駆動システム10は、右側ドライブシャフト12aの他端側と左側ドライブシャフト12bの一端側との間に設けられている。
駆動システム10は、各後輪11a,11bの駆動系統に用いられる車輪駆動用モータ(第1駆動モータ)13と、空調機器用のエアコン駆動用モータ(第2駆動モータ)14とを備えている。車輪駆動用モータ13は、正逆方向に回転可能に形成され、所定の定格出力(例えば、40〜50kW)に設定されている。一方、エアコン駆動用モータ14は、正方向にのみ回転可能に形成され、車輪駆動用モータ13よりも小さな定格出力(例えば、5〜10kW)に設定されている。
車輪駆動用モータ13およびエアコン駆動用モータ14は、いずれも永久磁石形同期モータ(PMモータ)を採用している。各モータ13,14の外周側には、内側にコイル(図示せず)が巻装された略円筒形状のステータ部13a,14aがそれぞれ設けられ、各ステータ部13a,14aのコイルの内側には、永久磁石(図示せず)およびロータ部13b,14bがそれぞれ設けられている。各ロータ部13b,14bは、各ステータ部13a,14aに対して相対回転可能となっている。
各モータ13,14には、各モータ13,14に対応させて配線ケーブル(図示せず)がそれぞれ電気的に接続されており、各配線ケーブルに駆動電流を供給することで、各ステータ部13a,14aのコイルに駆動電流が流れるようになっている。そして、コイルに駆動電流が流れて電磁力が発生すると、各ロータ部13b,14bが所定の回転数/回転力(トルク)でそれぞれ回転する。ここで、各モータ13,14は、永久磁石形同期モータに代えて、例えば、スイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)等の他の形式の電動モータを用いることもできる。
車輪駆動用モータ13は、当該車輪駆動用モータ13に接続される配線ケーブルの途中に設けられたコントローラやインバータ(何れも図示せず)によって、電動機(モータ)として回転駆動されるとともに、車載バッテリ(図示せず)を充電するために発電機(ジェネレータ)として回生動作されるようになっている。
駆動システム10は、各モータ13,14に加えて、遊星歯車機構15およびエアコン駆動用ギヤ16を備えている。各モータ13,14,遊星歯車機構15およびエアコン駆動用ギヤ16は、それぞれ各ドライブシャフト12a,12bの回転軸c1を中心に同軸上に配置されている。ここで、駆動システム10においては、左側後輪11b側から、エアコン駆動用ギヤ16(AG),エアコン駆動用モータ14(AM),遊星歯車機構15(PG),車輪駆動用モータ13(WM)の順に並んでいる。このように、駆動システム10は、[AG−AM−PG−WM]の配置構造を採用している。
遊星歯車機構15は、車輪駆動用モータ13の回転軸13cとエアコン駆動用モータ14の回転軸14cとの間に配置されている。遊星歯車機構15の外径寸法は、各モータ13,14の各ステータ部13a,14aの内径寸法よりも小さい寸法、つまり、各ステータ部13a,14aのコイルの巻径よりも小さい寸法に設定されている。これにより、各モータ13,14間に遊星歯車機構15を配置しつつ各モータ13,14を近接させて配置可能とし、駆動システム10の全長L1の短縮化を実現している。このように、駆動システム10の全長L1を短縮化することにより、駆動システム10を形成する構成部品、つまり各モータ13,14の各回転軸13c,14c等の短縮化を図ることができ、これらの構成部品の捻れ剛性を高めて回転力の伝達損失を最小限に抑えられる。
遊星歯車機構15は、その回転中心にサンギヤ(太陽歯車)Sを備えており、サンギヤSの周囲には複数(例えば3つ)のピニオンギヤ(遊星ギヤ)Pが設けられている。各ピニオンギヤPは、サンギヤSの外周に形成されたギヤ歯(図示せず)と係合して当該サンギヤSの周囲を転動するようになっている。各ピニオンギヤPは、それぞれキャリア(遊星キャリア)Cにより回転自在に保持されており、したがって、キャリアCは各ピニオンギヤPの転動に伴いサンギヤSに対して相対回転するようになっている。各ピニオンギヤPの周囲には、内周にギヤ歯(図示せず)を有するリングギヤ(外輪歯車)Rが係合しており、当該リングギヤRについても、各ピニオンギヤPの転動に伴いサンギヤSに対して相対回転するようになっている。
ここで、遊星歯車機構15は、サンギヤS,各ピニオンギヤP,キャリアCおよびリングギヤRにより構成されており、サンギヤS,各ピニオンギヤP(キャリアC)およびリングギヤRよりなる3つの回転要素の係合(噛み合い)により外部から回転力を入出力し、入力された各回転力を合成するとともに合成された回転力を分離して出力するようになっている。
遊星歯車機構15を形成するサンギヤSの回転中心には、エアコン駆動用モータ14を形成する回転軸14cの一端側が一体に連結されている。サンギヤSは、エアコン駆動用モータ14の回転力を各ピニオンギヤPに伝達するとともに、各ピニオンギヤPの回転力をエアコン駆動用モータ14に伝達するようになっている。ここで、サンギヤSは、本発明における第3回転要素を構成している。
遊星歯車機構15を形成するキャリアCの一端側は、車輪駆動用モータ13の中心部分を貫通してディファレンシャルギヤ17にまで延ばされており、キャリアCの一端側は、ディファレンシャルギヤ17を形成する一対のピニオン17aの回転軸(図示せず)を支持している。つまり、キャリアCの一端側は、ディファレンシャルギヤ17の各ピニオン17aを回転自在に支持するようになっている。
ディファレンシャルギヤ17は、回転軸c1上に配置され、各ドライブシャフト12a,12bを介してキャリアCと各後輪11a,11bとの間に設けられている。ディファレンシャルギヤ17は、各ピニオン17aと、これらの各ピニオン17aと噛み合う一対のサイドギヤ17bとを備えている。各サイドギヤ17bの回転軸(図示せず)は、それぞれ右側ドライブシャフト12aの他端側、および左側ドライブシャフト12bの一端側に一体に連結されており、キャリアCにより各ピニオン17aが回転軸c1を中心に回転すると、各サイドギヤ17bおよび各ドライブシャフト12a,12bが回転し、これにより各後輪11a,11bが回転駆動される。ここで、ディファレンシャルギヤ17は、各ドライブシャフト12a,12bと同軸上に設けられ、各後輪11a,11bに駆動力を配分するものであり、本発明における左右輪駆動力配分機構を構成している。
キャリアCは、各後輪11a,11bから入力される回転力を、各ピニオンギヤPを介してサンギヤSおよびリングギヤRに出力する一方で、サンギヤSおよびリングギヤRから入力される回転力を、各ピニオンギヤPを介して各後輪11a,11bに出力するようになっている。ここで、各ピニオンギヤPは、キャリアCの一端側をディファレンシャルギヤ17の各ピニオン17aに連結することにより、キャリアCおよびディファレンシャルギヤ17を介して各後輪11a,11bに連結され、本発明における第2回転要素を構成している。
遊星歯車機構15を形成するリングギヤRの回転中心には、車輪駆動用モータ13を形成する回転軸13cの他端側が一体に連結されている。リングギヤRは、車輪駆動用モータ13の回転力を各ピニオンギヤP(各キャリアC)に伝達するとともに、各ピニオンギヤP(各キャリアC)の回転力を車輪駆動用モータ13に伝達するようになっている。ここで、リングギヤRは、本発明における第1回転要素を構成している。
エアコン駆動用モータ14を形成する回転軸14cの他端側には、エアコン駆動用ギヤ16が一体に連結されている。エアコン駆動用ギヤ16の外周にはギヤ歯(図示せず)が形成されており、エアコン駆動用ギヤ16は、エアコン用コンプレッサ18を回転駆動するようになっている。
エアコン用コンプレッサ18は、駆動システム10の外郭を形成するユニットケース19(詳細図示せず)の外部に配置され、ユニットケース19等の所定箇所にブラケットを介して固定されている。エアコン用コンプレッサ18は回転軸18aを備えており、回転軸18aの他端側には従動ギヤ20が一体に連結されている。従動ギヤ20の外周にはギヤ歯(図示せず)が形成されており、従動ギヤ20のギヤ歯は、エアコン駆動用ギヤ16のギヤ歯に噛み合わされている。これにより、回転軸14cはエアコン用コンプレッサ18に連結され、エアコン駆動用モータ14を回転させることにより、エアコン用コンプレッサ18は回転駆動される。
ただし、エアコン用コンプレッサ18の駆動方式としては、ギヤによるギヤ駆動方式に代えて、一対のプーリおよび各プーリ間に掛け渡されるベルトによるベルト駆動方式や、一対のスプロケットおよび各スプロケット間に掛け渡されるチェーンによるチェーン駆動方式等を採用することもできる。
駆動システム10のユニットケース19は、図1中破線に示すような外郭形状F(回転軸c1を挟む対称形状)をなし、図中左右方向に向けて延びる略ストレート形状の円筒状に形成されている。なお、ユニットケース19の遊星歯車機構15に対応する部分は、その外径寸法が他の部分の外径寸法に比して小径となるよう窪んでいる。
また、駆動システム10は図示しないシフトレバーを備え、運転者がレバー位置を切り替えることで、前進モード(ドライブ)、後進モード(リバース)、中立モード(ニュートラル)、駐車モード(パーキング)が選択される。
次に、以上のように構成した駆動システム10の動作について、[停車時],[前進時],[後進時]および[回生時]の場合に分けて、図2〜図4を用いて順次説明する。なお、入出力特性線図における縦軸および横軸は、それぞれ回転数N(rpm)およびギヤ比λを示している。また、各図における上段(a)は車室内のエアコンスイッチ(図示せず)がオフの状態(A/Cオフ時)を、下段(b)は車室内のエアコンスイッチがオンの状態(A/Cオン時)をそれぞれ示している。
[停車時]
(1−1)A/Cオフ時
図2(a)に示すように、例えば、ブレーキペダルが操作中等で電気自動車が停車状態(車速0km/h)にあり、かつエアコンスイッチがオフの状態である場合には、車輪駆動用モータ13およびエアコン駆動用モータ14は、いずれも停止状態となっている。したがって、サンギヤSおよびリングギヤRの回転数Nはいずれも0となり、サンギヤSおよびリングギヤRに係合する各ピニオンギヤPの回転数Nも0となる。これにより、キャリアCからの出力は無く、各後輪11a,11bは回転駆動されない。
(1−2)A/Cオン時
図2(b)に示すように、例えば、ブレーキペダルが操作中等で電気自動車が停車状態(車速0km/h)にあり、かつエアコンスイッチがオンの状態である場合には、エアコン駆動用モータ14は所定の回転数N1(例えば、2000rpm)で正方向に回転される。このとき、サンギヤSには、図中矢印に示すように正の回転力T1が発生する。なお、エアコン駆動用モータ14は、コントローラによりリニアに制御され、例えば、0〜4000rpmの間において任意の回転数で正方向に制御される。
一方、車輪駆動用モータ13は、ブレーキペダルが操作中であること等をトリガとして、キャリアCの出力(回転数N)を0とすべく制御される。つまり、車輪駆動用モータ13は所定の回転数N2で逆方向に回転される(N2<N1)。このとき、リングギヤRには、図中矢印に示すように負の回転力T2が発生する(T2<T1)。なお、車輪駆動用モータ13は、コントローラによりリニアに制御され、例えば、0〜10000rpmの間において任意の回転数で正逆方向に制御される。
サンギヤSが回転数N1(回転力T1)で正方向に回転され、かつリングギヤRが回転数N2(回転力T2)で逆方向に回転されることにより、キャリアCには、正の回転力T1と、当該回転力T1と同じ大きさの負の回転力λT2が作用する。したがって、キャリアCに作用する回転力(合成力)Toは、正の回転力T1と負の回転力λT2とにより相殺されて0となり、回転数Nも0となる。これにより、各後輪11a,11bは回転駆動されない。ここで、ギヤ比λはZr/Zsにより求められ、ZrはリングギヤRのギヤ歯数を、ZsはサンギヤSのギヤ歯数をそれぞれ表している。
[前進時]
(2−1)A/Cオフ時
図3(a)に示すように、例えば、シフトレバーをドライブ位置にしてアクセルペダルを操作し、電気自動車を前進状態(車速60km/h)とする場合で、かつエアコンスイッチがオフの状態である場合には、エアコン駆動用モータ14は停止状態となっている。したがって、サンギヤSの回転数Nは0となっている。
一方、車輪駆動用モータ13は、シフトレバーがドライブ位置にあること、およびアクセルペダルが操作中であること等をトリガとして、アクセルペダルの踏み込み量に応じた車速(この場合60km/h)が得られるよう、キャリアCの出力(回転数N)をNfとすべく制御される。つまり、車輪駆動用モータ13は所定の回転数N3(例えば、5000rpm)で正方向に回転される。このとき、リングギヤRには、図中矢印に示すように、正の回転力T3が発生する。
サンギヤSの回転数Nが0で、かつリングギヤRの回転数NがN3(回転力T3)で正方向に回転されることにより、キャリアCには、車輪駆動用モータ13の回転にのみ依存した正の回転力λT3が作用する。したがって、キャリアCに作用する回転力ToはλT3となり、キャリアCの回転数Nは徐々にNfとなる。これにより、各後輪11a,11bが回転して、電気自動車は車速60km/hで前進する。
(2−2)A/Cオン時
図3(b)に示すように、例えば、シフトレバーをドライブ位置にしてアクセルペダルを操作し、電気自動車を前進状態(車速60km/h)とする場合で、かつエアコンスイッチがオンの状態である場合には、エアコン駆動用モータ14は所定の回転数N1で正方向に回転される。このとき、サンギヤSには、図中矢印に示すように正の回転力T1が発生する。
一方、車輪駆動用モータ13は、シフトレバーがドライブ位置にあること、およびアクセルペダルが操作中であること等をトリガとして、アクセルペダルの踏み込み量に応じた車速(この場合60km/h)が得られるよう、キャリアCの出力(回転数N)をNfとすべく制御される。つまり、車輪駆動用モータ13は所定の回転数N4で正方向に回転される(N4<N3)。このとき、リングギヤRには、図中矢印に示すように、正の回転力T4が発生する(T4<T3)。
サンギヤSが回転数N1(回転力T1)で正方向に回転され、かつリングギヤRが回転数N4(回転力T4)で正方向に回転されることにより、キャリアCには、エアコン駆動用モータ14および車輪駆動用モータ13の双方の回転力を合成した正の回転力λT4+T1が作用する。したがって、キャリアCに作用する回転力ToはλT4+T1となり、キャリアCの回転数Nは徐々にNfとなる。これにより、各後輪11a,11bが回転して、電気自動車は車速60km/hで前進する。
このように、エアコンスイッチがオンの状態である場合には、遊星歯車機構15を介してエアコン駆動用モータ14の回転力が車輪駆動用モータ13に伝達される。したがって、車輪駆動用モータ13の回転数Nを、エアコンスイッチがオフの状態である場合の回転数N3(回転力T3)に比して小さな回転数N4(回転力T4)とすることができ、定格出力が大きい方の車輪駆動用モータ13の回転数に比例した電力消費が抑えられる。
ここで、図3(a)の破線矢印GR1は、エアコン駆動用モータ14を停止し、かつ車輪駆動用モータ13の最大回転数を回転数N3とした場合における車速可変幅を示している。また、図3(b)の破線矢印GR2は、エアコン駆動用モータ14の最大回転数を回転数N1とし、かつ車輪駆動用モータ13の最大回転数を回転数N3とした場合における車速可変幅を示している。
つまり、車速可変幅GR2は車速可変幅GR1よりも拡大され、車輪駆動用モータ13を回転数N3で同様に回転させた場合に、エアコン駆動用モータ14を回転数N1で回転させたりまたは停止させたりすることにより、キャリアCの回転数NをNaまたはNfにすることができる(Na>Nf)。
(2−3)A/Cオフ時(登坂路走行時)
電気自動車が所定の勾配を有する登坂路を登る場合等には、平坦路を走行する場合に比して、アクセルペダルの踏み込み量に対して目標車速(車速60km/h)に達する時間が長くなる。このような場合には、コントローラは、エアコン駆動用モータ14を自動的に回転させて、目標車速に達する時間を短縮させる制御を行う。
例えば、コントローラは、アクセルペダルの踏み込み量に対する車速の変化を監視し、車速の変化が遅い場合には登坂路であると判定し、車速の変化が早い場合には登坂路でないと判定する。登坂路であると判定した場合には、図3(b)の二点鎖線に示すように、停止状態にあるエアコン駆動用モータ14を所定の回転数N1で回転させ、エアコン駆動用モータ14の回転力T1を車輪駆動用モータ13に伝達させるようにする。
すると、車輪駆動用モータ13の回転力T3にエアコン駆動用モータ14の回転力T1が合成され、キャリアCに作用する回転力Toが増大する。これにより、アクセルペダルの踏み込み量に対する目標車速(車速60km/h)に達する時間を短縮することができ、電気自動車の登坂能力が向上する。つまり、エアコン駆動用モータ14を、車速等の車両情報に基づいて必要に応じて所定の回転数で回転させることで、車輪駆動用モータ13の不足する回転力を補うことができる。よって、エアコン駆動用モータ14と車輪駆動用モータ13とを独立して制御する場合(従前の技術の場合)に比して、車輪駆動用モータ13を小型化することが可能となる。
[後進時]
(3−1)A/Cオフ時
図4(a)に示すように、例えば、シフトレバーをリバース位置にしてアクセルペダルを操作し、電気自動車を後進状態(車速5km/h)とする場合で、かつエアコンスイッチがオフの状態である場合には、エアコン駆動用モータ14は停止状態となっている。したがって、サンギヤSの回転数Nは0となっている。
一方、車輪駆動用モータ13は、シフトレバーがリバース位置にあること、およびアクセルペダルが操作中であること等をトリガとして、アクセルペダルの踏み込み量に応じた車速(この場合5km/h)が得られるよう、キャリアCの出力(回転数N)をNrとすべく制御される。つまり、車輪駆動用モータ13は所定の回転数N5(例えば、1500rpm)で逆方向に回転される。このとき、リングギヤRには、図中矢印に示すように、負の回転力T5が発生する。
サンギヤSの回転数Nが0で、かつリングギヤRの回転数NがN5(回転力T5)で逆方向に回転されることにより、キャリアCには、車輪駆動用モータ13の回転のみに依存した負の回転力λT5が作用する。したがって、キャリアCに作用する回転力ToはλT5となり、キャリアCの回転数Nは徐々にNrとなる。これにより、各後輪11a,11bが回転して、電気自動車は車速5km/hで後進する。
(3−2)A/Cオン時
図4(b)に示すように、例えば、シフトレバーをリバース位置にしてアクセルペダルを操作し、電気自動車を後進状態(車速5km/h)とする場合で、かつエアコンスイッチがオンの状態である場合には、エアコン駆動用モータ14は所定の回転数N1で正方向に回転される。このとき、サンギヤSには、図中矢印に示すように正の回転力T1が発生する。
一方、車輪駆動用モータ13は、シフトレバーがリバース位置にあること、およびアクセルペダルが操作中であること等をトリガとして、アクセルペダルの踏み込み量に応じた車速(この場合5km/h)が得られるよう、キャリアCの出力(回転数N)をNrとすべく制御される。つまり、車輪駆動用モータ13は所定の回転数N6で逆方向に回転される(N6>N5)。このとき、リングギヤRには、図中矢印に示すように、負の回転力T6が発生する(T6>T5)。
サンギヤSが回転数N1(回転力T1)で正方向に回転され、かつリングギヤRが回転数N6(回転力T6)で逆方向に回転されることにより、キャリアCには、エアコン駆動用モータ14および車輪駆動用モータ13の双方の回転力を合成した負の回転力λT6−T1が作用する(λT6>T1)。したがって、キャリアCに作用する回転力ToはλT6−T1となり、キャリアCの回転数Nは徐々にNrとなる。これにより、各後輪11a,11bが回転して、電気自動車は車速5km/hで後進する。
[回生時]
(4−1)A/Cオフ時
図3(a)に示す状態から、例えば、ブレーキペダルを操作すること等により電気自動車を停止させる場合で、かつエアコンスイッチがオフの状態である場合には、エアコン駆動用モータ14は停止状態となっている。したがって、サンギヤSの回転数Nは0となっている。
一方、車輪駆動用モータ13は、電気自動車が走行状態で、かつブレーキペダルが操作中であること等をトリガとして、コントローラにより発電機として回生動作される。回生動作された車輪駆動用モータ13は、各後輪11a,11bからキャリアCに入力された回転力により回転して発電を行い、車載バッテリを充電する。そして、車載バッテリへの充電に伴う車輪駆動用モータ13の回転抵抗により車速が徐々に低下していく。
(4−2)A/Cオン時
図3(b)に示す状態から、例えば、ブレーキペダルを操作すること等により電気自動車を停止させる場合で、かつエアコンスイッチがオンの状態である場合には、エアコン駆動用モータ14は所定の回転数N1で正方向に回転される。このとき、サンギヤSには、図中矢印に示すように正の回転力T1が発生する。
一方、車輪駆動用モータ13は、電気自動車が走行状態で、かつブレーキペダルが操作中であること等をトリガとして、コントローラにより発電機として回生動作される。回生動作された車輪駆動用モータ13は、各後輪11a,11bからキャリアCに入力された回転力により回転して発電を行い、車載バッテリを充電する。そして、車載バッテリへの充電に伴う車輪駆動用モータ13の回転抵抗により車速が徐々に低下していく。
また、各後輪11a,11bからキャリアCに入力された回転力は分離され、エアコン駆動用モータ14にも伝達される。これにより、エアコン駆動用モータ14の回転軸14cを介して、エアコン用コンプレッサ18が電気エネルギによらず直接駆動される。つまり、各後輪11a,11bからキャリアCに入力された回転力(運動エネルギ)で、エアコン駆動用モータ14を回転(またはアシスト)することができる。そして、車載バッテリへの充電およびエアコン用コンプレッサ18の駆動に伴う車輪駆動用モータ13およびエアコン駆動用モータ14の回転抵抗により車速が徐々に低下していく。
以上のように構成した第1実施の形態に係る駆動システム10によれば、車輪駆動用モータ13(定格出力大)と、エアコン駆動用モータ14(定格出力小)とを、遊星歯車機構15を介して連結したので、各モータ13,14間での回転力の伝達を許容することができる。したがって、エアコン用コンプレッサ18を駆動するエアコン駆動用モータ14の回転力を、車輪駆動用モータ13に伝達することができる。エアコン駆動用モータ14により車輪駆動用モータ13をアシストできるので、車輪駆動用モータ13を小型化して車両重量の増大を抑制できる。
また、各後輪11a,11bからの回転力を、遊星歯車機構15を介してエアコン駆動用モータ14に伝達することができるので、当該回転力によりエアコン用コンプレッサ18を駆動することができる。したがって、回生エネルギで車載バッテリを充電できるとともに、効率良くエアコン用コンプレッサ18を駆動することができる。よって、電力の消費量を削減して車載バッテリの容量に対する走行距離の延長を図ることが可能となる。
さらに、第1実施の形態に係る駆動システム10によれば、ピニオンギヤPを保持するキャリアCと各後輪11a,11bとの間にディファレンシャルギヤ17を設け、キャリアC,ディファレンシャルギヤ17および各後輪11a,11bをそれぞれ回転軸c1上に配置したので、各モータ13,14から各後輪11a,11bまでの間に設けられる構成部品の部品点数を最小限に抑えることができる。
また、第1実施の形態に係る駆動システム10によれば、遊星歯車機構15の外径寸法を各モータ13,14のコイルの巻径よりも小径とし、各モータ13,14と同軸上でかつ各モータ13,14間に遊星歯車機構15を配置したので、システムの小型化を図ることができる。また、各モータ13,14の各回転軸13c,14c等の回転力を伝達する構成部品の短縮化を図ることができ、回転力の伝達損失を最小限に抑えることができる。
さらに、第1実施の形態に係る駆動システム10によれば、エアコン用コンプレッサ18の駆動方式をベルト駆動方式等の他の駆動方式にすることにより、エンジン車両に搭載される一般的なエアコン用コンプレッサをそのまま利用することができる。
次に、本発明の第2,第3の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の部分には同一の符号を付し、第1実施の形態と異なる部分について説明する。
図5は第2実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図を、図6は第3実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図をそれぞれ表している。
図5に示すように、第2実施の形態に係る駆動システム30は、上述した第1実施の形態に係る駆動システム10に比して、各モータ13,14の外径寸法を異ならせるとともに、車輪駆動用モータ13と遊星歯車機構15との配置関係を図中左右側で逆にした点が異なっている。
エアコン駆動用モータ14の外径寸法は、車輪駆動用モータ13のコイルの巻径よりも小さい寸法に設定され、各ステータ部13a,14aがその径方向に部分的にラップするよう、各モータ13,14を回転軸c1上に隣接配置している。ここで、各モータ13,14の隣接配置とは、駆動システム30を形成する各モータ13,14を除く他の構成部品を各モータ13,14間に配置せず、各モータ13,14を相互に近接させて配置することを言う。
駆動システム30においては、左側後輪11b側から、エアコン駆動用ギヤ16(AG),エアコン駆動用モータ14(AM),車輪駆動用モータ13(WM),遊星歯車機構15(PG)の順に並んでいる。このように、駆動システム30は、[AG−AM−WM−PG]の配置構造を採用している。
駆動システム30における回転力の伝達経路は、上述した第1実施の形態に係る駆動システム10と同じ伝達経路となっており、第1実施の形態に係る駆動システム10と同じ動作をする。駆動システム30の全長L2については、各ステータ部13a,14aを部分的にラップさせたので、第1実施の形態に係る駆動システム10の全長L1と略同じ寸法となっている(L1≒L2)。
駆動システム30においては、各モータ13,14を隣接配置して[AG−AM−WM−PG]の配置構造を採用しているので、ユニットケース31の外郭形状Fを図中左右側で小径化することができ、駆動システム30の外形形状のスリム化を可能としている。また、各モータ13,14への各配線ケーブルを集約させることができるので、駆動システム30の組み立て時における配線作業を簡素化することができる。
図6に示すように、第3実施の形態に係る駆動システム32は、上述した第2実施の形態に係る駆動システム30に比して、各後輪11a,11b間の構成部品の全てを、図中左右側で逆に配置した点が異なっている。つまり、駆動システム32においては、左側後輪11b側から、遊星歯車機構15(PG),車輪駆動用モータ13(WM),エアコン駆動用モータ14(AM),エアコン駆動用ギヤ16(AG)の順に並んでいる。このように、駆動システム32は、[PG−WM−AM−AG]の配置構造を採用している。駆動システム32においても、第2実施の形態に係る駆動システム30と同様の作用効果を奏する。
次に、本発明の第4,第5の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第2実施の形態と同様の部分には同一の符号を付し、第2実施の形態と異なる部分について説明する。
図7は第4実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図を、図8は第5実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図をそれぞれ表している。
図7に示すように、第4実施の形態に係る駆動システム33は、上述した第2実施の形態に係る駆動システム30に比して、各モータ13,14,遊星歯車機構15およびエアコン駆動用ギヤ16の配置関係を異ならせている。駆動システム33においては、左側後輪11b側から、エアコン駆動用モータ14(AM),エアコン駆動用ギヤ16(AG),遊星歯車機構15(PG),車輪駆動用モータ13(WM)の順に並んでいる。このように、駆動システム33は、[AM−AG−PG−WM]の配置構造を採用している。
駆動システム33における回転力の伝達経路は、上述した第2実施の形態に係る駆動システム30と同じ伝達経路となっており、第2実施の形態に係る駆動システム30と同じ動作をする。駆動システム33の全長L3については、各ステータ部13a,14aがラップしない分、第2実施の形態に係る駆動システム30の全長L2よりも若干長くなっている(L3>L2)。
その一方で、駆動システム33においては、ユニットケース34の外郭形状Fを図中左側で小径化することができ、駆動システム33の外形形状を簡素化することができる。これにより、ユニットケース34の鋳型を簡素化して、ユニットケース34の成形を容易にすることができる。
図8に示すように、第5実施の形態に係る駆動システム35は、上述した第4実施の形態に係る駆動システム33に比して、各後輪11a,11b間の構成部品を、ディファレンシャルギヤ17を除いて図中左右側で逆に配置した点が異なっている。つまり、駆動システム35においては、左側後輪11b側から、車輪駆動用モータ13(WM),遊星歯車機構15(PG),エアコン駆動用ギヤ16(AG),エアコン駆動用モータ14(AM)の順に並んでいる。このように、駆動システム35は、[WM−PG−AG−AM]の配置構造を採用している。駆動システム35においても、第4実施の形態に係る駆動システム33と同様の作用効果を奏する。
次に、本発明の第6,第7の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第4実施の形態と同様の部分には同一の符号を付し、第4実施の形態と異なる部分について説明する。
図9は第6実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図を、図10は第7実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図をそれぞれ表している。
図9に示すように、第6実施の形態に係る駆動システム36は、上述した第4実施の形態に係る駆動システム33に比して、車輪駆動用モータ13および遊星歯車機構15を図中左右側で逆に配置し、車輪駆動用モータ13を駆動システム36の中央寄りに配置した点が異なっている。駆動システム36においては、左側後輪11b側から、エアコン駆動用モータ14(AM),エアコン駆動用ギヤ16(AG),車輪駆動用モータ13(WM),遊星歯車機構15(PG)の順に並んでいる。このように、駆動システム36は、[AM−AG−WM−PG]の配置構造を採用している。
駆動システム36における回転力の伝達経路は、上述した第4実施の形態に係る駆動システム33と同じ伝達経路となっており、第4実施の形態に係る駆動システム33と同じ動作をする。駆動システム36の全長L4については、第4実施の形態に係る駆動システム33の全長L3と略同じ寸法となっている(L4≒L3)。
その一方で、駆動システム36においては、車輪駆動用モータ13を駆動システム36の中央寄りに配置しているので、ユニットケース37の外郭形状Fを図中左右側で小径化することができ、駆動システム36の外形形状のスリム化を可能としている。
図10に示すように、第7実施の形態に係る駆動システム38は、上述した第6実施の形態に係る駆動システム36に比して、各後輪11a,11b間の構成部品を、ディファレンシャルギヤ17を除いて図中左右側で逆に配置した点が異なっている。つまり、駆動システム38においては、左側後輪11b側から、遊星歯車機構15(PG),車輪駆動用モータ13(WM),エアコン駆動用ギヤ16(AG),エアコン駆動用モータ14(AM)の順に並んでいる。このように、駆動システム38は、[PG−WM−AG−AM]の配置構造を採用している。駆動システム38においても、第6実施の形態に係る駆動システム36と同様の作用効果を奏する。
次に、本発明の第8の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の部分には同一の符号を付し、第1実施の形態と異なる部分について説明する。
図11は第8実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図を表している。
図11に示すように、第8実施の形態に係る駆動システム39は、上述した第1実施の形態に比して、各モータ13,14,遊星歯車機構15およびエアコン駆動用ギヤ16の回転軸c2を、各ドライブシャフト12a,12bの回転軸c1と平行に設けた点が異なっている。また、回転軸c1と回転軸c2とを平行に設けているため、各回転軸c1,c2との間には、相互に動力伝達可能に駆動ギヤ40および従動ギヤ41を設けている。
回転軸c2側の駆動ギヤ40は、車輪駆動用モータ13とエアコン駆動用ギヤ16との間に配置されており、キャリアCの一端側に一体に設けられている。回転軸c1側の従動ギヤ41は、ディファレンシャルギヤ17の各ピニオン17aを回転自在に支持する支持軸42の他端側に一体に設けられている。そして、駆動ギヤ40の外周に形成されたギヤ歯(図示せず)および、従動ギヤ41の外周に形成されたギヤ歯(図示せず)は噛み合わされている。ここで、動力伝達の方式としては、ギヤによるギヤ方式に代えて、一対のプーリおよび各プーリ間に掛け渡されるベルトによるベルト方式や、一対のスプロケットおよび各スプロケット間に掛け渡されるチェーンによるチェーン方式等を採用することもできる。
駆動システム39においては、左側後輪11b側から、エアコン駆動用モータ14(AM),遊星歯車機構15(PG),車輪駆動用モータ13(WM),駆動ギヤ40(DG),エアコン駆動用ギヤ16(AG)の順に並んでいる。このように、駆動システム39は、[AM−PG−WM−DG−AG]の配置構造を採用している。
駆動システム39における回転力の伝達経路は、上述した第1実施の形態に係る駆動システム10と同じ伝達経路となっており、第1実施の形態に係る駆動システム10と同じ動作をする。駆動システム39の全長L5については、車輪駆動用モータ13とエアコン駆動用ギヤ16との間に駆動ギヤ40を配置した分、第1実施の形態に係る駆動システム10の全長L1よりも若干長くなっている(L5>L1)。
また、ユニットケース43の外郭形状Fは、各ドライブシャフト12a,12bから図中上側に膨出した形状となること以外、第1実施の形態に係る駆動システム10のユニットケース19と同様に、遊星歯車機構15に対応する部分の外径寸法が、他の部分の外径寸法に比して小径となるよう窪んでいる。
駆動システム39においては、回転軸c1と回転軸c2とを平行とし、[AM−PG−WM−DG−AG]の配置構造を採用したので、駆動ギヤ40および従動ギヤ41により減速する(高出力化)ことができる。したがって、駆動ギヤ40と従動ギヤ41との減速比を任意に設定することにより、同じ駆動源(各モータ13,14)を用いて種々の電気自動車に対応することが可能となる。
次に、本発明の第9実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第8実施の形態と同様の部分には同一の符号を付し、第8実施の形態と異なる部分について説明する。
図12は第9実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図を表している。
図12に示すように、第9実施の形態に係る駆動システム44は、上述した第8実施の形態に係る駆動システム39に比して、各モータ13,14の外径寸法を異ならせるとともに、各モータ13,14,遊星歯車機構15,エアコン駆動用ギヤ16および駆動ギヤ40の配置関係を異ならせている。
エアコン駆動用モータ14の外径寸法は、車輪駆動用モータ13のコイルの巻径よりも小さい寸法に設定され、各ステータ部13a,14aがその径方向に部分的にラップするよう、各モータ13,14を回転軸c2上に隣接配置している。駆動システム44においては、左側後輪11b側から、車輪駆動用モータ13(WM),エアコン駆動用モータ14(AM),エアコン駆動用ギヤ16(AG),駆動ギヤ40(DG),遊星歯車機構15(PG)の順に並んでいる。このように、駆動システム44は、[WM−AM−AG−DG−PG]の配置構造を採用している。
駆動システム44における回転力の伝達経路は、上述した第8実施の形態に係る駆動システム39と同じ伝達経路となっており、第8実施の形態に係る駆動システム39と同じ動作をする。駆動システム44の全長L6については、各ステータ部13a,14aを部分的にラップさせたので、第8実施の形態に係る駆動システム39の全長L5と略同じ寸法となっている(L6≒L5)。
駆動システム44においては、各モータ13,14を隣接配置して[WM−AM−AG−DG−PG]の配置構造を採用しているので、ユニットケース45の外郭形状Fを図中右側で小径化することができ、駆動システム44の外形形状のスリム化を可能としている。また、ユニットケース45の鋳型を簡素化することができ、ユニットケース45の成形を容易にすることができる。さらに、各モータ13,14への各配線ケーブルを集約させることができるので、駆動システム44の組み立て時における配線作業を簡素化することができる。
次に、本発明の第10〜第12実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第9実施の形態と同様の部分には同一の符号を付し、第9実施の形態と異なる部分について説明する。
図13は第10実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図を、図14は第11実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図を、図15は第12実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図をそれぞれ表している。
図13に示すように、第10実施の形態に係る駆動システム46は、上述した第9実施の形態に係る駆動システム44に比して、各モータ13,14,遊星歯車機構15,エアコン駆動用ギヤ16および駆動ギヤ40の配置関係を異ならせて、車輪駆動用モータ13を駆動システム46の中央寄りに配置した点が異なっている。駆動システム46においては、左側後輪11b側から、エアコン駆動用ギヤ16(AG),遊星歯車機構15(PG),車輪駆動用モータ13(WM),駆動ギヤ40(DG),エアコン駆動用モータ14(AM)の順に並んでいる。このように、駆動システム46は、[AG−PG−WM−DG−AM]の配置構造を採用している。
駆動システム46における回転力の伝達経路は、上述した第9実施の形態に係る駆動システム44と同じ伝達経路となっており、第9実施の形態に係る駆動システム44と同じ動作をする。駆動システム46の全長L7については、各ステータ部13a,14aがラップしない分、第9実施の形態に係る駆動システム44の全長L6よりも若干長くなっている(L7>L6)。
その一方で、駆動システム46においては、ユニットケース47の外郭形状Fを図中左右側で小径化することができ、駆動システム46の外形形状のスリム化を可能としている。
図14に示すように、第11実施の形態に係る駆動システム48は、上述した第10実施の形態に係る駆動システム46に比して、各モータ13,14,遊星歯車機構15,エアコン駆動用ギヤ16および駆動ギヤ40の配置関係を異ならせている。駆動システム48においては、左側後輪11b側から、エアコン駆動用モータ14(AM),駆動ギヤ40(DG),車輪駆動用モータ13(WM),遊星歯車機構15(PG),エアコン駆動用ギヤ16(AG)の順に並んでいる。このように、駆動システム48は、[AM−DG−WM−PG−AG]の配置構造を採用している。駆動システム48においても、第10実施の形態に係る駆動システム46と同様の作用効果を奏する。
図15に示すように、第12実施の形態に係る駆動システム49は、上述した第11実施の形態に係る駆動システム48に比して、車輪駆動用モータ13をエアコン駆動用モータ14よりも小径とし、各モータ13,14,遊星歯車機構15,エアコン駆動用ギヤ16および駆動ギヤ40の配置関係を異ならせている。駆動システム49においては、左側後輪11b側から、遊星歯車機構15(PG),エアコン駆動用ギヤ16(AG),エアコン駆動用モータ14(AM),駆動ギヤ40(DG),車輪駆動用モータ13(WM)の順に並んでいる。このように、駆動システム49は、[PG−AG−AM−DG−WM]の配置構造を採用している。駆動システム49においても、第11実施の形態に係る駆動システム48と同様の作用効果を奏する。
次に、本発明の第13実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の部分には同一の符号を付し、第1実施の形態と異なる部分について説明する。
図16は第13実施の形態に係る電気自動車用駆動システムを説明する説明図を、図17(a),(b)は図16の駆動システムにおける微低速時(前進,後進)の遊星歯車機構の動作を示す入出力特性線図をそれぞれ表している。
第13実施の形態に係る駆動システム50は、上述した第1実施の形態に係る駆動システム10に比して、正逆方向に回転駆動可能なエアコン駆動用モータ51を設けるとともに、エアコン用コンプレッサ18の回転軸18aにワンウェイクラッチ52を設けた点が異なっている。ワンウェイクラッチ52は、エアコン駆動用モータ51の正方向への回転時にエアコン用コンプレッサ18を作動させ、エアコン駆動用モータ51の逆方向への回転時にエアコン用コンプレッサ18を停止させるものである。
ただし、ワンウェイクラッチ52を設ける位置としては、エアコン用コンプレッサ18の回転軸18aに限らず、図中破線で示すように、エアコン駆動用モータ51の回転軸51cとすることもできる。なお、図中符号51aはエアコン駆動用モータ51のステータ部を、図中符号51bはエアコン駆動用モータ51のロータ部をそれぞれ示している。
次に、以上のように構成した駆動システム50の動作について、[前進時(微低速時)]および[後進時(微低速時)]の場合に分けて、図17を用いて順次説明する。
[前進時(微低速時)]
図17(a)に示すように、例えば、シフトレバーをドライブ位置にしてアクセルペダルを操作し、電気自動車を前進状態(車速2km/h)とする場合には、エアコン駆動用モータ51は所定の回転数N7で逆方向に回転される。このとき、サンギヤSには、図中矢印に示すように負の回転力T7が発生する。また、ワンウェイクラッチ52が空転することによって、エアコン用コンプレッサ18は回転しない。
一方、車輪駆動用モータ13は、シフトレバーがドライブ位置にあること、およびアクセルペダルが操作中であること等をトリガとして、アクセルペダルの踏み込み量に応じた車速(この場合2km/h)が得られるよう、キャリアCの出力(回転数N)をNflとすべく制御される。つまり、車輪駆動用モータ13は所定の回転数N8で正方向に回転される。このとき、リングギヤRには、図中矢印に示すように、正の回転力T8が発生する。
ここで、図中一点鎖線の矢印CRは、車輪駆動用モータ13の制御が不安定となる不安定制御領域を示しており、当該不安定制御領域CRにおいて車輪駆動用モータ13を制御すると車速がばらつく場合がある。つまり、図中一点鎖線に示すように、車輪駆動用モータ13を単体で制御して安定した車速2km/hを得るのが困難となる場合がある。
本実施の形態においては、微低速域における車速のばらつきを回避すべく、エアコン駆動用モータ51を逆方向に回転させ、エアコン駆動用モータ51の負の回転力T7を車輪駆動用モータ13に伝達するようにしている。つまり、図示のように車輪駆動用モータ13を、不安定制御領域CRを外した安定制御領域で制御させることにより、安定した車速2km/h(微低速)を得ることが可能となっている。
[後進時(微低速時)]
図17(b)に示すように、例えば、シフトレバーをリバース位置にしてアクセルペダルを操作し、電気自動車を後進状態(車速2km/h)とする場合には、エアコン駆動用モータ51は所定の回転数N9で正方向に回転される。このとき、サンギヤSには、図中矢印に示すように正の回転力T9が発生する。また、ワンウェイクラッチ52が作動することによって、エアコン用コンプレッサ18が回転する。
一方、車輪駆動用モータ13は、シフトレバーがリバース位置にあること、およびアクセルペダルが操作中であること等をトリガとして、アクセルペダルの踏み込み量に応じた車速(この場合2km/h)が得られるよう、キャリアCの出力(回転数N)をNrlとすべく制御される。つまり、車輪駆動用モータ13は所定の回転数N10で逆方向に回転される。このとき、リングギヤRには、図中矢印に示すように、負の回転力T10が発生する。
このように、エアコン駆動用モータ51を正方向に回転させ、エアコン駆動用モータ51の正の回転力T9を車輪駆動用モータ13に伝達するようにしている。したがって、後進時においても、車輪駆動用モータ13を、不安定制御領域CRを外した安定制御領域で制御させることができ、安定した車速2km/h(微低速)を得ることが可能となっている。
なお、上述した第1実施の形態に係る駆動システム10(図1)〜第12実施の形態に係る駆動システム49(図15)においても、エアコン駆動用モータ14は正方向に回転可能なので、後進時における微低速制御を行うことができる。また、第8実施の形態に係る駆動システム39(図11)〜第12実施の形態に係る駆動システム49(図15)で説明した相互に平行な回転軸c1および回転軸c2を有する駆動システムにも、ワンウェイクラッチを設けることで微低速制御を行うことが可能となる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、電気自動車の左右側で対となる各後輪11a,11bを駆動する駆動システムを示したが、本発明はこれに限らず、電気自動車の左右側で対となる各前輪を駆動する駆動システム、つまり、前輪駆動方式の電気自動車にも適用することができる。
10 駆動システム(電気自動車用駆動システム)
11a 右側後輪(車輪)
11b 左側後輪(車輪)
13 車輪駆動用モータ(第1駆動モータ)
13c 回転軸(第1駆動モータの回転軸)
14 エアコン駆動用モータ(第2駆動モータ)
14c 回転軸(第2駆動モータの回転軸)
15 遊星歯車機構
S サンギヤ(遊星歯車機構,第3回転要素)
P ピニオンギヤ(遊星歯車機構,第2回転要素)
C キャリア(遊星歯車機構)
R リングギヤ(遊星歯車機構,第1回転要素)
17 ディファレンシャルギヤ(左右輪駆動配分機構)
18 エアコン用コンプレッサ

Claims (4)

  1. 所定の定格出力に設定され、回転軸を有する第1駆動モータと、
    前記第1駆動モータよりも小さな定格出力に設定され、エアコン用コンプレッサに連結される回転軸を有する第2駆動モータと、
    前記第1駆動モータの回転軸と前記第2駆動モータの回転軸との間に設けられ、前記各駆動モータ間での回転力の伝達を許容する遊星歯車機構とを備え、
    前記遊星歯車機構は、
    前記第1駆動モータの回転軸に連結される第1回転要素と、
    前記第1回転要素と係合して回転し、車輪に連結される第2回転要素と、
    前記第2回転要素と係合して回転し、前記第2駆動モータの回転軸に連結される第3回転要素とを有し、
    前記エアコン用コンプレッサと前記第2駆動モータとの間に、前記第2駆動モータの正方向への回転時に前記エアコン用コンプレッサを作動させ、前記第2駆動モータの逆方向への回転時に前記エアコン用コンプレッサを停止させるワンウェイクラッチが設けられることを特徴とする電気自動車用駆動システム。
  2. 請求項1記載の電気自動車用駆動システムにおいて、前記第2回転要素をピニオンギヤとし、当該ピニオンギヤを保持するキャリアと前記車輪との間に左右輪駆動力配分機構を設け、前記キャリア,前記左右輪駆動力配分機構および前記車輪をそれぞれ同軸上に配置することを特徴とする電気自動車用駆動システム。
  3. 請求項1または2記載の電気自動車用駆動システムにおいて、前記遊星歯車機構の外径寸法を前記各駆動モータのコイルの巻径よりも小径とし、前記各駆動モータと同軸上でかつ前記各駆動モータ間に前記遊星歯車機構を配置することを特徴とする電気自動車用駆動システム。
  4. 請求項1または2記載の電気自動車用駆動システムにおいて、前記各駆動モータを、それぞれ同軸上に隣接配置することを特徴とする電気自動車用駆動システム。
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