JP4172453B2 - ハイブリッド車の駆動装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンの動力を、モータ・ジェネレータおよび出力部材に分配する動力分配装置を備えたハイブリッド車の駆動装置に関するものである。
従来、複数の駆動力源としてエンジンおよびモータ・ジェネレータを搭載したハイブリッド車が知られており、このようなハイブリッド車においては、エンジンおよびモータ・ジェネレータの持つ特性を生かしつつ、燃費を向上し、かつ、排気ガスの低減を図ることが可能である。このように、駆動力源としてエンジンおよびモータ・ジェネレータを有するハイブリッド車の一例が、特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載されているハイブリッド車は、エンジンおよび第1モータジェネレータおよび第2モータジェネレータを有しており、これらのエンジンおよび第1モータジェネレータおよび第2モータジェネレータが連結される第1遊星歯車列および第2遊星歯車列が設けられている。第1遊星歯車列はシングルピニオン形式のものであり、第1のサンギヤおよび第1のリングギヤと、第1のサンギヤおよび第1のリングギヤに噛合する第1のピニオンギヤを保持するキャリヤとを有している。これに対して、第2遊星歯車列はダブルピニオン形式のものであり、第2のサンギヤおよび第2のリングギヤと、第2のサンギヤおよび第2のリングギヤに噛合する第2のピニオンギヤとを有している。また、前記第1のピニオンギヤが第2のピニオンギヤにも噛合されており、第2のピニオンギヤは、第1のピニオンギヤと共に一体的に公転可能に保持されている。このように、第1の遊星歯車列および第2の遊星歯車列により、いわゆるラヴィニョウ式遊星歯車装置が構成されている。
そして、前記エンジンが、第1遊星歯車列の第1のリングギヤに連結され、第1モータジェネレータが、第2遊星歯車列の第2のサンギヤに連結され、第2モータジェネレータが、第1遊星歯車列の第1のサンギヤに連結され、キャリヤには、減速機を介在させてドライブアクスルが連結されている。さらに、第2遊星歯車列の第2のリングギヤを選択的に固定するブレーキが設けられている。
そして、第2モータジェネレータのみによる走行特性、ブレーキを係合させて第2のリングギヤを停止させ、第1モータジェネレータで発進する走行特性、エンジントルクの反力を第2モータジェネレータで受け持ち、キャリヤの回転数を上昇させる最高車速時の特性、第2モータジェネレータのトルクによりキャリヤを逆回転させる後退時の特性が、共線図に示されている。なお、遊星歯車装置を用いた動力分配装置を有するハイブリッド車は、特許文献2および特許文献3にも記載されている。
特開2003−32808号公報 特開平11−332018号公報 特開平11−334397号公報
ところで、上記の特許文献1の公報に記載されているハイブリッド車においては、エンジン回転数とキャリヤ回転数との比である変速比が小さい運転状態で、第1モータジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御してエンジントルクを受け持つ場合において、第2モータジェネレータで回生制御をおこない、発生した電力を第1モータジェネレータに供給する制御を実行可能である。しかしながら、特許文献1に記載されたハイブリッド車においては、第1モータジェネレータの動力がキャリヤに伝達される構成となっているため、その第1モータジェネレータの動力の一部が、第2モータジェネレータの回生制御により電力に変換されることとなる。その結果、第1モータジェネレータの力行制御により生じた動力が、第2モータジェネレータで電力に変換され、その電力により第1モータジェネレータが力行制御されるという現象、いわゆる動力循環が発生し、ドライブアクスルに対する動力伝達効率が低下する問題があった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、動力分配装置の変速比が小さい場合に、動力循環を回避することの可能なハイブリッド車の駆動装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有している。
また、請求項1の発明は上記の構成に加えて、前記動力分配装置は、ダブルピニオン式の第1の遊星歯車装置および第2の遊星歯車装置を有しており、この第1の遊星歯車装置は、第1のサンギヤおよび第1のリングギヤと、前記第1のサンギヤに噛合された第1のピニオンギヤと、前記第1のリングギヤおよび前記第1のピニオンギヤに噛合された第2のピニオンギヤと、前記第1のピニオンギヤおよび前記第2のピニオンギヤを自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第1のキャリヤとを有しており、前記第2の遊星歯車装置は、第2のサンギヤおよび第2のリングギヤと、前記第2のサンギヤに噛合された第3のピニオンギヤと、前記第2のリングギヤおよび前記第3のピニオンギヤに噛合された第4のピニオンギヤと、前記第3のピニオンギヤおよび前記第4のピニオンギヤを自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第2のキャリヤとを有しており、前記第1のサンギヤと前記第2のリングギヤとが一体回転するように連結され、前記第1のリングギヤと前記第2のキャリヤとが一体回転するように連結され、前記第2のサンギヤが前記第1の回転要素を構成し、前記第1のサンギヤおよび前記第2のリングギヤが前記第2の回転要素を構成し、前記第1のリングギヤおよび前記第2のキャリヤが前記第3の回転要素を構成し、前記第1のキャリヤが前記第4の回転要素を構成していることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、前記動力分配装置は、ダブルピニオン式の第1の遊星歯車装置および第2の遊星歯車装置を有しており、この第1の遊星歯車装置は、第1のサンギヤおよび第1のリングギヤと、前記第1のサンギヤに噛合された第1のピニオンギヤと、前記第1のリングギヤおよび前記第1のピニオンギヤに噛合された第2のピニオンギヤと、前記第1のピニオンギヤおよび前記第2のピニオンギヤを自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第1のキャリヤとを有しており、前記第2の遊星歯車装置は、第2のサンギヤおよび第2のリングギヤと、前記第2のサンギヤに噛合された第3のピニオンギヤと、前記第2のリングギヤおよび前記第3のピニオンギヤに噛合された第4のピニオンギヤと、前記第3のピニオンギヤおよび前記第4のピニオンギヤを自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第2のキャリヤとを有しており、前記第1のサンギヤと前記第2のリングギヤとが一体回転するように連結され、前記第1のリングギヤと前記第2のキャリヤとが一体回転するように連結され、前記第2のサンギヤが前記第1の回転要素を構成し、前記第1のサンギヤおよび前記第2のリングギヤが前記第2の回転要素を構成し、前記第1のリングギヤおよび前記第2のキャリヤが前記第3の回転要素を構成し、前記第1のキャリヤが前記第4の回転要素を構成しており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、このモード選択手段は、前記第1のモータ・ジェネレータが正回転して回生制御され、かつ、第1の所定回転数よりも高回転である場合に、前記第1のモードを選択する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、このモード選択手段は、前記第1のモータ・ジェネレータが逆回転して力行制御され、かつ、第2の所定回転数よりも高回転である場合に、前記第2のモードを選択する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項5の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、このモード選択手段は、前記第1のモータ・ジェネレータが正回転して回生制御され、かつ、前記第1の所定回転数以下である場合、または、前記第1のモータ・ジェネレータが逆回転して力行制御され、かつ、前記第2の所定回転数以下である場合に、前記第3のモードを選択する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項6の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に連結する第4のモードを、更に選択可能に構成されており、前記モード選択手段は、前記エンジンの回転数と前記第1のモータ・ジェネレータの回転数との差が所定値以下であり、かつ、車両における加速要求の変化量が所定値以下である場合に、前記第4のモードを選択する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項7の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に連結する第4のモードを、更に選択可能に構成されており、前記モード選択手段は、前記第1のモータ・ジェネレータまたは前記第2のモータ・ジェネレータの温度が所定温度以上である場合に、前記第4のモードを選択する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項2ないし7のいずれかの構成に加えて、前記モード選択手段は、前記第2のモータ・ジェネレータの出力トルクが所定値以下である場合に、前記各モード同士の切り替えをおこなう手段を含むことを特徴とするものである。
請求項9の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、車輪に対して動力伝達可能に接続され、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力により力行制御が可能な第3のモータ・ジェネレータが設けられており、前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、前記第3の回転要素の回転速度の方が前記第2の回転要素の回転速度よりも低速であり、かつ、前記第2のモータ・ジェネレータが逆回転する場合は、この第2のモータ・ジェネレータを回生制御させることにより、エンジントルクの反力を第2のモータ・ジェネレータで受け持たせるとともに、前記第3のモータ・ジェネレータを力行制御させ、この第3のモータ・ジェネレータのトルクを前記車輪に伝達し、かつ、前記第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を前記第3のモータ・ジェネレータに供給する手段を、更に含むことを特徴とするものである。
請求項10の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、車輪に対して動力伝達可能に接続され、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力により力行制御が可能な第3のモータ・ジェネレータが設けられており、前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、前記第3の回転要素の回転速度の方が前記第2の回転要素の回転速度よりも高速である場合は、前記第1のモータ・ジェネレータを回生制御して、この第1のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持たせるとともに、前記第2のモータ・ジェネレータまたは第3のモータ・ジェネレータの少なくとも一方を力行制御させ、その第2のモータ・ジェネレータまたは第3のモータ・ジェネレータの少なくとも一方のトルクを前記車輪に伝達するとともに、前記第1のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を、前記第2のモータ・ジェネレータまたは前記第3のモータ・ジェネレータに供給する手段を、更に含むことを特徴とするものである。
請求項11の発明は、エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、車輪に対して動力伝達可能に接続され、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力により力行制御が可能な第3のモータ・ジェネレータが設けられており、前記モード選択手段は、前記第2のモードが選択され、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータが逆回転で力行制御され、この第1のモータ・ジェネレータによりエンジントルクの反力を受け持つとともに、第3のモータ・ジェネレータを力行制御する場合に、前記第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を、前記第1のモータ・ジェネレータおよび前記第3のモータ・ジェネレータに供給する手段を、更に含むことを特徴とするものである。
請求項12の発明は、請求項9ないし11のいずれかの構成に加えて、前記モード選択手段は、前記第2のモードから前記第3のモードを経由させて前記第1のモードに変更する場合に、前記第3のモータ・ジェネレータを力行制御させる手段を、更に含むことを特徴とするものである。
請求項13の発明は、請求項9ないし11のいずれかの構成に加えて、前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、前記第3の回転要素の回転速度の方が前記第2の回転要素の回転速度よりも低速であり、かつ、前記第2のモータ・ジェネレータが正回転する場合は、この第2のモータ・ジェネレータを力行制御させることにより、エンジントルクの反力を第2のモータ・ジェネレータで受け持たせるとともに、前記第3のモータ・ジェネレータを力行制御させる手段を、更に含むことを特徴とするものである。
請求項14の発明は、請求項9ないし11のいずれかの構成に加えて、前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、前記第2のモータ・ジェネレータが逆回転し、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータを力行制御することにより、停止しているエンジンをクランキングさせる場合は、前記第2のモータ・ジェネレータで回生制御を実行させ、前記第3のモータ・ジェネレータを力行制御する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項15の発明は、請求項9ないし11のいずれかの構成に加えて、前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、車両が低速から高速の範囲で走行する場合は、この車両を四輪駆動車として走行する要求に応じて、前記エンジンの運転状態が高効率となり、かつ、電力流通量が最小となるように、前記第1のモータ・ジェネレータおよび第2のモータ・ジェネレータおよび第3のモータ・ジェネレータを制御する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、請求項1の発明によれば、エンジンの動力が、第1の遊星歯車装置の第1のサンギヤ、および第2の遊星歯車装置の第2のリングギヤに伝達される。そして、第1のモータ・ジェネレータに連結された第2の遊星歯車装置の第2のサンギヤが、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジンの動力が第2のキャリヤを経由して出力部材に伝達される。そして、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を小さく制御する場合に、第2のモータ・ジェネレータを第1の遊星歯車装置の第1のサンギヤに連結すると、エンジンの動力が第2の遊星歯車装置および第2のモータ・ジェネレータに分配される。
請求項2の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、請求項2の発明によれば、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
請求項2の発明によれば、エンジンの動力が、第1の遊星歯車装置の第1のサンギヤ、および第2の遊星歯車装置の第2のリングギヤに伝達される。そして、第1のモータ・ジェネレータに連結された第2の遊星歯車装置の第2のサンギヤが、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジンの動力が第2のキャリヤを経由して出力部材に伝達される。そして、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を小さく制御する場合に、第2のモータ・ジェネレータを第1の遊星歯車装置の第1のサンギヤに連結すると、エンジンの動力が第2の遊星歯車装置および第2のモータ・ジェネレータに分配される。
請求項2の発明によれば、第1のモータ・ジェネレータと蓄電装置との間における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第4のモードを選択的に切り換えることが可能である。
請求項3の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、請求項3の発明によれば、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、請求項3の発明によれば、切替機構を制御して、第1のモータ・ジェネレータと蓄電装置との間における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えることが可能である。
また、請求項3の発明によれば、第1のモータ・ジェネレータが正回転して回生制御され、かつ、第1のモータ・ジェネレータの回転数が、第1の所定回転数よりも高回転である場合に、第1のモードを選択することが可能である。この第1のモードが選択された場合は、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのいずれか一方で受け持つことが可能である。
請求項4の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、請求項4の発明では、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、請求項4の発明によれば、切替機構を制御して、第1のモータ・ジェネレータと蓄電装置との間における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えることが可能である。さらに、請求項4の発明によれば、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータを逆回転して力行制御し、エンジントルクの反力を第1のモータ・ジェネレータで受け持つことが可能である。また、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、その電力を第1のモータ・ジェネレータに供給することができる。
請求項5の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、請求項5の発明によれば、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、請求項5の発明によれば、切替機構を制御して、第1のモータ・ジェネレータと蓄電装置との間における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えることが可能である。さらに、請求項5の発明によれば、エンジントルクの反力を第1のモータ・ジェネレータで受け持つ場合において、第1のモータ・ジェネレータが正回転して回生制御され、第1のモータ・ジェネレータの回転数が、第1の所定回転数以下であるか、または、第1のモータ・ジェネレータが逆回転して力行制御され、かつ、第2の所定回転数以下である場合は、第2のモータ・ジェネレータが、第2の回転要素および第4の回転要素から解放される。したがって、第2のモータ・ジェネレータの空転による逆起電力の発生を防止することができる。
請求項6の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、請求項6の発明によれば、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、請求項6の発明によれば、切替機構を制御して、第1のモータ・ジェネレータと蓄電装置との間における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えることが可能である。さらに、請求項6の発明によれば、出力部材と、エンジンに連結された第2の回転要素とが一体回転するため、エンジントルクの反力をモータ・ジェネレータで受けることなく、エンジントルクを出力部材に伝達することが可能である。したがって、第1のモータ・ジェネレータおよび第2のモータ・ジェネレータを無負荷にすることが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
請求項7の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、請求項7の発明によれば、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、請求項7の発明によれば、切替機構を制御して、第1のモータ・ジェネレータと蓄電装置との間における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えることが可能である。さらに、請求項7の発明によれば、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの温度が所定温度以上であり、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの機能が低下している場合には、第4のモードを選択すると、出力部材と、エンジンに連結された第2の回転要素とが一体回転するため、エンジントルクの反力をモータ・ジェネレータで受けることなく、エンジントルクを出力部材に伝達することが可能である。このため、第1のモータ・ジェネレータおよび第2のモータ・ジェネレータの機能が低下している場合、例えばフェール時においても、エンジントルクを出力部材に伝達することが可能である。
請求項8の発明によれば、請求項2ないし7のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、第2のモータ・ジェネレータの出力トルクが所定値以下である場合に、各モード同士の切り替えがおこなわれる。したがって、モードの切り替えにともなうショックを抑制できる。
請求項9の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、請求項9の発明によれば、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、請求項9の発明によれば、切替機構を制御して、第1のモータ・ジェネレータと蓄電装置との間における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えることが可能である。さらに、請求項9の発明によれば、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を、第3のモータ・ジェネレータに供給することが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。例えば、第2のモータ・ジェネレータを回生制御して得られた電力を第1のモータ・ジェネレータおよび第3のモータ・ジェネレータに分配することが可能であるため、第1のモータ・ジェネレータに分配されるエネルギ量を少なくし、かつ、第3のモータ・ジェネレータに分配するエネルギ量を増加することが可能である。これに対して、第3のモータ・ジェネレータが設けられていない場合は、第2のモータ・ジェネレータから第1のモータ・ジェネレータに供給されるエネルギ量が増加するため、第3のモータ・ジェネレータに供給することを想定したエネルギ量を、前述したエネルギに加えると、電気回路を流通するエネルギ量は、第3のモータ・ジェネレータが設けられている場合よりも多くなる。
また、請求項9の発明によれば、第1のモードが選択され、かつ、第3の回転要素の回転速度の方が第2の回転要素の回転速度よりも低速であり、かつ、前記第2のモータ・ジェネレータが逆回転する場合は、この第2のモータ・ジェネレータを回生制御して、エンジントルクの反力を第2のモータ・ジェネレータで受け持たせるとともに、第3のモータ・ジェネレータを力行制御させ、第3のモータ・ジェネレータのトルクを車輪に伝達し、かつ、第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力が第3のモータ・ジェネレータに供給される。したがって、動力分配装置の変速比が大きい場合(減速時)における動力伝達効率が向上する。
請求項10の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、請求項10の発明では、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、請求項10の発明によれば、切替機構を制御して、第1のモータ・ジェネレータと蓄電装置との間における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えることが可能である。さらに、請求項10の発明によれば、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を、第3のモータ・ジェネレータに供給することが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。例えば、第2のモータ・ジェネレータを回生制御して得られた電力を第1のモータ・ジェネレータおよび第3のモータ・ジェネレータに分配することが可能であるため、第1のモータ・ジェネレータに分配されるエネルギ量を少なくし、かつ、第3のモータ・ジェネレータに分配するエネルギ量を増加することが可能である。これに対して、第3のモータ・ジェネレータが設けられていない場合は、第2のモータ・ジェネレータから第1のモータ・ジェネレータに供給されるエネルギ量が増加するため、第3のモータ・ジェネレータに供給することを想定したエネルギ量を、前述したエネルギに加えると、電気回路を流通するエネルギ量は、第3のモータ・ジェネレータが設けられている場合よりも多くなる。
さらに、請求項10の発明によれば、第1のモードが選択され、かつ、第3の回転要素の回転速度の方が第2の回転要素の回転速度よりも高速である場合は、第1のモータ・ジェネレータを回生制御してエンジントルクの反力を受け持たせるとともに、第2のモータ・ジェネレータまたは第3のモータ・ジェネレータの少なくとも一方を力行制御させ、その第2のモータ・ジェネレータまたは第3のモータ・ジェネレータの少なくとも一方のトルクが車輪に伝達される。また、第1のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を、第2のモータ・ジェネレータまたは第3のモータ・ジェネレータに供給することが可能である。したがって、動力分配装置の変速比が小さい場合(増速時)における動力伝達効率が向上する。
請求項11の発明によれば、エンジントルクまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力が動力分配装置に入力され、かつ、出力部材から出力される。そして、第1のモータ・ジェネレータを逆転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持ち、エンジン回転数と出力部材の回転数との比、つまり、動力分配装置の変速比を小さく制御することが可能である。ここで、動力分配装置の変速比を小さくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結させ、かつ、エンジンの動力の一部を第2のモータ・ジェネレータに伝達して回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータに供給する制御を実行可能である。このように、第2のモータ・ジェネレータを第2の回転要素に連結すると、「動力分配装置の変速比が小さい場合に、第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
さらに、請求項11の発明によれば、エンジン回転数と出力部材の回転数との変速比を大きくする場合は、第2のモータ・ジェネレータを第4の回転要素に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータのうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、請求項11の発明によれば、切替機構を制御して、第1のモータ・ジェネレータと蓄電装置との間における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えることが可能である。さらに、請求項11の発明によれば、第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を、第3のモータ・ジェネレータに供給することが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。例えば、第2のモータ・ジェネレータを回生制御して得られた電力を第1のモータ・ジェネレータおよび第3のモータ・ジェネレータに分配することが可能であるため、第1のモータ・ジェネレータに分配されるエネルギ量を少なくし、かつ、第3のモータ・ジェネレータに分配するエネルギ量を増加することが可能である。これに対して、第3のモータ・ジェネレータが設けられていない場合は、第2のモータ・ジェネレータから第1のモータ・ジェネレータに供給されるエネルギ量が増加するため、第3のモータ・ジェネレータに供給することを想定したエネルギ量を、前述したエネルギに加えると、電気回路を流通するエネルギ量は、第3のモータ・ジェネレータが設けられている場合よりも多くなる。
請求項11の発明によれば、第2のモードが選択され、かつ、第1のモータ・ジェネレータが逆回転で力行制御され、第1のモータ・ジェネレータによりエンジントルクの反力が受け持たれているとともに、第3のモータ・ジェネレータが力行制御されている場合に、第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を、第1のモータ・ジェネレータおよび第3のモータ・ジェネレータに供給することが可能である。したがって、高速走行時において、動力循環を起こすことなく車両運動性能を確保できる。
請求項12の発明によれば、請求項9ないし11のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、第2のモードから第1のモードに変更する過程で、第3のモードが選択されて、第2のモータ・ジェネレータが、第2の回転要素および第4の回転要素から共に解放された場合は、車両の駆動力を第2のモータ・ジェネレータで補うことができなくなるが、その第3のモードが選択されている間、第3のモータ・ジェネレータを力行制御させることにより、車両の駆動力を補うことが可能である。したがって、第2のモードから第1のモードに切り替える過程で、ドライバビリティが低下することを抑制できる。
請求項13の発明によれば、請求項9ないし11のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、第1のモードが選択され、かつ、第3の回転要素の回転速度の方が第2の回転要素の回転速度よりも低速であり、かつ、第2のモータ・ジェネレータが正回転する場合は、第2のモータ・ジェネレータを力行制御させることにより、エンジントルクの反力を第2のモータ・ジェネレータで受け持たせるとともに、第3のモータ・ジェネレータを力行制御させることができる。
請求項14の発明によれば、請求項9ないし11のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、第1のモードが選択され、かつ、第2のモータ・ジェネレータが逆回転し、かつ、第1のモータ・ジェネレータを力行制御することにより、停止しているエンジンをクランキングさせる場合は、第2のモータ・ジェネレータで回生制御を実行させ、第3のモータ・ジェネレータを力行制御することができる。
請求項15の発明によれば、請求項9ないし11のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、第1のモードが選択され、かつ、車両が低速から高速の範囲で走行する場合は、車両を四輪駆動車として走行する要求に応じて、エンジンの運転状態が高効率となり、かつ、電力流通量が最小となるように、第1のモータ・ジェネレータおよび第2のモータ・ジェネレータおよび第3のモータ・ジェネレータを制御することができる。
この発明におけるハイブリッド車は、複数種類の駆動力源として、エンジンおよびモータ・ジェネレータを有しているとともに、エンジントルクをモータ・ジェネレータおよび車輪に分配する動力分配装置を有している。そして、エンジントルクの反力をモータ・ジェネレータで受け持ち、そのモータ・ジェネレータの出力を制御することにより、エンジン回転数を無段階(連続的)に調整可能である。以下、この発明におけるハイブリッド車の実施例を、図面に基づいて説明する。
まず、車両(ハイブリッド車)Veの概略構成を、図1に基づいて説明する。図1には、車両Veのドライブトレーン、およびそのハイブリッド車の駆動装置の制御系統の一例が示されている。図1に示す車両(ハイブリッド車)Veは、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)形式の車両であり、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3が、共に、動力分配装置4に連結されているとともに、動力分配装置4から出力された動力が、最終減速機5を経由して後輪(車輪)6に伝達されるように構成されている。
前記エンジン1には、外燃機関および内燃機関が含まれるが、この実施例では、内燃機関、より具体的には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジン、メタノールエンジン、水素エンジンなどを用いることが可能である。このエンジン1は、電子スロットルバルブ(図示せず)などの制御により、出力を制御可能に構成されている。そして、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3が同軸上に配置されている。これら、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3の回転部材の軸線(図示せず)は、車両Veの前後方向に配置されている。
また、車両Veの前後方向において、エンジン1の後方に第2のモータ・ジェネレータ3が配置されており、第2のモータ・ジェネレータ3の後方に第1のモータ・ジェネレータ2が配置されている。そして、車両Veの前後方向において、第2のモータ・ジェネレータ3と第1のモータ・ジェネレータ2との間に、前記動力分配装置4が配置されている。また、第1のモータ・ジェネレータ2の定格および外径よりも、第2のモータ・ジェネレータ3の定格および外径の方が大きく構成されている。
さらに、前記動力分配装置4は、エンジン1の動力を、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3およびアウトプットシャフト(後述)に分配する機能を有する装置であり、動力分配装置4は、第1の遊星歯車装置7および第2の遊星歯車装置8を有している。第1の遊星歯車装置7は、ダブルピニオン式の遊星歯車装置であり、第1の遊星歯車装置7は、同軸上に配置された第1のサンギヤ9および第1のリングギヤ10と、第1のサンギヤ9に噛合された第1のピニオンギヤ11と、第1のリングギヤ10および第1のピニオンギヤ11に噛合された第2のピニオンギヤ12と、第1のピニオンギヤ11および第2のピニオンギヤ12を個別に自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第1のキャリヤ13とを有している。
一方、第2の遊星歯車装置8は、同軸上に配置された第2のサンギヤ14および第2のリングギヤ15と、第2のサンギヤ14に噛合された第3のピニオンギヤ16と、第2のリングギヤ15および第3のピニオンギヤ16に噛合された第4のピニオンギヤ17と、第3のピニオンギヤ16および第4のピニオンギヤ17を個別に自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第2のキャリヤ18とを有している。そして、第1のサンギヤ9と第2のリングギヤ15とが一体回転するように連結され、第1のリングギヤ10と第2のキャリヤ18とが一体回転するように連結されている。さらに、第1のサンギヤ9および第2のリングギヤ15と一体回転するように連結されたインプットシャフト19が設けられており、このインプットシャフト19がエンジン1に連結されている。さらにまた、キャリヤ18と一体回転するアウトプットシャフト20が設けられており、アウトプットシャフト20が最終減速機5に連結されている。
前記第1のモータ・ジェネレータ2はアウトプットシャフト20の外周側に配置されており、ロータ21およびステータ22を有している。このロータ21が、第2の遊星歯車装置8の第2のサンギヤ14に連結されている。一方、前記第2のモータ・ジェネレータ3はインプットシャフト19の外周側に設けられており、ロータ23およびステータ24を有している。そして、第2のモータ・ジェネレータ3のロータ23と第1のキャリヤ13とを選択的に連結・解放する第1のクラッチC1が設けられている。また、第2のモータ・ジェネレータ3のロータ23とインプットシャフト19とを選択的に連結・解放する第2のクラッチC2が設けられている。第1のクラッチC1および第2のクラッチC2としては、摩擦クラッチ、電磁クラッチ、噛み合いクラッチなどを用いることが可能である。
ここで、動力分配装置4における各回転要素同士の位置関係を、図2の共線図A1に基づいて説明する。横軸に回転要素の配置位置が示され、縦軸に回転方向および回転数が示されている。横軸の基線B1上における両端に、第2のサンギヤ14と第1のキャリヤ13とが配置されている。また、基線B1上において、第2のサンギヤ14と第1のキャリヤ13との間に、他の回転要素が配置されている。すなわち、第1のサンギヤ9および第2のリングギヤ15およびエンジン1が、基線B1上の同一位置に配置され、第1のリングギヤ10および第2のキャリヤ18およびアウトプットシャフト20が、基線B1上の同一位置に配置されている。さらに、基線B1上で、第1のサンギヤ9および第2のリングギヤ15およびエンジン1と、第1のキャリヤ13との間に、第1のリングギヤ10および第2のキャリヤ18およびアウトプットシャフト20が配置されている。また、第1のモータ・ジェネレータ2は、第2のサンギヤ14に連結されている。
前記第1のモータ・ジェネレータ2にはインバータ25が接続され、第2のモータ・ジェネレータ3にはインバータ26が接続されており、インバータ25,26には、蓄電装置としての二次電池27が接続されている。二次電池27としては、バッテリまたはキャパシタを用いることが可能である。第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3は、いずれも電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有している。
この実施例においては、運動エネルギを電気エネルギに変換して二次電池27に充電する制御を、回生制御または発電制御と称しており、略同義として使用している。このように、二次電池27と、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3との間で、インバータ25,26を経由して相互に電力の授受をおこなうことが可能に構成されている。また、第1のモータ・ジェネレータ2と第2のモータ・ジェネレータ3との間で、二次電池27を経由することなく、電力の授受をおこなうことも可能となるように、電線が取り廻されている。このように、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3およびインバータ25,26および二次電池27および電線を含む構成により、電気回路M1が形成されている。さらに、第1のクラッチC1および第2のクラッチC2を制御するアクチュエータ28が設けられている。さらに、車両Veの全体を制御するコントローラとして電子制御装置29が設けられている。
この電子制御装置29において、車速、加速要求(アクセル開度)、制動要求、エンジン回転数、二次電池27の充電量、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3の回転数、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3の温度などの信号が入力され、電子制御装置29からは、エンジン1の出力(回転数×トルク)を制御する信号、インバータ25,26を介して第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3を制御する信号、アクチュエータ28を介して第1のクラッチC1および第2のクラッチC2を制御する信号などが出力される。
上記のように構成された車両Veにおいては、車速およびアクセル開度に基づいて要求駆動力が算出され、この要求駆動力に基づいて目標エンジン出力が求められる。そして、目標エンジン出力と、予め定められている最適燃費曲線とに基づいて、目標エンジン回転数および目標エンジントルクが求められる。そして、実エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づける場合、第1のモータ・ジェネレータ2または第2のモータ・ジェネレータ3により、反力トルクを受け持ち、反力トルクを受け持つモータ・ジェネレータの出力を制御することにより、実エンジン回転数が制御される。
上記のように、この実施例においては、動力分配装置4を構成する4つの回転要素の差動作用により、インプットシャフト19の回転数とアウトプットシャフト20の回転数との比、すなわち変速比を無段階に(連続的に)制御可能である。そして、基本的には、第1のモータ・ジェネレータ2によりエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、主として、第1のモータ・ジェネレータ2の状態に基づいて、第1のクラッチC1および第2のクラッチC2を制御するために、各種のモードを選択的に切替可能である。
この実施例においては第1のモードないし第4のモードを選択可能である。まず、第1のモードが選択された場合は、第1のクラッチC1が係合され、第2のクラッチC2が解放される。例えば、第1のモータ・ジェネレータ2を正回転で回生制御し、第1のモータ・ジェネレータ2でエンジントルクの反力を受け持つ場合に、第1のモードを選択可能である。さらに、第1のモードが選択された場合は、第2のモータ・ジェネレータ3が第1のキャリヤ13に連結されるため、要求駆動力に応じて第2のモータ・ジェネレータ3を力行制御し、アウトプットシャフト20に伝達するべきトルクをアシストすることも可能である。
つぎに、第2のモードが選択された場合は、第1のクラッチC1が解放され、第2のクラッチC2が係合される。例えば、第1のモータ・ジェネレータ2が逆回転で力行制御され、第1のモータ・ジェネレータ2でエンジントルクの反力を受け持つ場合に、第2のモードを選択可能である。さらに、第2のモードが選択された場合は、第2のモータ・ジェネレータ3が第1のサンギヤ9に連結されるため、第2のモータ・ジェネレータ3を回生制御し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータ2に供給することが可能である。なお、第1のモータ・ジェネレータ2が逆回転で力行制御される場合、インプットシャフト19の回転数の方がアウトプットシャフト20の回転数よりも低速となり、動力分配装置4が減速機として機能する。
さらに、第3のモードが選択された場合は、第1のクラッチC1および第2のクラッチC2が共に解放される。例えば、第1のモータ・ジェネレータ2を正回転で回生制御して、第1のモータ・ジェネレータ2でエンジントルクの反力を受け持つ場合に、第3のモードを選択可能である。さらに、第3のモードが選択された場合は、第2のモータ・ジェネレータ3が、第1のサンギヤ9および第1のキャリヤ13から解放されて、第2のモータ・ジェネレータ3が停止する。つまり、第2のモータ・ジェネレータ3では、力行制御または回生制御もおこなわない無負荷状態となる。
なお、第1のモードまたは第3のモードが選択されると、インプットシャフト19の回転数の方がアウトプットシャフト20の回転数よりも低速となる場合、インプットシャフト19の回転数の方がアウトプットシャフト20の回転数よりも高速となる場合、インプットシャフト19の回転数とアウトプットシャフト20の回転数とが一致する場合、のいずれもが生じ得る。
さらに、第4のモードが選択された場合は、第1のクラッチC1および第2のクラッチC2が共に係合される。この第4のモードが選択された場合は、動力分配装置4を構成する回転要素が一体回転し、インプットシャフト19の回転数とアウトプットシャフト20の回転数とが同じ、つまり、動力分配装置4における変速比が「1」となる。この第4のモードが選択された場合は、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3を共に空転させ、かつ、無負荷状態とすることが可能である。
つぎに、上記の各種のモードの切り替え制御例を、図3のフローチャートに基づいて説明する。まず、第1のモータ・ジェネレータ2または第2のモータ・ジェネレータ3の少なくとも一方の温度が、許容温度よりも高いか否かが判断される(ステップS1)。この許容温度は、反力トルクを受け持つモータ・ジェネレータの力行機能または回生機能を、温度から判断するために設定されている。そして、温度と反力トルクとの対応関係がマップ化されて記憶されている。なお、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3の温度は、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3を冷却する潤滑油の油温から判断することが可能である。このステップS1で否定的に判断された場合は、加速要求(アクセル開度の変化量(増加量))が規定値以下であるか否かが判断される(ステップS2)。
このステップS2で否定的に判断された場合は、運転者の加速意図があると判定し、車両Veを加速する制御を実行する。このとき、第1のモードないし第3のモードの切り替え判定の基準を決定する(ステップS3)。このステップS3においては、モードの切り替え判定の基準が、第1のモータ・ジェネレータ1の回転方向、回転数、力行制御または回生制御のいずれであるかなどの条件により決定される。具体的には、エンジントルクの反力を第1のモータ・ジェネレータ2で受ける場合を想定し、図2の共線図A1に示すように、第1の基準回転数Tg1および第2の基準回転数Tg2を決定する。ここで、第1の基準回転数Tg1は、第1のモータ・ジェネレータ2が正回転する場合の基準数であり、第2の基準回転数Tg2は、第1のモータ・ジェネレータ2が逆回転する場合の基準である。なお、第1のモータ・ジェネレータ2の正回転とは、エンジン1の回転方向と同じ回転方向であり、第1のモータ・ジェネレータ2の逆回転とは、エンジン1の回転方向とは逆の回転方向である。
ここで、ステップS3における第1の基準回転数Tg1および第2の基準回転数Tg2の設定方法を説明する。まず、第1の基準回転数Tg1を設定する場合、二次電池27における要求充電量が多いほど、第1の基準回転数Tg1が高回転数に設定される。また、第2の基準回転数Tg2を設定する場合、二次電池27における要求放電量が多いほど、第2の基準回転数Tg2が高回転数に設定される。
さらに、第1の基準回転数Tg1と第2の基準回転数Tg2との間の範囲(幅)D1を設定する方法を説明する。例えば、車速の変化量およびアクセル開度の変化量が小さく、かつ、二次電池27における電力の変化量の絶対値が小さくなるほど、範囲D1を広く設定することが可能である。つまり、車速の変化量およびアクセル開度の変化量が大きく、かつ、二次電池27における電力の変化量の絶対値が大きくなるほど、範囲D1を狭く設定することが可能である。
上記のステップS3についで、エンジントルクの反力を第1のモータ・ジェネレータ2で受け持つ場合における実回転数Tgを、第1の基準回転数Tg1および第2の基準回転数Tg2と対比する(ステップS4)。このステップS4において、第1のモータ・ジェネレータ2が正回転し、かつ、実回転数Tgが第1の基準回転数Tg1よりも高回転数となる場合は、ステップS5に進んで第1のモードを選択し、リターンされる。第1のモードが選択された場合における各回転要素の状態の一例を、図2の線分E1で示す。
これに対して、ステップS4において、第1のモータ・ジェネレータ2が逆回転し、かつ、実回転数Tgが第2の基準回転数Tg2よりも高回転数となる場合は、ステップS6に進んで第2のモードを選択し、リターンされる。第2のモードが選択された場合における各回転要素の状態の一例を、図2の線分E2で示す。
さらに、ステップS4において、第1のモータ・ジェネレータ2の回転方向に関わりなく、実回転数Tgが、第1の基準回転数Tg1以下、または第2の基準回転数Tg2以下である場合は、ステップS7に進んで第3のモードを選択し、リターンされる。第3のモードが選択された場合における各回転要素の状態の一例を、図2の線分E3で示す。なお、この第3のモード3は、第1のモードと第2のモードとで切り替えをおこなう場合に、過渡的に選択されるモードである。
一方、前記ステップS2で肯定的に判断された場合は、エンジン回転数と第1のモータ・ジェネレータ2の実回転数Tgとの差が規定値以下であるか否かが判断される(ステップS8)。このステップS8で用いられる規定値は、第1のクラッチC1および第2のクラッチC2を共に係合させることにより生じるショックの程度を判断するためのものであり、このステップS8で肯定的に判断された場合は、上記ショックが生じないか、または運転者に体感されることのない程度のショック(許容されるショック)であると判断して、ステップS9に進んで第4のモードを選択し、リターンされる。なお、ステップS8で否定的に判断された場合は、前記ステップS3に進む。さらに、前記ステップS1で肯定的に判断された場合は、第1のモータ・ジェネレータ2または第3のモータ・ジェネレータ3のいずれかにより、エンジントルクの反力を受け持つことが困難であるため、ステップS9に進む。第4のモードが選択された場合における各回転要素の状態の一例を、図2の線分E4で示す。
以上のように、図3の制御例を実行するとともに、第1のモータ・ジェネレータ2を逆回転させ、かつ、力行制御することにより、エンジントルクの反力を受け持っている場合は、インプットシャフト19の回転数よりもアウトプットシャフト20の回転数の方が高くなる、いわゆる増速状態(変速比が「1」よりも小さい状態)となる。このような状況において、ステップS6に進んで第2のモードを選択すると、第2のモータ・ジェネレータ3で回生制御を実行し、発生した電力を第1のモータ・ジェネレータ2に供給する制御を実行可能である。このため、「第1のモータ・ジェネレータの動力の一部が第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換され、その電力が第1のモータ・ジェネレータに供給されて、再び動力に変換される現象、いわゆる動力循環」を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
ここで、動力分配装置における動力伝達効率の一例を、図4の線図により説明する。図4において、横軸には動力分配装置の変速比が示され、縦軸には動力伝達効率が示されている。この実施例においては、実線で示すような特性が得られる。これに対して、第1の比較例の特性が、一点鎖線で示され、第2の比較例が、破線で示されている。第1の比較例とは、動力分配装置が、差動回転可能な3つの回転要素を有している構成である。第2の比較例とは、動力分配装置が、差動回転可能な4つの回転要素を有しているとともに、第2のモータ・ジェネレータの連結される回転要素を変更できない構成である。図4の線図に示すように、動力分配装置の変速比が所定値ρ1よりも小さい場合において、第2のモードを選択することにより、実施例の特性の方が、第1の実施例および第2の比較例の特性よりも動力伝達効率が高くなる領域F1が生成される。
このように、動力分配装置4の増速時に、領域F1の変速比を選択できるようにするために、最終減速機5における減速比および、エンジントルクの反力を受けるモータ・ジェネレータの出力を制御する。具体的には、動力分配装置4で選択する変速比が小さいほど、最終減速機5の減速比を小さく設定するとともに、モータ・ジェネレータの出力およびトルクを低下させる。このような設計により、第1の比較例における変速比の使用範囲G1に対して、実施例における変速比の使用範囲をG2のように小変速比側にシフトさせることが可能である。その結果、駆動装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
さらに、この実施例では、インプットシャフト19とアウトプットシャフト20との変速比を大きくする場合は、ステップS5のように第1のモードを選択して第2のモータ・ジェネレータ3を第1のキャリヤ13に連結することにより、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータ2または第2のモータ・ジェネレータ3のうち、いずれか一方で受け持つことが可能である。このようにすると、共線図A1における各回転要素とモータ・ジェネレータとの位置関係、およびモータ・ジェネレータの回転数などの条件に基づいて、出力が低い方のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持つことが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。
また、図3のステップS4ないしステップS7においては、第1のモータ・ジェネレータ2と二次電池27との間の電気回路M1における電力流通量が相対的に少なくなるように、第1のモードないし第3のモードを選択的に切り替えている。
ところで、第1のモータ・ジェネレータ2の実回転数Tgの方が第2の基準回転数Tg2よりも高回転となり、第1のモータ・ジェネレータ2の力行制御による消費電力が大きいと、二次電池27の電力量が低下する可能性がある。これに対して、図3の制御例では、第1のモータ・ジェネレータ2の実回転数Tgの方が第2の基準回転数Tg2よりも高回転になると、ステップS6に進んで第2のモードが選択されるとともに、第2のモータ・ジェネレータ3で回生制御をおこない、その電力を第1のモータ・ジェネレータ2に供給することができるため、二次電池27の電力量の低下を抑制できる。
さらに、エンジントルクの反力を第1のモータ・ジェネレータ2で受け持つ場合において、第1のモータ・ジェネレータ2が正回転して回生制御され、第1のモータ・ジェネレータ2の実回転数Tgが、第1の基準回転数Tg1以下であるか、または、第1のモータ・ジェネレータ2が逆回転して力行制御され、かつ、第1のモータ・ジェネレータ2の実回転数Tgが、第2の基準回転数Tg2以下である場合は、ステップS7に進んで第3のモードが選択されて、第2のモータ・ジェネレータ3が、第1のサンギヤ9および第1のキャリヤ13から共に解放される。したがって、第2のモータ・ジェネレータ3の空転による逆起電力の発生を防止することができる。
さらに、ステップS8を経由してステップS9に進み、第4のモードが選択された場合は、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3を無負荷にすることが可能であり、動力伝達効率が一層向上する。また、エンジントルクの反力をモータ・ジェネレータで受けずに済む。また、この第4のモードが選択された場合は、特定のエンジン運転点、具体的には、動力分配装置4の変速比を前提として、最適燃費曲線における効率が最高となるエンジントルクでの運転状況では、エンジン1および駆動装置全体の効率が共に最良となるという理由により、動力伝達効率が向上する。
さらにまた、第1のモータ・ジェネレータ2または第2のモータ・ジェネレータ3の温度が所定温度以上であり、第1のモータ・ジェネレータ2または第2のモータ・ジェネレータ3による反力トルクの受け持ち機能が低下している場合には、ステップS1で肯定的に判断されて第4のモードに進む。したがって、エンジントルクの反力をモータ・ジェネレータで受けることなく、エンジントルクをアウトプットシャフト20に伝達することが可能である。
さらにまた、図3の制御例において、各モード同士の切り替えをおこなう場合に、第2のモータ・ジェネレータ3の出力トルクが所定値以下、例えば、零ニュートン・メートル(無負荷状態)である場合に、各モード同士の切り替えをおこなうことが可能である。したがって、モードの切り替えに伴うショックを抑制できる。つまり、上記の「所定値」はモードの切り替えに伴うショックの程度を判断するためのものである。さらに、図3の制御例において、第1のモードないし第3のモード同士の間で相互に切り替えをおこなう場合に、所定のモードから他のモードに切り替わった後、第1のモータ・ジェネレータ2の回転数がわずかに変化しただけで、再度、所定のモードに戻ることを回避するため、各基準回転数にそれぞれヒステリシスを設定することが可能である。このようなヒステリシスの設定に際して、アクセル開度の変化量が大きい場合は、ヒステリシスを小さく設定し、アクセル開度の変化量が小さい場合は、ヒステリシスを大きく設定することができる。さらに、第2のモータ・ジェネレータ3は、電流値の制御により出力を容易に、かつ、高精度に制御可能であるため、第1のクラッチC1および第2のクラッチC2として、噛み合いクラッチなどの簡易な構造のものを用いることが可能であり、製造コストの上昇を抑制できる。また、噛み合いクラッチを用いると引き摺りもない。
さらに、第2のモータ・ジェネレータ3は第1のモータ・ジェネレータ2よりも定格および外径が大きいため、フロアーの下方空間で比較的自由度が高い前方側、例えば、ダッシュパネルの下方などに第2のモータ・ジェネレータ3を配置することにより、車両Veの前後方向における全長の短縮化(コンパクト化)を図ることができる。
ここで、実施例1で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、アウトプットシャフト20が、この発明の出力部材に相当し、第2のサンギヤ14が、この発明の第1の回転要素に相当し、第1のサンギヤ9およびインプットシャフト19が、この発明の第2の回転要素に相当し、第1のリングギヤ10および第2のキャリヤ18が、この発明の第3の回転要素に相当し、第1のキャリヤ13が、この発明の第4の回転要素に相当する。この発明における各回転要素には、回転軸、ギヤ、キャリヤなどの他に、回転メンバ、円筒形状のドラム、円板状のフランジなどの構成も含まれる。また、この発明における出力部材には、アウトプットシャフト20の他に、ギヤ、回転軸、回転メンバ、キャリヤなどの図示しない構成が含まれる。回転軸は、中軸の軸または中空の軸のいずれでも良い。また、第1のクラッチC1および第2のクラッチC2が、この発明の切替機構に相当し、二次電池27が、この発明の蓄電装置に相当し、車両Veが、この発明のハイブリッド車に相当する。なお、この発明の切替機構は、回転部材同士の連結状態の切り替え、もしくは動力の伝達経路を切り替えるためのものである。
また、図3のフローチャートに示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS1ないしステップS9が、この発明のモード選択手段に相当する。また、第1の基準回転数Tg1が、この発明における「第1の所定回転数」に相当し、第2の基準回転数Tg2が、この発明における「第2の所定回転数」に相当する。
この発明において、「蓄電装置の電力に規定された」とは、蓄電装置の電力から求められる、蓄電装置の電力に対応して決定されるなどの技術的意味が含まれている。また、この発明において「蓄電装置の電力」には、蓄電装置の具体的な電力値という意味の他に、蓄電装置の電力の変化特性もしくは傾向、すなわち、電力の増加傾向、電力の減少傾向、電力が一定である場合などの技術的意味が含まれる。そして、第1のモータ・ジェネレータの回転数は、動力伝達効率、電力流通量、蓄電装置の電力量などに基づいて決定することが可能である。
この実施例2は、この発明のハイブリッド車の駆動装置を、FF形式(フロントエンジン・フロントドライブ形式)の車両に用いる例であり、この実施例2を図5に基づいて説明する。この図5においては、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3の軸線が、車両Veの幅方向(左右方向)に配置されている。車両Veの幅方向において、エンジン1と第2のモータ・ジェネレータ2との間に第2のモータ・ジェネレータ3が配置され、第1のモータ・ジェネレータ2と第2のモータ・ジェネレータ3との間に、動力分配装置4が配置されている。また、動力分配装置4は、インプットシャフト19と同軸上に配置されたカウンタドライブギヤ30を有しており、カウンタドライブギヤ30が、第1のリングギヤ10および第2のキャリヤ18と一体回転するように連結されている。つまり、このカウンタドライブギヤ30は、図2の共線図A1における基線B1上で、エンジン1および第1のサンギヤ9およびインプットシャフト19と、第1のキャリヤ13との間に配置されている。
さらに、インプットシャフト19と平行にカウンタシャフト31が設けられており、カウンタシャフト31にカウンタドリブンギヤ32およびファイナルドライブギヤ33が形成されている。そして、カウンタドライブギヤ30とカウンタドリブンギヤ32とが噛合されている。また、最終減速機34が設けられており、最終減速機34はリングギヤ35を有しており、リングギヤ35がファイナルドライブギヤ33に噛合されている。そして、最終減速機34と前輪(車輪)36とが動力伝達可能に連結されている。なお、図5におけるその他の構成は、図1の構成と同様であり、図1と同じ符号を付してある。さらに、図5の車両Veにおいても、図1に示された制御系統および電気系統を適用可能である。
この図5に示された車両Veにおいては、カウンタドライブギヤ30のトルクが、カウンタシャフト31および最終減速機34を経由して前輪36に伝達される。また、実施例2においても、図3に示す制御を実行可能であるとともに、実施例1と同様の作用効果を得ることが可能である。
この実施例3は、この発明のハイブリッド車の駆動装置において、前述した第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3の他に、第3のモータ・ジェネレータを更に設けた構成例である。ここでは、四輪駆動車を例として、図6に基づいて説明する。この図6に示された車両(四輪駆動車)Veは、図1に示された車両Veの構成をベースとしており、前輪37に動力を伝達する第3のモータ・ジェネレータ38が設けられている。第3のモータ・ジェネレータ38は、インバータ39を介在させて二次電池27に接続されている。図6の例では、左右の前輪37に対して別個に第3のモータ・ジェネレータ38が設けられている。
また、図6の車両Veにおいても、図1に示された制御系統および電気系統を用いることが可能であり、図6に示す第3のモータ・ジェネレータ38は、電子制御装置29により制御される構成となっているとともに、第3のモータ・ジェネレータ38は、二次電池27と電気回路M1により接続されている。さらに、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3と第3のモータ・ジェネレータ38との間で、二次電池27を経由することなく電力の授受が可能な構成となっている。そして、図6に示された車両Veにおいても、図3に示された制御例を実行することにより、第1のモードないし第4のモードを選択的に切り替え可能である。以下、図6に示された車両Veで図3のフローチャートを実行する場合の制御例を順次説明する。
(制御例1)
この制御例1においては、車両Veが超低車速で発進し、かつ、電子スロットルバルブが全開である場合に、図3のフローチャートでステップS5に進んだ場合の制御例を、図7の共線図A1に基づいて説明する。この共線図A1において、第3のモータ・ジェネレータ38は、便宜上、アウトプットシャフト20に連結されているものとして描かれている。
ここで、第2のモータ・ジェネレータ3が逆回転し、かつ、回生制御されてエンジントルクの反力が受け持たれるとともに、この第2のモータ・ジェネレータ2で発生した電力を、二次電池27を経由せずに直接第3のモータ・ジェネレータ38に供給することにより、第3のモータ・ジェネレータ38を力行制御して、要求トルクに対するエンジントルクの不足分を補う制御が実行される。つまり、前輪37および後輪6にトルクが伝達されて四輪駆動状態となる。この図7の共線図A1においては、第1のモータ・ジェネレータ2では、力行制御または回生制御も実行されずに空転する。
このように、第1のモードが選択され、かつ、図7の共線図A1の運転状態における動力伝達効率を、図8の線図により説明する。破線で示す比較例は、動力分配装置が3つの回転要素で構成されており、第3のモータ・ジェネレータが前輪に連結されている構成の四輪駆動車に相当する。増速側において、実施例の動力伝達効率の方が、比較例の動力伝達効率よりも高い理由、および、ほとんどの減速側において、実施例の動力伝達効率の方が、比較例の動力伝達効率よりも高い理由は、前述と同じように動力循環が発生しないからである。
また、実施例1および実施例2と、この実施例3とを比較すると、第2のモータ・ジェネレータ3から第1のモータ・ジェネレータ2に供給される電力は、実施例3の方が少なくなる。また、実施例3においては、四輪駆動車として走行する要求がある場合に、第3のモータ・ジェネレータ38が力行制御されるため、車両Veにおける要求駆動力と、実駆動力との背反を生じることもなく、ドライバビリティが向上する。
(制御例2)
つぎに、図6の車両Veで実行可能な制御の制御例2を説明する。例えば、第2のモータ・ジェネレータ3が逆回転であり、かつ、力行制御されてエンジントルクの反力を受け持つとともに、電子スロットルバルブが全開であり、かつ、低速ないし中速の間で車両Veが走行する場合に、ステップS5に進んで実行される制御を、図9の共線図A1に基づいて説明する。図9の共線図A1においては、エンジン回転数よりもアウトプットシャフト20の回転数の方が低速であり、エンジントルクが動力分配装置4で増幅される。また、二次電池27の電力により第3のモータ・ジェネレータ38を力行制御させ、要求トルクに対するエンジントルクの不足分を、第3のモータ・ジェネレータ38のトルクで補う制御が実行される。
さらに、第2のモータ・ジェネレータ3および第3のモータ・ジェネレータ38に供給する電力を、二次電池27の電力で賄うことが可能である場合は、第1のモータ・ジェネレータ2では、力行制御または回生制御のいずれの制御も実行されずに空転する。これに対して、第2のモータ・ジェネレータ3および第3のモータ・ジェネレータ38に供給する電力を、二次電池27の電力で賄うことが不可能な車速である場合は、図9の共線図A1における各回転要素の力関係が釣り合う範囲で、第1のモータ・ジェネレータ2を回生制御し、得られた電力を第2のモータ・ジェネレータ3および第3のモータ・ジェネレータ38に供給する。
(制御例3)
つぎに、図6の車両Veで実行可能な制御の制御例3を説明する。例えば、電子スロットルバルブが全開であり、かつ、高速で車両Ve6が走行する場合に、ステップS5に進んで第1のモードで実行される制御を、図10の共線図A1に基づいて説明する。まず、エンジントルクの反力を、第1のモータ・ジェネレータ2で受け持つ制御が実行される。ここで、第1のモータ・ジェネレータ2は正回転し、かつ、回生制御が実行され、その電力が二次電池27に充電される。図10の共線図A1においては、エンジン回転数よりもアウトプットシャフト20の回転数の方が高速であり、エンジントルクが動力分配装置4で低減される。また、二次電池27の電力で第2のモータ・ジェネレータ3を力行制御させ、要求トルクに対するエンジントルクの不足分を補うことも可能である。さらに、二次電池27の電力で第3のモータ・ジェネレータ38を力行制御させ、要求トルクに対するエンジントルクの不足分を補うことも可能である。
(制御例4)
つぎに、図6の車両Veで実行可能な制御の制御例4を説明する。第1のモードが選択された場合に実行される。例えば、停止しているエンジン1に燃料を供給し、かつ、第1のモータ・ジェネレータ2を力行制御してエンジン1をクランキングさせ、かつ、第2のモータ・ジェネレータ3が逆回転する場合は、電子スロットルバルブの全開時と同様に、第2のモータ・ジェネレータ3を回生制御する。エンジン1の始動後は、第3のモータ・ジェネレータ38を力行制御させ、第1のモータ・ジェネレータ2は空転する。また、第1のモードが選択された場合において、車両Veが低速から高速の範囲で走行する場合は、四輪駆動車として走行する要求に応じて、エンジン1の運転状態が高効率となり、かつ、電気回路M1における電力流通量が最少となるように、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3および第3のモータ・ジェネレータ38を制御することが可能である
(制御例5)
つぎに、図6の車両Veで実行可能な制御の制御例5を説明する。例えば、図6に示す車両Veにおいて、電子スロットルバルブの開度が中開度であり、かつ、高速で走行する場合に、ステップS6に進んで第2のモードを選択する制御例を、図11の共線図A1に基づいて説明する。エンジン1を始動させた後、第1のモータ・ジェネレータ2が逆回転し、かつ、力行制御されてエンジントルクの反力が受け止められている。ここで、四輪駆動車として走行する要求があると、第3のモータ・ジェネレータ38を力行制御するために必要な電気エネルギを算出し、かつ、第1のモータ・ジェネレータ2を力行制御するために必要な電気エネルギを算出する。これらの電気エネルギの算出結果に基づいて、エンジン1の動力で第2のモータ・ジェネレータ3を回生制御し、第2のモータ・ジェネレータ3で発電された電力を、第1のモータ・ジェネレータ2および第3のモータ・ジェネレータ38に供給する。したがって、動力循環を回避することができ、動力伝達効率が向上する。
ここで、図6に示す動力分配装置4を有する車両Veを前提として、第3のモータ・ジェネレータを設けた場合の効果を、より詳細に説明する。まず、動力分配装置がシングルピニオン形式の遊星歯車装置により構成されており、そのサンギヤに第1のモータ・ジェネレータが連結され、キャリヤにエンジンが連結され、リングギヤに車輪および第2のが連結されているとともに、第3のモータ・ジェネレータが設けられている比較例(図示せず)について説明する。この比較例においては、動力分配装置のリングギヤに伝達された動力の一部を第2のモータ・ジェネレータにより電力に変換し、その電力を第1のモータ・ジェネレータに供給して第1のモータ・ジェネレータを力行させる。さらには、第2のモータ・ジェネレータで回生された電力の一部を、第3のモータ・ジェネレータに供給する。このように、比較例においては、動力分配装置および第1のモータ・ジェネレータおよび第2のモータ・ジェネレータの間で動力循環が生じる。
これに対して、図6に示されているように、第3のモータ・ジェネレータを有する実施例においては、第2のモータ・ジェネレータを回生制御し、第2のモータ・ジェネレータで得られた電力を第1のモータ・ジェネレータに供給して、第1のモータ・ジェネレータ2力行制御するため、比較例のような動力循環は生じない。また、エンジンの動力の伝達方向において、動力分配装置よりも上流に第2のモータ・ジェネレータが連結されるため、動力分配装置に供給される動力を低減できる。このため、第1のモータ・ジェネレータを力行制御するために、第2のモータ・ジェネレータから、第1のモータ・ジェネレータに供給する電力を低減することが可能である。したがって、電気回路の全体における電力流通量、具体的には、第2のモータ・ジェネレータから、第1のモータ・ジェネレータおよび第3のモータ・ジェネレータに供給される電力を低減することができる。仮に、エンジンのエネルギのうち、第2のモータ・ジェネレータに50%の動力を分配し、動力分配装置に50%の動力を分配する場合を想定すると、第2のモータ・ジェネレータから第1のモータ・ジェネレータには20%のエネルギを分配し、第2のモータ・ジェネレータから第3のモータ・ジェネレータには30%のエネルギを分配することが可能である。
つぎに、図1に示されている車両Veのように、第3のモータ・ジェネレータが設けられていない構成のパワートレーンにおいて、エンジンのエネルギのうち、動力分配装置に70%を分配し、第2のモータ・ジェネレータに30%を分配するとすれば、第2のモータ・ジェネレータから第1のモータ・ジェネレータに供給されるエネルギも30%となる。この場合、第3のモータ・ジェネレータがある場合と同様に、エネルギ30%を加算すると、電気回路におけるエネルギ流通量は60%となり、図6の実施例に比べて10%の差が生じる。
(制御例6)
つぎに、図6の車両Veで図3の制御を実行するとともに、第2のモードから第1のモードに変更する場合に実行可能な制御例を、図12の共線図A1に基づいて説明する。前述のように、第2のモードが選択されている場合は、第1のクラッチC1が解放され、第2のクラッチC2が係合されている。さらに、線分E2に示すように、第1のモータ・ジェネレータ2が逆回転で力行制御されてエンジントルクの反力を受け持ち、第2のモータ・ジェネレータ3がエンジン1の動力で回生制御されている。なお、図6に示す車両Veにおいて、四輪駆動車として走行する要求がなく、かつ、第2のモードが選択されている場合は、第3のモータ・ジェネレータ38は無負荷状態にある。
このように、第2のモードが選択され、かつ、第2のモードに応じた制御が実行されている場合において、アクセル開度が高開度となり、かつ、第1のモードに変更する要求が生じた場合は、一旦、第2のモードから第3のモードに変更される。つまり、第1のクラッチC1および第2のクラッチC2が共に解放される。その結果、第2のモータ・ジェネレータ3における発電トルクが零ニュートン・メートルとなる。
このようにして、エンジン負荷が軽減されると、エンジン回転数が上昇するとともに、第1のモータ・ジェネレータ2の回転方向が、逆回転から正回転に切り替わる。そして、第1のモータ・ジェネレータ2が回生制御されて、エンジントルクの反力が受け持たれるとともに、第3のモードから線分E1で示す第1のモードに切り替えられて、第2のクラッチC2が係合され、第2のモータ・ジェネレータ3が第1のキャリヤ13に連結される。なお、第2のクラッチC2の係合前に、第2のモータ・ジェネレータ3が力行制御され、その回転数は、第1のキャリヤ13の回転数に同期されている。
このようにして、第1のモードが選択され、かつ、第2のモータ・ジェネレータ3の力行制御によるトルクが、第1のキャリヤ13に伝達される。上記のように、第2のモータ・ジェネレータ3の連結対象を、インプットシャフト19から第1のキャリヤ13に切り替えるまでの間、第1のモータ・ジェネレータ2の回生制御により得られた電力、および二次電池27の電力を第3のモータ・ジェネレータ38に供給して、第3のモータ・ジェネレータ38を力行制御させ、車両Veを四輪駆動車状態に制御する。なお、第1のクラッチC1の係合完了時点で、四輪駆動車として走行する要求がない場合は、第3のモータ・ジェネレータ38は無負荷状態に戻される。
この制御例6によれば、動力分配装置4の変速比を「小」から「大」にダウンシフトさせるにあたり、第2のモータ・ジェネレータ3の連結対象を、インプットシャフト19から第1のキャリヤ13に切り替えるまでの間、車両Veを四輪駆動車状態に制御することで要求駆動力を満足し、加速制御の応答性の向上と、高効率走行とを両立できる。また、第3のモータ・ジェネレータ38が無負荷状態にある場合に、第2のモードから第1のモードに切り替える途中に限り第3のモータ・ジェネレータ38を力行制御するため、第3のモータ・ジェネレータ38の定格の大型化を回避でき、車載性の低下を抑制できる。なお、この実施例3で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、前輪37が、この発明の車輪に相当する。
この発明を適用可能なハイブリッド車の他の実施例を、図13に基づいて説明する。この図13に示された車両Veは四輪駆動車であり、エンジン1と前輪36との間のドライブトレーンが、図5の車両Veと同様に構成されている。さらに、図13に示す車両Veは第3のモータ・ジェネレータ40を有しているとともに、インプットシャフト19と平行にカウンタシャフト41が設けられている。カウンタシャフト41にカウンタドリブンギヤ42およびファイナルドライブギヤ43が形成されている。第3のモータ・ジェネレータ40にはカウンタドリブンギヤ41が連結されている。また、最終減速機44が設けられており、最終減速機44はリングギヤ45を有しており、リングギヤ45がファイナルドライブギヤ43に噛合されている。そして、最終減速機44と後輪(車輪)46とが動力伝達可能に連結されている。
また、第3のモータ・ジェネレータ40は、インバータ47を介在させて二次電池27に接続されている。さらに、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ3および第3のモータ・ジェネレータ40の間で、二次電池27を経由することなく、直接電力の授受をおこなうことが可能なように電線(図示せず)が取り廻されている。なお、図13の車両Veにおいても、図1と同様の制御回路が構成されている。
この図13に示された車両Veにおいては、図5に示された車両Veと同様の作用が生じる。また、第3のモータ・ジェネレータ40のトルクを後輪46に伝達することが可能である。このように、図13に示された車両Veは、いわゆる四輪駆動車として走行することが可能である。そして、実施例4の車両Veにおいても、図3に示された制御例により、第1のモードないし第4のモードを選択的に切り替えることが可能である。また、実施例4の車両Veにおいても、実施例3で説明した制御例1ないし制御例6を実行可能である。なお、この実施例4で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、後輪46が、この発明の車輪に相当する。
さらに、実施例3および実施例4においては、エンジン1の動力が伝達される車輪と、第3のモータ・ジェネレータの動力が伝達される車輪とが異なる構成となっている車両、すなわち、四輪駆動車について説明しているが、第3のモータ・ジェネレータの動力が伝達される車輪と、エンジン1の動力が伝達される車輪とが同じとなるように、パワートレーンを構成したハイブリッド車も、この発明の実施例に含まれる。このようなパワートレーンとしては、例えば、図1における第2のキャリヤ18に第3のモータ・ジェネレータを連結する構成、図5におけるカウンタドライブギヤ30に第3のモータ・ジェネレータを連結する構成、図5におけるカウンタシャフト31に第3のモータ・ジェネレータを連結する構成などが挙げられる。また、図1の車両Veにおいて、左右の後輪6にそれぞれ第3のモータ・ジェネレータ38を連結する構成を採用することも可能である。さらに、図5に示す車両Veにおいて、左右の後輪36にそれぞれ第3のモータ・ジェネレータ38を連結する構成のパワートレーン(二輪駆動車)を採用することも可能である。このような構成を採用する場合、図6に示された電気回路M1と同様の電気回路を構成して、第3のモータ・ジェネレータ38を制御することは勿論である。このように、図1および図5の車両Veに第3のモータ・ジェネレータ38を設けた場合は、左右の後輪6,36に伝達される動力の分配率を異ならせる制御を実行することも可能である。このように、図1および図5において、第3のモータ・ジェネレータ38を設けた車両Veは、実施例3,4と同様の構成である。したがって、図1および図5において、第3のモータ・ジェネレータ38を設けた車両Veにおいても、前述した制御例1ないし制御例6を実行可能である。なお、各実施例においてモータ・ジェネレータとしては、直流型または交流型のモータ・ジェネレータを用いることが可能である。交流型のモータ・ジェネレータとしては、同期型、誘導型、交流整流子型などを用いることが可能である。
この発明におけるハイブリッド車の駆動装置の実施例1の構成を示す概念図である。 この発明におけるハイブリッド車の駆動装置における各回転要素の状態を示す共線図である。 この発明のにおけるイブリッド車の駆動装置の実施例で実行可能な制御例を示すフローチャートである。 この発明の実施例および比較例において、動力分配装置の変速比と動力伝達効率との関係の一例を示す線図である。 この発明におけるハイブリッド車の駆動装置の実施例2の構成を示す概念図である。 この発明におけるハイブリッド車の駆動装置の実施例3の構成を示す概念図である。 図5に示すハイブリッド車の駆動装置で第1のモードが選択された場合において、各回転要素の状態の一例を示す共線図である。 図7に示す共線図の運転状態における実施例の動力伝達効率と、比較例の動力伝達効率とを対比する線図である。 この発明の実施例3において、第1のモードが選択された場合に対応する共線図の一例である。 この発明の実施例3において、第1のモードが選択された場合に対応する共線図の一例である。 この発明の実施例3において、第2のモードが選択された場合に対応する共線図の一例である。 この発明の実施例3において、第2のモードから第1のモードに変更する場合における共線図の一例である。 この発明におけるハイブリッド車の駆動装置の実施例4の構成を示す概念図である。
符号の説明
1…エンジン、 2…第1のモータ・ジェネレータ、 3…第2のモータ・ジェネレータ、 4…動力分配装置、 7…第1の遊星歯車装置、 8…第2の遊星歯車装置、 9…第1のサンギヤ、 10…第1のリングギヤ、 13…第1のキャリヤ、 14…第2のサンギヤ、 18…第2のキャリヤ、 19…インプットシャフト、 20…アウトプットシャフト、 27…二次電池、 37,46…後輪、 38,40…第3のモータ・ジェネレータ、 A1…共線図、 C1…第1のクラッチ、 C2…第2のクラッチ、 Ve…車両。

Claims (15)

  1. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記動力分配装置は、ダブルピニオン式の第1の遊星歯車装置および第2の遊星歯車装置を有しており、この第1の遊星歯車装置は、第1のサンギヤおよび第1のリングギヤと、前記第1のサンギヤに噛合された第1のピニオンギヤと、前記第1のリングギヤおよび前記第1のピニオンギヤに噛合された第2のピニオンギヤと、前記第1のピニオンギヤおよび前記第2のピニオンギヤを自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第1のキャリヤとを有しており、
    前記第2の遊星歯車装置は、第2のサンギヤおよび第2のリングギヤと、前記第2のサンギヤに噛合された第3のピニオンギヤと、前記第2のリングギヤおよび前記第3のピニオンギヤに噛合された第4のピニオンギヤと、前記第3のピニオンギヤおよび前記第4のピニオンギヤを自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第2のキャリヤとを有しており、
    前記第1のサンギヤと前記第2のリングギヤとが一体回転するように連結され、前記第1のリングギヤと前記第2のキャリヤとが一体回転するように連結され、前記第2のサンギヤが前記第1の回転要素を構成し、前記第1のサンギヤおよび前記第2のリングギヤが前記第2の回転要素を構成し、前記第1のリングギヤおよび前記第2のキャリヤが前記第3の回転要素を構成し、前記第1のキャリヤが前記第4の回転要素を構成していることを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  2. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記動力分配装置は、ダブルピニオン式の第1の遊星歯車装置および第2の遊星歯車装置を有しており、この第1の遊星歯車装置は、第1のサンギヤおよび第1のリングギヤと、前記第1のサンギヤに噛合された第1のピニオンギヤと、前記第1のリングギヤおよび前記第1のピニオンギヤに噛合された第2のピニオンギヤと、前記第1のピニオンギヤおよび前記第2のピニオンギヤを自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第1のキャリヤとを有しており、
    前記第2の遊星歯車装置は、第2のサンギヤおよび第2のリングギヤと、前記第2のサンギヤに噛合された第3のピニオンギヤと、前記第2のリングギヤおよび前記第3のピニオンギヤに噛合された第4のピニオンギヤと、前記第3のピニオンギヤおよび前記第4のピニオンギヤを自転可能、かつ、一体的に公転可能に保持する第2のキャリヤとを有しており、
    前記第1のサンギヤと前記第2のリングギヤとが一体回転するように連結され、前記第1のリングギヤと前記第2のキャリヤとが一体回転するように連結され、前記第2のサンギヤが前記第1の回転要素を構成し、前記第1のサンギヤおよび前記第2のリングギヤが前記第2の回転要素を構成し、前記第1のリングギヤおよび前記第2のキャリヤが前記第3の回転要素を構成し、前記第1のキャリヤが前記第4の回転要素を構成しており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、
    前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えていることを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  3. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、
    前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、
    このモード選択手段は、前記第1のモータ・ジェネレータが正回転して回生制御され、かつ、第1の所定回転数よりも高回転である場合に、前記第1のモードを選択する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  4. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、
    前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、
    このモード選択手段は、前記第1のモータ・ジェネレータが逆回転して力行制御され、かつ、第2の所定回転数よりも高回転である場合に、前記第2のモードを選択する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  5. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、
    前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、
    このモード選択手段は、前記第1のモータ・ジェネレータが正回転して回生制御され、かつ、前記第1の所定回転数以下である場合、または、前記第1のモータ・ジェネレータが逆回転して力行制御され、かつ、前記第2の所定回転数以下である場合に、前記第3のモードを選択する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  6. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、
    前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に連結する第4のモードを、更に選択可能に構成されており、
    前記モード選択手段は、前記エンジンの回転数と前記第1のモータ・ジェネレータの回転数との差が所定値以下であり、かつ、車両における加速要求の変化量が所定値以下である場合に、前記第4のモードを選択する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  7. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、
    前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に連結する第4のモードを、更に選択可能に構成されており、
    前記モード選択手段は、前記第1のモータ・ジェネレータまたは前記第2のモータ・ジェネレータの温度が所定温度以上である場合に、前記第4のモードを選択する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  8. 記モード選択手段は、前記第2のモータ・ジェネレータの出力トルクが所定値以下である場合に、前記各モード同士の切り替えをおこなう手段を含むことを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載のハイブリッド車の駆動装置。
  9. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、
    前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、
    車輪に対して動力伝達可能に接続され、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力により力行制御が可能な第3のモータ・ジェネレータが設けられており、
    前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、前記第3の回転要素の回転速度の方が前記第2の回転要素の回転速度よりも低速であり、かつ、前記第2のモータ・ジェネレータが逆回転する場合は、この第2のモータ・ジェネレータを回生制御させることにより、エンジントルクの反力を第2のモータ・ジェネレータで受け持たせるとともに、前記第3のモータ・ジェネレータを力行制御させ、この第3のモータ・ジェネレータのトルクを前記車輪に伝達し、かつ、前記第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を前記第3のモータ・ジェネレータに供給する手段を、更に含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  10. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、
    前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、
    車輪に対して動力伝達可能に接続され、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力により力行制御が可能な第3のモータ・ジェネレータが設けられており、
    前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、前記第3の回転要素の回転速度の方が前記第2の回転要素の回転速度よりも高速である場合は、前記第1のモータ・ジェネレータを回生制御して、この第1のモータ・ジェネレータでエンジントルクの反力を受け持たせるとともに、前記第2のモータ・ジェネレータまたは第3のモータ・ジェネレータの少なくとも一方を力行制御させ、その第2のモータ・ジェネレータまたは第3のモータ・ジェネレータの少なくとも一方のトルクを前記車輪に伝達するとともに、前記第1のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を、前記第2のモータ・ジェネレータまたは前記第3のモータ・ジェネレータに供給する手段を、更に含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  11. エンジンと出力部材との間の動力伝達経路に動力分配装置が設けられており、この動力分配装置は、相互に差動回転可能な第1の回転要素ないし第4の回転要素を有しているとともに、各回転要素に前記エンジンと第1のモータ・ジェネレータと第2のモータ・ジェネレータと前記出力部材とが別々に連結されており、前記エンジンまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を、前記動力分配装置に入力し、かつ、前記出力部材から出力させることの可能なハイブリッド車の駆動装置において、
    前記第1の回転要素ないし前記第4の回転要素を基線上の異なる位置に配置する共線図で、前記第1の回転要素と前記第4の回転要素との間に、前記第2の回転要素および前記第3の回転要素が配置されるように、各回転要素同士が連結されているとともに、
    前記第1のモータ・ジェネレータが前記第1の回転要素に連結され、前記エンジンが前記第2の回転要素に連結され、前記出力部材が第3の回転要素に連結されており、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素に対する前記第2のモータ・ジェネレータの連結・解放を制御する切替機構を有しており、
    前記切替機構は、前記第2のモータ・ジェネレータと前記第4の回転要素とを連結する第1のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを前記第2の回転要素に連結する第2のモードと、前記第2のモータ・ジェネレータを、前記第2の回転要素および前記第4の回転要素から解放する第3のモードとを選択的に切替可能に構成されており、前記第1のモータ・ジェネレータとの間で電力の授受が可能な蓄電装置が設けられており、
    前記蓄電装置と前記第1のモータ・ジェネレータとの間における電力流通量が相対的に少なくなるように、前記第1のモードないし第3のモードを選択的に切り換えるモード選択手段を備えており、
    車輪に対して動力伝達可能に接続され、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力により力行制御が可能な第3のモータ・ジェネレータが設けられており、
    前記モード選択手段は、前記第2のモードが選択され、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータが逆回転で力行制御され、この第1のモータ・ジェネレータによりエンジントルクの反力を受け持つとともに、第3のモータ・ジェネレータを力行制御する場合に、前記第2のモータ・ジェネレータの回生制御により得られた電力を、前記第1のモータ・ジェネレータおよび前記第3のモータ・ジェネレータに供給する手段を、更に含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  12. 記モード選択手段は、前記第2のモードから前記第3のモードを経由させて前記第1のモードに変更する場合に、前記第3のモータ・ジェネレータを力行制御させる手段を、更に含むことを特徴とする請求項9ないし11に記載のハイブリッド車の駆動装置。
  13. 前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、前記第3の回転要素の回転速度の方が前記第2の回転要素の回転速度よりも低速であり、かつ、前記第2のモータ・ジェネレータが正回転する場合は、この第2のモータ・ジェネレータを力行制御させることにより、エンジントルクの反力を第2のモータ・ジェネレータで受け持たせるとともに、前記第3のモータ・ジェネレータを力行制御させる手段を、更に含むことを特徴とする請求項9ないし11に記載のハイブリッド車の駆動装置。
  14. 前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、前記第2のモータ・ジェネレータが逆回転し、かつ、前記第1のモータ・ジェネレータを力行制御することにより、停止しているエンジンをクランキングさせる場合は、前記第2のモータ・ジェネレータで回生制御を実行させ、前記第3のモータ・ジェネレータを力行制御する手段を含むことを特徴とする請求項9ないし11に記載のハイブリッド車の駆動装置。
  15. 前記モード選択手段は、前記第1のモードが選択され、かつ、車両が低速から高速の範囲で走行する場合は、この車両を四輪駆動車として走行する要求に応じて、前記エンジンの運転状態が高効率となり、かつ、電力流通量が最小となるように、前記第1のモータ・ジェネレータおよび第2のモータ・ジェネレータおよび第3のモータ・ジェネレータを制御する手段を含むことを特徴とする請求項9ないし11に記載のハイブリッド車の駆動装置。
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